JPH07196389A - 吸肥・保肥材、吸肥・保肥ペレットもしくはマットおよびそれらの製造方法 - Google Patents

吸肥・保肥材、吸肥・保肥ペレットもしくはマットおよびそれらの製造方法

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JPH07196389A
JPH07196389A JP5338701A JP33870193A JPH07196389A JP H07196389 A JPH07196389 A JP H07196389A JP 5338701 A JP5338701 A JP 5338701A JP 33870193 A JP33870193 A JP 33870193A JP H07196389 A JPH07196389 A JP H07196389A
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哲朗 松本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 吸肥性および保肥性に富んだ良質な吸肥・保
肥材を提供する。 【構成】 紙を乾式解繊して綿状にしたものを含有する
吸肥・保肥材である。好ましくは、更に、水および/ま
たは肥料を含有する吸肥・保肥材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、吸肥・保肥材、吸肥・
保肥用のペレットもしくはマットおよびそれらの製造方
法に関し、詳細には紙を乾式解繊して綿状にしたものを
含有する吸肥・保肥材、吸肥・保肥ペレットもしくはマ
ットおよびそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、古紙を再利用する目的で再生紙と
することが盛んに行われているが、その他、農業分野に
おいては堆肥などへの利用が試みられている。具体的に
は下記の様なものが挙げられるが、それぞれ併記する問
題を抱えている。 木材チップ、パルプ、紙などを化学処理した製紙スラ
ッジ:この工程を図式化したものを図4に示す。図の様
に上記製紙スラッジには、化学処理に際して使用する硫
酸アルミニウムが含まれているので、該スラッジを与え
た土壌は酸性になり、土壌を改質する必要が新たに生じ
る。 古紙をシュレッダーなどで細断したもの:この場合に
は、印字部分のインクが細断紙片上に残留したまま多量
に存在するので、植物の生育に悪影響を与えたり、植物
中に取り込まれるという問題がある。更に、この様な細
断紙片を堆積させた場合、通気部は紙片間にできるわず
かなすき間に存在するのみで、紙自体には通気性がない
ことから、総合的に見れば堆積物内部への通気性が乏し
く、更に上記細断紙片の表面積は細断前の紙(例えば、
新聞、雑誌など)の表面積とほとんど変わりがなく、吸
湿性が乏しいという問題もある。 古紙を乾式解繊装置などで解繊した綿状の再生パル
プ:この場合には、製造過程のみならず取扱い中にも多
量の埃が発生して人体に悪影響を与える。
【0003】一方、農作物の育成に視点を向けると、近
年、田畑には化学肥料(リン、石灰など)が過剰に与え
られる傾向にある。田畑に与えられた肥料は、(A)土
壌空隙中に長く保持されるもの、(B)雨水などによっ
て地下水中へ溶出するもの、(C)肥料成分同士の化学
反応によって水に不溶性の化合物を生成して土壌中に残
留するもの、に分かれる。これらのうち、まず(A)の
土壌中に保持される肥料は、農作物の育成に必要な栄養
分として有効に利用され得るが、過剰量保持された肥料
は、バクテリアの繁殖を高め、逆に農作物の根を腐食す
るといった弊害を招く恐れがある。また、(B)の溶出
した肥料は地下水中に多量の窒素やリンなどが溶け込
み、それらが閉鎖性海域に流出することによって海水の
富栄養化を促進し、植物プランクトンなどが異常繁殖し
て赤潮が発生するなどの社会問題が多発する様になる。
一般に、リンの濃度が0.3μg/L〜10mg/Lの
間になると、バクテリアの細胞分裂速度が高くなると言
われている。さらに、(C)の不溶性物質の残留につい
ても土壌の品質の低下を招くばかりでなく、肥料中の栄
養成分が吸収されにくくなるなど、農作物の育成にも悪
影響を及ぼす。
【0004】また、肥料の成分や量は育成される農作物
の種類によって区別されることが好ましく、例えば西
瓜、南瓜、胡瓜などの果菜植物の育成には窒素、リンな
どは少ない方が良く、サツマイモ、ジャガイモなどの根
菜植物の育成には種芋付近のみに窒素を存在させること
が好ましい。また、稲の場合には、栄養価の高い米を多
量に収穫しようとすれば、その生育過程に合わせて、土
