JPH07206784A - イソホロンジアミンの製造方法 - Google Patents

イソホロンジアミンの製造方法

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JPH07206784A
JPH07206784A JP6007585A JP758594A JPH07206784A JP H07206784 A JPH07206784 A JP H07206784A JP 6007585 A JP6007585 A JP 6007585A JP 758594 A JP758594 A JP 758594A JP H07206784 A JPH07206784 A JP H07206784A
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catalyst
isophorone
reaction
metal
solvent
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JP6007585A
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Kenji Akakishi
賢治 赤岸
Hiroshi Ishida
浩 石田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脂環式ポリアミド原料及び塗料原料として有
用なイソホロンジアミンを、温和な条件でかつ金属種の
溶出を抑えた安定な金属担持触媒を用いて、高収率で製
造することを目的とする。 【構成】 メタノール溶媒の存在下、固定床反応方式
で、還元アミノ化によってイソホロンニトリル及び又は
イソホロンイミノニトリルからイソホロンジアミンを製
造する際に、触媒として、Co、Ni、Fe、Ru、P
dの内の少なくとも1種を含み、その金属の還元率が9
0%以上である金属担持触媒を用いる方法。 【効果】 メタノールを溶媒とする低圧反応条件下で、
プロセスの簡易な固定床反応方式を用いて、溶出する金
属種による活性劣化を抑制し、高収率でイソホロンジア
ミンを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脂環式ポリアミドの原
料及び塗料原料として有用なイソホロンジアミンの製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3−アミノメチル−3,5,5−トリメ
チルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン)の製
造方法については、特公昭39−10923号公報で、
3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキサノン
(イソホロンニトリル)をメタノールを溶媒としてCo
触媒を用いて、還元アミノ化する方法が知られている。
しかしながら、実施例はすべて撹拌槽方式によるもので
ある。
【0003】DE3,011,656号公報には、イソ
ホロンニトリルをアンモニアと無触媒で反応させ、一
旦、3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキシ
ルイミン(イソホロンイミノニトリル)を合成して、こ
れを水素添加してイソホロンジアミンにする二段法が記
載されている。しかしながら、この方法は溶媒を用いな
いで、多量の液体アンモニア中で行われるため、前段の
イミノ化は300barの高圧で行われ、更に後段の水
添も、共存するアンモニアによる水素分圧の低下を補う
ため必然的に高圧系となる。
【0004】特公平2−15530号公報には、イソホ
ロンニトリルをアンモニアとイミン形成触媒を用いてイ
ソホロンイミノニトリルにして、これを水素添加してイ
ソホロンジアミンにする二段法が記載されている。この
特許の明細書中には、溶媒に関して、イミノ化の際に生
成する水との相分離を容易にする溶媒が有利であるとの
記載がある。しかしながら、溶媒の具体的な記載はな
く、また、水と混ざり合うアルコール系の溶媒が含まれ
ないことは明らかである。事実、実施例はすべて無溶媒
系であり、反応圧力も270barと極めて高い。
