JP2010126464A - アミノ基含有イミダゾール類の製造方法 - Google Patents

アミノ基含有イミダゾール類の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010126464A
JP2010126464A JP2008301136A JP2008301136A JP2010126464A JP 2010126464 A JP2010126464 A JP 2010126464A JP 2008301136 A JP2008301136 A JP 2008301136A JP 2008301136 A JP2008301136 A JP 2008301136A JP 2010126464 A JP2010126464 A JP 2010126464A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
catalyst
amino group
based catalysts
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008301136A
Other languages
English (en)
Inventor
Akiyoshi Shimoda
晃義 下田
Nobuhiro Ito
暢浩 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei E Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei E Materials Corp filed Critical Asahi Kasei E Materials Corp
Priority to JP2008301136A priority Critical patent/JP2010126464A/ja
Publication of JP2010126464A publication Critical patent/JP2010126464A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】選択率が高く、生産性に優れたアミノ基含有イミダゾール類の製造方法の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるシアノ基含有イミダゾール類を、不活性溶剤中でコバルト系触媒等からなる群より選ばれる1種以上の触媒を用いて水素添加反応を行う工程を含む、下記一般式(2)で表されるアミノ基含有イミダゾール類の製造方法。


【選択図】なし

Description

本発明は、アミノ基を含有したイミダゾール類の製造方法に関する。より詳しくは、本発明は、各種硬化材料、電子工業用材料、及びそれらの原料、更には医薬原料や農薬原料として有用なアミノ基含有イミダゾール類の製造方法に関する。
アミノ基含有イミダゾール化合物は、各種官能基と反応できるアミノ基と、塩基性触媒能を有するイミダゾール基を同時に有しているため、各種材料や原料に有用に用いることができる。
アミノ基含有イミダゾール化合物は、例えば、アミノ基はエポキシ基と付加型の反応を起こし、イミダゾール部分の3級窒素はエポキシ基を開環させる高活性な触媒能を有しているため、エポキシ樹脂の硬化剤として有用である。
特許文献1には、アミノ基含有イミダゾール類とイソシアネート基を含有する化合物とを反応させて得られる化合物が、エポキシ樹脂の硬化剤として用いることができることが記載されている。
特許文献2には、アミノ基含有イミダゾール類として1−(2−アミノエチル)−2−アミノエチルイミダゾールと、イソシアネート基を有する化合物とを反応させて得られる化合物が、優れた硬化性能を有するエポキシ樹脂組成物を提供できることが記載されており、その化合物自体が硬化剤となるだけでなく、硬化剤の原料としてもアミノ含有イミダゾール類が有用であることが記載されている。
特許文献3には、アミノ基含有イミダゾール類が、牛の血小板より分画したソロンボキサン・シンセターゼ(thromboxane synthetase)に対し強い阻害効果を有し、炎症、高血圧、血栓、脳出血、喘息等のソロンボキサン・A2に起因する疾患の治療剤として有用であることが記載されている。
ここで、アミノ基含有イミダゾール類の製造方法としては、従来より各種提案されている。例えば、特許文献4には、1−アミノエチル−イミダゾール化合物の製造方法として、1−アシルアミノエチル−イミダゾリン化合物を接触脱水素することにより、1−アシルアミノエチル−イミダゾール化合物を合成し、次いで、該化合物を酸又はアルカリを用いて加水分解することにより1−アミノエチル−イミダゾールを製造する方法が提案されている。しかしながら、当該文献に記載された方法では、加水分解後の酸又はアルカリからの溶媒を用いた抽出工程、該溶媒を除去する工程、更には必要に応じて所望の化合物を蒸留等で精製するといった工程が必須となり、工程が長く、収率も低くなる傾向にあるため生産性が低い。
一方、ニトリル化合物を触媒の存在下で水素添加することにより対応するアミン化合物を得る方法を利用したアミノ基含有イミダゾール類の製造方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾールを、エタノール溶媒中でラネーニッケル触媒の存在下、圧力と温度がそれぞれ100psi、100℃の条件下で18時間水素添加を行うことにより、1−アミノプロピル−2−エチル−4−メチルイミダゾールを製造することが記載されている。当該文献においては、カーボンにパラジウムやロジウムを担持させた触媒を用いた場合でも、実質的に同じ結果が得られることが記載されている。
また、特許文献3には、1−(3−シアノプロピル)イミダゾールを、エタノールと濃塩酸混合溶媒中で白金触媒下で水素添加を行い、1−(4−アミノブチル)イミダゾールを製造することが記載されている。
特開昭64−66172号公報 特開2000−290260号公報 特開昭54−112862号公報 特開昭62−198668号公報
本発明者らは、水素添加によりアミノ基含有イミダゾールを製造する方法において、工程が短縮され、且つ、精製の容易な方法の検討を行った結果、上記特許文献に記載された方法では、目的物の選択率が低く、得られるアミノ基含有イミダゾール類の純度及び収率が不十分となることが分かった。
