JP3344098B2 - ハーフトーン方式位相シフトマスク及びレジスト露光方法 - Google Patents

ハーフトーン方式位相シフトマスク及びレジスト露光方法

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JP3344098B2 JP19485294A JP19485294A JP3344098B2 JP 3344098 B2 JP3344098 B2 JP 3344098B2 JP 19485294 A JP19485294 A JP 19485294A JP 19485294 A JP19485294 A JP 19485294A JP 3344098 B2 JP3344098 B2 JP 3344098B2
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体装置の製
造における各種パターン形成技術等に用いられるハーフ
トーン方式位相シフトマスク、及びかかるハーフトーン
方式位相シフトマスクを用いたレジスト露光方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造におけるパターン転写
工程、所謂リソグラフィ工程で使用されるフォトマスク
は、フォトマスク上のパターン形状を例えばウエハから
成る基体上に形成されたレジストに転写するために用い
られる。尚、以下、特に断りがない限り、ウエハ等から
成る基体上に形成されたレジストを単にレジストと表現
する。また、特に断りがない限り、レジストパターンと
は、フォトマスク上のパターン形状を例えばウエハから
成る基体上に形成されたレジストに転写したときレジス
トに形成されるパターンを意味する。
【0003】半導体装置等におけるパターン加工の寸法
は年々微細化している。そして、遮光領域と光透過領域
とから構成された従来型のフォトマスクでは、リソグラ
フィ工程で使用する露光装置の露光光の波長程度の解像
度を得ることができず、半導体装置等の製造において要
求される解像度を得ることが困難になりつつある。そこ
で、近年、このような従来型のフォトマスクに替わっ
て、光の位相を異ならせる位相シフト領域を具備した、
所謂位相シフトマスクが用いられるようになってきてい
る。位相シフトマスクを用いることによって、従来型の
フォトマスクでは形成不可能な微細なレジストパターン
の形成が可能とされている。
【0004】従来の位相シフトマスクは、光透過領域、
光を遮光する遮光領域、及び光透過領域を通過する光の
位相と異なる位相の光を透過させる光透過物質から成る
位相シフト領域から構成されている。典型的な従来のエ
ッジ強調型位相シフトマスクの模式的な一部切断図を図
15の(A)、(B)及び(C)に示す。図中、参照番
10は基板、参照番号112は光透過領域、参照番号
116は遮光領域、参照番号118は位相シフト領域、
参照番号120は光透過物質層、参照番号122は遮光
層である。光透過物質層120を設けることによって、
光透過領域112を通過した光の位相と、位相シフト領
域118を通過した光の位相を、例えば180度相違さ
せることができる。
【0005】従来の位相シフトマスクにおいては、位相
シフト領域の形状あるいは位置を精確に制御しないと微
細なレジストパターンの形成ができない。また、パター
ン形状によっては、位相シフト領域が、本来光の干渉を
受けてはならない他の光透過領域にまで光の干渉を生じ
させる場合がある。このような場合には、位相シフト領
域を形成することができない。
【0006】このような従来の位相シフトマスクの問題
点を解決するための位相シフトマスクの一種に、半遮光
層と光透過領域とから構成され、半遮光層を通過した光
の位相と光透過領域を通過した光の位相とが例えば18
0度異なる、ハーフトーン方式位相シフトマスクがあ
る。ハーフトーン方式位相シフトマスクは、上述の従来
の位相シフトマスクの問題点を解決でき、しかも解像度
が向上する。更には、位相シフトマスクにおいて要求さ
れる光透過物質層の形成及び遮光領域の形成といった2
回の形成工程の代わりに、光透過領域の形成という1回
の形成工程で済むために、ハーフトーン方式位相シフト
マスクの作製は容易であり、しかも、マスク作製時に欠
陥が生成される度合も低いという利点を有する。
【0007】ハーフトーン方式位相シフトマスクの模式
的な一部切断図を図12の(A)及び(B)に示す。図
中、参照番号10は基板、参照番号12は光透過領域、
参照番号14は半遮光層である。半遮光層14の下若し
くは上には、位相シフト層20が形成されている。位相
シフト層20は、光透過領域12を通過した光の位相と
半遮光層14を通過した光の位相を異ならせるための光
透過物質、例えばSOG(Spin On Glass)から成る。
尚、この場合、位相シフト層20の厚さを、半遮光層1
4による位相差及び各層界面における位相のずれを考慮
し、光透過領域12を通過した光の位相と、半遮光層1
4を通過した光の位相の差が180度となるように決定
する。あるいは又、図12の(C)に示したハーフトー
ン方式位相シフトマスクは、所謂基板掘り込み型であ
る。基板10に凹部16を形成することによって、光透
過領域12を通過した光の位相と半遮光層14を通過し
た光の位相を異ならせることができる。尚、この場合、
凹部16の深さを、半遮光層14による位相差及び各層
界面における位相のずれを考慮し、光透過領域12を通
過した光の位相と、半遮光層14を通過した光の位相の
差が180度となるように決定する。
【0008】ハーフトーン方式位相シフトマスクにおい
ては、半遮光層14の振幅透過率は、0より大きく且つ
レジストを解像させない程度、例えば20〜45%程度
である。尚、光強度透過率で表現すると、4〜20%程
度である。そして、半遮光層14の厚さを制御すること
