JPH07199537A - トナー - Google Patents

トナー

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JPH07199537A
JPH07199537A JP5354165A JP35416593A JPH07199537A JP H07199537 A JPH07199537 A JP H07199537A JP 5354165 A JP5354165 A JP 5354165A JP 35416593 A JP35416593 A JP 35416593A JP H07199537 A JPH07199537 A JP H07199537A
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acid
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▲隆▼晃 上滝
Makoto Unno
真 海野
Yuji Mikuriya
裕司 御厨
Tadashi Michigami
正 道上
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低速から高速まで適用できる定着温度領域の
広い、耐オフセット性に優れたトナーを提供することに
ある。 【構成】 少なくともビニル系結着樹脂と着色剤を含有
するトナーにおいて、GPCによる分子量2000乃至
100000の範囲の結着樹脂中に、0.5重量%以上
のビニル系架橋モノマーが重合されていることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、静電印刷法の如き画像形成方法に用いられる静電荷
像現像用現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号明細書、特公昭42−23910
号公報及び特公昭43−24748号公報に記載されて
いる如く多数の方法が知られている。一般には光導電性
物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像
を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要
に応じて紙の如き転写材にトナー画像を転写した後、加
熱、圧力、加熱加圧或いは溶剤蒸気により定着し、トナ
ー画像を得るものである。
【0003】上述の最終工程であるトナー像を紙等のシ
ートに定着する工程に関しては種々の方法や技術が開発
されている。現在最も一般的な方法は加熱ローラーによ
る圧着加熱方式である。この加熱ローラーによる圧着加
熱方式は、トナーに対し離型性を有する材料で表面を形
成した加熱ローラーの表面に被定着シートのトナー像面
を加圧下で接触しながら通過せしめることにより定着を
行うものである。この方法によれば、加熱ローラー表面
と被定着シートのトナー像とが加圧下で接触するため、
トナー像を被定着シート上に融着する際の熱効率が極め
て良好であり、迅速に定着を行うことができる。
【0004】しかし、複写機やプリンターの機種によっ
てそれぞれ異ったトナーが用いられているのが現状であ
る。これは、主に定着速度及び定着温度の違いによるも
のである。加熱ローラー表面とトナー像とが溶融状態,
加圧下で接触する為に、トナー像の一部が定着ローラー
表面に付着・転移し、次の被定着シートにこれが再転移
し、被定着シートを汚す、いわゆるオフセット現象が定
着速度・温度の影響を大きく受ける為である。一般に定
着速度が遅い場合は、加熱ローラー表面温度は低く、定
着速度が速い場合は、加熱ローラー表面温度は高く設定
されている。これは、トナーを定着させる為に加熱ロー
ラーがトナーに与える熱量を、定着速度によらずほぼ一
定にすることによるものである。
【0005】しかし、被定着シート上のトナーは、何層
かのトナー層を形成している為、特に定着速度が速く、
加熱ローラー温度の高い系においては、加熱ローラーに
接触するトナー層と、被定着シートに接触している最下
層のトナー層の温度差が、非常に大となる為に、加熱ロ
ーラー温度が高い場合には、最上層のトナーがオフセッ
ト現象を起こし、加熱ローラー温度が低い場合は、最下
層のトナーは十分に溶けない為に、被定着シートにトナ
ーが定着せず低温オフセットという現象が起きる。この
問題を解決する方法として、定着速度が速い場合には、
定着時の圧力を上げ、被定着シートへのトナーのアンカ
ーリングをさせる方法が、通常行われている。
【0006】この方法だと、加熱ローラー温度をある程
度下げることができ、最上層トナーの高温オフセット現
象を防ぐことは可能となる。しかし、トナーにかかるせ
ん断力が非常に大となる為に、被定着シートが定着ロー
ラーに巻きつく、いわゆる巻きつきオフセットや、定着
ローラーから被定着シートを分離する部材の分離あとが
画像に出現したり、さらには、圧力が高いがゆえに、定
着時にライン画像が押しつぶされたり、トナーが飛びち
ったりしてコピー画像の画質劣化を生じ易い。
【0007】従って、高速定着では、一般的には、低速
定着の場合より溶融粘度の低いトナーを用い、加熱ロー
ラー温度,定着圧力を下げることにより、高温オフセッ
トや巻きつきオフセットを防止しつつ、定着させてい
る。しかし、この様な溶融粘度の低いトナーを低速定着
に用いると、低粘度がゆえに、高温でオフセット現象が
発生する。
【0008】即ち、定着において、低速から高速まで適
用できる定着温度領域の広い、耐オフセット性にすぐれ
たトナーがないのが現状である。
【0009】さらに近年においては、複写機のデジタル
化及びトナーの微粒子化により、コピー画像の高画質化
が望まれている。
【0010】つまり、文字入りの写真画像においてその
コピー画像の文字は鮮明で、写真画像は、原稿に忠実な
濃度階調性が得られるということが要求されている。一
般に、文字入り写真画像のコピーにおいて、文字を鮮明
にする為にライン濃度を高くすると、写真画像の濃度階
調性が損なわれるばかりでなく、ハーフトーン部分では
非常にガサツイタ画像となる。
【0011】さらに、前述した様に定着時にライン画像
が押しつぶされたり、飛びちったりして、逆にコピー画
像の画質劣化を生じる。
【0012】さらに、ライン濃度を高くすると、トナー
の転写工程においてトナーののり量が多い為に、転写時
にトナーが感光体に押しつけられ感光体に付着して、か
えってライン上のトナーが抜けた、いわゆる中抜け現象
を起こし、低画質のコピー画像となる。また逆に写真画
像の濃度階調性を良くしようとすると、文字ラインの濃
度が低下し、鮮明さが悪くなる。
【0013】また、トナーの小粒径化により、画像の解
像力や鮮映度を上げることはできても種々の問題が生じ
てくる。
【0014】先ず第一に、トナーの小粒径化により、ハ
ーフトーン部の定着性が悪くなる。この現象は特に高速
