JPH07207247A - 耐熱性接着剤 - Google Patents

耐熱性接着剤

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JPH07207247A
JPH07207247A JP1897394A JP1897394A JPH07207247A JP H07207247 A JPH07207247 A JP H07207247A JP 1897394 A JP1897394 A JP 1897394A JP 1897394 A JP1897394 A JP 1897394A JP H07207247 A JPH07207247 A JP H07207247A
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JP
Japan
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group
aromatic
represented
formula
polyimide
Prior art date
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Application number
JP1897394A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Furuya
浩行 古谷
Jiyunya Ida
純哉 井田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP1897394A priority Critical patent/JPH07207247A/ja
Publication of JPH07207247A publication Critical patent/JPH07207247A/ja
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  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 より低い温度・圧力の接着条件で接着が可能
な接着性に優れた耐熱性接着剤。 【構成】 一般式(1) −((−R1-X=R2=X-)m−(-R1-X=R3 =X-)n-)t− (1) (式中、R1 は2価の有機基、R2 、R3 は4価の有機
基、m,n,tは正の整数、Xは式(2) から選択される3価の結合基)で表されるポリイミド系
樹脂のポリマー分子末端を、一般式(3) (式中、Zは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接又は架橋基により連結された非縮合多環式
芳香族基からなる群より選ばれた2価の基)で表される
芳香族ジカルボン酸無水物、又は芳香族モノアミンのい
ずれか一方又は双方で封止してポリアミド酸又はポリイ
ソイミド或いはポリイミドを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性接着剤に関し、更
に詳しくは、特に電気・電子分野において低温・低圧で
接着可能であり、極めて優れた接着性と耐熱性を有する
ポリイミド系の耐熱性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】エレクトロニクス、宇宙航空機器、輸送
機器などの分野に用いられる各種高性能材料の接着剤と
して、従来より多くの有機合成高分子からなる耐熱性接
着剤が知られており、これらのうちで耐熱性の優れたも
のとしては、ポリベンジミダゾール系、ポリイミド系の
接着剤が開発されている。特に、ポリイミド系の耐熱性
接着剤として、USP 4,065,345 や特開昭 61-143477等に
開示された接着剤が知られている。なかでも、芳香族ジ
アミンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との重縮合に
より得られる種々のポリイミド系接着剤は、耐熱性に優
れた高分子材料であり、既に1,3−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ベンゼンをジアミン成分として用いたポリ
イミド樹脂からなる次のような耐熱性接着剤が開示され
ている。
【0003】例えば、1,3−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、3,3’,4,4’−ベンゾフェノン
テトラカルボン酸二無水物及び3−アミノフェニルアセ
チレンから製造される末端アセチレン基を有するポリイ
ミドオリゴマーが開示されている(USP 3,845,018 及び
USP 3,879,349 )。このポリイミドオリゴマーは、オリ
ゴマー末端が3−アミノフェニルアセチレンで封止され
たものであり、これらの末端アセチレン基が加熱処理に
より架橋反応が進行する付加型の熱硬化性ポリイミドで
ある。また、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベ
ンゼンとピロメリット酸二無水物からなる重縮合系ポリ
イミドが開示されている(USP 4,485,140 )。この重縮
合系ポリイミドは、1,3−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼンを原料モノマーとし、テトラカルボン酸二
無水物としてピロメリット酸二無水物を用いることを特
徴とする耐熱性接着剤である。更に、1,3−ビス(3
−アミノフェノキシ)ベンゼンと各種テトラカルボン酸