壌に与える栄養分を変化させる必要がある(例えば、発
芽から約2週間はリンを優先的に吸収させて根の張りを
良くし、土壌中の養分を吸収しやすくさせ、その後は窒
素を与えて、葉茎の器官形成を助長する)。しかしなが
ら、そのためには肥料を何回かに分けて与える必要があ
り、手間がかかる。従って、すべての肥料を播種または
植付け初期の段階に一括して与えているのが現状であ
り、その大部分は有効に利用されずに雨水などに溶け込
むか、あるいは余剰の肥料が土壌中に蓄積されたまま残
留する。一般に、稲用市販肥料の組成はおおよそ、窒
素:リン:カリウム=5:5:5の割合で混合されてい
る。この肥料を稲に与えると、まず吸収しやすい窒素を
優先的に吸収するため、窒素優先の発育が先行して、根
の張りが不十分となり多くの収穫量は期待できず、栄養
価の低い米しか得られないなどの問題がある。
【0005】そこで、田畑に過剰供給された化学肥料
(リン、石灰など)を吸収する目的で、家畜糞尿肥料や
麦わら・落ち葉などが吸肥材として実際に用いられてい
る。しかしながら、糞尿肥料の場合には糞尿そのものに
も多量の窒素が含まれているので、これを吸肥材として
用いても却って窒素過剰を押し進める恐れがある。ま
た、麦わらや落ち葉を用いる場合には、窒素やリンなど
を効率よく吸収することができるが、繊維質が少ないの
で土の硬化が進行し、絶えず土を耕転する必要がある。
また、麦わらや落ち葉にも窒素が多量に含まれているの
で、バクテリアの繁殖が盛んになり、多用すると植物の
根を腐食する恐れが出てくる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
堆肥および吸肥材が抱える問題を考慮し、土壌改質を目
的として、(1)土壌に与えられた過剰の肥料を吸収
(吸肥)し、さらに(2)必要時には該肥料を放出して
土壌中に供給することができる保肥材としての作用も兼
ね備えた良質の吸肥・保肥材、吸肥・保肥ペレットもし
くはマットおよびそれらの製造方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の吸肥・保肥材
は、紙を乾式解繊して綿状にしたものを含有することに
要旨を有する。好適な実施態様では、上記の吸肥・保肥
材は更に、水および/または肥料を含有する。本発明の
吸肥・保肥ペレットもしくはマットは、上記本発明の吸
肥・保肥材をペレット状もしくはマット状に固形化した
ものであることに要旨を有する。本発明の吸肥・保肥ペ
レットもしくはマットの製造方法は、上記本発明の吸肥
・保肥材をペレット状もしくはマット状に固形化するこ
とに要旨を有する。
【0008】
【作用】本発明の吸肥・保肥材は、紙を乾式解繊して綿
状にしたもの(以下、紙綿と略記する場合もある)を含
有する点に特徴を有する。本発明に用いられる紙はこの
様に綿状になっているので、繊維長が長く、且つ表面積
が大きいので、これを堆積したものは吸水性および通気
性に優れている。また、乾式解繊装置で紙を解繊する際
にインク粒子が分散する(図5にインク粒子が分散した
様子を示す)ので、紙綿中の残留インクは少なくなって
農作物に悪影響を及ぼす恐れが少ない。さらに、紙綿は
元来、保水力、保温力および吸肥力が非常に高く、土壌
に混入・散布するだけで窒素、リンなどの栄養分を効率
よく吸収し(吸肥)、かつ保肥することができる。従っ
て、上記紙綿を含有する本発明の吸肥・保肥材は、繊維
質が豊富な、非常に良質な吸肥・保肥材となる。
【0009】紙を乾式解繊する方法としては、例えば特
願平5−265895号に記載の乾式解繊装置などが用
いられる。また、本発明に用いられる紙としては特に限
定されず、例えば新聞、電話帳、雑誌、あるいはOA用
古紙などが用いられる。新聞を原料にした場合の紙綿の
炭素率は約400であり、電話帳を用いた場合の炭素率
は約700であり、上記従来の麦わらや落ち葉の炭素率
(約30〜40)に比べてかなり高い炭素率を有してい
るので、農作物の根を腐食する恐れはない。ここで、上
記炭素率とは、ある物質中に含有される窒素に対する炭
素の重量割合を表したもの(炭素の含有量/窒素の含有
量)である。
【0010】この様にして綿状にされた紙は、そのまま
単独で、土壌に散布あるいは土壌中に混入するなどして
有用な吸肥・保肥材として用いられる。しかしながら、
紙綿の比重は通常、約16kg/m3 と軽いので、これ
を土壌に散布した場合には風などにより飛散する場合が
ある。この飛散を防ぐことを目的として、好ましくは上
記綿状にした紙に水を加える。紙綿に水を加えて水分率
を約20%程度にすることによって風などで飛散する恐
れがなくなる。あるいは、保肥作用をさらに高めること