で所望の振幅透過率若しくは光強度透過率を得ることが
できる。通常、半遮光層14の光強度透過率は、マスク
全面において、一様な値に設定されている。そして、ハ
ーフトーン方式位相シフトマスクに設けられたパターン
形状をレジストに転写してレジストパターンを形成する
ために、所定の光強度透過率及び位相を有する半遮光層
14を通過した光と、位相が180度半遮光層とは異な
る光透過領域12を通過した光の干渉を利用する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、ハーフト
ーン方式位相シフトマスクは作製が比較的容易であり、
また、ハーフトーン方式位相シフトマスクを用いた露光
方法は解像度の向上を達成することができるといった数
々の利点を有する。しかしながら、従来型のフォトマス
クと比較して、所謂近接効果による悪影響が大きく現れ
るといった問題がある。
【0010】即ち、隣接する光透過領域を通過した回折
光が相互に干渉し合うほど近接して2次元的に配列さ
れ、大きさが等しい複数の光透過領域から構成された光
透過領域群を有するハーフトーン方式位相シフトマスク
においては、光透過領域群の最外周に位置する光透過領
域によって形成されたレジストパターンの大きさと、光
透過領域群の他の領域に位置する光透過領域によって形
成されたレジストパターンの大きさが相違するという問
題がある。
【0011】光透過領域群が5×5のマトリックス状に
2次元的に配列された光透過領域から成り、各光透過領
域の大きさが0.38μmであるハーフトーン方式位相
シフトマスクを想定する。各光透過領域の中心間の距離
を0.60μmとする。このハーフトーン方式位相シフ
トマスクはコンタクトホール形成用である。このハーフ
トーン方式位相シフトマスクの模式的な平面図を図13
に示す。尚、このようなハーフトーン方式位相シフトマ
スクを、以下、従来のハーフトーン方式位相シフトマス
クあるいは従来例と呼ぶ。また、便宜上、光透過領域群
の最外周の内、コーナー部に位置する光透過領域を光透
過領域Bと呼び、光透過領域群の最外周の内、コーナー
部以外の位置にある光透過領域を光透過領域Cと呼び、
その他の領域に位置する光透過領域を光透過領域Aと呼
ぶ。また、その他の領域に位置する光透過領域を光透過
領域群の中央に位置する光透過領域と呼ぶ場合もある。
【0012】本明細書における大きさや距離の表示は、
レジストに形成されるパターンの大きさや距離を基準に
する。即ち、光透過領域の大きさが0.38μmである
という場合、露光装置の縮小光学系の縮小倍率を1/5
倍とすれば、ハーフトーン方式位相シフトマスクに形成
すべき光透過領域の大きさは、0.38×5=1.90
μmである。また、各光透過領域の中心間の距離が0.
60μmであるという場合、ハーフトーン方式位相シフ
トマスクに形成すべき各光透過領域の中心間の距離は、
0.60×5=3.00μmである。
【0013】以下の仕様を有するコンタクトホール形成
用の以下のハーフトーン方式位相シフトマスクを用い
て、以下の露光条件で光強度シミュレーションを行っ
た。 光透過領域の大きさ :0.38μm 光透過領域の数 :5×5 各光透過領域の中心間距離:0.6μm 半遮光層の光強度透過率 :10% 露光光の波長 :248nm(KrFレーザ
光) 露光装置の開口数(NA):0.42 コヒーレンス度(σ) :0.3 フォーカスオフセット値 :0.6μm 尚、コヒーレンス度(σ)は敢えて干渉の影響が強くな
るように、0.3とした。光強度シミュレーションの結
果を図14に示す。この結果から、レジストに形成され
るレジストパターンの径(コンタクトホール径)を求め
たところ、光透過領域Aに対応するレジストパターンの
径は0.304μm、光透過領域Bに対応するレジスト
パターンの径は0.348μmとなった。即ち、光透過
領域群の最外周の内、コーナー部に位置する光透過領域
に対応するレジストパターンの径は0.04μm以上も
拡大している。
【0014】ここで、フォーカスオフセット値を、以下
のように定義する。即ち、位相シフトマスクやハーフト
ーン方式位相シフトマスクではない、光透過領域と遮光
領域から構成された通常のマスクを用いて、縮小投影光
学系においてかかるマスクに形成されたパターンをレジ
ストに転写したとき、最もシャープなレジストパターン
が形成されるときの焦点距離をフォーカスオフセット値
=0μmとする。また、この位置からレジストが形成さ
れた例えばウエハをハーフトーン方式位相シフトマスク
に近づける方向に移動させる場合、フォーカスオフセッ
ト値は「+」の値であるとする。逆に、ウエハをハーフ
トーン方式位相シフトマスクから離れる方向に移動させ
る場合、フォーカスオフセット値は「−」の値であると
する。
【0015】コンタクトホール形成用の以下のハーフト
ーン方式位相シフトマスク及び露光条件で実際にウエハ
上に形成された化学増幅型ポジレジストを露光した。 光透過領域の大きさ :0.37μm 光透過領域の数 :9×9 各光透過領域の中心間距離:0.6μm 半遮光層の光強度透過率 :10% 露光光の波長 :248nm(KrFレーザ
光) 露光装置の開口数(NA):0.42 コヒーレンス度(σ) :0.5 フォーカスオフセット値 :0.6μm
【0016】レジストを現像した後、レジストに形成さ
れた開口部の形状をSEMにて観察したところ、光透過
領域群の最外周(光透過領域B,C)に対応するレジス
トの部分には開口部が形成されたが、光透過領域群の中
央に位置する光透過領域(光透過領域A)に対応するレ
ジストの部分には所望形状の開口部が形成されなかっ
た。光透過領域の大きさを0.38μmとして同様の試
験を行ったところ、特に、光透過領域群の最外周のコー
ナー部(光透過領域B)に対応するレジストの部分に
