JPH07196731A - ラクタム環含有高分子 - Google Patents

ラクタム環含有高分子

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JPH07196731A
JPH07196731A JP28809394A JP28809394A JPH07196731A JP H07196731 A JPH07196731 A JP H07196731A JP 28809394 A JP28809394 A JP 28809394A JP 28809394 A JP28809394 A JP 28809394A JP H07196731 A JPH07196731 A JP H07196731A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記一般式(1)で表される構造単位を20
〜100モル%、下記一般式(2)で表される構造単位
を0〜70モル%、及び、下記一般式(3)で表される
構造単位と下記一般式(4)で表される構造単位の合計
が0〜70モル%であることを特徴とするラクタム環含
有高分子。 【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 は水素原子またはメチル基を
表す。Xは、COOR4及び/またはCONR5 6
表す。ここに、R4 ,R5 ,R6 は、水素原子または炭
素数1〜4のアルキル基を表す。) 【効果】 本発明の高分子は耐熱性等に優れており、樹
脂改質剤、石油三次回収高分子添加剤など種々の用途へ
の応用が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラクタム環を含有する
重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】N−ビニルアミドの重合体およびその加
水分解で生成するビニルアミン単位を有する重合体は、
極性の高いアミノ基やアミド基を利用して、熱可塑性樹
脂の相溶化剤や各種分散剤、バインダー、増粘剤等の分
野への応用が期待されている。例えば、特開昭57−5
17017には、アクリルアミド、N−ビニルアシルア
ミド及びビニルスルホン酸の共重合体及びその加水分解
物が、長時間の温度安定性が高く、石油三次回収用の高
分子として適していることが示されている。
【0003】一方、Schmidt反応によりポリアク
リル酸のカルボキシル基の一部をアミノ基とする際に、
隣接する重合単位のアミノ基とカルボキシル基の間にラ
クタム環が形成されることが知られている(Journ
al of PolymerScience:Poly
mer Symposium 74,17−30(19
86))。しかしながら、この反応においてはアミノ基
への変換効率が非常に低く、ラクタム環の含有量が多い
重合体を製造することは実際には困難である。更に、得
られたラクタム環を有する重合体の物性についての検討
はなされていない。
【0004】また、特開平3−118804には、N−
ビニルアセトアミドとアクリロニトリルの共重合体の変
性によりビニルアセトアミドから生成したアミノ基とア
クリロニトリルから生成したアクリルアミドのアミド基
との反応によりラクタム環が生成することが示されてい
るが、実施例中の重合体におけるラクタム環を有する構
造単位の割合は、最大で8モル%と少量であり、ラクタ
ム環を多く含む高分子についての開示はなく、更に、か
かる構造単位の物性への寄与についての言及もない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アミ
ド基、アミノ基等の極性基を含有しつつ、なおかつ熱安
定性などの物性において優れた重合体を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的に
鑑み種々の検討を重ねた結果、例えば、N−ビニルホル
ムアミドとアクリルアミドのような単量体を共重合さ
せ、得られた共重合体を比較的強い条件下で変性するこ
とにより、ラクタム環を多く含有し、かつ、熱安定性に
優れているという特徴を有する新規な重合体が得られる
ことなどを見い出し本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明の重合体は、下記一般式
(1)で表される構造単位を20〜100モル%、下記
一般式(2)で表される構造単位を0〜70モル%、及
び、下記一般式(3)で表される構造単位と下記一般式
(4)で表される構造単位の合計が0〜70モル%であ
ることを特徴とするラクタム環含有高分子に存する。
【0008】
【化3】
【0009】(式中、R1 ,R2 ,R3 は水素原子また
はメチル基を表す。Xは、COOR4及び/またはCO
NR5 6 を表す。ここに、R4 ,R5 ,R6 は、水素
