JP2734428B2 - 液晶装置及びその製造方法 - Google Patents

液晶装置及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非線形素子を備え
た液晶装置及びその製造方法に関し、特に、その非線形
素子のスイッチング動作の安定化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリクス方式の液晶装置に
おいては、画素領域毎にアクティブ素子を設けてマトリ
ックスアレイを形成した一方側の基板と、カラーフィル
タが形成された他方側の基板との間に液晶を充填してお
き、各画素領域毎の液晶の配向状態を制御して、所定の
情報を表示する。ここで、アクティブ素子として、TF
Tなどの3端子素子、あるいは2端子素子を用いるが、
液晶装置に対する画面の大型化および低コスト化などの
要求に対応するには、2端子素子を用いた方式が有利で
ある。しかも、2端子素子を用いた場合には、マトリッ
クスアレイを形成した一方側の基板に走査線を設け、他
方側の基板にデータ線を設けることができるので、走査
線とデータ線とのクロスオーバー短絡が発生しないとい
うメリットもある。
【0003】このような2端子素子を用いたアクティブ
マトリクス方式の液晶装置においては、図2に示すよう
に、各画素領域1aで各走査線11と各データ線12と
の間に非線形素子2(図中、バリスタの符号で示す。)
と液晶表示素子3(図中、コンデンサの符号で示す。)
が直列接続された構成として表され、走査線11および
データ線12に印加された信号に基づいて、液晶表示素
子3を選択状態(表示状態)および非選択状態(非表示
状態)に切り換えて表示動作を制御する。すなわち、図
3(a)に実線31で示すように、非線形素子2におい
て、印加電圧VNLと電流INLとは非線形性の関係を有し
ているため、非線形素子2のスレッショルド電圧を
th、液晶表示素子3が非表示状態となる電位をVa
表示状態となる電位を(Va +ΔV)として、図3
(b)に示すように、所定の画素領域1aにおける走査
線11とデータ線12との間の電位差V(単位画素への
印加電圧)を(Va +Vth)とすることによって、非線
形素子2を遮断状態として、液晶表示素子3を非選択状
態とする一方、走査線11とデータ線12との間の電位
差Vを(Va +Vth+ΔV)とすることによって、非線
形素子2を導通状態として、液晶表示素子3を選択状態
とする。
【0004】この非線形素子2は、図5に示すように、
透明基板51の表面側に形成されて、走査線11を介し
て走査回路(駆動回路)側に導電接続するTa電極層5
2と、その表面側のTa2 5 膜53と、その表面側に
形成されたITOからなる画素電極54とから構成され
たダイーオード型の非線形素子50である。ここで、T
2 5 膜53は、Ta電極層52の表面に膜厚さが均
一で、しかもピンホールがない状態で形成されるよう
に、Ta電極層52に対する陽極酸化によって形成さ
れ、その陽極酸化用の電解液としては、クエン酸の水溶
液が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、非線形
素子50を用いた液晶装置においては、従来より、静止
画像などを表示した後に残像が発生しやすく、表示性能
が低いという問題点があった。その原因は、マトリック
スアレイの各構成要素と表示性能との関係を調査した結
果、非線形素子50の電流−電圧特性が経時的に変化し
てしまうためであることが判った。
【0006】すなわち、非線形素子50において、印加
電圧VNLと電流INLとの関係が、初期状態において図3
(a)に実線31で示す関係であったものが、経時的
に、破線32または一点鎖線33で示すようにシフトし
てしまうためである。ここで、印加電圧VNLと電流INL
との関係がシフトした場合には、たとえば、表示状態か
ら非表示状態に切り換えるため、走査線11とデータ線
12との電位差Vを(Va +Vth+ΔV)から(Va
th)に切り換えても、非線形素子50を導通状態から
遮断状態に切換、制御することができなくなって、残像
などを発生させてしまう。また、逆の表示動作の場合も
同様である。
【0007】このような問題点を解消するために、従来
の陽極酸化条件のうち、陽極酸化における電流密度や液
温度を変えて、さらには他の有機酸を用いてTa2 5
膜を形成し、各非線形素子における電流−電圧特性の経
時的安定性を検討したが、いずれのTa2 5 膜におい
ても、その安定性を向上させるには至らなかった。
