JPH07184470A - 苗床およびその製造方法 - Google Patents
苗床およびその製造方法Info
- Publication number
- JPH07184470A JPH07184470A JP5338700A JP33870093A JPH07184470A JP H07184470 A JPH07184470 A JP H07184470A JP 5338700 A JP5338700 A JP 5338700A JP 33870093 A JP33870093 A JP 33870093A JP H07184470 A JPH07184470 A JP H07184470A
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- JP
- Japan
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- paper
- soil
- nursery bed
- nursery
- cotton
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- Cultivation Of Plants (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 保水力、保温力、吸肥力および保肥力に富ん
だ良質の苗床を提供する。 【構成】 紙を乾式解繊して綿状にしたものを含有する
苗床であり、好ましくは、更に土および/または堆肥を
含有する苗床である。
だ良質の苗床を提供する。 【構成】 紙を乾式解繊して綿状にしたものを含有する
苗床であり、好ましくは、更に土および/または堆肥を
含有する苗床である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、苗床およびその製造方
法に関し、詳細には紙を乾式解繊して綿状にしたものを
含有する苗床およびその製造方法に関するものである。
法に関し、詳細には紙を乾式解繊して綿状にしたものを
含有する苗床およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、古紙を再利用する目的で再生紙と
することが盛んに行われているが、その他、農業分野に
おいては植物培地などへの利用が試みられている。具体
的には下記の様なものが挙げられるが、それぞれ併記す
る問題を抱えている。 木材チップ、パルプ、紙などを化学処理した製紙スラ
ッジ:この工程を図式化したものを図6に示す。図6に
示す様に上記製紙スラッジには、化学処理に際して使用
する硫酸アルミニウムが含まれているので、該スラッジ
を含有する培地は酸性になり、酸性度を改質する必要が
新たに生じる。 古紙をシュレッダーなどで細断したもの:この場合に
は、印字部分のインクが細断紙片上に残留したまま多量
に存在するので、植物の生育に悪影響を与えたり、植物
中に取り込まれるという問題がある。更に、この様な細
断紙片を堆積させた場合、通気部は紙片間にできるわず
かなすき間に存在するのみで、紙自体には通気性がない
ことから、総合的に見れば堆積物内部への通気性が乏し
く、更に上記細断紙片の表面積は細断前の紙(例えば、
新聞、雑誌など)の表面積とほとんど変わりがなく、吸
湿性が乏しいという問題もある。 古紙を乾式解繊装置などで解繊した綿状の再生パル
プ:この場合には、製造過程のみならず取扱い中にも多
量の埃が発生して人体に悪影響を与える。
することが盛んに行われているが、その他、農業分野に
おいては植物培地などへの利用が試みられている。具体
的には下記の様なものが挙げられるが、それぞれ併記す
る問題を抱えている。 木材チップ、パルプ、紙などを化学処理した製紙スラ
ッジ:この工程を図式化したものを図6に示す。図6に
示す様に上記製紙スラッジには、化学処理に際して使用
する硫酸アルミニウムが含まれているので、該スラッジ
を含有する培地は酸性になり、酸性度を改質する必要が
新たに生じる。 古紙をシュレッダーなどで細断したもの:この場合に
は、印字部分のインクが細断紙片上に残留したまま多量
に存在するので、植物の生育に悪影響を与えたり、植物
中に取り込まれるという問題がある。更に、この様な細
断紙片を堆積させた場合、通気部は紙片間にできるわず
かなすき間に存在するのみで、紙自体には通気性がない
ことから、総合的に見れば堆積物内部への通気性が乏し
く、更に上記細断紙片の表面積は細断前の紙(例えば、
新聞、雑誌など)の表面積とほとんど変わりがなく、吸
湿性が乏しいという問題もある。 古紙を乾式解繊装置などで解繊した綿状の再生パル