上記事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、シアノ基含有イミダゾール類を水素添加することによりアミノ基含有イミダゾール類を製造する方法において、目的物の選択率が高く、高純度のアミノ基含有イミダゾール類を高収率で得ることのできる、生産性に優れたアミノ基含有イミダゾール類の製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、シアノ基含有イミダゾール類を水素添加することによりアミノ基含有イミダゾール類を製造する方法において、不活性溶剤中でコバルト系触媒、銅系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒、ロジウム系触媒、金系触媒、及び銀系触媒から選ばれる1種以上の触媒を用いて水素添加反応を行うことにより、低温時においても、短時間で、且つ、非常に高い選択率で反応が進行し、高純度のアミノ基含有イミダゾール類を高収率で得ることができることを見出した。
即ち、本発明は以下のとおりである。
[1]
下記一般式(1)で表されるシアノ基含有イミダゾール類を水素添加することにより、下記一般式(2)で表されるアミノ基含有イミダゾール類を製造する方法であって、
不活性溶剤中で、コバルト系触媒、銅系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒、ロジウム系触媒、金系触媒、及び銀系触媒からなる群より選ばれる1種以上の触媒を用いて水素添加反応を行う工程を含む、アミノ基含有イミダゾール類の製造方法。
(式中、R1、R2、R3は、各々独立して、水素原子、ハロゲン基、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を含んでもよい芳香族基を示す。Xは、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示す。)
[2]
前記触媒は、コバルト系触媒及び銅系触媒から選ばれる1種以上である、上記[1]記載のアミノ基含有イミダゾール類の製造方法。
[3]
前記不活性溶剤は、エーテル類及びアルコール類から選ばれる1種以上である、上記[1]又は[2]記載のアミノ基含有イミダゾール類の製造方法。
本発明により、目的物の選択率が高く、高純度のアミノ基含有イミダゾール類を高収率で得ることのできる、生産性に優れたアミノ基含有イミダゾール類の製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施の形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態のアミノ基含有イミダゾール類の製造方法は、
下記一般式(1)で表されるシアノ基含有イミダゾール類を水素添加することにより、下記一般式(2)で表されるアミノ基含有イミダゾール類を製造する方法であって、
不活性溶剤中で、コバルト系触媒、銅系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒、ロジウム系触媒、金系触媒、及び銀系触媒からなる群より選ばれる1種以上の触媒を用いて水素添加反応を行う工程を含む、アミノ基含有イミダゾール類の製造方法。
(式中、R1、R2、R3は、各々独立して、水素原子、ハロゲン基、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を含んでもよい芳香族基を示す。Xは、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示す。)
本実施の形態において原料として用いられるシアノ基含有イミダゾール類は、下記一般式(1)で表される化合物である。
ここで、式中のR1、R2、及びR3は、各々独立して、水素原子、ハロゲン基、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を含んでもよい芳香族基を示す。
上記ハロゲン基とは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を表す。
上記炭素数1〜20のアルキル基とは、直鎖もしくは分岐鎖の飽和炭化水素基であり、脂環基のような環状飽和炭化水素を含んでいてもかまわない。炭素数1〜20のアルキル基は置換基を含んでもよく、該置換基としては、例えば、フェニル基等の芳香族基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基、水酸基、アミノ基、アシル基等が挙げられる。また、炭素数が20を超えると、水素添加後の精製が複雑となり、最終的に得られるアミノ基含有イミダゾール類の収率及び純度が低下する傾向にある。
上記芳香族基とは、共役環状構造を有する官能基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。芳香族基は置換基を含んでもよく、該置換基としては、例えば、水酸基、メチル基やエチル基等のアルキル基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基等が挙げられる。
1としては、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、ウンデシル基、ヘプタデシル基等の炭素数18以下のアルキル基、又はフェニル基等の芳香族基が好ましい。
2及びR3としては、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、ウンデシル基、ヘプタデシル基等の炭素数18以下のアルキル基、ヒドロキシメチル基等の水酸基を有する炭素数18以下のアルキル基、又はフェニル基等の芳香族基が好ましい。
本実施の形態においては、R1が、水素、メチル基、エチル基、ヘプタデシル基、フェニル基であり、R2及びR3が、水素、メチル基、エチル基、ヒドロキシメチル基、フェニル基であることがより好ましい。
上記一般式(1)において、Xは、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキレン基であり、直鎖構造、分岐構造、又は環状構造を有する2価の飽和炭化水素基である。該置換基としては、水酸基、フェニル基等の芳香族基、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン基、アミノ基、アシル基等が挙げられる。
