JPH07205538A - 転写フィルム - Google Patents

転写フィルム

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JPH07205538A
JPH07205538A JP1975994A JP1975994A JPH07205538A JP H07205538 A JPH07205538 A JP H07205538A JP 1975994 A JP1975994 A JP 1975994A JP 1975994 A JP1975994 A JP 1975994A JP H07205538 A JPH07205538 A JP H07205538A
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resin
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transfer film
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JP1975994A
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Hiroyuki Atake
浩之 阿竹
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形性が優れる他、寸法安定性、さらに耐熱
性、転写された絵柄の平滑性にも優れ、見当精度の良い
転写絵柄が可能な転写フィルムを提供する。 【構成】 2軸延伸倍率が縦横共に1.5〜3.5倍で
ある2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルムを基材フィル
ムとして用い、これに転写層を設けた構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形性のある転写フィ
ルムに関する。特に深絞り性能がよく、しかも安定的に
転写フィルムの成形ができ、絞りの深い立体面を有する
被転写体に絵柄等を転写するに適した転写フィルムに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、転写フィルムを用いて被転写体表
面に絵柄などを転写する方法としては、形を成した被転
写体に転写する方法と、被転写体が形を成す過程で転写
する方法とがある。前者の方法としては、例えば木質の
立体部材に対して真空積層成型法や真空プレス積層成型
法を利用して、成形性を有する転写フィルムから絵柄を
転写する方法などがある。一方、後者の方法としては、
例えばプラスチックの成形品に利用する射出成形同時絵
付転写法がよく知られている。すなわち、プラスチック
の成形品を製造する際に、射出成形と同時に絵柄を転写
する方法であり、転写フィルムを射出成形金型の中に配
置して、次いで溶融樹脂を金型内に射出し、射出時の熱
圧を利用して転写フィルムから所望の絵柄を射出樹脂の
成形品表面に、成形と同時に転写する方法である。この
場合、転写フィルムの支持体である基材フィルムとして
は、従来はポリエステルフィルムを使用するのが殆どで
あった。
【0003】特開昭57−47632号公報によれば、
立ち上がりが高く複雑な立体曲面を有するプラスチック
成形品に対する成形同時絵付転写において、基材フィル
ムとして、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、
フッソ系樹脂などのフィルム等の延伸性に優れた無延伸
フィルムが好適であるとされた。一方、実公平4−53
58号公報によれば、射出成形同時絵付転写において、
真空成形等による成形性が優れた基材フィルムとして、
それぞれ物性の異なる2種の合成樹脂フィルムを積層し
て所望の物性をもたせる。すなわち、寸法安定性、耐熱
性、成形性の3つの要求物性を満たすために、寸法安定
性と成形性を有した第1の合成樹脂フィルムと、耐熱性
と成形性を有した第2の合成樹脂フィルムとを積層した
基材フィルムとする方法である。この場合、第1の合成
樹脂フィルムとしては、塩化ビニル樹脂フィルム(特に
無可塑〜5PHRの硬質のもの)、あるいはメチルメタ
クリレート樹脂フィルム等のアクリル樹脂フィルム等が
挙げられている。一方、第2の合成樹脂フィルムとして
は、6−ナイロン、66−ナイロン等のポリアミド樹脂
フィルム、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂
フィルムなどが挙げられている。
【0004】また、一般的な延伸ポリエステルフィルム
ではなく、無延伸のポリエステルフィルムを用いれば耐
熱性は延伸物に比較して劣るが、成形性が得られる。耐
熱性が低下する点に関しては、フィルム製膜時又は製膜
後に熱硬化性樹脂からなる離型層を施することで補うも
のもあった。
【0005】以上のような各種の基材フィルムの特性に
より、転写フィルムは使い分けられてきた。すなわち、
従来のポリエステルフィルムを用いる場合の射出成形同
時絵付転写法では、基材フィルムに成型性が乏しい為、
絞りの浅いに成型品に対して用いられ、また、上記のよ
うに各種試みられている成形性を有する延伸しやすい基
材フィルムを射出成形同時絵付転写法に従前のポリエス
テルフィルムと同様に用いる場合には、そのままで同様
な方法で用いる以外に、その成形性をさらに生かすべ
く、キャビィティ金型とコア金型間に転写フィルムを配
置した状態で転写フィルムをヒーター等の加熱手段で余
熱して、予めキャビィティ金型を利用して真空成型をし
た後に型締をし、次いで樹脂を射出することで、絞りの
深い成型品への対応が行われてきた。
【0006】ここで、前記した寸法安定性、耐熱性、成
形性の3物性の必要性について射出成形同時絵付転写の
場合を例に説明する。寸法安定性とは転写フィルムを構
成する転写層の支持体である基材フィルムに絵柄などか
らなる転写層を印刷形成する際に、基材フィルムの伸縮
が少ないことを意味する。なぜなら、印刷した絵柄等の
インキの乾燥温度としては通常少なくとも70℃、最大
では120℃程度の温度条件下に基材フィルムがおか
れ、伸縮が大きいと多色印刷の場合に見当ズレが起きる
ためである。特に長尺連続状の転写フィルムを印刷作成
する場合には、基材フィルムの長手方向に通常は張力が
加えられてるために、乾燥加熱下では伸びやすくなって
いる。ちなみに見当ズレは通常0.1mm以下が望まれ
る。図を参照して説明すれば、図1で1は転写フィルム
であり、転写フィルム1には、転写層として転写される
べき絵柄3が、転写時に用いる見当マーク2とともに設
けられている。図2は、このような転写フィルムを多色
印刷で作成する時の見当ズレを概念的に示したものであ
る。図2は「D」なる文字を、例えば一色目の印刷柄3
1と二色目の印刷柄32とを示す図2(a)の状態か
ら、それらが本来は重なって印刷されるべきものが、上
下の矢印で示す印刷の流れ方向にズレて印刷形成された
状態を図2(b)で示したものである。
【0007】また、耐熱性とは、上記乾燥温度に耐えう
る寸法安定性を確保する意味と、転写フィルムから絵柄
転写時の熱圧条件に耐えうる耐熱性とを意味する。すな
わち、射出成形においては転写フィルム表面は射出樹脂
の熱を受け、通常100℃以上の温度下におかれる。こ
の熱によって、転写フィルムの基材フィルムに変形や、
ふくれなどが発生すると、転写層が溶融したり、あるい
は成形体上に転写される模様が歪んだり、皺が入ったり
するためである。
【0008】また、成形性とは、射出成形に先立つ転写
フィルムの真空成形等による予備成形、あるいは射出樹
脂自身の熱圧により転写フィルムが成型型となる金型面
に沿うようにある程度変形し得る性能を意味する。通
常、前者の予備成形の成形温度は100℃以上である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来か
ら絞りの深い形状への絵付転写法に用いる転写フィルム
には、基材フィルムを各種工夫することで、所望の物性
をバラスン良く満足する転写フィルムとする試みが成さ
れてきた。しかしながら、成形性を有する基材フィルム
として、複数の合成樹脂フィルムを積層した複合フィル
ムの場合では、確かにそれを構成する合成樹脂フィルム
の長所を兼ね備えたフィルムが得られ、従来不可能であ
った転写ができる点は評価できるが、その製造には積層
工程が必要なために製造が複雑となりコスト的な問題が
あり、その適用には一定の限界があった。また、一種類
のフィルムを用いるもの、例えば、塩化ビニルフィルム
の場合には、フィルム表面のブツ等により平滑性が悪く
転写された絵柄表面の平滑性が悪い他、フィルム自身の
耐熱性も不十分で、射出成形時の溶融樹脂の熱によって
溶融して絵柄が流れてしまうという問題があった。ま
た、未延伸のフィルム、例えばポリアミド樹脂フィルム
等では、フィルム表面がTダイ溶融押出しのままのた
め、平滑性が悪いという問題があった。これは、当該フ
ィルムを積層した複合フィルムにおいても、印刷面側に