プ:この場合には、製造過程のみならず取扱い中にも多
量の埃が発生して人体に悪影響を与える。
【0003】一方、稲作に用いられる苗床には山土と若
干の肥料を混入し、これを床土としている。この床土は
肥料中のリンの保肥力が小さいため、近年の米作は、リ
ン優先成長から窒素優先成長へと変化しており、その結
果良質の作物を収穫できないという問題を抱えている。
ここで、リン優先成長とは、タンパク質の合成を助長す
るリンを多く吸収する成長のことである。この様な成長
形態をとった農作物は、張りがあって活力のある根を有
するので、発芽の初期の段階で子葉が大きくなり、葉に
はタンパク質が多量に生成されるなど良質なものであ
る。これに対して、窒素優先成長とは、葉茎の成長を助
長する窒素を多く吸収する成長のことであり、土壌中に
繊維質成分が少なくなるとこの成長形態をとる様にな
る。この様な成長形態をとった農作物は、葉は成長する
もののタンパク質の合成が不十分となる。
干の肥料を混入し、これを床土としている。この床土は
肥料中のリンの保肥力が小さいため、近年の米作は、リ
ン優先成長から窒素優先成長へと変化しており、その結
果良質の作物を収穫できないという問題を抱えている。
ここで、リン優先成長とは、タンパク質の合成を助長す
るリンを多く吸収する成長のことである。この様な成長
形態をとった農作物は、張りがあって活力のある根を有
するので、発芽の初期の段階で子葉が大きくなり、葉に
はタンパク質が多量に生成されるなど良質なものであ
る。これに対して、窒素優先成長とは、葉茎の成長を助
長する窒素を多く吸収する成長のことであり、土壌中に
繊維質成分が少なくなるとこの成長形態をとる様にな
る。この様な成長形態をとった農作物は、葉は成長する
もののタンパク質の合成が不十分となる。
【0004】上述の様に床土のみでは窒素優先成長が主
体になっていく理由としては、床土には窒素やリンなど
の肥料成分が含有されているが、初期の段階においては
植物は吸収しやすい窒素を優先的に吸収するため、子
葉(根の伸長と活力を供給する)の発育を抑制する、
細根や根毛(実の生長に貢献するリンを吸収する)の派
生が減少する、葉茎の伸長のみ促進する、といういわ
ゆる上記窒素優先成長が見られ、良質の農作物を収穫す
ることができない。すなわち、初期の段階に与えられた
リンは土にはほとんど保持されていない(保肥力に乏し
い)のでこの様な発育形態をとると考えられる。この他
に、山土を使用する場合には、重いので移動の際に多大
な労力を要する、粒状であり粘着力が少ないので少々の
傾斜であっても片寄ってしまう恐れがある、保水力に乏
しいので絶えず水分を供給する必要がある、などの問題
もある。そのため、上記床土の代用品として高分子化合
物が利用されており、例えば該化合物で形成したマット
(高分子マット、図7参照)などが利用されている。し
かしながら、高分子マットは、山土に比べて軽い反面、
保水力に乏しい、保肥力に乏しい、田植え機との
相性が悪い(一株ごとの切り出しにおいて苗切れが非常
に悪い)、高分子化合物であるので生分解性を期待す
ることができず高分子化合物の種類によっては長時間の
使用によって該高分子化合物中に含有される未反応モノ
マーや添加物などが水中に溶け出して水田に悪影響を与
える恐れがある、比重が小さく、水田に浮くなどの問
題がある。
体になっていく理由としては、床土には窒素やリンなど
の肥料成分が含有されているが、初期の段階においては
植物は吸収しやすい窒素を優先的に吸収するため、子
葉(根の伸長と活力を供給する)の発育を抑制する、
細根や根毛(実の生長に貢献するリンを吸収する)の派
生が減少する、葉茎の伸長のみ促進する、といういわ
ゆる上記窒素優先成長が見られ、良質の農作物を収穫す
ることができない。すなわち、初期の段階に与えられた
リンは土にはほとんど保持されていない(保肥力に乏し
い)のでこの様な発育形態をとると考えられる。この他
に、山土を使用する場合には、重いので移動の際に多大
な労力を要する、粒状であり粘着力が少ないので少々の
傾斜であっても片寄ってしまう恐れがある、保水力に乏
しいので絶えず水分を供給する必要がある、などの問題
もある。そのため、上記床土の代用品として高分子化合
物が利用されており、例えば該化合物で形成したマット
(高分子マット、図7参照)などが利用されている。し
かしながら、高分子マットは、山土に比べて軽い反面、
保水力に乏しい、保肥力に乏しい、田植え機との
相性が悪い(一株ごとの切り出しにおいて苗切れが非常
に悪い)、高分子化合物であるので生分解性を期待す
ることができず高分子化合物の種類によっては長時間の
使用によって該高分子化合物中に含有される未反応モノ
