JPH07188126A - イソホロンジアミンの製法 - Google Patents

イソホロンジアミンの製法

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JPH07188126A
JPH07188126A JP5336339A JP33633993A JPH07188126A JP H07188126 A JPH07188126 A JP H07188126A JP 5336339 A JP5336339 A JP 5336339A JP 33633993 A JP33633993 A JP 33633993A JP H07188126 A JPH07188126 A JP H07188126A
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Japan
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reaction
isophorone
isophoronediamine
catalyst
ammonia
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JP5336339A
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English (en)
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Yoshikazu Takamatsu
義和 高松
Tetsuto Adachi
哲人 足立
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 脂環式ポリアミド及び塗料原料として有用な
イソホロンジアミンを高収率で高純度で製造する事を目
的とする。 【構成】 メタノール溶媒の存在下、第一工程として、
イソホロンニトリルとアンモニアを反応させる事によっ
て得られるイソホロンイミノニトリルとイソホロンニト
リルの混合物を、第二工程として、40〜150℃の温
度に保持され、そして充填された粒状ラネーコバルトを
有する固定床反応器に於いて、還元アミノ化することに
よってイソホロンジアミンを製造する方法である。 【効果】 分子内環化反応生成物の副生を抑制し、又、
蒸留分離不可能な中間体を完全に転化せしめる事が可能
となり、高生産性で高選択率で、かつ高純度のイソホロ
ンジアミンを得る事ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脂環式ポリアミドの原料
及び塗料原料として有用なイソホロンジアミンの製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】3−アミノメチル−3,5,5−トリメ
チルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン)の製
造方法については、3−シアノ−3,5,5−トリメチ
ルシクロヘキサノン(イソホロンニトリル)を、メタノ
ールを溶媒としてCo触媒を用いて還元アミノ化する方
法が知られている。(特公昭39−10923号公報)
しかし、イソホロンジアミンの収率は約81%と低く、
しかも実施例は全て撹拌槽方式によるものである。
【0003】DE3,011,656号公報には、イソ
ホロンニトリルをアンモニアと無触媒で反応させ、一
旦、3−シアノ−3,5,5−トリメチルシクロヘキシ
ルイミン(イソホロンイミノニトリル)を合成し、これ
を水素添加してイソホロンジアミンにする2段法が記載
されている。しかし、この方法は溶媒を用いない多量の
アンモニア中で行われる為、前段のイミノ化は300b
arの高圧で行われ、さらに後段の水添も共存するアン
モニアによる水素分圧の低下を補う為に必然的に高圧系
となる。
【0004】特公平2−15530号公報には、イソホ
ロンニトリルをアンモニアとイミン形成触媒を用いてイ
ソホロンイミノニトリルとし、これを水素添加してイソ
ホロンジアミンとする二段法が記載されている。この特
