JP4593103B2 - 農園芸用薬剤及びその使用方法 - Google Patents

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Description

この発明は、農園芸用薬剤及びその使用方法に関し、さらに詳しくは、高い安全性を有し、植物に対する付着性と耐雨性とに優れ、しかも長い有効期間を維持することのできる殺菌剤、殺虫剤または除草剤等の農園芸用薬剤及びその使用方法に関する。
これまでに、多数の農園芸用防除剤が開発されると共に、これら農園芸用防除剤の剤型化についても、多様な開発がなされてきた。この多様な剤型化の背景には、薬剤処理の簡略化、人畜に対する急性毒性や刺激性の軽減、海洋または河川に生息する生物に対する毒性の軽減等、人畜および環境に対する保全、農園芸用防除剤における有効成分の残効性の向上、薬害の軽減等が強く要望されるようになってきた状況がある。
近年、環境に対する意識は一層高まり、特に農薬の安全性については関心が高く、注目の的となっている。このような時流の中、開発されている農薬の剤型の態様は、ますます人畜および環境に対する保全を目的とする傾向を強め、マイクロカプセル化剤、フロアブル化剤等の剤型による改善が多数試みられている。
しかしながら、これら剤型のみによる改善では満足すべき効果を奏することができないことから、農園芸用防除剤の有効成分に着目して、低薬量で広範な適用を可能とする化合物を選択することによって、薬剤処理の簡略化、人畜および環境に対する負荷の低減を図る方向に向かっている。
ところが、農園芸用防除剤の有効成分の開発には、多大な労力、時間および経費を要するため、最近は、安全性と効力とが認められている既存の有効成分が見直され、剤型の変更等による改善が行われている。しかし、この剤型の変更等によっては、ある程度の改善効果は認められるものの、人畜および環境に対する負荷については、従来とほとんど変わるところはない。
また、有効成分の効力増強を企図した展着剤の開発も多く試みられるようになってきた。しかし、この展着剤に用いられる界面活性剤は、薬剤付着性および浸透性のいずれか一方を改善する効果は見られるが、双方を改善し、効力増強を図る展着剤は少なく、この場合も人畜および環境に対する負荷については、十分な改善が図られていない。
さらに、展着剤の多くは高い安全性を有するが、各成分中には、環境ホルモンとして注目されている成分を含むものもある等の問題もあった。また、安全性の高い機械油または植物油等を展着剤として用いることにより、効力増強を図ることができることも認められているが、植物体に対する薬害等によって使用の制限を受け、広く実用化されていない現状である。
これまでに、植物系油を配合した農園芸用殺菌剤組成物として、8−オキシキノリン銅と植物系油とから成る農園芸用殺菌剤組成物が知られている(特許文献1参照)。この農園芸用殺菌剤組成物においては、8−オキシキノリン銅の効力増強はある程度認められるが、剤型の形態によって効果が変動することがあり、また、その効果は剤型に起因するものなのか、植物系油に起因するものなのか判然としないところがあった。
特開平11−1408号公報
この発明は、このような現状に鑑み、剤型および有効成分に拘束されることなく、高い安全性を有し、植物に対する付着性と耐雨性とに優れ、しかも長い有効期間を維持することのできる殺菌剤、殺虫剤または除草剤等の農園芸用薬剤及びその使用方法を提供することをその課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために、用いる農園芸用防除剤の粒径とこの農園芸用防除剤と併用する成分とについて種々検討を重ねた結果、前記農園芸用防除剤の粒径を5〜75μmとし、前記併用する成分として食用油脂を用いることにより、前記課題を解決することができるということを見出し、この知見に基づいてこの発明を完成するに到った。