マーや添加物などが水中に溶け出して水田に悪影響を与
える恐れがある、比重が小さく、水田に浮くなどの問
題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に着目してなされたものであり、その目的は保水力、保
温力、吸肥力および保肥力に富んだ良質の苗床およびそ
の製造方法を提供することである。
に着目してなされたものであり、その目的は保水力、保
温力、吸肥力および保肥力に富んだ良質の苗床およびそ
の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の苗床は、紙を乾
式解繊して綿状にしたものを含有することに要旨を有す
る。好適な実施態様では、本発明の苗床は更に土および
/または堆肥を含有する。本発明の苗床の製造方法は、
紙を乾式解繊して綿状にしたものを容器に充填すること
に要旨を有する。本発明の他の苗床の製造方法は、紙を
乾式解繊して綿状にしたものに、土および/または堆肥
を容器内で混合または積層することに要旨を有する。
式解繊して綿状にしたものを含有することに要旨を有す
る。好適な実施態様では、本発明の苗床は更に土および
/または堆肥を含有する。本発明の苗床の製造方法は、
紙を乾式解繊して綿状にしたものを容器に充填すること
に要旨を有する。本発明の他の苗床の製造方法は、紙を
乾式解繊して綿状にしたものに、土および/または堆肥
を容器内で混合または積層することに要旨を有する。
【0007】
【作用】本発明の苗床は、紙を乾式解繊して綿状にした
もの(以下、紙綿と略記する場合もある)を含有する点
に特徴を有する。本発明に用いられる紙はこの様に綿状
になっているので、繊維長が長く、且つ表面積が大きい
ので、これを堆積したものは吸水性および通気性に優れ
ている。また、乾式解繊装置で紙を解繊する際にインク
粒子が分散する(図8にインク粒子が分散した様子を示
す)ので、紙綿中有の残留インクは少なくなって農作物
に悪影響を及ぼす恐れが少ない。さらに、紙綿は元来保
水力、保温力および吸肥力が非常に高く、土壌に混入・
散布するだけで窒素、リンなどの栄養分を効率よく吸収
し(吸肥)、かつ保肥することができる。従って、上記
紙綿を含有する本発明の苗床は、繊維質が豊富な、非常
に良質なものである。
もの(以下、紙綿と略記する場合もある)を含有する点
に特徴を有する。本発明に用いられる紙はこの様に綿状
になっているので、繊維長が長く、且つ表面積が大きい
ので、これを堆積したものは吸水性および通気性に優れ
ている。また、乾式解繊装置で紙を解繊する際にインク
粒子が分散する(図8にインク粒子が分散した様子を示
す)ので、紙綿中有の残留インクは少なくなって農作物
に悪影響を及ぼす恐れが少ない。さらに、紙綿は元来保
水力、保温力および吸肥力が非常に高く、土壌に混入・
散布するだけで窒素、リンなどの栄養分を効率よく吸収
し(吸肥)、かつ保肥することができる。従って、上記
紙綿を含有する本発明の苗床は、繊維質が豊富な、非常
に良質なものである。
【0008】本発明に用いられる紙としては特に限定さ
れず、例えば新聞、電話帳、雑誌、あるいはOA用古紙
などが用いられる。また、上記紙を乾式解繊する方法と
しては、例えば特願平5−265895号に記載の乾式
解繊装置などが用いられる。この様にして綿状にされた
紙は、容器に直接充填して苗床として用いられる。しか
しながら、乾式解繊して得た紙綿の比重は通常、約16
kg/m3 と軽いので、これを苗床として用いた場合に
は風やその他の外部撹乱作用によって飛散する場合があ
る。この飛散を防ぐことを目的として、上記紙綿に、土
および/または堆肥を加えて苗床としてもよい。土を加
えることによって重量をある程度確保することができ、
苗床の飛散を防ぐことができる。また、堆肥を加えるこ
とによって栄養分を供給し、かつ堆肥元来の性質(土を
肥沃にし、重金属などの有害物の作用を抑制する働き)
により農作物の根の生育を促進することができる。本発
明に用いられる堆肥としては特に限定されず、麦わらや
落ち葉などの通常用いられる堆肥を使用することができ
る。
れず、例えば新聞、電話帳、雑誌、あるいはOA用古紙
などが用いられる。また、上記紙を乾式解繊する方法と
しては、例えば特願平5−265895号に記載の乾式
解繊装置などが用いられる。この様にして綿状にされた
紙は、容器に直接充填して苗床として用いられる。しか
しながら、乾式解繊して得た紙綿の比重は通常、約16
kg/m3 と軽いので、これを苗床として用いた場合に
は風やその他の外部撹乱作用によって飛散する場合があ
る。この飛散を防ぐことを目的として、上記紙綿に、土