許の明細書中には、溶媒に関して、イミノ化の際に生成
する水との相分離を容易にする溶媒が有利であるとの記
載がある。しかしながら、溶媒の具体的な記載は無く、
又、水と混ざり合うアルコール系の溶媒が含まれない事
は明白である。事実、実施例は全て無溶媒系であり、反
応圧力も270barと極めて高い。
【0005】DE449,089号公報には、イソホロ
ンニトリルから還元アミノ化によってイソホロンジアミ
ンを製造する際に、先ず酸性金属酸化物を触媒としてイ
ソホロンニトリルとアンモニアからイソホロンイミノニ
トリルを合成し、これを過剰のアンモニアの存在下にN
i,Ruまたはその他の貴金属と塩基性担体を組み合わ
せた触媒を用いて水添してイソホロンジアミンに転化す
る方法が記載されている。この特許の実施例には、無溶
媒、叉は溶媒としてTHFを用いる例が記載されてい
る。しかし、反応圧力は250barと極めて高い。
【0006】特開平3−68541号公報には、イソホ
ロンニトリル又は、イソホロンイミノニトリルを還元ア
ミノ化してイソホロンジアミンにする際に、アミノ化プ
ロモーターとして双極性プロトン化合物を用いる方法が
記載されている。ここに記載されているアミノ化プロモ
ーターとしては、メタノールをはじめ各種アルコールが
含まれており、さらに、アミノ化プロモーターを溶媒と
して用いる系も示されている。この方法の特徴は、30
〜80気圧程度の比較的低圧で反応が行える事にある。
しかしながら、実施例は全て撹拌槽方式による例であ
る。
【0007】特開平3−47156号公報には、イソホ
ロンニトリル又は、イソホロンイミノニトリルを還元ア
ミノ化してイソホロンジアミンにする際に、先ずイソホ
ロンニトリル又はイソホロンイミノニトリルを中間体の
イソホロンアミノニトリルに転化し、さらに全段の反応
温度よりも高い温度又は、前段の触媒より活性の高い触
媒を用いてイソホロンアミノニトリルをイソホロンジア
ミンに転化する方法が記載されている。この方法の特徴
も前記特開平3−68541号と同様に比較的低圧で反
応が行える事にある。しかし、この方法も前記特開平3
−68541号と同様に、実施例は全て撹拌槽方式によ
るものである。
【0008】特開平4−300852号公報には、担持
Ru触媒を用いて、メタノールをはじめとする溶媒の存
在下、50〜100気圧という比較的低圧の条件でイソ
ホロンジアミンを製造する方法が記載されている。しか
し、イソホロンジアミンの収率は78.5%と低く、し
かも実施例は全て撹拌槽方式に依るものである。特開平
5−85991号公報には、コバルト−レニウム−モリ
ブデン触媒を用いて、前記特開平4−300852号公
報と同様に、メタノールをはじめとする溶媒の存在下、
50〜100気圧という比較的低圧の条件でイソホロン
ジアミンを製造する方法が記載されている。しかし、前
記特開平4−300852号公報と同様に、実施例は全
て撹拌槽方式に依るものである。
【0009】特開平4−338365号公報には、イソ
ホロンニトリルを低級アルコールを含む有機溶媒の存在
下、ニッケル−ラネー触媒又は、コバルト−ラネー触媒
を用い付加的に一連のニッケル、コバルト、イットリウ
ム又はランタニド元素の塩からなる共触媒を使用して還
元アミノ化し、イソホロンジアミンを製造する方法が記
載されている。この方法の特徴も比較的低圧の条件で反
応が行える事であるが、この実施例もいずれも撹拌槽方
式のものである。
【0010】
【発明が解決しようとする問題点】従来技術の中で数十
気圧と言う比較的低圧で反応が可能な系は、メタノール
等のアルコールを溶媒に用いる系である。しかしなが
ら、これらの系の反応方式としては全て撹拌槽方式であ
り、触媒分離工程が必要である等、工業的に実施する上
で問題である。
【0011】本発明者らは設備上及び運転操作上有利な
低圧、且つ、固定床反応系を指向し検討を行ってきた。
即ち、反応を低圧で行う為、アルコールを溶媒とし、特
にアンモニア溶解度の大きいメタノールを溶媒に用いる
固定床反応系の検討を行ってきた。この理由は、アルコ
ールに対するアンモニアの溶解度が大きい為に比較的少