を目的として、上記紙綿に肥料を加えてもよい。このこ
とにより、養分がほとんど含まれない様な土壌や苗床な
どにおいても、紙綿の保肥力によって必要な時に必要な
量の栄養分を農作物に供給することができる。もちろ
ん、上記紙綿に水と肥料を両方加えれば、紙綿の重量化
と保肥力の向上により一層好ましいことは言うまでもな
い。
【0011】本発明の吸肥・保肥ペレットもしくはマッ
トは、上記本発明の吸肥・保肥材をペレット状もしくは
マット状に成形加工して固形化したものである。この様
に固形化することにより、水を加えないものであっても
風によって飛散する恐れがなく、施業の機械化も可能に
なり、搬送や散布などの手間を軽減することができる。
【0012】本発明の吸肥・保肥ペレットを製造する方
法は特に限定されないが、その一例として例えば図1に
示すペレット製造設備が用いられる。以下図1を参照し
ながら、各製造工程を詳細に説明する。
【0013】予めシュレッダーにて短冊状に細断した
紙片を、振動フィーダ1にて定量的に解繊機2に供給
し、綿状に解繊する。本工程ではこの様に、紙を解繊機
に供給する前に予めシュレッダーで細断したが、シュレ
ッダーに限定する必要はなく、例えば手で細断してもよ
く、あるいは細断せずに直接解繊機2に投入してもよ
い。用いられる解繊機としては上述したものが用いられ
る。 解繊機2から綿状に解繊排出された紙は、空気の流れ
に沿ってダクト3内を通過する。
【0014】上記綿状に解繊された紙と空気とは、分
離機4(例えば、金属筒と通気性のよい袋とを合わせ持
つ二重構造を有する)で分離され、空気は別置きのブロ
ワー5を介して装置外へ排出され、紙綿は一定の速度で
稼働するコンベアー6の一端に落下し、ペレット製造装
置7に搬送される。
【0015】ペレット製造装置7の入口には、固形化
に必要な粘着性を有する無害な糊(例えばデンプン糊)
を上記紙綿に付与する噴霧用ノズル8が設置されてい
る。ペレット製造装置7に投入された紙綿は糊と混合し
ながら、スクリューの回転によって軸方向の力を受け、
徐々に前方に移動し、該圧縮機の出口部にある吐出孔に
到達する。吐出孔には、生成するペレットの断面形状に
合わせた穴が設けられており、紙綿は加圧圧縮された
後、穴より押し出される。この様な工程を行うことによ
り、紙綿を機械的に加圧圧縮して柔らかくし、固形化す
ることができる。
【0016】なお、紙綿の水分の調整は、加圧圧縮機の
出口に設置された給水口より注入される水量を調節する
ことにより行われる。 押し出された混練物は、カッター9で適当な長さに切
断される。 ペレット状に固形化した吸肥・保肥ペレットが得られ
る。 この様にして得られる本発明の吸肥・保肥ペレットの形
状例としては、例えば図6に示すものが挙げられる。こ
の様にペレット化することにより、風などによる飛散の
恐れがなく、ハンドリングも容易である。
【0017】さらに、上記紙綿と肥料を含有する本発明
の吸肥・保肥ペレットを製造する場合には、上記工程の
の後に以下の工程が加えられる(この製造工程を加え
た概略図を図2に示す)。 ’肥料は、窒素:リン:カリウムの重量比を、好まし
くは1:5:3ないし2:5:4程度の割合で予め混合
しておいたものをホッパー10に溜めておく。この肥料
は、一定の速度で稼働するコンベアー11にて、紙綿と
同様に、以下のの工程に用いられるペレット製造装置
7に搬送される。次に、からの工程を上述したペレ
ットの製造方法と同様にして行うことにより、紙綿と肥
料を含有する本発明の吸肥・保肥ペレットが得られる。
【0018】この様にして得られた吸肥・保肥ペレット
は、肥料を含有しているのでさらに保肥力が高められる
結果、適宜適量の肥料を農作物に供給することが可能で
あり、農作物の生育過程に合わせて栄養分の供給時期を
変化させることができる(例えば、上述した様に稲の場
合には、発芽から約2週間はリンを優先的に吸収させ、
その後は窒素を与えるという様に栄養分の供給をコント
ロールすることができる)。
【0019】次に、本発明の吸肥・保肥マットの製造方
法を説明する。この製造方法としては特に限定されない
が、その一例として例えば図3に示すマット製造装置が
用いられる。以下図3を参照しながら、各製造工程を詳
細に説明する。
【0020】上述したペレットの製造工程のと同様
にして作製した紙綿をビニールシート13上にのせる。 コンベアー12の稼働により紙綿を搬送し、次に水お
よびでんぷん糊を供給する。 上記紙綿、水および糊からなる混合物の上に、更にビ
ニールシート13をかぶせる。 この様にして紙綿混合物をビニールシートでサンドイ
ッチ状にした後、加圧用ロール14でシート状に成形加
工する。
