JPH07258918A - シートベルト用ポリエステル原着糸およびその原着糸を用いたシートベルト - Google Patents

シートベルト用ポリエステル原着糸およびその原着糸を用いたシートベルト

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JPH07258918A
JPH07258918A JP6044147A JP4414794A JPH07258918A JP H07258918 A JPH07258918 A JP H07258918A JP 6044147 A JP6044147 A JP 6044147A JP 4414794 A JP4414794 A JP 4414794A JP H07258918 A JPH07258918 A JP H07258918A
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polyester
yarn
dyed yarn
spun
dyed
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JP6044147A
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Naoji Ikeda
直司 池田
Nobuhiko Tsuzuki
信彦 都築
Hideo Nagahara
秀夫 長原
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シートベルト製造工程の簡素化、使用済み
シートベルトの再溶融によるポリエステルのリサイクル
を実現するために、耐摩耗性にすぐれ、高強度であるシ
ートベルト用ポリエステル原着糸およびシートベルトを
提供する。 【構成】 固有粘度が0.7以上であるシートベルト
用ポリエステル原着糸において、前記ポリエステルに添
加、混練する着色剤として、その粒径分布が3〜20n
mの範囲である着色剤を、0.3〜0.6重量パーセン
トの濃度で添加することを特徴とし、また、前記ポリエ
ステル原着糸の表面に低摩擦化処理剤が付与されている
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性にすぐれ、高
強度であり、シートベルト製造工程での染色および仕上
樹脂処理を必要とせず、さらには使用済みシートベルト
の再溶融によるポリエステルのリサイクルが可能なシー
トベルト用ポリエステル原着糸およびこの原着糸を用い
たシートベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のシートベルト用原糸としては、耐
熱性、寸法安定性および耐光性などにすぐれたポリエス
テル原糸が、一般に広く使用されている。
【0003】そして、このシートベルト用ポリエステル
原糸は、シートベルト製造工程において、製織、染色、
ヒートセットおよび仕上樹脂処理などを施され、シート
ベルト用ウェビングとなる。ここで、従来の一般的なシ
ートベルト製造工程は、白色の原糸を使用し、製織後の
染色により、任意の色相のシートベルト用ウェビングを
製造することを前提としている。
【0004】しかしながら、近年、シートベルト製造工
程におけるコストダウン指向、さらにはシートベルトを
初めとする車輌関連部品のリサイクル指向の高まってい
ることから、シートベルト用原糸には染色レス、仕上樹
脂処理レスといったシートベルト製造工程の簡素化や、
シートベルト用ウェビングにおけるポリエステルとは異
なる化学種の低減、排除などが要求されるようになっ
た。
【0005】従来、シートベルト用原糸の性能向上のた
めの検討が、様々な観点から実施されており、例えば、
耐摩耗性向上に関しては、特開昭55−116361号
公報および特開平3−40829号公報などにおいて、
シートベルト用原糸の単糸繊度の適正化による改善技術
が提案されている。
【0006】また、シートベルト用原糸の高強度化の試
みとしては、特開平3−813号公報および特開平3−
234812号公報などにより、ポリエステルポリマの