二無水物とからなる耐熱性接着剤(特開昭 61-291,670
)も開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の耐熱性接着剤は優れた耐熱性、接着性を有しているも
のの、いずれもポリマー分子末端に反応性の末端基が残
存しており、接着剤として使用する際は、比較的高温・
高圧の接着条件が必要であった。
【0005】そこで、本発明者らは、前記課題を解決す
るために鋭意検討した結果、ポリイミド系樹脂のポリマ
ー分子末端の反応性の末端基を特定の有機基で封止する
ことにより、従来のポリイミド系接着剤に比べて、より
低い温度・圧力の接着条件で接着可能であり、優れた接
着力を有する耐熱性接着剤が得られることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐熱性接着
剤の要旨とするところは、一般式(1) −((−R1 -X= R2 =X-)m−(-R1 -X= R3 =X-)n-)t− (1) (式中、R1 は2価の有機基であり、R2 、R3 は4価
の有機基である。また、m,n,tは正の整数であり、
Xは化5
【化5】 から選択される3価の結合基である。)で表されるポリ
イミド系樹脂のポリマー分子末端が、一般式(2)化6
【化6】 (式中、Zは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接又は架橋基により連結された非縮合多環式
芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を示す)で表
される芳香族ジカルボン酸無水物、又は一般式(3) Q−NH2 (3) (式中、Qは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
香族基が直接又は架橋基により連結された非縮合多環式
芳香族基からなる群より選ばれた1価の基を示す)で表
される芳香族モノアミンのいずれか一方又は双方で封止
されたポリアミド酸又はポリイソイミド或いはポリイミ
ドのいずれか1種又は2種以上を含有してなることにあ
る。
【0007】また、かかる耐熱性接着剤において、前記
一般式(1)中のR1 が化7
【化7】 で表される2価の有機基の群から選択される少なくとも
1種であり、R2 が化8
【化8】 で表される4価の有機基の群から選択される少なくとも
1種であることにある。
【0008】また、かかる耐熱性接着剤において、前記
一般式(2)で表される芳香族ジカルボン酸無水物が、
無水フタル酸であることにある。
【0009】また、かかる耐熱性接着剤において、前記
一般式(3)で表される芳香族モノアミンが、アニリン
であることにある。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係る耐熱性接着剤について具
体的に説明する。本発明に係る耐熱性接着剤は、一般式
(1) −((−R1 -X= R2 =X-)m−(-R1 -X= R3 =X-)n-)t− (1) (式中、R1 は2価の有機基であり、R2 、R3 は4価
の有機基である。また、m,n,tは正の整数であり、
Xは化9
【化9】 から選択される3価の結合基である。)で表されるポリ
イミド樹脂のポリマー分子末端の反応性末端基が封止さ
れたポリアミド酸又はポリイソイミド或いはポリイミド
である。
【0011】本発明に係る耐熱性接着剤の製造方法につ
いて説明すると、ポリイミドの前駆体であるポリアミド
酸は、以下のようにして合成することができる。まず、
アルゴン、窒素等の不活性ガス雰囲気中において、一般
式(4) H2N −Ar1−NH2 (4) (式中、Ar1 は2価の有機基を示す。)で表されるジア
ミン化合物を有機溶媒中に溶解、若しくは拡散させる。
この溶液に、一般式(5)化10
【化10】 (式中、Ar2 は4価の有機基を示す。)で表される少な
くとも1種以上の有機テトラカルボン酸二無水物を単独
で又は混合して、固体若しくは有機溶媒に溶解させた溶
液若しくはスラリーの形で添加し、ポリイミドの前駆体
であるポリアミド酸溶液を得ることができる。
【0012】この反応において、上記とは逆にまず前記
有機テトラカルボン酸二無水物の溶液を作製し、この溶
液中に前記ジアミン化合物の固体若しくは有機溶媒によ
る溶液若しくはスラリーを添加しても良い。
【0013】ここで、前記一般式(4)で表されるジア
ミン化合物としては、あらゆる構造のジアミン化合物が
使用可能である。具体的には、一般式(4)中のAr1
して化11、化12、化13
【化11】
【化12】
【化13】 等を挙げることができるが、特には芳香族基であること
が好ましい。より具体的には、化14
【化14】 の少なくとも1種以上を主成分とすることが好適であ
る。
【0014】前記一般式(5)で表される有機テトラカ
ルボン酸二無水物としては、あらゆる構造の有機テトラ
カルボン酸二無水物が使用可能であるが、式中のAr2
具体的に例示すると、化15、化16
【化15】
【化16】 等を挙げることができる。これらの有機テトラカルボン
酸二無水物を単独で、又は2種以上組み合わせて用い
る。特にはAr2 が芳香族基であることが好ましく、より
具体的には、諸特性のバランスから、化17
【化17】 の少なくとも1種以上を主成分とする化合物と化18
【化18】 の少なくとも1種以上を主成分とする化合物とを組み合
わせて用いることが好適である。
【0015】なお、ジアミン化合物の使用量は、有機テ
トラカルボン酸二無水物1モル当たり0.8〜0.99
9モル用いるのが好ましい。ジアミン化合物の使用モル
数が有機テトラカルボン酸二無水物1モルに対して0.
