JPH07207034A - 高分子複合体の製造方法 - Google Patents

高分子複合体の製造方法

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JPH07207034A
JPH07207034A JP268594A JP268594A JPH07207034A JP H07207034 A JPH07207034 A JP H07207034A JP 268594 A JP268594 A JP 268594A JP 268594 A JP268594 A JP 268594A JP H07207034 A JPH07207034 A JP H07207034A
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JP
Japan
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polymer
monomer
rigid
oligomer
solvent
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JP268594A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Sugita
浩昭 杉田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 剛直成分と屈曲成分の分散性が改良された高
分子複合体の製造方法を提供する。 【構成】 剛直性ポリマーを形成するモノマーもしくは
オリゴマーの熱溶融体と、少なくとも該モノマーもしく
はオリゴマーの熱溶融温度以上の沸点を有する溶媒に溶
解させた屈曲性ポリマーの溶液とを混合する工程、及び
この混合体を前記モノマーもしくはオリゴマーの少なく
とも重合温度以上に保持し、前記モノマーもしくはオリ
ゴマーの重合を進行させると共に前記溶媒を除去する工
程からなることを特徴とする、高分子複合体の製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子複合体の製造方
法に関し、より詳細に述べるならば、本発明は、剛直性
ポリマーと屈曲性ポリマーの分散性が良好な高分子複合
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】繊維強化プラスチック(FRP)は、プ
ラスチックをマトリックスとし、繊維により強化した複
合材料である。このFRPは現在多くの分野において構
造材料として用いられている。しかしながらFRPにも
いくつかの欠点が認められる。例えば、比較的多くの強
化用繊維が必要であり、繊維の長さも大きなものが必要
である。また成形性が悪く、得られる成形物に制約があ
る。さらに、繊維とマトリックスの接着性にも問題があ
る。
【0003】こうした問題を解決するため、高分子複合
体が提案された(例えば、特開昭61−51016 号公報参
照)。この高分子複合体は、上記FRPの強化繊維に相
当するものとして剛直性ポリマーを用い、この剛直性ポ
リマーをマトリックスポリマーである屈曲性ポリマー中
に一様に分散させたものである。こうした構造により、
マトリックスポリマー本来の成形性を損なうことなく、
機械的性質及び物理的性質の向上が可能となった。
【0004】このような高分子複合体を製造する方法と
しては、剛直性ポリマーと屈曲性ポリマーの共通溶媒を
用い、この溶媒中で両ポリマーを溶液状態で混合し、成
形する溶液法、及び2軸押出機等を用い、高剪断下にお
いて、熱可塑化した屈曲性ポリマー内で剛直性モノマー
を重合するリアクティブプロセッシング(RP)法が開
示されている。
【0005】しかし、上記溶液法においては、複合化し
ようとする剛直性ポリマーと屈曲性ポリマーの相互に共
通する溶媒が必要であるため、溶媒自体が限定され、ま
た使用可能なポリマーが限定される。さらに、得られる
成形品は、フィルム及び繊維状の物に限定される等の問
題がある。
【0006】また、RP法では、剛直性ポリマーの高重
合化が期待できず、剛直成分に十分なアスペクト比が得
られず、十分な物性の高分子複合体が得られていない。
【0007】このような問題を解消するため、本発明者
は先に、屈曲性ポリマーの熱溶融体中で剛直性ポリマー
を重合させ、剛直性ポリマーの分子鎖を成長させること
により、屈曲性ポリマー内に剛直性ポリマーを分散さ
せ、かつ剛直性ポリマーの重合度を高め、そのアスペク