は、光透過領域Aと比較して、大きな開口部が形成され
た。
【0017】光透過領域群の中央に位置する光透過領域
Aを通過する0次の回折光は、四方に位置する光透過領
域Cを通過する1次以上の回折光と干渉し合う。一方、
光透過領域群の最外周の内、コーナー部に位置する光透
過領域Bを通過する0次の回折光は、二方に位置する光
透過領域Cを通過する1次以上の回折光、及び二方に位
置する半遮光層を通過する光と干渉し合う。更に、光透
過領域Cを通過する0次の回折光は、二方に位置する光
透過領域B及び一方に位置する光透過領域Aを通過する
1次以上の回折光と干渉し合い、更には、一方に位置す
る半遮光層14を通過する光と干渉し合う。
【0018】このように、光透過領域B及び光透過領域
Cを通過する0次の回折光は、隣接する半遮光層14を
通過する光と干渉し合う。その結果、光透過領域Aから
得られたパターン像に対して、光透過領域B及び光透過
領域Cから得られたパターン像の方が高いコントラスト
を有する。即ち、シャープなレジストパターンを形成す
ることができる。一方、光透過領域Aを通過する0次の
回折光は四方に位置する光透過領域Cを通過する1次以
上の回折光と干渉する。従って、光透過領域B,Cに基
づきシャープなレジストパターンを形成し得る露光条件
において、光透過領域Aに基づくパターン像のコントラ
ストが低くなり、光透過領域Aに対応するレジストの部
分には所望形状の開口部が形成されなくなる。
【0019】尚、光透過領域の大きさや各光透過領域の
中心間の距離、あるいは露光条件によっては、光透過領
域群の中央に位置する光透過領域Aに基づき得られるレ
ジストパターンの大きさが、光透過領域群の最外周に位
置する光透過領域B,Cに基づき得られるレジストパタ
ーンの大きさよりも大きくなる場合もある。
【0020】このように、光透過領域群における光透過
領域が形成された位置に依存して、レジストに形成され
たレジストパターンの大きさが相違すると、所望の大き
さを有する微細なパターンを安定してレジストに形成す
ることが困難となる。特に、フォーカスオフセット値を
或る値として露光を行って一層微細なパターンをレジス
トに形成することが、一層困難になる。
【0021】従って、本発明の第1の目的は、隣接する
光透過領域を通過した回折光が相互に影響を及ぼすほ
ど、即ち、隣接する光透過領域を通過した回折光が相互
に干渉し合うほど、近接して配列された光透過領域から
構成された光透過領域群が形成されたハーフトーン方式
位相シフトマスクであって、各光透過領域が形成された
位置に拘らず、レジストに形成されるレジストパターン
の大きさを出来る限り一定とし得るハーフトーン方式位
相シフトマスク、及びかかるハーフトーン方式位相シフ
トマスクを用いたレジスト露光方法を提供することにあ
る。
【0022】更に、本発明の第2の目的は、隣接する光
透過領域を通過した回折光が相互に影響を及ぼすほど、
即ち、隣接する光透過領域を通過した回折光が相互に干
渉し合うほど、近接して配列された光透過領域から構成
された光透過領域群が形成され、且つ、孤立した光透過
領域を通過した回折光と光透過領域群の最外周に位置す
る光透過領域を通過した回折光とが干渉しない位置に、
孤立した光透過領域が配置されたハーフトーン方式位相
シフトマスクであって、各光透過領域が形成された位置
に拘らず、レジストに形成されるレジストパターンの大
きさを出来る限り一定とし得るハーフトーン方式位相シ
フトマスク、及びかかるハーフトーン方式位相シフトマ
スクを用いたレジスト露光方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記の第1の目的を達成
するための本発明の第1の態様に係るハーフトーン方式
位相シフトマスクは、透明な基板上に形成された、半遮
光層、及び複数の光透過領域から構成された光透過領域
群から成り、半遮光層を通過した光の位相と光透過領域
を通過した光の位相が異なるハーフトーン方式位相シフ
トマスクであって、隣接する光透過領域を通過した回折
光が相互に干渉し合うほど、光透過領域群の各光透過領
域は近接して配列されており、光透過領域群の最外周に
位置する光透過領域のそれぞれの近傍に、補助光透過領
域が設けられていることを特徴とする。
【0024】ここで、光透過領域群の最外周に位置する
光透過領域の近傍とは、光透過領域群が形成されていな
いハーフトーン方式位相シフトマスクの領域を意味す
る。より具体的には、光透過領域群の外側の領域を意味
する。従って、補助光透過領域を挟んで光透過領域が対
向するような位置に、補助光透過領域は設けられていな
い。
【0025】本発明の第1の態様に係るハーフトーン方
式位相シフトマスクにおいては、補助光透過領域の代わ
りに補助遮光領域を設けてもよい。
【0026】上記の第2の目的を達成するための本発明
の第2の態様に係るハーフトーン方式位相シフトマスク
は、透明な基板上に形成された、半遮光層、複数の光透
過領域から構成された光透過領域群、及び孤立した光透
過領域から成り、半遮光層を通過した光の位相と光透過
領域を通過した光の位相が異なるハーフトーン方式位相
シフトマスクであって、隣接する光透過領域を通過した
回折光が相互に干渉し合うほど、光透過領域群の各光透
過領域は近接して配列されており、孤立した光透過領域
を通過した回折光と光透過領域群の最外周に位置する光
透過領域を通過した回折光とが干渉しない位置に、孤立
した光透過領域は配置されており、孤立した光透過領域
の近傍に、補助光透過領域が設けられていることを特徴
とする。
【0027】本発明の第2の態様に係るハーフトーン方
式位相シフトマスクにおいては、光透過領域群の最外周
に位置する光透過領域のそれぞれの近傍に、補助光透過
領域を設けてもよい。また、補助光透過領域の代わりに
補助遮光領域を設けてもよい。