および/または堆肥を加えて苗床としてもよい。土を加
えることによって重量をある程度確保することができ、
苗床の飛散を防ぐことができる。また、堆肥を加えるこ
とによって栄養分を供給し、かつ堆肥元来の性質(土を
肥沃にし、重金属などの有害物の作用を抑制する働き)
により農作物の根の生育を促進することができる。本発
明に用いられる堆肥としては特に限定されず、麦わらや
落ち葉などの通常用いられる堆肥を使用することができ
る。
【0009】上記紙綿に、土および/または堆肥を加え
て苗床を製造する方法としては、紙綿と土および/また
は堆肥を混合して容器に充填してもよいし、あるいは容
器に、堆肥、土および紙綿を積層してもよい。積層する
順番としてはこの順番に限定されず、他の種々の組み合
わせを用いることができる。
て苗床を製造する方法としては、紙綿と土および/また
は堆肥を混合して容器に充填してもよいし、あるいは容
器に、堆肥、土および紙綿を積層してもよい。積層する
順番としてはこの順番に限定されず、他の種々の組み合
わせを用いることができる。
【0010】この様にして製造された本発明の苗床は長
繊維を多く含むので土の硬化が起こりにくく、農作物の
根の発育を妨げることがないので、該苗床に農作物の種
を播種すると、根や子葉の発育の良好な栄養価に富んだ
作物を収穫することができる。
繊維を多く含むので土の硬化が起こりにくく、農作物の
根の発育を妨げることがないので、該苗床に農作物の種
を播種すると、根や子葉の発育の良好な栄養価に富んだ
作物を収穫することができる。
【0011】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、前
・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全
て本発明の技術的範囲に包含される。
明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、前
・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全
て本発明の技術的範囲に包含される。
【0012】
実施例1 新聞、電話帳、雑誌あるいはOA古紙などを乾式解繊装
置(特願平5−265895号に記載の装置)にて解繊
して綿状にした。苗箱(300×600mm)に、 (1)山土を加えた従来の苗床 (2)上記紙綿を手で約500g供給した本発明の紙綿
苗床 (3)紙綿と土を1:1の比率で混合した本発明の混合
苗床 の3種類の苗床を用意した。
置(特願平5−265895号に記載の装置)にて解繊
して綿状にした。苗箱(300×600mm)に、 (1)山土を加えた従来の苗床 (2)上記紙綿を手で約500g供給した本発明の紙綿
苗床 (3)紙綿と土を1:1の比率で混合した本発明の混合
苗床 の3種類の苗床を用意した。
【0013】図1に上記(3)の苗床の断面図を示す。
この図からも明らかな様に、上記(3)の苗床は紙綿と
土を混合して作成してもよい{同図(A)参照}し、あ
るいは紙綿と土とを順次積層して作成してもよい{同図
(B)参照}。なお、積層する順番は限定されず、紙綿
と土のいずれを先に苗箱に入れてもよい)。次に、各苗
床の表面にコシヒカリの種を蒔き、種蒔き機で均一に散
布した。散布終了後、水道水を約300ml、じょうろ
などで加えた。この苗箱を風通しのよい場所に設置し
た。田植え機に苗床をセットし、通常の田植えを実施し
て収穫した(なお、これらの一連の工程を図2に図式化
して示した)。その結果を図3に示す。
この図からも明らかな様に、上記(3)の苗床は紙綿と
土を混合して作成してもよい{同図(A)参照}し、あ
るいは紙綿と土とを順次積層して作成してもよい{同図
(B)参照}。なお、積層する順番は限定されず、紙綿
と土のいずれを先に苗箱に入れてもよい)。次に、各苗
床の表面にコシヒカリの種を蒔き、種蒔き機で均一に散
布した。散布終了後、水道水を約300ml、じょうろ
などで加えた。この苗箱を風通しのよい場所に設置し
た。田植え機に苗床をセットし、通常の田植えを実施し
て収穫した(なお、これらの一連の工程を図2に図式化
して示した)。その結果を図3に示す。
【0014】図3から明らかな様に、本発明の苗床
[(2),(3)]を用いた場合はいずれも、従来の苗
床を用いた場合に比べて10a当たり約20%収穫量が
増加し、かつ発育形態が良好であることから、作物の生
育を促進することができることが分かった。また、田植
えに際しては苗切れが非常に良く、ほぼ均一に田植えを
行なうことができた。さらに、本発明の(2)の苗床の
重量は従来の苗床の約1/6であり、非常に軽いもので