Xの炭素数は、好ましくは1〜18であり、より好ましくは1〜10であり、更に好ましくは1〜4である。また、Xとしては、下記一般式(5)で表されるいずれかの構造を有することが好ましい。
本実施の形態の製造方法で用いられるシアノ基含有イミダゾール類は、公知の方法で得ることができ、例えば、アルカリの存在下でイミダゾール類と不飽和二重結合を有するニトリル化合物とを付加反応させることにより得ることができる。
具体的には、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の触媒の存在下で、2−メチルイミダゾールとアクリロニトリルを反応させることにより、下式一般式(3)で表される1−シアノエチル−2−メチルイミダゾールを得ることができる。
次に、本実施の形態の製造方法に用いる不活性溶剤について説明する。
本実施の形態における不活性溶剤とは、室温や反応温度において液体であり、原料であるシアノ基含有イミダゾール類、用いる触媒及び生成物であるアミノ基含有イミダゾール類と化学反応及び塩形成を行わず、且つ、反応温度において、シアノ基含有イミダゾール類を0.1質量%以上溶解するものである。具体的には水や有機溶剤等が挙げられる。
有機溶剤としては、炭化水素類、エーテル類、アルコール類、アミン類等及びこれらの混合物が挙げられる。炭化水素類としては、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の飽和炭化水素類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられる。また、エーテル類としては、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジオキサン、トリオキサン等が挙げられる。アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール等のモノオール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のジオール類;トリメチロールプロパン等のトリオール類等が挙げられる。また、アミン類としては、メチルアミン、エチルアミン等のモノアミン類;ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等のジアミン類;トリメチルアミン、トリエチルアミン等の第3級アミン等が挙げられる。
不活性溶剤としては、水、炭化水素類、エーテル類、アルコール類が好ましく、中でも、選択性及びシアノ基含有イミダゾール類の溶解性が高くなる傾向にあるため、エーテル類、アルコール類がより好ましい。更には、例えば、水素添加反応後に蒸留でアミノ基含有イミダゾール類を精製する場合は、アミノ基含有イミダゾール類と沸点の離れた又は共沸しない不活性溶剤が好ましく、沸点が常圧で200℃以下のエーテル類やアルコール類がより好ましく、沸点が常圧で150℃以下のものが更に好ましい。
本実施の形態において、水素添加を行う際のシアノ基含有イミダゾール類の不活性溶剤中における濃度は、特に制限はいが、通常は0.1質量%から98質量%であり、好ましくは5質量%から75質量%、より好ましくは10質量%から60質量%である。シアノ基含有イミダゾール類の濃度が98質量%を超える場合には、触媒活性が低下して、結果的に水素添加反応速度が低下する傾向にあり、更には触媒寿命が低下する傾向にある。また、シアノ基含有イミダゾールの濃度が0.1質量%未満の場合には、水素添加反応後に不活性溶剤を除去する工程の負荷が大きく、生産性が低下する傾向にある。
次に、本実施の形態における触媒に関して説明する。本実施の形態の製造方法で用いる触媒は、コバルト系触媒、銅系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒、ロジウム系触媒、金系触媒、及び銀系触媒からなる群より選ばれる1種以上の金属を含む触媒である。
本実施の形態では、上記触媒に含まれる金属の含有量が1質量%から実質100質量%であり、例えば、担体上にこれら金属を公知の方法で担持させたものや、多孔質のスポンジ状構造のもの等が挙げられる。
本実施の形態においては、上記触媒の中でも、コバルト系触媒、銅系触媒が水素添加速度が速くなる傾向にあるため好ましい。
触媒に含まれる金属含有量が85質量%以下の場合は、通常金属が担体に担持されているものであり、該担体としては、例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ゼオライト、マグネシア、チタニア、ジルコニア等を好適に用いることができる。更には、本実施の形態においては、上記担体に担持されている触媒が、選択性を低下させない範囲で、クロム、鉄、モリブデン、及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属活性化剤により修飾されていてもよく、特に、クロム、鉄及びモリブデンにより修飾されていることが好ましい。これら金属活性化剤の量は、通常0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.05〜8質量%の範囲である。
コバルト系触媒及び銅系触媒に関しては、その構造がスポンジ状構造を有している場合に水素添加速度が速くなる傾向にあるため、特に好適に使用できる。スポンジ構造を有している触媒に含まれるコバルト又は銅の含有量が実質100質量%の場合は、その製造に用いるアルミニウムを微量残留していてもよく、該アルミニウムの含有量は、通常0.01〜10質量%の範囲にある。これらの残留アルミニウムは、実質的には水素添加に関与しないと考えられ、該アルミニウムが、例えば、0.01〜1質量%の場合も、触媒に含まれるコバルト又は銅が実質100質量%とする。
更には、本実施の形態においては、触媒のスポンジ状構造が、選択性を低下させない範囲で、クロム、鉄、モリブデン、及びニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属活性化剤により修飾されていてもよく、特に、クロム、鉄及びモリブデンにより修飾されていることが好ましい。これら金属活性化剤の量は、通常0.01〜15質量%の範囲であり、好ましくは0.05〜8質量%の範囲である。
触媒の粒径としては、特に制限はなく、以下に説明する反応形式に合わせて、適宜、所望の粒径で用いることができる。