【0005】特開平3−68541号公報には、イソホ
ロンニトリル又はイソホロンイミノニトリルを還元アミ
ノ化してイソホロンジアミンにする際に、アミノ化プロ
モーターとして双極性プロトン化合物を用いる方法が記
載されている。ここに記載されているアミノ化プロモー
ターとしては、メタノールをはじめとする各種アルコー
ルが含まれており、さらにアミノ化プロモーターを溶媒
として用いる系も示されている。この方法の特徴は、3
0から80気圧程度の比較的低圧で反応が行えることに
ある。しかしながら、すべての実施例において水素化触
媒としては、ラネーニッケル、ラネーコバルト(Cr含
有も含む)を用い、反応方式は撹拌槽方式である。
【0006】特開平3−47156号公報には、イソホ
ロンニトリル又はイソホロンイミノニトリルを還元アミ
ノ化してイソホロンジアミンにする際に、まずイソホロ
ンニトリル又はイソホロンイミノニトリルを中間体のイ
ソホロンアミノニトリル(3−シアノ−3,5,5−ト
リメチルシクロヘキシルアミン)に転化し、更に前段の
反応温度よりも高い反応温度又は前段の触媒より活性の
高い触媒を用いて、イソホロンアミノニトリルをイソホ
ロンジアミンに転化する方法が記載されている。この方
法の特徴も前記特開平3−68541号と同様に比較的
低圧で反応が行えることにある。しかしながら、特開平
3−68541号と同様に、すべての実施例において水
素化触媒としては、ラネーニッケル、ラネーコバルト
(Cr含有も含む)を用い、反応方式は撹拌槽方式であ
る。
【0007】DE449,089号公報には、イソホロ
ンニトリルから還元アミノ化によりイソホロンジアミン
を製造する際に、まず酸性金属化合物を触媒として用い
てイソホロンニトリルとアンモニアからイソホロンイミ
ノニトリルを合成し、これを過剰のアンモニア存在下
に、コバルト、ニッケル、ルテニウム又はその他の貴金
属と、中性又は塩基性担体を組み合わせた触媒を用いて
水添してイソホロンジアミンに転化する方法が記載され
ている。この特許の実施例には、無溶媒又はTHFを溶
媒とする例が記載されている。しかしながら、反応圧力
は250barと極めて高い。
【0008】特開平4−300852号公報には、イソ
ホロンニトリルを、メタノール溶媒をはじめとする溶媒
の存在下、50から100気圧という比較的低圧の条件
で還元アミノ化しイソホロンジアミンを製造する方法が
記載されている。しかしながら、触媒は担持Ru触媒に
限定し、実施例は撹拌槽方式である。特開平5−859
91号公報には、イソホロンニトリルを、メタノール溶
媒をはじめとする溶媒の存在下、50から100気圧と
いう比較的低圧の条件で還元アミノ化しイソホロンジア
ミンを製造する方法が記載されている。しかしながら触
媒はコバルト−レニウム−モリブデン触媒に限定し、実
施例は撹拌槽方式である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来技術の中で、数十
気圧という比較的低圧で反応が可能な系は、メタノール
等のアルコールを溶媒とする系である。この理由は、ア
ルコールに対するアンモニアの溶解度が大きいために、
比較的少ないアンモニア量で反応が可能となり、アンモ
ニアによる水素分圧の低下が少なく、結果的に全圧を低
くできるためと考えられる。
【0010】しかしながら、アルコールを溶媒とする低
圧系で比較的高いイソホロンジアミン収率を示すのは、
触媒としてラネーニッケル、ラネーコバルトを用いる撹
拌槽方式による系であり、触媒の分離工程を必要とする
点や、撹拌により触媒が経時的に微粉化する等、工業的
に実施する上で少なからず問題があった。そこで、本発
明者らは、低圧反応が可能なアルコール系溶媒、特にメ
タノール溶媒を用いて、触媒分離が不要で、反応操作の
容易な固定床反応方式について検討を行ってきた。
【0011】しかしながら、本反応をメタノール溶媒を
用いて、気相を連続相とし液相を不連続相とする、固定
された触媒層の上部から原料溶液を流下させる、固定床
トリクルベット方式で行う場合、触媒に担持された金属
の一部が溶出することによって、触媒自身が被毒を受
け、活性、選択性及び寿命が低下してしまうという、従
来技術では詳細に触れられていない問題があることが判
明した。これは工業的に実施しようとする場合極めて重