【0021】この様にして得られる本発明の吸肥・保肥
マットの形状例を図7に示す。上記本発明の吸肥・保肥
マットはハンドリング性が非常に良好で、施業の機械化
が容易であり、土壌に混入しても飛散する恐れがないも
のである。以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術的範囲に包含される。
【0022】
【実施例】
(1)上述の様にして作製した紙綿を用いて以下の実施
例1〜5を行った。 実施例1 10aの西瓜畑に紙綿約100kgを手で地中に散布し
た。元々の畑に含有されていた窒素およびリンの濃度を
予め測定しておき、次に上記紙綿供給後の畑中の窒素お
よびリンを測定し、その比を算出したところ、本発明の
紙綿を用いることにより、従来畑に含有されていた窒素
およびリンが約20%吸収された。この様に本発明の吸
肥・保肥剤は吸肥効果に優れているので、赤潮生物(主
に鞭毛藻)の増殖を抑制することが期待される。
【0023】実施例2 10aの畑に紙綿約100kgを手で散布した後、サツ
マイモの種芋を植えた。その際、種芋を植える部分を中
心にして幅約20cmにわたって畝に沿って数列、炭化
窒素または窒素含有土で道を作り、その上に種芋を植え
た(図8参照)。
【0024】この様にして収穫されたサツマイモは、紙
綿を含有しない土壌で収穫されたサツマイモに比べて芋
の収穫数は同程度であったが、一個あたりの芋の体積が
約30%大きかった。この理由としては、本発明の吸肥
・保肥材を用いると種芋付近に窒素成分が集中的に存在
するのでサツマイモの生育も良好になるが、本発明の吸
肥・保肥材を使用しない場合には、肥料が全体に均一に
分布するのでサツマイモの生育が悪く、得られる芋の体
積も小さくなることが考えられる(図9参照)。
【0025】実施例3 プラスチック製のプランター(幅28cm;高さ32c
m;長さ58cm)に、山土を約2/3の高さまで入れ
る。次に、溶性リン肥を約50g、炭化窒素を約10g
加えた後、紙綿をプランターの最上部まで手で入れた。
このプランターにトマトの種を蒔き、じょうろで水を約
500ml与えた(この工程を示した説明図を図10に
示す)。
【0026】この様にして収穫されたトマトは栄養価が
高く、紙綿を加えない場合に比べて収穫率が約20%高
くなった。これは、紙綿が吸肥材として有効に作用し、
リン優先の栽培を行うことができたためであると考えら
れる。
【0027】実施例4 西瓜の育成例は以下の通りである(図11参照)。 供給紙綿量:150kg/反 水分率 :60% 紙綿、水分以外の供給物:一反当たり、溶性リン肥(4
0kg) 炭化カルシウム(200kg) 収穫率 :30%向上 実施例5 ジャガイモの育成例は以下の通りである(図12参
照)。 供給紙綿量:400kg/反 水分率 :60% 紙綿、水分以外の供給物:一反当たり、硫安(10k
g) 過リン酸石灰(10kg) 硫酸カリウム(10kg) 収穫率 :70%向上 (2)紙綿を含有する吸肥・保肥ペレットを上述の様に
して作製した。このペレットを用いて以下の実施例6お
よび7を行った。 実施例6 上記ペレットを散布用機械にセットし、畑10a当たり
100kgのペレットを畑の地表に散布してなすびを育
成した(図13参照)。この様にして収穫されたなすび
は、従来に比べて収穫率が約20〜30%高くなった。
これは、上記ペレットが有する保水性、保温性によるも
のと考えられる。 実施例7 上記ペレットをゴルフ場に使用した。すなわち、ゴルフ
場の周囲にペレットを散布する(図14参照)ことによ
り、芝生に与えた養分の流出を防ぐことができた。
【0028】(3)紙綿と肥料を含有する吸肥・保肥ペ
レットを上述の様にして作製した。このペレットを用い
て以下の実施例8を行った。 実施例8 上記ペレットを苗床に使用した。すなわち、苗箱に約5
kgの山土を入れ、その上に、上記ペレットを均一に約
200g蒔いた(図15参照)。次に、コシヒカリの種
を種蒔き機で均一に苗箱に散布した。散布終了後に、じ
ょうろなどを用いて水道水を約300ml与えた。この
苗箱を風通しのよい場所に設置したところ、約5日で発
芽し、その後約7日で苗代にまで成長した。この育成期
間は、従来の苗床を用いた場合に比べて約3〜5日程度
短いものである。さらに、使用するにあたっては、埃が
全くたたないので取扱いが容易であり、かつ収穫された
米はタンパク質含有量の多いものである。これは、用い
られる紙綿の保温性、保水性、保肥力が有効に作用して
リン優先の育成を行うことができたためであると考えら
れる。
【0029】
【発明の効果】本発明の吸肥・保肥材、および吸肥・保
肥ペレッもしくはマットは上記の様な構成からなってい
