JPH0720500A - Mim型非線形素子とその製造方法 - Google Patents

Mim型非線形素子とその製造方法

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JPH0720500A
JPH0720500A JP16575093A JP16575093A JPH0720500A JP H0720500 A JPH0720500 A JP H0720500A JP 16575093 A JP16575093 A JP 16575093A JP 16575093 A JP16575093 A JP 16575093A JP H0720500 A JPH0720500 A JP H0720500A
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voltage
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mim type
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Takashi Inoue
孝 井上
Takashi Inami
隆志 居波
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Abstract

(57)【要約】 【目的】MIM型非線形素子の第一の金属膜をなすタン
タル膜に種類の異なる元素を添加することで、より液晶
駆動に適した電気特性にすることを目的とする。 【構成】第一の金属膜をなすタンタル膜に、酸化すると
酸化タンタル膜よりも伝導度が低くくなる元素と高くな
る元素をおのおの1種類以上添加するか、または、価数
が4価以下の元素と6価以上の元素をおのおの1種類以
上添加することで、電圧−電流特性の電圧印加時の電流
値の変化をなくし急峻性を大きくし、素子容量を小さく
することで、きれいな液晶表示素子ができるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はMIM型非線形素子に関
し、特にそのMIM型非線形素子は液晶を駆動すること
に適した電圧−電流特性にする事に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アクティブマトリクス方式の液
晶表示装置においては、画素領域ごとに非線形素子を設
けてマトリクスアレイを形成した一方側の基板と、カラ
ーフィルタが形成された他方側の基板との間に液晶を充
填しておき、各画素領域ごとの液晶の配向状態を制御し
て、所定の情報を表示する。ここで、非線形素子として
薄膜トランジスタ(TFT)などの3端子素子または金
属−絶縁体−金属(MIM)型非線形素子などの2端子
素子を用いるが、液晶表示素子に対する画面の大型化お
よび低コスト化などの要求に対応するにはMIM型非線
形素子を用いた方式が製造工程が短いために有利であ
る。しかも、MIM型非線形素子を用いた場合には、マ
トリクスアレイを形成した一方側の基板に走査線を設
け、他方側の基板には信号線を設けることができるの
で、3端子素子の不良の大きな原因となっている走査線
と信号線のクロスオーバー短絡が発生しないというメリ
ットもある。
【0003】このようなMIM型非線形素子を用いたア
クティブマトリクス方式の液晶表示パネルにおいては、
図3に示すように、各画素領域3で各走査線31と各信
号線32との間にMIM型非線形素子1(図中、バリス
タの符号で示す。)と液晶表示素子2(図中、コンデン
サの符号で示す。)が直列接続された構成として表さ
れ、走査線31および信号線32に印加された信号に基
づいて、液晶表示素子2を表示状態および非表示状態あ
るいはその中間状態に切り換えて表示動作を制御する。
【0004】図4(a)の41で示すように、MIM型
非線形素子1において、印加電圧VNLと電流INLとは非
線形性の関係を有している。MIM型非線形素子1のし
きい値電圧をVth、液晶表示素子2のしきい値電圧をV
b、表示状態となる電位を(Vb+△V)とすると、図4
(b)に示すように選択期間では、所定の画素領域3に
おける走査線31と信号線32との間の電位差V(単位
画素への印加電圧)を(Vb+Vth)とすることによっ
て、液晶表示素子2を非表示状態とする事ができ、走査
