JPH07196407A - ヤマビルの忌避剤及び忌避剤組成物 - Google Patents

ヤマビルの忌避剤及び忌避剤組成物

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JPH07196407A
JPH07196407A JP35096693A JP35096693A JPH07196407A JP H07196407 A JPH07196407 A JP H07196407A JP 35096693 A JP35096693 A JP 35096693A JP 35096693 A JP35096693 A JP 35096693A JP H07196407 A JPH07196407 A JP H07196407A
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repellent
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land
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Takashi Sasaki
堯 佐々木
Takenori Saiga
丈範 齋賀
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Yashima Sangyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 界面活性剤を有効成分として含有するヤマビ
ルの忌避剤、及びヤマビルに対して忌避作用を有する物
質と樹脂と揮発性溶剤とを含有するヤマビルの忌避剤組
成物。 【効果】 本発明による忌避剤は忌避効果のみならず駆
除効果をも有する。また、本発明による忌避剤組成物
は、薬剤の保持力が高いため、下草の多い山林での作業
や雨中等、従来のヤマビル忌避剤では十分な効果が期待
できなかった条件下で持続的な効果を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヤマビルの忌避剤及び
忌避剤組成物に関する。
【0002】
【従来技術】ヤマビルは、環形動物ヒル綱に属する体長
数〜十数センチ程度の吸血動物で、日本では東北以南の
山間地や森林地域に棲息する。普段は落ち葉の裏面や小
石の下等に潜んでいるが、ヒトや動物が近付くと体の前
後の吸盤を使って尺取り虫のように歩行してこれらの動
物の体を這い上がり、皮膚を通して吸血する。歩行の速
度は速く、ヒトの場合、靴に取り付いてから1分程度で
腰の辺りにまで達する。吸血に際してウイルス等は媒介
しないとされているが、唾液がヒルジンを含有している
ため30分位は出血が止まらず、吸血跡に痒みが残り、
場合によっては頭痛を伴なうこともある。このため、山
林での伐木作業や山間の農地での農作業、あるいは山間
地におけるハイキングや観光開発の妨げとなっている。
【0003】ヤマビルの駆除そのものは簡単であり、ス
ミチオンや硫酸ニコチン等の農薬で簡単に殺すことがで
きる。農薬以外でも食塩や木灰が相当の駆除効果を有す
る。しかし、山林や森林の全域にわたってこれらの物質
を散布することは、費用や手間の点で非現実的である。
散布区域が限定されている場合でも生態系への影響や環
境汚染の点で問題が残る。結局、ヤマビルの棲息域に立
ち入る際、人体に対して無毒ないし低毒性の適当な薬剤
を靴や手足に塗布するなどしてヤマビルを忌避する方法
が最も現実的であり環境への影響も少ないと言える。
【0004】従来、こうしたヤマビルの忌避方法として
は、足首に塩を擦り込んだり、薬効成分としてDEET
(N,N−ジエチル−m−トルアミド)を含有する虫よ
けスプレーを吹き付ける方法が行なわれてきた。しか
し、塩は皮膚にかぶれを生じる場合があり、また、いず
れも水溶性であるため雨中では洗い流されてしまい、露
の付着した下草等と擦れ合うことによっても比較的簡単
に取り去られてしまうため、山中では満足の行く忌避効
果が得られない場合が多い。
【0005】一方、農作物等を食害する無脊椎動物を忌
