JP2526374Y2 - 自動車のウインドガラス用モールディング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はウインドガラスを車体パネルに接着した自動
車におけるウインドガラス用のモールデイングに関す
る。

〔従来の技術〕

自動車のウインドガラスを接着剤により車体パネルに
取付けた場合、ウインドガラスと車体パネルとの間の不
連続部分を覆うとともに、ウインドガラスの周縁部と車
体パネルとの間のシールを兼ねるモールデイングを装着
する。

モールデイングは、ウインドガラスの端縁の周縁部の
外表面を覆うウインドガラス側装飾部と脚部とを一体的
に備え、該脚部をウインドガラスの周縁部と車体パネル
との間の隙間に直接挿入して脚部の下端部を接着剤で車
体パネルに固着するか、または車体パネルの開口部の内
周縁にゴム又はプラスチツク製の係合部材を接着剤や両
面接着テープを利用して固着するとともに、ウインドガ
ラスの周縁部と車体パネルとの隙間に挿入したモールデ
イングの脚部を係合部材に止着せしめることを通例とす
る。

この種のウインドガラスの周縁に取付けるモールデイ
ングにおいて、ウインドガラスの左右の側縁部に配設す
るモールデイングのサイド部分に雨水の導入溝を形成す
る技術が知られており、例えばモールデイングのサイド
部分を切削して雨水案内用のせきを設けたもの（実開昭
63-32915号公報参照）、モールデイングのサイド部分に
射出成形によりせきを形成したもの（実開昭63-32916号
公報参照）あるいはモールデイングのウインドガラス外
表面に当接する端縁を起伏自在のフラツプに形成し、そ
の裏面に備えた気密の空洞部に圧力流体を導入したとき
フラツプをウインドガラスから起立して雨水誘導用溝を
形成するもの（特開昭62-178422号公報参照）などが提
案されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

モールデイングのサイド部分を切削してせきを設けた
型式のものにあつては、モールデイングの幅寸法は、サ
イド部分のみが他の部分に比べて細くなるために、装飾
性を低減する等の問題があり、またモールデイングのサ
イド部分に射出成形によりせきを設けた型式のものにあ
つては、押し出し成形されたモールデイングに後工程で
射出成形によりせきを付加するために、製造上問題があ
つたり、または押し出し成形部と射出成形部の外観に差
異が生ずるといつた不具合があり、さらにモールデイン
グのサイド部分を起伏自在のフラツプとする型式のもの
にあつては、晴天時に空洞部に負荷を導入して伏倒させ
ることにより風切り音の発生を防止できる反面、導入す
る圧力流体または負圧の圧力維持が必要であり、製造上
および保守上の困難性がある。また、ウインドガラスと
車体パネルとの段差がウインドガラスの上縁部から側縁
部にかけて変化している場合には、これ等のモールデイ
ングは使用出来なかった。

そこで本考案は、同一断面の長尺体のモールデイング
により、自動車のウインドガラスの左右の側縁部に配設
された部分にのみ雨水誘導用の溝またはせきを任意に形
成できるウインドガラスのモールデイングを提供するこ
とを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、自動車の車体パネルの開口部の内周縁にそ
の端縁を接着剤により接着されたウインドガラスの上端
部および左右の側縁部に沿つて車体パネルとウインドガ
ラスとの間隙に装着され、ウインドガラス上面と車体パ
ネルとの間隙を被覆する装飾部と、車体パネルとウイン
ドガラスとの間隙に嵌入する脚部と、装飾部と脚部との
間に形成する壁部を連結した支持腕とよりなるモールデ
イングに関する。

前記モールデイングはゴム・合成樹脂等の弾性材料に
より長尺体に形成され、その長手方向に垂直な面内の断
面において、ウインドガラスの端縁の周縁部外表面を覆
うウインドガラス側装飾部と脚部との交点部分よりウイ
ンドガラス装飾部の自由端縁方向に向けその下面に鋭角
に突設したウインドガラス側装飾部より薄肉の板状の支
持腕と、該支持腕の自由端縁よりやや内方の位置よりウ
インドガラス側装飾部の自由端縁方向に向けて突設され
たウインドガラス側装飾部より薄肉の板状の壁部とを一
体に形成される。そして前記モールデイングはウインド
ガラスの上縁部および左右の側縁部に沿って連続せしめ
て配設され、その脚部によりウインドガラスの端縁と車
体パネルとの間隙に装着される。

