JPH0719867Y2 - 自動車ウインドガラスのシール装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は自動車のウインドガラスと車体パネルとの間に
取付けるシール装置に関する。

〔従来の技術〕

自動車のウインドガラスと車体パネルとの間に取付ける
シール装置にあつては、ウインドガラスを車体パネルに
対して確実に固着するとともに、ウインドガラスの周縁
部と車体パネルとの間のシールを完全に達成することを
必要とする。

一般的にいえば、自動車車体の開口部に接着剤でウイン
ドガラスを取付けるウインドガラスのシール装置として
は、前記開口部の周縁部、少なくともウインドガラスの
上縁部と両側縁部とに対応する車体パネルに、該車体パ
ネルの表面より凹設したフランジ部を形成し、該フラン
ジ部にウインドガラスの周縁を接着剤により固着すると
ともに、前記フランジ部を車体パネルの表面に接続する
傾斜壁部とウインドガラスの周縁部との隙間にシールと
装飾を兼ねるモールデイングを挿入する構成を採用す
る。

またウインドガラスのシール装置において、ウインドガ
ラスの両側縁部に沿つて雨水の導入溝を形成する技術が
知られており、例えば実開昭63-32915号公報にはモール
デイングのサイド部材を切削して雨水案内用のせきを設
けたもので提案され、実開昭63-32916号公報にはモール
デイングのサイド部分に射出成形によりせきを形成した
ものが提案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

実開昭63-32915号公報に提案された型式のものにあつて
は、モールデイングの切削部分にバリが発生したり、切
除したサイド部分のモールデイングの幅寸法が他の部分
に比べて細くなるために、装飾性を低減する等の問題が
あつた。また実開昭63-32916号公報に提案された型式の
ものにあつては、押出し成形されたモールデイングに後
工程で射出成形によりせきを付加するために、射出成形
部とモールデイングとの境に樹脂が漏れたり、金型によ
つてモールデイング表面を損傷する等の構造上の問題が
あつた。また、押出し成形部と射出成形部の外観に差異
が生ずるといつた不具合も発生した。また、ウインドガ
ラスと車体パネル（窓枠）との段差がウインドガラスの
上縁部から側縁部にかけて変化している場合にはこれ等
のモールデイングは使用できなかつた。

そこで本考案は、空力特性、造形美などの要求により車
体パネルとウインドガラスとの段差がコーナー部からサ
イド部分にかけて変化する車体に対しても取付け操作が
簡単で、かつサイド部に雨水の誘導溝が形成できて完全
なシールを達成する自動車ウインドガラスのシール装置
を提供するものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案の自動車ウインドガラスのシール装置は、先端を
支持部とした脚片をウインドガラス側に突設した支柱部
の上端に車体パネルとウインドガラスとの間隙を被覆す
る装飾部を連設したモールデイングを、少なくともウイ
ンドガラスの上縁部と、該上縁部の両端においてコーナ
ー部を介して接続する両側縁部にわたつて配設すると共
に、ウインドガラスの上縁部に対応する位置においては
前記モールデイングの脚片の支持部がウインドガラスの
下端に当接すると共に装飾部がウインドガラスの上面に
密着し、ウインドガラスのコーナー部から側縁部に対応
する位置においては、前記モールデイングの支柱部と脚
片とで形成する溝に嵌入する嵌合脚部と該嵌合脚部の長
手方向に沿つて並列させた壁部を有する補助壁部材を添
設し、車体パネルに配設した係合部材と対応する箇所の
前記モールデイングの支柱部には切欠部を形成し、該切
欠部の位置において前記補助壁部材の嵌合脚部を前記係
合部材に係合することにより、車体パネルとウインドガ
ラスとの間に前記モールデイングを装着してシールを構
成し、かつ前記補助壁部材の壁部の自由端縁がウインド
ガラスの上面に密着して、該壁部の壁面によりウインド
ガラス上面を流れる雨水の横方向の流れを阻止する壁面
を構成する。

なお本考案においては、前記係合部材にその長手方向に
係合溝を形成して、前記補助壁部材の嵌合脚部を、前記
モールデイングの支柱部の切欠部の位置において前記係
合部材の係合溝に嵌入させることができ、あるいは、前
記補助壁部材の壁部を、ウインドガラスのコーナー部に
対応する位置における高さ寸法が、ウインドガラスの側
縁部に対応する位置における高さ寸法より短くなるよう
に、その長手方向に沿つて徐々に自由端縁を変化させた
ものとすることができる。