本実施の形態の製造方法における反応形式は、上記触媒を固定し、反応液を流通させる固定床反応形式や、反応液中に上記触媒を分散させたスラリー相反応形式で行うことができる。固定床反応形式の場合には、上記触媒粒径は、通常0.1mm〜1cmの範囲である。また、スラリー相反応形式の場合には、上記触媒粒径は、通常0.1〜1000μmの範囲であり、好ましくは0.5〜300μm、より好ましくは10〜100μmの範囲にある。ここで、触媒の粒径は、ベックマン・コールター社製のレーザー回折・散乱法粒度分布測定装置「LS230型」を用いて得られる体積平均粒径である。
本実施の形態の製造方法においては、所望の選択率と収率を得ることができれば、反応をバッチ式で行っても、連続式で行ってもよく、更には循環式で行ってもよい。
具体的には、例えば、撹拌式オートクレーブ反応器槽で、シアノ基含有イミダゾール、及び不活性溶剤を仕込み、水素加圧下のもとで、バッチ式で水素添加反応を行うことができる。
本実施の形態の製造方法においては、水素添加反応は、25℃〜180℃の温度範囲で行うことが好ましく、より好ましくは30℃〜150℃、更に好ましくは40℃〜130℃、特に好ましくは50〜120℃の温度範囲で行う。水素添加反応における温度が180℃を超える場合は、目的物の選択率が低下して、結果的に収率が低下する傾向にある。また、25℃未満の場合には、水素添加反応速度が遅いため実用的でない。
用いる触媒量は、所望の選択率と収率を得ることができれば特に制限はない。上記バッチ式で行う場合には、反応温度にも左右されるが、用いる触媒量は、通常、原料であるシアノ基含有イミダゾール類に対し、0.0001〜300質量%の範囲であり、好ましくは0.001〜200質量%、より好ましくは0.01〜50質量%の範囲である。また、反応を上記連続式で行う場合にはこの限りでない。バッチ式反応においては、該触媒量が0.0001質量%未満の場合には、反応速度が低下する傾向にあり、また、300質量%を超える場合には、選択率が低下する傾向にある。
本実施の形態の製造方法における反応時間は、所望の選択率と生産性を得ることができれば特に制限はないが、例えば、上記バッチ式で行う場合には、反応温度及び触媒量にも左右されるが、通常10分〜100時間の範囲である。
本実施の形態の製造方法により得られた反応液から、触媒及び不活性溶剤を除去することにより、アミノ基含有イミダゾール類を得ることができる。更に、純度を高める目的で、後工程として蒸留等の精製を行ってもよい。
以下、実施例により本実施の形態を具体的に説明するが、本実施の形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
内容積50mLのオートクレーブに、下式(3)で表される1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製:2MZ−CN)を0.834g(0.0618mol)、溶媒としてエタノールを8.24g、及びエタノールで湿潤状態とした展開コバルト触媒(川研ファインケミカル社製、ODHT−60)を乾燥状態における換算で0.150gを仕込み、25℃において反応器内を水素1.96NPaの圧力で5回置換した。用いた展開コバルト触媒の組成は、コバルト96.6質量%、鉄0.3質量%、アルミニウム3.1%であった。次いで、反応器内の水素の圧力を3.92MPa(水素約0.71molに相当)とし、温度をおよそ30分かけて100℃に昇温し、該温度で4時間反応させることにより、下式(4)で表されるアミノブチル−2−メチルイミダゾール(分子量139:図1参照)を得た。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示す。
(実施例2)
仕込みの水素圧を6.86MPaとし、反応時間を1時間とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示す。
(実施例3)
反応時間を2時間とした以外は、実施例2と同様の操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示す。
(実施例4)
触媒量を乾燥状態における換算で0.050gとし、仕込みの水素圧を6.86MPa、及び反応時間を8時間とした以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示す。
(比較例1)
触媒としてエタノールで湿潤状態とした展開ニッケル触媒(川研ファインケミカル社製、NDHT)を乾燥状態における換算で0.150g用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示す。
(比較例2)
触媒としてエタノールで湿潤状態とした展開ニッケル触媒(川研ファインケミカル社製、NDHT)を乾燥状態における換算で0.150g用いた以外は、実施例2と同様の操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示す。
(比較例3)
触媒としてエタノールで湿潤状態とした展開ニッケル触媒(川研ファインケミカル社製、NDHT)を乾燥状態における換算で0.050g用い、反応時間を18時間とした以外は実施例1と同様の操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示す。
(実施例5)
溶媒として1−プロパノールを用い、触媒を1−プロパノールで湿潤状態とした展開コバルト触媒を用いた以外は、実施例3と同様の操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示す。
(実施例6)
触媒としてエタノールで湿潤状態とした展開銅触媒(川研ファインケミカル社製、CDT)を乾燥状態での換算で0.150g用い、反応時間を4時間とした以外は実施例3と同様の操作を行った。得られた反応液をガスクロマトグラフィーで分析した結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、本実施の形態の製造方法を用いた実施例1〜6においては、目的物の選択率が高く、高純度のアミノ基含有イミダゾール類を高い生産性(収率)で得ることができた。これに対して、比較例1〜3は、目的物の選択率が低く、高沸不純生成物の量も多くなり、生産性に劣っていた。
本発明の製造方法よれば、各種硬化材料、電子工業用材料、及びそれらの原料、更には医薬原料や農薬原料として有用なアミノ基含有イミダゾール類を、高選択率及び高収率で得ることができる。
実施例1で得られたアミノブチル−2−メチルイミダゾールのマススペクトルを示す。