本考案の一態様によれば、モールデイングのウインド
ガラス側装飾部は、ウインドガラスの上縁部に沿わせて
配設するモールデイングの部分においては前記壁部およ
び支持腕を前記ウインドガラス側装飾部の下面に折たた
み収納されて、前記ウインドガラス側装飾部の自由端縁
においてウインドガラスの外表面に密着し、ウインドガ
ラスの側縁部に沿わせて配設するモールデイングの部分
においては、前記ウインドガラス側装飾部の下面と、前
記壁部および支持腕との間に挿入したスペーサ部材によ
り、前記支持腕の自由端縁がウインドガラスの外表面に
密着し、前記壁部の自由端部は前記ウインドガラス側装
飾部の自由端部に当接して、前記ウインドガラスの外表
面とウインドガラス側装飾部との間に、前記壁部により
雨水誘導用のせきを形成する。

また本考案の他の態様によれば、モールデイングのウ
インドガラス側装飾部は、ウインドガラスの上縁部に沿
わせて配設するモールデイングの部分においては、前記
支持腕をウインドガラス側装飾部の下面に当接させ、前
記壁部をウインドガラス側装飾部の自由端縁を越えてウ
インドガラス側装飾部の外表面の端面部を被覆せしめる
ことにより、前記支持腕の自由端縁においてウインドガ
ラスの外表面に密着し、ウインドガラスの側縁部におい
ては、前記ウインドガラス側装飾部の下面と前記壁部お
よび支持腕との間に挿入したスペーサ部材により、前記
支持腕の自由端縁がウインドガラスの外表面に密着し、
前記壁部の自由端部が前記ウインドガラス側装飾部の自
由端部に当接して支持され、ウインドガラスの外表面に
前記壁部の外表面による雨水誘導用のせきを形成する。

〔実施例〕

以下、図面に基づいて本考案の各種の実施例を説明す
る。

第１図は自動車の概要を示すもので、自動車の車体１
には車室の前面にウインド開口部を形成して、該ウイン
ド開口部の内周縁を形成するルーフパネル12とフロント
ピラー13を利用してフロントウインドガラス11が取付け
られる。

第２図乃至第４図は、本考案の第１の実施例を示し、
第２図はウインドガラスの上縁部と左右の側縁部とを接
続するコーナー部付近のウインドガラスおよびモールデ
イングを斜面図で詳細に示している。

ルーフパネル12の内周部には、ウインドガラスを受け
入れるための傾斜壁部12aとフランジ部12bを形成する。
フロントピラー13の内周部にも同様の傾斜壁部13aとフ
ランジ部13bを形成する。

またウインドガラス11の上縁部においてはモールデイ
ングとウインドガラスの端縁の周縁部の外表面との間に
間隙を形成することなく、ウインドガラス11の左右の側
縁部においてモールデイングとウインドガラスの前記外
表面との間に間隙を形成してこの間隙を雨水誘導溝に構
成したい場合には、一般に、前記ウインドガラス11の上
縁部よりコーナー部への遷移部分に相当するフロントピ
ラー13のフランジ部13bのフロントピラー13の表面から
の深さを、ルーフパネル12のフランジ部12bのルーフパ
ネル12の表面からの深さとし、前記ウインドガラス11の
コーナー部より側縁部への遷移部分に相当するフロント
ピラー13の部分より先の部分のフランジ部13bのフラン
ジピラー13の表面からの深さを、前記雨水誘導用溝の深
さだけ大とし、この間に前記深さを直線的に大とするフ
ランジ部13の部分を形成する。このような車体パネルに
よれば、モールデイングのウインドガラスの前記外表面
を覆う部分の表面に、ねじれを生ずる等の残留応力をモ
ールデイングに発生せしめることなく、耐久性、対候性
を向上させ、かつ前記表面に光沢のある装飾を施したと
してもその装飾性を損うことがない。以下説明する本考
案の実施例は、このような車体パネルを利用したもので
ある。なお以下の説明において、ルーフパネル12とフロ
ントピラー13を特に区別して説明する必要がないとき
は、両者を総称して車体パネルという。