定着において、顕著である。これは、ハーフトーン部分
のトナーののり量が少なく、被定着シートの凹部に転写
されたトナーは、加熱ローラーから与えられる熱量が極
めて少なく、さらに定着圧力も、被定着シートの凸部に
よって抑制される為に悪くなる。また、ハーフトーン部
分で被定着シートの凸部に転写されたトナーは、トナー
層厚が薄い為に、トナー粒子1個当りにかかるせん断力
はトナー層厚の厚いベタ黒部分に比べ非常に大きいもの
となり、オフセット現象が発生したり、低画質のコピー
画像となる。
【0015】さらに、カブリの問題である。トナー粒子
径を小さくすることにより、トナーの表面積が増え、従
って帯電量分布の幅が大きくなり、カブリを生じ易くな
る。また、トナー表面積が増えることにより、トナーの
帯電特性が、より環境の影響を受け易くなる。
【0016】また、トナー粒子径を小さくすると、極性
体や着色剤の分散状態がトナーの帯電性に大きく影響を
及ぼすことは明白である。
【0017】この様な小粒径トナーを高速複写機に適用
すると、低湿下では特に帯電過剰となり、カブリや濃度
低下を生じることがある。
【0018】また、複写機の多機能化においては、例え
ば、画像の一部を露光等によって消しておき、次いでそ
の部分に別の画像を挿入するような多重多色コピーを行
なったり、複写紙の周辺を枠ぬきするような機能におい
ては、画像上の白く抜いておくべき部分にカブリが生じ
る。
【0019】すなわち、現像基準電位に対して、潜像電
位と反極性の電位をLEDやヒューズランプ等の強い光
で与え画像を消去すると、その部分にカブリが発生する
傾向が高まるという問題が生じる。
【0020】以上の種々の問題点を全て解決するトナー
は存在しないのが現状である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
の如き問題点を解決したトナーを提供するものである。
【0022】本発明の目的は、低速から高速複写機に至
るまで、定着性を損なうことなく、耐オフセット性にす
ぐれたトナーを提供するものである。
【0023】本発明の目的は、低速から高速複写機に至
るまで、小粒径化してもハーフトーン部分においてすぐ
れた定着性を示し、かつ、良画質のコピー画像を得るこ
とのできるトナーを提供するものである。
【0024】本発明の目的は、低速から高速複写機に至
るまで、カブリがなく、高濃度のコピー画像が得られる
トナーを提供するものである。
【0025】本発明の目的は、環境変動に影響されるこ
ともなく、低湿下及び高湿下においても良好な画像を与
えるトナーを提供するものである。
【0026】本発明の目的は、高速機においても安定し
て良好な画像を与え、適用機種の範囲の広いトナーを提
供するものである。
【0027】本発明の目的は、耐久性に優れ、長時間の
連続使用にあっても画像濃度が高く、白地カブリのな
い、コピー画像が得られるトナーを提供するものであ
る。
【0028】本発明の目的は、文字入り写真画像におい
ては、そのコピー画像の文字が鮮明で、かつ写真画像は
原稿に忠実な濃度階調性が得られるトナーを提供するも
のである。
【0029】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の目的
は、少なくともビニル系結着樹脂と着色剤を含有するト
ナーにおいて、GPCによる分子量2000乃至100
000の範囲の結着樹脂に、0.5重量%以上のビニル
系架橋モノマーが重合されていることによって達成され
る。
【0030】これは以下の理由によるものである。
【0031】従来、ビニル系樹脂としては低分子量分と
高分子量分とを合成し、分子量分布において2ピーク化
されたものを用いるのが一般的である。そして低分子量
分は、線状の低分子重合体である。本発明者らは、この
低分子量分に着目し、これを分岐の多いポリマーにする
ことにより、その慣性自乗半径を小さくし、低粘度化す
ることにより、目的を達成した。
【0032】従来、分岐度を高める方法としては特開平
3−087753号公報,特開平3−203746号公
報でマクロモノマーを用いる方法、特開平4−0246
48号公報でε’−カプロラクトン変性ヒドロキシルビ
ニル系モノマーを用いる方法が開示されている。しか
し、これらの方法では、樹脂のガラス転移点が低下し、
保存安定性が悪くなる。保存安定性を改良する為には主
鎖の分子量を上げるか、ガラス転移点を上げなければな
らない。また、ポリマー中のモノマー組成にも分布があ
る為に、ガラス転移点はこれら分岐度を高めるモノマー
の影響を大きく受ける。本発明者らは、これらの問題点
を解決すべく、鋭意検討の結果、ビニル系架橋モノマー
を用い、ガラス転移温度分布の少ない低分子量分をつく
る方法を見い出した。
【0033】本発明においてビニル系結着樹脂を構成す
るビニル共重合体のモノマーとしては、次のようなもの
が挙げられる。
【0034】例えばスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレ
ン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピ
レン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モ
ノオレフィン類;ブタジエンの如き不飽和ポリエン類;
塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニル
の如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル酸;メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソ
ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデ
シル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル
の如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−
ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きア
クリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニル
エーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン
類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−
ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸誘導体;前述のα,β−不飽
和酸のエステル、二塩基酸のジエステル類が挙げられ
る。
【0035】また、マレイン酸、シトラコン酸、イタコ