〔作用〕

以上の構成を有することにより、ウインドガラスの上縁
部に対応するモールデイングの脚片の支持部はウインド
ガラス下面に当接し、装飾部がウインドガラスの上面に
密着してシールし、ウインドガラスのコーナー部から側
縁部に対応するモールデイングの支柱部の切欠部の位置
において補助壁部材の嵌合脚部を係合部材に係合せしめ
ることにより、ウインドガラスの側縁部においてウイン
ドガラスの上面と装飾部との間に間隙を形成すると共
に、該間隙の車体パネル側には補助壁部材の壁部の自由
端縁がウインドガラスに密着して壁面を形成する。

〔実施例〕

以下、図面に基づいて本考案の実施例を説明する。

第１図は自動車の概要を示すもので、車体１の車室の前
面に形成されたフロントウインド用の開口部に、該開口
部の周縁に位置する前記車体１のルーフパネル12とフロ
ントピラー13（以下において、ルーフパネルとフロント
ピラーとを区別する必要がないときは、これらを総称し
て車体パネル12,13という）により、ウインドガラス11
が取付けられる。

第２図はウインドガラスのコーナー部の取付構造が詳細
に示されている。

ルーフパネル12の内周部には、ウインドガラスを受け入
れるための傾斜壁部12aとフランジ部12bを形成する。フ
ロントピラー13の内周部にも同様の傾斜壁部13aとフラ
ンジ部13bを形成する。前記ルーフパネル12の傾斜壁部1
2aとフロントピラー13の傾斜壁部13aおよび前記ルーフ
パネル12のフランジ部12bとフロントピラー13のフラン
ジ部13bとは、相互に連結されて一体化され、車体パネ
ル12,13のコーナー部を形成している。

ウインドガラス11はダムラバー15と接着剤16によりフラ
ンジ部12b,13b上に固定される。

フロントピラー13の傾斜壁部13aの所々には係合部材４
を接着する。該係合部材４は、２個の脚片の間に長手方
向に係合溝41を形成した。断面をほぼＵ字状とする板状
体であつて、係合溝41の上端位置には、一方の脚片の頂
部より他方の脚片に向けて係合突部42が突設される。係
合部材４は合成樹脂、ゴム等の弾性体で一体成形され
る。そして、係合部材４の係合溝41の開口部を上面に係
合突部42を備えた脚片をウインドガラス側として傾斜壁
部13aのフロントピラー13の表面寄りの高い位置に所定
の間隔を隔てて配設し、両面接着テープ14と接着剤16と
で固定する。

モールデイング２は、少なくともウインドガラスの上縁
部、コーナー部および両側縁部の長さに対応する長さを
有する長尺体であつて、合成樹脂、ゴムなどの弾性体材
料により、押出し成形法で一体に形成する。

前記モールデイング２はその長手方向に垂直な断面にお
いて、車体パネル12,13とウインドガラス11の間隙を被
覆する装飾部21を有する。装飾部21は車体パネル側に延
在する外側装飾部21aとウインドガラス11側に延在する
ウインドガラス側装飾部21bとよりなる。装飾部21の下
面中央には車体パネル12,13とウインドガラス11との間
隙に嵌入する支柱部22を一体に連設する。ウインドガラ
ス11の側縁部に対応する位置に配設されるモールデイン
グ２の部分には、当該部分をウインドガラス11と車体パ
ネル12,13との間隙に配設した時、傾斜壁部13aに係合部
材４が取付けられている箇所に対応する位置の支柱部22
に、切欠部26を設ける。モールデイング２はさらに前記
断面において、支柱部22の車体パネル側には薄板状の弾
接リツプ24を突設し、装飾部21と支柱部22との連設部で
あつてウインドガラス側装飾部21bの下面に、嵌合凹部2
5を凹設するとともに、支柱部22のウインドガラス11側
の下部には支柱部22の外壁とでＶ字溝23cを形成する脚
片23を突設し、脚片23の先端をく字型に屈折して支持部
23bとする。

前記モールデイング２は少なくとも前記ウインドガラス
11の上縁部および左右の側縁部に沿つて一連に連設さ
れ、その支柱部22は、ウインドガラス11の上縁部に沿部
分においては該上縁部とルーフパネル12の傾斜壁部12a
との間に、ウインドガラス11の左右の側縁部に沿う部分
においては該側縁部とフロントピラー13の傾斜壁部13a
との間に、それぞれ挿入される。