すなわち、この発明の前記課題を解決すめための手段は、マイクロカプセル、乳剤又は水和剤よりなる、粒径が5〜75μmである農園芸用防除剤と食用油脂とを含有し、前記食用油脂の含有量が500〜19500ppmであることを特徴とする農園芸用薬剤である。
この発明の前記課題を解決すめための手段における好ましい態様としては、下記(1)〜()の農園芸用薬剤を挙げることができる。
(1)前記食用油脂が、脂肪酸グリセリドである農園芸用薬剤。
(2)前記脂肪酸グリセリドを形成する脂肪酸が、炭素数8〜22の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸である農園芸用薬剤。
(3)前記脂肪酸グリセリドを形成する脂肪酸が、植物体に由来する脂肪酸である農園芸用薬剤。
この発明の前記他の課題を解決するための手段は、前記農園芸用薬剤を水で希釈して使用する農園芸用薬剤の使用方法である。
この発明によれば、剤型および有効成分に拘束されることなく、高い安全性を有し、植物に対する付着性と耐雨性とに優れ、しかも長い有効期間を維持することのできる農園芸用薬剤及びその使用方法が提供され、農園芸分野における殺菌、殺虫、除草等に寄与するところはきわめて多大である。
この発明の農園芸用薬剤は、粒径が5〜75μmである農園芸用防除剤と食用油脂とを含有して成る。
この発明に用いる農園芸用防除剤としては、農業、林業、園芸等における作物に害を及ぼす菌類、虫類または雑草を防除する薬剤である限り特に制限はなく、常用の殺菌剤、殺虫剤、除草剤または殺菌殺虫剤等を挙げることができる。
前記殺菌剤としては、例えば、8−オキシキノリン銅、ストレペトマイシン硫酸塩、オキシテトラサイクリン、マンネブ、キャプタン、カーバムナトリウム塩、チアベンダゾール、塩基性塩化銅、ジネブ、イミノクタジン酢酸塩、水銀酸化第二銅、チウラム、イミノクタジンアルベジル酸塩等を挙げることができる。
前記殺虫剤としては、例えば、ベルメトリン、ピリダフェンチオン、マシン油、ダイアジノン、メタアルデヒド、シメトエート、MEP(スミチオン、有機リン剤)、NAC(デナポン、カーバメート剤)、クロルピリホス、BT(Bacillus Thuringienais製剤)、DDVP(ジクロルボス、有機リン剤)、1,3−ジクロロプロペン、マラソン、エトフェンブロックス、硫酸ニコチン等を挙げることができる。
また、前記除草剤としては、例えば、2,4PA剤(フェノキシ酸系剤)、フェノチオール剤、ナプロアニリド剤、フェノキサプロップエチル剤、フルアジホップ剤等のフェノキシ酸系除草剤、クロメトキシニル剤、ビフェノックス剤等のジフェニルエーテル系除草剤、ベチオカーブ剤、モリネート剤等のカーバメート系除草剤、DCPA剤(スタム)等の酸アミド系除草剤、DCMU剤等の尿素系除草剤、その他、スルホニル尿素系除草剤、トリアジン系除草剤、ダイアジン系除草剤、ダイアゾール系除草剤、ビピリジリウム系除草剤、ジニトロアニリン系除草剤、芳香族カルボン酸系除草剤、脂肪酸系除草剤、有機リン酸系除草剤、アミノ酸系除草剤等を挙げることができる。
さらに、前記殺菌殺虫剤としては、例えば、ボルドー液、オキシン銅等の銅剤、無機硫黄剤、ネオアソジン等の有機砒素剤、エチレンビス(ジチオカルバミド酸)塩等のジチオカルバメート剤、ポリアルキルチオ剤等の有機塩素剤、ダイアジノン、プロベナゾール、オキシクロルデン、カルバリル、ペメメトリン・ミクロブタニル、プロフェジン・ペルメトリン・ミクロブタニル等を挙げることができる。
この発明に用いる農園芸用防除剤は、その粒径が5〜75μmであることを要する。粒径がこの範囲にある農園芸用防除剤と食用油脂とを組み合わせて用いることにより、剤型の形態を選ぶことなく、また、農園芸用防除剤の種類を問うことなく、高い安全性を有し、植物に対する付着性と耐雨性とに優れ、しかも長い有効期間を維持することのできる農園芸用薬剤とすることができるのである。