原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。) そして、本発明の重合体の更に代表的な組成としては、
構造単位(1)が30〜80モル%、構造単位(2)が
5〜50モル%、構造単位(3)と(4)が合計で5〜
50モル%である。そして、一般に構造単位(1)の割
合が高いものほど、例えば、構造単位(1)が30〜8
0モル%のものが、耐熱性に優れた物性を示す。なお、
以後、構造単位(1)をラクタム単位を呼ぶことがあ
る。
【0010】上記のラクタム単位を含有する高分子の製
造方法は特に限定されるものではないが、一般的には、
一級アミノ基または反応によりそれに誘導可能な置換ア
ミノ基を有するエチレン性不飽和モノマーと、カルボキ
シル基または反応によりそれに誘導可能な基を有するエ
チレン性不飽和モノマーとの共重合体を製造し、その
後、該共重合体中の隣接の一級アミノ基とカルボキシル
基を反応させて得ることができる。
【0011】上記の置換アミノ基を有するエチレン性不
飽和モノマーとしては、下記一般式(5)で示される化
合物が好ましい。
【0012】
【化4】
【0013】(式中、R1 ,R3 は水素原子またはメチ
ル基を表す。) 一般式(5)で示される化合物としては、具体的には、
N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N
−メチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド等が挙
げられるが、化学変性により一級アミノ基を効率よく得
るにはN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミ
ド、特にN−ビニルホルムアミドを用いることが好まし
い。また、上記のカルボキシル基または反応によりそれ
に誘導可能な基を有するエチレン性不飽和モノマーとし
ては、下記一般式(6)で示される化合物が好ましい。
【0014】
【化5】
【0015】(式中、R2 は水素原子またはメチル基で
あり、XはCOOR4 及び/またはCONR5 6 を表
す。ここにR4 ,R5 ,R6 は、水素原子または炭素数
1〜4のアルキル基を表す。) 一般式(6)で示される化合物としては、具体的には、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリル酸エステル等が挙げられる。このうち、ラ
クタム環形成の反応性という点において、アクリルアミ
ド又はアクリル酸エステルが好ましい。更に、一般式
(5)と(6)の化合物の交互共重合性が高いものほど
ラクタム環を形成し易いという点で、アクリルアミドが
特に好ましい。
【0016】以上のモノマーを共重合する場合、一般式
(5)と(6)で示される化合物をモル比で20:80
〜80:20、特に40:60〜60:40の範囲に設
定することが好ましい。なお、本発明で規定するラクタ
ム環含有高分子の組成範囲内であって、その特徴とする
耐熱性に優れた物性を維持する範囲内において、一般式
(5)と(6)で示される以外のモノマー化合物を含ん
でいてもよく、アリルアルコール、ビニルアルコール等
の中性単量体、N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン
類、ビニルイミダゾール、(メタ)アクリルアミドアル
キルトリメチルアンモニウム塩、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリロイルオキシアルキルトリメチルアンモ
ニウム塩、ジアリルアルキルアンモニウム塩、ビニルベ
ンジルトリアルキルアンモニウム塩等の塩基性単量体、
(メタ)アクリルアミドアルカンスルホン酸、(メタ)
アクリル酸、(メタ)アクリロイルオキシアルカンスル
ホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸
等の酸性単量体の金属塩またはアンモニウム塩が挙げら
れ、またメチルビニルケトン、エチルビニルケトン、フ
ェニルビニルケトン、メチルイソプロペニルケトン等の
不飽和ケトン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪
酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;ビニ
ルエーテル類;塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデ
ン等のハロゲン化ビニルまたはハロゲン化ビニリデン;
エチレン、プロピレン等のオレフィン類、グリシジルメ
タアクリレート、スチレン等を挙げることができる。
【0017】以上のモノマーの共重合方法としては、塊
状重合、水あるいは種々の有機溶媒を用いる溶液重合、