前記ウインドガラス11の左右の側縁部とフロントピラー
13の傾斜壁部13aとの間の間隙にモールデイング２の支
柱部22を挿入するに先立つて、モールデイング２には、
ウインドガラス11の上縁部と左右の側縁部との接続部で
あるコーナー部から前記左右の側縁部に対応する位置に
おいて、モールデイング２のウインドガラス側装飾部21
bの下面に補助壁部材３を装着する。

補助壁部材３はウインドガラス側装飾部21b下面に収納
されるもので、第３図（Ｉは平面図、IIは正面図、III
は左側面図）に示すように、断面形状をほぼコ字状とす
るチヤンネル形状の一体成形された長尺体であつて、長
手方向に沿つて上面の一方の端縁に前記モールデイング
に形成された嵌合凹部25に嵌合する嵌合突部32を突設す
ると共に、嵌合突部32の下部にはモールデイング２の支
柱部22と脚片23とで形成するＶ字溝23cに嵌入する嵌合
脚部31を連設する。嵌合脚部31は脚片23のく字型に屈折
する支持部23bの屈折部分に合致する凹部31aを凹設す
る。補助壁部材３の上面部の嵌合脚部31を形成した端縁
と対向する端縁には、前記嵌合脚部31と平行せしめて壁
部33を突設する。壁部33はウインドガラス11のコーナー
部に対応する部分においては、壁部33の高さ寸法を短
く、コーナー部から側縁部に対応する部分で徐々に高さ
寸法を長くし、コーナー部から離れた位置の側縁部に対
応する部分では最も長くなるように、その自由端縁を長
手方向に沿つて変化させた板状体である。

この補助壁部材３はその嵌合突部32を、ウインドガラス
11のコーナー部から側縁部に対応する位置において、モ
ールデイング２のウインドガラス側装飾部21bの下面の
嵌合凹部25に嵌合して、モールデイング２に一体的に装
着する。

第４図はウインドガラス11の上縁部（第１図線Ａ−Ａ矢
視図）におけるウインドガラス11の取付け部分の断面図
を示している。

ウインドガラス11の上縁部はダムラバー15と接着剤16と
でルーフパネル12のフランジ部12bに固定され、前記ウ
インドガラス11の端縁とルーフパネル12の傾斜壁部12a
との間の間隙にモールデイング２の支柱部22が嵌入され
る。モールデイング２の外側装飾部21aの自由端縁はル
ーフパネル12の表面端縁に密着し、ウインドガラス側装
飾部21bの自由端縁はウインドガラス11の上面に密着す
る。弾接リツプ24は傾斜壁部12aに圧接する。脚片23は
支持部23bの屈折部がウインドガラス11の上縁部の端縁
下面に係合してウインドガラス11を支持し、支柱部22の
下端を接着剤16で固定する。

第５図はウインドガラス11のコーナー部（第４図線Ｂ−
Ｂ断面図）におけるウインドガラスの取付け部分の断面
図である。

ウインドガラス11のコーナー部の位置に配設されてモー
ルデイング２に装着される補助壁部材３の部分は高さ寸
法の短い壁部33を有する。

ウインドガラス11のコーナー部はダムラバー15と接着剤
16とで車体パネル12,13のフランジ部12b,13b上に固定さ
れ、前記ウインドガラス11のコーナー部の端縁と前記車
体パネル12,13におけるコーナー部の傾斜壁部12a,13aと
の間隙に、モールデイング２の支柱部22が嵌入される。
モールデイング２の外側装飾部21aの自由端縁はフロン
トピラー13の表面端縁に密着し、弾接リツプ24は傾斜壁
部12a,13aの壁面に圧接する。補助壁部材３の係合脚部3
1はモールデイング２の支柱部22と脚片23とで形成され
るＶ字溝23c内に嵌入支承され、ウインドガラス側装飾
部21bの自由端縁は、ウインドガラス11のコーナー部の
一部において、ウインドガラス11の上面とウインドガラ
ス側装飾部21bとの間に介在せしめた補助壁部材３の壁
部33により若干寸法の間隙17を形成する。そして、ウイ
ンドガラス側装飾部21bの下面に装着した補助壁部材３
の短い壁部33の自由端縁がウインドガラス11の上面に密
着して、間隙17の部分に雨水等を誘導する壁面を形成す
る。支柱部22の下端は接着剤16で固定する。

