JPH0720786Y2 - タクシーメータ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、電子式タクシーメータ
における本体ケース前面に設けられた累計指数表示部の
改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５は従来より用いられている電子式タ
クシーメータの本体ケース前面の構成を示している。ケ
ース前面には、料金表示部２と累計指数表示部３を隣接
配置した表示部１、空車、賃走、支払、割増、迎車等の
現在のタリフを選択的に表示するタリフ表示部４、前記
各種タリフを指定するための多数のタリフ選択用押ボタ
ン５，５……、及び前記累計指数表示部３に各種累計指
数を呼び出すための呼び出しボタン６が設けられた構成
である。累計指数表示部３は通常は消灯状態であり、必
要に応じて乗務員が呼び出しボタン６を操作することに
よって各種累計指数等の管理情報が表示されるように構
成されている。

【０００３】表示部１の詳細は図６で示される。即ち、
表示部１は、料金表示部２と累計指数表示部３が隣接配
置された構成であり、図示するように料金表示部２は７
セグメント方式の表示体を５桁並設して構成され、他
方、累計指数表示部３は前記料金表示部２を構成する表
示体よりもやや小さめの７セグメント方式の表示体を４
〜５桁並設して構成される。そして表示体としては通
常、蛍光表示管が用いられている。累計指数表示部３に
はＲＡＭ内に記憶された各種累計指数等の管理情報が切
替え表示される。そして、累計指数表示部を構成する表
示体のうち左端に位置する表示体には他の表示体よりも
やや大きな表示体が用いられ、この左端の表示体には、
累計指数表示部３に表示された数値の種別を表示するた
めの種別表示部としての機能が与えられている。（以
下、この表示体を種別表示体３ａと称す）

【０００４】累計指数表示部３の表示内容の切替えは、
呼び出しボタン６を押すことによって行われ、ボタンを
１回押す度に一定の順序で種別が切り替わる仕組みとな
っている。累計指数の種別は前述したように累計指数表
示部左端に位置する７セグメント方式の種別表示体３ａ
によって表示されるが、この種別表示体３ａに表示され
る内容と累計指数表示部３に表示される数値内容とは一
定の対応関係が与えられており、例えば、種別表示体３
ａの表示が「１」の場合は、累計指数表示部３に表示さ
れている数値は全走行Ｋｍを表し、「２」の場合は乗車
走行Ｋｍ、「３」の場合は乗車回数、「４」の場合はそ
の後の回数を表すというように「１」〜「９」の各数字
にそれぞれ「種別」が割り当てられ、また、数字以外で
も７セグメントの表示体によって表現可能なアルファベ
ットであるＣ、Ｅ、Ｆ、Ｈ、Ｐ、Ｌにもそれぞれ「種
別」が割り当てられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】このように、累計指数
表示部の左端に位置する種別表示体には、７セグメント
により表現可能な数字及びアルファベットの全てに対し
て、様々な管理情報の種別が割り当てられている。しか
しながら、タクシーメータにおいて管理すべき情報種別
は上述したものにとどまらず、例えば、「予約回数」、
「割引回数」等の他の累計指数を管理することなど、更
に多くの情報を管理することが望まれている。また今
後、新しい運賃制度の導入に伴って管理すべき情報が増
加することも予想される。

【０００６】しかしながら、従来の種別表示体３ａは他
の表示体と同様、７セグメント方式の蛍光表示管を用い
ているために、当該蛍光表示管で表現できる種別は前述
したように、１，２，３，４，５，６，７，８，９，
Ｃ，Ｅ，Ｐ，Ｌ，Ｈ，Ｆ程度であって、その表現できる
数に制限があり、しかもこれら表現可能な数字及びアル
ファベットには、既に上述したように既存の管理情報が
割り当てられているので、新たな管理情報の増設に対応
することはできなかった。タクシーメータに搭載されて
いるマイクロコンピューター自体の機能は管理情報の増
設に充分対応可能であるにもかかわらず、累計指数表示
部における種別表示体３ａの表示文字数に制限があるた
めに、マイクロコンピューターの機能を充分に使いきっ
ていないのが実情であった。