8モル未満では重合度が充分でなく、耐熱性が損なわ
れ、また、0.999モルを越えると、次反応過程にお
ける重合体末端の封止が困難となり、低温/低圧での接
着が困難となるからである。特に、好ましくは、ジアミ
ン化合物の使用量は、有機テトラカルボン酸二無水物1
モル当たり0.9〜0.99モルである。
【0016】また、使用される有機溶媒としては、例え
ば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等の
スルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶
媒、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル
アセトアミド等のアセトアミド系溶媒等を挙げることが
できる。これらを単独又は2種或いは3種以上の混合溶
媒として用いることもできる。更に、これらの極性溶媒
とともに、アセトン、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、ベンゼンメチルセロソルブ等のポリアミド
酸の非溶媒との混合溶媒として用いることもできる。
【0017】この時の反応温度は−10℃〜50℃、さ
らに好ましくは−5℃〜20℃が好適である。また、反
応時間は30分〜6時間である。かかる反応により、ポ
リマー分子末端が封止されていないブロックドポリアミ
ド酸重合体溶液が得られる。
【0018】次に、かかるブロックドポリアミド酸重合
体のポリマー分子末端を封止する目的で、更に、一般式
(2)化19
【化19】 (式中、Zは、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、
芳香族基が直接又は架橋基により連結された非縮合多環
式芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を示す。)
で表される芳香族ジカルボン酸無水物を添加する必要が
ある。
【0019】使用される芳香族ジカルボン酸無水物とし
ては、化20
【化20】 等が具体的に例示できるが、より好ましくは、無水フタ
ル酸を使用することがよい。これら芳香族ジカルボン酸
無水物は、単独又は2種以上混合して用いても何ら問題
はない。
【0020】また、ポリマー分子末端を封止する目的
で、前記芳香族ジカルボン酸無水物の代わりに一般式
(3) Q−NH2 (3) (式中、Qは、単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、
芳香族基が直接又は架橋基により連結された非縮合多環
式芳香族基からなる群より選ばれた1価の基を示す。)
で表される芳香族モノアミンを添加してもよい。使用さ
れる芳香族モノアミンとしては、化21
【化21】 等が具体的に例示できるが、より好ましくは、アニリン
を使用することがよい。これら芳香族モノアミンは、単
独又は2種以上混合して用いても何ら問題はない。ま
た、前記の芳香族ジカルボン酸無水物と芳香族モノアミ
ンを併用してもよい。
【0021】ここで用いられる芳香族ジカルボン酸無水
物又は芳香族モノアミンの使用量は、前記ジアミン化合
物と有機テトラカルボン酸二無水物のモル数差をaモル
としたとき、2a〜8aモル用いるのが好ましい。芳香
族ジカルボン酸無水物又は芳香族モノアミンの使用量が
2aモル未満では、重合体の末端封止が充分に行えず、
低温/低圧で接着可能な接着剤が得られず、また、8a
モルを越えるとポリアミド酸の重合度が不充分となり、
耐熱性が損なわれるからである。特に好ましくは、芳香
族ジカルボン酸無水物又は芳香族モノアミンの使用量
は、前記ジアミン化合物と有機テトラカルボン酸二無水
物のモル数差をaモルとしたとき、2a〜4aモルであ
る。
【0022】この時の反応温度は、前記−10℃〜50
℃、さらに好ましくは−5℃〜20℃が好適であり、ま