第６図はウインドガラス側縁部（第４図線Ｃ−Ｃ断面
図）におけるウインドガラス取付け部材の断面を示す。

ウインドガラス11の側縁部に配設する補助壁部材３は、
ウインドガラス11のコーナー部に配設した補助壁部材３
の壁部33よりは長い高さ寸法の壁部33を有する。

モールデイング２の外側装飾部21aの自由端縁はフロン
トピラー13の表面端縁に密着し、弾接リツプ24はフロン
トピラー13の傾斜壁部13aの壁面に圧接する。ウインド
ガラス側装飾部21bの自由端縁は、ウインドガラス11の
上面とウインドガラス側装飾部21bの下面との間に介在
せしめた長い寸法の壁部33を有する補助壁部材３が装着
されているので、前記ウインドガラス11のコーナー部に
おける間隙17より大なる寸法の間隙17を形成し、前記壁
部33の自由端縁がウインドガラス11上面に密着して間隙
17部分に雨水等を誘導するに十分な寸法の壁面を形成す
る。支柱部22の下端は接着剤16により固定される。

第７図は第４図線Ｄ−Ｄの断面図で、フロントピラー13
の傾斜壁部13aに係合部材４が固着されている部分を示
す。係合部材４が固着されている部分に対応するモール
デイング２には、支柱部22の所定の箇所に切欠部26を形
成している。この支柱部22の切欠部26の位置は、ウイン
ドガラス11と車体パネルとの間の間隙に嵌着されたモー
ルデイング２の支柱部22において、車体パネルの傾斜壁
部13aに配設されている係合部材４と干渉する位置と
し、モールデイング２の装飾部21の下端面27まで切り欠
かれている。また、ウインドガラス側装飾部21b下面に
はやや長い壁部33を有する補助壁部材３が取付けられて
いる。

係合部材４は、モールデイング２の外側装飾部21aをフ
ロントピラー13の表面端縁に密着した状態において、モ
ールデイング２の支柱部22における前記切欠部26内に係
合部材４が収容され、かつ前記装飾部21の下端面27が係
合部材４の上面に合致させ、かつ傾斜壁部13aの壁面に
固定されている係合部材４の係合溝41に補助壁部材３の
嵌合脚部31を嵌入する。係合溝41の係合突部42に嵌合脚
部31の凹部31aが係合して、モールデイング２は前記傾
斜壁部13aに固定される。係合部材４に支持されたモー
ルデイング２のウインドガラス側装飾部21bの下面とウ
インドガラス11の上面との間に間隙17を形成する。補助
壁部材３はその壁部33の自由端縁がウインドガラス11の
上面に全長にわたり安定して密着し、間隙17の部分に雨
水等を誘導する壁面を形成する。

本実施例において好ましくは、自動車の車体のウインド
ガラス取付け部の開口部において、ウインドガラス11の
上縁部に対応するルーフパネル12のフランジ部12bにお
ける前記ルーフパネル12の表面との間の段差を基準値と
し、前記ウインドガラス11の左右の両側縁部に対応する
フロントピラー13のフランジ部13bにおける前記フロン
トピラー13の表面との間の段差を、前記ウインドガラス
11の上縁部と側縁部との接続部であるコーナー部に対応
する車体パネル12,13のコーナー部においては、前記段
差を前記基準値より僅かに大とし、前記コーナー部より
離れるに従つて前記段差を前記基準値より次第に大とな
るようにする。

これにより、第４図に示したウインドガラス11の上縁部
の取付け部においては、ルーフパネル12とウインドガラ
ス11の上面との段差をH0としたとき、第５図に示すウイ
ンドガラス11のコーナー部の取付け部においては、フロ
ントピラー13の表面とウインドガラス11の上面との段差
H1は前記基準段差H0より若干大となるが、補助壁部材３
の壁部33の自由端縁はウインドガラス11に密着し、また
第６図に示すウインドガラス11の側縁部の取付け部にお
いては、フロントピラー13の表面とウインドガラス11の
上面との段差H2は、前記壁部33の自由端縁のウインドガ
ラス11への密着を害することなく、かつモールデイング
２の装飾部21にも変形を生ぜしめることなく、前記段差
H1より大なる寸法となし得られ、ウインドガラス11の側
縁部において、モールデイング２の装飾部21に変形を生
ぜず、かつ前記壁部33のシール性を害せずに、コーナー
部より下方に至るに従い次第に寸法を大とする間隙17を
提供することができる。