本実施例においては、ウインドガラス11と車体パネル
との段差は、ウインドガラスの上縁部では小さく、ウイ
ンドガラス11の側縁部では大きく構成され、ルーフパネ
ル12の傾斜壁部12aの高さh₁とフロントピラー13の傾斜
壁部13aの高さh₂との関係はh₁＜h₂に形成されている。
車体１の傾斜壁部12aおよび傾斜壁部13aには両面接着テ
ープ17により係合部材16を接着して、車体パネルとウイ
ンドガラス11の端縁との間に前記係合部材16を介してモ
ールデイング２を嵌装する。

係合部材16は断面をほぼＪ字状とする帯状をなし、そ
の幅寸法は該係合部材16の全長にわたつて、前記高さの
低いルーフパネル12の傾斜壁部12aの高さ寸法にほぼ等
しい。係合部材16の上端は係止部19を車体パネル側に突
設すると共に、下端は上端の係止部19側とは反対のウイ
ンドガラス11側に曲折してモールデイング係合部18を形
成する。モールデイング係合部18の先端内面には係合突
部10を突設する。このような構成の係合部材16の係止部
19を車体１のルーフパネル12の縁部、フロントピラー13
の縁部に係合した状態で各傾斜壁部12a,13aに両面接着
テープ17により取付ける。

係合部材16にはモールデイング２の脚部22を嵌挿す
る。

モールデイング２は、ウインドガラス11の端縁の周縁
部の外表面と係合部材16の係止部19との間を覆う装飾部
21と、先端に係合突起23を形成した脚部22と、装飾部21
と脚部22との交点部分に突設する板状の支持腕24とを有
する。支持腕24の先端にはその自由端縁より内方の位置
に、その自由端縁が装飾部21の自由端縁に接合可能とし
た板状の壁部25の基部を連設する。支持腕24および壁部
25は脚部22、装飾部21に比べて薄肉の板状体である。

係合部材16およびモールデイング２はゴム、合成樹脂
等の弾性材料を押出し成形等の手段により一体成形す
る。

本実施例は以上のような構成を備え、モールデイング
２は、第２図に示すように車体パネルに止着せしめた係
合部材16に脚部22を嵌着して、ウインドガラス11の周縁
部に取付けられる。

第３図は第１図の線II-IIでの断面を示すものであ
る。

ウインドガラス11は、その端縁の周縁部の内面におい
てルーフパネル12のフランジ部12bに対して接着剤15に
より固着される。ルーフパネル12の傾斜壁部12aに両面
接着テープ17を介して固着した係合部材16のモールデイ
ング係合部18の溝内にモールデイング２の脚部22を圧入
する。脚部22の先端に形成した係合突起23は係合部材16
のモールデイング係合部18に設けた係合突部10に係止さ
れる。この状態でモールデイング２の装飾部21の車体パ
ネル側の側縁は係合部材16の係止部19と密着してシール
を達成し、装飾部21のウインドガラス11の端縁の周縁部
の外表面を覆つて延在するウインドガラス側装飾部の自
由端縁は、ウインドガラス11の外表面に密着してシール
する。支持腕24と壁部25は装飾部21のウインドガラス側
装飾部とウインドガラス11の外表面との間に折畳まれて
収納される。

第４図は第１図線III-IIIでの断面を示している。

ウインドガラス11の側縁部においては、係合部材16を
取付けている傾斜壁部13aはルーフパネル12側の傾斜壁
部12aより高さ寸法が長いので、フロントピラー13の傾
斜壁部13aに係合部材16の係止部19を係合した状態でモ
ールデイング係合部18の溝内にモールデイング２の脚部
22を圧入し、係合突起23を係合突部10とを係止せしめて
モールデイング２を取付けると、装飾部21の車体パネル
側の側縁は係止部19に密着してシールを達成するが、装
飾部21のウインドガラス側装飾部の自由端縁はウインド
ガラス11上面との間に間隙を形成する、そこで支持腕24
と壁部25および装飾部21下面とで形成する空間部分に断
面三角形の柱状体よりなるスペーサ部材３を挿入して前
記空間を三角形の形状に維持せしめると、支持腕24の壁
部25より先端部の支持腕24の自由端縁はウインドガラス
11の外表面に弾性的に密着し、壁部25はウインドガラス
11の外表面にほぼ垂直に起立し、その自由端縁は装飾部
21のウインドガラス側装飾部の下面に当接する。そし
て、壁部25と装飾部21のウインドガラス側装飾部下面と
で液密性の高い雨水誘導用のせき26を形成する。

