JP3094552B2 - 水溶性ポリマーの製造法 - Google Patents
水溶性ポリマーの製造法Info
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Description
に関する。詳しくは、水溶性のN−ビニルカルボン酸ア
ミド(共)重合体の変性物を製造する方法に関するもの
である。
合により他の水溶性ビニル化合物との混合物を懸濁重合
し、該重合体を更に加水分解することにより、N−ビニ
ルカルボン酸アミド重合体の水溶性変性物を得る方法は
知られている(特開昭61−141712)。該変性物
ポリマーは、有機汚泥の脱水用凝集剤、紙用薬剤等とし
て卓越した効果が期待されている。
方法においては、加水分解工程において変性物のゲル化
(水不溶化)が生じやすく、品質の良い粉末状の水溶性
ポリマーを効率よく製造することが困難であった。
記問題点に鑑み鋭意検討した結果、重合の際、特定の化
合物を添加することにより、変性物のゲル化が防止さ
れ、粉末状の水溶性ポリマーが得られることを見いだし
本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、一般式
されるN−ビニルカルボン酸アミド単独、または該N−
ビニルカルボン酸アミドと共重合可能な他の水溶性ビニ
ル化合物との混合物を懸濁重合し、次いで塩化水素で加
水分解することにより水溶性ポリマーを製造する方法に
おいて、前記重合系内にハロゲン化アンモニウムおよび
/またはハロゲン化カルシウムを存在させることを特徴
とする水溶性ポリマーの製造法に存する。以下、本発明
を詳細に説明する。本発明に用いられる一般式
されるN−ビニルカルボン酸アミドとしてはN−ビニル
ホルムアミドおよびN−ビニルアセトアミドが挙げられ
るがN−ビニルカルボン酸アミド重合体の変性物を得る
目的のためには重合体の加水分解性の良いことからN−
ビニルホルムアミドが好ましい。本発明の重合にはN−
ビニルカルボン酸アミド単独またはN−ビニルカルボン
酸アミドと他の水溶性ビニル化合物との混合物が用いら
れる。水溶性ビニル化合物としてはN−ビニルカルボン
酸アミドと共重合可能で本発明に用いられる炭化水素系
溶媒に実質的に不溶性である化合物が用いられ、アクリ
ロニトリル、、メタアクリロニトリル、アクリルアミ
ド、メタアクリルアミド、アクリル酸、メタクリル酸、
アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロ
ライド、メタアクリロイルオキシエチルトリメチルアン
モニウムクロライドなどの水溶性ビニル化合物が例示さ
れる。
の水溶性ビニル化合物(B)と共重合する場合は、
(A)と(B)の共重合モル比は、通常20:80〜9
5:5、好ましくは30:70〜90:10、更に好ま
しくは40:60〜80:20であるが、この範囲に特
に限定されるものではない。上記の原料ビニル化合物は
水溶液状で分散媒に分散して懸濁重合される。原料モノ
マーの水溶液濃度は5〜95重量%の範囲の任意の濃度
で重合されるが、高分子量の重合体を得るためには20
〜80重量%が好ましい。分散媒としては、例えばn−
ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、ノナン、デカ
ン、ウンデカン、ドデカンなどの鎖状飽和炭化水素、沸
点65〜250℃の石油留分好ましくは沸点80℃〜1
80℃の石油留分、シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サンなどの脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素が挙げられ
る。分散媒は原料ビニル化合物の水溶液に対して通常、
0.5〜10重量倍、好ましくは1〜5重量倍の範囲で
用いられる。
として、非乳化性油溶性高分子、または、一般的な界面
活性剤が使用される。非乳化性油溶性高分子としては、
エチルセルロースやヒドロキシエチルセルロース等の油
溶性セルロース、オレフィン類と無水マレイン酸との付
加物が例示される。また、界面活性剤としては、好まし
くはH.L.B.が9以上程度のノニオン系界面活性
剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が用いら
れる。以上の分散安定剤の使用量は、分散媒に対して通
常0.01〜5重量%、好ましくは0.05〜1重量%
である。また、重合開始剤には一般的なラジカル重合開
始剤を用いることができるが、アゾ化合物が好ましい。
特に好ましくは水溶性のアゾ化合物であり、2,2’−
アゾビス−2−アミジノプロパンの塩酸塩、硫酸塩およ
び酢酸塩、アゾビス−N,N’−ジメチレンイソブチル
アミジンの塩酸塩、硫酸塩および酢酸塩、4,4’−ア
ゾビス−4−シアノ吉草酸のアルカリ金属塩およびアン
モニウム塩などが例示される。ラジカル重合開始剤は原
料ビニル化合物に対して重量基準で通常、100〜10
000ppm、好ましくは500〜5000ppmの範
囲で用いられる。
ゲン化アンモニウムおよび/またはハロゲン化カルシウ
ムを存在させることを必須の要件とするものである。該
ハロゲン化物としては、塩化アンモニウム、臭化アンモ
ニウム、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カル
シウム等が例示されるが、好ましくは塩化アンモニウム
である。該ハロゲン化物の使用量は、通常、全モノマー
(モノマー純度を100%として)に対して、通常0.