避するため、合成樹脂に揮発性を有する溶剤と忌避剤を
混合しこれを栽培台等に塗布・乾燥することによって、
持続的な忌避効果が得られる旨の記載が特開昭64-52701
号公報にある。また、同公報によれば、浸透圧作用によ
る刺激によるものか、カチオン性若しくは非イオン性界
面活性剤を忌避剤として用いることにより持続的なナメ
クジ忌避効果が得られるという。しかし、こうした薬剤
がヤマビルに対しても有効であることを示す記載はな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐水性と少
なくとも営林局の山中作業時間に相当する8時間程度の
持続性とを有し、環境への影響の少ないヤマビル忌避剤
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題解決の手段】ヤマビルはゴカイやミミズ等と同様
に環形動物門に属し、尺取り虫と同様の動きにより相当
に速く移動する。してみれば、軟体動物門腹足綱に属し
粘液を放出しながらゆっくりと這行するナメクジのよう
な動物に対し表皮に刺激を与えることをもってこれを忌
避する薬剤が、顕著な効果を有するとは通常考えられな
い。ところが、本発明者らが、ヤマビルの忌避行動を検
討するため、色彩、金属、化学物質等、種々の因子の一
つとしてナメクジ忌避に効果があるという上記界面活性
剤をヤマビルに対して試みたところ、意外にも、こうし
た界面活性剤はヤマビルの忌避に顕著な効果を示すこと
が見出された。さらに、ヤマビルに対しては広い範囲の
界面活性剤が有効であり、しかも、界面活性剤を揮発性
溶剤とともに樹脂に混合して用いれば、持続的な効果を
有するヤマビル忌避剤組成物となることを見出し本発明
を完成するに至った。
【0008】
【発明の構成】すなわち、本発明は (1)界面活性剤を有効成分とすることを特徴とするヤ
マビルの忌避剤。 (2)界面活性剤がカチオン性または非イオン性界面活
性剤であることを特徴とする上記(1)に記載のヤマビ
ルの忌避剤。 (3)界面活性剤がN−ビス−2−ヒドロキシルエチル
−アルキルアミン、N−ポリエチレングリコール−アル
キルアミンから選択される上記(2)に記載のヤマビル
の忌避剤。 (4)ヤマビルに対して忌避作用を有する物質と樹脂と
揮発性溶剤とを含有するヤマビルの忌避剤組成物。 (5)ヤマビルに対して忌避作用を有する物質がカチオ
ン性または非イオン性界面活性剤であることを特徴とす
る上記(4)に記載の忌避剤組成物。 (6)ヤマビルに対して忌避作用を有する物質がN−ビ
ス−2−ヒドロキシルエチル−アルキルアミン、N−ポ
リエチレングリコール−アルキルアミンから選択される
上記(5)に記載のヤマビルの忌避剤組成物。 を提供する。
【0009】本発明に係るヤマビルの忌避剤の有効成分
は、種々の界面活性剤である。例えば、4級アンモニウ
ム塩等のカチオン性界面活性剤、アルキルスルホン酸塩
またはアルキルアリールスルホン酸塩の等のアニオン性
界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、
ポリエチレングリコールアルキルエーテルやアセチレン
グリコール等の非イオン性界面活性剤、及びアミノ酸や
ベタイン等の両性界面活性剤が挙げられる。樹脂と組合
わせて組成物とする場合には当該樹脂と相溶性の良いも
のであればよいが、樹脂と組合わせずに用いる場合に
は、非水溶性界面活性剤が好ましい。こうした界面活性
剤の例としては、カチオン基を有しないがカチオニック
な性質を示す非イオン性界面活性剤が挙げられる。これ
は、ヒドロキシルアルキル基やオキシアルキル基を窒素
上に置換基として有するアルキルアミン類等であり、具
体例としては、N−ビス−2−ヒドロキシルエチル−ア
ルキルアミンやN−ポリエチレングリコール−アルキル
アミン等が含まれる。
【0010】上記界面活性剤のヤマビルに対する効果の
作用機序は明らかではないが、後述参考例に示すよう
に、忌避効果のみならず致死効果をも有すること、忌避
反応を示さない程度の微量の界面活性剤と接触させた場
合であっても接触後しばらくしてから死に致っているこ
