JPH11123024A - 肥料培地 - Google Patents
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- JPH11123024A JPH11123024A JP9305033A JP30503397A JPH11123024A JP H11123024 A JPH11123024 A JP H11123024A JP 9305033 A JP9305033 A JP 9305033A JP 30503397 A JP30503397 A JP 30503397A JP H11123024 A JPH11123024 A JP H11123024A
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Abstract
育苗容器での栽培の際から本田での栽培で必要とされる
緩効性肥料を含有した育苗容器用の肥料培地、及びこれ
を用いた全量施肥用材料並びに栽培方法を提供するこ
と。 【解決手段】 緩効性肥料と、育苗に要する水分を保持
できる保水材とを含有し、これら成分を粒状化して成る
肥料培地である。育苗容器に充填して使用することがで
きる。上述の肥料培地を用いた全量施肥用材料である。
この肥料培地と、窒素肥料成分及び/又はカリ肥料成分
を含む緩効性肥料とを含む。肥料培地を用いて育苗を行
う栽培方法である。
Description
更に詳細には、水稲等の苗を育苗箱などの育苗容器で栽
培する際の培地と肥料とを兼ねる肥料培地に関するもの
で、特に、本田で必要な緩効性肥料を含有でき、本田で
の元肥及び追肥を省略することができる新規な育苗容器
用の肥料培地に関する。
から、水稲の苗は、育苗箱で所定期間栽培された後に本
田に移植されて栽培を続行されるが、適正な生育を得る
ためには、肥料成分として、主に窒素、リン酸及びカリ
(カリウム)が必要とされる。そして、通常の苗床は、
育苗箱の底側から順に、苗を支持するとともに育苗に必
要な水分を保持する床土層、肥料と種籾とを混合するか
別の層とした肥料・種籾層、及び粒状の土から成る覆土
層で構成されており、種籾が発芽するまでの間(3〜1
0日間)は覆土層側から水を供給することが好ましくな
いため、覆土前に床土層に十分な水分を含ませ、この水
分が種籾に供給されるようになっている。
抑制された緩効性被覆肥料の開発により、このような緩
効性被覆肥料を育苗箱に播くことにより発芽から収穫ま
でに要する一生分の肥料成分を供給し、本田での元肥と
追肥、穂肥の施用を省略する育苗箱全量施肥栽培が提案
されており、施肥作業の省力効果が注目されている。
号公報には、上記緩効性被覆肥料と保水材とを混合した
ものや、保水材の間に緩効性肥料を層状に挟み込んだも
のを、加圧により形成した育苗用のマット状培土が開示
されている。このマット状培土は、通常の苗床の床土層
と肥料層とが一体に形成されたものであり、覆土の前に
水を含ませて使用され、上記保水材は、苗を支持すると
ともに、少なくとも種籾が発芽するまでの間、種籾に水
を供給する機能を果たす。
て、緩効性被覆肥料は、肥料粒子に対して有機物又は無
機物による溶出速度低減処理が施されたものであり、例
えば、樹脂を主成分とした被膜を通常の粒状肥料の表面
に形成することにより作製されているので、有機物の被
膜等が本田の土壌内に残存するという課題があった。ま
た、かかる緩効性被覆肥料には、肥料粒子に対して樹脂
被膜を形成する等の溶出速度低減処理を要する分手間が
かかり、この手間の分だけ高価でもあった。
要三成分である窒素、リン酸及びカリを緩効性肥料とし
て全量施肥しようとすれば、緩効性肥料が育苗箱内の空
間を占有するスペースの割合が大きくなるため、吸水特
性に優れた培土を使用したとしても、十分な保水量が得
られないという課題があった。
出速度低減処理が困難であるため、実際には、本田で必
要な分量のリン酸肥料は移植時に本田に散布されること
が多く、従って、主要三成分の育苗箱への全量施肥は実
現されていなかった。
た資材を通常使用されているポリ袋に充填して輸送する
と、両者の比重差が大きいため、輸送中の振動及び揺れ
等により上記混合資材が分級し、資材全体としては両者
の混合比が均一でなくなってしまう。従って、このよう