あり、ハンドリングが容易であった。一方、本発明の
(3)の苗床は(2)に比べて若干重量が増加している
が、このことにより、風による飛散を防ぐことができ
る。例えば風が非常に強い「六甲おろし」が吹く兵庫県
南部などでは、この苗床を用いると有効である。なお、
リン優先の成長を促す目的で、種を散布する直前に、苗
床1個に付き、過リン酸石灰を約20g程度加えると、
米中のタンパク質含有量がさらに増加した。
[(2),(3)]を用いた場合はいずれも、従来の苗
床を用いた場合に比べて10a当たり約20%収穫量が
増加し、かつ発育形態が良好であることから、作物の生
育を促進することができることが分かった。また、田植
えに際しては苗切れが非常に良く、ほぼ均一に田植えを
行なうことができた。さらに、本発明の(2)の苗床の
重量は従来の苗床の約1/6であり、非常に軽いもので
あり、ハンドリングが容易であった。一方、本発明の
(3)の苗床は(2)に比べて若干重量が増加している
が、このことにより、風による飛散を防ぐことができ
る。例えば風が非常に強い「六甲おろし」が吹く兵庫県
南部などでは、この苗床を用いると有効である。なお、
リン優先の成長を促す目的で、種を散布する直前に、苗
床1個に付き、過リン酸石灰を約20g程度加えると、
米中のタンパク質含有量がさらに増加した。
【0015】実施例2 実施例1と同様にして得た紙綿を用いて、苗箱に、 (1)堆肥+紙綿 (2)堆肥+紙綿+土 を等量ずつ積層した2種類の苗床を用意した。堆肥とし
ては麦わら、稲わら、すすき、およびカヤ類を用いた。
通常はこのままでもよいが、本実施例ではさらに溶性リ
ン肥を約20g加えた。次に、実施例1と同様にして種
を蒔いて米を収穫した。
ては麦わら、稲わら、すすき、およびカヤ類を用いた。
通常はこのままでもよいが、本実施例ではさらに溶性リ
ン肥を約20g加えた。次に、実施例1と同様にして種
を蒔いて米を収穫した。
【0016】その結果、従来の苗床[堆肥のみ、あるい
は(堆肥+土)]の様に紙綿を含有しない苗床に比べ
て、10a当たり、約20%収穫量が増加した。苗切れ
も非常に良く、ほぼ均一に田植えを行うことができた。
なお、堆肥、紙綿および土を苗箱に加える順序、並びに
その混合方法は上記の結果に影響を及ぼすものではな
く、例えばこれらを積層する代わりに混合しても同様の
結果が得られる(図4に、本実施例に用いた苗床の断面
図を示す)。
は(堆肥+土)]の様に紙綿を含有しない苗床に比べ
て、10a当たり、約20%収穫量が増加した。苗切れ
も非常に良く、ほぼ均一に田植えを行うことができた。
なお、堆肥、紙綿および土を苗箱に加える順序、並びに
その混合方法は上記の結果に影響を及ぼすものではな
く、例えばこれらを積層する代わりに混合しても同様の
結果が得られる(図4に、本実施例に用いた苗床の断面
図を示す)。
【0017】実施例3 実施例1および実施例2の本発明の苗箱にそれぞれラッ
プをかけて、カイワレを育成した(図5参照)ところ、
ラップを使用しない場合に比べて約2日ほど早く発芽し
た。
プをかけて、カイワレを育成した(図5参照)ところ、
ラップを使用しない場合に比べて約2日ほど早く発芽し
た。
【0018】
【発明の効果】本発明の苗床は上記構成からなっている
ので、以下の様な効果が得られる。 (1)紙を乾式解繊した綿状物を利用しているので、繊
維質を多く含み、炭素率が高く、かつ保水力・保温力・
吸肥力および保肥力が優れている。 (2)再生紙などを利用できるので資源の再利用につな
がり、低コストで良質な吸肥・保肥剤を製造することが
できる。
ので、以下の様な効果が得られる。 (1)紙を乾式解繊した綿状物を利用しているので、繊
維質を多く含み、炭素率が高く、かつ保水力・保温力・
吸肥力および保肥力が優れている。 (2)再生紙などを利用できるので資源の再利用につな
がり、低コストで良質な吸肥・保肥剤を製造することが
できる。
【図1】実施例1における本発明の苗床(3)の断面図
である。
である。
【図2】実施例1の工程を示す工程図である。
【図3】実施例1の結果を示す図表である。
【図4】実施例2に用いられる苗床の断面図である。
【図5】実施例3において、ラップを利用した苗床を示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図6】従来の製紙スラッジを生成する工程を示す工程
図である。
図である。
【図7】高分子化合物を用いた従来の高分子マットの斜
視図である。
視図である。
【図8】シュレッダーで細断した後、解繊した紙にイン
ク粒子が分散する状態を示す説明図である。