ないアンモニア量で反応が可能な為、アンモニアによる
水素分圧の低下が少なく、結果として全圧が低くなるも
のと考えられる。
【0012】しかしながら、本反応を溶媒の存在下、比
較的低圧下の固定床反応形式で行う場合、一般的な金属
担持触媒では、充分な反応速度が得られず、中間体を完
全に転化せしめる事が容易ではない。特に中間体の中
で、イソホロンアミノニトリルはイソホロンジアミンと
の蒸留分離が困難な物質であり、製品イソホロンジアミ
ンの純度の低下をも及ぼすのである。従って、より低反
応圧力を指向する場合には、大量の触媒を要する事とな
り、生産性を大きく低下させるものである。
【0013】又、一般的な金属担持触媒では、分子内環
化反応によって生成するビシクロ体(1,3,3−トリ
メチル−6−アザビシクロ〔3,2,1〕−オクタン
(以下TABOと略す。)の副生率が大きく、イソホロ
ンジアミンの選択率が低下してしまう問題が生じた。以
上の問題は、本反応系を工業プロセスとして採用する際
に大きな障害である。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、メタノール溶
媒の存在下、第一工程として、イソホロンニトリルとア
ンモニアを反応させる事によって得られるイソホロンイ
ミノニトリルとイソホロンニトリルの混合物を、第二工
程として40〜150℃の温度に保持され、そして触媒
が充填された固定床反応器に於いて、還元アミノ化する
事によってイソホロンジアミンを製造する方法に於い
て、触媒として粒状ラネーコバルトを用いる事に依っ
て、高収率で高純度のイソホロンジアミンが得られる事
を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0015】即ち、本発明は、メタノール溶媒の存在
下、第一工程として、イソホロンニトリルとアンモニア
を反応させる事によって得られたイソホロンイミノニト
リルとイソホロンニトリルの混合物を、第二工程として
40〜150℃の温度に保持され、そして充填された粒
状ラネー・コバルトを有する固定床反応器に於いて、還
元アミノ化する事によってイソホロンジアミンを製造す
る方法である。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
原料は、イソホロンニトリルである。本発明の実施形態
は、第一工程としてイソホロンニトリルとアンモニアを
反応させて一旦、イソホロンイミノニトリルとし(イミ
ノ化工程)、第二工程で水添し、イソホロンジアミンと
する(水添工程)二段法である。
【0017】即ち、二段法とする事に依って、イソホロ
ンニトリルのカルボニル基とシアノ基が単に水添された
だけの3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシク
ロヘキサノール(以下、イソホロンアミノアルコールと
称す。)の副生を抑制し、イソホロンジアミンを高収率
で得る事ができるのである。第一工程であるイミノ化工
程は平衡反応である為、イソホロンニトリルに対するア
ンモニアの量が多いほど有利である。その点で、本発明
の溶媒であるメタノールはアンモニアの溶解度が大きい
ので有利である。
【0018】第一工程であるイミノ化工程のアンモニア
/イソホロンニトリルのモル比は、先に述べた如く平衡
上は高いほど有利であるが、生成液はアンモニアを除く
と逆反応によって元へ戻ってしまう為、そのまま第二工
程である水添工程へ導くのが有利である。その場合、イ
ミノ化工程のアンモニアがあまり多いと水添工程の反応
圧力が高くなる為、好ましくない。依って、アンモニア
/イソホロンニトリルのモル比は、2〜20の範囲、好
ましくは3〜15の範囲、より好ましくは4〜10の範
囲である。
【0019】第一工程であるイミノ化工程の反応温度
は、あまり低いと反応が遅い為好ましくなく、又、あま
り高いと平衡転化率が低下する為に好ましくない。従っ
て、反応温度としては、0〜100℃の範囲、好ましく
は10〜80℃の範囲、より好ましくは20〜70℃の
範囲である。第一工程であるイミノ化工程には触媒を用
いても、用いなくても構わない。用いる触媒としては、
