JPH07207582A - シートベルト用ポリエステル原着糸 - Google Patents

シートベルト用ポリエステル原着糸

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JPH07207582A
JPH07207582A JP6014002A JP1400294A JPH07207582A JP H07207582 A JPH07207582 A JP H07207582A JP 6014002 A JP6014002 A JP 6014002A JP 1400294 A JP1400294 A JP 1400294A JP H07207582 A JPH07207582 A JP H07207582A
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polyester
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dope
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博之 渡辺
Masaaki Shimaoka
正明 島岡
Kunio Takimoto
國男 滝本
Toshio Kitagawa
俊夫 北川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 染色加工や樹脂加工を必要とすることなくシ
ートベルトとすることのできる高強度で、耐久性のある
平滑性を有するシートベルト用ポリエステル原着糸を提
供する。 【構成】 固有粘度が0.85以上のポリエチレンテレフタ
レートからなり、強度が8.5g/d以上の顔料を含有し
たシートベルト用ポリエステル原着糸であって、繊維表
面にポリオキシエチレングリコールとフタル酸とから得
られたポリエステル系平滑剤が0.02重量%以上付与され
ており、シートベルト用織物としたときの滑り効率が50
%以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度で、平滑性、耐
久性に優れたシートベルト用ポリエステル原着糸に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】シートベルト用糸として、ポリエチレン
テレフタレートからなる高強度のポリエステル糸が広く
使用されている。シートベルトには、サッシュガイドと
の繰り返し摩擦やシートベルトの脱着時におけるシート
ベルトの引き出し、格納の際の摩擦を軽減するため、滑
り効率が良好であることが要求される。従来、一般に、
シートベルト用ポリエステル糸は非着色のものとされて
おり、製織後、染色加工を施す必要があった。ポリエス
テル糸を製造する際に平滑剤を含む油剤が付与される
が、染色加工すると油剤が脱落してしまうため、染色加
工後、樹脂加工を施して滑り性を付与する必要があっ
た。また、染色加工や樹脂加工を施すことは、コストア
ップになるとともに、染色工程での廃水による環境汚染
の問題もあった。
【0003】染色加工の問題を解決するには、原糸の製
造工程で着色する原着糸とすればよいが、樹脂加工も省
略するためには、耐久性のある平滑性を付与することが
必要である。従来、このような耐久性のある平滑性を有
するシートベルト用ポリエステル原着糸は知られていな
かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、染色加工や
樹脂加工を必要とすることなくシートベルトとすること
のできる高強度で、耐久性のある平滑性を有するシート
ベルト用ポリエステル原着糸を提供しようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するもので、その要旨は、固有粘度が0.85以上のポ
リエチレンテレフタレートからなり、強度が 8.5g/d
以上の顔料を含有したシートベルト用ポリエステル原着
糸であって、繊維表面にポリオキシエチレングリコール
とフタル酸とから得られたポリエステル系平滑剤が0.02
重量%以上付与されており、シートベルト用織物とした
ときの滑り効率が50%以上であることを特徴とするシー
トベルト用ポリエステル原着糸にある。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のポリエステル糸は、固有粘度が0.85以上のポリエ
チレンテレフタレートで構成される。固有粘度が0.85未
満のものでは、シートベルト用として必要な強度を達成