積層される場合には、やはり寸法安定性、耐熱性、成形
性という3点の問題は解決したとしても、平滑性の問題
により、それが目立つ用途には使えなかった。一方、樹
脂成分内容を変更することで結晶性を落として2軸延伸
処理をした成形性ポリエステルフィルムでは、成形性、
耐熱性、平滑性は良いが、絵柄印刷時の乾燥加熱に対す
る、いわゆる寸法安定性が悪く、印刷精度が要求される
絵柄には使用できないという問題があった。
【0010】そこで、本発明者らは鋭意研究の結果、寸
法安定性、耐熱性、成形性、さらに平滑性にも優れた基
材フィルムから成る転写フィルムを提供すること目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の転写フィルム
は、上記課題を解決し目的を達成するために、2軸延伸
の延伸倍率が、縦横共に1.5〜3.5倍である2軸延
伸ポリエステル系樹脂フィルムを用いた基材フィルムの
片面に、転写層を設けた構成とした。
【0012】以下、図面に従って本発明を詳述する。図
10は本発明の転写フィルムの基本構成を示す縦断面図
である。本発明の転写フィルム1は、少なくとも基材フ
ィルム2と転写層3とから構成される。本発明の転写フ
ィルム1は、基材フィルム2として特定の延伸倍率のポ
リエステル系樹脂フィルムを用いる点に特徴がある。こ
のようなう延伸フィルムとして用いられうるポリエステ
ル系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重
合体、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系
樹脂が挙げられる。これらの中でも一般的なのはポリエ
チレンテレフタレート樹脂である。
【0013】これらのポリエステル系樹脂からなる基材
フィルムは、通常は公知の2軸延伸装置によって4倍以
上の延伸倍率で縦方向及び横方向に2軸延伸されるが、
本発明の転写フィルムに用いる基材フィルムには縦横と
も、1.5〜3.5倍、好ましくは2〜3倍に延伸する
ことで優れた性能を発揮する。延伸倍率が小さすぎると
成形性はより良くなるが、成膜時の装置上の点でコスト
高となる。逆に、延伸倍率が大きすぎると成形性が低下
する。また、基材フィルム2の厚さは、その使用材料に
応じて寸法安定性、耐熱性、成形性、並びに機械的強
度、コスト等より適宜選択すれば良く、一般には例え
ば、5〜〜200μm程度、好ましくは25 〜50μ
mの範囲である。
【0014】なお、転写フィルムとは一旦離型性基材に
形成した絵柄層等よりなる転写層を、別の被転写体に転
移させる印刷方法に用いる材料である。この離型性基材
として上述の基材フィルム2をそのまま用いる場合もあ
るが、基材フィルムに離型性がない場合には、必要に応
じて基材フィルムに離型層が設けられる。一方、転写層
としては、絵柄層以外に金属蒸着層等の装飾層、剥離
層、接着剤層等もあり得、必要に応じてこれらの層の1
種以上選択するものである。図11は、このような本発
明の転写フィルムの別の一実施例の層構成として、基材
フィルム側から、基材フィルム2、離型層21、剥離層
31、絵柄層32、接着層33からなる構成を示す。こ
の構成では、基材フィルムに離型性を付与する離型層2
1を、転写層3に被転写体との接着性を付与する接着層
33を、また離型層21との剥離性を付与し、転写後の
表面保護をする剥離層31が、それぞれの機能毎に設け
られている。例えば、絵柄層32自身に被転写体との接
着性があれば接着層33は省略でき、その他、離型層、
剥離層等が省略できる場合には、図10に示す基材フィ
ルム2と転写層3のみ構成で、且つ転写層3は絵柄層3
2のみの場合もありうる。
【0015】また、ここで離型層21とは転写後も基材
フィルム側2に残留し、転写層3との剥離を容易にする
層を、また剥離層31とは転写後は被転写体側に転移
し、転写層3の表面保護層となる層をいう。剥離は、離
型層21及び剥離層31がある場合には、離型層21と
剥離層31との間で、離型層21及び剥離層31がない
場合には基材フィルム2と転写層3との間、あるいは絵
柄層32との間等で行われる。
【0016】本発明の転写フィルムの特徴は基材フィル
ムに特定のものを用いる点にあり、その他の例えば離型
層、剥離層、絵柄層、接着層等の構成要素については、
従来公知の材料、技術を使える。ちなみに、主だった層
について説明すれば、離型層21は、公知の材料、方法
によって形成すればよい。例えば、フッ素系樹脂、各種
ワックス、シリコーン等の離型剤を公知のビヒクル、例
えばアクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ビニル系樹脂
等に添加した塗料の塗膜を形成したり、あるいは、離型
性の樹脂、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン、メラミ
ン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、電離放射線硬化性の
多官能のアクリレート、ポリエステル、エポキシ等の樹
脂を塗工、エクストルージョンコート等で成膜したもの
を用いる。
【0017】また、剥離層31は、公知の材料、方法に
よって形成すればよい。剥離層としては、基材フィルム
又は基材フィルム上に設けられた離型層21と剥離性を
有し、且つ転写終了後は転写層の表面保護層として所望
の物性を有する樹脂組成を選定する。特に、表面の耐擦
傷性、耐薬品性、耐汚染性を要する場合には熱硬化性樹
脂、又は電離放射線硬化性樹脂が通常よく用いられる。
また、このような剥離層の膜厚も所望の物性等により適
宜選定するが、通常は0.1〜10μmである。
【0018】絵柄層32は、公知のインキ及び印刷方法
によって形成すればよい。すなわち、ビヒクルとして、
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等
の中から、用途、要求物性、印刷適性等により適宜選択
した樹脂を溶剤に溶解して、これに、顔料、染料等の着
色剤、必要に応じて体質顔料、安定剤、可塑剤、硬化
剤、触媒等の添加剤を適宜加えたものをインキとして使
用する。ビヒクルとして使用する熱可塑性樹脂として
は、例えば、エチルセルロース、硝酸セルロース、酢酸
セルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、セル
ロースアセテートプロピオネート等のセルロース誘導
体、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン等のスチ
レン樹脂又はスチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、
ポリアクリル酸ブチル等のアクリル樹脂、ポリ塩ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体、ロジン、
ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹
脂、重合ロジン、ロジンエステル等のロジン誘導体、ク
マロン樹脂、ビニルトルエン樹脂、ポリアミド樹脂等の
天然又は合成樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂
としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリ
ルフタレート樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不
飽和ポリエステル系樹脂、ポリウタレン系樹脂、エポキ
シ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合
樹脂、ポリシロキサン樹脂、ケイ素樹脂等が挙げられ
る。これらに、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の
硬化剤、重合促進剤を併用する。また、電離放射線硬化
性樹脂としては、ウレタンアクリレート、エポキシアク
リレート、アクリルアクリレート等の多官能性オリゴマ
ー等と重合性の単官能モノマー、多官能モノマー等によ
って得られる樹脂が用いられる。
【0019】以上のようにして、本発明の転写フィルム
が得られる。本発明の転写フィルムは、成形性、耐熱
性、その上特に寸法安定性、表面平滑性をバランス良く
具備した基材フィルムよりなるために、優れた転写適性
を発揮するものである。
【0020】次に、上述した本発明の転写フィルムを用
いた転写方法として、射出成形同時絵付転写法の一例を
実際に説明することで、その優れた性能をさらに具体的
に詳述する。
【0021】図3は、射出成形同時絵付転写法の第1工
程の位置合せ工程を示す図であり、4は射出成形用の金
型のキャビィティ金型を、41はそのキャビィティ面、
1は本発明の転写フィルム、7は図1にて示した見当マ
ーク2を利用して転写フィルムを所定の位置に合わせる
ための見当センサである。図3では転写フィルム1は、