ン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如
き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無
水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の
如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエ
ステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸
ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエス
テル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン
酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエス
テル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマ
ル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエ
ステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチ
ルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸
エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケ
イヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケ
イヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β
−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン
酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、こ
れらの酸無水物及びこれらのモノエステルなどのカルボ
キシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0036】また、本発明において低分子量分の分岐度
を高める為に用いられるビニル系架橋モノマーとして
は、ポリマーのガラス転移温度を大きく下げるものでな
ければ、どの様なものを用いてもかまわない。例えば、
ジアリルフタレート,トリアリルシアヌレート,NN’
・m・フェニレンビスマレイミド,ジビニルベンゼン,
ジビニルナフタレンなどが挙げられる。
【0037】本発明において、ビニル系架橋モノマー
は、GPCによる分子量2000〜100000以下の
結着樹脂中に、0.5重量%以上、好ましくは1重量%
以上重合されていることが望ましい。架橋モノマーが
0.5重量%未満のときは、分岐による粘度低下の効果
は殆んどない。
【0038】本発明に用いられるビニル系結着樹脂とし
て好ましくは、GPCによる分子量分布において、分子
量2000〜100000の範囲に、少なくとも1つの
ピークと1つ以上のピーク又はショルダーを有し、か
つ、100000以上の領域に少なくとも1つのピーク
を有するものが望ましい。
【0039】また、このビニル系結着樹脂のガラス転移
温度は45〜80℃、好ましくは50〜70℃であるこ
とが望ましい。
【0040】本発明において、ビニル系モノマーの単重
合体、または共重合体、ポリエステル、ポリウレタン、
エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変性ロ
ジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂
環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等を必要に応じて
前述した結着樹脂に混合して用いることができる。
【0041】本発明の静電荷像現像用トナーは、その帯
電性をさらに安定化させる為に必要に応じて荷電制御剤
を用いることができる。荷電制御剤は、結着樹脂100
重量部当り0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5
重量部使用するのが好ましい。
【0042】今日、当該技術分野で知られている荷電制
御剤としては、以下のものが挙げられる。
【0043】トナーを負荷電性に制御するものとして、
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効である。モ
ノアゾ金属錯体、芳香族ヒドロキシカルボン酸、金属錯
体、芳香族ジカルボン酸系の金属錯体が挙げられる。他
には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノ及び
ポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、
ビスフェノールのフェノール誘導体類が挙げられる。
【0044】正帯電性のトナーをつくる場合には、正帯
電性を示す荷電制御剤として、ニグロシンやトリフェニ
ルメタン系化合物、ローダミン系染料、ポリビニルピリ
ジン等を用いてもかまわない。また、カラートナーをつ
くる場合に於ては、正帯電性を示すメタクリル酸ジメチ
ルアミノメチルなどの含アミノカルボン酸エステル類を
モノマーとして0.1〜40mol%好ましくは1〜3
0mol%含有させた結着樹脂を用いるか、あるいは、
トナーの色調に影響を与えない無色又は淡色の正荷電制
御剤を用いてもかまわない。正荷電制御剤としては、例
えば構造式(A)、(B)で示される四級アンモニウム
塩などが挙げられる。
【0045】
【化1】
【0046】
【化2】
【0047】構造式(A)及び(B)で示される四級ア
ンモニウム塩の中でも構造式(A)−1,−2,構造式
(B)−1で表わされる正荷電制御剤を使用すること
が、環境依存の少ない良好な帯電性を示すことから好ま
しい。
【0048】
【化3】
【0049】
【化4】
【0050】
【化5】
【0051】また正帯電性トナーにおいて結着樹脂の樹
脂成分として、正帯電特性を示す、メタクリル酸ジメチ
ルアミノメチルなどの含アミノカルボン酸エステル類を
用いる場合、正荷電制御剤又は負荷電制御剤を必要に応
じて使用する。
【0052】正帯電性トナーに於て樹脂成分として正帯
電特性を示すメタクリル酸ジメチルアミノメチルなどの
含アミノカルボン酸エステル類を用いない場合は、正荷
電制御剤を結着樹脂100重量部に対して0.1〜15
重量部、好ましくは、0.5〜10重量部使用すること
が望ましい。また含アミノカルボン酸エステル類を用い