【0028】補助遮光領域は、例えばカーボンから構成
することができる。
【0029】光透過領域群の配列パターンとしては、1
×N(但し、Nは3以上の整数)、2×N、M×N’
(但し、M及びN’は3以上の整数)の1次元的若しく
は2次元的配列パターンを例示することができる。この
場合、1×Nの配列パターンにおいては、1番目及びN
番目の光透過領域を、光透過領域群の最外周に位置する
光透過領域とする。一方、K番目(1<K<N)の光透
過領域を、光透過領域群の他の領域に位置する光透過領
域とする。2×Nの配列パターンにおいては、(1,
1)番目、(1,2)番目、(N,1)番目及び(N,
2)番目の光透過領域を、光透過領域群の最外周に位置
する光透過領域とする。一方、その他の光透過領域を、
光透過領域群の他の領域に位置する光透過領域とする。
M×N’の配列パターンにおいては、1行目、1列目、
M行目及びN’列目に位置する光透過領域を、光透過領
域群の最外周に位置する光透過領域とする。一方、その
他の光透過領域を、光透過領域群の他の領域に位置する
光透過領域とする。
【0030】上記の目的を達成するための本発明のレジ
スト露光方法は、上述した本発明のハーフトーン方式位
相シフトマスクを用いて、基体上に形成されたレジスト
を露光することを特徴とする。
【0031】
【作用】本発明の第1の態様に係るハーフトーン方式位
相シフトマスクにおいては、光透過領域群の最外周に位
置する光透過領域のそれぞれの近傍に、補助光透過領域
を設ける。これによって、光透過領域群の最外周に位置
する光透過領域を通過する0次の回折光は、補助光透過
領域及び周囲の光透過領域を通過する1次以上の回折光
と干渉し合う。一方、最外周以外の位置に位置する光透
過領域を通過する0次の回折光は、周囲の光透過領域を
通過する1次以上の回折光と干渉し合う。本発明の第2
の態様に係るハーフトーン方式位相シフトマスクにおい
ては、孤立した光透過領域の近傍に、補助光透過領域を
設ける。これによって、孤立した光透過領域を通過する
0次の回折光は、補助光透過領域を通過する1次以上の
回折光と干渉し合う。
【0032】従って、各光透過領域に基づき得られるパ
ターン像のコントラストを略一定にすることが可能にな
る。その結果、各光透過領域の周囲における光透過領域
若しくは半遮光層の配置状態に依存することなく、ほぼ
均一な大きさの光透過領域に基づくレジストパターンを
ウエハ等から成る基体上のレジストに形成することがで
きる。
【0033】補助光透過領域を補助遮光領域に置き換え
た場合、補助遮光領域とその近傍の光透過領域との間に
は位相シフト作用が働かなくなり、かかる光透過領域に
基づき得られるパターン像のコントラスト、及び位相シ
フト効果が及んでいる光透過領域に基づき得られるパタ
ーン像のコントラストを概ね等しくすることができる。
その結果、各光透過領域の周囲における光透過領域若し
くは半遮光層の配置状態に依存することなく、ほぼ均一
な大きさの光透過領域に基づくレジストパターンをウエ
ハ等から成る基体上のレジストに形成することができ
る。
【0034】
【実施例】以下、図面を参照して、実施例に基づき本発
明を説明する。
【0035】(実施例1)実施例1のハーフトーン方式
位相シフトマスクは、コンタクトホール形成用であり、
5×5の光透過領域から成る光透過領域群が形成されて
いる。その他の諸元は以下のとおりである。 光透過領域の大きさ :0.38μm 光透過領域の数 :5×5 各光透過領域の中心間距離:0.6μm 半遮光層の光強度透過率 :10%
【0036】実施例1のハーフトーン方式位相シフトマ
スクは、図1に模式的な一部平面図を、また、図2に模
式的な一部切断図を示すように、透明な基板10上に形
成された、半遮光層14、及び複数の光透過領域12
A,12B,12Cから構成された光透過領域群から成
り、半遮光層14を通過した光の位相と光透過領域を通
過した光の位相が異なる。
【0037】隣接する光透過領域12A,12B,12
Cを通過した回折光が相互に干渉し合うほど、光透過領
域群の各光透過領域12A,12B,12Cは近接して
配列されている。実施例1においては、5×5の光透過
領域12A,12B,12Cが2次元的にマトリックス
状に配列されている。尚、光透過領域12Aは光透過領
域群の中央に位置する光透過領域であり、光透過領域1
2Bは、光透過領域群の最外周の内、コーナー部に位置
する光透過領域であり、光透過領域12Cは、光透過領
域群の最外周の内、コーナー部以外の位置にある光透過
領域である。
【0038】実施例1においては、各光透過領域の中心
間の距離を0.6μmとした。このような距離にあって
は、光透過領域群の各光透過領域12A,12B,12
Cにおいては、隣接する光透過領域を通過した回折光が
相互に干渉し合う。ここで、回折光が相互に干渉し合う
とは、或る光透過領域を通過した0次の回折光と、この
光透過領域に隣接した光透過領域を通過した1次以上の
回折光が干渉することを意味する。
【0039】実施例1においては、補助光透過領域40
は、光透過領域群の最外周の内、コーナー部に位置する
光透過領域12Bの外側にそれぞれ2つずつ、合計8箇
所に設けられている。各補助光透過領域40の大きさ
は、長さ0.38μm、幅0.10μmである。補助光
透過領域40の中心から光透過領域12Bの中心までの
距離を0.60μmとした。
【0040】実施例1のハーフトーン方式位相シフトマ
スクの模式的な一部切断図を図2に示す。図2の(A)
及び(B)における参照番号10は基板、参照番号12
は光透過領域、参照番号14は半遮光層、参照番号40
は補助光透過領域である。半遮光層14の下若しくは上
には、位相シフト層20が形成されている。位相シフト
層20は、光透過領域12及び補助光透過領域40を通