大な問題である。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の問題を解決すべく
本発明者らは鋭意検討を行った結果、メタノールを溶媒
とする固定床トリクルベット方式で、Co、Ni、F
e、Ru、Pdの内の少なくとも1種を含み、その金属
の還元率が90%以上である金属担持触媒を用いること
によって、上記課題を解決できることを見い出し本発明
の完成に至った。
【0013】すなわち、本発明は、イソホロンニトリル
及び又はイソホロンイミノニトリルからメタノールを溶
媒として、固定床方式での還元アミノ化によってイソホ
ロンジアミンを製造する方法において、Co、Ni、F
e、Ru、Pdの内の少なくとも1種を含み、その金属
の還元率が90%以上である金属担持触媒を用いること
を特徴とする、イソホロンジアミンの製造方法である。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる触媒としては、Co、Ni、Fe、Ru、P
dの内の少なくとも1種を含み、その金属の還元率が9
0%以上である金属担持触媒である。用いられる金属と
しては、好ましくはCo、Ni、Ruであり、より好ま
しくはCoである。用いられる金属の原料化合物には特
に制限はないが、硝酸塩、硫酸塩、塩酸塩、酢酸塩、ギ
酸塩等が一般的である。また、水酸化物、錯塩等も使用
できる。中でも好ましくは硝酸塩、酢酸塩、ギ酸塩であ
りより好ましくは硝酸塩である。
【0015】また、無機多孔性担体としては、シリカ、
ケイソウ土、ジルコニア、チタニア等、用いることがで
きるが、金属を比較的高い還元率にするためには、金属
と担体との化合物を作りにくいシリカ、ケイソウ土が好
ましく、中でもシリカが最も好ましい。触媒中の金属の
担持量は、特に限定されないが、好ましくは20から8
0重量%、より好ましくは50から70重量%である。
【0016】金属成分の無機多孔質担体に対する担持方
法としては、特に制限はないが、通常の場合、共沈法、
含浸法、噴霧乾燥法等が採用できる。すなわち、例え
ば、原料金属化合物の水溶液に無機多孔性担体を分散、
又はゾルとして溶解させた原料溶液に、更に沈殿剤を加
えて金属化合物と担体の共沈物を得る方法や、前記原料
溶液を熱風中に噴霧することにより金属化合物を担持さ
せた粉末を得る方法等である。こうして得た金属化合物
担持物は、必要に応じて250℃から500℃の温度で
空気中で焼成もしくは、不活性ガス中で分解される。そ
の後、水素もしくは水素/不活性ガス混合気体を流しな
がら250℃から600℃、好ましくは350℃から5
00℃、より好ましくは400℃から480℃の範囲で
気相中で還元される。600℃より高温では金属のシン
タリングが顕著となり活性に悪影響を及ぼすが、シンタ
リングを起こさない程度で、なるべく高温で処理し還元
率を上げることが好ましい。
【0017】還元終了後、更に室温で酸素/不活性ガス
混合ガスを流し金属の一部を部分的に酸化する安定化と
いう操作がなされる。ただし、この安定化操作は触媒を
空気中で取り扱い易くするためのもので必ずしも必要で
はない。この時の、発熱による温度上昇をなるべく抑
え、できれば100℃以下で行い、不必要な酸化を避け
ることが、反応前の再還元を容易にできる点で好まし
い。
【0018】この様に、金属担持触媒の還元率をできる
だけ上げることにより、触媒から溶出する金属を少なく
し、溶出金属による触媒自身への被毒を抑制することが
できる。その理由については、はっきりとは判っていな
いが、原料溶液により溶出する金属種は主に、例えば、
CoO、NiOのような未還元の酸化物であり、還元率
を上げることにより、溶出し被毒を引き起こす未還元の
酸化物を、少なくしているものと考えられる。
【0019】上記の条件によって達成しうる、最終的に
還元アミノ化に用いられる触媒の還元率の上限は、確認
した限りでは99%程度であるが、還元率は高い程望ま
しく、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以
上である。反応の実施形態としては、溶媒にイソホロン
ニトリルを溶解させ水素化触媒の存在下、アンモニア及
び水素を導入して水素化反応を行うことにより、イソホ
ロンジアミンを製造する一段法で行っても良いし、ま