た、反応時間は30分〜2時間である。かかる反応によ
り、本発明に係る耐熱性接着剤であるポリマー分子末端
の封止されたポリアミド酸の溶液が得られるのである。
【0023】次に、本発明に係る耐熱性接着剤であるポ
リマー分子末端の封止されたポリイミドを得るために
は、上記得られたポリアミド酸の溶液を熱的及び/又は
化学的に脱水閉環(イミド化)する方法を用いればよ
い。
【0024】ポリアミド酸の溶液を脱水閉環する方法を
具体的に説明すると、熱的に脱水閉環する方法では、上
記ポリアミド酸の溶液を支持板、PET等の有機フィル
ム、ドラムあるいはエンドレスベルト等の支持体上に流
延又は塗布して膜状となし、乾燥後自己支持性を有する
膜を得る。この乾燥は100℃以下の温度で約5〜90
分行うのが好ましい。これを更に加熱して乾燥させてイ
ミド化し、フィルム状のポリイミド接着剤を得ることが
できる。加熱の際の温度は100〜350℃の範囲の温
度が好ましく、特には150〜300℃が好ましい。加
熱の際の昇温速度には制限はないが、徐々に加熱し、最
高温度が上記温度になるようにするのが好ましい。加熱
時間は、フィルム厚みや最高温度によって異なるが、一
般には最高温度に達してから10秒〜30分の範囲が好
ましい。自己支持性を有する膜を加熱する際は、支持体
から引きはがし、その状態で端部を固定して加熱すると
熱膨張係数が小さいフィルムが得られるので好ましい。
【0025】また、化学的に脱水閉環する方法では、上
記ポリアミド酸の溶液に化学量論以上の脱水剤と触媒量
の第3級アミンを加え、熱的に脱水する場合と同様の方
法で処理すると所望のポリイミド接着剤が得られる。
【0026】熱的にイミド化する方法と化学的にイミド
化する方法を比較すると化学的方法の方がポリイミドの
機械的強度が大きく、且つ線熱膨張係数が小さくなる利
点がある。なお、熱的にイミド化する方法と化学的にイ
ミド化する方法とを併用することも可能である。
【0027】更に、ポリイソイミドを得るためには、同
業者の知識で容易に類推できるジシクロヘキサカルボジ
イミド(DCC)等により、前記ポリアミド酸を縮合さ
せる方法を用いればよい。
【0028】上記反応により、本発明に係る耐熱性接着
剤の主成分である一般式(1) −((−R1 -X= R2 =X-)m−(-R1 -X= R3 =X-)n-)t− (1) (式中、R1 は2価の有機基であり、R2 、R3 は4価
の有機基である。また、m,n,tは正の整数であり、
Xは化22
【化22】 から選択される3価の結合基である。)で表されるポリ
イミド系樹脂のポリマー分子末端が封止されたポリアミ
ド酸又はポリイソイミド或いはポリイミドを得ることが
できるのである。
【0029】なお、前記一般式(1)中のブロック単位
の繰り返し数m,nは、0又は1以上の正の整数であ
り、特に、繰り返し数m,nはいずれも15以下が好ま
しい。繰り返し数が15を越えると共重合比が偏り、共
重合することの効果が小さくなり、低温接着性が認めに
くくなるからである。また、重合体1分子中にm,nの
値が異なる単位が存在してもよいが、m,nの値が一定
であることが好ましい。
【0030】また、ブロックの繰り返し数tは1以上の
正の整数であればよく、この耐熱性接着剤の分子量は、
特に規制されるものではない。
【0031】ところで、ポリイミドの分子量は直接測定
が困難な場合が多く、このようなときには間接的な方法
によって推測による測定がなされる。例えばポリイミド
がポリアミド酸から合成される場合には、ポリアミド酸
の分子量に相当する値をポリイミドの分子量とする。
【0032】得られた本発明の耐熱性接着剤は、優れた
低温接着性、耐放射線性を併せ有している。すなわち、
かかるポリイミド接着剤はその組成により100℃から
250℃の間で明確なガラス転移点を持ち、ガラス転移
点に近い温度でラミネートすることによりポリイミドフ
ィルム等に直接接着することができる。さらに、得られ
た本発明のポリイミド接着剤は耐放射線性においても優