な混合不均一な資材をポリ袋から小分けしてそのまま使
用すると、小分け部分毎に肥料と培土との混合比が異な
ってしまうことがあり、施肥効果が一定にならないとい
う課題もあった。
は、ク溶性又は可溶性肥料粉末にバインダーとしてベン
トナイトを配合した水崩壊性造粒肥料が開示されてい
る。しかしながら、この水崩壊性造粒肥料は、水に浸漬
するまでは造粒保形性を十分に保持し、且つ水浸漬後は
容易に崩壊することを目的として作成されたものであ
る。そして、かかる目的を達成するために、ベントナイ
トがバインダーとして用いられているが、ベントナイト
には吸湿し膨潤する特性があり、増粘が激しく、三相分
布のうちの気相が小さくなるので、育苗に必要な気相
(酸素)を十分に供給することが困難であった。
は、無機質肥料にバーミキュライトを添加混合した軽量
粒状肥料の製造方法が開示されているが、造粒工程にお
いて、バーミキュライトの構造上の特徴であるアコーデ
ィオン構造が破壊され、バーミキュライトの優れた物理
的特性が損なわれるといった課題があった。
題に着目してなされたものであり、苗を栽培する際の培
地と肥料とを兼ね、特に育苗容器での栽培の際から本田
での栽培で必要とされる緩効性肥料を含有した育苗容器
用の肥料培地、及びこれを用いた全量施肥用材料並びに
栽培方法を提供することを目的とする。
を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、所定の緩効性肥料
と保水材とを適切に粒状化することにより、上記目的が
達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
と、育苗に要する水分を保持できる保水材とを含有し、
これら成分を粒状化して成ることを特徴とし、育苗容器
に充填して使用されることが好ましい。
肥料培地を育苗容器に充填して成る全量施肥用材料であ
って、上記肥料培地と、窒素肥料成分及び/又はカリ肥
料成分を含む緩効性肥料とを含有することを特徴とす
る。
地を用いて育苗を行うことを特徴とする。
肥料等を保水性に優れた天然保水材に含有させて粒状化
し、所要に応じて乾燥させて軽量化を図った。このよう
に、本発明の肥料培地では、肥料成分と保水材とが粒状
一体化しているため、輸送などの際に振動や揺れが作用
しても肥料と培土との比重差に起因する分級や分散不良
などを生ずることがない。
い、これと保水材とを粒状化した肥料培地を用い、慣行
の育苗管理に準じて育苗を行うと、緩効性肥料が撥水性
を示すものであっても良好な苗が得られる。このような
結果が得られる理由は、現在のところ明かではないが、
緩効性肥料の粒子若しくは粉体と保水材とを粒状化する
ことにより団粒土壌化し、保水材と緩効性肥料(肥料培
地)の全体として、保水性・吸水性及び通気性が向上し
ているのではないかと推測される。
上述の如く、本発明の肥料培地は、好ましくは育苗容器
に充填して使用され、育苗用の培地と肥料とを兼ねるも
のであり、緩効性肥料と保水材を粒状化して成る。
を充填して育苗できる容器であればよく、各種材質・形
状・寸法の容器を挙げることができるが、水稲の苗で
は、いわゆる育苗箱を例示できる。なお、本発明の肥料
培地を育苗容器用に使用しない場合には、このような育
苗箱等は必須部材でないことは言うまでもない。
・製造され、肥料成分自体の化学的構造を変化させた緩
効性肥料と、速効性肥料等を物理的に有機物又は無機物
により被覆した緩効性肥料とがあるが、本発明では、前
者の肥料のような有機物又は無機物により被覆を施して
いないものが好ましく、かかる緩効性肥料には、緩効性
リン酸肥料や緩効性窒素肥料がある。なお、有機物又は
無機物による被覆を施した緩効性被覆肥料は、後述する
保水材との粒状化の際に被覆が壊れて緩効性を発揮しな
くなることがあるので好ましくない。
ク溶性リン酸を主成分とし、水溶性リン酸をほとんど含
有せず、具体的には、水溶性リン酸を0〜15重量%し
か含有しない肥料を挙げることができる。なお、一般
に、リン酸肥料に含まれる有効リン酸は、その溶解性に
より、水溶性リン酸、可溶性リン酸及びク溶性リン酸に
分類される。水溶性リン酸は水(中性)に溶けるもの、
可溶性リン酸はクエン酸アンモニウム水溶液(アルカリ