改質による改善技術が、また特開昭62−104938
号公報により、高強力芳香族ポリアミド繊維の導入によ
る改善技術が、それぞれ提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術においては、いずれもシートベルト用糸の原
着については言及されておらず、これらの提案により染
色レスおよび仕上樹脂処理レスによるシートベルト製造
工程の簡素化、および使用済みシートベルトの再溶融に
よるポリエステルのリサイクルの要求を実現することは
不可能である。
【0008】さらに、ポリエステル原着糸に関する従来
例としては、例えば、特開昭52−55724号公報お
よび特開昭63−123328号公報などが挙げられる
が、これらはいずれもポリエステル原糸中に含有される
着色剤の色調改善に関するものであり、ポリエステル原
着糸の強度や耐摩耗性改善については開示するものでは
ない。
【0009】本発明は、上述した従来技術における問題
点を解消するために検討した結果、達成されたものであ
る。
【0010】したがって本発明の目的は、耐摩耗性にす
ぐれ、高強度であり、シートベルト製造工程の簡素化お
よび使用済みシートベルトの再溶融によるポリエステル
のリサイクルが可能なシートベルト用ポリエステル原着
糸、およびこの原着糸を用いたシートベルトを提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のシートベルト用ポリエステル原着糸は、
主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートからな
り、固有粘度が0.7以上であるポリエステル中に、粒
径分布が3〜20nmの範囲にある着色剤を含有せしめ
たことを特徴とする。
【0012】また、本発明のシートベルト用ポリエステ
ル原着糸は、主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレ
ートからなり、固有粘度が0.7以上であるポリエステ
ル中に、粒径分布が3〜20nmの範囲にある着色剤を
含有せしめたポリエステル原着糸であって、このポリエ
ステル原着糸の表面に低摩擦化処理剤が付与されている
ことを特徴とする。
【0013】さらに、本発明のシートベルトは、上記ポ
リエステル原着糸を経糸として用いることにより構成し
たことを特徴とする。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】本発明で用いるポリエステルは、主たる繰
り返し単位の80パーセント以上がエチレンテレフタレ
ートからなることが必須であり、好ましくは90パーセ
ント以上、より好ましくは95パーセント以上である。
【0016】そして、高強度原糸とするため、ポリエス
テル原糸の固有粘度は0.7以上であることが必須であ
り、好ましくは0.8以上である。
【0017】また、上記ポリエステルは、本発明の構成
要件および目的を損なわない範囲であれば、従来公知の
酸成分およびグリコール成分を共重合しても差支えな
い。前記共重合酸成分としては、例えばイソフタル酸お
よびアジピン酸などが、また前記共重合グルコール成分
としては、例えばテトラメチレングリコール、1、4−
シクロヘキサンジメタノールおよびポリメチレングリコ
ールなどが挙げられる。
【0018】本発明のポリエステル原着糸に使用される
着色剤は、その粒径分布が3〜20nm、好ましく5〜
10nmの範囲にあり、とくにに使用済みシートベルト
の再溶融によるポリエステルのリサイクルを考慮する
と、カーボンブラック系着色剤であることが望ましい。
【0019】本発明においては、使用する着色剤の粒径
分布を従来品よりも微細にすること、および下記に述べ
る低摩擦化処理剤を原糸表面に付与することによって、
耐摩耗性にすぐれ、かつ染色工程レスの可能なシートベ
ルト用ポリエステル原着糸の実現を達成することができ
る。
【0020】すなわち、ポリエステル原着糸中に混練さ
れた着色剤は、その一部がポリエステル原着糸表面に露
出し、この時着色剤の粒径あるいは着色剤のポリエステ