ト比を高めることができることを見出した(特願平5−
254099)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法により、確
かに従来の高分子複合体よりは高性能な高分子複合体が
得られたが、剛直性分子鎖を有するポリマー(以下剛直
成分とする)と屈曲性分子鎖を有するポリマー(以後屈
曲成分とする)の組合せによっては、必ずしもこの両成
分の分散性が充分ではないという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の高分
子複合体の製造方法の上記の問題点を解決すべく鋭意研
究を重ねた結果、マトリックスとなる屈曲成分を高沸点
の溶媒中に均一に溶解し、この溶液中で、強化材となる
剛直成分を構成するモノマーもしくはオリゴマーを重合
・成長させることにより、高性能な高分子複合体が得ら
れることを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明の高分子複合体の製造方
法は、剛直性ポリマーを形成するモノマーもしくはオリ
ゴマーの熱溶融体と、少なくとも該モノマーもしくはオ
リゴマーの熱溶融温度以上の沸点を有する溶媒に溶解さ
せた屈曲性ポリマーの溶液とを混合する工程、及びこの
混合体を前記モノマーもしくはオリゴマーの少なくとも
重合温度以上に保持し、前記モノマーもしくはオリゴマ
ーの重合を進行させると共に前記溶媒を除去する工程か
らなることを特徴とするものである。
【0011】本発明の高分子複合体の具体的な製造方法
において、剛直成分を構成するモノマーと混合助剤(例
えば無水酢酸等)との混合溶液を、屈曲成分を溶解する
ことのできる高沸点溶媒に屈曲成分を溶解した(あるい
は、重合過程の所定温度で溶解した)溶液とを混合し、
この混合溶液中において、所定の昇温パターンにて剛直
成分の重合を行う。ここで用いられる高沸点溶媒は、剛
直成分のオリゴマー化温度(約260 ℃)程度まで蒸発し
ないことを特徴とし、当該温度における屈曲成分中での
剛直成分オリゴマーの均一分散を促進する。さらに所定
の昇温及び減圧パターンにおいて剛直成分の高重合化を
継続することにより、屈曲成分中に剛直成分が均一に分
散した高分子複合体が得られる。
【0012】剛直性ポリマーを形成するモノマーとして
は、固相溶融重縮合(直接重縮合)が可能なものであ
り、好ましくは、下式
【化1】 で表される芳香族ジカルボン酸、下式
【化2】 で表されるビスフェノール、及び芳香族ヒドロキシカル
ボン酸が挙げられ、より好ましくは、下式
【化3】 で表される液晶形成性モノマーが挙げられる。また、こ
れらのモノマーは単独でも混合物であってもよい。すな
わち、モノマーの組合せを変えることにより、任意の融
点を有するポリマーを与えることができる。さらに、モ
ノマーのみならず、これらモノマーのオリゴマーを用い
てもよい。
【0013】屈曲性ポリマーは、上記の剛直性ポリマー
と比較して、主鎖結合のまわりの内部回転が比較的自由
なものであり、この屈曲性ポリマーとしては、熱溶融成
形性を有するポリマーであれば基本的に使用可能であ
る。好ましくは、剛直成分の重合時の重合温度において
溶融体であり、その温度において熱分解しないものであ
る。従って、用いることのできる屈曲性ポリマーは剛直
成分との相対関係によってきまる。具体的な屈曲性ポリ
マーとしては、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレン
スルフィド、ポリスルホン、ポリチオエーテルスルホン
スルフィド、ポリアリールスルホン、ポリエーテルケト
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールエーテ
ルケトン、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポ
リイミド、液晶ポリマー、ポリアリレート、ポリカーボ
ネート、ポリアミド等が挙げられる。
【0014】剛直性ポリマーと屈曲性ポリマーの量比は
特に制限はなく、得られる高分子複合体の所望の特性に
よって種々の量比で用いてよい。
【0015】屈曲成分を溶解する高沸点溶媒は、剛直成
分の熱溶融体と混合する際にも蒸発せず存在することが
必要であり、従って剛直成分を形成するモノマーもしく
はオリゴマーの熱溶融温度以上の沸点を有するものであ
り、例えば1−クロロナフタレン及びジフェニルエーテ
ルが例示される。
