JPH07201Y2 - 液体噴出容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は液体噴出容器に係る。

「従来の技術と考案が解決しようとする課題」 液体噴出容器として、容器体と、該容器体内にシリンダ
ーを挿入すると共に液体噴出用ヘッドを容器体口頚部よ
り突出して装着筒により容器体に装着されるシリンダー
形ポンプとからなるものが知られている。

ところが、この種の容器において、内容液を詰め替える
という悪質な犯罪が最近増加しており、その防止対策が
望まれている。上記した従来の容器においては、シリン
ダー形ポンプの容器体への装着は、ポンプに固定した装
着筒を容器体口頚部に着脱自在に嵌合することにより行
われているため、ポンプの着脱は自在であり、その結果
内容液の詰め替えも極めて容易であった。

本考案は上記した課題に鑑みなされたもので、内容液の
詰め替えが困難で、たとえそれが可能であっても極めて
手間のかかる作業となる如く構成した液体噴出容器を提
供することを目的とするものである。

「課題を解決するための手段」 口頚部９を起立した容器体２と、上記口頚部９に嵌合さ
れる装着筒３と、該装着筒３に固定して該装着筒３によ
り容器体２に装着されるシリンダー形ポンプ４と、液体
吸入用パイプ５とを有し、且つ上記液体吸入用パイプ５
及び上記ポンプ４のシリンダー12を容器体２内に挿入す
ると共に上記ポンプ４の液体噴出用ヘッド13を口頚部９
より上下動可能に突出して装着筒３によりシリンダー形
ポンプ４を容器体２に装着してなる液体噴出容器におい
て、上記口頚部９内周に筒状部材６の周壁19上部を脱離
不能に嵌合すると共に下部を容器体２内に垂下し、上記
筒状部材６は上面を開口すると共に底壁17に上記パイプ
５を挿通する挿通孔18を穿設し、且つ周壁19に外気流入
孔20を穿設してなり、該筒状部材６内に上記ポンプ４の
シリンダー12を挿入すると共に挿通孔18に上記パイプ５
を慣通し、装着筒３によりシリンダー形ポンプ４を容器
体２に装着してなる。

「作用」 第１図に示す如く、容器体２の口頚部９内周に、筒状部
材６の周壁19上部を脱離不能に嵌合すると共に下部を容
器体２内に垂下し、該部材６内にシリンダー形ポンプ４
のシリンダー12を挿入すると共に挿通孔18に液体吸入用
パイプ５を慣通してシリンダー形ポンプ４を容器体２に
装着しているため、装着筒３を口頚部９から外しシリン
ダー形ポンプ４を除去しても容器体２内に筒状部材６が
残り、該部材６にはパイプの挿通孔18と外気流入孔20の
２つの小さな孔しか容器体２へ通ずる路はなく、従っ
て、詰め替え液を注入しても容器体内へはほとんど液は
流入せず、又流入したとしても、その単位時間当りの量
は極めて小量であり、詰め替えに夥しい時間を必要とす
るため実質的に詰め替え不可能である。

「実施例」 以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図〜第３図は本考案の一実施例を示すもので、図中
１は液体噴出容器を示す。該容器１は、容器体２と、装
着筒３と、シリンダー形ポンプ４と、液体吸入用パイプ
５と、筒状部材６とから構成されている。

容器体２は胴部７より肩部８を介して口頚部９を起立し
てなり、口頚部９外周には螺条10を周設し、又、内周に
は筒状部材６を嵌合する為の凹溝11を周設している。

シリンダー形ポンプ４は、容器体内に挿入するシリンダ
ー12と、容器体口頚部より外部に突出する液体噴出用ヘ
ッド13から構成され、シリンダー12内部には吸込み弁、
吐出弁等の弁機構及び上記ヘッド13の上下動に関与する
作動部材等を内蔵し、又、リンダー12の下端部には液体
吸入用パイプ５が装着された公知のポンプであり、上記
ヘッド12の上下動により容器体内の液体を吸込み弁を介
してシリンダー12内へ吸入すると共に、吐出弁を介して
液体噴出用ヘッド13のノズル孔14から噴出する様構成し
てなるものである。

上記ポンプ４の周囲には液体噴出用ヘッド13を上下動可
能に突出して装着筒３を固定している。又、該装着筒３
の周壁15内周には上記口頚部９の螺条10と螺合する螺条
16を付設している。

筒状部材６は上面を開口し、底壁17に上記液体吸入用パ
イプ５を挿通する挿通孔18を穿設すると共に、周壁19に
外気流入孔20を穿設してなり、本実施例においては、そ
の周壁19上端から外向きフランジ21を形成し、又、周壁
19上方外周には上記口頚部の凹溝11に嵌合する突条22を
周設すると共に、下方をシリンダー12の下部形状に相似
させて径を小さく構成している。