前記農園芸用防除剤は、様々な剤型とすることができ、例えば、粉状、粒状、顆粒状、錠型、マイクロカプセル、水と乳化剤とを添加し混合して調製される乳剤、水を添加し混合して調製された水和剤(ゾル)またはシリカ粉末、アルミナ粉末等の無機担体に含浸させて得られる粉末等として用いることもできる。前記乳化剤としては、通常のカチオン系、アニオン系、ノニオン系または両性の界面活性剤を用いることができ、前記シリカとしては、カラムクロマトグラム用シリカが好ましい。
この発明において用いる農園芸用防除剤は、前記剤型の形態に拘束されることなく、それらの粒径が5〜75μmであればよい。この粒径としては、例えば、農園芸用防除剤が粉状、粒状、顆粒状またはマイクロカプセルであるときはその直径が、農園芸用防除剤が乳剤または水和剤であるときは有効成分の液滴の直径が、5〜75μmである。
また、この発明に用いる食用油脂としては、食用に供することができる油脂である限り特に制限はなく、植物油脂および動物油脂のいずれであってもよい。植物油脂としては、ナタネ油、ゴマ油、ヤシ油、パーム油、コーン油、オリーブ油、ピーナッツ油、ヒマワリ油、大豆油、綿実油等を挙げることができ、動物油脂としては、魚油、肝油、鯨油、貝油等を挙げることができる。
この発明に用いる前記食用油脂は、脂肪酸グリセリドであることが好ましい。この脂肪酸グリセリドは、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリドおよび脂肪酸トリグリセリドのいずれであってもよく、これら二者または三者の混合物であってもよい。中でも脂肪酸トリグリセリドまたは脂肪酸トリグリセリドを主成分とする混合物が好ましい。また、前記脂肪酸ジグリセリドおよび脂肪酸トリグリセリドにおいて、グリセリドを形成する脂肪酸は、同一であってもよく、別異であってもよい。
前記脂肪酸グリセリドを形成する脂肪酸に特に制限はないが、炭素数8〜22の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸であることが好ましい。この炭素数8〜22の飽和脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等を挙げることができ、炭素数8〜22の不飽和脂肪酸としては、例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノレン酸等を挙げることができる。これら脂肪酸は、一種のみ用いてもよく、二種以上の混合物として用いてもよい。
この発明においては、前記脂肪酸が植物体に由来する脂肪酸であることが好ましい。植物体としては、ナタネ、ゴマ、ヤシ、パーム、コーン、オリーブ、ピーナッツ、ヒマワリ、大豆、綿実等を挙げることができる。これら植物体から抽出等の手段により得られる脂肪酸とグリセリンとを常法により反応させて、前記脂肪酸グリセリドを製造することができる。
この発明は、前記農園芸用防除剤と前記食用油脂とを含有して成る農園芸用薬剤である。この農園芸用薬剤中の前記食用油脂の含有量に特に制限はないが、通常は500〜20000ppm、好ましくは550〜19500ppmである。食用油脂の含有量が500ppm未満では、農園芸用薬剤の植物に対する付着性を悪化させることがあり、20000ppmを越えたとしても、その増量効果は期待できない。
この発明の農園芸用薬剤には、前記農園芸用防除剤および前記食用油脂の外に、所望により、薬剤の付着性の向上、効力の維持または増進等を図るために、補助剤を含有していてもよい。この補助剤としては、界面活性剤、粉剤または粒剤等の固形剤の調製に用いられる個体希釈剤、溶剤、固着剤、安定剤、噴射剤、共力剤等を挙げることができる。