本実施例は、押出し成形により作成したモールデイン
グ２および係合部材16のそれぞれを、長手方向に垂直な
面内の断面を均一の断面形状に形成し、しかもウインド
ガラス11の側縁部に任意の長さの雨水誘導用のせき26を
形成することができ、装飾性が高く、シール性も確保で
きるものである。

次に、本考案の第２の実施例を第５図乃至第７図によ
り説明する。

第５図は第２図と同様にウインドガラスのコーナー部
付近のウインドガラスおよびモールデイングの関連を示
す斜面図、第６図および第７図は第３図及び第４図と同
様の断面図である。

この実施例は、車体パネルとウインドガラス11の端縁
との間にモールデイング４のみを嵌装する実施例であ
る。

モールデイング４は脚部42の上端に装飾部41を形成し
て、断面形状を略Ｔ字形とし、装飾部41は脚部42を中心
にパネル側シール部41aとウインドガラス側装飾部41bと
を形成する。

ウインドガラス11の上縁部からコーナー部に対応する
モールデイング４の脚部42の先端には車体パネル側に舌
状の第１弾接リップ47を、ウインドガラス11側に側方に
突出する第１係合突起43をそれぞれ突設する。ウインド
ガラス11の側縁部に対応するモールデイング４の脚部42
の先端には第１弾接リップ47、第１係合突起43の下部に
脚部42を延設して、第２弾接リップ48を車体パネル側
に、第２係合突起46をウインドガラス11側に、それぞれ
突設する。第１係合突起43と第２係合突起46との間隔
は、ルーフパネル12の傾斜壁面12aとフロントピラー13
の傾斜壁面13aとの高さの差（h₂−h₁）とする。

ウインドガラス側装飾部41bと脚部42との交点部分に
板状の支持腕44をウインドガラス側装飾部41bの下面に
鋭角に突設する。支持腕44の先端には該支持腕44の自由
端縁より内方の位置に板状の壁部45の基部を連設し、壁
部45と支持腕44とでほぼＴ字形を形成する。

モールデイング４はゴム、合成樹脂等の弾性材料で押
出し成形等の手段により形成する。

この実施例は以上のような構成を備え、第５図に示す
ようにモールデイング４は、車体１のルーフパネル12の
傾斜壁部12aとウインドガラス11上縁部の端縁との間お
よびフロントピラー13の傾斜壁部13aとウインドガラス1
1の側縁部の端縁との間に嵌着される。

第６図は第１図の線II-IIに沿うウインドガラス11の
上縁部における断面を示す。

ウインドガラス11はルーフパネル12のフランジ部12b
に対して接着剤15により固着される。モールデイング４
の脚部42をウインドガラス11の上端部の端縁とルーフパ
ネル12の傾斜壁部12aとの間に嵌入する。脚部42の先端
の第１係合突起43がウインドガラス11の端縁の周縁部の
下面に係合し、第１弾接リップ47は傾斜壁部12aに弾接
する。装飾部41の車体パネル側シール部41aの自由端縁
はルーフパネル12の表面に密着してシールを達成する。
ウインドガラス側装飾部41bにおいては、支持腕44の先
端部に連接された壁部45によりウインドガラス側装飾部
41bの外表面を被覆し、支持腕41の基部がウインドガラ
ス側装飾部41bの下面に添着され、支持腕44における壁
部45の基部より先端部の支持腕44の自由端縁がウインド
ガラス11の外表面に弾性的に密着して、ウインドガラス
11とウインドガラス側装飾部41bとの間がシールされ
る。

