JPH0720624A - ハーフトーン方式位相シフトマスク及びその作製方法並びに半導体装置の製造方法 - Google Patents

ハーフトーン方式位相シフトマスク及びその作製方法並びに半導体装置の製造方法

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JPH0720624A
JPH0720624A JP19162293A JP19162293A JPH0720624A JP H0720624 A JPH0720624 A JP H0720624A JP 19162293 A JP19162293 A JP 19162293A JP 19162293 A JP19162293 A JP 19162293A JP H0720624 A JPH0720624 A JP H0720624A
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JP19162293A
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Minoru Sugawara
稔 菅原
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Sony Corp
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】光透過領域のパターンサイズの各々に対して最
大の焦点深度を得ることができるハーフトーン方式位相
シフトマスクを提供する。 【構成】ハーフトーン方式位相シフトマスクは、所定の
パターンサイズを有する光透過領域12における焦点深
度が最大となるように、光透過領域12近傍の半遮光領
域14の振幅透過率が設定されている。あるいは又、光
透過領域12のパターンサイズが大きくなるに従い、光
透過領域12近傍の半遮光領域14の振幅透過率を大き
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体装置の製
造における各種パターン形成技術等に用いられるハーフ
トーン方式位相シフトマスク及びその作製方法、並びに
かかるハーフトーン方式位相シフトマスクを用いた半導
体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造におけるパターン転写
工程、所謂リソグラフィ工程で使用されるフォトマスク
は、フォトマスク上のパターン形状をウエハ上に形成さ
れたレジスト材料に転写するために用いられる。半導体
装置等におけるパターン加工の寸法は年々微細化してい
る。そして、遮光領域と光透過領域とから構成された従
来型のフォトマスクでは、リソグラフィ工程で使用する
露光装置の露光光の波長程度の解像度を得ることができ
ず、半導体装置等の製造において要求される解像度を得
ることが困難になりつつある。そこで、近年、このよう
な従来型のフォトマスクに替わって、光の位相を異なら
せる位相シフト領域を具備した、所謂位相シフトマスク
が用いられるようになってきている。位相シフトマスク
を用いることによって、従来型のフォトマスクでは形成
不可能な微細パターンの形成が可能とされている。
【0003】従来の位相シフトマスクは、光透過領域、
光を遮光する遮光領域、及び光透過領域を通過する光の
位相と異なる位相の光を透過させる光透過物質から成る
位相シフト領域から構成されている。典型的な従来のエ
ッジ強調型位相シフトマスクの模式的な一部切断図を図
14の(A)、(B)及び(C)に示す。図中、220
は基板、212は光透過領域、216は遮光領域、21
8は位相シフト領域、224は光透過物質層である。従
来の位相シフトマスクは、位相シフト領域の形状あるい
は位置を精確に制御しないと微細なパターンの形成がで
きない。また、パターン形状によっては、位相シフト領
域が、本来光の干渉を受けてはならない他の光透過領域
にまで光の干渉を生じさせる場合がある。このような場
合には、位相シフト領域を形成することができない。
【0004】このような従来の位相シフトマスクの問題
点を解決するための位相シフトマスクの一種に、半遮光
領域と光透過領域とから構成され、半遮光領域を通過し
た光の位相と光透過領域を通過した光の位相とが異なる
ハーフトーン方式位相シフトマスクがある。ハーフトー
ン方式位相シフトマスクにおいては、光透過領域を除く
全面に半遮光領域が形成されている。ハーフトーン方式
位相シフトマスクは、従来の位相シフトマスクの問題点
を解決できるだけでなく、その作製が容易であり、しか
も、マスク作製時に欠陥が生成される度合も低いという
利点を有する。
【0005】従来のハーフトーン方式位相シフトマスク
の模式的な一部切断図を図15に示す。図15中、12
0は基板、112は光透過領域、114は半遮光領域で
ある。半遮光領域114は、半遮光層122及び光透過
物質層124から構成されている。光透過物質層124
は、光透過領域112を通過した光の位相と半遮光領域
114を通過した光の位相を異ならせるための光透過物
質から成る。
【0006】ハーフトーン方式位相シフトマスクにおい
ては、半遮光領域114の振幅透過率は、0より大きく
且つレジスト材料を解像させない程度、例えば20〜4
5%程度である。尚、光強度透過率で表現すると、4〜
20%程度である。従来、半遮光領域114の振幅透過
率は、マスク全面において、一様な値に設定されてい
る。そして、ハーフトーン方式位相シフトマスクに設け
られたパターン形状をウエハ上に形成されたレジスト材
料に転写するために、所定の振幅透過率及び位相を有す
る半遮光領域114を通過した光と、例えば位相が18
0°半遮光領域とは異なる光透過領域112を通過した
光の干渉を利用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ステッパー等の露光装