れた特性を示すことが確認されている。
【0033】次に、本発明の耐熱性接着剤を用いた接着
方法について銅張積層板の作製を例に挙げて説明する。
【0034】例えば、アピカル(ポリイミドフィルム:
鐘淵化学工業(株))のようなポリイミドフィルムをベ
ースフィルムとし、これに上記得られたフィルム状のポ
リイミド接着剤、銅箔を重ね合わせて比較的低温・低圧
の接着条件で熱圧着することにより、ベースフィルムと
銅箔を簡単に接着させることができ、簡単に銅張積層板
を作製することができる。このときの接着条件として
は、例えば、1〜1000kg/cm2 の圧力、100〜4
00℃の温度でキュア・圧着すると被着物質を強固に接
着することを例示することができる。
【0035】また、アピカル(ポリイミドフィルム:鐘
淵化学工業(株))のようなポリイミドフィルム(ベー
スフィルム)の片面又は両面に、本発明に係る耐熱性接
着剤層を形成して、片面又は両面の接着シートを作製
し、銅箔等を重ねて上記接着条件で熱圧着することによ
り銅張積層板を作製してもよい。
【0036】接着シートを得る方法としては、ベースフ
ィルムの片面又は両面に、上記得られたフィルム状のポ
リイミド接着剤を重ね合わせ、上記接着条件で熱圧着さ
せて作製することができる。尚、熱圧着する際にフィル
ム状のポリイミド接着剤の上に剥離紙等を配設して、接
着シートの接着剤面を剥離紙等により保護しておくのが
好ましい。
【0037】また、ポリイミド接着剤の前駆体であるポ
リアミド酸溶液を支持体の代わりに直接ベースフィルム
上に流延し、イミド化させて目的とするポリイミド層を
形成し、片面接着シートを作製してもよい。その後ベー
スフィルムのもう一方の面にポリアミド酸溶液を流延
し、イミド化させ両面接着シートを作製することもでき
る。また、ベースフィルムの両面に同時にポリアミド酸
溶液を流延し、イミド化させて両面接着シートを作製し
てもよい。
【0038】また、かかるポリイミド接着剤は溶融粘度
が低いので、加熱することにより溶かしてベースフィル
ムの片面又は両面に直接塗布することも可能である。
【0039】このようにして得られた接着シートは、比
較的低温・低圧での熱圧着により銅箔等を強固に接着さ
せることができ、また、すべてポリイミドからなってい
るためアルカリエッチングが可能であり、容易に穴開け
加工ができる。そのため、FPC(フレキシブルプリン
ト基板)を作製する際には、かかる片面又は両面接着シ
ートの片側、或いは両側に銅箔を重ね、上記1〜100
0kg/cm2 の圧力、100〜400℃の温度という条件
で熱圧着し、銅箔をエッチング加工した後、さらにポリ
イミドをアルカリエッチングにより穴開け加工すること
により、比較的簡単にFPCを得ることができる。この
ように、本発明に係る耐熱性接着剤を接着剤層とする片
面又は両面接着シートは、FPCのベースフィルムとし
て最適であるが、その他耐熱性接着剤としての用途は特
に限定されない。
【0040】なお、本発明の耐熱性接着剤を使用するに
あたって、本発明の耐熱性接着剤の特性を損なわない範
囲で、他の樹脂を加えて接着することも可能である。添
加される他の樹脂としては、ナイロン類、ポリアセター
ル、ポリカーボネート,ポリフェニレンオキサイド、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリサルフォン、ポリエー
テルサルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、
ポリエーテルイミド、PEEK、本発明以外のポリイミ
ド、フッ素樹脂、ポリビスマレイミド、エポキシ樹脂な
どを挙げることができる。
【0041】また、本発明の耐熱性接着剤に対して、固
体潤滑剤、例えば、二硫化モリブデン、グラファイト、
窒化ホウ素、一酸化鉛、鉛粉などを添加することも可能
である。また、補強材、例えば、ガラス繊維、アラミド