ルに対する分散性により、着色剤露出部位の大きさ、着
色剤の凝集性が異なるため、耐摩耗性に影響を及ぼすこ
とになる。つまり、着色剤の粗大凝集部が原着糸表面に
突出すると、シートベルト用ポリエステル原着糸および
シートベルトの耐摩耗性は当然のことながら低下するこ
とになる。
【0021】そして、着色剤がカーボンブラックである
場合を例にとると、従来の一般的なカーボンブラックの
粒径分布は20〜70nmの範囲と大きいため、着色剤
の粗大凝集部が原着糸表面に突出する傾向が著しく、耐
摩耗性が不十分となる。
【0022】これに対し、本発明で使用する着色剤は、
その粒径分布が3〜20nmと従来品に比較して粒径は
微細であり、粒径分布幅も小さいため、着色剤の粗大凝
集部が原着糸表面に突出することがなく、シートベルト
用ポリエステル原着糸およびシートベルトの耐摩耗性の
向上を図ることができるのである。
【0023】また、ポリエステル原着糸中の着色剤濃度
は、0.3〜0.6重量パーセント、とくに0.4〜
0.5パーセントの範囲であることが必要であり、添加
量が0.6ハーセントを越えると、ポリエステルの粘度
低下を引き起こして、シートベルト用原糸として必要な
強度を確保することが出来なくなり、添加量が0.3パ
ーセント未満では、ポリエステル原着糸の色相が淡くな
り、染色レスによるシートベルト製造工程の簡素化が困
難になるため好ましくない。
【0024】着色剤の添加方法としては、ポリエステル
重縮合のためのエステル化工程あるいは、エステル交換
工程、または、重縮合反応工程において添加する方法、
チップ乾燥時にブレンドして紡糸する方法、紡糸時に着
色剤を直接添加する方法、着色剤を高濃度含有するマス
ターチップを溶融し、別途溶融したベースポリマとブレ
ンドして紡糸する方法(メルトブレンド方式)、および
着色剤を高濃度含有するマスターチップとベースチップ
とをブレンドして紡糸する方法(チップブレンド方式)
など従来公知の添加技術を適用することができ、任意の
添加時期が選択されるが、品質の安定性、操業の安定性
および生産コストなどの点を考慮すると、マスターチッ
プを使用する方法がとくに有効である。
【0025】さらに、シートベルト用原糸は、車輌衝突
時の衝撃に耐えるように高強度を有することが不可欠で
あるため、本発明のシートベルト用ポリエステル原着糸
は、6.5g/デニール以上、好ましくは、8.0g/
デニ−ル以上、さらに好ましくは、8.5g/デニール
以上の強度を確保することが必須である。
【0026】本発明のポリエステル原着糸は、その耐摩
耗性を一層向上させるために、表面に低摩擦化処理剤を
付与したものであることが望ましい。
【0027】すなわち、低摩擦化処理剤を原着糸表面に
付与することで、必然的に着色剤が露出する原着糸表面
を平滑となすことができ、ポリエステル原着糸の耐摩耗
性向上を達成することができるのである。
【0028】本発明で使用される低摩擦化処理剤は、シ
リコーン系化合物またはその変性物、脂肪酸エステル系
化合物、フッ素系化合物、アクリル系化合物およびポリ
ウレタン化合物から選ばれた少なくとも1種である。
【0029】これら低摩擦化処理剤の具体例としては、
ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン系化合物、ア
ミノ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエー
テル変性シリコーンなどのシリコーン化合物変成物、チ
オジプロピオン酸ジネオペンチルグリコールジオレー
ト、アジピン酸オレイン酸ポリエステルなどの脂肪酸エ
ステル化合物、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリ
ル酸エステルなどのアクリル系化合物、およびポリテト
ラフルオロエチルエナメルなどのフッ素系化合物ポリエ
ステル系ウレタン,ポリエーテル系ウレタンなどのウレ
タン系化合物が挙げられる。
【0030】これら低摩擦化処理剤は、ポリエステル原
着糸を紡糸後、パッケージに巻き取るまでの任意の位置