イオン交換樹脂、酸性金属酸化物、ゼオライト、活性炭
等が用いられる。好ましくは、ゼオライト、活性炭であ
り、より好ましくは、活性炭である。
【0020】第一工程であるイミノ化工程の反応圧力
は、アンモニア量と反応温度の兼ね合いによってきまる
が、通常は1〜20気圧の範囲である。第一工程である
イミノ化工程の反応後のイソホロンニトリルとイソホロ
ンイミノニトリルの組成は平衡混合物である為、条件に
よって任意に変える事ができる。好ましくは、イソホロ
ンニトリルに対するイソホロンイミノニトリルのモル比
が2.4以上である。
【0021】第一工程であるイミノ化工程の反応方式と
しては、第二工程と分離して、固定床流通方式、或いは
撹拌槽流通方式、撹拌槽バッチ方式で行っても良いし、
第二工程と同一の反応器の上部をイミノ化工程として行
っても良い。第二工程である水添工程(厳密には、イミ
ノ化反応生成液中のイソホロンニトリルに関しては、還
元アミノ化に相当するが)には触媒として、粒状ラネー
コバルトが用いられる。
【0022】本発明の第二工程の触媒に用いられる粒状
ラネーコバルトとは、コバルト30〜60重量%を含有
するコバルト−アルミニウムのラネー型2元合金、およ
びまたは、6重量%以下のFe、Cr、Mo、V、W、
Mn、のうち一種の金属を含むコバルト−アルミニウム
のラネー型3元合金から、合金の成分であるアルミニウ
ムを溶解除去する事により得られる。
【0023】粒状ラネーコバルトの調製方法は、合金か
ら触媒として不活性な部分をアルカリ等によって除去す
るいわゆる展開の操作と、展開後の合金から生じたアル
ミン酸ソーダを取り除く水洗の操作から成る。本発明に
用いられる粒状ラネーコバルトの展開率(アルミニウム
の除去率)は、10〜80%の範囲である。低すぎると
充分な活性が得られず、又、高すぎると強度が弱くな
る。好ましくは、20〜60%であり、より好ましく
は、40〜50%である。
【0024】本発明でいう粒状ラネーコバルトの展開率
は、展開、水洗処理後の触媒を塩酸に溶解し、アンモニ
ア法によって、残存アルミニウムを定量することによっ
て測定される。本発明でいう、粒状ラネーコバルトの粒
径とは、定方向投影径で示されるものである。即ち、平
面上に粒子をおき、真上から眺めた場合の一定方向の寸
法を測定して求められる。(引用文献「化学工学便覧」
改訂五版)また、平均径とは、数方向から寸法を測定
し、その数値の幾何平均により求められる。
【0025】本発明に用いられる粒状ラネーコバルトの
粒径は、反応管内径との兼ね合いであるが、通常、平均
径が0.5〜15mmの粒径を有するものである。好ま
しくは0.5〜10mmの粒径であり、より好ましく
は、1〜4mmの粒径を有するものである。第二工程に
用いる固定床反応器の内径は、反応熱と除熱との兼ね合
いであるが、通常は、2インチ〜0.5インチの範囲で
ある。内径によって用いる触媒の粒径が選択されるが、
その際には、反応器内の液滞留時間分布を理想的なピス
トンフローにより近づける様な触媒粒径を選択し、充填
することが好ましい。なぜならば、ショートパスされる
原料が多い際には、中間体の残存率が大きく、又、従来
の技術では詳細には触れられていない高沸点の二核体化
合物の副生が大きく、イソホロンジアミンの選択率、純
度を低下させる為である。
【0026】第二工程である水添工程の反応方式は固定
床方式である。気相を連続相とする気、液、固の3相状
態のいわゆるトリクルベッド反応方式を採用することが
好ましい。第二工程である水添工程の反応温度は、40
〜150℃の範囲である。好ましくは、50〜140℃
の範囲であり、より好ましくは、80〜125℃の範囲
である。特に、触媒層内の最高到達温度を125℃以下
とする事が好ましい。
【0027】なぜならば、125℃を越えると、溶媒で
あるメタノール由来の副生物(N−メチルイソホロンジ
アミン)が生成し易い為である。この溶媒由来の副生物
はイソホロンジアミンとの蒸留分離が困難であり、製品
純度に関わる為、この副生を抑制する必要がある為であ
る。第二工程である水添工程の反応圧力は先に述べた様