繊維、チタン酸系ウイスカ、ガラスビーズ等を1種以上
添加してもよい。更に、本発明の目的を損なわない範囲
で、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、難燃剤、難
燃助剤、帯電防止剤、着色剤等の通常の添加剤を1種以
上添加することも可能である。
【0042】以上、本発明に係る耐熱性接着剤の実施例
を説明したが、本発明はこれらの実施例のみに限定され
るものではなく、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内
で当業者の知識に基づき、種々なる改良、変更、修正を
加えた態様で実施しうるものである。
【0043】以下に、本発明の実施例をより具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるも
のではない。
【0044】実施例 1 50mlメスフラスコ(1)に2,2−ビス〔4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン(以下、BAP
Pという。)16.9g及びジメチルホルムアミド(以
下、DMFという。)25.4gを採り、スターラーを
用いて攪拌し、充分溶かした。さらに、他の50mlメス
フラスコ(2)にBAPP1.0g、DMF10.0g
を採り、同様にして充分溶かした。他方、攪拌機を備え
た500ml三口フラスコに2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパンジベンゾエート−2,2’,3,
3’−テトラカルボン酸二無水物(以下、ESDAとい
う。)11.9gとピロメリット酸二無水物(PMD
A)4.5g、及びDMF25.0gを入れ、氷水で冷
やしつつ、かつフラスコ中の雰囲気を窒素置換しながら
攪拌し充分溶かした。
【0045】そして、まず事前に得られた50mlメスフ
ラスコ(1)中のBAPP溶液を攪拌しながら500ml
三口フラスコ中に速やかに投入した。約30分間攪拌し
ながら放置した後、50mlメスフラスコ(2)中のBA
PP溶液を三口フラスコ中の溶液の粘度に注目しながら
三口フラスコ中に徐々に投入した。最大粘度に達した
後、BAPP溶液の投入を終了し、1時間攪拌した後、
2gの無水フタル酸とDMFを78.2gを加え、30
分間攪拌し、ポリマー末端が封止されたポリアミド酸溶
液を得た。
【0046】製膜は次のようにして行った。まず、10
0mlメスフラスコにイソキノリン2.0gと無水酢酸2
0.0gを採り、よく攪拌した。次に、上記得られたポ
リアミド酸溶液にこの溶液を加え、2分間よく攪拌し
た。脱気した後、PETフィルム上に塗布し、80℃で
25分間加熱し、PETフィルムを剥がした後、150
℃から200℃へ連続的に昇温し、昇温後10分間加熱
してイミド化させ、25μmの厚みのフィルム状のポリ
イミド接着剤を得た。
【0047】得られたポリイミド接着剤について、溶融
粘度特性、ガラス転移点(℃)、ピール強度(kg/c
m2 )、吸水率(%)を調べた。溶融粘度特性について
は、φ1.0mm×L10.0mmのダイスを取り付けたフ
ローテスター((株)島津製作所製)を用い、ポリイミ
ド接着剤を各温度において110kgf/cm2 の圧力で押
出したときのみかけ粘度(ポアズ)を測定し、図1に示
した。ガラス転移点についてはTMAにより測定し、吸
水率についてはASTM D−570に従い、20℃の
蒸留水中で24時間浸漬した後の重量変化率を測定し
た。また、ピール強度についてはJIS K6481に
従い、アピカル(ポリイミドフィルム:鐘淵化学工業
(株))、上記ポリイミドフィルム、銅箔(35μm
厚)の順に重ねて230℃、2.2cm/min の条件でラ
ミネートさせて得た銅張積層板(FCCL)から3cm×
8cmの試験片を切り出し、3mmのパターンを5本形成
し、INSTRON TENSILE TESTERに