とから、ヤマビルに対する忌避作用は、特開昭64-52701
号公報に記載されたナメクジの例において示唆されてい
るような浸透圧を介した表皮に対する物理的刺激とは本
質的に異なるものと考えられる。すなわち、その詳細は
未解明であるが、上記界面活性剤はヤマビルの生理的過
程に何らかのかたちで有害な作用を及ぼしているものと
考えられる。
【0011】本発明に係る忌避剤組成物は、ヤマビルに
対する忌避剤の作用を持続性とした組成物であるが、こ
こでヤマビルに対する忌避剤としては上記の界面活性
剤、例えば、N−ビス−2−ヒドロキシルエチル−アル
キルアミンやN−ポリエチレングリコール−アルキルア
ミン等の他に、従来ヤマビル忌避剤として使用されてい
る薬剤でもよい。
【0012】本発明の忌避剤組成物に用いられる樹脂
は、非水溶性または難水溶性で、後述の溶剤が揮発した
後に固化して上記忌避薬剤を対象物に固定し得るもので
あればよい。例えば、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ウレタンあるいはポリアミド、スチレン−
アクリル酸共重合物、酢酸ビニル、シリコン樹脂等の合
成樹脂、ブタジエンゴム、ポリイソプレンプレンゴム、
シリコンゴム等の合成ゴムを含む。これらの中で好まし
いのはシリコン樹脂・ゴムやスチレン−アクリル酸共重
合物である。樹脂の分子量は、本発明の組成物を使用す
る際の態様によって異なるが、スプレー剤として使用す
る場合には30,000〜50,000のエタノール易溶性樹脂が好
ましい。これらの樹脂が固化することによってこれと混
合された忌避薬剤が薬剤を適用した表面に固定・保持さ
れるため、雨中での使用や長時間の使用でも忌避薬剤が
流れ去ることがなく、持続的な忌避効果が得られる。
【0013】揮発性溶剤の例としては、人体に対する影
響の少ない低級アルコール類やアセトン等が挙げられ
る。好ましいのはエタノールである。忌避薬剤の含有量
は、薬剤の種類により異なるが、一般に5〜30wt%、
好ましくは10〜20wt%である。3wt%未満では十分
な忌避効果が得られず、30wt%を超えても効果が飽和
する。樹脂と揮発性溶剤との比は、本発明の組成物を使
用する際の態様によって異なるが、例えば、スプレー剤
として使用する場合には1:2〜1:10とすることが
好ましい。
【0014】組成物の製造は、これらの成分を任意の順
番で混合することにより行なわれる。例えば、樹脂と揮
発性溶剤と均一に混合した後、忌避薬剤を添加してさら
に混合すればよい。
【0015】本発明の忌避剤組成物は、そのものを単独
で噴霧器に入れて、又は必要であれば慣用の噴射剤とと
もに金属又はプラスチック製の容器に封入し、長靴、衣
服、帽子等の衣類にスプレーで吹き付けて使用すること
が好ましい。また、刷毛等を用いて液を例えば靴の表面
に直接塗布するようにしてもよい。さらに、綿やパルプ
等の天然繊維からなる布帛に含浸して用いることもでき
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例、比較例を通じてより
具体的に説明する。 実施例1 本発明の忌避剤の効果を検討するため、以下の実験を行
なった。まず、30cm×22.5cmの塩化ビニール板の中央
部を厚紙で覆い、周縁部(外縁から中心に向かって6cm
幅の額縁状領域)のみに下記の組成の供試薬剤を小型噴
霧器で均一に吹き付けた(噴霧量:5g程度)。液が乾
燥した後、中央部の紙覆いを取り除いてそこに10頭の
ヤマビルを放し、5分の間に処理区を通って塩ビ板の外
に逃げ出したヤマビルの数を調べた。薬剤噴霧なしの場
合(対照例)についても同様に試験した。結果を表1に
示す。
【0017】 [供試薬剤1] N−ビス−2−ヒドロキシルエチル−アルキルアミン (花王(株)製エレクトロストリッパーEA) 3wt% エタノール(99.5%) 97wt% [供試薬剤2] N−ビス−2−ヒドロキシルエチル−アルキルアミン (花王(株)製エレクトロストリッパーEA) 6wt% エタノール(99.5%) 94wt% [供試薬剤3] N−ビス−2−ヒドロキシルエチル−アルキルアミン (花王(株)製エレクトロストリッパーEA) 12wt% エタノール(99.5%) 88wt%