に、メタノールを溶媒に用いる事に依って、低い圧力で
実施できる。反応圧力は、30〜120気圧、好ましく
は、40〜100気圧、より好ましくは、50〜80気
圧の範囲である。
【0028】第二工程である水添工程の反応時間は、反
応温度との兼ね合いであるが、おおよそ5〜60分にす
べきである。5分以下ではイソホロンアミノニトリル、
および高沸中間体の転化が充分でなく、60分以上では
先に述べた溶媒由来副生物の生成が増加する。本発明で
は、溶媒としてメタノールが用いられる。溶媒のメタノ
ールの量は、原料のイソホロンニトリルに対して重量で
1〜20倍、好ましくは1.5〜10倍、より好ましく
は2〜5倍の範囲である。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はその要旨を越えない限りこれらの実施例に限定
されるものではない。
【0030】
【実施例1】メタノールにアンモニアとイソホロンニト
リルを室温で溶解して、以下の液を得た。アンモニア:
16wt%、イソホロンニトリル:28wt%、メタノ
ール:56wt%。この液を40℃で2時間撹拌してイ
ミノ化平衡混合物を得た。この平衡混合物中のイソホロ
ンニトリル/イソホロンイミノニトリルのモル比は、約
5/95であった。
【0031】次に、この平衡混合物をそのまま原料とし
て、以下の条件下で水添反応(還元アミノ化)を行っ
た。反応装置は、内径が10.2mm、長さが500m
mの熱媒ジャケット付きステンレス製反応管を用いた。
触媒は、粒状ラネーコバルト((株)日興リカ製R−4
00L;展開前合金:Co50重量%、Al50重量
%;展開率:42.1%;粒径:3.35〜1.0m
m)を用い反応管に充填した。
【0032】イミノ化平衡混合物の供給速度は、86ミ
リリットル/時間(LHSV=2.0Hr-1)、水素は
気相張り込み方式とし、反応消費分だけ供給される方式
で反応を行った。熱媒は、100℃でジャケットに循環
させた。反応圧力は水素70気圧で行った。
【0033】別途、インパルス応答法により求めた液平
均滞留時間は約12分であった。反応を10Hr行い、
その間、触媒層の温度分布は一定であり、最高到達温度
は、入口から30mmの位置で、温度は118℃であっ
た。反応生成液の分析はガスクロマトグラフにより行っ
た。反応成績は以下の通りであった。但し、各化合物は
以下の如く表現する。 イソホロンニトリル:IPCN イソホロンイミノニトリル:IPCI 1,3,3−トリメチル−6−アザビシクロ〔3,2,
1〕オクタン:TABO 上記TABOのN−メチル体:N−メチル−TABO イソホロンアミノニトリル:IPCA イソホロンアミノアルコール:IPAA 3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン:IPA イソホロンジアミン:IPDA IPDAのN−メチル体:N−メチル−IPDA IPDAより高沸の中間体:X4(構造不確定) 反応結果 反応時間:6時間 IPCN及び、IPCIの転化率=100モル% 選択率 IPA = 0.1 モル% N−メチル−TABO = 0.1 TABO = 3.2 IPCA = 0.0 IPDA =89.3 N−メチル−IPDA = 0.0 IPAA = 2.4 X4 = 4.6 高沸二核体 = 0.3 X4はイソホロンジアミンに転化可能な中間体である。
さらに触媒層を設ける等の方法により、X4を転化させ
た際には、イソホロンジアミンの収率は93〜94%は
達成し得る。
【0034】上記反応生成液を、アンモニア及びメタノ
ールを蒸発させた後、小型充填塔を用いて、塔底温度1
45〜165℃、減圧度7〜8mmHgでバッチ蒸留を
行った。その結果、純度99.99%のIPDAが得ら
れた。本実施例で示される様に、粒状ラネーコバルトを
触媒とする事によって、低圧反応条件下でも、高収率で
高純度のIPDAが得られる。
【0035】
【実施例2】第二工程(水添(還元アミノ化)工程)の
反応圧力を水素50気圧とした他は実施例1と同様に反
応を行った。反応を10Hr行い、その間、触媒層の温
度分布は一定であり、最高到達温度は、入口から40m