置によってハーフトーン方式位相シフトマスク上のパタ
ーンをウエハ上に形成されたレジスト材料に転写する場
合、最大の焦点深度にて露光することが望ましい。ハー
フトーン方式位相シフトマスクにおいては、光透過領域
のパターンサイズが決まれば、露光時における最大焦点
深度を得るための半遮光領域の最適な振幅透過率が決定
される。即ち、一般には、焦点深度は、或る振幅透過率
の値において極大値を有する。光透過領域のパターンサ
イズが変われば、この極大値も変化する。
【0008】ところが、従来のハーフトーン方式位相シ
フトマスクにおいては、半遮光領域は一様な振幅透過率
を有する。最大焦点深度が得られるように、光透過領域
の各パターンサイズに依存して最適な振幅透過率を有す
る半遮光領域を形成することはなされていない。従っ
て、充分な焦点深度をもって露光することが困難である
という著しい欠点がある。
【0009】即ち、各種のパターンサイズを有する光透
過領域が混在している場合、半遮光領域の振幅透過率が
一様であるために、光透過領域の各パターンサイズの中
で最小の焦点深度を有するパターンサイズに、ハーフト
ーン方式位相シフトマスク全体の焦点深度が支配される
という欠点がある。例えば256メガビットDRAMあ
るいは64メガビットSRAMといった半導体装置に代
表されるように、光の解像限界に近いパターンサイズを
用いる場合、かかる欠点は一層顕著となり、充分なる制
御性をもってハーフトーン方式位相シフトマスクに設け
られたパターンをウエハ上に形成されたレジスト材料に
転写することは著しく困難となる。
【0010】従って、本発明の目的は、光透過領域のパ
ターンサイズの各々をウエハ上に形成されたレジスト材
料に一定の露光条件において高い精度にてシャープに転
写することができるハーフトーン方式位相シフトマスク
及びその作製方法、並びにかかるハーフトーン方式位相
シフトマスクを用いた半導体装置の製造方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のハーフトーン方
式位相シフトマスクは、半遮光領域及び光透過領域を備
えており、半遮光領域を通過した光の位相と光透過領域
を通過した光の位相とが異なる。
【0012】そして、上記の目的を達成するために、本
発明のハーフトーン方式位相シフトマスクにおいては、
所定のパターンサイズを有する光透過領域における焦点
深度が最大となるように、この光透過領域近傍の半遮光
領域の振幅透過率が設定されていることを特徴とする。
あるいは又、本発明のハーフトーン方式位相シフトマス
クにおいては、光透過領域のパターンサイズが大きくな
るに従い、光透過領域近傍の半遮光領域の振幅透過率を
大きくすることを特徴とする。これらの本発明のハーフ
トーン方式位相シフトマスクにおいては、半遮光領域の
一部に遮光領域を備えることができる。
【0013】更に、上記の目的は、基板上に半遮光領域
及び光透過領域を備え、半遮光領域を通過した光の位相
と光透過領域を通過した光の位相とが異なるハーフトー
ン方式位相シフトマスクを作製する方法であって、
(イ)基板上に一定厚さの半遮光層を形成する工程と、
(ロ)光透過領域形成予定領域近傍の半遮光領域の所定
部分における半遮光層の厚さを、この光透過領域形成予
定領域に形成される光透過領域のパターンサイズに依存
して変化させ、以ってこの光透過領域形成予定領域に形
成される光透過領域のパターンサイズに依存した振幅透
過率を有する半遮光領域を形成する工程と、(ハ)光透
過領域形成予定領域に、所定のパターンサイズを有する
光透過領域を形成する工程、を含むことを特徴とする本
発明の第1の態様に係るハーフトーン方式位相シフトマ
スク作製方法によって達成することができる。
【0014】この場合、一定厚さの半遮光層の厚さは、
最小パターンサイズを有する光透過領域における焦点深
度が最大となるような厚さであることが好ましい。
【0015】上記の目的は、更に、基板上に遮光領域、
半遮光領域及び光透過領域を備え、半遮光領域を通過し
た光の位相と光透過領域を通過した光の位相とが異なる
ハーフトーン方式位相シフトマスクを作製する方法であ
って、(イ)基板上に一定厚さの遮光層を形成する工程
と、(ロ)光透過領域形成予定領域近傍の遮光領域の所
定部分における遮光層の厚さを、この光透過領域形成予
定領域に形成される光透過領域のパターンサイズに依存
して変化させ、以ってこの光透過領域形成予定領域に形
成される光透過領域のパターンサイズに依存した振幅透
過率を有する半遮光領域を形成する工程と、(ハ)光透
過領域形成予定領域に、所定のパターンサイズを有する
光透過領域を形成する工程、を含むことを特徴とする本
発明の第2の態様に係るハーフトーン方式位相シフトマ
スク作製方法によって達成することができる。
【0016】本発明の第1あるいは第2の態様に係るハ
ーフトーン方式位相シフトマスク作製方法においては、
前記(ロ)の工程において得られた光透過領域形成予定
領域近傍の半遮光領域の所定部分の半遮光層の厚さは、
この光透過領域形成予定領域に形成される所定のパター
ンサイズを有する光透過領域における焦点深度が最大と
なるような厚さであることが好ましい。
【0017】本発明の半導体装置の製造方法は、前述し
た本発明のハーフトーン方式位相シフトマスクを用い
て、ウエハ上に形成されたレジスト材料を露光して、ハ
ーフトーン方式位相シフトマスクに形成されたパターン
形状をレジスト材料に転写することを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明のハーフトーン方式位相シフトマスクに
おいては、所定のパターンサイズを有する光透過領域に
おける焦点深度が最大となるように、この光透過領域近
傍の半遮光領域の振幅透過率を設定する。あるいは又、