この発明の農園芸用薬剤は、前記農園芸用防除剤と前記食用油脂とを機械的に混合することにより製造される。混合手段に制限はなく、容器回転型混合機、機械撹拌型混合機、流動撹拌型混合機等の混合機を用い、混合処理される。この際、食用油脂はそのまま用いてもよいが、通常は、水と乳化剤とを添加し混合して調製された乳剤として用いる。乳化剤としては、前記と同様の界面活性剤を用いることができる。
この発明の農園芸用薬剤は、前記農園芸用防除剤と前記食用油脂とを混合して得られる混合物をそのまま使用に供することができるが、この混合物を水で希釈して使用に供することが好ましい。
この発明の農園芸用薬剤の使用態様に特に制限はないが、散布が好ましく、この散布の形態としては、例えば、葉面散布、地表面散布、樹枝散布、樹幹散布等を挙げることができる。散布量および散布時期は、散布の対象となる作物によって適宜、決定される。
以下、実施例を挙げてこの発明をさらに具体的に説明するが、これら実施例によってこの発明はなんら限定されることはない。なお、特に断りのない限り、「%」とあるのは質量%、「部」とあるのは質量部である。
(食用油脂乳剤の調製例)
カプリル酸トリグリセリド75%とカプリン酸トリグリセリド25%との混合物(食用油脂、日清オイリオ株式会社製)90部に、乳化剤(非イオン系界面活性剤)10部を加えて混合し、食用油脂乳剤を調製した。
この発明において用いた農園芸用防除剤は、以下のとおりである。
(農園芸用防除剤1)
スミチオンマイクロカプセル〔MEP22.0%含有、住友化学工業株式会社製〕
(農園芸用防除剤2)
スミパインマイクロカプセル(MEP23.5%含有、住友化学工業株式会社製)
(農園芸用防除剤3)
ダイアジノンSLゾル(ダイアジノン25.0%含有、日本化薬株式会社製)
(農園芸用防除剤4)
スミチオン乳剤50(MEP25.0%含有、サンケイ化学株式会社製)
(農園芸用防除剤5)
スミチオン水和剤40(MEP40.0%含有、サンケイ化学株式会社製)
(農園芸用防除剤6)
ダイアジノン乳剤40(ダイアジノン40.0%含有、サンケイ化学株式会社製)
(農園芸用防除剤7)
ダイアジノン水和剤(ダイアジノン34.0%含有、日本化薬株式会社製)
(農園芸用防除剤8)
カラムクロマトグラム用シリカ(粒径150〜450μm)90部にMEP10部を含浸させた粉末100部
(農園芸用防除剤9)
カラムクロマトグラム用シリカ(粒径150〜200μm)90部にMEP10部を含浸させた粉末100部
(農園芸用防除剤10)
カラムクロマトグラム用シリカ(粒径77〜150μm)90部にMEP10部を含浸させた粉末100部
(農園芸用防除剤11)
カラムクロマトグラム用シリカ(粒径45μm)90部にMEP10部を含浸させた粉末100部
(農園芸用防除剤12)
乳剤(MEP80.0%含有、サンケイ化学株式会社製)
(実施例1〜7)
前記農園芸用防除剤1〜7を水により表1に示す濃度に希釈した後、前記調製された食用油脂乳剤を表1に示す濃度に添加し混合して、農園芸用薬剤(以下、単に「薬剤」ということがある。)を製造した。この農園芸用薬剤をチャ葉(品種:やぶきた)に十分散布した。葉面上の薬剤が乾燥した後、葉を採取し、葉面上の各有効成分の濃度(散布直後の濃度)をガスクロマトグラフィーにより分析した。また、散布7日後(散布2日後に人工降雨:1枝当り100ml水道水を十分噴霧)、葉を採取し、葉面上の各有効成分の濃度(散布7日後の濃度)をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表1に示す。
(比較例1〜7)
食用油脂乳剤を添加しなかったこと以外は、実施例1〜7と同様にした。結果を表1に示す。表1において、「粒径」とあるのは農園芸用防除剤の粒径であり、「葉面上の濃度」の「散布7日後」の( )内の数値は農園芸用防除剤中の有効成分の減少率(%)である。以下、表において、特に断りのない限り同様である。
Figure 0004593103