mの位置で、温度は117℃であった。
【0036】反応結果 反応時間:6時間 IPCN及び、IPCIの転化率=100モル% 選択率 IPA = 0.1 モル% N−メチル−TABO = 0.1 TABO = 2.9 IPCA = 0.0 IPDA =88.4 N−メチル−IPDA = 0.0 IPAA = 2.3 X4 = 5.9 高沸二核体 = 0.3 上記反応生成液を、アンモニア及びメタノールを蒸発さ
せた後、小型充填塔を用いて、塔底温度145〜165
℃、減圧度7〜8mmHgでバッチ蒸留を行った。その
結果、純度99.99%のIPDAが得られた。
【0037】
【実施例3】第二工程(水添(還元アミノ化)工程)の
反応圧力を水素40気圧とした他は実施例1と同様に反
応を行った。反応を10Hr行い、その間、触媒層の温
度分布は一定であり、最高到達温度は、入口から45m
mの位置で、温度は116℃であった。
【0038】反応結果 反応時間:6時間 IPCN及び、IPCIの転化率=100モル% 選択率 IPA = 0.1 モル% N−メチル−TABO = 0.0 TABO = 2.7 IPCA = 0.0 IPDA =88.4 N−メチル−IPDA = 0.0 IPAA = 1.6 X4 = 7.0 高沸二核体 = 0.2 上記反応生成液を、アンモニア及びメタノールを蒸発さ
せた後、小型充填塔を用いて、塔底温度145〜165
℃、減圧度7〜8mmHgでバッチ蒸留を行った。その
結果、純度99.99%のIPDAが得られた。
【0039】実施例2、及び実施例3で示される様に、
粒状ラネーコバルトを触媒とする事によって、40気圧
〜50気圧といった低圧反応条件下でも、収率の低下無
く、高純度のIPDAを得る事ができ得る。
【0040】
【比較例1】第二工程の触媒として、Co/SiO
2 (Co:56wt%、SiO2 :44wt%)の4m
mφ打錠成型品を粉砕し、8〜20meshに分級した
ものを反応管に充填した他は、実施例1と同様の反応を
行った。別途、インパルス応答法により求めた液平均滞
留時間は約15分であった。
【0041】反応を10Hr行い、その間、触媒層の温
度分布は一定であり、最高到達温度は、入口から40m
mの位置で、温度は117℃であった。 反応結果 反応時間:6時間 IPCN及び、IPCIの転化率=100モル% 選択率 IPA = 0.1 モル% N−メチル−TABO = 0.0 TABO = 4.9 IPCA = 0.1 IPDA =83.9 N−メチル−IPDA = 0.0 IPAA = 0.6 X4 = 9.5 高沸二核体 = 0.9 上記反応生成液を、アンモニア及びメタノールを蒸発さ
せた後、小型充填塔を用いて、塔底温度145〜165
℃、減圧度7〜8mmHgでバッチ蒸留を行った。その
結果、純度99.90%のIPDAが得られた。
【0042】本比較例で示される様に、一般的なコバル
ト担持触媒では、中間体の残存率が高く、又、TABO
の副生率も高く、IPDA収率は低下する。同時に、本
条件下では、IPCAを完全に転化させる事ができずI
PDA純度も低下する。
【0043】
【比較例2】第二工程(水添(還元アミノ化)工程)の
反応圧力を、水素50気圧の場合と、水素40気圧の場
合で比較例1と同様に反応を行った。反応は各々10H
r行い、その間、触媒層の温度分布は一定であり、最高
到達温度は、反応圧力50気圧の時には、入口から50
mmの位置で、温度は116℃であった。反応圧力40
気圧の時には、入口から60mmの位置で、温度は11
5℃であった。
【0044】反応結果 反応圧力:50気圧 反応時間:6時間 IPCN及び、IPCIの転化率=100モル% 選択率 IPA = 0.1 モル% N−メチル−TABO = 0.0 TABO = 4.6 IPCA = 0.3 IPDA =83.3 N−メチル−IPDA = 0.0 IPAA = 0.4 X4 =10.0 高沸二核体 = 1.3 上記反応生成液を、アンモニア及びメタノールを蒸発さ
せた後、小型充填塔を用いて、塔底温度145〜165
℃、減圧度7〜8mmHgでバッチ蒸留を行った。その