線31と信号線32との間の電位差Vを(Vb+Vth
△V)とすることによって、液晶表示素子2を表示状態
とする事ができる。一方、非選択期間では単位画素に印
加する電位Vを、液晶表示素子2に残留した電位に対し
て概ね近接する様に設定しその差がVth以下であれば、
非選択期間内でMIM型非線形素子1は常に遮断状態と
なり、選択期間に定められた状態をそのまま維持する事
になる。
【0005】以上は、容量が十分小さく、電圧−電流特
性の非線形性が十分高い理想的なMIM型非線形素子1
を得る事ができた場合の最も基本的な動作例である。こ
のような素子として、特開平2−93433に示されて
いるように第一の金属膜をなすTa膜中にシリコンを1
0原子%以下添加し、該膜を陽極酸化してなる酸化タン
タル膜中にシリコンを含ませて作製したMIM型非線形
素子1があげられる。このようなMIM型非線形素子の
一般的な構造を断面図の図1(b)を用いて述べる。M
IM型非線形素子1は、透明基板11の表面側に形成さ
れ、走査線31を介して走査回路側に導電接続するTa
原子を主成分とした第一の金属膜12と、その表面側の
金属酸化膜13と、その表面側に形成されて画素電極1
5に導電接続するCrからなる第二の金属膜14とから
構成されている。金属酸化膜13は、Ta膜の表面に膜
厚が均一で、しかもピンホールがない状態で形成される
ように、第一の金属膜12に対する陽極酸化によって形
成される。
【0006】この構造を実現する一般的なプロセス例は
以下のようになる。
【0007】1.ガラス基板上に、Ta膜をスパッタリ
ングで堆積し、熱酸化をすることで、約1000ÅのT
25膜を形成する工程と、 2.次に、図2(a)に示すように、コスパッタリング
法や電子ビーム蒸着法でTa原子を主成分としTa原子
以外の不純物原子を含んだ第一の金属膜を約5000Å
堆積し、パターニングする工程と、 3.次に、図2(b)に示すように、例えばクエン酸の
希薄水溶液を化成液とし30Vで陽極酸化し、第一の金
属膜の表面側に酸化膜を形成する工程と、 4.次に、図2(b)の状態の基板を真空中で400〜
600℃の温度で1〜2時間熱処理する工程と、 5.次に、図2(c)に示すように、第二の金属膜とな
るCr膜を1500Å程スパッタリング法で堆積し、パ
ターニングする工程と、 6.次に、図2(d)に示すように、画素電極となる透
明導電膜の1つであるITO膜をスパッタリング法で約
2000Å堆積し、パターニングする工程から従来はな
っていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、MIM
型非線形素子1を用いた液晶表示パネルにおいては、従
来より静止画像などを表示した後に残像が発生しやすい
という問題点があった。その原因として、本発明ではマ
トリクスアレイの各構成要素と表示性能との関係を調査
した結果、その原因がMIM型非線形素子1を構成する
金属酸化膜13を構成する元素と関連があることを確認
した。
【0009】すなわち、MIM型非線形素子1におい
て、印加電圧VNLと電流INLとの関係が、初期状態にお
いて図4(a)の41で示す関係であったものが、電圧
を印加すると経時的に42または43で示すようにシフ
トしてしまうためである。印加電圧VNLと電流INLの関
係が経時的にシフトした場合には、例えば、表示状態か
ら非表示状態に切り換えるために、走査線31と信号線
32との電位差Vを(Vb+Vth+△V)から(Vb+V
th)に切り換えても、MIM型非線形素子1を導通状態
から遮断状態に切換,制御することができなくなって、
残像などを発生させてしまう。また、逆の表示動作の場
合も同様である。
【0010】さらに、電圧−電流特性の急峻性が小さ
く、素子容量が大きいために階調表示をきれいに出せな
いという問題点があるが、第一の金属膜にシリコンを添
加するとこの問題は解決されることが特開平2−934
33に示されている。しかし、このMIM型非線形素子
では、電圧を印加し続けると電流値が変化していくとい
う性質がさらに顕著になる。そこで、電圧印加時の電流
値が変化する現象を目立たなくするために、非常に複雑
な駆動法(印加電圧波形)が使用されてはいるが、十分
な画像を得るには至っていない。
【0011】
【課題を解決するための手段】基板の表面に形成した第