また一般に、自動車の車体１のウインドガラス取付け用
の開口部においては、車体パネル12,13の端縁部に形成
したフランジ部12b,13bの成形精度が、ウインドガラス1
1の周縁部について場所によつて異なることが多い。特
にフロントウインドガラス取付け用の開口部において
は、ルーフパネル12は１枚の板材より成形されるとして
も、フロントピラー13のアウタパネルについては左右の
アウタパネルが別個に成形されてフロントピラー13とし
て組付けられる場合が多く、この場合に左右のフロント
ピラー13のフランジ13bとアウタパネルの表面との間の
段差に若干の寸法差を生ずることが多い。

本考案によれば、少なくとも左右のフロントピラー13に
おいてその表面とフランジ部13bとの間の段差に若干の
寸法差があつたとしても、前記係合部材４の固着位置を
調整することにより、モールデイング２の装飾部21を変
形させることなく、かつモールデイング２によるシール
性を害することなく、ウインドガラス11を車体パネル1
2,13に取付けることができる。

本実施例は以上のように、ウインドガラス11の上縁部に
おいてはモールデイング２の脚片23の支持部23bがウイ
ンドガラス11の上縁部の端縁下面に係合して、モールデ
イング２のウインドガラス側装飾部21bの自由端縁をウ
インドガラス11の上面に密着させ、ウインドガラス11の
コーナー部から側縁部に対応する位置においては、モー
ルデイング２の支柱部22と脚片23とにより形成されるＶ
字溝は補助壁部材３の脚部３の脚部31の嵌合溝となり、
また、ウインドガラス11の側縁部においては、モールデ
イング２の支柱部22の切欠部において補助壁部材３の嵌
合脚部31が係合部材４の係合溝41に係合してモールデイ
ン２を車体パネルの傾斜壁部に固定し、モールデイング
を定位値におさめ、モールデイングと車体パネルとの間
のシールを達成する。さらに、ウインドガラス11の上縁
部から側縁部にかけて該ウインドガラス11の周縁部を接
着剤16により固着する車体パネルに段差があつても、ウ
インドガラス11の側縁部に対応する車体パネルの部分に
おいて係合部材でモールデイングの取付け位置を調整す
ることにより、ウインドガラス面のシールを達成するこ
とができる。

〔考案の効果〕

本考案によれば、ウインドガラスの上縁部に対応する位
置においては、モールデイングの脚片の支持部がウイン
ドガラスの上縁部の端縁下面に係合するとともにモール
デイングの端縁がウインドガラスの上面に密着し、ウイ
ンドガラスのコーナー部から側縁部に対応する位置にお
いては、モールデイングの前記支持部は補助壁部材の嵌
合脚部の係合部となり、さらに、モールデイングの切欠
部の位置においては補助壁部材の嵌合脚部が係合部材に
係合して、前記切欠部におけるモールデイングを支持し
てモールデイングを定位値におさめて固定し、前記補助
壁部材の壁部の自由端縁がウインドガラスの上面に密着
して、ウインドガラスの周縁部と車体パネルとの間のシ
ールを完全に達成することができる。さらに、車体パネ
ルとウインドガラス面との段差がウインドガラスの上縁
部と側縁部とで異なる場合にあつても、前記係合部材の
位置を調整することにより、前記モールデイングに変形
を生ぜしめることなく、かつ補助壁部材の壁部における
シール性を害することなく、ウインドガラスの側縁部に
雨水の誘導をする壁面でシールされた間隙を安定して形
成し、雨水やウオツシヤー液等を自動車のウインドガラ
スの側縁部より外側に流出したり飛散する横方向の流れ
を阻止して、モールデイングに沿わせて外方に導くこと
ができる。

また、本考案によれば、モールデイングはウインドガラ
スの上縁部から側縁部にかけて同一断面で継目なく連続
して形成することができ、雨水を誘導する壁面は、ウイ
ンドガラスのコーナー部より側縁部に対応する位置にお
いて補助壁部材を、その嵌合脚部をモールデイングの支
柱部と脚片で形成する溝に嵌合せしめることにより形成
されるから、モールデイング自体を損うおそれがなく、
かつウインドガラスの側縁部のみに形成することができ
る。