結果、得られたIPDAの純度は99.6%と低いもの
であった。 反応圧力:40気圧 反応時間:6時間 IPCN及び、IPCIの転化率=100モル% 選択率 IPA = 0.2 モル% N−メチル−TABO = 0.0 TABO = 4.5 IPCA = 0.8 IPDA =81.5 N−メチル−IPDA = 0.0 IPAA = 0.3 X4 =11.0 高沸二核体 = 1.7 上記反応生成液を、アンモニア及びメタノールを蒸発さ
せた後、小型充填塔を用いて、塔底温度145〜165
℃、減圧度7〜8mmHgでバッチ蒸留を行った。その
結果、得られたIPDAの純度は99.0%と低いもの
であった。
【0045】本比較例で示される様に、一般的なコバル
ト担持触媒では、40気圧〜50気圧といった低圧反応
条件下では、充分な反応速度が得られず、中間体の残存
率が高く収率の低下がみられ、同時に、IPCAが残存
する為、製品IPDA純度が低下する。これらを完全に
転化せしめ、高純度のIPDAを得る為には、より触媒
層長を長くするか、或いは、より反応温度を高める必要
があり、これらの手段では、生産性の低下、選択率の低
下(TABO副生率の増加)、製品純度の低下(N−メ
チルIPDAの副生)があり、好ましくない。
【0046】
【発明の効果】本発明により、通常の担持触媒に較べ、
反応速度が速く、低圧下であっても、蒸留分離不可能な
中間体を完全に転化せしめる事が容易に可能であり、
又、分子内環化反応物の副生を抑制する事が可能であ
り、高生産性で高選択率で、かつ高純度のイソホロンジ
アミンを得る事ができる。これらは、工業的に実施する
上で極めて有利となる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタノール溶媒の存在下、第一工程とし
    て、イソホロンニトリルとアンモニアを反応させる事に
    よって得られたイソホロンイミノニトリルとイソホロン
    ニトリルの混合物を、第二工程として40〜150℃の
    温度に保持され、そして充填された粒状ラネー・コバル
    トを有する固定床反応器に於いて、還元アミノ化する事
    によってイソホロンジアミンを製造する方法。
  2. 【請求項2】 第二工程の触媒であるラネー・コバルト
    が平均径0.5〜15mmの粒径を有し、かつ、コバル
    ト30〜60重量%を含有するアルミニウムとのラネー
    型2元合金、およびまたは、コバルト30〜60重量%
    を含有し、Fe、Cr、Mo、V、W、Mn、のうち一
    種の金属を6重量%以下含有する、アルミニウムとのラ
    ネー型3元合金から、合金の成分であるアルミニウムを
    溶解除去して得られるラネー触媒であり、その展開率が
    10〜80%である事を特徴とする請求項1記載の方
    法。
  3. 【請求項3】 第二工程の反応圧力が30〜120気圧
    である事を特徴とする特許請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 第一工程に於けるイソホロンニトリルに
    対するイソホロンイミノニトリルのモル比が2.4以上
    である事を特徴とする請求項1記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011520830A (ja) * 2008-05-13 2011-07-21 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア N,n−置換−1,3−プロパンジアミンの製造方法
US9187403B2 (en) 2009-07-31 2015-11-17 Dow Global Technologies Llc Process for separating one or more aliphatic diamines from reductive amination reaction solvents and impurities

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