JPH07204509A - 不飽和アルコールの製造方法 - Google Patents

不飽和アルコールの製造方法

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JPH07204509A
JPH07204509A JP6004739A JP473994A JPH07204509A JP H07204509 A JPH07204509 A JP H07204509A JP 6004739 A JP6004739 A JP 6004739A JP 473994 A JP473994 A JP 473994A JP H07204509 A JPH07204509 A JP H07204509A
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JP
Japan
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catalyst
alcohol
unsaturated
reaction
present
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JP6004739A
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Yoshihisa Watanabe
芳久 渡辺
Michihiko Kurashige
充彦 倉重
Teruyo Unno
照代 海野
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不飽和アルデヒドを出発原料とし、アルコー
ルからの水素移動反応により炭素−炭素二重結合を残し
たまま、選択的にアルデヒド基のみを水素化し、対応す
るα,β−不飽和アルコールを製造する方法の提供。 【構成】 ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジ
ム、サマリウムおよびホルミウムの各元素からなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の元素とコバルトを、それぞ
れ酸化物の形態で含有する触媒を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な触媒の存在下で
不飽和アルデヒドを水素化し、相当する不飽和アルコー
ルを製造する方法に関する。さらに詳しくは、本発明
は、特定の金属酸化物を活性成分とする触媒の存在下、
不飽和アルデヒドを出発原料とし、アルコールからの水
素移動反応により炭素−炭素二重結合を残したまま、選
択的にアルデヒド基のみを水素化し対応するα,β−不
飽和アルコールを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と課題】不飽和アルデヒドは同一分子内に
官能基として炭素−炭素二重結合とカルボニル基の両者
を有しているが、一方の官能基のみを選択的に還元する
ことは極めて困難である。特に、二重結合とカルボニル
基とが共役関係にあるα,β−不飽和カルボニル化合物
の場合は、カルボニル基よりもアルケニル基が水素化さ
れ易いために飽和アルデヒド及び飽和アルコールを副生
し、またその他に縮合反応等により多種類の副生成物が
存在するなど、その選択的水素化はより一段と困難であ
る。
【0003】アクロレインなどのα,β−不飽和アルデ
ヒドの不飽和結合を残したまま、アルデヒド基を選択的
に水素化し、α,β−不飽和アルコールを高収率で製造
する方法としては、従来から多くの試みがなされてい
る。直接的な水素化方法としても、古くは白金族の貴金
属を触媒とする方法(W.F.Tuley, R.Adams,J.Am.Chem.S
oc. 47 3061(1925))などもあるが、比較的高収率が得
られる触媒としては、銅−カドミウム(米国特許第2,76
3,696号明細書)、または銀−亜鉛(特開昭47−13
010号公報)、銀−カドミウム(特開昭53−185
06号公報)を主成分とする触媒を使用する方法および
その改良法(特開平1−159054号公報、特開平1
−1207041号公報)など数多く提案されている。
しかしながら、これらの触媒はこの反応に対し満足すべ
き高い選択性を示すものではなく、また多くは有害な化
合物を含有する等の理由から、安全上の問題もあり、工
業的に多量に使用されるには到っていない。
【0004】一方、これに変わる方法として、アルコー
ルを水素源とする水素移動反応を利用して不飽和アルコ
ールを合成する試みもなされている。例えば酸化マグネ
シウム、酸化カルシウムおよび酸化リチウム触媒等のア
ルカリ金属、アルカリ土類を活性成分とする触媒(S.A.