表1から、実施例1〜7の試験区のチャ葉における各有効成分の付着性および耐雨性を観察すると、農園芸用防除剤の剤型として、マイクロカプセル>水和剤>乳剤の順に優れていることが分る。また、実施例1〜7において、食用油脂乳剤を3000ppm添加した場合の付着性については、実施例1〜3ではさほどの改善効果は認められないものの、実施例4〜7では改善効果があることが分る。ところが、実施例1〜3では食用油脂乳剤を1500ppm添加した場合、全ての試験区において、付着性の著しい改善効果が奏されていることが分る。さらに、耐雨性については、食用油脂乳剤を添加すると、全ての試験区においてその向上が認められ、特に実施例1〜3では著しい改善効果が奏されていることが分る。
(実施例8)
前記農園芸用防除剤2を水により表2に示す濃度に希釈した後、前記調製された食用油脂乳剤を表2に示す濃度に添加し混合して、農園芸用薬剤を製造した。この農園芸用薬剤をチャ葉(品種:やぶきた)に十分散布した。葉面上の薬剤が乾燥した後、葉を採取し、葉面上の各有効成分の濃度(散布直後の濃度)をガスクロマトグラフィーにより分析した。また、散布7日後(散布2日後に人工降雨:1枝当り100ml水道水を十分噴霧)、葉を採取し、葉面上の各有効成分の濃度(散布7日後の濃度)をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表2に示す。
(比較例8)
食用油脂乳剤を添加しなかったこと以外は、実施例8と同様にした。結果を表2に示す。
Figure 0004593103
表2から、食用油脂乳剤を500〜3000ppm添加した場合の試験区のチャ葉における有効成分の付着性については、500〜3000ppm添加ではさほどの改善効果は認められないものの、500〜2000ppm添加では付着量が多くなる傾向にあることが分る。また、耐雨性については、1000〜3000ppm添加で有効成分の減少率は小さく、耐雨性の改善傾向が認められ、特に1500ppm添加では有効成分の減少率は最小であり、顕著な改善効果が奏されていることが分る。
(実施例9〜12および比較例9〜19)
前記農園芸用防除剤2および前記農園芸用防除剤8〜11それぞれを水により表3に示す濃度に希釈した後、前記調製された食用油脂乳剤それぞれを表3に示す濃度に添加し混合して(ただし、比較例9、12、15、18、119は食用油脂乳剤を添加していない例である。)、農園芸用薬剤を製造した。この農園芸用薬剤をチャ葉(品種:やぶきた)に十分散布した。葉面上の薬剤が乾燥した後、葉を採取し、葉面上の各有効成分の濃度(散布直後の濃度)をガスクロマトグラフィーにより分析した。また、散布7日後(散布2日後に人工降雨:1枝当り100ml水道水を十分噴霧)、葉を採取し、葉面上の各有効成分の濃度(散布7日後の濃度)をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表3に示す。

Figure 0004593103


表3から、農園芸用防除剤の粒径が75μmを越える場合、チャ葉における各有効成分の付着性および耐雨性、特には耐雨性は著しく悪化することが分る。
(実施例13〜21)
前記農園芸用防除剤2を水により表4〜6に示す濃度に希釈した後、前記調製された食用油脂乳剤を表4〜6に示す濃度に添加し混合して、農園芸用薬剤を製造した。この農園芸用薬剤をマツ(品種:クロマツ、3年生苗)に十分散布し、散布直後、散布30日後、60日後および90日後の各部位の表面の各有効成分の濃度をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表4〜6に示す。なお、散布直後から30日後までは33mm、以降は11mmの自然降雨下の試験である。
(比較例20〜22)
食用油脂乳剤を添加しなかったこと以外は、実施例13〜15と同様にした。結果を表
4〜6に示す。
Figure 0004593103
Figure 0004593103
Figure 0004593103