【0008】そこで以上の問題点に鑑みて、本発明の課
題は、2端子非線形素子を用いたコストメリットを確保
しながら、その電流−電圧特性が経時的に安定な非線形
素子を備えた液晶装置及びその製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、一対の基板間に液晶が挟持され、一方の
前記基板上には第1導電層−絶縁層−第2導電層型の非
線形素子が形成されてなる液晶装置において、前記絶縁
層は前記第1導電層の陽極酸化膜であり、前記陽極酸化
膜中には五族元素を組成に含むドーピング材が含まれて
なることを特徴とする。ここで、前記五族元素としては
リンを採用することができる。
【0010】更に、本発明は、一対の基板間に液晶が挟
持され、一方の前記基板上には第1導電層−絶縁層−第
2導電層型の非線形素子が形成されてなる液晶装置の製
造方法であって、前記第1導電層を陽極酸化して前記絶
縁層を形成する工程において、五族元素を組成に含むア
ニオン種を配合した電解液を用いることを特徴とする。
ここで、前記五族元素はリンを用いることができ、特
に、電解液としては、オルトリン酸水溶液を用いると良
い。
【0011】
【作用】本発明の上記構成によれば、図3に示す非線形
素子の電流−電圧特性が従来のように経時的にシフトし
てしまうことがなく、表示品質の持続を図ることができ
る。これは、非線形素子の陽極酸化工程においてドープ
するリンなどの五族元素を組成に含むリン酸アニオンな
どのドーピング材が、陽極酸化膜の粒界の安定化、結晶
性などに影響を及ぼしているためであると推定できる。
【0012】また、本発明の製造方法では、陽極酸化膜
中へのドープが陽極酸化工程で同時並行処理されるの
で、新たな工程の追加が無く、2端子非線形素子を用い
たコストメリットを損なうことがない。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
【0014】図1は、本発明に係る液晶装置の非線形素
子の一例を示す断面図である。なお、この図に示された
非線形素子を用いた液晶装置の動作原理は、従来のもの
と同様であるため、その動作特性などについては図2お
よび図3を参照して説明する。
【0015】図2に示すように、マトリックスアレイの
画素領域1a毎に、走査線11を介した走査回路(駆動
回路)側に導電接続する非線形素子2が設けられてい
る。ここで、非線形素子2は、図1に示すように、Ta
電極層22(第1の導電層)と、このTa電極層22の
表面に陽極酸化により形成されたTa2 5 膜23(陽
極酸化膜)と、ITOからなる画素電極24に導電接続
するCr電極層25(第2の導電層)とから構成されて
いる。ここで、Ta2 5 膜23の内部には、五族元素
を組成に含むドーピング材としてリン酸アニオンがドー
ピングされている。このため、本例の非線形素子20に
おいては、詳しくは実験結果に基づいて後述するが、電
流−電圧特性が初期状態において図3(a)に実線31
で示す関係であったものが、たとえば、静止画を表示す
るために長時間電圧が印加された後でも、実線31の関
係を保持し、図3(a)に破線32または一点鎖線33
で示す関係にシフトすることがない。
【0016】そして、その安定性は極めて高い。それ
故、走査線11およびデータ線12に対してそれぞれ印
加された信号に基づいて走査線11とデータ線12との
間に発生させた電位差によって、液晶表示素子3を選択
状態と非選択遮断状態との間で確実に切り換えて表示動
作を制御することができる。すなわち、図3(b)に示
すように、走査線11とデータ線12との間の電位差V
を(Vb +Vth)とすることによって、非線形素子20
を遮断状態として、液晶表示素子3を非表示状態(非選
択状態)とする一方、走査線11とデータ線12との間
の電位差Vを(Vb+Vth+ΔV)とすることによっ
て、非線形素子20を導通状態として、液晶表示素子3
を表示状態(選択状態)とするときに、非線形素子20
の電流−電圧特性が極めてシフトし難いので、走査線1
1およびデータ線12からの信号の変化に追従して、液
晶装置の液晶の配向状態が変化する。それ故、液晶装置
に残像などの発生がなく、その表示品質が高い。
【0017】このような構成の液晶装置の製造方法を、
以下に説明する。
【0018】まず、予めTa酸化物層21aなどを形成
した透明基板21の表面側にTa層をスパッタ形成した
後、Ta層をパターニングしてTa電極層22を形成す
る。
【0019】このTa電極層22は、走査回路まで延長