一の金属膜−絶縁膜−第二の金属膜(MIM)型非線形
素子において、該絶縁膜をタンタル酸化物を主成分と
し、酸化されるとタンタル酸化膜よりも電気伝導度が高
くなる元素と低くなる元素とが各々1種類以上含まれて
いる、または、タンタル酸化物を主成分とし価数が4価
以下である元素と6価以上の元素とがおのおの1種類以
上含まれるようにすることで、MIM型非線形素子の電
圧−電流特性の非線形性を十分高くしかつ電圧印加時に
おける電流値の変化がほとんどないようにできる。絶縁
膜にこれらの元素を添加する方法は、第一の金属膜を該
元素を含んだタンタル膜とし、該第一の金属膜を陽極酸
化するとよい。
【0012】酸化されるとタンタル酸化膜よりも電気伝
導度が低い元素または4価以下の元素はアルミニウム,
シリコンなどで、酸化されると電気伝導度が高い元素ま
たは6価以上の元素はタングステン,クロム,鉄,モリ
ブデン,レニウムなどである。
【0013】
【実施例】以下、本発明について、実施例に基づき詳細
に説明する。
【0014】図1には、本発明の液晶表示素子を用いた
アクティブマトリクスの上面図であるa図とAA´線上
の断面図であるb図を示す。MIM型非線形素子1は、
第一の金属膜からなる走査線12と第二の金属膜14と
の交点部分に作られており、画素電極は16で示してあ
る。11はガラスや石英などの透明基板であり、11a
はスパッタリング法で堆積したタンタル(Ta)膜をす
べて熱酸化してあるいはスパッタ法で堆積したタンタル
酸化膜(TaOX)であり、12はタンタル膜を主成分
とし、酸化されるとタンタル酸化膜よりも電気伝導度が
高くなる元素と低くなる元素が各々1種類以上含まれて
いるか、または、4価以下の価数を持つ元素と6価以上
の価数を持つ元素を各々1種類以上含んだ金属膜であ
る。次に、金属膜12を陽極酸化することによって、金
属膜12に含まれる元素を含んだ金属酸化膜13が形成
される。14は第二の金属膜でその種類はどのようなプ
ロセスを採用するかで決定される。
【0015】図2には、図1の構造を実現するためのプ
ロセスを示す。本発明では、従来のプロセス自体は変え
ずにプロセス条件のみを変えることが可能なので、従来
技術の説明と同じ図を使用する。本発明でのプロセス条
件の変更点は、第一の金属膜の成分を変える事である。
【0016】図2(a)は、表面にTaOX膜が形成さ
れた基板の表面側に第一の金属膜12を堆積しパターニ
ングしたところである。基板の表面にTaOX膜を堆積
するのは、熱処理によって第一の金属膜が基板から剥が
れることを防止するためと、第一の金属膜をエッチング
した際に金属膜と基板の間にエッチング液が浸入して該
金属膜の上に膜を形成したときに断線を生じさせるオー
バーハング形状を引き起こすことを防止するためであ
る。第一の金属膜は、アルミニウム,シリコンなど酸化
膜になるとタンタル酸化膜よりも伝導度が低くなる元素
または価数が4価以下の元素と、タングステン,クロ
ム,鉄,マンガン,レニウムなどの酸化膜になるとタン
タル酸化膜よりも伝導度が高くなる元素または価数が6
価以上の元素とを各々1種類以上含んだタンタル膜にす
る。
【0017】次に、図2(b)のように、第一の金属膜
の表面を酸化して金属酸化膜13を堆積する。金属酸化
膜13の堆積方法は、熱酸化法,陽極酸化法などがあ
る。膜厚,膜質の基板内均一性を確保し,欠陥を少なく
するためには、金属酸化膜13は陽極酸化法で堆積する
のが好ましい。また、陽極酸化処理は、第一の金属膜中
に含まれる元素は、ほぼその組成比に応じて金属酸化膜
13に取り込まれるので、金属酸化膜13の組成制御が
たやすくできる。つまり、金属酸化膜13の組成は、目
的の組成に応じたターゲットをスパッタすることで得ら
れるからである。ここで、該金属酸化膜13を用いたM
IM型非線形素子の電圧−電流特性が、例えば液晶を駆
動するのに適したものとなるように前記の元素をタンタ
ル膜中に添加しているのである。タンタル膜中に含まれ
る前記元素の量は適用する表示素子の規格によって決め
られる。金属酸化膜13を堆積後、300から500℃
の熱処理をして金属酸化膜13の焼成を行う。
【0018】次に、図2(c)のように、第二の金属膜
を堆積して任意の形状に加工し、最後に図2(d)のよ
うに画素電極となるITO膜を堆積し任意の形状に加工
