JP2948359B2 - 貝類駆除剤 - Google Patents

貝類駆除剤

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征彦 原
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、貝類駆除剤に関し、詳
しくはアルミニウム化合物と植物ポリフェノール成分も
しくはその加水分解物を有効成分として含有する貝類駆
除剤に関する。さらに詳しくはナメクジ類,マイマイ類
等の陸棲貝類、タニシ,フジツボ等の水棲貝類などの貝
類の駆除剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】陸棲軟
体動物であるナメクジ類,マイマイ類等は、農作物を食
害とすることにより繁殖し、菜葉類,果菜類,根菜類,
花卉,シイタケ等の大害虫である。そこで、これらナメ
クジ類,マイマイ類等による被害を防除すべく、多種多
様の駆除方法が提案されている。例えば砒酸鉛や黄リン
剤などを食餌に塗って毒殺したり、誘殺する方法が提案
されている。しかし、農薬の使用が制限された現在で
は、メタアルデヒドを主成分とする薬剤による誘殺方法
が主に用いられている。また、タニシ等の水田作物を食
害する貝類やフジツボ等の海棲貝類の船底,魚網等への
付着は大きな問題であり、それらの忌避剤の開発が求め
られている。
【0003】ところが、メタアルデヒドを主成分とする
薬剤などは雨や水、高湿度による効力の低下が避けられ
ない上に、ナメクジ類,マイマイ類等が該薬剤を摂食し
ない限り効果がないという致命的な問題がある。一方、
水棲貝類に対しては、環境汚染を起こさぬような物質
で、しかも人畜無害で安心して使える駆除剤の開発が強
く求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ナメクジ
類,マイマイ類の出す粘液がゼラチン質であることに着
目し、植物性ポリフェノール成分とゼラチンが一旦結合
すると解離しにくい特性を活用して、茶のポリフェノー
ル類を主成分とする貝類駆除剤を開発(特願平1−28
4688)した。しかし、ナメクジの場合、全長が6cm
以上の大型になると、一回の散布で捕捉されても凝固し
た部分を脱ぎ捨てて逃亡する力を有し、しかも柔らかい
土壌や石の下へ潜り込むと、その生死の判断が確かでな
かった。
【0005】そこで、これらの課題を解決するため、植
物ポリフェノール成分と混用でき、かつ即効性があり、
しかも人畜および植物に対し無害である物質を探索し追
求した結果、アルミニウム化合物が求める効果を奏する
ことを突き止め、本発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明はアルミニウム化合物と
植物ポリフェノール成分もしくはその加水分解物を有効
成分として含有する貝類駆除剤に関する。
【0007】本発明に使用するアルミニウム化合物とし
ては、特に制限はないが、水溶性のものが用いられ、と
りわけ食品添加物として許容されているものが好まし
い。具体的には、硫酸アルミニウムカリウム(ミョウバ
ン),硫酸アルミニウムカリウム(焼ミョウバン),硫
酸アンモニウムアルミニウム,硝酸アルミニウム,硫酸
ナトリウムアルミニウム,塩基性酢酸アルミニウム,ポ
リ塩化アルミニウム,クロールハイドロールおよびこれ
らの水和物等がある。これらアルミニウム化合物は食品
中に添加物として使用されるものであり、通常はこれら
を適量の水に溶解して水溶液として用いる。
【0008】次に、植物ポリフェノール成分についても
各種のものを使用でき、該成分は任意の方法で製造する
ことができる。例えば茶ポリフェノール類に関しては、
特開昭59−21938号公報,同60−13780号
公報,同61−130285号公報などに記載されてい
る方法により製造することができる。この茶ポリフェノ
ール類には、カテキン類,テアフラビン類,テアルビジ
ン類もしくはこれらの混合物があり、これらの詳細は上