Claims (3)

  1. 下記一般式(1)で表されるシアノ基含有イミダゾール類を水素添加することにより、下記一般式(2)で表されるアミノ基含有イミダゾール類を製造する方法であって、
    不活性溶剤中で、コバルト系触媒、銅系触媒、パラジウム系触媒、ルテニウム系触媒、ロジウム系触媒、金系触媒、及び銀系触媒からなる群より選ばれる1種以上の触媒を用いて水素添加反応を行う工程を含む、アミノ基含有イミダゾール類の製造方法。
    (式中、R1、R2、R3は、各々独立して、水素原子、ハロゲン基、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を含んでもよい芳香族基を示す。Xは、置換基を含んでもよい炭素数1〜20のアルキレン基を示す。)
  2. 前記触媒は、コバルト系触媒及び銅系触媒から選ばれる1種以上である、請求項1記載のアミノ基含有イミダゾール類の製造方法。
  3. 前記不活性溶剤は、エーテル類及びアルコール類から選ばれる1種以上である、請求項1又は2記載のアミノ基含有イミダゾール類の製造方法。
JP2008301136A 2008-11-26 2008-11-26 アミノ基含有イミダゾール類の製造方法 Pending JP2010126464A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008301136A JP2010126464A (ja) 2008-11-26 2008-11-26 アミノ基含有イミダゾール類の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008301136A JP2010126464A (ja) 2008-11-26 2008-11-26 アミノ基含有イミダゾール類の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010126464A true JP2010126464A (ja) 2010-06-10