Ballard et al."Advances inCatalysis" Vol.IX, Acade
mic Press,(1957))や、一般式:Mgabcd (式
中、Xはホウ素、アルミニウム、ケイ素、イツトリウ
ム、ニオブ、ランタン等を示し、Yはアルカリ金属及び
/又はマグネシウムを除くアルカリ土類金属を示し、O
は酸素を示し、a,b,c及びdはそれぞれの原子比を
示す)で表される触媒(特開昭62−30552号公
報)が提案されている。また直接水添で使用された銀系
の触媒なども提案されているが(特公昭48−4204
2号公報)、活性、選択性も低く、かつ活性の経時変化
も大きく工業的に使用し得る水準に達しているとは云い
難い。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者はかかる問題点
の解決のため、不飽和アルデヒドとアルコールとを同時
に触媒層に供給し、アルコールの水素原子を不飽和アル
デヒドに供与して不飽和アルコールを製造する触媒に関
し広範囲な探索を試みてきた。その結果、驚くべきこと
に選択的に不飽和アルコールを製造するための触媒とし
て、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サ
マリウムおよびホルミウムの各元素からなる群から選ば
れた少なくとも一種の元素とコバルトを、それぞれ酸化
物の形態で含有する触媒がこの反応に対し活性、選択性
が高くしかも長寿命であることを見いだし、本発明に到
達したものである。
【0006】即ち、本発明は、不飽和アルデヒドから、
アルコールとの水素移動反応により相当する不飽和アル
コールを製造する方法において、ランタン、セリウム、
プラセオジム、ネオジム、サマリウムおよびホルミウム
の各元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素
とコバルトを、それぞれ酸化物の形態で含有する触媒を
使用することを特徴とする不飽和アルコールの製造方法
である。
【0007】[発明の具体的説明] <触媒構成成分>本発明による触媒を構成する主たる活
性成分は、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジ
ム、サマリウムおよびホルミウムの各元素からなる群か
ら選ばれた少なくとも一種の酸化物とコバルトの酸化物
である。本発明の触媒の原料は、好ましくは加水分解及
びその後の焼成により酸化物に変換される可溶性の化合
物であり、例えば、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、各種のハ
ロゲン化物などの無機および有機酸の塩類、錯塩、キレ
ート化合物、アルコオキサイドなどの金属有機化合物で
ある。
【0008】<触媒の製造>触媒の製法としては特に制
限はなく、最終的に上記の活性成分が充分に分散された
酸化物の形態をとるという条件を満たせば、従来から用
いられている含浸法、沈澱法、共沈法などいかなる方法
で製造しても差し支えない。また、活性成分を触媒に含
有させる方法ないし段階も本発明の目的、効果が実質的
に阻害されない限度において任意である。例えば、予め
成型した酸化アルミ、酸化チタン、酸化ジルコニウムな
どの通常用いられる多孔質担体粒または微紛に可溶性の
活性成分の前駆体を含浸、乾燥、焼成する含浸法や活性
成分の塩の水溶液から沈澱により調製する沈澱法などが
あげられる。また生成した沈澱は、それ自体、成型、焼
成し触媒として使用することも、またこれをさらにシリ
カ、アルミナなどの適当な担体上に担持して使用するこ
とも、もちろん可能である。
【0009】ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオ
ジム、サマリウムおよびホルミウムの各元素からなる群
から選ばれた少なくとも一種の元素とコバルトの元素は
本発明による触媒の主成分を形成するものであり、その
酸化物の全含有量は触媒全量に対して5〜100重量
%、好ましくは20〜100重量%である。コバルトに
対するランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、
サマリウムおよびホルミウムの各元素からなる群から選
ばれた少なくとも一種の元素の割合は、原子比で、コバ
ルト1に対して0.05〜200、好ましくは0.05
〜100、特に好ましくは0.1〜10である。本発明
による「触媒」の形態は粉状または成型されたものであ
り、成型触媒の形状は柱状、錠剤、粒状、顆粒状、板状
などである。なお、本発明の主旨を損なわない限り、本
発明の触媒成分以外に、他の金属成分をプロモター等の
目的で存在させることもできる。以上のようにして得ら
れた触媒は、不飽和アルデヒドの不飽和アルコールへの
選択的水素化反応に対して、高活性、高選択性を保持す
る優れた性能を有するものである。
【0010】<不飽和アルデヒド>本発明では、上記の
ように不飽和アルデヒドが選択水素化されて対応する不
飽和アルコールを生成するが、本発明で用いられる不飽
和アルデヒドとしては、アクロレイン、メタクロレイ
ン、クロトンアルデヒド、メチルビニルケトンおよびシ
ンナムアルデヒドなどがあげられるが、本発明の効果は
アクロレインを使用した場合、最も顕著である。
【0011】<アルコール>本発明で水素源として使用