連続帯状で図示はしない供給装置から図面で上方から下
方に向けて基材フィルム側をキャビィティ金型4側に面
して、キャビィティ金型4のパーティング面に沿うよう
に供給され、見当マーク2を見当センサ7が読み取っ
て、所定の位置に配置され、第1工程である位置合わせ
が完了す。
【0022】図4は、次ぎなる第2工程の加熱工程を示
す図である。転写フィルム1は、転写フィルムに沿っ
て、且つ非接触で一時的に配置されるヒーター6によっ
て、加熱され、第2工程である、加熱が行われる。
【0023】図5は、次ぎなる第3工程の予備成形を示
す図である。キャビィティ金型4のキャビィティ面41
には、図示はしない真空源と連結した真空成形用の通気
孔が設けられている。所定の温度まで転写フィルム1が
ヒーター6によって加熱されると、キャビィティ面41
を真空成形型として真空成形が行われ、第3工程である
予備成形が完了する。その後、ヒーター6は不要とな
り、後の型締めの邪魔になるので金型間から待避する。
なお、ここでの真空成形は、図5でも概念的に図示して
いるように、転写フィルム1はキャビィティ面41に完
全に沿って成形される方が望ましいが、必ずしもその必
要はない。後の射出成形時にも樹脂の熱圧によってもキ
ャビィティ面41に押し当てられ成形されるからであ
る。しかし、この段階で、あまりにも転写フィルムの成
形が悪いと所望の絞りの深い被転写体への転写は不可能
となる。この予備成形工程は、本発明の転写フィルムは
成形性に優れている為に、省略することもできる場合も
ある。しかし、本工程の実施にて、より絞りの深い成形
品についても絵付転写が可能となる。また、本発明の転
写フィルムの成形性を最大限に生かす工程でもある。
【0024】図6は、次ぎなる第4工程の型締工程を示
す図である。この工程では、図面で右方向からコア金型
5が移動してきて、転写フィルム1を挟んでキャビィテ
ィ金型4と密接して型締めが行われる。なお、この段階
及び後の型開までは、通常、真空圧により転写フィルム
1は、キャビィティ面41に押しつけられている。
【0025】図7は、次ぎなる第5工程の成形工程を示
す図である。金型内部に溶融樹脂が流入し射出成形され
る。この時、溶融樹脂の熱圧により、先の予備成形時に
未完了であった転写フィルムの成形部分もキャビィティ
面41に沿うように成形される。ただし、従来の転写フ
ィルムの様に成形性が悪いと、未完了の部分の転写フィ
ルムは破断することがある。また、溶融樹脂の熱により
転写フィルムの転写層、あるいは転写層を構成する接着
層が軟化あるいは溶融して被転写体を形成する樹脂と接
着する。一方、転写フィルムを構成する基材フィルムに
耐熱性がないと、溶融樹脂の高温により基材フィルムが
軟化、溶融、流動等を起こして、転写層が保持する絵柄
等の本来の形状維持が困難となる。
【0026】図8は、次ぎなる第6工程の型開工程を示
す図である。キャビィティ金型4からコア金型5が離れ
る。この際、図示はしない公知の突き出しピン等によっ
て、成形品8をコア金型5から離脱させる。転写フィル
ムは先の予備成形工程からキャビィティ面41に真空圧
により押し当てられているので、転写フィルムを構成す
る基材フィルム及必要に応じて設けた離型層は、キャビ
ィティ金型4側に残留し、転写層のみが成形品8側に転
移する。こうして、転写フィルムによって絵付された成
形品が射出成形と同時に得られる。
【0027】以上のようにして、本発明の転写フィルム
を用いれば、射出成形同時絵付転写法は、その方法本来
のより優れた性能を有効に発揮し、印刷精度の良く、且
つ絞りの深い複雑な形状の成形品に対しても絵付が可能
となるものである。
【0028】なお、本発明の転写フィルムの用途は、上
記した絵付転写法に限定されるものではない。例えば、
上記した予備成形工程を省略すること、すなわちいわゆ
るインモールド成形転写に対しても適用出来ることは既
に述べたが、予備成形工程において、転写フィルムにヒ
ーターを直接接触させて加熱させる方法であっもよい。
また、絵付転写を射出成形と同時に行う方法の用途以外
にも、既に形を成した被転写体に対する絵付法として、
真空プレス積層成形法や真空積層成形法等に対しても有
効に使用しうる。
【0029】
【作用】以上説明したように本発明の転写フィルムによ
れば、基材フィルムとして、結晶性ポリエステル樹脂を
用い、しかも延伸倍率を特定の範囲に規定した2軸延伸
ポリエステル系樹脂フィルムを基材フィルムとして用い
るので、成形性と、寸法安定性、耐熱性及び平滑性を両
立したバランスの良い優れた性能を発揮する。この結