することが困難であり、操業性、品位及び耐久性の面で
も好ましくない。なお、ポリエチレンテレフタレートに
は、少量の共重合成分や耐熱剤その他の添加剤が含まれ
ていてもよい。
【0007】また、本発明のポリエステル糸は、強度が
8.5g/d以上、好ましくは 9.0g/d以上であること
が必要である。強度が 8.5g/d未満のものでは、シー
トベルトとしての強度を得るために、織物の経糸本数を
増やさなくてはならず、重量、厚さ及び幅の増加とな
り、好ましくない。
【0008】さらに、本発明のポリエステル糸は、シー
トベルト用織物としたときの滑り効率が50%以上である
ことが必要であり、滑り効率が50%未満であるとシート
ベルトの引き出し、格納時に支障が生じるとともに、耐
久性が悪くなる。なお、本発明において、滑り効率は図
1の装置を用いて測定される。図1において、1はサッ
シュガイド、2は荷重用おもり、3は梨地ガイドピン、
4はシートベルト用織物を示す。荷重用おもり2として
500gのものを用い、梨地ガイドピン3として直径8mm
のものを用い、シートベルト用織物4を 300mm/分の速
度で往復させ、引張時の張力F1 と引戻時の張力F2 と
を測定し、次式で滑り効率を算出する。 滑り効率(%)=(F2/F1)1/2×100
【0009】本発明のポリエステル糸には、この滑り効
率を向上させるために、繊維表面にポリオキシエチレン
グリコールとフタル酸とから得られたポリエステル系平
滑剤が0.02重量%以上付与されている。このポリエステ
ル系平滑剤としては、分子量1000以上、好ましくは3000
〜12000 のものが用いられる。分子量が1000未満のもの
では、糸条に耐久性のある平滑性を付与することができ
ず、分子量が12000 を超えるものでは、油剤への分散性
が悪く、糸条に均一に付与することが困難である。
【0010】ポリエステル系平滑剤は、油剤中にその含
有量が3重量%以上、好ましくは10重量%以上となるよ
うに配合して付与される。ポリエステル系平滑剤を配合
するベース油剤としては、ヤシ油を主成分とするのもの
が好ましく、例えば、ヤシ油40〜70重量%、ポリグリセ
リンポリオレエート5〜15重量%、ポリオキシエチレン
化硬化ヒマシ油エーテル5〜20重量%及びアマイド系高
分子活性剤5〜15重量%からなるものが好適である。ポ
リエステル系平滑剤を含有した油剤は、ポリエステル系
平滑剤の付着量が0.02重量%以上となるように付与され
るが、通常、油剤の付着量が 0.5重量%以上、好ましく
は 0.6重量%以上となるように付与される。油剤中のポ
リエステル系平滑剤の含有量及び油剤の付着量があまり
少ないと滑り効率を50%以上とすることが困難である。
油剤中のポリエステル系平滑剤の含有量及び油剤の付着
量の上限は、円滑に製糸できる量であればよい。なお、
ポリエステル系平滑剤を含有した油剤は、紡糸油剤とし
て付与しても、延伸後の仕上げ油剤として付与してもい
ずれでもよいが、延伸工程での油剤の脱落がないため、
仕上げ油剤として付与するのが望ましい。
【0011】
【作用】本発明のシートベルト用ポリエステル糸は、原
着糸であるから染色を必要とせず、また、繊維の表面に
付着しているポリエステル系平滑剤が耐久性のある滑り
性を示すので、この糸条を用いて製織すれば、染色及び
樹脂加工を施す必要のないシートベルト用織物が得られ
る。
【0012】
【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、固有粘度は、フェノールとテトラクロロエタ
ンとの等重量混合物を溶媒とし、温度20℃で測定した。
また、強度は、島津製作所製オートグラフAG−100B型を
用い、試料長 250mm、引張速度 300mm/分で測定した。
【0013】実施例1 固有粘度が1.11のポリエチレンテレフタレートチップ
に、カーボンブラックを20重量%含有したマスターチッ
プ 2.5重量%を添加し、紡糸温度 295℃で、孔数140の
紡糸口金から紡出し、口金直下に配設した長さ 210mm、
雰囲気温度 430℃の加熱筒を通した後、冷却風を吹きつ
けて冷却した。冷却固化した糸条に下記の紡糸油剤を
0.7重量%付与した後、周速 350m/分の引取ローラで
引き取り、引取ローラと供給ローラとの間で 0.5%のス
トレッチを与えて糸条を安定化させ、供給ローラと 230
℃の加熱延伸ローラとの間で過熱水蒸気を吹きつけなが
ら 6.0倍に延伸し、延伸ローラと同速度の 150℃の加熱
ローラで引き取り、下記の仕上げ油剤を 0.7重量%付与