1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%である。使
用量が少ない場合には、目的とする重合体の変性物のゲ
ル化防止の効果が弱くなる。逆に使用量を該範囲より多
くしても、ゲル化防止の効果は一定で経済的ではなく、
また、ポリマーの分子量がわずかに低下する傾向とな
る。なお、以上の特定のハロゲン化物を使用することで
重合後、更に塩酸で加水分解することにより得られる重
合体の変性物のゲル化が防止されるのであるが、実質的
に重合が終了した時点で、塩化アンモニウム等を反応液
に加えてもゲル化防止の効果は認められていない。従っ
て、本発明の特定のハロゲン化合物の添加効果は、モノ
マーを重合する際に存在しているゲル化の因子を取り除
いているものと推定される。
〜100℃であり、また、重合時間は通常、0.5〜1
0時間、好ましくは1〜8時間である。なお、重合に際
しては、重合熱が発生するので、通常、重合系を冷却す
ることにより、重合温度が前記範囲内に保持されるよう
に調節される。重合を実施するには、分散剤を含有する
水不溶性有機溶媒を重合条件下に保ち、撹拌下、これに
重合開始剤、塩化アンモニウム等を含有するモノマー水
溶液を徐々に供給して重合を行なう方法が例示される
が、特に原料、溶媒、助剤の混合順序に限定されるもの
ではない。以上の懸濁重合により、原料ビニル化合物が
分散媒中で重合して重合体粒子が形成された後、塩化水
素を添加して加水分解反応を開始することができる。こ
の場合、塩化水素はガス状で反応系に導入してもよい
し、塩酸水溶液として添加してもよい。
濃度が高い程変性速度が速くなるので飽和の水溶液を用
いることが好ましい。また、必要に応じ含水N−ビニル
カルボン酸アミド重合体を分散媒の水の共沸蒸留により
脱水したのち塩化水素を加えることもできる。塩化水素
の使用量は目的とする加水分解率に応じ適宜使用される
が、通常目的とする加水分解率のアミド基の当量に対し
1〜2倍である。加水分解の温度はN−ビニルホルムア
ミド重合体の場合、20〜130℃、好ましくは60〜
120℃であり、N−ビニルアセトアミド重合体の場
合、50〜150℃、好ましくは90〜130℃であ
る。必要に応じ加圧反応系で実施される。加水分解され
た変性物は、そのまま、または、中和処理し、溶媒脱水
または分散媒〜水の共沸蒸留等により分離され、粉末状
水溶性ポリマーとして回収される。
明するが本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例
に制約されない。 実施例1 撹拌機、冷却管、滴下ロートおよび窒素ガス導入管を備
えた1lの4ッ口フラスコに分散媒としてトルエン40
0gとポリオキシエチレンオレイルエーテル(第一工業
製薬(株)商品名「ノイゲンET104E」、H.L.
B=14.0)2gを入れ、撹拌下60℃に昇温した。
次に、窒素ガス気流下、滴下ロートにて、N−ビニルホ
ルムアミド(純度=93.0%)76g、アクリロニト
リル(純度=99.5%)53g、2,2’−アゾビス
−2−アミジノプロパン2塩酸塩0.2g及び添加物と
して塩化アンモニウム6.4gに水を加えて全量210
gとした溶液を3時間かけて、撹拌下60℃に保持した
上記分散媒中に滴下した。その後、窒素ガス気流下撹拌
下60℃で3時間反応を行った。
コに移し、濃塩酸を36.7g(N−ビニルホルムアミ
ドに対し1.3倍モル量)を加え、撹拌下95℃で5時
間加水分解した。室温まで冷却後、濃塩酸−メタノール
混液(容量比1:10)200mlを加えて撹拌洗浄
し、ろ過して、減圧乾燥し、ポリマーを回収した。表1
に得られたポリマーの還元粘度(ηsp/c)と水に対
する溶解性の結果を示す。 ° 還元粘度(ηsp/c)の測定法 ポリマー試料0.1gを100gの1規定食塩水にて室
温で4時間浸漬後、溶解させた後、オストワルド粘度計
にて、25℃で還元粘度を測定した。 ° 水に対する溶解性の評価 ポリマー試料0.1gを100gの水にて室温で4時間
撹拌処理し溶解させた場合の不溶解物量を肉眼で観察
し、下記基準により判定した。 ○ 不溶解物が全く存在しない。 △ 極く微量の小さな不溶解物が存在する。 X 多量の不溶解物が存在する。
種類、添加物の種類及び量、を変えた以外は実施例1と
同様に実験を行なった結果を表1に示す。 実施例5 実施例2において原料モノマーの全量をN−ビニルホル
ムアミドとし、分散媒をシクロヘキサン、重合温度を7
0℃とした以外は実施例2と同様に実験を行なった結果
を表1に示す。 比較例6 実施例1において塩化アンモニウムを重合後の反応液に
添加することとした以外は実施例1と同様に実験を行な
った結果を表1に示す。
ミドを原料とした水溶性ポリマーをゲル化することなく
効率よく製造することができる。該水溶性ポリマーは凝
集剤、紙用薬剤等として多くの産業分野で広く利用が期
待される。
Claims (1)
- 【請求項1】 一般式 【化1】CH2=CHNHCOR (式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。)で示
されるN−ビニルカルボン酸アミド単独、または該N−
ビニルカルボン酸アミドと共重合可能な他の水溶性ビニ
ル化合物との混合物を懸濁重合し、次いで塩化水素で加
水分解することにより水溶性ポリマーを製造する方法に
おいて、前記重合系内にハロゲン化アンモニウムおよび
/またはハロゲン化カルシウムを存在させることを特徴
とする水溶性ポリマーの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03249385A JP3094552B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 水溶性ポリマーの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03249385A JP3094552B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 水溶性ポリマーの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0586115A JPH0586115A (ja) | 1993-04-06 |
JP3094552B2 true JP3094552B2 (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=17192218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03249385A Expired - Fee Related JP3094552B2 (ja) | 1991-09-27 | 1991-09-27 | 水溶性ポリマーの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3094552B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5668463B2 (ja) * | 2010-12-22 | 2015-02-12 | 三菱レイヨン株式会社 | 水溶性ポリマーの製造方法 |
-
1991
- 1991-09-27 JP JP03249385A patent/JP3094552B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH0586115A (ja) | 1993-04-06 |
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