果、本発明の転写フィルムを用いた、各種の絵付転写方
法では、その方法を問わず印刷精度の良い絵柄が得ら
れ、また絞りの深い被転写体に対して転写絵付が行え
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を具
体的に説明する。
【0031】§試験に用いた基材フィルム 以下の、A,B,Cの3種類の基材フィルムを試験に用
いた。Aは、本発明の転写フィルム用として、B及びC
は比較例用である。 A:2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム B:2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム C:成形用ポリエステル系樹脂フィルム(結晶化防止の
ためのポリマー配合) それぞれの基材フィルムの物性を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】上記の、A,B,Cの三種類の基材フィル
ムにそれぞれにアクリル・メラミン樹脂を塗布硬化させ
て乾燥時塗布量0.3g/m2の離型層とした。
【0034】§転写層の形成 離型層を施した、上記A,B,Cの三種類の基材フィル
ムそれぞれに、下記の剥離層、絵柄層、接着層から構成
される転写層を順次、印刷法により形成し、それぞれ転
写フィルムA,B,Cとした。なお、各層の乾燥時塗布
量は、剥離層が1g/m2(1色刷り)、絵柄層は5色刷り
の総量で1.8g/m2、接着層は1g/m2(1色刷り)であ
る。印刷は、グラビア印刷法によりこれらを7色刷で一
度に行い、各ユニットの乾燥温度は塗布量等により調整
し、80〜120℃の温風で行った。また、絵柄は文字
を含むもので各色の見当合わせを行った。なお、Cの基
材フィルムの場合は、この印刷時点で印刷時にフィルム
に加えるテンションによりフィルムが伸びて文字の印刷
位置がずれ、見当ズレが発生してしまった。1.剥離層形成用インキ アクリル系樹脂を溶剤としてメチルエチルケトン/トル
エン=1/1に溶解したインキ。2.絵柄層形成用インキ アクリル系樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体との
混合樹脂をメチルエチルケトン/トルエン=1/1の溶
剤に溶解したビヒクルに着色剤及びその他添加剤を添加
したインキ。3.接着層形成用インキ アクリル−スチレン共重合体を溶剤としてメチルエチル
ケトン/トルエン=1/1に溶解したインキ。
【0035】§インモールド成形転写の条件 大きさが、縦100mm、横150mm、深さ12mmので、
ほぼ楕円形をした洗濯機の操作パネルの成形品を、ポリ
スチレン樹脂を用い、金型温度50℃、射出温度230
℃で成形転写を行った。見当合せ工程として、転写フィ
ルムの絵柄の外側部に印刷形成した見当マークを、見当
センサで読取って転写フィルムを金型に対して所定の位
置に位置決めを行った。なお、転写フィルムの印刷面、
すなわち転写層側がコア金型側にくるように転写フィル
ムを配置した。次いで型締を行い、ポリスチレン樹脂を
射出した。なお、転写フィルムは型締の際にコア面との
接触により、ある程度延ばされ、さらに射出された樹脂
の熱圧によりキャビィティ面に沿うように成形された。
【0036】§インモールド成形転写の結果 A,B,Cの各3種類の転写フィルムの性能は次の通り
となった。 A:文字の見当も精度良く合い、成形も良好で、絵柄及
び転写共に良好な転写成形品が得られた。 B:転写フィルムの伸びが足りず、コーナー部で転写フ
ィルムが破断してしまう箇所が発生した。 C:転写フィルムが射出樹脂の熱により軟化し過すぎる
ので、コーナー部でシワがよってしまっている箇所が発
生し、さらに印刷時の見当ズレも発生した。 なお、溶融樹脂で基材フィルムが流動化して絵柄が流れ
たりする現象、及び、成形品に転写された転写層の表面
に凹凸が発生したりする現象は、どの転写フィルムでも
認められず、耐熱性及び平滑性は十分であった。
【0037】§射出成形同時絵付転写の結果 同じく、上記のA,B,Cの3種類の転写フィルムを使
用して、より絞りの深い形状の成形品への成形転写を試
験した。成形品の形状は、大きさが、縦100mm、横1
50mmで、深さを25mmとしたほぼ楕円形である。深絞
りに対応するために、図4に例示したような板状のヒー
ターを用いた予備成形工程を追加した。
【0038】予備成形工程を終えた時点では、A,B,
Cの各転写フィルムとも完全にキャビィティ面には沿っ
ていないが、C>A>Bの順で成形性は良かった。図9