【0018】
【表1】
【0019】本発明の薬剤を噴霧した塩ビ板では、活性
成分の濃度が増えるに従ってヤマビルの逃亡を抑える効
果が見られる。また、最も低濃度の供試薬剤でも無処理
の場合と比較するとその効果は明らかである。なお、供
試薬剤1及び2の例で逃亡したヤマビルは、その後体液
を出しながら苦悶し30分程ですべて死亡したことか
ら、本発明の薬剤で用いられる界面活性剤は忌避効果の
みならず駆除効果をも有することが見出された。
【0020】実施例2 上記実施例1で見出だされた駆除効果についてさらに検
討するため、実施例1の各塩ビ板を水を満たしたバット
(容量4リットル)に浸漬し、1時間後、これを取り出して
十分に乾燥させ、その後、板の中央部にヤマビル各10
頭を放してその行動を調べた。いずれの例においても、
ヤマビルはすべて逃亡したが、その大部分(90%)
は、塩ビ板近くで体液を出しながら苦悶し30分程で死
亡した。本実施例の場合、活性成分の相当量は水に流さ
れていると考えられる。したがって、本発明で用いられ
る界面活性剤は、微量の場合、忌避効果こそないものの
駆除効果をなお有することが確認された。
【0021】実施例3 各種の界面活性剤について、ヤマビル忌避剤としての有
効性を以下の実験により調べた。容量860ml(9.7 c
m)のポリエチレン製容器の底に濾紙を敷き、濾紙上に
薬剤がかからないように注意しながら下記の組成物を小
型噴霧器で容器内面に吹き付けた(噴霧量:1g程
度)。溶剤が揮発して薬剤が容器内面に固定された後、
濾紙を除き、その薬剤が付着していない底面にヤマビル
を5頭置き、5分間で内壁をよじのぼり外へ逃げ出すか
どうかを調べた。
【0022】 [供試薬剤4] ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド (花王(株)製 コータミン24P) 10wt% エタノール(99.5%) 90wt% [供試薬剤5] ジアルキルジメチルアンモニウムポリナフチルメタンスルホネート (花王(株)製 DN−10P) 10wt% エタノール(99.5%) 90wt% [供試薬剤6] オキシエチレンドデシルアミン (日本油脂(株)製 ナイミーンL−201) 10wt% エタノール(99.5%) 90wt% [供試薬剤7] アルキル(ヤシ)ジメチルベンジルアンモニウムクロライド (日本油脂(株)製 カチオンF2−35R) 10wt% エタノール(99.5%) 90wt% [供試薬剤8] ラウリルベタイン (花王(株)製 アンヒトール24B) 10wt% エタノール(99.5%) 90wt%
【0023】 [供試薬剤9] ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン (日本油脂(株)製 アノンBF) 10wt% エタノール(99.5%) 90wt% [供試薬剤10] アルキルジアミノエチルグリシン (日本油脂(株)製 アノンLG) 10wt% エタノール(99.5%) 90wt% [供試薬剤11] ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド (日本油脂(株)製 スタホームDF−1) 10wt% エタノール(99.5%) 90wt% [供試薬剤12] N−ビス−2−ヒドロキシルエチル−アルキルアミン (花王(株)製エレクトロストリッパーEA) 10wt% エタノール(99.5%) 90wt% [供試薬剤3] N−ビス−2−ヒドロキシルエチル−アルキルアミン (花王(株)製エレクトロストリッパーEA) 12wt% エタノール(99.5%) 88wt% ヤマビルに対する忌避効果は、供試薬剤5で若干劣る他
は、いずれも強度の忌避効果を示した。なお、薬剤を塗
布しない対照例においてはヤマビルはすべて逃亡した。
【0024】実施例4 本実施例においては、樹脂を加えた組成物における効果
の持続性を以下の実験により調べた。容量860ml(9.