されて走査線11も構成している。
【0020】つぎに、Ta電極層22に陽極酸化を施し
て、その表面層をTa2 5 膜23とする。ここで、陽
極酸化用電解液として、オルトリン酸の水溶液を用い
る。まず、陽極酸化用電解液の中に、Ta電極層22を
形成した透明基板21を浸漬し、定電流定電圧電源の電
流値を、初期電流密度が0.1mA/cm2 となるよう
に設定して、定電流条件下で陽極酸化を行う。このとき
の定電流定電圧電源の設定電圧は、所定の膜厚に対応し
た電圧値、通常は30〜40Vに設定してある。
【0021】ここで、定電流条件下で約15分間、陽極
酸化を行うと、Ta2 5 膜の成長にともなって電源電
圧が上昇していき、電源電圧が設定電圧に達した後は、
定電圧陽極酸化過程となって、漏れ電流が減衰してい
く。この状態で、約2時間保持して、Ta電極層22の
表面上に厚さが500ÅのTa2 5 膜23を形成す
る。
【0022】なお、陽極酸化用電解液の液温度は常温で
ある。
【0023】しかる後に、Ta2 5 膜23の表面上に
Crをスパッタ形成、およびパターニングしてCr電極
層25を形成し、Ta電極層22,Ta2 5 膜23お
よびCr電極層25からなる非線形素子20を構成す
る。ここで、画素電極24については、図1に示すよう
に、Cr電極層25の下層側に形成する場合は、Cr電
極層25の形成工程の前に形成しておくが、画素電極2
4を形成する工程の工程順序は、各電極材料と、それを
エッチングするエッチャント種との関係などによって任
意に設定される。
【0024】このような陽極酸化工程により形成された
非線形素子20においては、陽極酸化用電解液中にオル
トリン酸がアニオン種として配合されているため、陽極
酸化過程において、Ta2 5 の成長と共に、オルトリ
ン酸アニオンがTa2 5 膜23の内部に侵入してい
く。この侵入過程は、オルトリン酸アニオンのイオン半
径がクエン酸アニオンなどに比較して小さいことに因る
ものと想定できる。また、その侵入は、Ta2 5 膜2
3の粒界の安定化、または結晶性などに影響を及ぼして
いるものと推定できる。このため、Ta2 5 膜23を
改質するために、イオン注入などのプロセスを用いなく
とも、Ta2 5 膜23の形成工程を援用して、リン酸
アニオンのドーピングを行なえる。従って、工程数が増
えることがないので、液晶装置のマトリックスアレイに
非線形素子20を用いたコストメリットが犠牲になるこ
とがない。
【0025】ここで、陽極酸化条件のうち、陽極酸化用
電解液の液組成(オルトリン酸濃度)を変化させて、非
線形素子の電流−電圧特性を検討した結果を説明する。
【0026】非線形素子における印加電圧と電流との関
係は、一般に下式で表される。 I=αVexp(β・V1/2 ) 但し、式中、αは導電係数、βは非線形係数であり、下
式で表される。 α=(nμq/d)exp(−φ/kT) β=(1/kT)(q3 /πε1 ε0 d)1/2 但し、式中、n:キャリア密度,μ:キャリヤの移動
度,q:電子の電荷量 d:膜厚,φ:トラップ深さ,k:ボルツマン定数,
T:周囲温度 ε1 ,ε0 :誘電率 従って、log(I/V)をV1/2 に対してプロットす
ると、図4(a)に実線41で示すように略直線で表さ
れる。本例における検討においては、ある所定の電流が
流れるときの印加電圧VNLの経時的な変化を見ることに
より、電流−電圧特性の安定性を評価した。VNLとし
て、100mA/cm2 の電流が流れるときの印加電圧
値VNL1 、10μA/cm2 の電流が流れるときの印加
電圧値VNL 2 を採用した。前述したように、従来の非線
形素子においては、所定の電流値に対応する印加電圧値
NLが経時的に変化してしまい、表示品質を低下させる
原因となっていた。すなわち、従来の非線形素子におい
て、電位を印加した時間とVNLの変化ΔVNLとは、図4
(b)に実線42で示すような関係であった。表示品質
を向上させるためには、ΔVNLの値が小さな方が好まし
い。
【0027】以下に、H3 PO4 ・H2 Oで表される8
5wt%のオルトリン酸に対して、所定量の水を添加し
て種々の陽極酸化用電解液を調製し、そのオルトリン酸
濃度を変えて、非線形素子20の電流−電圧特性の安定
性を検討した結果を説明する。
【0028】(陽極酸化用電解液組成と初期のVNLとの
関係)まず、陽極用電解液の組成として〔H3 PO4
2 O〕/〔H3 PO4 ・H2 O+H2 O〕vol%の
値を変えて、非線形素子20を形成し、陽極酸化用電解
液の組成と、各非線形素子20の初期におけるVNL1