Family

ID=42327085

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008301136A Pending JP2010126464A (ja) 2008-11-26 2008-11-26 アミノ基含有イミダゾール類の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010126464A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104628650A (zh) * 2015-02-02 2015-05-20 西安近代化学研究所 1-(3-氨丙基)-2-甲基咪唑的制备方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54119460A (en) * 1978-03-09 1979-09-17 Ajinomoto Co Inc Imidazole derivative
JPS63253058A (ja) * 1987-04-09 1988-10-20 Asahi Chem Ind Co Ltd アミノカルボン酸誘導体の製造方法
JPS6466172A (en) * 1987-08-06 1989-03-13 Grace W R & Co Quick curing agent and accelerator for epoxy resin
JPH01146871A (ja) * 1987-08-06 1989-06-08 W R Grace & Co アミノプロピルイミダゾール
JPH04221351A (ja) * 1990-03-30 1992-08-11 Basf Ag 2−(3−アミノプロピル)−シクロアルキルアミンの製法
JPH0525098A (ja) * 1991-07-19 1993-02-02 Koei Chem Co Ltd N,n−ジ置換エチレンジアミンの製造方法
JPH05194410A (ja) * 1991-10-22 1993-08-03 Basf Ag 1,1’−ビス(3−アミノプロピル)−2,2’−ジイミダゾ−ル
JPH07206784A (ja) * 1994-01-27 1995-08-08 Asahi Chem Ind Co Ltd イソホロンジアミンの製造方法
JP2001302595A (ja) * 2000-04-28 2001-10-31 Kawaken Fine Chem Co Ltd 一級アミンの製造方法および接触還元用触媒