性)に溶けるもの、ク溶性リン酸は2%クエン酸水溶液
(酸性)に溶けるものであり、水溶性ものは速効性であ
るのに対して、可溶性およびク溶性のものは緩効性であ
る。
性リン酸肥料を用いるため、育苗中におけるリン酸成分
の溶出が僅かに抑えられ、本田で必要なリン酸肥料を育
苗した苗とともに移植時に本田へ持ち込むことができ
る。その後、ク溶性リン酸は植物(苗)の根酸により徐
々に分解され、苗に吸収される。従って、ク溶性リン酸
の量を増減することにより、対象作物のリン酸肥料分を
簡単に全量施肥することが可能になる。
による溶出速度低減処理が施されていないため、有機物
の被膜等が本田の土壌内に残存せず、製造時の手間が軽
減される。更に、育苗時に水溶性リン酸が存在すると、
発芽障害が生じやすいが、本発明の肥料培地では、水溶
性リン酸をほとんど含有しないため、そのまま使用して
も発芽障害を生じることもない。
を保持できれば十分であり、従来から使用されているよ
うな土壌を使用してもよい。但し、ベントナイトは、育
苗に必要な酸素を十分に供給することが困難であるた
め、単独で用いることは好ましくない。また、土壌以外
の保水材としては、ピートモス、ヤシガラ(ヤシの実の
果皮から外果皮及び内果皮を除去し、取り出された中果
皮から更に剛長繊維及び中短繊維を取り出した残りの残
滓物等)、樹皮、木材パルプ、もみ殻、おが屑等の植物
性繊維、澱粉やカルボキシメチルセルロース等の天然高
分子及びその誘導体等の天然資材が挙げられる。なお、
これら天然材料は、一種のみを使用してもよいし、二種
類以上を混合して使用してもよい。また、これらと土壌
とを混合して使用してもよい。土壌を除くこれらの保水
材は全て天然資材であり自然界で分解されるので、残存
し蓄積することはない。
ライト、パーライト、ゼオライト、ベントナイト、ロッ
クウール等の鉱物類、ポリビニルアルコール、ポリアク
リル酸塩、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリ
コール等の合成高分子等を、本発明の効果を妨げない範
囲で添加することができるが、かかる材料は自然界では
分解されずに残存し蓄積するため、多量の添加は好まし
くない。
て、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、甘薯澱粉、馬
鈴薯澱粉及びタピオカ澱粉等の澱粉類、ベントナイト等
のモンモリロナイト群の粘土系鉱物、アルギン酸ナトリ
ウムや寒天等の海藻抽出物、アラビアガムやトラガント
ガム等の植物性樹脂状粘着物、カルボキシメチルスター
チやカルボキシメチルセルロ−ス等の天然高分子の誘導
体、ポリビニルアルコールやポリアクリル酸ナトリウム
等の合成高分子等を、本発明の効果を妨げない範囲で添
加しても構わない。
と保水材とを混合・粒状化して得られ、例えば、緩効性
肥料が保水材で完全に又は部分的にくるまれた状態など
で得られるが、粒状化の方法は特に限定されるものでは
なく、湿式、半乾式及び乾式のいずれの造粒方式であっ
てもよい。例えば、転動造粒法、押出造粒法、圧縮造粒
法、噴霧乾燥造粒、流動層造粒法、破砕造粒法、攪拌造
粒法、コーティング造粒法等が挙げられる。
は後のいずれかにおいて乾燥処理を行い、得られる粒状
体を低水分率、例えば含有水分率0〜15%に調整する
ことが好ましい。このように水分率を調整することによ
り、本発明の肥料培地は、通常の育苗粒状培土に比べて
確実に軽量になるので、育苗段階での播種作業を確実に
軽減することが可能であるばかりでなく、カビの発生も
全くない。
は、肥料成分の溶出を制御する目的から、被膜外部から
の水分の進入が非常に困難であり、肥料自体にはほとん
ど吸水・保水能力はない。一方、化学的構造の変化によ
る緩効性肥料は、被覆肥料に比べれば保水能力はあるも
のの、保水材と各々粉状で使用した場合には特に撥水性
を示し、十分な保水性があるとは言えず、慣行の育苗管
理では良好な苗が得られなかった。
を施されていない緩効性肥料と保水材とを粒状化した肥
料培地を用い、慣行の育苗管理に準じて育苗を行うと、
該緩効性肥料が撥水性を示すものであっても良好な苗が
得られる。このような結果が得られる理由は、現在のと
ころ明かではないが、緩効性肥料の粒子若しくは粉体と