記公報に記載されている。また、植物ポリフェノール成
分としてタンニン類を用いることができ、茶タンニンな
どが好ましい。さらには、植物ポリフェノール成分の加
水分解物も使用でき、没食子酸などがある。タンニン酸
や没食子酸などは市販されており、これらの用途,特徴
等は日本薬局方,MERCK INDEX 等に記載されている。
【0009】アルミニウム化合物と植物ポリフェノール
成分の配合割合については、貝類の駆除効果が十分に得
られる範囲で適宜選定すればよいが、通常は前者:後者
=0.2〜10.0:0.5〜10.0(重量比)、好ましくは
1.0〜2.0:1.0〜2.0(重量比)が適当である。な
お、アルミニウム化合物は、前記したように、水溶液と
して用いることが望ましい。
【0010】本発明のアルミニウム化合物と植物ポリフ
ェノール成分を有効成分とする貝類駆除剤は、通常水剤
として用いられるが、常用の担体を配合して粉剤,粒剤
等の形態で用いることもできる。
【0011】本発明の貝類駆除剤をナメクジ類,マイマ
イ類等の貝類に散布使用すると、該害虫は植物ポリフェ
ノール成分によってその行動が捕捉されるばかりでな
く、体表面に結合した植物ポリフェノール成分に混在す
るアルミニウム化合物が貝類に作用し、極く短時間で死
亡する。また、この駆除剤を布製品等に染み込ませ、こ
れを貝類の徘徊しそうな場所に置くと、該貝類が忌避す
ることを見出した。
【0012】このように、本発明によれば、アルミニウ
ム化合物と植物ポリフェノール成分との相乗効果によっ
て、各々単独使用では逃亡することがあるナメクジ類等
の貝類でも、一旦本発明の駆除剤を体表面に浴びると、
逃亡が阻止され、5分〜数十分で死亡することが確認さ
れた。
【0013】本発明は、ナメクジ類,マイマイ類等の貝
類の出す粘性物がゼラチン質であることに着目し、該ゼ
ラチン質は植物ポリフェノール成分と結合して解離し難
い状態となることを見出したことに特色がある。この特
色を活用して貝類の行動を阻害し、同時にアルミニウム
成分が貝類の呼吸穴と思われる部分から体内に浸透して
死亡させるものである。
【0014】本発明の貝類駆除剤は、例えばナメクジ胴
体の尾の部分に塗布しても、劇甚な逃避行動に駆り立て
るが、その上半分を駆除剤に浸すと、その場で捕捉さ
れ、短時間で死亡する。また、マイマイの場合は、這っ
ている状態が最も効果的であり、一旦本剤に触れると、
殻内に引き込んでも黄色の泡を出して死亡する。したが
って、本発明の貝類駆除剤は従来の誘殺あるいは駆除剤
と異なり、ナメクジ類,マイマイ類等が食餌する、しな
いに関係なく、また該害虫に駆除剤が接触することによ
ってその効果を発現する。このような効果は水棲貝類に
対しても同様に発現するものと思われる。
【0015】本発明の駆除剤の施用に当たっては、植物
ポリフェノール成分とアルミニウム化合物とを混合して
液状とし、噴霧あるいは塗布するか、もしくは固形状と
して農作物等の育苗床などに直接または他の素材と混合
して使用する等の態様が可能である。本発明の駆除剤に
加えられる潅水,雨水などの影響で植物ポリフェノール
成分とアルミニウム化合物の溶出が徐々に行われ、ナメ
クジ類,マイマイ類あるいはこれらの卵に接触させて駆
除するという方法も可能である。また、水棲貝類に対し
ては、本発明の駆除剤を直接植物等に散布したり、ある
いは魚網や船底用ペンキに混入させることによりその駆
除効果を期待することができる。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 アルミニウム化合物を0.5%,1.0%,2.0%の水溶液
として用意し、ナメクジを直径9cmのシャーレに入れて
その上部から該水溶液を1ccずつ滴下し、濃度の違いに
よる作用効果を調べた。なお、シャーレ外に出たものを
逃亡と判断し、60分以上生息した場合は、生(効果な
し)と判定した。結果を表1に示す。
【0017】
【0018】実施例2 アルミニウム化合物の水溶液がナメクジに対して顕著な
駆除効果を示すことを究明したが、その濃度や噴霧量等