過した光の位相と半遮光層14を通過した光の位相を異
ならせるための光透過物質、例えばSOGから成る。
尚、この場合、位相シフト層20の厚さを、半遮光層1
4による位相差及び各層界面における位相のずれを考慮
し、光透過領域12及び補助光透過領域40を通過した
光の位相と、半遮光層14を通過した光の位相の差が1
80度となるように決定する。あるいは又、図2の
(C)に示したハーフトーン方式位相シフトマスクは、
所謂基板掘り込み型である。基板10に凹部16を形成
することによって、光透過領域12及び補助光透過領域
40を通過した光の位相と半遮光層14を通過した光の
位相を異ならせることができる。尚、この場合、凹部1
6の深さを、半遮光層14による位相差及び各層界面に
おける位相のずれを考慮し、光透過領域12及び補助光
透過領域40を通過した光の位相と、半遮光層14を通
過した光の位相の差が180度となるように決定する。
【0041】このような実施例1のハーフトーン方式位
相シフトマスクを用いた光強度シミュレーションの結果
を図3の(A)に示す。尚、露光条件を以下のとおりと
した。 露光光の波長 :248nm(KrFレーザ
光) 露光装置の開口数(NA):0.42 コヒーレンス度(σ) :0.3 フォーカスオフセット値 :0.6μm
【0042】このシミュレーション結果から、レジスト
パターンの径(コンタクトホール径)を求めたところ、
光透過領域Aに対応するレジストパターンの径(DA
は0.304μm、光透過領域Bに対応するレジストパ
ターンの径(DB)は0.328μmとなった。尚、補
助光透過領域を設けない従来例の場合の光透過領域Bに
対応するレジストパターンの径は0.348μmであっ
た。この結果から、DB/DAの値は、 実施例1 : 1.079 従来例 : 1.145 となり、光透過領域Aに対応するレジストパターンの径
に対する光透過領域Bに対応するレジストパターンの径
の拡大は、従来例と比較して約1/2に低減できること
が判った。
【0043】従来例においては、光透過領域Bが他の光
透過領域から受ける干渉の度合と、光透過領域Aが他の
光透過領域から受ける干渉の度合の相違が大きい。その
ため、光透過領域Aに対応するレジストパターンの径に
対する光透過領域Bに対応するレジストパターンの径の
拡大が大きい。一方、本発明のハーフトーン方式位相シ
フトマスクにおいては、補助光透過領域40が存在する
ために、光透過領域Bが他の光透過領域から受ける干渉
の度合と、光透過領域Aが他の光透過領域から受ける干
渉の度合の相違が小さくなる。その結果、光透過領域A
に対応するレジストパターンの径に対する光透過領域B
に対応するレジストパターンの径の拡大を減少させるこ
とができる。
【0044】シリコン半導体基板に形成された絶縁層か
ら成る基体上にレジストを形成し、実施例1にて説明し
たコンタクトホール形成用のハーフトーン方式位相シフ
トマスクを用いてかかるレジストを露光した。その後、
レジストを現像し、レジストに形成された開口部を評価
したところ、各光透過領域の周囲における光透過領域の
配置状態に依存することなく、ほぼ同一径の開口部を形
成することができた。
【0045】(実施例2)実施例1においては、光透過
領域Aに対応するレジストパターンの径に対する光透過
領域Bに対応するレジストパターンの径の拡大は従来例
と比較して約1/2に低減できるが、未だ十分満足すべ
きものではない。また、幅が僅か0.1μmの補助光透
過領域を形成することは、ハーフトーン方式位相シフト
マスクの作製プロセス上、大きな負担である。
【0046】実施例2においては、補助光透過領域40
の大きさを、幅0.2μm、長さ0.38μmとし、光
透過領域12Bと補助光透過領域40の中心間距離を
0.6μmとした。この点を除き、実施例2のハーフト
ーン方式位相シフトマスクは、実施例1と同様である。
かかる実施例2のハーフトーン方式位相シフトマスクを
用いた光強度シミュレーションの結果を図3の(B)に
示す。尚、露光条件は実施例1と同様である。
【0047】このシミュレーション結果から、レジスト
パターンの径(コンタクトホール径)を求めたところ、
光透過領域Aに対応するレジストパターンの径(DA
は0.304μm、光透過領域Bに対応するレジストパ
ターンの径(DB)は0.317μmとなった。即ち、
B/DAの値は1.043であり、実施例1での値
(1.079)と比較して、レジストパターンの径の拡
大を一層低減できることが判った。
【0048】(実施例3) 実施例1及び実施例2においては、光透過領域と同様の
構造を有する補助光透過領域40を、光透過領域群の最
外周に位置する光透過領域のそれぞれの近傍に設けた。
これに対して、実施例3においては、補助光透過領域4
0の代わりに、補助遮光領域42を、光透過領域群の最
外周に位置する光透過領域のそれぞれの近傍に設けた。
補助遮光領域42は炭素が堆積した層から成り、光強度
透過率はほぼ0%である。実施例3においては、補助遮
光領域42は、光透過領域群の最外周の内、コーナー部
に位置する光透過領域12Bの外側にそれぞれ2つず
つ、合計8箇所に設けられている。
【0049】実施例3における補助遮光領域42の大き
さを、幅0.40μm、長さ0.50μmとし、光透過
領域12Bと補助遮光領域42の中心間距離を0.60
μmとした。この点を除き、実施例3のハーフトーン方
式位相シフトマスクは、実施例1と同様である。実施例
3のハーフトーン方式位相シフトマスクの模式的な平面
図を図5に、また、一部切断図を図6に示す。かかる実
施例3のハーフトーン方式位相シフトマスクを用いた光
強度シミュレーションの結果を図4に示す。尚、露光条
件は実施例1と同様である。
【0050】このシミュレーション結果から、レジスト
パターンの径(コンタクトホール径)を求めたところ、