表4〜6から、食用油脂乳剤を添加した場合の試験区のマツ葉における有効成分の付着性については、顕著な改善効果があることが分る。また、耐雨性についても、有効成分の減少率は小さく、改善効果が奏されていることが分る。
(実施例22〜33)
前記農園芸用防除剤2および12をそれぞれ水により表7および8に示す濃度に希釈した後、前記調製された食用油脂乳剤をそれぞれ表7および8に示す濃度に添加し混合して、農園芸用薬剤を製造した。この農園芸用薬剤をマツ(品種:クロマツ、3年生苗)に十分散布し、散布直後、散布15日後、60日後および90日後の各部位の表面の各有効成分の濃度をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表7および8に示す。
また、前記農園芸用薬剤のマツノマダラカミキリに対する効果を調査した。この調査は、各試験区の1年生枝を採取して容器に入れ、この容器中にマツノマダラカミキリを放虫して、3日後の死虫数により殺虫率を算出して行った。結果を表9に示す。
(比較例23〜28)
食用油脂乳剤を添加しなかったこと以外は、実施例22〜33と同様にした。結果を表
7〜9に示す。
Figure 0004593103
Figure 0004593103

Figure 0004593103
表7〜9から、食用油脂乳剤を添加した場合の試験区のマツ葉および枝における有効成分の付着性および耐雨性について、顕著な改善効果があることが分る。また、マツノマダラカミキリの殺虫率が大きく、改善効果が奏されていることが分る。
(実施例34〜41)
前記農園芸用防除剤2を水により表10〜12に示す濃度に希釈した後、前記調製された食用油脂乳剤をそれぞれ表10〜12に示す濃度に添加し混合して、農園芸用薬剤を製造した。この農園芸用薬剤をマツ(品種:アカマツ、クロマツ混植、鹿児島県霧島町)に700〜800ml/樹となるよう地上散布し、散布直後、散布30日後、60日後および90日後の各部位の表面の各有効成分の濃度をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表10〜12に示す。
また、前記農園芸用薬剤のマツノマダラカミキリに対する効果を調査した。この調査は、各試験区の1年生枝を採取して容器に入れ、この容器中にマツノマダラカミキリを放虫して、3日後の死虫数により殺虫率を算出して行った。結果を表13に示す。
(比較例29〜32)
食用油脂乳剤を添加しなかったこと以外は、実施例34〜41と同様にした。結果を表10〜13に示す。
Figure 0004593103
Figure 0004593103
Figure 0004593103
Figure 0004593103
表10〜12から、食用油脂乳剤を添加した場合の試験区のマツ葉および枝における有効成分の付着性および耐雨性について、顕著な改善効果があることが分る。また、マツノマダラカミキリの殺虫率が大きく、改善効果が奏されていることが分る。

Claims (5)

  1. マイクロカプセル、乳剤又は水和剤よりなる、粒径が5〜75μmである農園芸用防除剤と食用油脂とを含有し、前記食用油脂の含有量が500〜19500ppmであることを特徴とする農園芸用薬剤。
  2. 前記食用油脂が、脂肪酸グリセリドである請求項1に記載の農園芸用薬剤。
  3. 前記脂肪酸グリセリドを形成する脂肪酸が、炭素数8〜22の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸である請求項2に記載の農園芸用薬剤。
  4. 前記脂肪酸グリセリドを形成する脂肪酸が、植物体に由来する脂肪酸である請求項2または3に記載の農園芸用薬剤。
  5. 前記請求項1〜4のいずれか一項に記載の農園芸用薬剤を水で希釈して使用する農園芸用薬剤の使用方法。
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