第７図は第１図の線III-IIIに沿うウインドガラス11
の側縁部における断面を示す。

接着剤15でフロントピラー13のフランジ部13bに取付
けたウインドガラス11の側縁部の端縁とフロントピラー
13の傾斜壁部13aとの間にモールデイング４の脚部42を
嵌入する。傾斜壁部13aはルーフパネル12の傾斜壁部12a
より高さ寸法が長いが、モールデイング４の脚部42の高
さ寸法を、ウインドガラス11の側縁部に沿わせる部分に
おいては上縁部に沿わせる部分の脚部の長さ寸法より前
記傾斜壁部12a,13aの高さ寸法の差異と同寸法だけ脚部4
2を長く形成することにより、パネル側シール部41aをフ
ロントピラー13に密着した状態で、脚部42の先端の第２
の係合突起46がウインドガラス11の端縁の周縁部の下面
に係合する。第１および第２弾接リップ47,48は傾斜壁1
3aに弾接する。そしてウインドガラス側装飾部41b側は
ウインドガラス上面からの位置が高く設置される。それ
に伴い支持腕44の壁部45の基部より先端側の自由端部は
ウインドガラス11の外表面に弾性的に密着し、前記壁部
45はウインドガラス11の外表面にほぼ垂直に起立してそ
の一面でウインドガラス側装飾部41bの自由端縁に当接
し、ウインドガラス11の外表面に雨水誘導用のせき49を
形成する。

また、雨水誘導用のせき49の形状を保持するために、
第１の実施例と同様に支持腕44、壁部45、ウインドガラ
ス側装飾部41bの下面とで形成する空間にスペーサ部材
５を挿入する。

この実施例においては、ウインドガラスの側縁部に配
設されるモールデイング４の部分において、壁部45の自
由端縁をウインドガラス側装飾部41bの下面に当接させ
て、雨水誘導用のせき26（第４図参照）を形成するよう
に変形させることもできる。また前記第１の実施例にお
いて壁部45のスペーサ部材５に面する内面をウインドガ
ラス側装飾部41bの自由端縁に当接させて、雨水誘導用
のせき（第７図参照）を形成するように変形させること
もできる。これら変形例はそれぞれ前記実施例と均等の
構成であることはいうまでもない。

〔作用および考案の効果〕

本考案は、自動車のウインドガラスの上縁部および左
右の側縁部において、少くとも該ウインドガラスの端縁
の周縁部の外表面を覆うウインドガラス側装飾部と前記
ウインドガラスの端縁と車体パネルとの間に挿入される
脚部とを備えた長尺体のモールデイングであつて、その
長手方向に垂直な内面の断面において、前記ウインドガ
ラス側装飾部と脚部との交点部分より前記ウインドガラ
ス側装飾部の前記ウインドガラスの外表面に面する下面
に鋭角に前記ウインドガラス側装飾部の自由端縁方向に
向けて突接した前記ウインドガラス側装飾部より薄肉の
板状の支持腕と、該支持腕の自由端縁よりやや内方の位
置より前記ウインドガラス側装飾部に向けて突設した前
記ウインドガラス側装飾部より薄肉の板状の壁部とを、
前記ウインドガラス側装飾部および脚部とともに、ゴム
・合成樹脂等の弾性材料により一体に成形したものであ
つて、ウインドガラスの上縁部においては、前記支持腕
および壁板をウインドガラス側装飾部に沿わせた状態で
ウインドガラスの外表面との間をモールデイングにより
シールし、ウインドガラスの側縁部においては、前記壁
部を前記ウインドガラス側装飾部の前記下面にほぼ垂直
に起立させ、前記壁部の基部より先端側の支持腕の自由
端縁をウインドガラスの外表面に密着させてウインドガ
ラスの外表面との間をシールするとともに、前記壁部の
自由端部をウインドガラス側装飾部の自由端部に当接せ
しめて、前記壁部により雨水誘導用のせきを形成するも
のである。