光透過領域のパターンサイズが大きくなるに従い、光透
過領域近傍の半遮光領域の振幅透過率を大きくする。こ
れによって、ハーフトーン方式位相シフトマスクに設け
られたパターンを、ウエハ上に形成されたレジスト材料
に一定の露光条件において高い精度でシャープに転写す
ることができる。
【0019】このように、遮光領域を設け、半遮光領域
の幅を適切に制限、選択することによって、従来のハー
フトーン方式位相シフトマスクの光透過領域と半遮光領
域の境界で生じる光の干渉効果に加えて、従来の所謂エ
ッジ強調型位相シフトマスクと同様に、光透過領域と半
遮光領域を通過した光との干渉効果が重畳し、従来のハ
ーフトーン方式位相シフトマスクよりも、ウエハ上に形
成されたレジスト材料へのパターン転写がシャープにな
る。
【0020】本発明のハーフトーン方式位相シフトマス
ク作製方法においては、光透過領域形成予定領域近傍の
半遮光領域の所定部分における半遮光層の厚さを、この
光透過領域形成予定領域に形成される光透過領域のパタ
ーンサイズに依存して変化させる。これによって、光透
過領域の各パターンサイズに対して最大焦点深度を得る
ような振幅透過率を有する半遮光領域をそれぞれ形成す
ることができる。
【0021】また、(ロ)の工程において得られた光透
過領域形成予定領域近傍の所定の半遮光領域の部分の半
遮光層の厚さを、この光透過領域形成予定領域に形成さ
れる光透過領域のパターンサイズにおいて光露光におけ
る焦点深度が最大となるような厚さとすれば、ハーフト
ーン方式位相シフトマスクに設けられたパターンをウエ
ハ上に形成されたレジスト材料に一定の露光条件におい
てより一層高い精度にて転写することができる。
【0022】尚、半遮光領域における最適な振幅透過率
を設定するための光透過領域のパターンを、光学的に解
像限界に近い比較的小さなパターンサイズを有するパタ
ーンに限定すれば、ハーフトーン方式位相シフトマスク
作製における生産性低下及びコスト増大は極めて軽微で
ある。その一方、焦点深度の増加によって、ウエハ工程
における生産性の増大及びコストの低減が可能となる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。尚、実施例−1〜実施例−3において、
構造の異なる本発明のハーフトーン方式位相シフトマス
クについて説明する。また、実施例−4〜実施例−6に
おいて、実施例−1〜実施例−3のハーフトーン方式位
相シフトマスクの変形(具体的には遮光領域を設ける)
について説明する。実施例−1〜実施例−3は、本発明
の第1の態様に係るハーフトーン方式位相シフトマスク
の作製方法によって作製することができる。また、実施
例−4〜実施例−6は、本発明の第2の態様に係るハー
フトーン方式位相シフトマスクの作製方法によって作製
することができる。尚、図面において、同一参照番号は
同一要素を意味する。
【0024】ウエハ上に形成されたレジスト材料に対し
て露光光により転写パターン形状等を形成するとき、縮
小投影に使用されるものをレティクル、一対一投影に使
用されるものをマスクと称したり、あるいは原盤に相当
するものをレティクル、それを複製したものをマスクと
称したりすることがあるが、本明細書においては、この
ような種々の意味におけるレティクルやマスクを総称し
てマスクと呼ぶ。
【0025】(実施例−1)実施例−1のハーフトーン
方式位相シフトマスクの模式的な一部切断図を図1に示
す。実施例−1においては、光透過領域12を通過した
光と、半遮光領域14を通過した光とは、位相が例えば
180度ずれている。半遮光領域14は、半遮光層22
及び位相シフト層24から構成されている。位相シフト
層24は、例えばSOG(スピンオングラス)から成
り、その厚さdをd=λ/(2(n−1))とすれば、
光透過領域12を通過した光と、半遮光領域14を通過
した光の位相は180度変化する。尚、λは露光光の波
長、nはSOGの屈折率である。
【0026】半遮光領域14の振幅透過率、具体的には
半遮光層22の厚さは、光透過領域12のパターンサイ
ズによって変化させる。光透過領域12のパターンサイ
ズの中で比較的小さなパターンサイズに対しては、比較
的小さな振幅透過率にて大きな焦点深度が得られ、一
方、比較的大きなパターンサイズに対しては、比較的大
きな振幅透過率にて大きな焦点深度が得られるからであ
る。尚、図1において、大きなパターンサイズを有する
光透過領域40Aの近傍における半遮光層22Aの厚さ
は薄い(即ち、振幅透過率が大きい)。また、中程度の
パターンサイズを有する光透過領域40Bの近傍におけ
る半遮光層22Aの厚さは中程度である(即ち、振幅透
過率も中程度である)。更に、最小のパターンサイズを
有する光透過領域40Cの近傍における半遮光層22C
の厚さは最も厚い(即ち、振幅透過率は最も低い)。
【0027】露光条件、並びに光透過領域12のパター
ンサイズ及び、かかるパターンサイズにおいて最大の焦
点深度を得るための半遮光領域14の最適振幅透過率の
関係を、以下に例示する。尚、パターンサイズは全て5
倍レティクル上における寸法である。 露光条件 波長 : 248nm レンズ開口数(NA) : 0.45 パーシャルコヒーレンシー: 0.3 光透過領域12のパターンサイズ 0.27μmの場合 半遮光領域14の最適振幅透過率 12.3% 光透過領域12のパターンサイズ 0.3μmの場合 半遮光領域14の最適振幅透過率 14.1% 光透過領域12のパターンサイズ 0.32μm以上の
場合 半遮光領域14の最適振幅透過率 16.0%
【0028】半遮光領域14の振幅透過率は、0よりも
大きく且つウエハ上に形成されたレジスト材料を感光さ
せない程度に小さく制御されるので、半遮光領域14を
通過した光は、ウエハ上に形成されたレジスト材料を感
光させることはない。
【0029】半遮光領域14の幅は具体的には、上記の