して、液晶を駆動するMIM型非線形素子が完成する。
【0019】酸化すると酸化タンタル膜よりも伝導度が
低くなるか、または、価数が4価以下の元素の1つであ
るシリコンと、酸化すると酸化タンタル膜よりも伝導度
が高くなるか、または、価数が6価以上の元素の1つで
あるタングステンを金属酸化膜中に混入した場合のMI
M型非線形素子の電圧−電流特性について図5を用いて
説明する。なお、図5に示した関係はMIM型非線形素
子の容量を一定にしたもので、素子面積は2×10-11
2である。
【0020】例えば、第一の金属膜が他の元素を含んで
いないタンタル膜の場合51のような特性であるのが、
第一の金属膜12にシリコン原子を20原子%程度混入
させると金属酸化膜13がシリコンを含んだ酸化タンタ
ル膜になるために、52のように51よりも急峻な電圧
−電流特性になるが、初期特性は図4の41であったも
のが、例えば10V10分間の電圧をMIM型非線形素
子に印加すると43のように、タンタル膜よりも素子の
電圧印加による安定性が劣化するという現象が生じる。
また、第一の金属膜12に他の元素が含まれていないタ
ンタル膜の場合は電圧を印加し続けると電流値が変動す
るために、液晶表示素子にすると画面の残像が目立つと
いう欠点があったが、第一の金属膜12にタングステン
を混入すると、金属酸化膜13にタングステンが混入さ
れるために53のように電圧−電流特性は少し悪くなる
が、MIM型非線形素子への電圧印加時の電流値の変化
がなくなり、シリコン添加の場合と全く相反する効果が
得られる。第一の金属膜12にシリコンとタングステン
を混入して作製したMIM型非線形素子の電圧−電流特
性を54に示すが、急峻性はシリコンだけを添加した場
合と変わらず、電圧印加時の電流値は変化せずに液晶表
示素子の駆動素子としては最適な特性が得られた。
【0021】ちなみに、特開平2−93433にある記
述では、タングステンを単独で第一の金属膜をなすタン
タル中に添加すると、電圧−電流特性の急峻性が大きく
なり、素子容量CMIMが小さくなると記述されている
が、われわれの検討ではそのような効果はみられず、逆
に電圧−電流特性の急峻性はかなり小さくなり素子容量
は大きくなるという結果が得られている。
【0022】電圧−電流特性の急峻性が向上すると、例
えば液晶表示素子の駆動にどのような効果がもたらされ
るかを説明する。マルチプレクス駆動では、選択期間に
単位画素を充電する電圧の差によって表示状態を変調す
るが、信号線上では他の走査線に同期させて書き込むべ
きデータ電位が絶えず(1水平期間周期で)上下してお
り、既に選択を終えた単位画素にも選択された画素の印
加電圧の変化である外乱量として印加される。つまり、
変調の可能なダイナミックレンジと非選択時に単位画素
に加わってしまう電圧とは少なくとも正の相関関係にあ
り、十分なコントラストの表示を得ようとすれば非選択
期間に単位画素に加わる電圧を小さくする事はできない
ことになる。
【0023】急峻性が小さい場合、十分な選択期間の電
流値を保つならば非選択期間の電流値も大きくなってし
まい、非選択期間に加わる電圧によって保持すべき液晶
層の電荷がMIM型非線形素子を通じて流出する。逆に
この電荷を保持するために変調の電圧幅を十分にとらな
い場合には、表示画素においてコントラストを上げられ
ないということになる。更に、電荷流出量が他の部分の
表示画像によって異なるためにクロストークが発生す
る。これらに加え急峻性が小さいということは、選択期
間において特に配線遅延などによって印加電圧波形が変
わった場合、液晶層に加わる電圧が大きく変わる原因に
なる。以上のように、急峻性を大きくすると前記の悪影
響が現れなくなるので、きれいな液晶表示素子を提供で
きる。
【0024】さらに、急峻性が大きくなると、利用でき
る液晶の選択の範囲が広がる。つまり、上述したことか
ら液晶に印加できる実効値電圧の範囲を広くとることが
できる。図6は、直列につながれている液晶とMIM型
非線形素子とに印加した電圧と液晶にかかる実効値電圧
との関係を、図5の電圧−電流特性を用いて計算したも
のである。61は本発明で得られた54の関係を用いて
計算し、62は51の関係を用いて計算した。62では
液晶に印加される実効値電圧の範囲が3.5〜6.5V
と3Vしかなかったのに、61では3〜9Vと6Vも変
えられることになる。