光透過領域Aに対応するレジストパターンの径(DA
は0.304μm、光透過領域Bに対応するレジストパ
ターンの径(DB)は0.324μmとなった。即ち、
B/DAの値は1.066であり、実施例1及び実施例
2での値と同様に、レジストパターンの径の拡大を低減
できることが判った。
【0051】補助遮光領域42を設けることによって、
光透過領域Bは部分的に位相シフト作用を受けなくな
る。その結果、光透過領域Bに基づき形成されるパター
ン像のコントラストが低下する。かかるコントラストの
低下を、光透過領域Aが他の光透過領域から受ける干渉
の結果として生じるパターン像のコントラストの低下と
略等しくすれば、光透過領域Aに対応するレジストパタ
ーンの径に対する光透過領域Bに対応するレジストパタ
ーンの径の拡大を減少させることができる。尚、補助光
透過領域40を形成する場合と比較して、ハーフトーン
方式位相シフトマスクの作製工程は増加するが、補助光
透過領域40による現像後のレジスト膜減りという問題
は、補助遮光領域42を形成する場合には生じない。
【0052】補助遮光領域42は、例えば、圧力1.3
×10-4Pa以下に制御されたピレンガス雰囲気中で加
速電圧20KV、イオン電流120pAのGa+集束イ
オンビームを2分間走査することにより、厚さ300n
mの炭素から成る層を堆積させることによって形成する
ことができる。尚、収束イオンビームとしてGa+イオ
ンビーム以外にも、補助遮光領域を形成できるイオンビ
ームであれば如何なるイオンビームをも用いることがで
きる。また、補助遮光領域を形成するために、炭素含有
ガスとしてピレンガスを用いたが、ピレンガスに限定さ
れるものでなく、炭素を含有するガスならば如何なるガ
スをも用いることができる。更には、レーザービームあ
るいは電子ビーム等を使用してもよい。
【0053】(実施例4)実施例4は、本発明の第2の
態様に係るハーフトーン方式位相シフトマスクに関す
る。図7に模式的な一部平面図に示すように、実施例4
のハーフトーン方式位相シフトマスクは、透明な基板1
0上に形成された、半遮光層14、複数の光透過領域1
2Bから構成された光透過領域群、及び孤立した光透過
領域30から成り、半遮光層14を通過した光の位相と
光透過領域12B,30を通過した光の位相が、例えば
180度異なる。
【0054】隣接する光透過領域12Bを通過した回折
光が相互に干渉し合うほど近接して、光透過領域群の各
光透過領域12Bは配列されている。実施例4において
は、2×2の光透過領域12Bが2次元的にマトリック
ス状に配列されている。尚、これらの光透過領域12B
の全ては、光透過領域群の最外周であって且つコーナー
部に位置する光透過領域である。実施例4においては、
各光透過領域の大きさを0.38μm×0.38μmと
し、各光透過領域の中心間の距離を0.60μmとし
た。このような距離にあっては、光透過領域群の各光透
過領域12Bを通過した回折光は相互に干渉し合う。即
ち、実施例4においては、光透過領域群を構成する光透
過領域12Bは2×2のマトリックス状に配列されてい
るので、各光透過領域が他の光透過領域から受ける影響
は等しい。従って、光透過領域12Bの近傍には補助光
透過領域を設けていない。
【0055】一方、孤立した光透過領域30を通過した
回折光と光透過領域群の最外周に位置する光透過領域1
2Bを通過した回折光とが干渉しない位置に、孤立した
光透過領域30が配置されている。具体的には、最も近
接した光透過領域群中の光透過領域12B’と孤立した
光透過領域30の中心間の距離は1.5μm以上離れて
いる。ここで、孤立した光透過領域を通過した回折光と
光透過領域群の最外周に位置する光透過領域を通過した
回折光とが干渉しないとは、孤立した光透過領域30を
通過した0次の回折光と、この孤立した光透過領域30
に隣接した光透過領域12B’を通過した1次以上の回
折光が干渉し合わず、しかも、孤立した光透過領域30
を通過した1次以上の回折光と、この孤立した光透過領
域30に隣接した光透過領域12B’を通過した0次の
回折光が干渉し合わないことを意味する。
【0056】そして、孤立した光透過領域30の近傍
に、補助光透過領域40が設けられている。実施例4に
おいては、孤立した光透過領域30の大きさを0.38
μm×0.38μmとした。一方、補助光透過領域40
を大きさを、幅0.2μm、長さ0.38μmとし、孤
立した光透過領域30と補助光透過領域40の中心間距
離を0.6μmとした。補助光透過領域40は、孤立し
た光透過領域30の三方向に設けられている。実施例4
においては、光透過領域12Bに面した方向には補助光
透過領域を設けていない。
【0057】孤立した光透過領域30及び補助光透過領
域40の断面構造は、実質的には図2に示した断面構造
と同様とすることができる。
【0058】このような実施例4のハーフトーン方式位
相シフトマスクを用いてレジストにパターンを形成した
とき、実施例1で説明したと同様に、孤立した光透過領
域30の配置状態に拘らず、光透過領域群における光透
過領域12Bに基づくレジストパターンとほぼ同じ大き
さのレジストパターンを得ることができた。
【0059】(実施例5)実施例5は、実施例4の変形
であり、実施例1と実施例4の組み合わせに関する。実
施例5においては、図8に平面図を示すように、光透過
領域群が5×5の2次元的にマトリックス状に配列され
ている。更に、孤立した光透過領域30が配置されてい
る。光透過領域群を構成する光透過領域12A,12
B,12Cの配列及び大きさは、実施例1と同様とし
た。一方、実施例5においては、孤立した光透過領域3
0を通過した回折光と光透過領域群の最外周に位置する
光透過領域を通過した回折光とが干渉しない位置に、孤
立した光透過領域30が配置されている。具体的には、
