JPH07197396A - エステル化ロジン物質の水性分散液 - Google Patents

エステル化ロジン物質の水性分散液

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JPH07197396A
JPH07197396A JP35248693A JP35248693A JPH07197396A JP H07197396 A JPH07197396 A JP H07197396A JP 35248693 A JP35248693 A JP 35248693A JP 35248693 A JP35248693 A JP 35248693A JP H07197396 A JPH07197396 A JP H07197396A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製紙用サイズ剤、耐水化剤、水性接着剤、水
性塗料インク用バインダ−として有用なエステル化ロジ
ン物質水性分散液の提供。 【構成】 アニオン性もしくは両性の水分散性ポリマ−
と、アルキル置換及び/又はアルケニル置換コハク酸の
水溶性塩とを併用して、ロジンのエステル化物及び/又
は強化ロジンのエステル化物を水に分散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエステル化ロジン物質の
水性分散液に関するものであって、製紙用サイズ剤、水
性塗料、水性インク及び水性接着剤として用いるのに適
した、安定性に優れ、低発泡性の水中油型分散液に関す
る。
【0002】
【従来の技術】エステル化ロジン物質が微細な粒子で水
に安定に分散した水性分散液を得ることは、 エステル
化されていないロジン物質の水性分散液を得ることに比
べて、一般に極めて困難である。従来、エステル化ロジ
ン物質の水性分散液を取得する場合には、エステル化ロ
ジン物質を、ベンゼン、トルエン等の有機溶剤に溶解さ
せ、この溶液を界面活性剤が含まれた水中に、高圧乳化
装置を用いて分散乳化せしめ、しかる後有機溶剤を留去
させて水性分散液を得る方法(以下溶剤法という)と、
カゼインのアルカリ性物質による溶解液を保護コロイド
として、溶融エステル化ロジン物質を反転乳化する方法
(以下カゼイン法という)が主として利用されている。
しかし、前者の溶剤法にあっては、高価な高圧乳化装置
を使用しなければならないことに加えて、乳化工程後の
溶剤留去工程が煩雑であり、しかも、製品分散液中には
どうしても少量の有機溶剤が残留するので、取扱者の健
康管理の上でも、また防火の上でも難点がある。
【0003】一方、後者のカゼイン法は、保護コロイド
にカゼインを使用しているため、微生物の作用で製品分
散液が腐敗分解し易く、特に高温多湿になる夏期にはそ
の傾向が大きい。そして、上記2方法で得られる水性分
散液に共通する欠点として、それらの分散液に界面活性
剤やカゼインが含まれている関係で、使用に際して発泡
が著しいことが指摘されている。最近、ロジン又はロジ
ンのαβ不飽和酸付加物、もしくはそれらのエステル化
物を、特殊なポリマ−類を保護コロイドとして水に分散
させる提案がなされているが、保護コロイドとして使用
する特殊なポリマ−の製造自体が一般に難しい。そし
て、得られる分散液も分散粒子の粒径が0.3ミクロン
以上と粗大であるため、各種の用途において良好な性能
を発揮しないのが実情である。エステル化ロジン物質の
乳化技術の提案としては、特公昭57−5420号、特
開昭62−250297号、特開昭60−161472
号がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ロジンのエ
ステル化物又は強化ロジンのエステル化物が、0.3ミ
クロン以下の微細な粒径で水に安定に分散している分散
液を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るエステル化
物ロジン物質の水性分散液は、アニオン性又は両性の水
分散性ポリマーとアルキル置換又はアルケニル置換コハ
ク酸の水溶性塩類とを併用して、ロジンのエステル化物
及び/又は強化ロジンのエステル化物を水に分散させた
ことを特徴とする。本発明の水性分散液に於いて、その
分散質はロジンのエステル化物及び/又は強化ロジンの
エステル化物で構成される。ここで言う「ロジン」に
は、ガムロジン、トールロジン、ウッドロジン、水添ロ
ジン、重合ロジン、(アルキル)フェノール・ホルマリ