で前記原着糸表面へ付与することができる。具体的な付
与方法としては、例えば、低摩擦化処理剤を紡糸油剤に
混合し付与する方法、および巻取直前に付与する方法な
どがあげられる。
【0031】本発明におけるシートベルト用ポリエステ
ル原着糸は、以下に記述するような通常の製造方法によ
り得ることができる。すなわち、固有粘度1.0以上の
ポリエステルベースチップと、着色剤を10重量パーセ
ント以上、好ましくは15重量パーセント以上、より好
ましくは20重量パーセント以上含有するポリエステル
マスターチップを、ポリエステル原着糸中の着色剤濃度
が0.3〜0.6重量パーセントの範囲となるように計
量、混合し、前記混合チップを押出機に供給し、溶融ポ
リエステルポリマとなし、続いて紡糸口金から紡糸す
る。
【0032】紡糸された糸条は、加熱筒、断熱筒を通過
した後、冷風により冷却、固化される。さらに引き続
き、油剤を付与した後、引取速度500〜1000m/
分に周速を制御された引取ロールで引取られる。
【0033】引取られた未延伸糸は、通常一旦巻取る事
なく延伸に供される。もちろん、一旦未延伸糸を巻取っ
た後延伸してもよい。前記未延伸糸は、連続して70〜
120℃の範囲で加熱制御された2対の供給ロール間
で、1〜10%のプレストレッチを与えられた後、実質
延伸工程に引続いて導かれる。
【0034】延伸は2段以上で、延伸倍率が3.5〜
6.0倍の範囲となるように行われる。この延伸と同時
に、180℃以上、好ましくは200℃以上の温度で熱
セットした後、リラックスロールによりリラックスを施
してから、延伸糸は巻取機でパッケージに巻取られる。
【0035】また、巻取直前に、低摩擦化処理剤をオイ
リングロールあるいは供給ガイドなどにより、糸条に付
与する。
【0036】なお、得られるシートベルト用ポリエステ
ル原着糸の固有粘度は、0.7以上、好ましくは0.8
以上であることが必須である。固有粘度が0.7未満で
あるとシートベルト用原糸としての強度が得られないば
かりか、原糸のタフネスが低下し、耐摩耗性を初め、耐
光性などの機能に支障をきたし、本発明の目的を達成す
ることができない。
【0037】本発明のシートベルトは、上記ポリエステ
ル原着糸を経糸として用いることにより構成されたもの
である。
【0038】具体的には、上記ポリエステル原着糸29
0〜320本を経糸とし、ニードル織機を用い、シート
ベルトウェビングを製織することにより得られたもので
ある。 かくして得られる本発明のシートベルト用ポリ
エステル原着糸は、耐摩耗性にすぐれ、かつ高強度であ
り、シートベルト用としての要求性能を好ましく満たす
ものである。
【0039】そして、このシートベルト用ポリエステル
原着糸をたて糸として用いた本発明のシートベルトは、
染色および仕上樹脂処理を必要としない簡素化された製
造工程により得ることができ、すぐれた耐摩耗性および
強度を保持する共に、使用済みシートベルトの再溶融に
よるポリエステルのリサイクルが可能である。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。なお、実施例中の物性は次のようにして求め
た。
【0041】(A)固有粘度:オルソクロロフェノール
を溶媒とし、オストワルド型粘度計を用いて25℃で測
定した。
【0042】(B)原糸強伸度:オリエンテック社製テ
ンシロン引張試験機を使用して、試長250mm,引張
速度300mm/分で測定した。
【0043】(C)原糸耐摩耗保持率:試料となる原糸
を80T/mで片撚りを与えたコードを準備し、該コー
ドの一方の端を固定し、他方の端に100gの荷重をセ
ットした後鋼製の六角棒で繊維軸方向に500往復擦過
させた後、上記(B)記載の方法で強度を測定した。耐
摩耗保持率は、擦過処理していないコードの強度に対す
る擦過処理後のコードの強度の割合を百分率で表したも
のである。
【0044】(D)原糸色調:同一重量を巻いたパッケ
ージの表面を、ミノルタ製色彩色差計により測色した。
【0045】(E)原糸着色剤の表面突出程度:原糸単
糸を四塩化炭素で洗浄した後、走査型電子顕微鏡により