なお本考案において、前記係合部材にその長手方向に係
合溝を形成して、前記補助壁部材の嵌合脚部を、前記モ
ールデイングの支柱部の切欠部の位置において前記係合
部材の係合部に嵌入させるときは、モールデイングの車
体パネルへの位置ぎめおよび固定を一層良好とすること
ができ、前記補助壁部材の壁部を、ウインドガラスのコ
ーナー部に対応する位置における高さ寸法が、ウインド
ガラスの側縁部に対応する位置における高さ寸法より短
くなるように、その長手方向に沿つて徐々に自由端縁を
変化せしめたものとするときは、ウインドガラスの側縁
部に沿つて形成される雨水を誘導する壁面の高さを雨水
の横方向の流れを阻止して外方に誘導するに適した高さ
寸法に形成させるとともに、ウインドガラスのコーナー
部においてはモールデイングの装飾部の下面に形成され
る前記壁面の高さ寸法を微小として、該装飾部をウイン
ドガラスの上面にその端縁が密着するウインドガラスの
上縁部に対応する位置のモールデイングの装飾部に滑ら
かに接続せしめることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の前面の一部を示す説明図、 第２図はウインドガラスのコーナー部におけるモールデ
イングの取付構造説明図、 第３図は補助壁部材の三面図、 第４図は第１図のＡ−Ａ矢視図、 第５図は第４図のＢ−Ｂ断面図、 第６図は第４図のＣ−Ｃ断面図、 第７図は第４図のＤ−Ｄ断面図である。 １……車体、２……モールデイング、21……装飾部、21
b……ウインドガラス側装飾部、22……支柱部、23……
脚片、23b……支持部、23c……Ｖ字溝、25……嵌合凹
部、26……切欠部、３……補助壁部材、31……嵌合脚
部、32……嵌合凸部、33……壁部、４……係合部材、41
……係合溝、11……ウインドガラス、12……ルーフパネ
ル、13……フロントピラー、13b……傾斜壁部、17……
間隙。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車車体のウインドガラスを取付ける開
   口部の周縁に位置する車体パネルにウインドガラスを取
   付けるウインドガラスのシール装置において、 支柱部と、支柱部のウインドガラス側に突設して支持部
   とした脚片と、支柱部の上端に連設する車体パネルとウ
   インドガラスとの間隙を被覆する装飾部とを有するモー
   ルデイングと、 車体パネルに配設する係合部材と、 前記モールデイングの支柱部と脚片とで形成する溝に嵌
   入する嵌合脚部と、該嵌合脚部の長手方向に沿つて並列
   させた壁部とを有する補助壁部材とを備え、 前記モールデイングは、少なくともウインドガラスの上
   縁部と該上縁部の両端においてコーナー部を介して接続
   する両側縁部とにわたつて配設されるとともに、ウイン
   ドガラスのコーナー部から側縁部に対応する位置におい
   て前記係合部材の配設位置に対応する個所の支柱部に形
   成した切欠部を備え、 ウインドガラスの上縁部に対応する位置においては、前
   記モールデイングの脚片の支持部がウインドガラスの下
   端に当接すると共に装飾部がウインドガラスの上面に密
   着し、ウインドガラスのコーナー部から側縁部に対応す
   る位置においては、前記モールデイングに前記補助壁部
   材が配設され、該補助壁部材の嵌合脚部は前記モールデ
   イングの支柱部の切欠部の位置において前記係合部材に
   係合し、前記補助壁部材の壁部の自由端縁はウインドガ
   ラス上面に密着することを特徴とする自動車ウインドガ
   ラスのシール装置。
2. 【請求項２】前記係合部材にはその長手方向に係合溝が
   形成され、前記補助壁部材の嵌合脚部は、前記モールデ
   イングの支柱部の切欠部の位置において前記係合部材の
   係合溝に嵌入することを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の自動車ウインドガラスのシール装
   置。
3. 【請求項３】前記補助壁部材の壁部は、ウインドガラス
   のコーナー部に対応する位置における高さ寸法を、ウイ
   ンドガラスの側縁部に対応する位置における高さ寸法よ
   り短くするように、その長手方向に沿つて徐々に自由端
   縁を変化せしめたことを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項に記載の自動車ウインドガラスのシール装
   置。