露光条件においては、1.0μm程度であればよく、幅
の制限的な上限はない。
【0030】従って、光透過領域12の位置が所望の位
置から多少ずれたとしても、転写されるパターンに劣化
が生じることがないために、ハーフトーン方式位相シフ
トマスクを電子線等の描画によって作製する場合のレジ
ストレーション裕度を大きく取ることができ、市販の描
画装置で容易に所望のハーフトーン方式位相シフトマス
クを歩留まり良く作製することができる。
【0031】更に、予め半遮光領域の振幅透過率を、光
透過領域の最小パターンサイズにおいて最大焦点深度が
得られるように設定してあるので、半遮光層22の厚さ
を比較的厚く設定することができる。それによって、従
来のハーフトーン方式位相シフトマスクに顕著な半遮光
層が光を透過するという欠陥を減少させることができ、
ハーフトーン方式位相シフトマスク製造における歩留ま
りを向上させることができる。
【0032】以下、実施例−1のハーフトーン方式位相
シフトマスクの作製方法を図2及び図3を参照して説明
する。このハーフトーン方式位相シフトマスクの作製方
法は、本発明の第1の態様に係るハーフトーン方式位相
シフトマスクの作製方法である。尚、以下の場合におい
て、レジストとしてポジ型レジストを用いた。
【0033】[工程−100]先ず、基板20上に一定
厚さの半遮光層22を形成する。即ち、例えば石英から
成る基板20上に、例えばクロムから成る半遮光層22
をスパッタリング法によって形成する。この場合、半遮
光層22の厚さは、光透過領域の最小パターンサイズに
おいて最大焦点深度が得られるように設定する。次い
で、半遮光層22上にレジスト30を塗布する(図2の
(A)参照)。
【0034】[工程−110]次に、光透過領域形成予
定領域近傍42A,42B,42Cの半遮光領域の所定
部分(図1の22A,22B,22C参照)における半
遮光層22の厚さを、この光透過領域形成予定領域に形
成される光透過領域のパターンサイズに依存して変化さ
せ、以ってこの光透過領域形成予定領域に形成される光
透過領域のパターンサイズに依存した振幅透過率を有す
る半遮光領域14を形成する。
【0035】所望の振幅透過率を有する半遮光領域14
を形成するためには、即ち、所望の振幅透過率をクロム
から成る半遮光層22に付与するためには、所望の厚さ
に半遮光層22の厚さを制御しなければならないが、こ
れは、次のようにして行なうことができる。
【0036】反応性イオンエッチング法を用いて塩素及
び酸素の混合ガスで半遮光層22をエッチングする場合
のエッチング速度は、典型的には30nm/分である。
また、反応性イオンエッチング法を用いて塩素及び酸素
の混合ガスでレジスト30をエッチングする場合のエッ
チング速度は、典型的には35nm/分である。
【0037】従って、異なる厚さを有する所望の半遮光
層を複数種同時に得るためには、半遮光層22のエッチ
ング前のレジスト30の厚さを精密に制御すればよい。
所望のレジスト30の厚さDrは、所望の半遮光層22
の厚さをDc、半遮光層22のエッチング速度をRc、レ
ジスト30のエッチング速度をRrとした場合、 Dr=(Rr/Rc)Dc で与えられる。
【0038】レジスト30の厚さは、電子線描画におけ
る電子線の照射量を精密に制御することにより得られ
る。即ち、レジスト30の厚さをより厚くしたければ、
ポジ型レジストを用いる場合、電子線の照射量をより少
なくすればよい。電子線の照射量は、容易且つ任意に変
えることができるので、レジスト30の現像後の膜厚を
任意に且つ正確に設定できる。
【0039】例えば、コンタクトホールパターンにおい
て光透過領域12の最小パターンサイズを0.27μm
とすれば、半遮光領域14の振幅透過率を12.3%に
設定する。この場合のクロムから成る半遮光層22の厚
さは23.2nmである。
【0040】そこで、描画装置からの電子線による第1
の描画工程及びレジスト30の現像工程を経ることによ
って、図2の(B)に示す構造を得ることができる。即
ち、得ようとする半遮光層の厚さに対応した厚さを有す
るレジスト30が形成される。尚、この工程において
は、容易に且つ1回の描画工程で、図2の(B)の切断
図に示される構造を得ることができる。尚、図2におい
て、42Aは、比較的パターンサイズの大きな光透過領
域を形成すべき光透過領域形成予定領域であり、42B
は、中程度のパターンサイズの光透過領域を形成すべき
光透過領域形成予定領域であり、42Cは、最小パター
ンサイズを有する光透過領域を形成すべき光透過領域形
成予定領域である。光透過領域形成予定領域の大きさが
大きい程、半遮光層22の厚さを薄くする(即ち、半遮
光領域の振幅透過率を大きくする)。
【0041】[工程−120]次に、半遮光層22をエ
ッチングすることによって、光透過領域12のパターン
サイズに応じて所望の振幅透過率(即ち、所望の厚さ)
を有する半遮光層22を形成することができる(図2の
(C)参照)。
【0042】[工程−130]その後、SOGから成る
位相シフト層24を半遮光層22の上に塗布法にて形成
する。位相シフト層24の厚さdを、180度の位相差
を実現できるように、d=λ/(2(n−1))とし
た。こうして、図3の(A)に示す構造を得ることがで
きる。
【0043】[工程−140]次いで、光透過領域形成
予定領域42A,42B,42Cに、所定のパターンサ
イズを有する光透過領域12(40A,40B,40
C)を形成する。即ち、レジスト32を全面に塗布した
後、描画装置からの電子線による第2の描画工程(図3
の(B)参照)、レジスト現像工程、四フッ化炭素及び
酸素の混合ガスによるプラズマ中での位相シフト層24
のエッチング工程、塩素及び酸素の混合ガスによるプラ
ズマ中でのクロムから成る半遮光層22のエッチング工
程(図3の(C)参照)、レジスト32の剥離工程を経
