JPH0720732Y2 - コントロールレバー装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車のヒータコントロール等に用いられるコ
ントロールレバー装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、この種のコントロールレバー装置として、ベース
に回動可能に取り付けたコントロールレバーの先端に設
けた係合溝と、ベースに摺動可能に取り付けたスライダ
の連結軸とを係合して、スライダを直線的に操作するこ
とによりコントロールレバーを回動させ、コントロール
ワイヤ等を介して所定の動作を行わせるようにしたもの
がある。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、前記コントロールレバー装置では、コン
トロールレバーの連結軸はスライダの係合溝に直接係合
しているため、スライダを操作すると、前記連結軸が前
記係合溝の縁部を摺動しながらコントロールレバーを回
動させることになる。しかも、前記コントロールレバー
およびスライダは、機能上、それぞれ金属材料および樹
脂材料で構成してあるため、前記摺動によって樹脂材料
からなるスライダの連結軸が摩耗しやすいという問題点
があった。

そこで、本考案は前記問題点に鑑み、前記スライダの摩
耗を抑えることのできる構造を有するコントロールレバ
ー装置を提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本考案は前記目的を達成するために、ベースに回動可能
に取り付けた金属製のコントロールレバーの係合溝と、
ベースに直線的に摺動可能に取り付けた樹脂製のスライ
ダの連結軸とを摺動自在に係合して、前記スライダを操
作することにより、前記コントロールレバーを回動させ
るコントロールレバー装置において、前記係合溝をコン
トロールレバーの先端から略Ｕ字形に切り欠いて設け
て、その一部に係合凹部を設ける一方、樹脂材料からな
り、前記係合凹部に係合する突起を有する略Ｕ字形のカ
ラーを前記係合溝に嵌合したものである。

（作用） したがって、カラーは、その突起が係合溝の係合凹部に
係合する一方向でしか係合溝に係合できない。また、カ
ラーは連結軸によってその対向する部分が近付く方向へ
変形するのを阻止される。

そして、スライダを操作すると、連結軸は樹脂材料から
なるカラーの内面を摺動する。

（実施例） 次に、本考案に係るコントロールレバー装置の一実施例
について図面に従って説明する。

本実施例のコントロールレバー装置は、第１図に示すよ
うに、大略、コントロールレバー1,カラー11,スライダ1
5で構成してある。

コントロールレバー１は金属材料からなり、ベース５に
ねじ６によって回動自在に取り付けてあり、一端部には
図示しないコントロール装置を駆動するコントロールワ
イヤ８が連結してある。一方、他端部には、第３図に示
すように、略Ｕ字形に切り欠かれた係合溝２が設けてあ
り、この係合溝２の対向する縁部の一方には係合凹部３
が設けてある。

カラー11は樹脂材料からなり、第４図に示すように、前
記コントロールレバー１に設けた係合溝２に嵌合する略
Ｕ字形の嵌合部12と、鍔部14とを有するものである。そ
して、前記嵌合部12は、前記コントロールレバー１の係
合凹部３に対応する位置に突起13を有している。

スライダ15は前記カラーと同様、樹脂材料からなり、ベ
ース５から断面逆Ｌ字形に突出するガイド板７の水平部
7aを摺動可能に挾持する断面略コ字形の保持部16と、保
持部16の基部両側からこの保持部16を囲むように略コ字
形に形成した弾性片17とからなっている。

前記保持部16の上面には、前記コントロールレバー１の
係合溝２に嵌入する連結軸20が突設してあり、この連結
軸20の上端両側には、ストッパ20a,20bがガイド板７と
平行になるように突設してある。なお、21はスライダ15
の操作用のノブである。

弾性片17は、その先端部の両側に爪部18,18を有し、ス
ライダ15の保持部16をガイド板７に係合させた際に、こ
の爪部18がガイド板７の角縁部に係止するようにしてい
る。