【0025】このように液晶に印加できる実効値電圧範
囲を高くしかも広くできると、例えば高分子分散型液晶
にみられる図7の71に示すような高電圧印加時でも透
過率が徐々に大きくなる電圧−透過率曲線を持つ液晶に
対しても、その性能を十分に引きだした利用ができる。
【0026】第一の金属膜をなすタンタル膜にシリコン
とタングステンを添加すると、MIM型非線形素子の容
量(CMIM)が低下するがこの効果について説明する。
単位画素に印加される電圧(Vap)は、CMIMと液晶層
の容量(Clc)とで分割されることになるが、CMIM
値が大きくなるにつれて、Vapの変化分のうちMIM型
非線形素子に加わる割合が小さくなっていく。つまり、
選択期間開始時と終了時に液晶層電圧の引き上げられる
量と押し下げられる量(いわゆるフィールドスルー電
圧)が増加する。特に選択期間終了時のフィールドスル
ー電圧量は、液晶電圧自体を低下させると共にフィール
ドスルー電圧量が信号の変調度によって異なるため表示
画像のダイナミックレンジも低下させることになる。具
体的には、信号電圧或いはその変調される電圧幅が同じ
であっても、CMIMが大きい場合には表示画像として十
分なコントラストが得られなくなるという現象である。
【0027】更に、CMIMは非選択期間においても液晶
層電圧に大きな影響を与える。信号線上では、他の走査
線に同期させて書き込むべきデータ電位が絶えず(1水
平期間周期で)上下しており、既に選択を終えた単位画
素にもVapの変化である外乱量として印加される。上述
の様に、CMIMが大きければそれだけVap変化分の内液
晶層に加わる電圧が大きくなり、保持されるはずの液晶
層が外乱を受けるわけであるが、この外乱の量が表示画
像によって違う事、それがクロストークという表示装置
には致命的な欠陥を誘起する。実際の画像では、表示パ
ターンが薄く尾を引く現象として現れる。
【0028】クロストークに対しては、充電時間による
表示状態のパルス幅変調などを行う事によって外乱量を
均一化(表示画像に依らない)しようという試みもなさ
れているが現在のところ十分な効果を得るに至ってはい
ない。詳述はしないが、配線遅延によるタイミングのず
れ,画像の空間周波数の増加,パターンの偶奇数などが
原因である。つまり外乱量自体を減少させるしか根本的
な解決策はないのである。
【0029】MIM型非線形素子の電圧−電流特性が電
圧印加によって変化した場合、液晶表示素子にどのよう
な影響を与えるのか説明する。図4(b)に示すよう
に、動作初期段階では、走査線31と信号線32との間
の電位差Vを(Vb+Vth)とすることによって液晶表
示状態3を非表示状態に、電位差Vを(Vb+Vth+△
V)とすることによって液晶表示素子3を表示状態に制
御できていたものが、MIM型非線形素子1の印加電圧
NLと電流INLが使用履歴によってシフトするので、液
晶表示パネルの配向状態が動作初期とは同じように変化
しなくなる。それ故、液晶表示パネルに残像などが発生
し、その表示品質が低下するなどの問題が生じてしま
う。残像現象は液晶表示素子を見にくくするばかりでな
く、コントラストの低下やカラー表示の場合は色の純度
の低下を招く事になる。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、MIM型非線形素子の絶
縁膜をタンタル酸化物を主成分とし酸化されると酸化タ
ンタルよりも伝導度が高い元素と低い元素とをおのおの
1種類以上添加すること、または、価数が4価以下の元
素と6価以上の元素とをおのおの1種類以上添加するこ
とによって、電圧−電流特性の電圧印加時の電流変化を
解消し、かつ電圧−電流特性の急峻性が大きいMIM型
非線形素子を得る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】a図 本発明のMIM型非線形素子の上面図。
b図 本発面のMIM型非線形素子の断面図。
【図2】本発面のMIM型非線形素子の製造工程を示す
断面図。
【図3】アクティブマトリクス方式の液晶表示装置の等
価回路図。
【図4】a図 従来のMIM型非線形素子の印加電圧と
電流値の関係を示す図。b図 液晶表示素子の単位画素
への印加電圧と明るさの関係を示す図。
【図5】MIM型非線形素子の印加電圧と電流値の関係
を表す図。