保水材とを粒状化することにより団粒土壌化し、保水材
と緩効性肥料(即ち、肥料培地)の全体として保水性・
吸水性及び通気性が向上しているのではないかと推測さ
れる。
定されるものではないが、後述するように、育苗用粒状
培土や緩効性被覆肥料粒子との併用を考慮すると、相互
間の分級を防止するためにも、これらの培土や肥料粒子
の粒径の0.5〜1.5倍の粒径とすることが好まし
く、代表的には、1〜5mm程度の粒径のものを好適に
使用することができる。
緩効性肥料と上記保水材とを必須成分とするが、本発明
の効果を妨げない範囲であれば、これら必須成分以外に
も他の成分を添加することが可能である。例えば、育苗
に必要な肥料を育苗用肥料として添加することも可能で
ある。よって、このような育苗用肥料と本発明の肥料培
地とを混合して粒状化したり、混合して併用することが
可能である。
窒素肥料、リン酸肥料、カリ肥料、配合肥料、普通化成
肥料、高度化成肥料、ニ成分複合化成肥料、硝化制御剤
入り化成肥料、固形肥料、ペースト肥料、液体肥料、微
量要素肥料、石灰質肥料、苦土質肥料、ケイ酸質肥料、
有機質肥料、堆肥等が挙げられる。
化したり、併用したりすることができ、例えば、殺虫
剤、殺菌剤、除草剤、抗ウィルス剤及び植物成長調整剤
の他、殺ダニ剤、殺線虫剤等と粒状化したり、併用した
りすることが可能である。この場合、農薬等の性状は、
固体又は液体のいずれであってもよい。更に、本発明の
肥料培地を所望のpHにするために、pH調整剤を添加
して粒状化したり、併用したりすることも可能である。
また、本発明の肥料培地は、育苗時の床土や覆土として
も使用可能であり、本田での肥料又は土壌改質材として
も使用可能である。
明する。この全量施肥用材料は、上述してきた本発明の
肥料培地を含む材料であり、この肥料培地に、少なくと
も窒素肥料成分及び/又はカリ肥料成分を含む緩効性肥
料を混合したものであり、これは、上述した肥料培地の
分級改善や吸水特性改善などにより実現されたものであ
る。
性被覆肥料であってもよく、例えば、窒素質肥料を硫黄
その他の被覆原料で被覆した被覆窒素肥料、カリ質肥料
を硫黄その他の被覆原料で被覆した被覆カリ肥料、化成
肥料又は液状複合肥料を硫黄その他の被覆原料で被覆し
た被覆複合肥料が挙げられる。
全量施肥を行おうとする対象作物に応じて適宜変更する
ことができ、対象作物の一生分の量を本発明の肥料培地
に混合することにより、窒素及び/又はカリ肥料の育苗
容器全量施肥が実現でき、更には、肥料培地に含まれる
緩効性リン酸肥料の量を一生分とすることにより、窒
素、リン酸及びカリ肥料の三成分の育苗容器全量施肥を
実現することができる。
ように、窒素、リン酸及びカリ肥料の育苗箱全量施肥を
簡易に実現できるので、本田での元肥と追肥、補肥を完
全に省略することができる。なお、以上に説明してきた
本発明の肥料培地及び全量施肥用材料の大きさや、形状
は特に限定されるものではないことは言うまでもない。
苗は、その後は通常の栽培手法を適用することにより適
正に生育させることができ、また、本発明の全量施肥用
材料を用いれば、本田に移植した後であっても施肥を省
略しつつ適正な生育を実現することができる。
細に説明するが、本発明はこれにより限定されるもので
はない。なお、実施例1〜8及び比較例1〜3に示した
最大容水量及び三相分布は、以下のようにして求めた。
された水分の重量と乾土の重量を測定し、次式最大容水
量(%)=(吸水された水分の重量)/(乾土の重量)
×100より算出した。
の水位;31.6cm下位)に調節する。 サンプル全体に蓋をし、PF=1.5の状態で24時
間以上放置する。 アクリル製透明パイプ内のサンプルを三相分布測定用
100ml試料円筒(大起理化工業(株)製、型式;D
IK−1801)にサンプル状態を変化させないように
採取する。 土壌三相計(大起理化工業(株)製、型式;DIK−
1120)に試料円筒をセットし、サンプルの実容積
(V)を測定する。 更に天秤にて全重量(W)を測定し、オーブンに入れ
105℃で24時間以上乾燥させ、乾燥前後の重量差か
ら水分重量(M)を算出する。 下記の計算式により、a)気相率 b)固相率 c)