て、最終的に図1に示した構造のハーフトーン方式位相
シフトマスクを得ることができる。
【0044】(実施例−2)実施例−2は実施例−1の
変形である。図4に模式的な一部切断図を示すように、
実施例−2においては、SOGから成る位相シフト層2
4がクロムから成る半遮光層22と基板20との間に形
成されている点が、実施例−1と相違する。その他の点
に関しては実施例−1と同様であり、実施例−1と実施
例−2の構成では、ハーフトーン方式位相シフトマスク
として性能に何等相違はない。
【0045】以下、実施例−2のハーフトーン方式位相
シフトマスクの作製方法を図5を参照して説明する。
【0046】[工程−200]例えば石英から成る基板
20上に、SOGから成る位相シフト層24を塗布す
る。位相シフト層24の厚さdは、半遮光領域14を通
過する光の位相と、光透過領域12を通過する光の位相
との差が、180度となるような厚さとした。
【0047】[工程−210]次に、例えばクロムから
なる半遮光層22をスパッタリング法によって形成し、
更に、半遮光層22上にレジスト30を塗布し、図5の
(A)に示すような構造を得る。この場合、半遮光層2
2の厚さは、光透過領域の最小パターンサイズにおいて
最大焦点深度が得られるような厚さに設定する。
【0048】[工程−220]次に、描画装置からの電
子線による第1の描画工程、レジスト30の現像工程に
より図5の(B)に示す構造を得ることができる。この
工程において、レジスト30の厚さを精密に制御する点
は、実施例−1と同じである。また、光透過領域のパタ
ーンサイズに依存してレジスト30の厚さを規定する点
も、実施例−1と同様である。
【0049】[工程−230]光透過領域のパターンサ
イズに応じて所望の振幅透過率を半遮光層22に付与す
るように、実施例−1と同様に、半遮光層22をエッチ
ングして、図5の(C)に示す構造を得ることができ
る。
【0050】[工程−240]次に、実施例−1の[工
程−140]と同様の工程を実施することによって、図
4に示したハーフトーン方式位相シフトマスクを作製す
ることができる。
【0051】(実施例−3)実施例−3も実施例−1の
変形である。図6に模式的な一部切断図を示す実施例−
3においては、基板20をエッチングすることによって
基板20に凹部から成る光透過領域12を形成し、しか
も、光透過領域12を通過する光と半遮光領域14を通
過する光の位相を異ならせる。基板20をエッチングす
ることによって形成された光透過領域12の深さd’
を、d’=λ/(2(n’−1))とすれば、光透過領
域12を通過した光と、半遮光領域14を通過した光の
位相は180度変化する。尚、λは露光光の波長、n’
は基板20の屈折率である。実施例−1と実施例−3の
構成では、ハーフトーン方式位相シフトマスクとして性
能に何等相違はない。
【0052】以下、実施例−3のハーフトーン方式位相
シフトマスクの作製方法を図2及び図7を参照して説明
する。
【0053】[工程−300]例えば石英から成る基板
20上に、例えばクロムから成る半遮光層22をスパッ
タリング法によって形成する。次いで、半遮光層22上
にレジスト30を塗布する(図2の(A)参照)。この
場合、半遮光層22の厚さは、光透過領域の最小パター
ンサイズにおいて最大焦点深度が得られるように設定す
る。
【0054】[工程−310]次に、描画装置からの電
子線による第1の描画工程、レジスト30の現像工程を
行う(図2の(B)参照)。この工程において、レジス
ト30の厚さを精密に制御する点は、実施例−1と同じ
である。また、光透過領域のパターンサイズに依存し
て、レジストの厚さを規定する点も、実施例−1と同様
である。
【0055】[工程−320]光透過領域のパターンサ
イズに応じて所望の振幅透過率を半遮光層22に付与す
るように、実施例−1と同様に、半遮光層22をエッチ
ングして、図2の(C)に示す構造と同様の構造を得る
ことができる。
【0056】[工程−330]次に、レジスト32を塗
布した後、描画装置からの電子線による第2の描画工
程、レジスト現像工程(図7の(A)参照)、塩素及び
酸素の混合ガスによるプラズマ中での半遮光層22のエ
ッチング工程(図7の(B)参照)、四フッ化炭素及び
酸素の混合ガスによるプラズマ中での石英から成る基板
20のエッチング工程(図7の(C)参照)、レジスト
32の剥離工程を経て、最終的に図6に示した構造のハ
ーフトーン方式位相シフトマスクを得ることができる。
【0057】(実施例−4)実施例−4においては、実
施例−1のハーフトーン方式位相シフトマスクの半遮光
領域の一部に遮光領域16が設けられている。実施例−
4のハーフトーン方式位相シフトマスクの模式的な一部
切断図を図8に示す。実施例−4においては、遮光領域
16の振幅透過率は、充分に露光光を遮光できるよう
に、ほぼ0に設定されている。
【0058】尚、半遮光領域14も遮光領域16もクロ
ムから成る層で構成されている。半遮光領域14を構成
するクロムから成る半遮光層22と、遮光層を構成する
クロムから成る遮光層26とでは、クロムの層厚が異な
る。図においては、半遮光層22と遮光層26との区別
を明確にするために、斜線の種類を異ならせた。
【0059】このように、遮光領域16を設け、半遮光
領域14の幅を適切に制限、選択することによって、従
来のハーフトーン方式位相シフトマスクの光透過領域1
2と半遮光領域14の境界で生じる光の干渉効果に加え
て、従来の所謂エッジ強調型位相シフトマスクと同様
に、光透過領域12と半遮光領域14を通過した光との
干渉効果が重畳し、従来のハーフトーン方式位相シフト
マスクよりも、ウエハ上に形成されたレジスト材料への
パターン転写がシャープになるという著しい効果が得ら
れる。
【0060】更に、露光光が通過するハーフトーン方式
位相シフトマスクの部分は光透過領域12と半遮光領域