沈澱重合、分散重合、懸濁重合、エマルジョン重合等の
いずれも用いることができる。モノマーを溶液状で重合
する場合、目的とする重合体の分子量、重合発熱を考慮
して単量体の濃度、重合方法、および重合反応器の形状
が適宜選択され、以下の方法が例示される。単量体濃度
5〜20重量%の条件で溶液状で重合を開始し、重合体
を溶液状または沈澱物として得る方法、単量体濃度20
〜60重量%の条件下重合を開始し、重合物を溶媒を含
むゲル状または析出物として得る方法である。溶液重合
の場合には、得られた重合液に酸・塩基を添加した後、
加熱することで、次に行う化学変性を連続して行うこと
ができる。
【0018】重合方法としては、ラジカル重合、イオン
重合のいずれの方法を用いてもよいが、分子量を容易に
制御できる点からラジカル重合が好ましい。ラジカル重
合開始剤としては、通常、水溶性または油溶性単量体の
重合に用いられる一般的な開始剤の何れもが使用される
が、重合溶媒に水を使用する場合には水溶性のアゾ化合
物が好ましく、具体的には2,2′−アゾビス−2−ア
ミジノプロパン二塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル
等が挙げられる。通常、その使用量はモノマーの重量に
対して0.01〜10重量%であり、重合反応は不活性
ガス気流下40〜150℃の条件下で実施される。
【0019】次に得られた重合体は、化学変性によりラ
クタム環を形成させる。その変性反応は、重合体中の置
換アミノ基が一端、一級アミノ基となり、一方、重合体
中のカルボキシ基の場合はそのまま、エステル基、アミ
ド基の場合は一端、カルボキシル基となってから、隣接
する一級アミノ基とカルボキシル基の間で脱水反応が起
こりラクタム環が形成されるものと考えられる。
【0020】この変性反応条件としては、該重合体を、
例えば、置換アミノ基やカルボキシル基に対して当量以
上の過剰当量の酸又は塩基の存在下、通常50〜200
℃、好ましくは60〜120℃程度で加熱する方法が例
示される。重合体を固体状で変性してもよいが、溶媒
中、特に水溶液中で変性する方法が好ましい。特に、酸
性水溶液中、特に、一般式(5)で示される化合物に由
来する構造単位に対して当モル以上の酸を、すなわち、
一般式(5)で示される化合物に由来する構造単位の置
換アミノ基に対して当量以上の過剰の酸を、含む水溶液
中の存在下で変性する方法が、最もラクタム環が形成し
易いという点で好ましい。一方、塩基性水溶液では加水
分解による重合体の両性化が優先する傾向があり、ラク
タム単位の含有量を多くする方法としてはあまり有効で
はない。また、酸としては強酸性のものが好ましく、塩
酸、硫酸、スルファミン酸等が例示され、塩基としては
強塩基が好ましく、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等が例示される。なお、変性を行う際、未反応の一般式
(5)で示される化合物のモノマー由来の化合物による
重合体の三次元架橋化を防ぐ目的で、ヒドロキシルアミ
ンの塩酸塩や硫酸塩等を反応系に加えると効果的であ
る。
【0021】以上の変性条件は、共重合体の組成、最終
的に得たいラクタム環含有高分子の物性等を考慮し、適
宜条件を選択していく必要がある。例えば、本発明の重
合体は、重合体に含有される官能基の親水性・疎水性の
バランスによって、水への溶解性が異なる。例えば、N
−ビニルホルムアミドとアクリルアミドの共重合体を酸
で加水分解する際には、ラクタム環の形成に伴って水へ
の溶解性が低くなる傾向が観察されるが、更に大過剰の
酸で変性を行った場合には、カルボキシル基の含有量が
増えるため重合体は水溶性となる。
【0022】また、他の水溶性の単量体、例えば、アク
リルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等を共重合
することにより、ラクタム単位が多くなっても重合体の
水溶性を維持することが可能である。重合体が水溶性で
あれば、石油三次回収用などの用途に特に好適である。
また、樹脂改質剤などの用途であれば、特に水溶性であ
ることは必要なく、ラクタム単位が多く、かつ、難水溶
性の重合体を利用することもできる。
【0023】本発明の重合体は、上述のように水などへ
の溶解性が低いものも包含するので溶液の還元粘度によ
り分子量範囲を一義的に特定することは難しい。しかし
ながら、前記のラクタム環を形成させる変性前の共重合
体は一般的に水溶性であって、かかる共重合体を1規定
の食塩水中0.1g/dlの溶液とした場合の25℃に
おける還元粘度の値が、通常0.01〜50dl/g、
特に0.05〜20dl/gである。このうち、一般に
石油三次回収などの用途に用いる場合は比較的高粘度の
重合体が用いられ、通常1〜50dl/g、好ましくは
3〜50dl/gである。また、樹脂改質剤などの用途