ク粒子が分散する状態を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 充夫 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内
Claims (4)
- 【請求項1】 紙を乾式解繊して綿状にしたものを含有
することを特徴とする苗床。 - 【請求項2】 更に土および/または堆肥を含有するこ
とを特徴とする請求項1に記載の苗床。 - 【請求項3】 紙を乾式解繊して綿状にしたものを容器
に充填することを特徴とする苗床の製造方法。 - 【請求項4】 紙を乾式解繊して綿状にしたものに、土
および/または堆肥を容器内で混合または積層すること
を特徴とする苗床の製造方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5338700A JPH07184470A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 苗床およびその製造方法 |
GB9425148A GB2285407A (en) | 1993-12-14 | 1994-12-13 | Apparatus for molding fibrous material containing waste paper |
DE19944444285 DE4444285C2 (de) | 1993-12-14 | 1994-12-13 | Vorrichtung zum Formen von Abfallpapier enthaltendem Fasermaterial und deren Verwendung |
AU80466/94A AU679278B2 (en) | 1993-12-14 | 1994-12-14 | Apparatus for molding fibrous material mainly containing waste paper and agricultural material |
US08/355,961 US5629034A (en) | 1993-12-14 | 1994-12-14 | Apparatus for molding fibrous material mainly containing waste paper and agricultural material |
KR1019940034199A KR0140821B1 (ko) | 1993-12-14 | 1994-12-14 | 섬유질 물질의 성형장치 및 농업재료 |
US08/960,354 USRE36232E (en) | 1993-12-14 | 1997-10-29 | Apparatus for molding fibrous material |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5338700A JPH07184470A (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 苗床およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07184470A true JPH07184470A (ja) | 1995-07-25 |
Family
ID=18320644
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5338700A Pending JPH07184470A (ja) | 1993-12-14 | 1993-12-28 | 苗床およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07184470A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011172490A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Arashiro Keisaku | 植物栽培方法 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP5338700A patent/JPH07184470A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011172490A (ja) * | 2010-02-23 | 2011-09-08 | Arashiro Keisaku | 植物栽培方法 |
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