前記原糸表面を5000倍の拡大倍率で観察し、一定視
野内に存在する突出部の個数を計数した。
【0046】(F)シートベルトウェビング引張強力:
JIS D−4604に準じて測定した。
【0047】(G)シートベルトウェビング耐摩耗性:
JIS D−4604に準じて測定した耐摩耗処理後強
力を、上記(F)記載の引張強力で除した保持率を指標
とした。
【0048】[実施例1]固有粘度1.0以上のポリエ
チレンテレフタレートベースチップと、粒径分布3〜2
0nmの範囲であるカーボンブラックを20重量パーセ
ント含有するポリエチレンテレフタレートマスターチッ
プを、重量比40:1で計量、混合した後、エクストル
ーダー型紡糸機で紡糸温度300℃にて紡糸した。
【0049】紡糸口金は孔径0.6mm、144ホール
のものを使用した。
【0050】口金から吐出した糸条を、温度320℃の
加熱筒と、無加熱の断熱筒を通過させた後、これに冷却
風を吹き付け、冷却、固化させ、さらに油剤を付与した
後、紡糸引取速度500m/分で引取った。
【0051】続いて、糸条を一旦巻取ることなく、延伸
倍率5.6倍で延伸した。延伸は2段延伸とし、一段目
の延伸は延伸倍率3.7倍とした。また、延伸は加熱ロ
ール間の周速差で行い、同時に225℃の温度で熱セッ
トした。延伸糸の繊度は大略1500デニールとした。
【0052】また、前記原着糸312本を経糸として、
ニードル織機を用い、シートベルトウェビングを製織し
た。
【0053】上記で得られた1500デニール、144
フィラメントの延伸糸(原着糸)の固有粘度、強伸度、
色調、耐摩耗保持率、着色剤の表面突出程度、および上
記で得られたシートベルトウェビングの強力、耐摩耗保
持率の評価結果を表1に示した。
【0054】表1の結果から明らかなように、本実施例
1のポリエステル原着糸は、シートベルト用として必要
な固有粘度、強度が確保されるとともに、色調も良好
で、表面の平滑性が向上し、耐摩耗性の向上を実現でき
る。さらに、シートベルトウェビングも必要な強力が得
られるとともに、その耐摩耗性も良好であった。
【0055】[実施例2]実施例1の方法において、延
伸終了後、巻取前のポリエステル原着糸に対し、ジメチ
ルポリシロキサンをオイリングロールを用いて付与した
以外は同様にして、1500デニール、144フィラメ
ントの延伸糸を得た。
【0056】この延伸糸(原着糸)の固有粘度、強伸
度、色調、耐摩耗保持率、着色剤の表面突出程度、およ
びこの延伸糸から上記と同様にして得たシートベルトウ
ェビングの強力、耐摩耗保持率の評価結果を表1に併せ
て示した。
【0057】表1の結果から明らかなように、本実施例
2のポリエステル原着糸は、シートベルト用として必要
な固有粘度、強度が確保されるとともに、色調も良好
で、低摩擦化処理剤の付与により、実施例1に比し一層
良好な耐摩耗性の向上が実現できる。さらに、シートベ
ルトウェビングとしても必要な強力が得られるととも
に、耐摩耗性もより良好であった。
【0058】[実施例3]実施例1の方法において、延
伸終了後、巻取前のポリエステル原着糸に対し、チオジ
プロピオン酸ジネオペンチルグリコールジオレートをオ
イリングロールを用いて付与した以外は同様にして、1
500デニール、144フィラメントの延伸糸を得た。
【0059】この延伸糸(原着糸)の固有粘度、強伸
度、色調、耐摩耗保持率、着色剤の表面突出程度、およ
びこの延伸糸から上記と同様にして得たシートベルトウ
ェビングの強力、耐摩耗保持率の評価結果を表1に併せ
て示した。
【0060】表1の結果から明らかなように、本実施例
3のポリエステル原着糸は、シートベルト用として必要
な固有粘度、強度が確保されるとともに、色調も良好
で、低摩擦化処理剤の付与により、実施例1に比し一層
良好な耐摩耗性の向上が実現できる。さらに、シートベ
ルトウェビングとしても必要な強力が得られるととも
に、耐摩耗性もより良好であった。
【0061】[実施例4]実施例1の方法において、延
伸終了後、巻取前Kポリエステル原着糸に対し、アジピ
ン酸オレイン酸ポリエステルをオイリングロールを用い