るので、以下の様な効果が得られる。 (1)紙を乾式解繊した綿状物を利用しているので、繊
維質を多く含み、炭素率が高く、保水力・保温力・吸肥
力・保肥力に優れている。 (2)再生紙などを利用できるので資源の再利用につな
がり、低コストで良質な吸肥・保肥材を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸肥・保肥ペレットを製造するペレッ
ト製造設備の一例を示す概略図である。
【図2】本発明の吸肥・保肥ペレットを製造するペレッ
ト製造設備の他の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の吸肥・保肥マットを製造する装置の一
例を示す概略図である。
【図4】従来の製紙スラッジ堆肥を生成する工程を示す
工程図である。
【図5】シュレッダーで細断した後、解繊した紙にイン
ク粒子が分散する様子を示す説明図である。
【図6】本発明の吸肥・保肥ペレットの形状例を示す斜
視図である。
【図7】本発明の吸肥・保肥マットの形状例を示す斜視
図である。
【図8】実施例2において、本発明の吸肥・保肥材を畑
の畝に散布した様子を示す斜視図である。
【図9】実施例2において、本発明の吸肥・保肥材を用
いた場合と用いない場合におけるサツマイモの生育状況
を比較して示す図表である。
【図10】実施例3の栽培工程を示す工程図である。
【図11】実施例4の育成方法を示す畑の断面図であ
る。
【図12】実施例5の育成方法を示す畑の断面図であ
る。
【図13】実施例6において、本発明の吸肥・保肥ペレ
ットを畑に敷設した状態を示す平面図である。
【図14】実施例7において、本発明の吸肥・保肥ペレ
ットをゴルフ場に敷設した状態を示す平面図である。
【図15】実施例8において、本発明の吸肥・保肥ペレ
ットを苗箱に使用した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 振動フィーダ 2 古紙解繊機 3 ダクト 4 分離機 5 ブロワー 6 コンベアー(綿用) 7 ペレット製造装置 8 ノズル(噴霧用) 9 カッター 10 ホッパー 11 コンベアー(肥料用) 12 コンベアー 13 ビニールシート 14 加圧用ロール
フロントページの続き (72)発明者 寺田 充夫 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙を乾式解繊して綿状にしたものを含有
    することを特徴とする吸肥・保肥材。
  2. 【請求項2】 更に、水および/または肥料を含有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の吸肥・保肥材。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の吸肥・保肥材
    をペレット状もしくはマット状に固形化したものである
    ことを特徴とする吸肥・保肥ペレットもしくはマット。
  4. 【請求項4】 請求項1または2に記載の吸肥・保肥材
    をペレット状もしくはマット状に固形化することを特徴
    とする吸肥・保肥ペレットもしくはマットの製造方法。
JP33870193A 1993-12-14 1993-12-28 吸肥・保肥材、吸肥・保肥ペレットもしくはマットおよびそれらの製造方法 Expired - Fee Related JP3387598B2 (ja)

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JP33870193A Expired - Fee Related JP3387598B2 (ja) 1993-12-14 1993-12-28 吸肥・保肥材、吸肥・保肥ペレットもしくはマットおよびそれらの製造方法

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003095769A (ja) * 2001-09-20 2003-04-03 Seihachiro Miura コンポスト肥料の製造方法
JP2003238278A (ja) * 2002-02-12 2003-08-27 Seihachiro Miura 下水汚泥のコンポスト化方法
WO2023205809A1 (en) * 2022-04-22 2023-10-26 Bison Underground, LLC Apparatus and method for capturing carbon in soil

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