たはVNL2 との関係を表1に示す。なお、表1には、T
a電極層22をCr電極層25に対して正の電位とした
場合と、Ta電極層22をTa電極層22に対して負の
電位とした場合のそれぞれについて、陽極酸化用電解液
の組成と、VNL1 ,VNL2 との関係を示す。
【0029】
【表1】
【0030】表1に示すように、陽極用電解液中のH3
PO4 濃度を高めていくと、それにつれて、VNL1 およ
びVNL2 はいずれも低下していく傾向を示す。この傾向
は、電位をいずれの方向から印加しても同様である。従
って、本例の非線形素子20においては、同じ電流を流
すのに低電圧で充分であることを利用して、以下のよう
に表示動作を向上させることもできる。たとえば、本例
のTa2 5 膜23においては、その膜厚を従来のクエ
ン酸水溶液中で形成したTa2 5 膜の膜厚と同じにし
ても、VNL1 およびVNL2 の値が小さいので、駆動電圧
の低電圧化が図られることを示す。逆に、本例の非線形
素子20のVNL1 およびVNL2 の値を、従来の非線形素
子のVNL1 およびVNL2 の値と同じにした場合には、T
2 5膜23の膜厚を例えば1000Å位まで厚くで
きる。従って、ミクロ的なピンホールの発生を防止でき
ると共に、このTa2 5 膜23の容量成分を小さくす
ることができるので、表示の点欠陥やクロストークなど
を防止でき、初期的な表示の品質を向上させることがで
きる。
【0031】(陽極酸化用電解液組成とVNLがシフトし
た値との関係)つぎに、上記の検討に用いた非線形素子
20について、VNL2 の経時変化について調査した。こ
の検討においては、まず、初期のVNL2 を計測した後、
6VDCを300秒間印加し続けた後のVNL2 を計測し
て、両者の差ΔVNL2 を求め、その大小を比較した。こ
の検討において得られた陽極用電解液におけるH3 PO
4 濃度としての〔H3 PO4 ・H2 O〕/〔H3 PO4
・H2 O+H2 O〕vol%と、ΔVNL2 との関係を表
2に示す。なお、表2においても、Ta電極層22をC
r電極層25に対して正の電位とした場合、Ta電極層
22をCr電極層25に対して負の電位とした場合のそ
れぞれについて示す。
【0032】
【表2】
【0033】表2に示すように、陽極用電解液中のH3
PO4 濃度を高めていくと、それにつれて、ΔVNL2
低下していく。この傾向は、電位をいずれの方向から印
加しても同様である。
【0034】このように、本例の液晶表示パネルにおい
ては、マトリックスアレイを構成する非線形素子20の
Ta2 5 膜23の形成にあたって、その陽極酸化用電
解液にオルトリン酸の水溶液を用いることによって、V
NLの経時的なシフトを抑制して、そのスイッチング動作
の安定化を図ることができる。従って、走査線11とデ
ータ線12との間に生じる電位差Vの変化に対し、液晶
装置に用いた液晶の配向状態の変化が追従する。その結
果、液晶装置において、固定パターンを長期間表示させ
ても、残像、フリッカーなどの発生がなく、品質の高い
表示が可能である。
【0035】ここで、オルトリン酸アニオンがTa2
5 膜23の内部に侵入していくプロセスについては、ク
エン酸アニオンに比較して、オルトリン酸アニオンのイ
オン半径が小さいことに起因して、電位勾配に従って酸
化膜内部に侵入していくと想定できる。また、侵入した
リンまたはオルトリン酸アニオンの効果についても、繰
り返し行った実験の結果から導き出されたものであるた
め、そのメカニズムは解明されるに至っていないが、た
とえばTa2 5 膜23の粒界の安定化との関係、また
はTa2 5 膜23の結晶化との関係に影響しているも
のとも考えられる。従って、ドーピング材、すなわち陽
極酸化用電解液に配合して効果を得られるアニオンとし
ては、オルトリン酸アニオンに限らず、砒素酸アニオ
ン,アンチモン酸アニオンまたはビスマス酸アニオンな
どであってもよいと想定できる。また、これらのアニオ
ン種を単独で用いてもよいが、複数のアニオン種を同時
に用いてもよいし、アンモニアなど、他の成分と共に陽
極酸化用電解液に配合しておいてもよい。
【0036】なお、本例において、リン酸系陽極酸化用
電解液の組成とVNLの関係は、表2に示した関係に限ら
ず、そのときの電流密度や液温度などによって変化す
る。従って、表2では、〔H3 PO4 ・H2 O〕/〔H
3 PO4 ・H2 O+H2 O〕vol%が約0.215v
ol%以上、とくに約1.0vol%以上で顕著な効果
が得られているが、陽極酸化時の電流密度を高めた場合