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS54119460A (en) * 1978-03-09 1979-09-17 Ajinomoto Co Inc Imidazole derivative
JPS63253058A (ja) * 1987-04-09 1988-10-20 Asahi Chem Ind Co Ltd アミノカルボン酸誘導体の製造方法
JPS6466172A (en) * 1987-08-06 1989-03-13 Grace W R & Co Quick curing agent and accelerator for epoxy resin
JPH01146871A (ja) * 1987-08-06 1989-06-08 W R Grace & Co アミノプロピルイミダゾール
JPH04221351A (ja) * 1990-03-30 1992-08-11 Basf Ag 2−(3−アミノプロピル)−シクロアルキルアミンの製法
JPH0525098A (ja) * 1991-07-19 1993-02-02 Koei Chem Co Ltd N,n−ジ置換エチレンジアミンの製造方法
JPH05194410A (ja) * 1991-10-22 1993-08-03 Basf Ag 1,1’−ビス(3−アミノプロピル)−2,2’−ジイミダゾ−ル
JPH07206784A (ja) * 1994-01-27 1995-08-08 Asahi Chem Ind Co Ltd イソホロンジアミンの製造方法
JP2001302595A (ja) * 2000-04-28 2001-10-31 Kawaken Fine Chem Co Ltd 一級アミンの製造方法および接触還元用触媒

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104628650A (zh) * 2015-02-02 2015-05-20 西安近代化学研究所 1-(3-氨丙基)-2-甲基咪唑的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW593235B (en) Environmentally friendly process for the hydrogenation of dinitriles
JP2007070358A (ja) アセトンの水素化
ES2792073T3 (es) Procedimiento para la producción de compuestos amínicos a partir de compuestos nitrílicos
WO2012046781A1 (ja) ビス(アミノメチル)シクロヘキサン類の製造方法
JPH0368541A (ja) カルボニルのアミノ化
JP5017964B2 (ja) 芳香環含有アミノ化合物の製造方法および触媒
JP2008143832A (ja) 脂環式アミン又は飽和複素環式アミンの製造方法
EP3116915B1 (en) Process for the preparation of polymers containing amino groups employing a heterogeneous iron catalyst
EP2524909B1 (en) Preparation method of 4-aminomethylbenzoic acid
CA2419519A1 (en) Process for producing diamines
JP5786621B2 (ja) 選択的水素化用触媒、その製造方法及びそれを用いる選択的水素化法。
JP2010126464A (ja) アミノ基含有イミダゾール類の製造方法
JPH01193246A (ja) 2,3―ジクロロピリジンの製造法
JP2008063335A (ja) カルボニル化合物から1,2−ジオールを製造する方法
JP2007269645A (ja) 芳香族ジアミノ化合物の製造方法
EP1644315B1 (en) Low pressure process for the manufacture of 2-(aminomethyl)-1-cyclopentylamine
JP4200704B2 (ja) フッ素化ベンゾニトリルの製造方法
JPH01100139A (ja) 3−メチルペンタン−1,5−ジオールの製造方法
JPH04257536A (ja) シクロヘキサン環を有するジオール化合物及びシクロヘキサン環を有するジオール化合物の製造方法
JP2009137905A (ja) 第三級アミンの製造方法
JP4147809B2 (ja) ハロゲン化芳香族メチルアミン類の製造方法
CN118026853A (zh) 一种连续化加氢合成低反反体含量的h12mda的方法
JP2004269510A (ja) ジ(アミノメチル)置換芳香族化合物の高選択的な製造方法
JP4761024B2 (ja) 脂環式ジアミン化合物の製造方法
JP5584550B2 (ja) 銀微粒子による新規触媒

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110831

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130926

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20140204