て付与した以外は同様にして、1500デニール、14
4フィラメントの延伸糸を得た。
【0062】この延伸糸(原着糸)の固有粘度、強伸
度、色調、耐摩耗保持率、着色剤の表面突出程度、およ
びこの延伸糸から上記と同様にして得たシートベルトウ
ェビングの強力、耐摩耗保持率の評価結果を表1に併せ
て示した。
【0063】表1の結果から明らかなように、本実施例
4のポリエステル原着糸は、シートベルト用として必要
な固有粘度、強度が確保されるとともに、色調も良好
で、低摩擦化処理剤の付与により、実施例1に比し一層
良好な耐摩耗性の向上が実現できる。さらに、シートベ
ルトウェビングとしても必要な強力が得られるととも
に、耐摩耗性もより良好であった。
【0064】
【表1】 [実施例5]実施例1の方法において、延伸終了後、巻
取前のポリエステル原着糸に対し、水溶性アクリル樹脂
をオイリングロールを用いて付与した以外は同様にし
て、1500デニール、144フィラメントの延伸糸を
得た。
【0065】この延伸糸(原着糸)の固有粘度、強伸
度、色調、耐摩耗保持率、着色剤の表面突出程度、およ
びこの延伸糸から上記と同様にして得たシートベルトウ
ェビングの強力、耐摩耗保持率の評価結果を表2に示し
た。
【0066】表1および表2の結果から明らかなよう
に、本実施例5のポリエステル原着糸は、シートベルト
用として必要な固有粘度、強度が確保されるとともに、
色調も良好で、低摩擦化処理剤の付与により、実施例1
に比し一層良好な耐摩耗性の向上が実現できる。さら
に、シートベルトウェビングとしても必要な強力が得ら
れるとともに、耐摩耗性もより良好であった。
【0067】[実施例6]実施例1の方法において、延
伸終了後、巻取前のポリエステル原着糸に対し、フッ素
変成シリコーンをオイリングロールを用いて付与した以
外は同様にして、1500デニール、144フィラメン
トの延伸糸を得た。
【0068】この延伸糸(原着糸)の固有粘度、強伸
度、色調、耐摩耗保持率、着色剤の表面突出程度、およ
びこの延伸糸から上記と同様にして得たシートベルトウ
ェビングの強力、耐摩耗保持率の評価結果を表2に併せ
て示した。
【0069】表1および表2の結果から明らかなよう
に、本実施例6のポリエステル原着糸は、シートベルト
用として必要な固有粘度、強度が確保されるとともに、
色調も良好で、低摩擦化処理剤の付与により、実施例1
に比し一層良好な耐摩耗性の向上が実現できる。さら
に、シートベルトウェビングとしても必要な強力が得ら
れるとともに、耐摩耗性もより良好であった。
【0070】[実施例7]実施例1の方法において、ポ
リウレタン樹脂を延伸終了後、巻取前のポリエステル原
着糸に対し、ポリエステル系ウレタンのエマルジョンを
オイリングロールを用いて付与した以外は同様にして、
1500デニール、144フィラメントの延伸糸を得
た。
【0071】この延伸糸(原着糸)の固有粘度、強伸
度、色調、耐摩耗保持率、着色剤の表面突出程度、およ
びこの延伸糸から上記と同様にして得たシートベルトウ
ェビングの強力、耐摩耗保持率の評価結果を表2に併せ
て示した。
【0072】表1および表2の結果から明らかなよう
に、本実施例7のポリエステル原着糸は、シートベルト
用として必要な固有粘度、強度が確保されるとともに、
色調も良好で、低摩擦化処理剤の付与により、実施例1
に比し一層良好な耐摩耗性の向上が実現できる。さら
に、シートベルトウェビングとしても必要な強力が得ら
れるとともに、耐摩耗性もより良好であった。
【0073】[比較例1]実施例1において、粒径分布
20〜70nmの範囲であるカーボンブラックを20重
量パーセント含有するポリエチレンテレフタレートマス
ターチップを用いた以外は同様にして、1500デニー
ル、144フィラメントのポリエステル原着糸を製糸し
た。
【0074】この延伸糸(原着糸)の固有粘度、強伸
度、色調、耐摩耗保持率、着色剤の表面突出程度、およ
びこの延伸糸から上記と同様にして得たシートベルトウ
ェビングの強力、耐摩耗保持率の評価結果を表2に併せ
て示した。
【0075】表1および表2の結果から明らかなよう