液相率を算出した。 a)気相率(A=Va) ;空気容量Va=100−V b)固相率(Sν=Vs);固相容量Vs=(W−V)/(d−1) c)液相率(Mν=Vl);水分容量Vl=V−Vs d)真比重(d) ;d=(W−M)/(V−Vl) Vl:水分容量、Vl=M
末(粉末中のク溶性リン酸濃度;35〜40重量%、水
溶性リン酸濃度;0.1重量%以下、保証成分、全リン
酸濃度36%(測定値))50重量%に、200メッシ
ュ(目開き;75μm)程度に微粉砕し乾燥した山土4
9.15重量%、育苗用肥料として硫安(硫酸アンモニ
ウム)を0.6重量%と硫酸カリ(硫酸カリウム)を
0.25重量%を添加し、更にこれら固形分100重量
部に対して40重量部の水を添加混合した後、前押出造
粒機(スクリーンメッシュ;3mm)にて造粒し、加熱
乾燥後、篩いにより2〜4mmの育苗箱用粒状肥料培地
A;50kgを得た。
リン酸肥料粉末(粉末中のク溶性リン酸濃度;35〜4
0重量%、水溶性リン酸濃度;0.1重量%以下、保証
成分、全リン酸濃度36%(測定値))40重量%に、
200メッシュ(目開き;75μm)程度に微粉砕し乾
燥した山土59.15重量%、育苗用肥料として硫安
(硫酸アンモニウム)を0.6重量%と硫酸カリ(硫酸
カリウム)を0.25重量%を添加し、更にこれら固形
分100重量部に対して40重量部の水を添加混合した
後、前押出造粒機(スクリーンメッシュ;3mm)にて
造粒し、加熱乾燥後、篩いにより2〜4mmの育苗箱用
粒状肥料培地B;50kgを得た。
リン酸肥料粉末(粉末中のク溶性リン酸濃度;35〜4
0重量%、水溶性リン酸濃度;0.1重量%以下、保証
成分、全リン酸濃度36%(測定値))70重量%に、
乾燥して16メッシュ(目開き;1mm)の篩いにパス
したピートモス(VAPO社)29.15重量%、育苗
用肥料として硫安(硫酸アンモニウム)を0.6重量%
と硫酸カリ(硫酸カリウム)を0.25重量%を添加
し、更にこれら固形分100重量部に対して60重量部
の水を添加混合した後、前押出造粒機(スクリーンメッ
シュ;3mm)にて造粒し、加熱乾燥後、篩いにより2
〜4mmの育苗箱用粒状肥料培地C;50kgを得た。
リン酸肥料粉末(粉末中のク溶性リン酸濃度;35〜4
0重量%、水溶性リン酸濃度;0.1重量%以下、保証
成分、全リン酸濃度36%(測定値))80重量%に、
乾燥して16メッシュ(目開き;1mm)の篩いにパス
したピートモス(VAPO社)19.4重量%、育苗用
肥料として硫安(硫酸アンモニウム)を0.6重量%、
硫酸カリ(硫酸カリウム)を0.25重量%添加し、更
にこれら固形分100重量部に対して60重量部の水を
添加混合した後、前押出造粒機(スクリーンメッシュ;
3mm)にて造粒し、加熱乾燥後、篩いにより2〜4m
mの育苗箱用粒状肥料培地D;50kgを得た。
りに、乾燥して16メッシュの篩いにパスしたヤシガラ
(スリランカ産、コイアダスト)を用いる以外は実施例
3と同様の操作を繰り返し、2〜4mmの育苗箱用粒状肥
料培地E;50kgを得た。
りに、乾燥して16メッシュの篩いにパスしたヤシガラ
(スリランカ産、コイアダスト)を用いる以外は実施例
4と同様に実施し、2〜4mmの育苗箱用粒状肥料培地
F;50kgを得た。
リン酸肥料粉末(粉末中のク溶性リン酸濃度;35〜4
0重量%、水溶性リン酸濃度;0.1重量%以下、保証
成分、全リン酸濃度36%(測定値))60重量%に、
200メッシュ(目開き;75μm)程度に微粉砕し乾
燥したもみ殻39.15重量%、育苗用肥料として硫安
(硫酸アンモニウム)を0.6重量%と硫酸カリ(硫酸
カリウム)を0.25重量%を添加し、更にこれら固形
分100重量部に対して40重量部の水を添加混合した
後、前押出造粒機(スクリーンメッシュ;3mm)にて
造粒し、加熱乾燥後、篩いにより2〜4mmの育苗箱用粒
状肥料培地G;50kgを得た。
リン酸肥料粉末(粉末中のク溶性リン酸濃度;35〜4
0重量%、水溶性リン酸濃度;0.1重量%以下、保証
成分、全リン酸濃度36%(測定値))50重量%に、
200メッシュ(目開き;75μm)程度に微粉砕し乾
燥したもみ殻49.15重量%、育苗用肥料として硫安
(硫酸アンモニウム)を0.6重量%と硫酸カリ(硫酸
カリウム)を0.25重量%を添加し、更にこれら固形
分100重量部に対して40重量部の水を添加混合した