以上の構成からなるコントロールレバー装置の組付手順
について説明する。

まず、カラー11の嵌合部12をコントロールレバー１の係
合溝２に嵌合させて、カラー11をコントロールレバー１
に取り付ける。このとき、前記嵌合部12が前記係合溝２
に嵌合するためには、嵌合部12の突起13が係合溝２の係
合凹部３に係合しなければならない。したがって、カラ
ー11はコントロールレバー１に、一方向でしか取り付け
ることができず、その取付方向を間違えることはない。

次に、前記スライダ15の保持部16を、ベース５から突出
するガイド板７の水平部7aに、この水平部7aを挾持する
ように差し込んでゆくと、爪部18が水平部7aの上面に圧
接して弾性片17がたわみ、保持部16の差し込みが完了す
ると同時に、爪部18,18が前記ガイド板７の角縁部に係
合して抜脱不能に係合する。

続いて、前記コントロールレバー１に取り付けたカラー
11の嵌合部12に連結軸20を、そのストッパ20a,20bがカ
ラー11の嵌合部12の鍔部14に係止するように嵌入する。

これにより、コントロールレバー１の係合溝２に取り付
けられたカラー11は、連結軸20によってその対向する部
分が近付く方向へ変形するのを阻止され、突起13が係合
凹部３に係合したままとなるので、前記係合溝２から離
脱することはない。

そして、コントロールレバー１をねじ６で回動自在に固
定し、一端部にコントロールワイヤ８を接続する。こう
することにより、スライダ15の弾性片17はコントロール
レバー１によって上方への移動が阻止され、爪部18がガ
イド板７の角縁部から外れることはない。

このようにして組み立てられたコントロールレバー装置
では、ノブ21をもってスライダ15を操作すると、スライ
ダ15の連結軸20はコントロールレバー１の係合溝２に取
り付けたカラー11の嵌合部12の内面を摺動しながら前記
カラー11を押圧する。これにより、コントロールレバー
１はねじ６を中心に回動し、コントロールワイヤ８が進
退して、図示しないコントロール装置が駆動する。

したがって、樹脂材料からなる連結軸20は、同じく樹脂
材料からなるカラー11を介してコントロールレバー１を
回動させることになるので、摩耗しにくくなる。

（考案の効果） 以上の説明から明らかなように、本考案に係るコントロ
ールレバー装置は、樹脂製のスライダを操作すると、そ
の連結軸は樹脂材料からなるカラーの内面を摺動するた
め、連結軸の摩耗が防止できることになる。

また、カラーを、その嵌合部に設けた突起がコントロー
ルレバーの係合溝に設けた係合凹部に係合する一方向で
しか係合溝に係合できないので、その取付方向を誤るこ
とがない。

さらに、前記カラーは、連結軸によって変形を阻止さ
れ、前記突起が前記係合凹部に係合したままなので、係
合溝から離脱することはない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るコントロールレバー装置の平面
図、第２図は第１図に示すコントロールレバーのI-I線
断面図、第３図はコントロールレバーの要部平面図、第
４図はカラーの平面図、第５図はカラーの側面図、第６
図はスライダの平面図である。 １……コントロールレバー、２……係合溝、３……係合
凹部、11……カラー、13……突起、15……スライダ、20
……連結軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ベースに回動可能に取り付けた金属製のコ
   ントロールレバーの係合溝と、ベースに直線的に摺動可
   能に取り付けた樹脂製のスライダの連結軸とを摺動自在
   に係合して、前記スライダを操作することにより、前記
   コントロールレバーを回動させるコントロールレバー装
   置において、前記係合溝をコントロールレバーの先端か
   ら略Ｕ字形に切り欠いて設けて、その一部に係合凹部を
   設ける一方、樹脂材料からなり、前記係合凹部に係合す
   る突起を有する略Ｕ字形のカラーを前記係合溝に嵌合し
   たことを特徴とするコントロールレバー装置。