などにおいては、さらにその効果を発揮する領域が拡大
される傾向がある。従って、組成の濃度的な条件につい
ては、その電流密度や液温度などによって最適な条件に
設定される。
【0037】また、本例において、第2の導電層にはク
ロム層を利用したが、これに限らず、チタン層やアルミ
ニウム層なども利用でき、限定のないものである。
【0038】さらに、第1の導電層にはタンタル層を利
用したが、これに限らず、陽極酸化処理を利用して絶縁
層を形成でき、しかも、非線型素子を形成可能な導電体
であれば他の導電体であってもよい。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の液晶装置
は、第1導電層−絶縁層−第2導電層型の非線形素子の
絶縁層が第1導電層の陽極酸化膜であり、この陽極酸化
膜中に五族元素を組成に含むドーピング材が含ませてな
ることにより、電流−電圧特性が経時的に安定であり、
表示性能が高いという効果を有するものである。また、
低電圧駆動が可能となるので、陽極酸化膜の膜厚の拡大
を図ることができ、ミクロ的なピンホールの発生の防止
や、容量成分の低減による表示の点欠陥,クロストーク
などの防止に寄与する。
【0040】更に、本発明の液晶装置の製造方法によれ
ば、この第1導電層を陽極酸化して絶縁層を形成する工
程において、五族元素を組成に含むアニオン種を配合し
た電解液を用いることにより、陽極酸化膜中に五族元素
を組成に含むドーピング材を含ませることが可能とな
り、電流−電圧特性の経時的安定性が格段に向上して表
示性能が高い液晶装置を提供することができる。また、
陽極酸化膜中へのドーピングが陽極酸化工程で同時並行
処理されるので、新たな工程の追加が無く、2端子非線
形素子を用いたコストメリットを損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非線形素子の構造を示す断面図で
ある。
【図2】アクティブマトリックス方式の液晶装置の等価
回路図である。
【図3】(a)は液晶装置のマトリックスアレイを構成
する非線形素子の電流−電圧特性を示すグラフ図、
(b)は単位画素への印加電圧と表示の明るさとの関係
を示すグラフ図である。
【図4】(a)は液晶装置のマトリックスアレイを構成
する非線形素子の電流−電圧特性として、V1/2 に対し
てlog(I/V)をプロットしたグラフ図、(b)は
非線形素子に対して電位を印加した時間と、そのVNL
シフトした値ΔVNLとの関係を示すグラフ図である。
【図5】従来のダイオード型の非線形素子の断面図であ
る。
【符号の説明】
1・・・液晶装置 1a・・・画素領域 2・・・非線形素子 3・・・液晶表示素子 11・・・走査線 12・・・データ線 20・・・非線形素子 21,51・・・透明基板 22,52・・・Ta電極層(第1の導電層) 23,53・・・Ta2 5 膜(陽極酸化膜) 24,54・・・画素電極 25・・・Cr電極層(第2の導電層) 50・・・ダイオード型の非線形素子

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の基板間に液晶が挟持され、一方の
    前記基板上には第1導電層−絶縁層−第2導電層型の非
    線形素子が形成されてなる液晶装置において、 前記絶縁層は前記第1導電層の陽極酸化膜であり、前記
    陽極酸化膜中には五族元素を組成に含むドーピング材が
    含まれてなることを特徴とする液晶装置。
  2. 【請求項2】 前記五族元素はリンであることを特徴と
    する請求項1記載の液晶装置。
  3. 【請求項3】 一対の基板間に液晶が挟持され、一方の
    前記基板上には第1導電層−絶縁層−第2導電層型の非
    線形素子が形成されてなる液晶装置の製造方法であっ
    て、 前記第1導電層を陽極酸化して前記絶縁層を形成する工
    程において、五族元素を組成に含むアニオン種を配合し
    た電解液を用いることを特徴とする液晶装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記五族元素はリンであることを特徴と
    する請求項3記載の液晶装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記電解液は、オルトリン酸水溶液であ
    ることを特徴とする請求項3記載の液晶装置の製造方
    法。
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