ン樹脂変性ロジン、キシレン樹脂変性ロジン、アルデヒ
ド変性ロジン、スチレン変性ロジン等の各種のロジンが
包含され、「強化ロジン」には、上記したロジンのαβ
不飽和酸付加物が包含される。ちなみに、αβ不飽和酸
はデイ ールスアルダー反応によってロジンに付加せしめ
られるが、その場合のαβ不飽和酸としては、アクリル
酸、メタアクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フ
マ−ル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を例示するこ
とができる。
【0006】また、「ロジンのエステル化物」及び「強
化ロジンのエステル化物」とは、上記したロジン又は強
化ロジンと、アルコール類とのエステル化反応によって
得られる生成物を指し、アルコール類としては、多価ア
ルコ−ル類、多価アミノアルコ−ル類、多価エポキシ化
合物、多価フェノ−ル類等が性能上多用される。多価ア
ルコ−ル類としてはエチレングリコ−ル、プロピレング
リコ−ル、ブタンジオ−ル、ペンチルグリコ−ル、ヘキ
サンジオ−ル、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、
トリメチロ−ルエタン、ソルビト−ル等が使用でき、多
価アミノアルコ−ル類としては、ジエタノ−ルアミン、
トリエタノ−ルアミン等が、多価エポキシ化合物として
は、ビスフェノ−ル類の各種エポキシ化物が、多価フェ
ノ−ル類としては、ビスフェノ−ル等がそれぞれ使用で
きる。念のため付言すれば、本発明で言うロジンのエス
テル化物及び強化ロジンのエステル化物(これらを総称
してエステル化ロジン物質とも言う)は、必ずしも完全
エステル化物を意味するものではなく、エステル化反応
時間等の経済的要因から、むしろ酸基の一部が残存した
部分エステル化物が大部分を占めることが多い。
【0007】上記したロジンのエステル化物及び/又は
強化ロジンのエステル化物を、微細な粒子で水に分散さ
せる分散剤として、本発明はアニオン性又は両性の水分
散性ポリマ−とアルキル置換又はアルケニル置換コハク
酸の水溶性塩とを併用する。第1の分散剤であるアニオ
ン性又は両性の水分散性ポリマ−は、スチレン及び/又
は(メタ)アクリル酸エステル類と、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンスルホン酸等の
アニオン性モノマ−類又はその塩類とを共重合させる
か、さらにこれらモノマ−類と共に、ジアルキルアミノ
アルキル(メタ)アクリル酸エステル類、ジアルキルア
ミノアルキルアクリルアミド類、ビニルピリジン類、ビ
ニルイミダゾ−ル類等のカチオン性モノマー類又はその
塩類を共重合させることによって得ることができる。こ
の場合、上記したモノマーのいずれかと共重合可能な他
のモノマーを併用することも可能であって、この種のモ
ノマーとしては、アクリルアミド、N置換アクリルアミ
ド類、ビニルエステル類、ビニルトルエン等を挙げるこ
とができる。
【0008】アニオン性又は両性の水分散性ポリマ−
は、乳化重合、溶液重合等の公知の任意の重合法によっ
て調製することができるが、いずれの方法で調製する場
合でも、これを本発明の分散剤として使用する場合に
は、その最終形態は水分散液とすることを可とする。一
方、第2の分散剤であるアルキル置換又はアルケニル置
換コハク酸の水溶性塩は、オレフィン類と無水マレイン
酸との付加反応によって得られるアルケニル置換コハク
酸又はその水素添加物を、苛性ソ−ダ、苛性カリで例示
されるアルカリ金属水酸化物、アンモニア、アミン類等
で鹸化して得ることができるが、なかでも、12以上の
炭素数を有し、2位以上の位置に二重結合を有する内部
オレフィンと、無水マレイン酸との付加反応によって得
られる反応生成物又はその水素添加物を、アルカリ金属
水酸化物、アンモニア、アミン類等で鹸化して得られる
水溶性塩が、エステル化ロジン物質を微細粒子で水に分
散させ、しかもその分散液の発泡性を抑制できる点で好
ましい。上記した第1の分散剤と第2の分散剤とは、そ
れぞれ個別に調製し、エステル化ロジン物質の水性分散
液を調製する直前に混合して使用するのが通常である
が、第2の分散剤の水溶液中で、第1の分散剤の原料で
あるモノマー混合物を乳化重合させ、これによって両分
散剤の混合液を調製しても差し支えない。
【0009】本発明の水性分散液を調製するに際して、
エステル化ロジン物質に対する上記両分散剤の使用量に