は、この予備成形を行った後の状態を示したものであ
り、42は、キャビィティ金型4のキャビィティ面41
に対して転写フィルム1が接触した部分の大きさを示す
ものであり、接触した部分42をコア金型側から見た状
態を転写フイルム毎に比較したものである。本発明の転
写フィルムAは、コーナー全体が浮いているが、中心部
はキャビィティ面41に接触し、全面積の8割り程度が
接触した。転写フィルムBは、中心部のみ接触し、全面
積の6割程度の接触度合いであった。転写フィルムC
は、コーナーの一部(特に90度に近い四角部)が5mm
程度浮いているのみで、全面積の9割程度が接触した。
【0039】予備成形を行った後、型締して樹脂を射出
成形して、絵付転写がされた成形品を得た。その結果、
本発明の転写フィルムAでは、良好な転写が行われた。
また、転写フィルムBでは、コーナー部で転写フィルム
が破断した。一方、成形性ポリエステルフィルムを用い
た転写フィルムCは、転写は良好であったが、前記した
如く印刷見当ズレのある絵柄であった。なお、溶融樹脂
で基材フィルムが流動化して絵柄が流れたりする現象、
及び、成形品に転写された転写層の表面に凹凸が発生し
たりする現象は、どの転写フィルムでも認められず、耐
熱性及び平滑性は十分であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の転写フィルムは、以上説明した
ように延伸倍率を特定の範囲に規定した2軸延伸ポリエ
ステル系樹脂フィルムを基材フィルムとして用いている
為に、成形性に優れる上、寸法安定性、耐熱性、平滑性
も両立したすぐれた性能を発揮す。このため、絞り深い
被転写体への絵付ができ、しかも得られる絵柄の見当精
度及び表面平滑性も良好なものが得られるという顕著な
作用効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写フィルムの一例を示す平面図
【図2】印刷時の見当ズレを説明する概念図
【図3】本発明の転写フィルムの一用途である射出成形
同時絵付転写法の第1工程図(位置合せ)
【図4】同第2工程図(加熱)
【図5】同第3工程図(予備成形)
【図6】同第4工程図(型締)
【図7】同第5工程図(成形)
【図8】同第6工程図(型開)
【図9】予備成形工程時の転写フィルム別の成形性能差
を示す図
【図10】本発明の転写フィルムの層構成の基本構成を
示す縦断面図
【図11】本発明の転写フィルムの一実施例の層構成を
示す縦断面図
【符号の説明】
1 転写フィルム 2 基材フィルム 21 離型層 3 転写層 31 剥離層 32 絵柄層 33 接着層 4 キャビィティ金型 41 キャビィティ面 42 予備成形後に転写フィルムがキャビィティ面に接
触した部分 5 コア金型 6 ヒーター 7 見当センサ 8 成形品(被転写体)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2軸延伸の延伸倍率が、縦横共に1.5
    〜3.5倍である2軸延伸ポリエステル系樹脂フィルム
    を用いた基材フィルムの片面に、転写層を設けたことを
    特徴とする転写フィルム。
JP1975994A 1994-01-21 1994-01-21 転写フィルム Withdrawn JPH07205538A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005051660A1 (ja) * 2003-11-28 2005-06-09 Dai Nippon Printing Co., Ltd. 加飾シート、加飾樹脂成形品及びその製造方法
JP2009220408A (ja) * 2008-03-17 2009-10-01 Dainippon Printing Co Ltd インモールド用転写箔、及びそれを用いた成形品
JP2012071425A (ja) * 2010-09-27 2012-04-12 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 転写印刷用積層体
JP2015196246A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 大日本印刷株式会社 剥離基材付き柄印刷積層体の製造方法及び柄印刷積層体の製造方法、並びに剥離基材付き柄印刷積層体、柄印刷積層体及び中間積層体

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