る場合は、環境依存性の少ない良好な帯電性をもたせる
目的で必要に応じて、正荷電制御剤及び/又は負荷電制
御剤を結着樹脂100重量部に対して0〜10重量部好
ましくは0〜8重量部用いることが望ましい。
【0053】本発明のトナーを磁性トナーとして用いる
場合、磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネ
タイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄、及び他
の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe,Co,Niのような
金属、あるいは、これらの金属とAl,Co,Cu,P
b,Mg,Ni,Sn,Zn,Sb,Be,Bi,C
d,Ca,Mn,Se,Ti,W,Vのような金属との
合金、およびこれらの混合物等が挙げられる。
【0054】磁性材料としては、従来、四三酸化鉄(F
34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛
(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe
512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄
ガドリニウム(Gd3Fe5−O12)、酸化鉄銅(CuF
24)、酸化鉄鉛(PbFe12−O19)、酸化鉄ニッ
ケル(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe
23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnF
24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(F
e)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が知
られているが、本発明によれば、上述した磁性材料を単
独で或いは2種以上の組合せで選択使用する。本発明の
目的に特に好適な磁性材料は四三酸化鉄又はγ−三二酸
化鉄の微粉末である。
【0055】これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2
μm程度で、10Kエルステッド印加での磁気特性が抗
磁力20〜150エルステッド飽和磁化50〜200e
mu/g(好ましくは50〜100emu/g)、残留
磁化2〜20emu/gのものが望ましい。
【0056】結着樹脂100重量部に対して、磁性体1
0〜200重量部、好ましくは20〜150重量部使用
するのが良い。
【0057】また、一成分,二成分を問わず着色剤とし
ては、カーボンブラック,チタンホワイト、あらゆる顔
料及び/又は染料を用いることができる。例えば本発明
のトナーを磁性カラートナーとして使用する場合には、
染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.
ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.
I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド3
0、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクト
ブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッ
ドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.
ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、
C.I.ダイレクトグリーン6、C.I.ベーシックグ
リーン4、C.I.ベーシックグリーン6等がある。顔
料としては、黄鉛、カドミウムイエロー、ミネラルファ
ストイエロー、ネーブルイエロー、ナフトールイエロー
S、ハンザイエローG、パーマネントイエローNCG、
タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、
パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベ
ンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネント
レッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシ
ンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、フ
ァストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺
青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリ
アブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファーストス
カイブルー、インダンスレンブルーBC、クロムグリー
ン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグ
リーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等があ
る。
【0058】また、本発明のトナーを二成分フルカラー
用トナーとして使用する場合には、次の様なものが挙げ
られる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメ
ントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,1
0,11,12,13,14,15,16,17,1
8,19,21,22,23,30,31,32,3
7,38,39,40,41,48,49,50,5
1,52,53,54,55,57,58,60,6
3,64,68,81,83,87,88,89,9
0,112,114,122,123,163,20
2,206,207,209、C.I.ピグメントバイ
オレット19、C.I.バットレッド1,2,10,1
3,15,23,29,35等が挙げられる。
【0059】かかる顔料を単独で使用しても構わない
が、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方が
フルカラー画像の画質の点からより好ましい。かかるマ
ゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,
3,8,23,24,25,27,30,49,81,
82,83,84,100,109,121、C.I.
ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレッ
ト8,13,14,21,27、C.I.ディスパース
バイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッ
ド1,2,9,12,13,14,15,17,18,
22,23,24,27,29,32,34,35,3
6,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイ
オレット1,3,7,10,14,15,21,25,
26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0060】その他の着色顔料として、シアン用着色顔
料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,
16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッ
ドブルー45又は化3式で示される構造を有するフタロ
シアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換し
た銅フタロシアニン顔料等である。
【0061】
【化6】
【0062】イエロー用着色顔料としては、C.I.ピ
グメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,
11,12,13,14,15,16,17,23,6
5,73,83、C.I.バットイエロー1,3,20
等が挙げられる。
【0063】尚、着色剤の使用量は結着樹脂100重量
部に対して、0.1〜60重量部好ましくは0.5〜5
0重量部である。
【0064】また、本発明に於て、必要に応じて一種又
は二種以上の離型剤を、トナー中に含有させてもかまわ
ない。
【0065】本発明に用いられる離型剤としては次のも
のが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリ
プロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィ
ンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、また、酸
化ポリエチレンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワック
スの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カル
ナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステル
ワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス
類、及び脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類
を一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
さらに、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸など
の、飽和直鎖脂肪酸類、ブランジン酸、エレオステアリ
ン酸、バリナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリル
アルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコー
ル、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリ
シルアルコールなどの飽和アルコール類、ソルビトール
などの多価アルコール類、リノール酸アミド、オレイン
酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類、メ
チレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン
酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチ
レンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミ
ド類、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレン
ビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン
酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなど
の、不飽和脂肪酸アミド類、m−キシレンビスステアリ
ン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミ
ドなどの芳香族系ビスアミド類、ステアリン酸カルシウ
ム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステア
リン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石
けんといわれているもの)、また、脂肪族炭化水素系ワ
ックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマー
を用いてグラフト化させたワックス類、また、ベヘニン
酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分
エステル化物、また、植物性油脂の水素添加などによっ
て得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合
物などが挙げられる。
【0066】本発明において特に好ましく用いられるワ
ックスとしては、脂肪族系アルコールワックス,脂肪族
系カルボン酸ワックス,脂肪族炭化水素系ワックスが挙
げられる。脂肪族系アルコールワックス,脂肪族系カル
ボン酸ワックスは、それぞれ、式1及び式2で示され
る。
【0067】式(1) CH3(CH2XCH2OH
X=25〜250 式(2) CH3(CH2YCH2COOH Y=25
〜250
【0068】例えばエチレンをチーグラー触媒を用いて
重合し、重合終了後酸化して、触媒金属とポリエチレン
とのアルコキシドを生成する。この後加水分解すること
により脂肪族系アルコールワックスを得る。さらにこの
脂肪族系アルコールワックスを酸化することにより、脂
肪族系カルボン酸ワックスを得ることができる。この様
にして得られたワックスは、分岐が少なくて小さく、さ