【図6】MIM型非線形素子と液晶への印加電圧と液晶
に印加される電圧の関係を表す図。
【図7】液晶への印加電圧と光の透過率の関係を表す
図。
【符号の説明】
1 MIM型非線形素子 2 液晶表示素子 3 画素領域 11 透明基板 11a TaOX膜 12 第一の金属膜 13 金属酸化膜 14 第二の金属膜 15 画素電極 31 走査線 32 信号線 41 初期電圧−電流特性 42,43 電圧印加後の電圧−電流特性 51 第一の金属膜がタンタル膜の電圧−電
流特性 52 第一の金属膜がシリコン原子を含んだ
タンタル膜の電圧−電流特性 53 第一の金属膜がタングステン原子を含
んだタンタル膜の電圧−電流特性 54 第一の金属膜がシリコン原子とタング
ステン原子を含んだタンタル膜の電圧−電流特性 61 従来のMIM型非線形素子を用いた場
合の印加電圧と液晶に印加される電圧の関係 62 本発明のMIM型非線形素子を用いた
場合の印加電圧と液晶に印加される電圧の関係 71 印加電圧を高くしてもあまり透過率が
変化しない液晶の印加電圧と透過率の関係 72 TN液晶の印加電圧と透過率の関係

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板の表面に形成した第一の金属膜−絶縁
    膜−第二の金属膜(MIM)型非線形素子において、 該絶縁膜はタンタル酸化物を主成分とし、酸化されると
    タンタル酸化膜よりも電気伝導度が高くなる元素と低く
    なる元素とが各々1種類以上含まれている、または、タ
    ンタル酸化物を主成分とし価数が4価以下である元素と
    6価以上の元素とがおのおの1種類以上含まれているこ
    とを特徴とするMIM型非線形素子。
  2. 【請求項2】前記絶縁膜に添加する元素がシリコン,タ
    ングステンであることを特徴とする請求項1記載のMI
    M型非線形素子。
  3. 【請求項3】前記第一の金属膜をタンタルと、酸化され
    るとタンタル酸化膜よりも電気伝導度が高くなる元素と
    低くなる元素とが各々1種類以上含まれている、また
    は、タンタル酸化物を主成分とし価数が4価以下である
    元素と6価以上の元素とがおのおの1種類以上含まれて
    いる合金膜とし、該第一の金属膜を陽極酸化して該絶縁
    膜を形成することを特徴とするMIM型非線形素子の製
    造方法。
JP16575093A 1993-07-05 1993-07-05 Mim型非線形素子とその製造方法 Pending JPH0720500A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5949507A (en) * 1995-11-28 1999-09-07 Sharp Kabushiki Kaisha Active matrix substrate and liquid crystal display apparatus having electrical continuity across contact holes, and method for producing the same

Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5949507A (en) * 1995-11-28 1999-09-07 Sharp Kabushiki Kaisha Active matrix substrate and liquid crystal display apparatus having electrical continuity across contact holes, and method for producing the same
US6424399B1 (en) 1995-11-28 2002-07-23 Sharp Kabushiki Kaisha Active matrix substrate and liquid crystal display apparatus having electrical continuity across contact holes, and method for producing the same

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