によっては目前から逃亡し、必ずしも明瞭にその死亡を
確認出来ない場合もある。一方、茶抽出成分などの植物
ポリフェノール成分は、ナメクジ類の出す粘液と一旦結
合すると、その行動を阻害する作用を有することは既に
確認済みである。そこで、これら2つの物質を混合して
用いることにより相乗効果の有無について検討した。こ
の場合、アルミニウム化合物は2%濃度の水溶液で使用
し、植物ポリフェノール成分(商品名:ポリフェノン
G、三井農林(株)製、茶の水溶性成分の乾燥粉末であ
り、茶ポリフェノール成分を30%以上含有する)は4
%の濃度で用い、これらを混合して水溶液を調製した。
この駆除剤を用いた場合の効果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】実施例3 実施例1および2で得られた結果に基づき、溶解性,効
果の強弱及び安全性等を考慮して、硫酸アルミニウムカ
リウム2%水溶液に植物ポリフェノール成分(商品名:
ポリフェノンG)を4%添加して溶解した駆除剤を調製
し、これをウスカワマイマイにスプレーして効果を判定
した。結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】実施例4 本発明の駆除剤(硫酸アルミニウムカリウム水溶液2%
とポリフェノンG4%よりなる水溶液)の植物並びに動
物に及ぼす影響について調べた。すなわち、植物として
は障害の生じ易いラン(シンビジウム)の葉,花および
チンゲン菜を用い、これらに上記駆除剤をスプレーによ
り塗布し、葉の傷み,花轢への弊害を観察した。その結
果、異常は認められなかった。また、人の手の甲に上記
駆除剤を2回塗布して調べたが、シビレや痛みは感じら
れなかった。
【0023】次いで、ラットに対して、上記駆除剤を経
口投与(10ml/kgの割合)で1週間飼育したが、異常
は認められなかった。また、ラットを用いて行った上記
駆除剤の急性毒性試験の結果を表4に示す。
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、駆除剤の有効成分であ
る植物ポリフェノール成分がナメクジ類,マイマイ類な
どの陸棲貝類が体表に出すゼラチン質と強く結合し、該
貝類の行動および呼吸を阻害すると共に他の有効成分で
あるアルミニウム化合物が貝類の体表から体内に入り、
作用を及ぼし死に至らしめるという両者の相乗効果が奏
される。しかも、かかる効果を短時間で確実に奏するこ
とができる。
【0026】さらには、貝類は本発明の駆除剤が付着し
た花卉類,農作物類等を強く忌避するという効果も得ら
れる。また、貝類の卵に対しては、卵殻のゼラチン質を
凝縮させ不活性化する作用を有している。しかも、植物
ポリフェノール成分は、植物の樹皮,心材,葉部などか
ら得られるほか、通常の茶から渋み成分として得られ
る。また、アルミニウム化合物は、食品添加物として許
容されている素材であり、これらの成分の使用は人畜に
対して悪影響がなく、取り扱いも便利である。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム化合物と植物ポリフェノー
    ル成分もしくはその加水分解物を有効成分として含有す
    る貝類駆除剤。
  2. 【請求項2】 アルミニウム化合物が水溶性のものであ
    る請求項1記載の貝類駆除剤。
  3. 【請求項3】 植物ポリフェノール成分がタンニン類で
    ある請求項1記載の貝類駆除剤。
  4. 【請求項4】 植物ポリフェノール成分が茶に含まれる
    カテキン類,テアフラビン類,テアルビジン類もしくは
    これらの混合物である請求項1記載の貝類駆除剤。
  5. 【請求項5】 植物ポリフェノール成分がタンニン酸で
    ある請求項1記載の貝類駆除剤。
  6. 【請求項6】 植物ポリフェノール成分の加水分解物が
    没食子酸である請求項1記載の貝類駆除剤。
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