は格別の限定はない。しかし、一般には、エステル化ロ
ジン物質100 重量部に対して、いずれも固形分として第
1の分散剤3〜25重量部、第2の分散剤1〜20重量
部を用いるのが好適である。そして、水性分散液調製の
具体的手段としては、エステル化ロジン物質の加熱溶融
液を攪拌しつつ、これに第1及び第2の分散剤を添加し
て先ず油中水型エマルジョンを形成せしめ、しかる後こ
れに熱水を添加して相反転せしめ、水中油型分散液を得
るのが一般的であるが、別法として前記した溶剤法が採
用できる外、加熱加圧下にホモジナイザ−を利用して機
械的に分散せしめることも、勿論可能である。
【0010】本発明の水性分散液にあっては、分散質で
あるエステル化ロジン物質が平均粒子径0.3ミクロン
以下の微細な粒子で、換言すれば、非常に大きな表面積
を有する粒子として水に安定に分散している関係で、製
紙工業に於ける中性乃至アルカリ性条件下での抄紙用サ
イズ剤として格段に優れた効果を発揮する。また、本発
明の水性分散液は耐水性が要求されるあらゆる用紙に、
内添又は外添で適用できるばかりではなく、インシュレ
ーションボード等の建材用耐水化剤としても優れ、さら
には、防湿、防滑、防食を目的としたコ−ト剤としても
各種基材に適用できる外、コンクリ−ト混和用防湿剤、
水性接着剤、水性インク塗料用バインダ−としても使用
することができる。さらに付け加えれば、本発明の水性
分散液は、これに上記した第1及び第2の分散剤以外の
分散剤を添加することによって、さらに優れた効果を発
揮する。この場合の分散剤としては、無水マレイン酸付
加石油樹脂の水溶性塩(アルカリ金属塩、アンモニウム
塩、有機アミン塩等)、ナフタレンスルホン酸ホルムア
ルデヒド変性物の塩、リグニンスルホン酸塩、澱粉及び
その誘導体、水溶性多糖類等を例示することができ、特
に、石油樹脂マレイン化物の水溶性塩は本発明の第1及
び第2の分散剤と併用して非常に有用であり、耐水化剤
の用途に用いて優れた性能を発揮する。
【0011】
【作用】本発明の水性分散液に於いて、エステル化ロジ
ン物質が微細な粒子で水に安定に分散するのは、第2の
分散剤のエステル化ロジン物質に対する格別の親和性
と、格段に優れた界面活性によって、エステル化ロジン
物質が微細な粒子で水中に分散せしめられ、第1の分散
剤の保護コロイド性によって、分散粒子の凝集が防止さ
れるためであると考えられる。
【0012】
【実施例】以下本発明を実施例によりさらに詳しく説明
するが、本発明の技術的範囲がこれら実施例によって限
定されるものでないことは勿論である。尚、以下の記載
に於いて、特に断らない限り、%は重量%を、部は重量
部を示す。 製造例1 水288部に乳化剤としてポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレンブロックポリマー(商品名:エパンU−1
03、第一工業薬品(株)製)4.5部と、1.9%ド
デシルベンゼンスルホン酸ソーダ水溶液30部を加え、
これにスチレン60部、アクリル酸ブチル15部、アク
リル酸12.5部、メタアクリル酸12.5部からなる
モノマー混合物と、さらに連鎖移動剤としてイソプロピ
ルアルコ−ル5部及びチオグリコール酸−2−エチルヘ
キシル4.5 部を加えて攪拌、次いで加温し、内温30℃
に於いて過硫酸アンモニウム2部と亜硫酸水素ナトリウ
ム2部を加えて加温を続け、40分で80℃まで昇温
し、80〜85で2時間重合を行った。
【0013】次いで、これに24%の苛性ソ−ダ水溶液
10.6部を加えて30分間中和反応を行い、室温まで
冷却後、水を加えて固形分25%のアニオン性ポリマー
水溶液(以下これをWP−1とする)を得た。 製造例2 製造例1で使用したモノマ−混合物を、メタアクリル酸
メチル60部、アクリル酸−2−エチルヘキシル15部、ア
クリル酸12.5部、メタアクリル酸12.5部からなる混合物
に変える以外は製造例1と同様に操作して、固形分25%
のアニオン性ポリマー水溶液(以下これをWP−2とす
る)を得た。
【0014】製造例3 製造例1で得たアニオン性エマルジョン200 部にジメチ
ルアミノエチルアクリレート3部、スチレン5部、アク
リル酸ブチル4部及び連鎖移動剤としてチオグリセリン
0.25部を加えて加温し、40℃に於いて過硫酸アン
モニウム0.13部と亜硫酸水素ナトリウム0.13部
を加えて加温を続け、40分で80℃まで昇温し、80
〜85℃で4時間重合を行い、冷却後pHを7.0に調