らに分子量分布がシャープであり、本発明の低温定着化
という目的にそったものである。
【0069】さらに、本発明に用いられる脂肪族系アル
コールワックス,脂肪族系カルボン酸ワックスの数平均
分子量Mnは150〜5000、好ましくは200〜4
000、重量平均分子量Mwは250〜10000、好
ましくは400〜8000であることが望ましい。
【0070】また、脂肪族炭化水素系ワックスとして
は、例えば、アルキレンを高圧下でラジカル重合あるい
は低圧下でチーグラー触媒で重合した低分子量のアルキ
レンポリマー、高分子量のアルキレンポリマーを熱分解
して得られるアルキレンポリマー、一酸化炭素、水素か
らなる合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の
蒸留残分から、あるいはこれらを水素添加して得られる
合成炭化水素などのワックスがよい。更に、プレス発汗
法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により炭化
水素ワックスの分別を行ったものがより好ましく用いら
れる。母体としての炭化水素は、金属酸化物系触媒(多
くは2種以上の多元系)を使用した、一酸化炭素と水素
の反応によって合成されるもの、例えばジントール法、
ヒドロコール法(流動触媒床を使用)、あるいはワック
ス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(固定触媒床を使
用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素
や、エチレンなどのアルキレンをチーグラー触媒により
重合した炭化水素が、分岐が少なくて小さく、飽和の長
い直鎖状炭化水素であるので好ましい。特にアルキレン
の重合によらない方法により合成されたワックスがその
分子量分布からも好ましいものである。
【0071】また分子量分布では、分子量400〜24
00の領域に、好ましくは450〜2000、特に好ま
しくは500〜1600の領域にピークが存在すること
が良い。このような分子量分布を持たせることによりト
ナーに好ましい熱特性を持たせることができる。
【0072】本発明に用いられる離型剤の量は、結着樹
脂100重量部あたり0.1〜20重量部、好ましくは
0.5〜15重量部が望ましい。
【0073】また、これらの離型剤は、通常、樹脂を溶
剤に溶解し、樹脂溶液温度を上げ、撹拌しながら添加混
合する方法や、混練時に混合する方法で結着樹脂に含有
させられる。
【0074】本発明に用いられる負帯電性流動化剤とし
ては、着色剤含有樹脂粒子に添加することにより、流動
性が添加前後を比較すると増加し得るものであれば、ど
のようなものでも使用可能である。例えば、フッ化ビニ
リデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末等の
フッ素系樹脂粉末、湿式製法シリカ、乾式製法シリカ等
の微粉末シリカ、それらシリカをシランカップリング
剤、チタンカップリング剤、シリコンオイル等により表
面処理を施した処理シリカ等がある。
【0075】好ましい流動化剤としては、ケイ素ハロゲ
ン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、
いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称される
もので、従来公知の技術によって製造されるものであ
る。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱
分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次
の様なものである。
【0076】 SiCl2+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0077】また、この製造工程において、例えば塩化
アルミニウム又は塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物
をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリ
カと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であ
り、それらも包含する。その粒径は、平均の一次粒径と
して、0.001〜2μmの範囲内であることが望まし
く、特に好ましくは、0.002〜0.2μmの範囲内
のシリカ微粉体を使用するのが良い。
【0078】本発明に用いられるケイ素ハロゲン化合物
の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体とし
ては、例えば以下の様な商品名で市販されているものが
ある。
【0079】 AEROSIL(日本アエロジル社) 130 200 300 380 TT600 MOX170 MOX80 COK84 Ca−O−SiL(CABOT Co.社) M−5 MS−7 MS−75 HS−5 EH−5 Wacker HDK N 20 V15 (WACKER−CHEMIE GMBH社) N20E T30 T40 D−C Fine Silica(ダウコーニングC
o.社) Fransol(Fransil社)
【0080】さらには、該ケイ素ハロゲン化合物の気相
酸化により生成されたシリカ微粉体に疎水化処理した処
理シリカ微粉体を用いることがより好ましい。該処理シ
リカ微粉体において、メタノール滴定試験によって測定
された疎水化度が30〜80の範囲の値を示すようにシ
リカ微粉体を処理したものが特に好ましい。
【0081】疎水化方法としては、シリカ微粉体と反応
あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物等で化学的に処
理することによって付与される。好ましい方法として
は、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成され
たシリカ微粉体を有機ケイ素化合物で処理する。
【0082】そのような有機ケイ素化合物の例は、ヘキ
サメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルク
ロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジク
ロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチル
クロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジ
ルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロル
シラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、ρ−クロ
ルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロ
ルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチ
ルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレー
ト、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキ
シシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエ
トキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジ
ビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニル
テトラメチルジシロキサンおよび1分子当り2から12
個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位にそれぞ
れ1個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポ
リシロキサン等がある。これらは1種あるいは2種以上
の混合物で用いられる。
【0083】本発明に用いられる正帯電性流動化剤とし
ては、前述した乾式法シリカを、次に挙げるアミノ基を
有するカップリング剤或いは、シリコーンオイルで処理
したものを用いる。
【0084】
【化7】
【0085】
【化8】
【0086】シリコーンオイルとしては一般に次式の側
鎖にアミノ基を有する部分構造を具備しているアミノ変
性シリコーンオイルなどが用いられる。
【0087】
【化9】
【0088】(ここでR1は水素、アルキル基、アリー
ル基、又はアルコキシ基を表わし、R2はアルキレン
基、フェニレン基を表わし、R3,R4は水素、アルキル
基或いはアリール基を表わす。但し、上記アルキル基、
アリール基、アルキレン基、フェニレン基はアミンを含
有していても良いし、また帯電性を損ねない範囲でハロ
ゲン等の置換基を有していても良い。m及びnは正の整
数を示す。)
【0089】そのようなアミノ基を有するシリコーンオ
イルとしては例えば以下のものがある。
【0090】 25℃における粘度 アミン当量 商品名 (cps) SF8417(トーレ・シリコーン社製) 1200 3500 KF393 (信越化学社製) 60 360 KF857 (信越化学社製) 70 830 KF860 (信越化学社製) 250 7600 KF861 (信越化学社製) 3500 2000 KF862 (信越化学社製) 750 1900 KF864 (信越化学社製) 1700 3800 KF865 (信越化学社製) 90 4400 KF369 (信越化学社製) 20 320 KF383 (信越化学社製) 20 320 X−22−3680(信越化学社製) 90 8800 X−22−380D (信越化学社製) 2300 3800 X−22−3801C(信越化学社製) 3500 3800 X−22−3810B(信越化学社製) 1300 1700
【0091】なお、アミン当量とは、アミン1個あたり
の当量(g/eqiv)で、分子量を1分子あたりのア
ミン数で割った値である。
【0092】本発明に用いられる流動化剤は、BET法
で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以
上、好ましくは50m2/g以上のものが良好な結果を
与える。トナー100重量部に対して流動化剤0.01
〜8重量部、好ましくは0.1〜4重量部使用するのが
良い。
【0093】本発明の静電荷像現像用トナーを作製する
には結着樹脂、着色剤及び/又は磁性体、荷電制御剤ま
たはその他の添加剤を、ヘンシェルミキサー、ボールミ
ルの如き混合機により充分混合し、ニーダー、エクスト
ルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉し
て樹脂類を互いに相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化後
に固化物を粉砕し、粉砕物を分級して本発明のトナーを
得ることができる。
【0094】さらに、トナーと同極性に帯電する流動化
剤とトナーをヘンシェルミキサーの如き混合機により充
分混合し、トナー粒子表面に添加剤を有する本発明の静
電荷像現像用現像剤を得ることができる。
【0095】本発明において、GPC(ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィ)によるクロマトグラムの分子
量は次の条件で測定される。
【0096】すなわち、40℃のヒートチャンバー中で
カラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒
としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流
速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調
整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入し
て測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有
する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料
により作製された検量線の対数値とカウント数との関係
から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料と
しては、例えば、Pressure Chemical
Co.製あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6
×102,2.1×103,4×103,1.75×1
4,5.1×104,1.1×105,3.9×105
8.6×105,2×106,4.48×106のものを
用い、少なくとも8点程度の標準ポリスチレン試料を用
いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)
検出器を用いる。
【0097】なお、カラムとしては、東洋曹達製のTS
Kgel GMH−H,GMH−L2本を直列につなぎ
測定した。
【0098】