た、溶媒にイソホロンニトリルを溶解しアンモニアを導
入し、適当な温度条件で平衡に到達させたイソホロンニ
トリル/イソホロンイミノニトリルの平衡混合物溶液を
用いて、水素化触媒の存在下水素を導入して水素化反応
を行うことにより、イソホロンジアミンを製造する二段
法で行っても良い。一般に二段法を採用した方が、イソ
ホロンニトリルが単に水添されただけの副生物である3
−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサ
ノール(イソホロンアミノアルコール)の副生を抑制
し、目的物を高収率で得ることができる点で好ましい。
【0020】用いられる触媒量は、反応が十分に進行す
る量であれば、とくに制限はない。溶媒としてはメタノ
ールが用いられる。溶媒量は原料のイソホロンニトリル
に対して重量で1から20倍、好ましくは1.5から1
0倍、より好ましくは2から5倍の範囲より選ばれる。
アンモニア/イソホロンニトリルのモル比は、2から2
0、好ましくは3から15、より好ましくは4から10
の範囲より選ばれる。また、前記平衡混合物溶液中のイ
ソホロンニトリル/イソホロンイミノニトリルのモル比
は、通常は1/99から30/70であるが、アンモニ
ア/イソホロンニトリルのモル比、反応温度、反応時間
によって任意に変えることができる。
【0021】水素化の反応圧力は、メタノールを使用す
ることで低圧で実施できる。その範囲は、40から12
0気圧、好ましくは50から100気圧、より好ましく
は、60から80気圧である。水素化の反応温度は、4
0℃から150℃、好ましくは50℃から140℃、よ
り好ましくは80℃から135℃である。
【0022】反応形式は、金属担持触媒を充填した触媒
層上部から、イソホロンニトリルのメタノール溶液とア
ンモニアとを流下させるか、もしくは、前記イソホロン
ニトリル/イソホロンイミノニトリル平衡混合物溶液を
流下させる、トリクルベット方式で行われる。水素は連
続相として存在し、反応消費分のみを供給しても良い
し、一定量流通させても良い。
【0023】原料であるイソホロンニトリルのメタノー
ル溶液又は前記平衡混合物溶液の供給速度は、L.H.
S.V.(液空間速度)で0.3から4.0時間-1、好
ましくは0.6から3.0時間-1、より好ましくは0.
8から2.5時間-1である。ことに、イソホロンニトリ
ルのメタノール溶液とアンモニアを供給する場合には、
前記のイソホロンアミノアルコールの副生を抑えるため
に、反応初期においては、できるだけ共存するアンモニ
アによってイソホロンニトリルをイソホロンイミノニト
リルに転化し、かつ水添があまり起こらない条件にする
ことが好ましい。例えば触媒層入り口から約1/3の部
分を20℃から60℃の温度にして、その後触媒層の最
高温度を上げてゆく方法等が考えられる。
【0024】
【実施例】以下に実施例を上げて説明するが、本発明は
要旨を越えない限りこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0025】
【実施例1】硝酸コバルト・6水塩6.50kgを10
重量%の硝酸水溶液1.30kgに加熱しながら溶解し
た後、シリカゾル(日産化学製アンモニア安定型スノー
テックスN、シリカ30重量%含有)3.32kgを添
加した。あらかじめ熱風入り口250℃、熱風出口15
0℃に昇温した噴霧乾燥装置(熱風を流通させた円筒状
装置)に、アトマイザーを用いて霧状にした前記原料を
ポンプで1リットル/時間の流量で供給した。
【0026】このようにして得た噴霧乾燥粉末の内50
0gを、400℃で3時間空気中で焼成後、圧縮成形し
たものを、8から20メッシュに分級した。それをステ
ンレス管に詰め、430℃で3時間水素を流しながら還
元した。室温まで降温後、酸素1体積%/窒素99体積
%の混合ガスを、触媒温度が100℃を越えないように
流して触媒を安定化させた。触媒組成は還元物換算でC
o57重量%、SiO 243重量%であった。また、安
定化後の触媒の還元率は75%であった。
【0027】触媒還元率は、以下のようにして測定し
た。触媒約0.3gを100mlメスフラスコに採取
し、5分間窒素を流し空気を置換した後、FeCl3
溶液(FeCl3・6H2O21.00gを純水241.