整後、水を加えて固形分25%の両性ポリマ−水溶液
(以下これをWP−3とする)を得た。
【0015】製造例4 炭素数が16であり、5位以内の位置に二重結合を有す
る内部オレフィンを55%含有する混合オレフィンに、
無水マレイン酸を付加してアルケニルコハク酸無水物を
得た。この酸無水物100部に、苛性ソーダ24部を水
166部に溶解した溶液を加えて80〜90℃に加温
し、酸無水物を溶液に溶解させた後、これを冷却して固
形分40%のアルケニルコハク酸ナトリウム塩水溶液(以
下これをAS−1とする)を得た。
【0016】製造例5 製造例4で使用したアルケニルコハク酸無水物100部
に、トリエタノールアミン65.5部を水229部に溶
解した溶液を加えて80〜90℃に加温し、酸無水物を
溶液に溶解させた後、これを冷却して固形分40%のア
ルケニルコハク酸エタノールアミン塩水溶液(以下これ
をAS−2とする)を得た。
【0017】製造例6 炭素数が16であり、2〜4位に二重結合を有する内部
オレフィンを75%含有する混合オレフィンに、無水マ
レイン酸を付加して製造したアルケニルコハク酸無水物
を得た。この酸無水物100部に、苛性ソ−ダ24部を
水166部に溶解した溶液を加え、80〜90℃に加温
後冷却して固形分40%のアルケニルコハク酸ナトリウ
ム塩水溶液(以下これをAS−3とする)を得た。
【0018】製造例7 プロピレンの5量体に無水マレイン酸を付加せしめてア
ルケニルコハク酸無水物を得た。トリエタノールアミン
80部と水268部に溶解した溶液を、前記の酸無水物
100部に加え、80〜90℃に加温後、冷却して固形
分40%のアルケニルコハク酸エタノールアミン塩水溶
液(以下これをAS−4とする)を得た。
【0019】製造例8 製造例7で使用したと同様のアルケニルコハク酸無水物
100部に、苛性ソ−ダ27部を水175部に溶解した
溶液を加え、80〜90℃に加温後冷却して固形分40
%のアルケニルコハク酸ナトリウム塩水溶液(以下これ
をAS−5とする)を得た。
【0020】製造例9 石油樹脂(東邦化学(株)製”ハイレジン”)100部
を加熱溶融し、これに無水マレイン酸20部を加えて2
00℃で8時間反応させることにより、マレイン化石油
樹脂を得た。このマレイン化石油樹脂100部に、トリ
エタノールアミン50部を水200部に溶解した溶液を
加えて80〜90℃で7時間攪拌して固形分40%のマ
レイン化石油樹脂エタノールアミン塩水溶液(以下これ
をMP−1とする)を得た。
【0021】製造例10:エステル化ロジン物質の調製
その1 ロジン100部にグリセリン9.3部及びエステル化触
媒としての樹脂酸亜鉛0.25部を加えて加温し、25
0℃で16時間エステル化反応を行い、JIS法酸価1
3.4、JIS法による軟化点85℃のエステル化ロジ
ン物質(以下これをER−1とする)を得た。
【0022】製造例11:エステル化ロジン物質の調製
その2 ロジン100部を加熱溶融して190℃に昇温後、攪拌
下に無水マレイン酸6部を加え、200℃で4時間反応
させた後、シクロヘキサンジメタノール12.6部、グ
リセリン1.8部及びエステル化触媒としての樹脂酸亜
鉛0.25部を加えて250℃で16時間エステル化反
応を行い、JIS法酸価63.4、JIS法による軟化
点9,0℃のエステル化ロジン物質(以下これをER−
2とする)を得た。
【0023】製造例12:エステル化ロジン物質の調製
その3 ロジン100部を加熱溶融して190℃に昇温後、攪拌
下にイタコン酸8部を加えて200℃で5時間反応せし
めた後、グリセリン7部及びエステル化触媒としての樹
脂酸亜鉛0.25部を加え、250℃で16時間エステ
ル化反応を行い、JIS法酸価59.1、JIS法によ
る軟化点95℃のエステル化ロジン物質(以下これをE
R−3とする)を得た。
【0024】実施例1 エステル化ロジン物質(ER−1)100部を加熱溶融
して150℃に昇温後、これに分散剤(WP−1)30
部と分散剤(AS−1)20部と水20部の混合液を激
しく撹拌しながら添加して油中水型分散液を形成せし
め、次いでこれに熱水を加えて水中油型分散液に相反転
させた後希釈し、固形分35%の本発明のエステル化ロ
ジン物質の水性分散液を得た。
【0025】実施例2〜8及び比較例1〜5 使用するエステル化ロジン物質及び分散剤を、表1に示
すように変更した以外は実施例1と同様にして、各々固
形分35%のエステル化ロジン物質の水性分散液を得た。
【0026】
【表1】
【0027】比較例6 エステル化ロジン物質(ER−1)100部をトルオ−