14に限定されているため、ステッパー等の露光装置を
用いた露光において、容易に遮光帯をハーフトーン方式
位相シフトマスクに形成することができる。尚、遮光帯
の形成されたハーフトーン方式位相シフトマスクの模式
的な平面図を図9に示す。遮光帯の断面構造は、遮光領
域16の断面構造と同様とすることができる。
【0061】しかも、遮光領域16の厚さを従来の位相
シフトマスクの遮光領域と同様の厚さに設定することが
できるために、従来のハーフトーン方式位相シフトマス
クに顕著な半遮光領域が光を透過するという欠陥を著し
く減少させることができ、ハーフトーン方式位相シフト
マスク作製における歩留まりを著しく向上させることが
できる。実施例−4のハーフトーン方式位相シフトマス
クの作製方法を図10を参照して説明する。このハーフ
トーン方式位相シフトマスクの作製方法は、本発明の第
2の態様に係るハーフトーン方式位相シフトマスクの作
製方法である。
【0062】[工程−400]先ず、基板20上に一定
厚さの遮光層26を形成する。即ち、例えば石英から成
る基板20上に、例えばクロムからなる遮光層26をス
パッタリング法によって形成し、遮光層26上にレジス
ト30を塗布する(図10の(A)参照)。この場合、
遮光層26の厚さを、充分に露光光を遮光できる厚さ、
典型的には100nm程度とする。
【0063】[工程−410]次に、光透過領域形成予
定領域42A,42B,42C近傍の遮光領域の所定部
分における遮光層の厚さを、この光透過領域形成予定領
域に形成される光透過領域のパターンサイズに依存して
変化させ、以ってこの光透過領域形成予定領域に形成さ
れる光透過領域12(40A,40B,40C)のパタ
ーンサイズに依存した振幅透過率を有する半遮光領域1
4(図8の22A,22B,22Cも参照)を形成す
る。
【0064】そのために、先ず、描画装置からの電子線
による第1の描画工程及びレジスト30の現像工程によ
り、図10の(B)に示す構造を得る。即ち、得ようと
する半遮光層の厚さに対応した厚さを有するレジスト3
0が形成される。尚、図10において、42Aは、比較
的パターンサイズの大きな光透過領域を形成すべき光透
過領域形成予定領域であり、42Bは、中程度のパター
ンサイズの光透過領域を形成すべき光透過領域形成予定
領域であり、42Cは、最小のパターンサイズを有する
光透過領域を形成すべき光透過領域形成予定領域であ
る。
【0065】所望の振幅透過率を半遮光層に付与するた
めには、遮光層26を所望の厚さにエッチングして半遮
光層を形成しなければならないが、これは実施例−1と
同様の方法で行うことができる。所望の厚さの半遮光層
を遮光層26のエッチングによって複数種同時に得るた
めには、レジスト30の厚さを精密に制御すればよい。
所望のレジスト30の厚さDrは、所望のクロムの厚さ
をDc、クロムのエッチング速度をRc、レジストのエッ
チング速度をRrとすると、Dr=(Rr/Rc)Dc で与
えられる。レジスト30の厚さは、電子線描画における
電子線の照射量を精密に制御することによって得られ
る。電子線の照射量は精密に制御できるために、レジス
ト30の厚さも精密に制御することができる。
【0066】[工程−420]遮光層26のエッチング
を行うことによって、光透過領域12のパターンサイズ
に応じた所望の振幅透過率を有する半遮光層22が形成
される(図10の(C)参照)。半遮光層22は各種の
所定の厚さを有する。
【0067】[工程−430]次に、SOGから成る位
相シフト層24を半遮光層22の上に塗布法にて形成す
る。その後、光透過領域形成予定領域42A,42B,
42Cに、所定のパターンサイズを有する光透過領域1
2を形成する。そのために、更に、レジスト32を全面
に塗布した後、第2の描画工程、レジスト現像工程、位
相シフト層24のエッチング工程、半遮光層22のエッ
チング工程、レジスト32の剥離工程を経て、最終的に
図8に示した構造のハーフトーン方式位相シフトマスク
を得ることができる。これらの工程は、実施例−1の
[工程−130]及び[工程−140]と同様とするこ
とができる。
【0068】(実施例−5)実施例−5は、実施例−2
を実施例−4と同様に変形した例である。実施例−5に
おいては、図11に模式的な一部切断図を示すように、
遮光領域16が形成されている点が、実施例−2と異な
る。尚、実施例−5と実施例−4の構成では、ハーフト
ーン方式位相シフトマスクとして性能に何等相違はな
い。以下、実施例−5のハーフトーン方式位相シフトマ
スクの作製方法を図12を参照して説明する。
【0069】[工程−500]例えば石英から成る基板
20上に、実施例−2の[工程−200]と同様にSO
Gから成る位相シフト層24を形成する。
【0070】[工程−510]次に、例えばクロムから
なる遮光層26をスパッタリング法によって形成する。
この場合、遮光層26の厚さを充分に露光光を遮光でき
る厚さとする点は、実施例−4と同じである。次いで、
遮光層26上にレジスト30を塗布し、図12の(A)
に示すような構造を得る。
【0071】[工程−520]次に、描画装置からの電
子線による第1の描画工程、レジスト30の現像工程に
より図12の(B)に示す構造を得ることができる。こ
の工程において、レジスト30の厚さを精密に制御する
点は、実施例−1と同じである。また、光透過領域のパ
ターンサイズに依存して、レジスト30の厚さを規定す
る点も、実施例−1と同様である。
【0072】[工程−530]光透過領域のパターンサ
イズに応じて所望の振幅透過率を半遮光層22に付与す
るように、実施例−4と同様に、遮光層26をエッチン
グして半遮光層22を形成する(図12の(C)参
照)。
【0073】[工程−540]次に、実施例−1の[工
程−140]と同様の工程を実施することによって、図
11に示したハーフトーン方式位相シフトマスクを作製