【0016】
【作用】本発明の方法は、高沸点の溶媒中にマトリック
スとなる屈曲性ポリマーを溶解させることによりその分
散度を高め、この溶液中で剛直成分を重合することによ
り、剛直成分と屈曲成分の分散性が従来の方法に比べさ
らに向上する。
【0017】
【実施例】本発明を下記実施例によりさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
【0018】剛直成分として、メチルヒドロキノン、4,
4'−ビフェニルジカルボン酸及び2,6-ナフタレンジカル
ボン酸の3成分系よりなる溶融液晶性ポリマー(LC
P)を用いた。メチルヒドロキノンは、反応性を高める
ため、メチルヒドロキノンジアセテートとして用いた。
また、高沸点溶媒としてジフェニルエーテル(単独の沸
点は 260℃)を、そして屈曲性ポリマーとして、ポリフ
ェニレンスルフィド(PPS)を用いた。
【0019】メチルヒドロキノンジアセテート75g 、4,
4'−ビフェニルジカルボン酸82.9g、2,6-ナフタレンジ
カルボン酸3.9g及び無水酢酸117.7gからなる混合溶液と
PPS50.8g 及びジフェニルエーテル150gからなる混合
溶液を密閉容器に入れ、不活性ガス気流下において所定
の昇温速度で加熱、攪拌、融解及び分留(蒸発物及び副
生成物)を行った。
【0020】重合浴の温度が320 ℃を越えた後、この混
合溶融体を、さらに所定の昇温速度で加熱し、そして系
を減圧し、副生成物の脱離及び高沸点溶媒の蒸発を促進
した。剛直成分の重合度(分子量)の上昇と共に系の粘
度が上昇した。攪拌が困難になった時点において反応終
了とし、不活性ガスにより系を常圧に戻し、高分子複合
体を取り出した。
【0021】このようにして、3成分系のLCP/PE
Sの重量比が70/30、50/50、及び30/70(wt%/wt
%)の高分子複合体を得た。そしてこの複合体を常法に
より射出成形を実施し、長さ80mm、幅10mm、厚さ2mmの
成形体を製造した。また、比較例として、LCP 100%
とPES 100%のそれぞれのポリマーを同様に射出成形
し、同様の成形体を製造した。
【0022】これらの成形体の引張弾性率を常法により
測定した。結果を図1に示す。さらにこの図1に、一般
的なポリマーブレンド系(2軸押出機による)の比較例
(比較例2)の測定結果を示す。これは一般的に、単純
な複合則に基づいた弾性率(比較例1のLCP単独とP
PS単独の成形体の弾性率の値を結んだ細い線)より低
い値を示した。
【0023】この図より、一般のポリマーブレンド系と
比較して、本発明の方法により得られた高分子複合体の
成形体は高い引張弾性率を示し、高性能な高分子複合体
が得られたと考えられる。
【0024】
【発明の効果】本発明の方法により、屈曲性ポリマーを
高沸点溶媒に溶解し、この溶液中で剛直性ポリマーを重
合させることにより、剛直成分の分散度及び重合度を共
に高くすることができ、高性能な高分子複合体が得られ
る。こうして得られた複合体は、射出成形により所望の
形状に成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により得られた高分子複合体の成
形体と従来のポリマーブレンドより得られた成形体の引
張弾性率を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剛直性ポリマーを形成するモノマーもし
    くはオリゴマーの熱溶融体と、少なくとも該モノマーも
    しくはオリゴマーの熱溶融温度以上の沸点を有する溶媒
    に溶解させた屈曲性ポリマーの溶液とを混合する工程、
    及びこの混合体を前記モノマーもしくはオリゴマーの少
    なくとも重合温度以上に保持し、前記モノマーもしくは
    オリゴマーの重合を進行させると共に前記溶媒を除去す
    る工程からなることを特徴とする、高分子複合体の製造
    方法。
JP268594A 1994-01-14 1994-01-14 高分子複合体の製造方法 Pending JPH07207034A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009041335A1 (ja) * 2007-09-27 2009-04-02 Toray Industries, Inc. ポリマーアロイとその製造方法

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