して巻き取り、1500d/140fの糸条を得た。 紡糸油剤 鉱物油 50重
量% ヤシ油 10 オレイルオレエート 15 ポリオキシエチレン(4) ラウリルエーテル 10 乳化剤等 15 仕上げ油剤 ポリエステル系平滑剤 5重
量% ヤシ油 55 ポリグリセリンポリオレエート(平均重合度2) 10 ポリオキシエチレン化硬化ヒマシ油エーテル 12 アマイド系高分子活性剤 10 ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 5 酸化防止剤 3 (ポリエステル系平滑剤は、ポリオキシエチレングリコ
ールとフタル酸との縮合物で、分子量約5000のものであ
る。)得られた糸条を用いて、経糸本数 312本のシート
ベルト用織物を製織し、滑り効率を評価した。
【0014】実施例2 固有粘度が0.96のポリエチレンテレフタレートチップを
用いた以外は実施例1と同様に実施した。
【0015】実施例3 実施例1における仕上げ油剤のポリエステル系平滑剤の
量を15重量%とした以外と実施例1と同様に実施した。
【0016】比較例1 実施例1における仕上げ油剤のポリエステル系平滑剤の
量を2重量%とした以外と実施例1と同様に実施した。
【0017】比較例2 固有粘度が0.81のポリエチレンテレフタレートチップを
用いた以外は実施例1と同様に実施した。
【0018】以上の実施例及び比較例の結果をまとめて
表1に示す。
【0019】
【表1】
【0020】表1から明らかなように、実施例1〜3で
得られたポリエステル糸は、高強度で、滑り効率の良好
な織物を与えるものであった。これに対して、油剤中の
ポリエステル系平滑剤の含有量が少ない比較例1では織
物の滑り効率が不十分であり、固有粘度が低い比較例2
では強度が不十分であった。なお、紡糸油剤は、延伸、
熱処理工程で殆ど飛散してしまっていたが、仕上げ油剤
に配合して付与したポリエステル系平滑剤は、そのまま
繊維上に付着していた。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、染色加工や樹脂加工を
必要とすることなくシートベルトとすることのできる高
強度で、耐久性のある平滑性を有するシートベルト用ポ
リエステル原着糸が提供される。したがって、本発明の
ポリエステル糸を用いれば、シートベルトの加工工程が
短縮され、加工コストの低減及び納期の短縮が可能とな
る。また、加工工程での強度低下を低減することができ
ることから、高強度を維持することができ、シートベル
ト用織物の経糸本数を減らすことが可能となり、シート
ベルトの厚さや幅を縮小し、高強力で軽量のシートベル
トを低コストで得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】滑り効率を測定するための装置を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 サッシュガイド 2 荷重用おもり 3 梨地ガイドピン 4 シートベルト用織物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D02G 3/02 3/44 D03D 1/00 D 15/00 E

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固有粘度が0.85以上のポリエチレンテレ
    フタレートからなり、強度が 8.5g/d以上の顔料を含
    有したシートベルト用ポリエステル原着糸であって、繊
    維表面にポリオキシエチレングリコールとフタル酸とか
    ら得られたポリエステル系平滑剤が0.02重量%以上付与
    されており、シートベルト用織物としたときの滑り効率
    が50%以上であることを特徴とするシートベルト用ポリ
    エステル原着糸。
JP01400294A 1994-01-11 1994-01-11 シートベルト用ポリエステル原着糸 Expired - Fee Related JP3291106B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1998003723A1 (fr) * 1996-07-19 1998-01-29 Toray Industries, Inc. Agent de reduction de friction destine a des ceintures de securite
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