JPH0719848Y2 - 運搬車両の乗り継ぎ台 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は運搬車両の乗り継ぎ台に係り、特に無限軌道
走行とモノレール走行の両機能を有する運搬車両におい
て、無限軌道走行からモノレール走行に、或いはモノレ
ール走行から無限軌道走行に切換わる際に用いる乗り継
ぎ台であって、特に山間部における資材や工具の運搬に
用いて好適なものである。

（従来の技術） 従来の装軌式または装輪式車両は単一走行機能しかもた
ず、そのため急勾配、階段、崖、川等の複雑な地形を有
する山岳地等において全道程を一車両で走ることは不可
能であり、走行不可能な場所は人力によっているのが一
般である。

（考案が解決しようとする問題点） 上記の点に鑑み本出願人はモノレール推進機構と履帯に
よる無限軌道機構との両走行装置を備えた山間部用運搬
車を考案した。

この場合モノレール走行と無限軌道走行との相互のいず
れかに切換えることが必要となるが、上述したように従
来の車両では単一機能しか有していないため使用範囲は
限定されるが乗り継ぐ必要がないため、目下のところ山
間部等においては上述のような乗り継ぎ台は用いられて
いない。

なお農用小型牽引車の分野においては実願昭48-68355号
（実開昭50-16012号）のマィクロフィルムに示したよう
に路面走行とモノレール走行への乗り継ぎを行う乗り継
ぎ装置もみられるが、上下方向の相対位置合せは走行タ
イヤの空気圧、摩耗などにより寸法に差異が生じ易く、
また左右の位置合せもタイヤ側面とガイドとの接触によ
る構造のため上下方向の位置合せと同様な影響を受やす
い。

このように上記従来の乗り継ぎ装置では車両とモノレー
ルの位置合せに必要な各部材間の経時変化や、整備の良
否によりモノレールの相対位置に大きなバラツキが生じ
易いことは免れない。

この考案は上記不具合を解決することをその目的とす
る。

（問題点を解決するための手段及び作用） この考案は、上記の点に鑑み成されたものであって、ベ
ースプレートに２本のガイドレールと１本の本レールと
を設け、上記２本のガイドレールをやや内側にカーブさ
せると共に、補助輪とモノレール駆動スプロケットの相
対位置で決まる所定の高さまで徐々に傾斜させるように
なっており、車両の左右両側の各前後に設けた４個の補
助輪を有する車両が乗り継ぎ台に進入するとき、補助輪
がガイドレールに乗り、その駆動力でガイドレールの平
坦な位置まで前進し、以後モノレールの駆動スプロケッ
トとガイドレールとにより本レールにスムーズに入り込
み、無限軌道走行からモノレール走行へ円滑に切換移行
できると共に、車両とモノレールの相対位置にバラツキ
を生ずることをなくしたものである。

（実施例） つぎにこの考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図、第２図において１は無限軌道走行とモノレール
走行とモノレールとの切換えに用いる乗り継ぎ台であっ
て、切換時はモノレールの前方または後方に配置される
もので、ベースプレート２とその上に設けた２本のガイ
ドレール3,3と１本の本レール４によって構成されてい
る。

ガイドレール3,3は図で明らかのように車両が進入する
際、車両とレールとのズレを考慮して一端が内側にカー
ブしかつ補助輪９とモノレール駆動スプロケット６との
相対位置で決まる所定の高さまで徐々に傾斜して水平状
態に入る。

第３図に示すように５は運搬車両でクローラ型の車両
で、モノレールの推進装置としてモノレール駆動スプロ
ケット６並びにモノレール走行のためのガイドローラ7,
8が配置されている。

９は補助輪で左右のクローラ10の前後の軸にそれぞれ各
１個計４個取付けられている。

いま無限軌道走行状態にある車両が（第１図参照）乗り
継ぎ台に進入すると、左右の補助輪9,9が左右のガイド
レール3,3に乗る。

そしてガイドレール３は前述のように内側にカーブして
しかも所定の高さまで徐々に傾斜しているので、補助輪
9,9……が前後ともガイドレール3,3に乗った後は補助輪
９のの駆動力でガイドレール３の平坦な位置3a,3aまで
前進する。

そして４個の補助輪９がガイドレール３の平坦な位置に
あれば、モノレールの駆動スプロケット６並びにガイド
ローラ7,8が本レール４にスムーズに入り込めるような
位置関係にガイドレール３と本レール４がベースプレー
ト２上に配置されている。

そして補助輪9,9……、ガイドローラ８、ガイドローラ
３によってレールとモノレール駆動装置の相対位置につ
いて、上下及び左右方向とも正確に規制できる。

従って無限軌道走行とモノレール走行の両機能をもつ運
搬車両は、この乗り継ぎ台を用いることによってすみや
かにスムーズにいずれかの機能に切換えることができ
る。

（考案の効果） この考案は上述したようにして成るので、無限軌道走行
とモノレール走行の両方の機能を持つ複合運搬車両を用
いて山岳地帯等の複雑な地形において資材運搬をする際
に、地形に合った走行形態をその都度選択するのにこの
乗り継ぎ台を用いることによりきわめて円滑に切換えが
行われるので、資材運搬の効率が著しく向上される。

そして特にこの考案では車両とモノレールの位置合せに
必要な各部材間を、経時的な変化要因のきわめて少ない
構成としたので常にスムーズな乗り継ぎが行えるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例であり、乗り継ぎ台に車両
が進入する前の状態を示し、第２図は乗り継ぎ台の詳細
を示す。 第３図は乗り継ぎ台のを用いてモノレールに乗ったとき
の状態を示す。 ２……ベースプレート、３……ガイドレール ４……本レール、６……モノレール駆動スプロケット ７……ガイドローラ、８……ガイドローラ ９……補助輪、10……クローラ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 山田 勝 大阪府大阪市北区中之島３丁目３番22号 関西電力株式会社内 (72)考案者 寺井 明夫 東京都東大和市桜が丘２−142−１ 小松 ゼノア株式会社内 (56)参考文献 実開 昭50−16012（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭53−19331（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】無限軌道走行とモノレール走行の両機能を
   有する運搬車両に用いる乗り継ぎ台であって、該運搬車
   両はモノレール推進装置としてのモノレール駆動スプロ
   ケット並びにモノレール走行のためのガイドローラを配
   設し、かつ左右のクローラの前後の軸に４個の補助輪を
   取付けており、一方上記乗り継ぎ台は上記車両の前後左
   右４個の補助輪を乗せるための２本のガイドレールと、
   上記車両のモノレール駆動スプロケットを乗せるための
   １本の本レールとを設けたベースプレートで成り、上記
   ガイドレールの一端は内側にカーブし且つ補助輪とモノ
   レール駆動スプロケットの相対位置できまる所定の高さ
   まで徐々に傾斜して水平状態に入ることを特徴とする、
   運搬車両の乗り継ぎ台。