【０００７】また、従来の種別表示には前述したように
１〜９の数字が主として用いられているが、当該種別表
示体３ａの右には累計指数表示部の内容が同じように数
字で表示されるため紛らわしく、累計指数表示部３の表
示内容を読み誤る問題もあった。

【０００８】管理情報の増設に対応して種別表示の数を
増やす方法としては、例えば種別表示体３ａの桁数を二
桁にすることが考慮されるが、累計指数表示部３は料金
表示部２に隣接した狭い範囲に配置されることから種別
表示体３ａの桁数を増やすことは困難であり、また仮に
桁数増設が可能であったとしても、二桁の数字による種
別表示は認識しにくく実用的でない。

【０００９】本考案はかかる現況に鑑みてなされたもの
であり、種別表示体の桁数を増やすことなく、累計指数
表示部に切替え表示される管理情報の種別を増やすこと
が可能で、今後増加が予想される管理情報の増大にも柔
軟に対応でき、しかも種別表示体の表示内容が隣接する
累計指数表示部に表示される数値と紛れることを少なく
し、累計指数表示部の数値表示内容と種別表示を明確に
区別して認識することが容易なタクシーメータを提供せ
んとするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】かかる課題を解決した本
考案は、累計指数表示部を構成する複数個のセグメント
方式の表示体のうち種別表示の機能を担う表示体にアル
ファニューメリック表示の表示体を用いたことを特徴と
している。種別表示の機能を担う表示体の配置位置は累
計指数表示部の左端又は右端のいずれでもよいが、一般
的には左端が好ましい。

【００１１】

【作用】このようなタクシーメータは、累計指数表示部
を構成するセグメント方式の表示体のうち種別表示の機
能を担う種別表示体にアルファニューメリック表示の表
示体を用いているので、当該種別表示体には数字に加え
てアルファベット大文字２６文字、更にアルファベット
小文字も多数表示することが可能となり、累計指数表示
部に切り替え表示する累計指数の種別を数多く表現する
ことが可能であり、今後予想される管理情報の増大にも
容易に且つ余裕をもって対応できる。

【００１２】

【実施例】次に本考案の詳細を図示した実施例に基づき
説明する。図１は本考案にかかるタクシーメータに用い
る表示部の構成を示している。表示部１は、料金表示部
２と当該料金表示部２の左に配置された累計指数表示部
７とから構成される。料金表示部２及び累計指数表示部
７は共にセグメント方式の表示体を並設した構成であ
り、本実施例では表示体として蛍光表示管を用いてい
る。表示体としてはセグメント方式のものであれば他の
ものを使用することも可能であり、例えばＬＥＤを用い
てもよい。図例のものでは両表示部は同一基板上に形成
され単一部品として取り扱われているが、料金表示部２
と累計指数表示部７はそれぞれ別の基板上に形成し、別
部品として取り扱ってもよい。

【００１３】本考案は、累計指数表示部７を構成するセ
グメント方式の表示体のうち種別表示の機能を担う表示
体７ａ（以下、種別表示体７ａと称す）に、アルファニ
ューメリック表示が可能な表示体を用いたことを特徴と
している。種別表示体７ａは累計指数表示部７内におけ
る左端又は右端のいずれに設けてもよいが、一般的には
左端に設けることが好ましい。図２は、本実施例に用い
たアルファニューメリック表示の蛍光表示管の構成を示
している。図例のアルファニューメリック表示の蛍光表
示管は１４個のセグメントから構成されている。即ち、
アルファニューメリック表示の蛍光表示管は従来の７セ
グメント方式の蛍光表示管における中段の横長セルａが
左右に２分割されるとともに、当該横長セルａの中間位
置に当該横長セルａと直交する上下に２分割された縦長
セルｂが増設され、更に前記横長セルａと縦長セルｂの
交点位置を通過して２分割された傾斜セルｃ，ｃを増設
した構成であり、全体で１４のセグメントから構成され
ている。