に用いる場合は比較的低粘度の重合体が用いられ、通常
0.01〜20dl/g、好ましくは0.1〜15dl
/gである。本発明の重合体で水溶性のものについて
は、該重合体を1規定の食塩水中0.1g/dlの溶液
とした場合の還元粘度の値が、上記の変性前の重合体の
場合とほぼ同じ範囲であって、通常0.01〜50dl
/g、特に0.05〜20dl/gである。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施
例に限定されるものではない。 実施例1 (重合体Aの製造)撹拌機、窒素導入管、冷却管を備え
た1Lのセパラブル4つ口フラスコに、脱塩水を445
g、アクリルアミド25g、N−ビニルホルムアミド2
5gを入れ、窒素ガス気流中、30分間撹拌し脱気を行
った。その後60℃に昇温し、2,2′−アゾビス−2
−アミジノプロパン塩酸塩3%水溶液5gを添加して6
0℃で2時間、その後70℃で1時間重合を行った。次
に、得られた重合体の反応液をメタノール中に添加し、
重合体を析出させ、これを乾燥して重合体Aを得た。こ
の重合体Aを1規定食塩水0.1g/dl溶液として2
5℃で測定した還元粘度は11.8であった。
【0025】(重合体Bの製造)重合体A1g、塩酸ヒ
ドロキシルアミン0.5g、脱塩水7.5gを封管に入
れ、70℃で加温して均一な溶液になってから1時間後
に、濃塩酸0.73gと脱塩水1.27gの混合溶液を
加え、7時間加熱した。反応後、反応液をメタノールに
添加し、重合体を析出させ、これを乾燥し、重合体Bを
得た。この重合体Bは水に難溶であった。
【0026】(重合体の組成分析)重合体Bの構造単位
の割合は、13C−NMR(13C−核磁気共鳴スペクト
ル)の各構造単位に対応した吸収ピークの積分値より算
出した。各吸収ピークは、C.CHANGらの報告(J
ournal of Polymer Scienc
e:Polymr Symposium 74,17−
30(1986))を参考として、182ppmをラク
タム環のカルボニル炭素、180ppmをアクリルアミ
ドのカルボニル炭素、179ppmをアクリル酸のカル
ボニル炭素、165ppmをN−ビニルホルムアミドの
カルボニル炭素として帰属した。また、ビニルアミン単
位の量は、仕込みのN−ビニルホルムアミド量と重合体
中のN−ビニルホルムアミドとラクタム環の量を差し引
いて計算で求めた。
【0027】以上の組成分析の結果を表−1に示す。表
−1における各構造単位は以下の意味を有する。
【表1】ラクタム :本願の構造単位(1) (R1 =R2 =H) アミド :本願の構造単位(2) (R2 =H、X=CONH2 ) カルボキシル :本願の構造単位(2) (R2 =H、X=COOH) ホルミル :本願の構造単位(3) (R1 =H) アミン :本願の構造単位(4) (R1 =H、塩酸塩として存在している。)
【0028】(重合体の熱安定性試験)重合体Bの試料
を、窒素200ml/分気流下、15℃/分で20℃よ
り昇温した場合の重量減少量を、熱重量−示差熱分析計
(TG−DTA)を用いて測定した。結果を表−1に示
す。
【0029】実施例2 実施例1での重合体A1g、濃塩酸19gを封管に入
れ、75℃で7時間加熱した。反応後、反応液をアセト
ン中に添加し、重合体を析出させ、これを乾燥し、重合
体Cを得た。この重合体Cは水溶性であった。重合体C
の組成及び熱安定性試験の結果を表−1に示す。また、
重合体Cを1規定食塩水で0.1g/dl溶液としたも
のを窒素置換した後、封管した試料を、90℃で10時
間、加熱処理した後の還元粘度を測定した。表−3に加
熱処理前の粘度に対する粘度保持率を示す。
【0030】実施例3 重合体A1g、濃塩酸0.7g、脱塩水18.3gを封
管に入れ、85℃で7時間加熱した。反応後、反応液を
メタノールに添加し、重合体を析出させ、これを乾燥
し、重合体Dを得た。この重合体Dは水に難溶であっ
た。重合体Dの組成及び熱安定性試験の結果を表−1に
示す。
【0031】比較例1 撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた11のセパラブル
4つ口フラスコに、脱塩水を320gを入れ、70℃に
加温し、撹拌しながら窒素脱気を行った。そこへ、2,
2′−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩の10重
量%水溶液(開始剤水溶液)10gを加え、すぐに60
重量%のN−ビニルホルムアミド水溶液170gの滴下
を開始した。滴下は2時間かけて行い、途中、滴下開始
1時間後に、開始剤水溶液5gを追加した。滴下終了
後、更に3時間加熱して熟成を行った。反応終了後、反
応液をアセトンに添加して重合体を析出させ、これを乾
燥して重合体Eを得た。この重合体Eの還元粘度は0.