0gに溶解)20mlを添加した。これを砂浴上で加熱
し、2から3分間沸騰させた後、濃HCl5mlを添加
し、さらに沸騰水を約80ml添加した。室温まで冷却
の後、100mlメスフラスコの標線まで純水を添加し
た。ヌッチェで濾過した後、濾液20mlに7NH2
4水溶液20ml、MnSO4水溶液(MnSO4・4
〜5H2O34.0g、リン酸69ml、硫酸65ml
を純水に溶解し500mlとした)10mlを添加後、
純水で100mlとしたものを、0.1MKMnO4
溶液で酸化還元滴定し還元性Co量を求めた。全Co量
は前記濾液をICP(セイコー電子製プラズマ発光分析
計、JY38P2)で分析することにより求めた。還元
率は、還元性Co量/全Co量×100で計算した。
【0028】内径10mm、長さ500mmの外部ジャ
ケット付きステンレス管に、上記触媒を10g充填し、
185℃で3時間、水素55気圧下で再還元した。この
時の還元率は98%であった。還元アミノ化に使用され
るNH3/MeOHによるCoの溶出をみるために、3
0℃、H270気圧の条件でNH3/MeOH=23/7
7重量比の溶液を、触媒上部より1.43cc/分の流
量で3時間供給した。回収液中のCo量をICPで分析
したところ、0〜1時間では5重量ppm、1〜2時間
では0.6重量ppm、2〜3時間では0.5重量pp
mであった。
【0029】この溶出Coを含むNH3/MeOH溶液
にイソホロンニトリルを室温で溶解し、以下の組成の液
を得た。アンモニア16重量%、イソホロンニトリル3
0重量%、メタノール54重量%。この液を40℃で2
時間撹拌してイミノ化平衡混合物を得た。この平衡混合
物中のイソホロンニトリル/イソホロンイミノニトリル
のモル比は、約5/95であった。
【0030】この溶出したCoが触媒被毒をひき起こす
かをみるために、以下の反応条件で還元アミノ化反応を
行った。内径10mm、長さ500mmの外部熱媒ジャ
ケット付きステンレス製反応管に、上記と同様にして再
還元した触媒(還元率97%)45g(8から20メッ
シュ)を充填し、水素を反応圧力である70気圧まで導
入した。熱媒温度100℃でジャケットに循環させ温度
が安定した後に、0〜5時間までは、ブランクとしてC
oを含まないイミノ化平衡混合物(この平衡混合物中の
組成はCoを含まない点以外は、上記と同一であっ
た。)を1.43cc/分の流量で触媒層上部より供給
し、5〜10時間までは上記の溶出Coを平均濃度で
1.5重量ppm含むイミノ化平衡混合物原料を供給し
た。水素は反応消費分が供給されるようにした。反応粗
液は0〜5時間と5〜10時間とに分けガスクロマトグ
ラフィーで分析した。
【0031】ただし、化合物は下記のように表現する。 イソホロンニトリル:IPCN イソホロンイミノニトリル:IPCI 1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ[3.2.