【００１４】このような構成のアルファニューメリック
表示の蛍光表示管は０〜９までの数字が表示できること
に加えて、図３に示すようにアルファベット大文字Ａ〜
Ｚの全てを表示することが可能であり、更に図示しない
がアルファベット小文字も多数表示することができる。
したがって、従来の７セグメント方式の蛍光表示管が表
現できる種別数に比べて格段に多い数の種別を表現する
ことが可能となり、累計指数表示部７に多数の管理情報
を切り替え表示した場合にも、その種別を的確に表現す
ることができる。

【００１５】図４は、前記アルファニューメリック表示
の蛍光表示管を組み込んだタクシーメータであり、呼び
出しボタン６を操作して累計指数表示部７に累計指数を
切り替え表示した状態を示している。本考案のタクシー
メータでは、累計指数表示部７の左端に位置する表示体
は数字に加えてアルファベットも表示することができる
から、累計指数表示部７に切り替え表示する管理情報の
種類が増えた場合でも、それぞれの管理情報の種別を余
裕をもって表現することができる。しかも、アルファベ
ットによる種別表示であるから、管理情報の内容の頭文
字と対応させることも可能であり、切り替え表示される
表示内容の種別の認識も容易となる。また、種別表示に
１〜９の数字を用いることなく、種別表示を全てアルフ
ァベットで行うことも可能であり、このようにアルファ
ベットのみで種別表示をおこなったときには、累計指数
表示部７の表示内容と種別表示部の表示が紛らわしいと
いった問題も解消することができる。

【００１６】

【考案の効果】本考案のタクシーメータは、累計指数表
示部を構成する複数個のセグメント方式の表示体のうち
種別表示の機能を担う表示体にアルファニューメリック
表示の表示体を用い、当該部分に数字に加えてアルファ
ベットも表示できるようにしたので、累計指数表示部に
切り替え表示される管理情報の種別が増えた場合にも、
当該管理情報の種別を表すアルファベット文字を割り当
てることができ、今後予想される管理情報の増加に柔軟
且つ余裕をもって対応できる。しかも、アルファベット
による種別表示であるから、管理情報の内容の頭文字と
対応させることも可能であり、切り替え表示される表示
内容の種別の認識も容易となる。また、種別表示に１〜
９の数字を用いることなく、種別表示を全てアルファベ
ットで行うことも可能であり、このようにアルファベッ
トのみで種別表示をおこなったときには、累計指数表示
部の表示内容と種別表示部の表示が紛らわしいといった
問題も解消することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のタクシーメータの表示部の構成を示す
説明図

【図２】アルファニューメリック表示の蛍光表示管の構
成を示す説明図

【図３】アルファニューメリック表示の蛍光表示管によ
りアルファベット大文字を表現した状態を示す説明図

【図４】本考案のタクシーメータの１実施例であり、累
計指数表示部を切り替え表示した状態を示す正面図

【図５】従来のタクシーメータを示す正面図

【図６】従来のタクシーメータに用いられている表示部
の構成を示す説明図

【図７】７セグメント方式の蛍光表示管により表現でき
るアルファベット文字の代表例を示す説明図

【符号の説明】

１ 表示部 ２ 料金表示部 ３ 累計指数表示部 ３ａ 種別表示体 ４ タリフ表示部 ５ タリフ選択用押ボタン ６ 呼び出しボタン ７ 累計指数表示部 ７ａ 種別表示体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体ケース前面に、セグメント方式の表
   示体により構成された料金表示部と累計指数表示部を隣
   接配置してなるタクシーメータにおいて、累計指数表示
   部を構成する複数個のセグメント方式の表示体のうち種
   別表示の機能を担う表示体にアルファニューメリック表
   示の表示体を用いたことを特徴とするタクシーメータ。
2. 【請求項２】 種別表示の機能を担う表示体は累計指数
   表示部内における左端に位置づけてなる請求項１記載の
   タクシーメータ。