6であった。この重合体Eの組成及び熱安定性試験の結
果を表−1に示す。
【0032】比較例2 重合体E10g、濃塩酸90gをセパラブルフラスコに
入れ、80℃で5時間加熱した後、反応液をイソプロパ
ノール中に添加して重合体を析出させ、乾燥して重合体
Fを得た。この重合体Fの組成及び熱安定性試験の結果
を表−1に示す。
【0033】比較例3 重合体A10g、塩酸ヒドロキシルアミン0.5g、脱
塩水7.5gを封管に入れ、70℃で加温して均一な溶
液になってから1時間後に、濃塩酸0.22gと脱塩水
1.78gの混合溶液を加え、7時間加熱した。反応
後、反応液をメタノールに添加し、重合体を析出させ、
これを乾燥して重合体Gを得た。この重合体Fの組成及
び熱安定性試験の結果を表−1に示す。
【0034】表−1に示した熱安定性試験において、加
熱時の重合体の重量減少の傾向より各重合体の熱安定性
を推定することができる。そして、本願の実施例の各重
合体は、比較例の各重合体よりいずれも加熱重量減少の
割合が小さく、熱安定性に勝っていることがわかる。
【0035】
【表2】
【0036】実施例4、比較例4 (重合体Hの製造)撹拌機、窒素導入管、冷却管を備え
た1Lのセパラブル4つ口フラスコに、イソプロパノー
ル167gを入れ、窒素ガス気流中、30分間撹拌し脱
気を行った。その後60℃に昇温し、N−ビニルホルム
アミド10g、アクリルアミド10g及びイソプロパノ
ール13gの混合液を30分おきに3回に分けて添加し
た。この添加の際、2,2′−アゾビス−2−アミジノ
プロパン塩酸塩を0.1g、0.06g、0.06gを
同時に添加した。以上の添加の後、70℃で1時間重合
を行った。得られた重合体の反応液をメタノール中に添
加し、重合体を析出させ、これを乾燥して重合体Hを得
た。この重合体Hの還元粘度は0.21であった。
【0037】(重合体I、Jの製造)重合体H20g
に、濃塩酸58gと脱塩水321gの混合溶液を加え、
80℃で8時間加熱したところ、反応液は沈殿物を含む
スラリーとなった。該スラリーを濾過し、濾物を回収
し、これにアセトンで洗浄し、乾燥して重合体Iを得
た。一方、濾液にアセトンに添加し、重合体を析出さ
せ、これを乾燥し、重合体Jを得た。重合体Iは水に難
溶であっが、重合体Jは水溶性であった。重合体Cの組
成及び熱安定性試験の結果を表−2に示す。
【0038】実施例5 重合体H20gに、濃塩酸58gと脱塩水133gの混
合溶液を加え、80℃で8時間加熱したところ、反応液
は沈殿物を含むスラリーとなった。該スラリーを濾過
し、濾物を回収し、これにアセトンで洗浄し、乾燥して
重合体Kを得た。重合体Iは水溶性であった。重合体K
の組成及び熱安定性試験の結果を表−2に示す。
【0039】比較例6 アクリルアミドの単独重合体L(平均分子量:1300
万)についての熱安定性試験の結果を表−2に示す。ま
た、重合体Lを1規定食塩水で0.1g/dl溶液とし
たものを窒素置換した後、封管した試料3本を90℃で
10時間加熱処理した後の還元粘度を測定した。表−3
に加熱処理前の粘度に対する粘度保持率を示す。表−2
と表−3の結果より、アクリルアミド単独重合体(重合
体L)を本発明の重合体と比較すると、固体としてはあ
る程度の熱安定性は認められるが、溶液での熱安定性が
劣っていることがわかる。
【0040】
【表3】
【0041】なお、表−2における各構造単位は表−1
で示したものと同じ意味を有する。 実施例6 撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた1Lのセパラブル
4つ口フラスコに、脱塩水70g、アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸14.8gを入れ、更に、
水酸化ナトリウム2.8gを含む水溶液75gを加えて
中和した。次に、N−ビニルホルムアミド10g、アク
リルアミド10g及び脱塩水161gを加え、窒素ガス
気流中、30分間撹拌し脱気を行った。その後、60℃
に昇温し、2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン
塩酸塩34.5mgを含む水溶液5mlを添加した後、
70℃に昇温して5時間重合を行った。得られた含水ゲ
ル状の重合体20gをろ別して試験管に取り出し、これ
に塩酸ヒドロキシルアミン0.2gを加えて50℃で1
時間加熱した後、濃塩酸1.7gを添加し、70℃で8
時間加熱した。反応後、反応液にメタノールを添加し、
重合体を析出させ、これを乾燥し、重合体Mを得た。こ
の重合体Mの還元粘度は3.87であった。重合体Mを
1規定食塩水で0.1g/dl溶液としたものを窒素置