即ち本考案の一実施態様においては、ウインドガラス
の上縁部に沿わせて配設するモールデイングの部分にお
いては前記壁部および支持腕を前記ウインドガラス側装
飾部の下面に折たたみ収納されて、前記ウインドガラス
側装飾部の自由端縁においてウインドガラスの外表面に
密着し、ウインドガラス側縁部に沿わせて配設するモー
ルデイングの部分においては、前記ウインドガラス側装
飾部の下面と、前記壁部および支持腕との間に挿入した
スペーザ部材により、前記支持腕の自由端縁がウインド
ガラスの外表面に密着し、前記壁部の自由端部は前記ウ
インドガラス側装飾部の自由端部に当接して、前記ウイ
ンドガラスの外表面とウインドガラス側装飾部との間
に、前記壁部による雨水誘導用のせきを形成するのであ
り、本考案の他の実施態様においては、ウインドガラス
の上縁部に沿わせて配設するモールデイングの部分にお
いては、前記支持腕をウインドガラス側装飾部の下面に
当接させ、前記壁部をウインドガラス側装飾部の自由端
縁を越えてウインドガラス側装飾部の外表面の端面部を
被覆せしめることにより、前記支持腕の自由端縁におい
てウインドガラスの外表面に密着し、ウインドガラスの
側縁部においては、前記ウインドガラス側装飾部の下面
と前記壁部および支持腕との間に挿入したスペーサ部材
により、前記支持腕の自由端縁がウインドガラスの外表
面に密着し、前記壁部の自由端部が前記ウインドガラス
側装飾部の自由端部に当接して支持され、ウインドガラ
スの外表面に前記壁部の外表面による雨水誘導用のせき
を形成するのである。

従つて本考案によれば、ゴム・合成樹脂等の弾性材料
による押出し成形等で長尺体に形成され、その長手方向
に垂直な断面を均一の断面形状としたモールデイングに
より、ウインドガラスの上縁部においてはウインドガラ
ス側装飾部をウインドガラスの外表面に沿わせて装着
し、ウインドガラスの左右の側縁部においてはスペーサ
部材の挿入によりウインドガラス側装飾部の自由端縁を
ウインドガラスの外表面より離間させ、前記ウインドガ
ラス側装飾部の自由端縁の部分と壁部とによつて雨水誘
導用のせきを形成し、かつウインドガラスの外表面には
前記支持腕の自由端縁と壁部の基部の突設部との間の薄
肉板状の自由端縁部が密着して、ウインドガラスの外表
面とモールデイングとの間を弾性的にシールすることが
できる。

そして、ウインドガラスの左右の側縁部に形成する雨
水誘導用のせきは、前記ウインドガラス側装飾部の下面
と支持腕および壁部との間に挿入するスペーサ部材の長
さおよび挿入位置によりその長さおよび位置が定まるの
で、モールデイングを施する自動車の種類や形式に拘ら
ず本考案のモールデイングが使用できて、しかも任意の
位置および長さに前記せきを形成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の車体の前面の一部を示す説明図、第２
図は第１の実施例の構成要素を示す斜面図、第３図は本
実施例の第１図のII-IIに沿う断面図、第４図は同じく
第１図のIII-III断面図、第５図は本考案の第２の実施
例の構成要素を示す斜面図、第６図は本実施例の第３図
と同様の断面図、第７図は同じく第４図と同様の断面図
である。 １……車体、2,4……モールデイング、21,41……装飾
部、22,42……脚部、24,44……支持腕、25,45……壁
部、11……ウインドガラス、12……ルーフパネル、13…
…フロントピラー、16……係合部材、18……モールデイ
ング係合部、19……係止部、26,49……雨水誘導用のせ
き。