ル100部に溶解し、これに分散剤としてポリオキシエ
チレンジスチリルフェニルエーテル硫酸アンモニウム5
部を溶解した水300部を加え、攪拌乳化せしめた後、
高圧吐出型ホモジナイザ−を用いて300kg/cm2
でさらに乳化し、トルオ−ルを減圧留去し、濃度調整を
行って固形分35%のエステル化ロジン物質の水性分散
液を得た。
【0028】比較例7 エステル化ロジン物質(ER−2)100部を加熱溶融
して150℃に昇温させた。ほう酸ソ−ダ3.7部を溶
解させた温水50部にカゼイン10部加えた溶液を、前
記の溶融エステル化ロジン物質に、激しく撹拌しながら
添加した後、温水を加えて希釈し、固形分35%のエス
テル化ロジン物質の水性分散液を得た。分散液の性能評
価上記した実施例及び比較例で得た各水性分散液につい
て、その性状並びにこれらを製紙用サイズ剤として使用
した場合のサイズ効果を下記の要領で評価した。
【0029】1)平均粒子径:分散液中の分散粒子の状
態を顕微鏡観察し、平均粒子径を測定した。 2)分散液の安定性:分散液を試験管に採り密栓し、4
0℃の恒温槽に1週間静置し、安定性(分離の有無)を
観察した。 3)サイズ効果:1%パルプスラリ−(L−BKP、C
SF450ml)に炭酸カルシウム(沈降性炭酸カルシ
ウム)を20%、カチオン澱粉(パ−ルガムHMS)を
1.0%、硫酸アルミニウム(Al2 (SO43・13
〜14H2O)を1.0%、エステル化ロジン物質水性
分散液を0.6 %(添加率はいずれも対気乾パルプ、
固形分重量%)を順次添加して、常法に従ってTAPP
Iスタンダ−ドシ−トマシンで抄紙した。湿紙は90℃
のロ−タリ−ドライヤ−で1分間乾燥して、坪量60g
/m2の成紙とした。これを20℃、湿度65%に於い
て24時間調湿後、JISのステキヒト法により、サイ
ズ効果を測定した。 4)発泡性試験:0.75%パルプスラリ−(L−BK
P、CSF450ml)800ccを共栓付き100c
c容のメスシリンダ−に採り、1%硫酸アルミニウム水
溶液0.5cc、1%エステル化ロジン物質水性分散液
2.5ccを添加して、上下に20回振とう後静置し、
10分後の下部透明水層の容量を測定した。発泡性の大
きいほど、パルプが浮上して下部透明水層の容量が大き
くなる。評価結果を表2に示す
【0030】
【表2】
【0031】表2より明らかなように、本発明のエステ
ル化ロジン物質水性分散液は、分散粒子が微細で安定で
あり、しかも発泡性が少なく、製紙用サイズ剤に使用し
て優れた効果を示す。
【0032】
【発明の効果】本発明に係るエステル化ロジン物質の水
性分散液は、従来の同種の水性分散液に比較して安定性
に優れているので、製紙用サイズ剤を初めとする各種の
用途に使用して極めて有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 17/37 D21H 3/38 101

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アニオン性又は両性の水分散性ポリマ−
    と、アルキル置換又はアルケニル置換コハク酸の水溶性
    塩とを併用して、ロジンのエステル化物及び/又は強化
    ロジンのエステル化物を水に分散させたことを特徴とす
    るエステル化ロジン物質の水性分散液。
  2. 【請求項2】 ロジンのエステル化物及び/又は強化ロ
    ジンのエステル化物が、ロジン又は強化ロジンと多価ア
    ルコ−ルとの部分エステル化物であることを特徴とする
    請求項1に記載の水性分散液。
  3. 【請求項3】 アルキル置換又はアルケニル置換コハク
    酸の水溶性塩が、12以上の炭素数を有し、2位以上の
    位置に二重結合を有する内部オレフィンと、無水マレイ
    ン酸との付加反応によって得られる反応生成物又はその
    水素添加物のアルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアミ
    ン塩であることを特徴とする請求項1記載の水性分散
    液。
  4. 【請求項4】 アニオン性又は両性の水分散性ポリマ−
    が、スチレン及び/又は(メタ)アクリル酸エステル類
    を含有するモノマー混合物の重合体であることを特徴と
    する請求項1記載の水性分散液。
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