上記筒状部材６は突条22を口頚部の凹溝11に嵌合してそ
の周壁19上部を口頚部９内周に脱離不能に嵌合すると共
に下部を容器体２内に垂下して容器体２に装着されてい
る。又、上記ポンプ４は容器体２に装着された筒状部材
６内にシリンダー12を挿入すると共に、挿通孔18に液体
吸入用パイプ５を貫通し、装着筒３を口頚部９に螺合し
て容器体２に装着されている。従って、装着筒３の螺合
を外し、装着筒３及びポンプ４を取り除くと、筒状部材
６が容器体２に残る。筒状部材６には小さな挿通口18と
外気流入孔20しか容器体２内へ通ずる路はなく、詰め替
え液を注入しても容器内へは極小量ずつしか流入せず詰
め替えに非常に手間がかかる。

第４図は他の実施例を示すもので、本実施例では、液体
吸入用パイプ５を筒状部材６に固定したもので、この場
合、ポンプ４を外すと筒状部材６とパイプ５が容器体２
に残るため、挿通口18の部分がさらに小さな孔となり、
より詰め替え液の注入が困難となる。

第５図は本考案の更に他の実施例を示すもので、本実施
例においては、容器体２の口頚部９内周に突条23を周設
し、筒状部材６の外周上方に上記突条23と嵌合する凹溝
24を形成し両者を嵌合して筒状部材６を容器体２に装着
している。この様に本考案においては、筒状部材と口頚
部の嵌合形態は種々採用可能であり、又筒状部材の形状
も本考案の要旨を変えることのない範囲で種々選択でき
る。

第６図は本考案の更に他の実施例を示すもので、本実施
例においては、前記第５図の実施例の構成に加え、筒状
部材６の周壁18内面下方に二条の突条25,26を周設し、
各突条25,26間に球状弁体27を収納してなるものであ
る。本実施例においては、上記球状弁体27の存在によ
り、ポンプ４を外しても吸入用パイプ５からは液が流入
せず内容液の詰め替えが更に困難となる。

「考案の効果」 以上説明した如く、本考案液体噴出容器は、容器体２の
口頚部９内周に筒条部材６の周壁19上部を脱離不能に嵌
合して該部材６を容器体２に装着し、該部材６内にシリ
ンダー形ポンプ４のシリンダー12を挿入すると共に挿通
孔18に液体吸入用パイプ５を慣通し、装着筒３によりシ
リンダー形ポンプ４を容器体２に装着しているので、内
容液の詰め替えを行なうために、装着筒３を外してシリ
ンダー形ポンプ４を容器体２から除外しても容器体２に
筒状部材６が脱離不能に嵌合されているため、内容液の
排出及び詰め替え液の注入が極めて困難で時間がかか
る。特に詰め替え液の注入をする場合、筒状部材６には
挿通孔18と外気流入孔20の２つの小さな孔しか容器体２
内へ通ずる路はない為、液の表面張力により容器体２内
への液の流入がきわめて困難であり、又流入しても容器
体を満すまでに夥しい時間がかかる。又、液の流入に伴
う容器体内空気の排出を考慮すれば、常時外気流入孔20
以下の所までしか液を注入できず、その点でも注入に時
間がかかる。

従って、内容液の詰め替えはほぼ不可能となる。

又、本考案容器は、上記の如くの効果を極めて単純な構
造により発揮できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図から第３図は本考案の一実施例を示すもので、第
１図は要部切り欠き側面図、第２図は筒状部材の一例を
示す斜視図、第３図はシリンダー形ポンプと筒状部材を
容器体に装着する前の状態を示す分解説明図、第４図は
他の実施例を示す分解説明図、第５図及び第６図は更に
他の実施例を示す要部切り欠き側面図である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口頚部９を起立した容器体２と、上記口頚
   部９に嵌合される装着筒３と、該装着筒３に固定して該
   装着筒３により容器体２に装着されるシリンダー形ポン
   プ４と、液体吸入用パイプ５とを有し、且つ上記液体吸
   入用パイプ５及び上記ポンプ４のシリンダー12を容器体
   ２内に挿入すると共に上記ポンプ４の液体噴出用ヘッド
   13を口頚部９より上下動可能に突出して装着筒３により
   シリンダー形ポンプ４を容器体２に装着してなる液体噴
   出容器において、上記口頚部９内周に筒状部材６の周壁
   19上部を脱離不能に嵌合すると共に下部を容器体２内に
   垂下し、上記筒状部材６は上面を開口すると共に底壁17
   に上記パイプ５を挿通する挿通孔18を穿設し、且つ周壁
   19に外気流入孔20を穿設してなり、該筒状部材６内に上
   記ポンプ４のシリンダー12を挿入すると共に挿通孔18に
   上記パイプ５を慣通し、装着筒３によりシリンダー形ポ
   ンプ４を容器体２に装着してなることを特徴とする液体
   噴出容器。