換した後、封管した試料を、90℃で10時間、加熱処
理した後の還元粘度を測定した。表−3に加熱処理前の
粘度に対する粘度保持率を示す。また、重合体Mの組成
及び熱安定性試験の結果を表−4に示す。
【0042】
【表4】
【0043】実施例7 撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた1Lのセパラブル
4つ口フラスコに、脱塩水87g、N−ビニルホルムア
ミド4.52g及びアクリルアミド酸メチル5.48g
を含む水溶液75gを加えた。次に、窒素ガス気流中、
30分間撹拌し脱気を行った。その後60℃に昇温し、
2,2′−アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩30
mgを含む水溶液3mlを添加した後、70℃で1時間
重合を行った。得られた含水ゲル状の重合体20gをろ
別して試験管に取り出し、これに塩酸ヒドロキシルアミ
ン0.2gを添加し、70℃で8時間加熱した。得られ
たスラリーを濾過し、濾物を回収し、これをアセトンで
洗浄し、乾燥して重合体を得た。この重合体1gに、脱
塩水17g、濃塩酸を2倍希釈した水溶液1.34gを
加え、80℃で4時間加熱した。反応後、反応液にアセ
トンを添加し、重合体を析出させ、これを乾燥し、重合
体Nを得た。この重合体Nの還元粘度は3.60であっ
た。重合体Mの組成及び熱安定性試験の結果を表−4に
示す。
【0044】
【表5】
【0045】なお、表−4における各構造単位は表−1
で示したものと同じ意味を有する。また、表−1で示し
た以外の構造単位は以下の意味を有する。
【0046】
【表6】エステル :本願の構造単位(2) (R2 =H、X=COOCH3 ) スルホン :以下の式(7)で示される構造単位
【0047】
【化6】
【0048】
【発明の効果】本発明における分子内にラクタム環構造
を有する重合体は、極性基を有したまま耐熱性を改善す
ることができ、熱可塑性樹脂の樹脂改質剤、石油三次回
収用高分子添加剤、潤滑油洗浄分散剤、スケール防止
剤、焼き入れ油用高分子、掘削泥水用増粘剤、パイプ輸
送用増粘剤、バインダー等として利用することが可能で
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表される構造単位を
    20〜100モル%、下記一般式(2)で表される構造
    単位を0〜70モル%、及び、下記一般式(3)で表さ
    れる構造単位と下記一般式(4)で表される構造単位の
    合計が0〜70モル%であることを特徴とするラクタム
    環含有高分子。 【化1】 (式中、R1 ,R2 ,R3 は水素原子またはメチル基を
    表す。Xは、COOR4及び/またはCONR5 6
    表す。ここに、R4 ,R5 ,R6 は、水素原子または炭
    素数1〜4のアルキル基を表す。)
  2. 【請求項2】 1規定の食塩水中0.1g/dlの溶液
    とした場合の25℃における還元粘度が0.01〜50
    dl/gであることを特徴とする請求項1のラクタム環
    含有高分子。
  3. 【請求項3】 下記一般式(5)で示される化合物と下
    記一般式(6)で示される化合物のモル比20:80〜
    80:20の混合物を重合し、得られた重合体を酸また
    は塩基の存在下で変性することを特徴とする請求項1の
    ラクタム環含有高分子。 【化2】 (式中、R1 ,R2 ,R3 は、水素原子またはメチル基
    を表す。Xは、COOR 4 及び/またはCONR5 6
    である。ここに、R4 ,R5 ,R6 は、水素原子または
    炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
  4. 【請求項4】 変性前の重合体を1規定の食塩水中0.
    1g/dlの溶液とした場合の25℃における還元粘度
    が0.01〜50dl/gであることを特徴とする請求
    項3のラクタム環含有高分子。
  5. 【請求項5】 酸水溶液中で変性することを特徴とする
    請求項3のラクタム環含有高分子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016186023A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 株式会社日本触媒 新規重合体、樹脂組成物、樹脂成形体、および新規重合体の製造方法

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