2]オクタン:TABO 上記TABOのN−メチル体:N−メチル−TABO イソホロンアミノニトリル:IPCA イソホロンアミノアルコール:IPAA 3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン:IPA イソホロンジアミン:IPDA 上記IPDAのN−メチル体:N−メチル−IPDA IPDAより高沸の中間体:X4(構造不明) 反応結果を表1に示す。
【0032】
【実施例2】実施例1と同様にして得た安定化後の還元
率75%の触媒45gを、実施例1と同様のステンレス
製反応管に充填し、170℃で3時間、水素55気圧で
再還元を行った。この時の還元率は93%であった。次
に、メタノールにアンモニアとイソホロンニトリルを室
温で溶解して、以下の組成の液を得た。アンモニア15
重量%、イソホロンニトリル30重量%、メタノール5
5重量%。この液を40℃で2時間撹拌してイミノ化平
衡混合物を得た。この平衡混合物中のイソホロンニトリ
ル/イソホロンイミノニトリルのモル比は、約5/95
であった。
【0033】この平衡混合物をそのまま原料に用いて、
以下の反応条件で還元アミノ化反応を行った。再還元し
た触媒(還元率93%)を充填した上記ステンレス製反
応管に、水素を反応圧力である70気圧まで導入し、熱
媒温度125℃でジャケットに循環させ温度が安定した
後に、上記平衡混合物原料を1.43cc/分の流量で
触媒層上部より供給した。水素は反応消費分が供給され
るようにした。反応は100時間行った。反応粗液は、
10時間ごとにガスクロマトグラフィーで分析した。
【0034】反応結果を図1に示す。ただし、図には目
的物であるイソホロンジアミンの選択率と、X4とその
他高沸の合計の選択率の変化のみを示した。
【0035】
【比較例1】実施例1と同様にして得た安定化後の還元
率75%の触媒を、特に再還元操作を行わずそのまま用
いて、還元アミノ化に使用されるNH3/MeOHによ
るCoの溶出をみるために、実施例1と同様の条件でN
3/MeOHを供給した。回収液中のCo量をICP
で分析したところ、0〜1時間では514重量ppm1
〜2時間では42重量ppm、2〜3時間では35重量
ppmであった。
【0036】又、この溶出したCoが触媒被毒をひき起
こすかをみるために、実施例1と同様に再還元した触媒
(還元率97%)を用いて、0〜5時間はブランクとし
てCoを含まないイミノ化平衡混合物を、5〜10時間
までは上記溶液を用いて調製した、溶出Coを平均濃度
で138重量ppm含むイミノ化平衡混合物を原料とし
て供給した。還元アミノ化の反応条件は実施例1と同様
であり、反応粗液は0〜5時間と5〜10時間とに分け
ガスクロマトグラフィーで分析した。
【0037】反応結果を表1に示す。
【0038】
【比較例2】実施例1と同様にして得た安定化後の還元
率75%の触媒を、室温で1時間、水素20気圧の条件
で再還元操作を行なった。この時の還元率は81%であ
ったこの触媒を用いて、実施例2と同様にして100時
間の還元アミノ化反応を行った。反応粗液は10時間ご
とにガスクロマトグラフィーで分析した。
【0039】反応結果を図2に示す。ただし、図には目
的物であるイソホロンジアミンの選択率と、X4とその
他高沸の合計の選択率の変化のみを示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、メタノールを溶媒に用
いた低圧反応系で、しかもプロセスとして簡略な固定床
反応方式で、金属の還元率を90%以上に高めた金属担
持触媒を用いることによって、溶出する金属による被毒
を抑制でき、高収率でイソホロンジアミンを得ることが
できる。これは工業的に実施する上で、極めて有利とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2の反応成績の変化を示す図。
【図2】比較例2の反応成績の変化を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 209/52 // C07B 61/00 300

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イソホロンニトリル及び又はイソホロン
    イミノニトリルからメタノールを溶媒として、固定床方
    式での還元アミノ化によってイソホロンジアミンを製造
    する方法において、Co、Ni、Fe、Ru、Pdの内
    の少なくとも1種を含み、その金属の還元率が90%以
    上である金属担持触媒を用いることを特徴とする、イソ
    ホロンジアミンの製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒の担体がシリカ、ケイソウ土、ジル
    コニア、チタニアであることを特徴とする請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 還元アミノ化の反応圧力が、40から1
    20気圧の範囲であることを特徴とする請求項1に記載
    の方法。
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