て剥離角度90℃、剥離速度50mm/分で剥離の強度を
測定し、n=5の測定値の平均を求めた。これらの測定
結果とラミネート温度を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】実施例 2 無水フタル酸の代わりに、2.5gのアニリンを用いた
他は、実施例1と同様にして、24μmのフィルム状の
ポリイミド接着剤を得た。得られたポリイミド接着剤に
ついて、実施例1と同様にして溶融粘度特性、ガラス転
移点、ピール強度、吸水率を調べた。尚、ピール強度測
定用のFCCLを得るためのラミネート条件は、230
℃、2.2cm/min で行った。その結果及びラミネート
温度を図1と表1に示した。
【0050】比較例 1 無水フタル酸或いはアニリンを除いた以外は、実施例1
又は実施例2と同様にして27μmのフィルム状のポリ
イミド接着剤を得た。得られたポリイミド接着剤につい
て、実施例1と同様にして溶融粘度特性、ガラス転移
点、ピール強度、吸水率を調べた。尚、ピール強度測定
用のFCCLを得るためのラミネート条件は、290
℃、2.2cm/min で行った。その結果及びラミネート
温度を図1と表1に示した。
【0051】実施例 3 50mlのメスフラスコにエチレングリコールビストリメ
リット酸二無水物( 以下、TMEGという。)1.0g
及びDMF10.0gを採り、スターラーを用いて攪拌
して充分溶かした。他方、攪拌機を備えた500ml三口
フラスコにBAPP20.0g及びDMF68.1gを
入れ、フラスコ中の雰囲気を窒素置換しながら攪拌し、
充分溶かした。次に、100mlナスフラスコにTMEG
15.0g及び3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテ
トラカルボン酸二無水物(以下、BTDAという。)
3.1gを採取し、よく混合した後、BAPP溶液中に
固体状で添加した。さらに、この100mlナスフラスコ
中の壁面に残存付着するTMEG及びBTDAの混合物
を21.5gのDMFにより三口フラスコ中へ流し入れ
た。約1時間攪拌しながら放置した後、50mlメスフ
ラスコ中のTMEG溶液を三口フラスコ中の溶液の粘度
に注目しながら三口フラスコ中に徐々に投入した。最大
粘度に達した後、TMEG溶液の投入を終了し、2gの
フタル酸を添加して1時間攪拌しながら放置し、ポリマ
ー末端が封止されたポリアミド酸溶液を得た。
【0052】実施例1と同様にして製膜を行い、25μ
mのフィルム状のポリイミド接着剤を得た。得られたポ
リイミド接着剤について、実施例1と同様にして溶融粘
度特性、ガラス転移点、ピール強度、吸水率を調べた。
尚、ピール強度測定用のFCCLを得るためのラミネー
ト条件は、180℃、2.2cm/min で行った。その結
果及びラミネート温度を図1と表1に示した。
【0053】実施例 4 無水フタル酸の代わりに、2.4gのアニリンを用いた
他は、実施例3と同様にして、26μmのフィルム状の
ポリイミド接着剤を得た。得られたポリイミド接着剤に
ついて、実施例1と同様にして溶融粘度特性、ガラス転
移点、ピール強度、吸水率を調べた。尚、ピール強度測
定用のFCCLを得るためのラミネート条件は、180
℃、2.2cm/min で行った。その結果及びラミネート
温度を図1と表1に示した。
【0054】比較例 2 無水フタル酸或いはアニリンを除いた以外は、実施例3
又は実施例4と同様にして22μmのフィルム状のポリ
イミド接着剤を得た。得られたポリイミド接着剤につい
て、実施例1と同様にして溶融粘度特性、ガラス転移
点、ピール強度、吸水率を調べた。尚、ピール強度測定
用のFCCLを得るためのラミネート条件は、230
℃、2.2cm/min で行った。その結果及びラミネート
温度を図1と表1に示した。
【0055】以上の結果より、ポリマー分子末端を封止
することによりガラス転移点が低下し、又、溶融粘度特
性も低温側に移行することがわかる。なお、ピール強度