【実施例】以下製造例及び実施例によって本発明を説明
する。
【0099】[樹脂製造例1] スチレン 85.5重量部 n−ブチルアクリレート 10.0重量部 シビニルベンゼン 4.5重量部 ジターシャリーブチルパーオキシド 12.0重量部 キシレン 200 重量部 を重合し、数平均分子量Mn=3500,重量平均分子
量Mw=10800で分子量10500にピークを有
し、6000付近にショルダーを有し、ガラス転移温度
Tg=59.2℃の樹脂を得た。ここで得られた樹脂を
樹脂Aとする。
【0100】次に、 スチレン 75重量部 n−ブチルアクリレート 25重量部 ベンゼンパーオキシド 0.1重量部 2,2−ビス(4,4ジターシャリブチル 0.1重量部 パーオキシシクロヘキシル)プロパン を懸濁重合し、Mn=230000,Mw=12000
00,ピーク分子量850000,Tg=60℃の樹脂
を得た。ここで得られた樹脂を樹脂Iとする。
【0101】次に、樹脂Aと樹脂Iを70:30の割合
でキシレンに溶解し、均一混合後キシレンを除去して樹
脂アを得た。
【0102】[樹脂製造例2] スチレン 75重量部 n−ブチルアクリレート 15重量部 ジビニルベンゼン 10重量部 ジターシャリーブチルパーオキシド 14重量部 キシレン 200重量部 を重合し、数平均分子量Mn=4000,重量平均分子
量Mw=21600で分子量10000と25000に
ピークを有し、6000付近にショルダーを有し、ガラ
ス転移温度Tg=57.5℃である樹脂を得た。ここで
得られた樹脂を樹脂Bとする。
【0103】樹脂Bと樹脂Iとを樹脂製造例1と同様に
混合し、樹脂イを得た。
【0104】[樹脂製造例3] スチレン 55重量部 n−ブチルアクリレート 20重量部 モノブチルマレート 15重量部 ジビニルベンゼン 10重量部 ジターシャリーブチルパーオキシド 14重量部 キシレン 200重量部 を重合し、数平均分子量Mn=3300,重量平均分子
量Mw=14400で分子量15000と10500に
ピークを有し、4000付近にショルダーを有し、ガラ
ス転移温度Tg=59.4℃である樹脂を得た。ここで
得られた樹脂を樹脂Cとする。
【0105】樹脂Cと樹脂Iとを樹脂製造例1と同様に
混合し、樹脂ウを得た。
【0106】[樹脂製造例4] スチレン 50重量部 n−ブチルアクリレート 20重量部 モノブチルマレート 15重量部 ジビニルベンゼン 15重量部 ジターシャリーブチルパーオキシド 16重量部 キシレン 200重量部 を重合し、数平均分子量Mn=3000,重量平均分子
量Mw=16000で分子量16000と10000に
ピークを有し、5000付近にショルダーを有し、ガラ
ス転移温度Tg=59.0℃である樹脂を得た。ここで
得られた樹脂を樹脂Dとする。
【0107】樹脂Dと樹脂Iとを樹脂製造例1と同様に
混合し、樹脂エを得た。
【0108】[樹脂製造例5] スチレン 80重量部 n−ブチルアクリレート 12重量部 モノブチルマレート 7重量部 ジビニルベンゼン 1重量部 ジターシャリーブチルパーオキシド 6重量部 キシレン 200重量部 を重合し、数平均分子量Mn=4000,重量平均分子
量Mw=11000で分子量10000にピークを有
し、60000付近にショルダーを有し、ガラス転移温
度Tg=61.0℃である樹脂を得た。ここで得られた
樹脂を樹脂Eとする。
【0109】樹脂Eと樹脂Iとを樹脂製造例1と同様に
混合し、樹脂オを得た。
【0110】[樹脂製造例6] スチレン 87重量部 n−ブチルアクリレート 13重量部 ジターシャリーブチルパーオキシド 2重量部 キシレン 200重量部 を重合し、数平均分子量Mn=6600,重量平均分子
量Mw=13000で分子量13000にピークを有
し、ガラス転移温度Tg=63.5℃である樹脂を得
た。ここで得られた樹脂を樹脂Fとする。
【0111】樹脂Fと樹脂Iとを樹脂製造例1と同様に
混合し、樹脂カを得た。
【0112】実施例1 樹脂ア 100重量部 磁性酸化鉄 90重量部 (平均粒径0.15μm、Hc115エルステッド、 σs80emu/g、σr11emu/g) (式1)で示される脂肪族系アルコール(X=48) 5重量部 モノアゾ金属錯体(負荷電性制御剤) 2重量部
【0113】上記材料をヘンシェルミキサーで前混合し
た後、130℃で2軸混練押出機によって溶融混練を行
った。混練物を放冷後、カッターミルで粗粉砕した後、
ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて粉砕し、更に風
力分級機を用いて分級し、重量平均粒径6.5μmの磁
性トナーを得た。
【0114】この磁性トナー100重量部に対し、疎水
性乾式シリカ(BET300m2/g)1.0重量部を
ヘンシェルミキサーにて外添添加して現像剤とした。
【0115】この現像剤を用いて、キヤノン製ディジタ
ル複写機GP−55で画像特性の評価を行い、表1に示
した様に良好な結果が得られた。また、GP−55の定
着機をとりはずし外部駆動及び温度コントロール機能を
つけ、定着速度を変えて、定着試験をしたところ、表1
に示した様な良好な結果が得られた。
【0116】実施例2,3 樹脂アを樹脂イ,ウに変え、離型剤として、脂肪族系ア
ルコールと、さらにエチレンをチーグラー触媒で重合し
たポリエチレン(分子量700)を1重量部添加した以
外は実施例1と同様に行い、表1に示したように良好な
結果が得られた。
【0117】実施例4,5 樹脂アを樹脂エ,オに変え、式1で示される脂肪族系ア
ルコールをアーゲ法により合成された炭化水素ワックス
(分子量600)4重量部用いた以外は実施例1と同様
に行い、表1に示したように良好な結果が得られた。
【0118】比較例1〜2 樹脂アを樹脂F,カに変えた以外は実施例1と同様に行
い、表1に示した様な結果を得た。
【0119】
【表1】
【0120】
【発明の効果】本発明によれば、低速から高速複写機に
至るまで定着性を損なうことなく、耐オフセット性に優
れ、高濃度のコピー画像を得ることができる。また、微
粒子化してもハーフトーン部分において優れた定着性を
示し、良画質のコピー画像を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 道上 正 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともビニル系結着樹脂と着色剤を
    含有するトナーにおいて、GPCによる分子量2000
    乃至100000の範囲の結着樹脂中に、0.5重量%
    以上のビニル系架橋モノマーが重合されていることを特
    徴とするトナー。
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