に、本比較例1のポリエステル原着糸は、固有粘度、強
度は確保されてるが、表面の平滑性が悪く、耐摩耗性が
劣っている。また、シートベルトウェビングとして必要
な強力は得られたものの、耐摩耗性が低く、実用上適し
ていない。
【0076】
【表2】
【0077】
【発明の効果】以上に記述したように、本発明のシート
ベルト用ポリエステル原着糸は、用いる着色剤の粒径分
布を特定の範囲に規定すること、また、特定の低摩擦化
処理剤を付与することによって,高強度、かつ高耐摩耗
性を有し、色調が良好であるというすぐれた特性を有し
ている。
【0078】また、本発明のシートベルトは、シートベ
ルト製造工程での染色レス、仕上樹脂処理レスが可能と
なり、製造工程におけるコストダウンが実現できるとと
もに、着色剤としてカーボンブラックを使用すると、使
用済みシートベルトの再溶融によるポリエステルのリサ
イクル可能となる。
【0079】したがって、本発明のシートベルト用ポリ
エステル原着糸は、このような高強度、かつ高耐摩耗性
の特性を生かしてシートベルト用原糸として最適である
とともに、簡素化された工程により製造される本発明の
シートベルトも、必要な強力が確保され、耐摩耗性の向
上を図れるばかりか、リサイクル可能であるという優位
な特性を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/62 302 C D02J 3/18 D03D 13/00 D06M 23/08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフ
    タレートからなり、固有粘度が0.7以上であるポリエ
    ステル中に、粒径分布が3〜20nmの範囲にある着色
    剤を含有せしめたことを特徴とするシートベルト用ポリ
    エステル原着糸。
  2. 【請求項2】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフ
    タレートからなり、固有粘度が0.7以上であるポリエ
    ステル中に、粒径分布が3〜20nmの範囲にある着色
    剤を含有せしめたポリエステル原着糸であって、このポ
    リエステル原着糸の表面に低摩擦化処理剤が付与されて
    いることを特徴とするシートベルト用ポリエステル原着
    糸。
  3. 【請求項3】 低摩擦化処理剤が、シリコ−ン系化合
    物またはその変成物、脂肪酸エステル系化合物、フッ素
    系化合物、アクリル系化合物およびポリウレタン化合物
    から選ばれたのうち少なくとも1種の化合物を含有する
    ことを特徴とする請求項2に記載のシートベルト用ポリ
    エステル原着糸。
  4. 【請求項4】 着色剤が、カーボンブラック系着色剤
    であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の
    シートベルト用ポリエステル原着糸。
  5. 【請求項5】 ポリエステル原着糸中の着色剤濃度
    が、0.3〜0.6重量パーセントであることを特徴と
    する請求項1、2、3または4に記載のシートベルト用
    ポリエステル原着糸。
  6. 【請求項6】 ポリエステル原着糸の強度が、6.5
    g/デニール以上であることを特徴とする請求項1、
    2、3、4または5に記載のシートベルト用ポリエステ
    ル原着糸。
  7. 【請求項7】 ポリエステル原着糸の強度が、8.0
    g/デニール以上であることを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5または6に記載のシートベルト用ポリエ
    ステル原着糸。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7に記載のポリエステル原
    着糸を経糸として用いることにより構成したことを特徴
    とする原着糸を用いたシートベルト。
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