することができる。
【0074】(実施例−6)実施例−6は、実施例−3
を実施例−4と同様に変形した例である。実施例−6に
おいては、図13に模式的な一部切断図を示すように、
遮光領域16が形成されている点が、実施例−3と異な
る。尚、実施例−6と実施例−4の構成では、ハーフト
ーン方式位相シフトマスクとして性能に何等相違はな
い。以下、実施例−6のハーフトーン方式位相シフトマ
スクの作製方法を図10及び図7を参照して説明する。
【0075】[工程−600]例えば石英から成る基板
20上に、例えばクロムから成る遮光層26をスパッタ
リング法によって形成する。次いで、遮光層26上にレ
ジスト30を塗布する(図10の(A)参照)。この場
合、遮光層26の厚さを露光光を充分遮光し得る厚さに
設定する点は、実施例−4と同様である。
【0076】[工程−610]次に、描画装置からの電
子線による第1の描画工程、レジスト30の現像工程を
行う(図10の(B)参照)。この工程において、レジ
スト30の厚さを精密に制御する点は、実施例−1と同
じである。また、光透過領域のパターンサイズに依存し
て、レジスト30の厚さを規定する点も、実施例−1と
同様である。
【0077】[工程−620]光透過領域のパターンサ
イズに応じて所望の振幅透過率を有する半遮光層22を
形成するように、実施例−4と同様に、遮光層26をエ
ッチングして、図10の(C)に示す構造を得ることが
できる。
【0078】[工程−630]次に、レジスト32を塗
布した後、描画装置からの電子線による第2の描画工
程、レジスト現像工程(図7の(A)を参考のこと)、
塩素及び酸素の混合ガスによるプラズマ中での半遮光層
22のエッチング工程(図7の(B)を参考のこと)、
四フッ化炭素及び酸素の混合ガスによるプラズマ中での
石英から成る基板20のエッチング工程(図7の(C)
を参考のこと)、レジスト32の剥離工程を経て、最終
的に図13に示した構造のハーフトーン方式位相シフト
マスクを得ることができる。
【0079】以上の実施例−1〜実施例−6にて説明し
た本発明のハーフトーン方式位相シフトマスクを用い
て、ウエハ上に形成されたレジスト材料を露光して、ハ
ーフトーン方式位相シフトマスクに形成されたパターン
形状をレジスト材料に転写することによって半導体装置
を製造することができる。
【0080】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例にて説明した条件や数値は例示であり、
適宜変更することができる。例えば、各領域における光
の位相や振幅透過率は例示であり、適宜最適な値に変更
することができる。
【0081】ハーフトーン方式位相シフトマスクの作製
工程で用いた各種材料も適宜変更することができる。半
遮光層22あるいは遮光層26を構成する材料はクロム
に限定されず、タングステン、タンタル、アルミニウム
やMoSi2等の光を適当量遮光することができる材料
を用いることができる。また、位相シフト層24は、S
OGから構成する代わりに、ポリメチルメタクリレー
ト、フッ化マグネシウム、二酸化チタン、ポリイミド樹
脂、二酸化珪素、酸化インジウム、SiO2、SiN、
各種レジスト等、透明な材料であればよい。レジスト3
0,32として、ポジ型レジストの代わりにネガ型レジ
ストを用いてもよい。この場合、電子線描画領域はポジ
型の場合と逆になる点が異なる。また、レジスト30,
32の描画工程では、電子線描画装置の代わりに、レー
ザ等の描画装置を用いてもよい。
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、光透過領域の各種パタ
ーンサイズに適した振幅透過率を有する半遮光領域を形
成することにより、ステッパー等の露光装置による露光
時、シャープなパターン転写性を得ることができる。半
遮光領域の振幅透過率はウエハ上に形成されたレジスト
材料を感光させない程度に小さいので、ウエハ上に形成
されたレジスト材料を感光させることはない。
【0083】しかも最適な振幅透過率を設定すべきパタ
ーンサイズを有する光透過領域は、光学的に解像限界に
近い比較的小さなパターンサイズの光透過領域に限定す
ることができるために、ハーフトーン方式位相シフトマ
スク作製における生産性低下及びコスト増大は極めて軽
微である。一方、焦点深度の増加により、ウエハ工程に
おける生産性の増大及びコストの低減ができる。
【0084】光透過領域の位置が多少所望の位置からず
れたとしても、転写されるパターンに劣化が生じること
がなく、市販の描画装置で容易に所望のハーフトーン方
式位相シフトマスクを歩留まり良く作製することができ
る。
【0085】更には、半遮光層の厚さを比較的厚く設定
することができ、あるいは厚い遮光層から半遮光層を形
成するので、従来のハーフトーン方式位相シフトマスク
に顕著な半遮光層の光を透過するといった欠陥を著しく
減少させることができ、ハーフトーン方式位相シフトマ
スク製造における歩留まりを著しく向上させることがで
きる。
【0086】また、遮光領域を設けることによって、従
来のハーフトーン方式位相シフトマスクよりも、ウエハ
上に形成されたレジスト材料へのパターン転写がシャー
プになる著しい効果が得られる。更に、遮光帯をハーフ
トーン方式位相シフトマスクに容易に形成することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例−1におけるハーフトーン方式位相シフ
トマスクの構成を示す模式的な一部切断図である。
【図2】実施例−1におけるハーフトーン方式位相シフ
トマスクの作製方法を説明するための工程図である。
【図3】図2に引き続き、実施例−1におけるハーフト
ーン方式位相シフトマスクの作製方法を説明するための
工程図である。
【図4】実施例−2におけるハーフトーン方式位相シフ