後、前押出造粒機(スクリーンメッシュ;3mm)にて
造粒し、加熱乾燥後、篩いにより2〜4mmの育苗箱用
粒状肥料培地H;50kgを得た。
ての水稲育苗用粒状培土(クレハ粒状培土)、比較例2
としての、ク溶性リン酸を主成分とするリン酸肥料粒子
(粒子中のク溶性リン酸濃度;35〜40重量%、水溶
性リン酸濃度;4重量%以下、保証成分)、比較例3と
しての被覆窒素肥料(くみあい40被覆尿素LPコート
100、窒素濃度;40重量%、保証成分)の物理的特
性を表1に示す。
り、造粒した育苗箱用粒状肥料培地は、ク溶性リン酸を
含有しているにもかかわらず、慣行の水稲育苗用粒状培
土と同等又はそれ以上の吸水特性を有し、三相分布も良
好である。また、ク溶性リン酸粒子および被覆窒素肥料
と比較しても吸水特性の差は歴然としていることが明ら
かである。
5l充填して密閉した試験体を作成し、この試験体を往
復振盪装置(IKEDA SCIENTIFIC社製)
により2時間振盪した。次いで、ポリ袋を開封し、肥料
培地をポリ袋上部から順に2lずつ育苗箱(縦28cm
×横58cm×深さ3cm)に充填し、合計22個の育
苗箱に肥料培地を充填した。しかる後、これら育苗箱の
1箱目、5箱目、10箱目、15箱目及び20箱目に充
填されている肥料培地について、全リン酸成分濃度の測
定を行った。得られた結果、及びポリ袋1袋の肥料培地
に含まれる全リン酸成分濃度の理論値を表2に示す。
Aの替わりに、実施例3の肥料培地C(実施例10)、
実施例5の肥料培地E(実施例11)及び実施例7の肥
料培地G(実施例12)をそれぞれ用いた以外は、実施
例9と同様の操作を繰り返した。得られた結果を表2に
示す。
で用いた各種肥料培地原料を造粒・粒状化せず、そのま
まの粉状で用いた以外は、実施例9と同様の操作を繰り
返し、それぞれ比較例4、5、6及び7とした。得られ
た結果を表2に示す。
施例9〜12における造粒・粒状化した肥料培地は、ポ
リ袋に充填して振動を加えても、各育苗箱の肥料培地間
で全リン酸成分濃度がほぼ一定で変化しておらず、理論
値にも近く、分級を生じないことが明かである。これに
対し、造粒することなくそのまま粉状で用いた比較例4
〜7では、各育苗箱の肥料培地間で全リン酸成分濃度の
変化が大きく、分級を生じていることが分かる。
上、ポリ袋の上部に軽量成分が多く含まれる形式で分級
することになる。比較例4〜7では、ポリ袋の上部に対
応する1箱目や5箱目の育苗箱において、重い成分であ
る全リン酸成分濃度が小さく(即ち、軽量成分である保
水材が多く)、更に、ポリ袋の中央〜下部に対応する1
0〜20箱目において、全リン酸成分濃度が増大してお
り、理論通りの分級を生じていることも分かる。
3cm)に、実施例1の育苗箱用粒状肥料培地A;2L
と、無肥料土壌;1Lを均一に混合したものを充填し、
全体が飽和状態になるまで十分に潅水し、その上に、水
に十分浸して30℃で芽出し処理を施した種籾(催芽
籾)120gを画内に均一に播き、さらにその上に無肥
料の粒状の土(覆土)1kgを画内に均一に入れて、種
籾の上部を覆った。
粒状肥料培地Aの替わりに、実施例2の育苗箱用粒状肥
料培地B、実施例3の育苗箱用粒状肥料培地C、実施例
4の育苗箱用粒状肥料培地D、実施例5の育苗箱用粒状
肥料培地E、実施例6の育苗箱用粒状肥料培地F、実施
例7の育苗箱用粒状肥料培地G、実施例8の育苗箱用粒
状肥料培地Hを各々使用した以外は実施例13と同様の
操作を繰り返した。
8cm×深さ3cm)に、実施例1の育苗箱用粒状肥料
培地A;2Lを充填し、その上に被覆窒素肥料(くみあ
い40被覆尿素LPコート100、窒素濃度;40重量
%、保証成分);600gを均一に混在させ、全体が飽
和状態になるまで十分に潅水し、その上に、水に十分浸
して30℃で芽出し処理を施した種籾(催芽籾)120
gを画内に均一に播き、さらにその上に無肥料の粒状の
土(覆土)1kgを画内に均一に入れて、種籾の上部を
覆った。
粒状肥料培地Aの替わりに、実施例2の育苗箱用粒状肥
料培地B、実施例3の育苗箱用粒状肥料培地C、実施例
4の育苗箱用粒状肥料培地D、実施例5の育苗箱用粒状
肥料培地E、実施例6の育苗箱用粒状肥料培地F、実施
例7の育苗箱用粒状肥料培地G、実施例8の育苗箱用粒