最も近接した光透過領域群中の光透過領域12C’と孤
立した光透過領域30の中心間の距離は1.5μm以上
離れている。孤立した光透過領域30の大きさは、実施
例4と同様である。また、補助光透過領域40の配置及
び大きさも実施例1及び実施例4と同様とした。
【0060】このような実施例5のハーフトーン方式位
相シフトマスクを用いてレジストにパターンを形成した
とき、実施例1及び実施例4で説明したと同様に、光透
過領域の配置状態に拘らず、ほぼ同じ大きさのレジスト
パターンを得ることができた。
【0061】実施例4及び実施例5においては、補助光
透過領域40を設けたが、その代わりに、実施例3と同
様に補助遮光領域42を設けてもよい。
【0062】以下、ハーフトーン方式位相シフトマスク
の作製方法の概要を説明する。
【0063】図2の(A)に示したハーフトーン方式位
相シフトマスクを作製する工程を、図9を参照して、以
下、説明する。先ず、石英等の透明材料から成る基板1
0の表面上に、例えばSOGから成る位相シフト層20
を塗布法にて形成する。位相シフト層20の厚さを、光
透過領域12及び補助光透過領域40を通過した光の位
相と、半遮光層14を通過した光の位相の差が180度
となるように決定した。次に、位相シフト層20上に、
厚さ22nmのクロムから成る半遮光層14をスパッタ
法にて形成する(図9の(A)参照)。尚、KrFエキ
シマレーザ光(波長:248nm)を露光光として用い
た場合、かかる厚さの半遮光層14の光強度透過率は1
0%である。一般には、光強度透過率が例えば4〜20
%となるように、半遮光層14の厚さを選択する。次
に、半遮光層14の上に、例えばポジ型レジスト50を
塗布法で形成する。そして、例えば電子線描画法にて、
光透過領域及び補助光透過領域を形成すべき部分の上の
ポジ型レジスト50に電子線を照射し、ポジ型レジスト
50を現像する(図9の(B)参照)。尚、補助光透過
領域を形成すべき部分の図示は省略した。その後、塩素
及び酸素の混合ガスによるプラズマ中でクロムから成る
半遮光層14をドライエッチングし(図9の(C)参
照)、更に、四フッ化炭素及び酸素の混合ガスによるプ
ラズマ中でSOGから成る位相シフト層20のエッチン
グを行い、最後にポジ型レジスト50を除去する。こう
して、図2の(A)に示すハーフトーン方式位相シフト
マスクを作製することができる。
【0064】図2の(B)に示したハーフトーン方式位
相シフトマスクを作製する工程は、基本的には、上述の
図2の(A)に示したハーフトーン方式位相シフトマス
クの作製方法と工程順序が異なる点を除き同様とするこ
とができる。即ち、図10の(A)に示すように、先
ず、石英等の透明材料から成る基板10の表面上に、ク
ロムから成る半遮光層14をスパッタ法にて形成し、次
いで、その上に、例えばSOGから成る位相シフト層2
0を塗布法にて形成する。その後、位相シフト層20の
上に、例えばポジ型レジスト50を塗布法で形成する。
そして、例えば電子線描画法にて、光透過領域及び補助
光透過領域を形成すべき部分の上のポジ型レジスト50
に電子線を照射し、ポジ型レジスト50を現像する(図
10の(B)参照)。尚、補助光透過領域を形成すべき
部分の図示は省略した。その後、四フッ化炭素及び酸素
の混合ガスによるプラズマ中でSOGから成る位相シフ
ト層20のエッチング(図10の(C)参照)、塩素及
び酸素の混合ガスによるプラズマ中でクロムから成る半
遮光層14をドライエッチングを行い、最後にポジ型レ
ジスト50を除去する。こうして、図2の(B)に示す
ハーフトーン方式位相シフトマスクを作製することがで
きる。
【0065】図2の(C)に示した基板掘り込み型のハ
ーフトーン方式位相シフトマスクを作製する工程を、図
11を参照して、以下、説明する。先ず、石英等の透明
材料から成る基板10の表面上に、例えば厚さ22nm
のクロムから成る半遮光層14をスパッタ法にて形成す
る。次に、半遮光層14の上に、例えばポジ型レジスト
50を塗布法で形成する(図11の(A)参照)。そし
て、例えば電子線描画法にて、光透過領域及び補助光透
過領域を形成すべき部分の上のポジ型レジスト50に電
子線を照射し、ポジ型レジスト50を現像する(図11
の(B)参照)。尚、補助光透過領域を形成すべき部分
の図示は省略した。その後、塩素及び酸素の混合ガスに
よるプラズマ中でクロムから成る半遮光層14をドライ
エッチングし(図11の(C)参照)、更に、四フッ化
炭素及び酸素の混合ガスによるプラズマ中で基板10の
エッチングを行い、最後にポジ型レジスト50を除去す
る。こうして、図2の(C)に示すハーフトーン方式位
相シフトマスクを作製することができる。
【0066】以上、本発明を好ましい実施例に基づき説
明したが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。実施例にて説明した各種の数値、光透過領域の
大きさや配置・配列、位相差、補助光透過領域や補助遮
光領域の大きさや配置などは例示であり、各種のシミュ
レーションや試験を行うことによって、適宜、所望の値
あるいは適切な値に変更することができる。光透過領域
群における各光透過領域の配列はマトリックス状に限定
されず、例えば、等間隔に配列されたコンタクトホール
を形成するために、2次元的に千鳥状に交互に配列した
り、その他、適宜変更することができる。実施例1〜
3、実施例5においては、補助光透過領域40あるいは
補助遮光領域42を、光透過領域群の最外周であって且
つコーナー部に位置する光透過領域Bの近傍に設けた
が、必要に応じて、光透過領域群の最外周の内、コーナ
ー部以外の位置にある光透過領域Cの近傍に設けること
ができる。
【0067】ハーフトーン方式位相シフトマスクの作製
工程で用いた各種材料を適宜変更することができる。基