トマスクの構成を示す模式的な一部切断図である。
【図5】実施例−2におけるハーフトーン方式位相シフ
トマスクの作製方法を説明するための工程図である。
【図6】実施例−3におけるハーフトーン方式位相シフ
トマスクの構成を示す模式的な一部切断図である。
【図7】実施例−3におけるハーフトーン方式位相シフ
トマスクの作製方法を説明するための工程図である。
【図8】実施例−4におけるハーフトーン方式位相シフ
トマスクの構成を示す模式的な一部切断図である。
【図9】遮光帯が形成されたハーフトーン方式位相シフ
トマスクの模式的な平面図である。
【図10】実施例−4におけるハーフトーン方式位相シ
フトマスクの作製方法を説明するための工程図である。
【図11】実施例−5におけるハーフトーン方式位相シ
フトマスクの構成を示す模式的な一部切断図である。
【図12】実施例−5におけるハーフトーン方式位相シ
フトマスクの作製方法を説明するための工程図である。
【図13】実施例−6におけるハーフトーン方式位相シ
フトマスクの構成を示す模式的な一部切断図である。
【図14】典型的な従来のエッジ強調型位相シフトマス
クの模式的一部切断図を示す図である。
【図15】従来のハーフトーン方式位相シフトマスクの
模式的な一部切断図である。
【符号の説明】
12 光透過領域 14 半遮光領域 16 遮光領域 20 基板 22 半遮光領域 24 位相シフト領域 26 遮光領域 30,32 レジスト

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半遮光領域及び光透過領域を備え、該半遮
    光領域を通過した光の位相と光透過領域を通過した光の
    位相とが異なるハーフトーン方式位相シフトマスクであ
    って、 所定のパターンサイズを有する光透過領域における焦点
    深度が最大となるように、該光透過領域近傍の半遮光領
    域の振幅透過率が設定されていることを特徴とするハー
    フトーン方式位相シフトマスク。
  2. 【請求項2】半遮光領域及び光透過領域を備え、該半遮
    光領域を通過した光の位相と光透過領域を通過した光の
    位相とが異なるハーフトーン方式位相シフトマスクであ
    って、 光透過領域のパターンサイズが大きくなるに従い、該光
    透過領域近傍の半遮光領域の振幅透過率を大きくするこ
    とを特徴とするハーフトーン方式位相シフトマスク。
  3. 【請求項3】半遮光領域の一部に遮光領域を備えている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のハーフ
    トーン方式位相シフトマスク。
  4. 【請求項4】基板上に半遮光領域及び光透過領域を備
    え、該半遮光領域を通過した光の位相と光透過領域を通
    過した光の位相とが異なるハーフトーン方式位相シフト
    マスクを作製する方法であって、 (イ)基板上に一定厚さの半遮光層を形成する工程と、 (ロ)光透過領域形成予定領域近傍の半遮光領域の所定
    部分における半遮光層の厚さを、該光透過領域形成予定
    領域に形成される光透過領域のパターンサイズに依存し
    て変化させ、以って該光透過領域形成予定領域に形成さ
    れる光透過領域のパターンサイズに依存した振幅透過率
    を有する半遮光領域を形成する工程と、 (ハ)該光透過領域形成予定領域に、所定のパターンサ
    イズを有する光透過領域を形成する工程、を含むことを
    特徴とするハーフトーン方式位相シフトマスク作製方
    法。
  5. 【請求項5】前記一定厚さの半遮光層の厚さは、最小パ
    ターンサイズを有する光透過領域における焦点深度が最
    大となるような厚さであることを特徴とする請求項4に
    記載のハーフトーン方式位相シフトマスク作製方法。
  6. 【請求項6】基板上に遮光領域、半遮光領域及び光透過
    領域を備え、該半遮光領域を通過した光の位相と光透過
    領域を通過した光の位相とが異なるハーフトーン方式位
    相シフトマスクを作製する方法であって、 (イ)基板上に一定厚さの遮光層を形成する工程と、 (ロ)光透過領域形成予定領域近傍の遮光領域の所定部
    分における遮光層の厚さを、該光透過領域形成予定領域
    に形成される光透過領域のパターンサイズに依存して変
    化させ、以って該光透過領域形成予定領域に形成される
    光透過領域のパターンサイズに依存した振幅透過率を有
    する半遮光領域を形成する工程と、 (ハ)該光透過領域形成予定領域に、所定のパターンサ
    イズを有する光透過領域を形成する工程、を含むことを
    特徴とするハーフトーン方式位相シフトマスク作製方
    法。
  7. 【請求項7】前記(ロ)の工程において得られた光透過
    領域形成予定領域近傍の半遮光領域の所定部分の半遮光
    層の厚さは、該光透過領域形成予定領域に形成される所
    定のパターンサイズを有する光透過領域における焦点深
    度が最大となるような厚さであることを特徴とする請求
    項4乃至請求項6のいずれか1項に記載のハーフトーン
    方式位相シフトマスク作製方法。
  8. 【請求項8】請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記
    載のハーフトーン方式位相シフトマスクを用いて、ウエ
    ハ上に形成されたレジスト材料を露光して、ハーフトー
    ン方式位相シフトマスクに形成されたパターン形状をレ
    ジスト材料に転写することを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
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