されるアルコールは、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−
ブタノール、ベンジルアルコール、イソブチルアルコー
ルおよびシクロヘキサノール等の1、2級アルコールの
中から入手の容易さ、価格、副生するアルデヒド、ケト
ンの付加価値等を考慮して任意に選択できる。
【0012】<水素化反応>本発明の方法を実施する反
応の形態としては、液相、気相いずれでも可能である。
その際の接触方式としては、従来から知られている方法
の中から適宜選択でき、例えば液相反応においては、連
続または回分式での粉体触媒による懸濁床方式、気相反
応では通常の固定床方式はもちろん、流動床方式、移動
床方式などの採用が可能である。
【0013】なお、本発明の特徴を最もよく享受するた
めには、次ぎのような反応条件が推奨される。本発明に
使用する反応温度は、原料不飽和アルデヒド及びアルコ
ールの種類等により多少異なるが、100〜500℃、
好ましくは200〜400℃の範囲である。反応温度が
100℃未満では不飽和アルデヒドの反応率が低く実用
的ではなく、また反応温度が500℃を越えると分解な
どの副反応の増加により選択率の低下を招き好ましくな
い。アルコール/アルデヒドのモル比は0.1〜20、
流速(L.H.S.V)は0.01〜1h-1(アルデヒド基
準)の範囲が望ましい。また反応時不飽和アルデヒド、
アルコールから成る原料のみならず、必要に応じてこれ
を適当な希釈剤例えば窒素、スチーム、水素等により希
釈した混合ガスを触媒層に供給することも可能である。
反応圧力はとくに規制はなく、気相反応の場合、常圧〜
50kg/cm2、 液相反応の場合、10〜100kg/cm2
度が好ましい。
【0014】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に
説明する。 実施例 (触媒の調製)Co(NO3)2・6H2OとLa(NO3)3
・6H2Oを45℃で純水250mlに溶解した水溶液
を、沈澱剤として重炭酸アンモニウムを純水(45℃)
600mlに溶解した水溶液に加え、反応させ沈澱を生じ
させた。得られた沈澱物をろ過し、純水で充分洗浄した
のち乾燥し、600℃で2時間焼成した。得られた焼成
粉に適当量の純水を加えてスラリー状とし、加熱混練に
より粘土状としたのち、押し出し成型を行い3φ×5m
mのタブレットにした。次に乾燥後600℃で3時間焼
成し触媒−1を得た。同様に、触媒原料として ランタ
ン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、サマリウ
ム、ホルミウムの各硝酸塩を用いて触媒を調製して、触
媒−2〜触媒−9を得た。また、同様にMg(NO3)2
6H2Oを用いて触媒を調製し、比較触媒−1を得た。
なお、上記の触媒の調製に用いた原料硝酸塩および重炭
酸アンモニウムの使用量は、表−1に示した。
【0015】
【表1】
【0016】また、水酸化マグネシウム25gと酸化ホ
ウ素0.6gを純水100mlに懸濁させ、充分に撹拌し
ながら90℃にて加熱濃縮して粘土状とした後、タブレ
ット(3φ×5mm)に成型し、乾燥後600℃で2時間焼
成することにより、比較触媒−2(Mg:B(原子比)
=100:4)を調製した。
【0017】(不飽和アルコールの合成)上記で得られ
た各触媒10ccを充填したSUS製反応管(内径:1
6mm)に、アクロレインと第2級ブタノールからなる原
料ガスを1:5のモル比で、0.1h-1のL.H.S.V.(ア
クロレイン基準)で連続的に供給し、大気圧で280℃
(比較触媒は300℃)の温度で10時間反応させた。
反応生成物をガスクロマトグラフにより分析し、その結
果を表−2に示した。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
【発明の効果】本発明の触媒は、前記のごとく従来知ら
れていた触媒のように有害なカドミウムなどを含有する
ことなく、不飽和アルデヒドの水素化反応による不飽和
アルコールの生成反応に対し、高い活性と選択性を有す
る新規な触媒を使用する画期的な方法を提供するもので
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和アルデヒドから、アルコールとの
    水素移動反応により相当する不飽和アルコールを製造す
    る方法において、ランタン、セリウム、プラセオジム、
    ネオジム、サマリウムおよびホルミウムの各元素からな
    る群から選ばれた少なくとも一種の元素とコバルトを、
    それぞれ酸化物の形態で含有する触媒を使用することを
    特徴とする不飽和アルコールの製造方法。
  2. 【請求項2】 コバルトに対するランタン、セリウム、
    プラセオジム、ネオジム、サマリウムおよびホルミウム
    の各元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素
    の割合が、原子比で、コバルト1に対して0.05〜2
    00である請求項1記載の方法。
JP6004739A 1994-01-20 1994-01-20 不飽和アルコールの製造方法 Pending JPH07204509A (ja)

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