状肥料培地Hを各々使用した以外は、実施例21と同様
の操作を繰り返した。
8cm×深さ3cm)に、実施例1の育苗箱用粒状肥料
培地A;2Lを充填し、その上に被覆窒素・カリ肥料
(くみあい水稲育苗箱全量施肥専用LPコートNKロン
グ301−100、窒素濃度;30重量%、カリ濃度;
10重量%、保証成分);700gを均一に混在させ、
全体が飽和状態になるまで十分に潅水し、その上に、水
に十分浸して30℃で芽出し処理を施した種籾(催芽
籾)120gを画内に均一に播き、さらにその上に無肥
料の粒状の土(覆土)1kgを画内に均一に入れて、種
籾の上部を覆った
粒状肥料培地Aの替わりに、実施例2の育苗箱用粒状肥
料培地B、実施例3の育苗箱用粒状肥料培地C、実施例
4の育苗箱用粒状肥料培地D、実施例5の育苗箱用粒状
肥料培地E、実施例6の育苗箱用粒状肥料培地F、実施
例7の育苗箱用粒状肥料培地G、実施例8の育苗箱用粒
状肥料培地Hを各々使用した以外は、実施例29と同様
の操作を繰り返した。
培地Aの替わりに、水稲育苗用培土(くみあい粒状培土
K、育苗肥料成分 窒素:リン酸:カリ=1.2:2.
4:2.1(g/箱))を使用した以外は、実施例13
と同様の操作を繰り返した。
培地Aの替わりに、水稲育苗用培土(くみあい粒状培土
K、育苗肥料成分 窒素:リン酸:カリ=1.2:2.
4:2.1(g/箱))を使用した以外は、実施例21
と同様の操作を繰り返した。
料培地Aの替わりに、水稲育苗用培土(くみあい粒状培
土K、育苗肥料成分 窒素:リン酸:カリ=1.2:
2.4:2.1(g/箱))を使用する以外は、実施例
29と同様の操作を繰り返した。
8cm×深さ3cm)に、ク溶性リン酸を主成分とする
リン酸肥料粒子(粒子中のク溶性リン酸濃度;35〜4
0重量%、水溶性リン酸濃度;4重量%以下、保証成
分);1.5Lと、被覆窒素肥料(くみあい40被覆尿
素LPコート100、窒素濃度;40重量%、保証成
分);600gを充填し、全体が飽和状態になるまで十
分に潅水し、その上に、水に十分浸して30℃で芽出し
処理を施した種籾(催芽籾)120gを画内に均一に播
き、さらにその上に無肥料の粒状の土(覆土)1kgを
画内に均一に入れて、種籾の上部を覆った。
8cm×深さ3cm)に、ク溶性リン酸を主成分とする
リン酸肥料粒子(粒子中のク溶性リン酸濃度;35〜4
0重量%、水溶性リン酸濃度;4重量%以下、保証成
分);1.5Lと、被覆窒素・カリ肥料(くみあい水稲
育苗箱全量施肥専用LPコートNKロング301−10
0、窒素濃度;30重量%、カリ濃度;10重量%、保
証成分);700gを充填し、全体が飽和状態になるま
で十分に潅水し、その上に、水に十分浸して30℃で芽
出し処理を施した種籾(催芽籾)120gを画内に均一
に播き、さらにその上に無肥料の粒状の土(覆土)1k
gを画内に均一に入れて、種籾の上部を覆った。
行されている育苗管理を行い、35日間育苗した。その
間、種籾の発芽状態と、苗の生育状態を目視により観察
した。更に、苗箱全量施肥にて育苗した苗のリン酸濃度
を測定した。これらの結果を、表3に示す。
肥による育苗栽培、実施例21〜28及び比較例9は、
窒素成分を育苗箱施肥した育苗栽培、実施例29〜36
及び比較例12は窒素、カリ成分を育苗箱施肥した育苗
箱全量施肥栽培である。いずれの施肥方法においても、
粒状肥料培地A〜Hを用いた場合と、水稲育苗用粒状培
土を用いた場合とを比較して、育苗の生育状態はほとん
ど有意差なく、正常であり、苗のリン酸濃度も有意差は
認められない。また、当然ながら、吸水材未充填で肥料
のみを育苗箱へ充填して育苗したものは、生育不良であ
った。
を、本田に10アール(a)当たり25箱の条件で移植
した。移植時の本田への施肥は、窒素とカリを含む肥料
(窒素:カリ=16:16)を用い、両成分が10アー
ル当たり4.8kgとなるように行った。移植後、60
日経過した時に、窒素とカリを含む肥料(窒素:カリ=
16:16)を用い、両成分を10アール当たり10k
g追肥した。また、リン酸成分の本田での元肥および追
肥とも行わなかった。
例25の苗を、本田に10アール(a)当たり25箱の
条件で移植した。移植時の本田への施肥は、カリ肥料を
用い、カリ成分が10アール当たり4.8kgとなるよ