板10は、石英以外にも、通常のガラス、適宜各種成分
を添加したガラス等から構成することができる。半遮光
層14を構成する材料はクロムに限定されず、酸化クロ
ム、クロム上に積層された酸化クロム、高融点金属
(W、Mo、Be等)、タンタル、アルミニウムや、M
oSi2等の金属シリサイドなど、光を適当量遮光する
ことができる材料を用いることができる。また、位相シ
フト層20は、SOGから構成する代わりに、ポリメチ
ルメタクリレート、フッ化マグネシウム、二酸化チタ
ン、ポリイミド樹脂、二酸化珪素、酸化インジウム、S
iN、各種レジスト等、透明な材料であればよい。ポジ
型レジストの代わりにネガ型レジストを用いてもよい。
この場合、電子線描画領域はポジ型レジストの場合と逆
になる点が異なる。
【0068】
【発明の効果】本発明のハーフトーン方式位相シフトマ
スクにおいては、各光透過領域の周囲における光透過領
域若しくは半遮光層の配置状態に依存することなく、ほ
ぼ均一な大きさのパターンをウエハ等から成る基体上の
レジストに形成することができる。しかも、所定のフォ
ーカスオフセット量にてほぼ均一な大きさの微細パター
ンをウエハ等から成る基体上のレジストに形成すること
ができるので、ハーフトーン方式位相シフトマスク全体
としての焦点深度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のハーフトーン方式位相シフトマスク
の模式的な平面図である。
【図2】実施例1のハーフトーン方式位相シフトマスク
の模式的な一部切断図である。
【図3】実施例1及び実施例2のハーフトーン方式位相
シフトマスクの光強度シミュレーションの結果を示す図
である。
【図4】実施例3のハーフトーン方式位相シフトマスク
の光強度シミュレーションの結果を示す図である。
【図5】実施例3のハーフトーン方式位相シフトマスク
の模式的な平面図である。
【図6】実施例3のハーフトーン方式位相シフトマスク
の模式的な一部切断図である。
【図7】実施例4のハーフトーン方式位相シフトマスク
の模式的な平面図である。
【図8】実施例5のハーフトーン方式位相シフトマスク
の模式的な平面図である。
【図9】図2の(A)に示したハーフトーン方式位相シ
フトマスクの作製工程を説明するための図である。
【図10】図2の(B)に示したハーフトーン方式位相
シフトマスクの作製工程を説明するための図である。
【図11】図2の(C)に示したハーフトーン方式位相
シフトマスクの作製工程を説明するための図である。
【図12】従来のハーフトーン方式位相シフトマスクの
模式的な一部切断図である。
【図13】従来のハーフトーン方式位相シフトマスクの
模式的な一部平面図である。
【図14】従来のハーフトーン方式位相シフトマスクの
光強度シミュレーションの結果を示す図である。
【図15】典型的な従来のエッジ強調型位相シフトマス
クの模式的な一部切断図である。
【符号の説明】
10 基板 12,12A,12B,12C 光透過領域 14 半遮光層 20 位相シフト層 30 孤立した光透過領域 40 補助光透過領域 42 補助遮光領域

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明な基板上に形成された、半遮光層、及
    び複数の光透過領域から構成された光透過領域群から成
    り、半遮光層を通過した光の位相と光透過領域を通過し
    た光の位相が異なるハーフトーン方式位相シフトマスク
    であって、 隣接する光透過領域を通過した回折光が相互に干渉し合
    うほど、光透過領域群の各光透過領域は近接して配列さ
    れており、 光透過領域群の最外周に位置する光透過領域のそれぞれ
    の近傍に補助遮光領域が設けられており、以て、該光透
    過領域と該補助遮光領域との間に位相シフト作用が働か
    ないことを特徴とするハーフトーン方式位相シフトマス
    ク。
  2. 【請求項2】 透明な基板上に形成された、半遮光層、複
    数の光透過領域から構成された光透過領域群、及び孤立
    した光透過領域から成り、半遮光層を通過した光の位相
    と光透過領域を通過した光の位相が異なるハーフトーン
    方式位相シフトマスクであって、 隣接する光透過領域を通過した回折光が相互に干渉し合
    うほど、光透過領域群の各光透過領域は近接して配列さ
    れており、 孤立した光透過領域を通過した回折光と光透過領域群の
    最外周に位置する光透過領域を通過した回折光とが干渉
    しない位置に、孤立した光透過領域は配置されており、 孤立した光透過領域の近傍に補助遮光領域が設けられて
    おり、以て、該孤立した光透過領域と該補助遮光領域と
    の間に位相シフト作用が働かないことを特徴とするハー
    フトーン方式位相シフトマスク。
  3. 【請求項3】 光透過領域群の最外周に位置する光透過領
    域のそれぞれの近傍に、更に、補助遮光領域が設けられ
    おり、以て、該光透過領域と該補助遮光領域との間に
    位相シフト作用が働かないことを特徴とする請求項2
    記載のハーフトーン方式位相シフトマスク。
  4. 【請求項4】 補助遮光領域はカーボンから成ることを特
    徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の
    ハーフトーン方式位相シフトマスク。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記
    載されたハーフトーン方式位相シフトマスクを用いて、
    基体上に形成されたレジストを露光することを特徴とす
    るレジスト露光方法。
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