Claims (4)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動車の車体パネルの開口部内周縁にその
   端縁の周縁部内面において接着剤により接着されたウイ
   ンドガラスの上縁部および左右の側縁部において、該ウ
   インドガラスの端縁と前記車体パネルとの間の間隙に装
   着される自動車のウインドガラス用モールデイングにお
   いて、 前記モールデイングは、少くとも前記ウインドガラスの
   端縁の周縁部外表面を覆うウインドガラス側装飾部と前
   記ウインドガラスの端縁と車体パネルとの間に挿入され
   て装着される脚部とを備え、 前記モールデイングは、ゴム・合成樹脂等の弾性材料よ
   り長尺体に形成され、その長手方向に垂直な面内の断面
   において、前記ウインドガラス側装飾部と脚部との交点
   部分より前記ウインドガラス側装飾部の前記ウインドガ
   ラスの外表面に面する下面に鋭角に前記ウインドガラス
   側装飾部に向けて突設した前記ウインドガラス側装飾部
   より薄肉の板状の支持腕と、該支持腕の自由端縁よりや
   や内方の位置より前記ウインドガラス側装飾部の自由端
   縁方向に向けて突設された前記ウインドガラス側装飾部
   より薄肉の板状の壁部とを、前記ウインドガラス側装飾
   部および脚部とともに一体に形成されており、 前記モールデイングは前記脚部により前記ウインドガラ
   スの端縁と車体パネルとの間隙に装着され、前記モール
   デイングのウインドガラス側装飾部は、前記ウインドガ
   ラスの上縁部においては前記壁部および支持腕を前記ウ
   インドガラス側装飾部の下面に折たたみ収納されて前記
   ウインドガラス側装飾部の自由端縁において前記ウイン
   ドガラスの上縁部における端縁の周縁部の外表面に密着
   し、前記ウインドガラスの左右の側縁部においては、前
   記ウインドガラス側装飾部の下面と前記壁部および支持
   腕との間に挿入したスペーサ部材により、前記支持腕の
   自由端縁が前記ウインドガラスの端縁の周縁部の外表面
   に密着し、前記壁部の自由端部は前記ウインドガラス側
   装飾部の自由端部に当接して、前記ウインドガラスの端
   縁の周縁部の外表面に、前記壁部による雨水誘導用のせ
   きを形成することを特徴とする自動車のウインドガラス
   用モールデイング。
2. 【請求項２】自動車の車体パネルの開口部内周縁にその
   端縁の周縁部内面において接着剤により接着されたウイ
   ンドガラスの上縁部および左右の側縁部において、該ウ
   インドガラスの端縁と前記車体パネルとの間の間隙に装
   着される自動車のウインドガラス用モールデイングにお
   いて、 前記モールデイングは、少くとも前記ウインドガラスの
   端縁の周縁部外表面を覆うウインドガラス側装飾部と前
   記ウインドガラスの端縁と車体パネルとの間に挿入され
   て装着される脚部とを備え、 前記モールデイングは、ゴム・合成樹脂等の弾性材料よ
   り長尺体に形成され、その長手方向に垂直な面内の断面
   において、前記ウインドガラス側装飾部と脚部との交点
   部分より前記ウインドガラス側装飾部の前記ウインドガ
   ラスの外表面に面する下面に鋭角に前記ウインドガラス
   側装飾部に向けて突設した前記ウインドガラス側装飾部
   より薄肉の板状の支持腕と、該支持腕の自由端縁よりや
   や内方の位置より前記ウインドガラス側装飾部の自由端
   縁方向に向けて突設された前記ウインドガラス側装飾部
   より薄肉の板状の壁部とを、前記ウインドガラス側装飾
   部および脚部とともに一体に形成されており、 前記モールデイングは前記脚部により前記ウインドガラ
   スの端縁と車体パネルとの間隙に装着され、前記モール
   デイングのウインドガラス側装飾部は、前記ウインドガ
   ラスの上縁部においては前記支持腕を前記ウインドガラ
   ス側装飾部の下面に当接させ、前記壁部を前記ウインド
   ガラス側装飾部の自由端縁を越えて該ウインドガラス側
   装飾部の外表面の端縁部を被覆せしめて、前記支持腕の
   自由端縁において前記ウインドガラスの上縁部における
   端縁の外表面に密着し、前記ウインドガラスの左右の側
   縁部においては、前記ウインドガラス側装飾部の下面と
   前記壁部および支持腕との間に挿入したスペーサ部材に
   より、前記支持腕の自由端縁が前記ウインドガラスの端
   縁の周縁部の外表面に密着し、前記壁部の自由端部は前
   記ウインドガラス側装飾部の自由端部に当接して前記ウ
   インドガラスの端縁の周縁部の外表面に前記壁部による
   雨水誘導用のせきを形成することを特徴とする自動車の
   ウインドガラス用モールデイング。
3. 【請求項３】前記雨水誘導用のせきは、前記壁部の自由
   端縁が前記ウインドガラス側装飾部の下面に当接して形
   成されることを特徴とする請求項１または請求項２に記
   載の自動車のウインドガラス用モールデイング。
4. 【請求項４】前記雨水誘導用のせきは、前記壁部の前記
   スペーサ部材に面する内面が前記ウインドガラス側装飾
   部の自由端縁に当接して形成されることを特徴とする自
   動車のウインドガラス用モールデイング。