うに行った。また、窒素及びリン酸成分の本田での元肥
及び追肥は行わなかった。
例33の苗を、本田に10アール(a)当たり25箱の
条件で移植した。本田での元肥および追肥は一切行わな
かった。
例8の苗を、本田に10アール(a)当たり25箱の条
件で移植した。移植時の本田への施肥は、窒素とリン酸
とカリを含む肥料(窒素:リン酸:カリ=12:18:
14)を40kg使用した。即ち、10アール当たり窒
素が4.8kg、リン酸が7.2kg、カリが5.6k
gとなるように施肥した。また、移植後60日経過した
時に、窒素とカリを含む肥料(窒素:カリ=16:1
6)を10アール当たり10kg追肥した。
日)してから30日後及び50日後に観察し、穂が出た
日(出穂日)及び稲穂が揃った日(穂揃日)を調べた。
また、収穫時の穂数及び玄米収量を調べた。これらの結
果を表3に示す。
培地を用いて、慣行施肥栽培を行った苗と、窒素を育苗
箱施肥して栽培した苗、及び窒素、カリを育苗箱施肥し
て栽培した苗は、水稲育苗用粒状培土を用いて慣行施肥
栽培した苗と比較して、本田での稲の生育状態が孫色の
ないものであった。
より詳細に説明したが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々
の変形実施が可能である。例えば、上述の実施例では、
粒状化した肥料培地を育苗箱とともに使用した例を示し
たが、本発明において、育苗箱は必須の要素ではなく省
略することが可能であり、本発明の肥料培地をそのまま
本田に施肥することも可能である。また、本発明の肥料
培地は、輸送中などに振動などを受けても分級すること
がなく、製品の均一性に優れる。
ば、所定の緩効性肥料と保水材とを適切に粒状化するこ
ととしたため、苗を栽培する際の培地と肥料とを兼ね、
特に育苗容器での栽培の際から本田での栽培で必要とさ
れる緩効性肥料を含有した育苗容器用の肥料培地、及び
これを用いた全量施肥用材料並びに栽培方法を提供する
ことができる。
使用した場合には、育苗用培土と同等以上の吸水特性を
兼ね備え、且つ緩効性の肥効特性を有するため、本田で
の元肥と追肥、穂肥を省くことが可能である。よって、
施肥作業の手間を軽減できるとともに、環境水質への負
荷軽減にも役立つ。更に、本発明の粒状肥料培地は、か
なり軽量であるため、育苗段階での播種作業の軽減にも
つながる。
Claims (7)
- 【請求項1】 緩効性肥料と、育苗に要する水分を保持
できる保水材とを含有し、これら成分を粒状化して成る
ことを特徴とする肥料培地。 - 【請求項2】 上記緩効性肥料が、無機物又は有機物に
よる被覆を施されていないことを特徴とする請求項1記
載の肥料培地。 - 【請求項3】 上記緩効性肥料が緩効性リン酸肥料であ
り、この緩効性リン酸肥料が水溶性リン酸を0〜15重
量%含有することを特徴とする請求項2記載の肥料培
地。 - 【請求項4】 上記保水材が、土壌、植物性繊維材料、
天然高分子及びその誘導体から成る群より選ばれた少な
くとも1種のものを含有することを特徴とする請求項1
〜4のいずれか1つの項に記載の肥料培地。 - 【請求項5】 育苗容器に充填して使用されることを特
徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の肥料
培地。 - 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載
の肥料培地を育苗容器に充填して成る全量施肥用材料で
あって、上記肥料培地と、窒素肥料成分及び/又はカリ
肥料成分を含む緩効性肥料とを含有することを特徴とす
る全量施肥用材料。 - 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載
の肥料培地を用いて育苗を行うことを特徴とする栽培方
法。
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- 1997-10-21 JP JP30503397A patent/JP3969810B2/ja not_active Expired - Lifetime
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