7 cm)のポリエチレン製容器の底に濾紙を敷き、濾紙
上に薬剤がかからないように注意しながら下記の組成物
を小型噴霧器で容器内面に吹き付けた(噴霧量:1g程
度)。溶剤が揮発して薬剤が容器内面に固定された後、
濾紙を除き、容器内を水で満たして1時間放置した。水
を捨て乾燥させた後、薬剤処理をしなかった容器底面に
ヤマビル10頭を置き、5分間で内壁をよじ登り外へ逃
げ出すかどうかを調べた。試験後、残ったヤマビルを取
り除き、再び容器内に水を満たし、1時間放置して同じ
実験を行なった。これを8回繰り返した。下記組成物2
及び対照用組成物1についても同様に調べた。なお、対
照用組成物は界面活性剤を使用しない他は実施例の組成
物と同様である。それぞれの結果を表2にまとめて示
す。
【0025】 [組成物1] N−ビス−2−ヒドロキシルエチル−アルキルアミン (花王(株)製エレクトロストリッパーEA) 10wt% エチレン−アクリル共重合物 (近代化学工業(株)製SA−31) 3wt% エタノール(99.5%) 87wt% [組成物2] N−ビス−2−ヒドロキシルエチル−アルキルアミン (花王(株)製エレクトロストリッパーEA) 10wt% エチレン−アクリル共重合物 (近代化学工業(株)製SA−31) 5wt% エタノール(99.5%) 85wt%
【0026】
【表2】
【0027】実施例5 本実施例では、シリコン樹脂を含む組成物について、忌
避効果の持続性を以下の実験により調べた。容量 860m
l(高さ 9.7cm)のポリエチレン容器の上部を幅1c
m、底部を幅 0.5cm切り取って筒状にし、この内壁に
下記の組成物3と比較用組成物を小型噴霧器で吹き付け
た。
【0028】 [組成物3] N−ビス−2−ヒドロキシルエチル−アルキルアミン (花王(株)製エレクトロストリッパーEA) 10wt% シリコーン樹脂 (東レ・ダウコーニング(株)製 SH200 5cS) 5wt% エタノール(99.5%) 85wt% [対照用組成物2] N−ビス−2−ヒドロキシルエチル−アルキルアミン (花王(株)製エレクトロストリッパーEA) 10wt% エタノール 90wt%
【0029】溶剤が揮発して薬剤が容器内壁に固定され
た後、この筒を別のポリエチレン容器の中に落とし込ん
で重ね合わせた。薬剤噴霧2時間後と8時間後に内壁だ
け2重になったポリエチレン容器の底の部分にヤマビル
5頭を置き、内壁をよじ登る際の行動を観察して薬剤の
忌避効果の強弱を調べた。上記の試験と平行して、薬剤
を吹き付けてある筒状の部分を取り出して内壁の部分を
水道水で2分間洗い流し、乾燥後、再びポリエチレン容
器に収め底の部分にヤマビル5頭を放して薬剤の忌避効
果の強弱を調べた。結果を表3に示す。
【0030】
【表3】
【0031】この結果から、シリコーン樹脂を加えるこ
とによって効果の持続性が改善され耐水性も付与される
ことが分かった。
【0032】実施例6 ヤマビル棲息域(千葉県南部の山中)のケモノ道に人間
が実際に立ち、本発明の薬剤組成物の忌避効果を試験し
た。具体的には、上記組成物2と対照用組成物1(各3
g程度)を小型噴霧器を用いて吹き付け乾燥させたゴム
長靴を試験区域に持ち込み、被験者が着用の上、複数地
点でそれぞれの靴を履いて5分間立つという方法をとっ
た。長靴上に這い上ってくるヤマビルの数(平均値)は
組成物2の薬剤を吹き付けた長靴では0頭、対照例では
7頭であった。
【0033】
【発明の効果】本発明はヤマビルに対する新規な忌避剤
と忌避剤組成物を提供したものである。本発明による忌
避剤組成物は、樹脂を含有して薬剤の保持力が高いた
め、下草の多い山林での作業や雨中等、従来のヤマビル
忌避剤では十分な効果が期待できなかった条件下でも、
長時間にわたって持続的な効果を発揮する。また、活性
成分が忌避効果のみならず駆除効果を有するため、山間
地の住宅においてヤマビルの侵入を防止する等の幅広い
応用が可能である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤を有効成分とすることを特徴
    とするヤマビルの忌避剤。
  2. 【請求項2】 界面活性剤がカチオン性または非イオン
    性界面活性剤であることを特徴とする請求項1に記載の
    ヤマビルの忌避剤。
  3. 【請求項3】 界面活性剤がN−ビス−2−ヒドロキシ
    ルエチル−アルキルアミン、N−ポリエチレングリコー
    ル−アルキルアミンから選択される請求項2に記載のヤ
    マビルの忌避剤。
  4. 【請求項4】 ヤマビルに対して忌避作用を有する物質
    と樹脂と揮発性溶剤とを含有するヤマビルの忌避剤組成
    物。
  5. 【請求項5】 ヤマビルに対して忌避作用を有する物質
    がカチオン性または非イオン性界面活性剤であることを
    特徴とする請求項4の忌避剤組成物。
  6. 【請求項6】 ヤマビルに対して忌避作用を有する物質
    がN−ビス−2−ヒドロキシルエチル−アルキルアミ
    ン、N−ポリエチレングリコール−アルキルアミンから
    選択される請求項5に記載のヤマビルの忌避剤組成物。
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