については若干低下傾向にあるが、接着剤として使用す
るにあたって何ら問題を生じない範囲であり、低温・低
圧で接着可能な優れた接着性を有する接着剤であること
がわかる。
【0056】
【発明の効果】本発明に係る耐熱性接着剤は、ポリマー
分子末端が無水フタル酸等の芳香族ジカルボン酸無水
物、或いはアニリン等の芳香族モノアミンで封止された
ポリイミド系の接着剤であり、比較的低温/低圧で接着
させることができ、優れた接着性を有するものである。
すなわち、優れた低温接着性を有する取扱いやすい耐熱
性接着剤を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融粘度特性として、温度(横軸)とみかけ粘
度(縦軸)の関係を示した図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) −((−R1-X=R2=X-)m−(-R1-X=R3 =X-)n-)t− (1) (式中、R1 は2価の有機基であり、R2 、R3 は4価
    の有機基である。また、m,n,tは正の整数であり、
    Xは化1 【化1】 から選択される3価の結合基である。)で表されるポリ
    イミド系樹脂のポリマー分子末端が、一般式(2)化2 【化2】 (式中、Zは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
    香族基が直接又は架橋基により連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた2価の基を示す)で表
    される芳香族ジカルボン酸無水物、又は一般式(3) Q−NH2 (3) (式中、Qは単環式芳香族基、縮合多環式芳香族基、芳
    香族基が直接又は架橋基により連結された非縮合多環式
    芳香族基からなる群より選ばれた1価の基を示す)で表
    される芳香族モノアミンのいずれか一方又は双方で封止
    されたポリアミド酸又はポリイソイミド或いはポリイミ
    ドのいずれか1種又は2種以上を含有してなることを特
    徴とする耐熱性接着剤。
  2. 【請求項2】 前記一般式(1)中のR1 が化3 【化3】 で表される2価の有機基の群から選択される少なくとも
    1種であり、R2 が化4 【化4】 で表される4価の有機基の群から選択される少なくとも
    1種であることを特徴とする請求項1に記載する耐熱性
    接着剤。
  3. 【請求項3】 前記一般式(2)で表される芳香族ジカ
    ルボン酸無水物が、無水フタル酸であることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2に記載する耐熱性接着剤。
  4. 【請求項4】 前記一般式(3)で表される芳香族モノ
    アミンが、アニリンであることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載する耐熱性接着剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0967559A (ja) * 1995-08-31 1997-03-11 Tomoegawa Paper Co Ltd 電子部品用接着テープ及び液状接着剤
JP2002267024A (ja) * 2001-03-07 2002-09-18 Mitsubishi Cable Ind Ltd オイルシール
JP2002276818A (ja) * 2001-03-15 2002-09-25 Mitsubishi Cable Ind Ltd オイルシール
JPWO2008004615A1 (ja) * 2006-07-07 2009-12-03 三菱瓦斯化学株式会社 ポリイミド樹脂

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