JPH07196309A - シリカゾル、シリカ被膜及びシリカ粉体並びにそれらの製造方法 - Google Patents
シリカゾル、シリカ被膜及びシリカ粉体並びにそれらの製造方法Info
- Publication number
- JPH07196309A JPH07196309A JP33814793A JP33814793A JPH07196309A JP H07196309 A JPH07196309 A JP H07196309A JP 33814793 A JP33814793 A JP 33814793A JP 33814793 A JP33814793 A JP 33814793A JP H07196309 A JPH07196309 A JP H07196309A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silica
- sol
- silica sol
- uniform
- particle size
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Silicon Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡易に得ることが可能な、シリカ粒子が均一
な所望の粒度であるシリカゾル及び一次粒子が均一な所
望の粒度であるシリカ粉体並びに新規に製造されたシリ
カ被膜、さらにそれらの製造方法を提供する。 【構成】 シリカゾルは、オルトケイ酸エチル50ml
と、エタノール10mlと、蒸留水20mlと、ニトロ
メタン5gとを混合し、系内に塩酸をpH2になるまで
加え、20℃で1時間混合攪拌し、静置熟成することに
より調製した。このゾルの粘度は極めてゆるやかに上昇
し、シリカゾル中のシリカ粒子の粒度は均一であった。
また、このシリカゾルを焼成することにより得たシリカ
粉体は、均一な一次粒子の凝集体であった。さらに、こ
のシリカゾルを用いて基材表面にディッピング法により
被膜形成して得たシリカ被膜は、均一な厚さを有してい
た。
な所望の粒度であるシリカゾル及び一次粒子が均一な所
望の粒度であるシリカ粉体並びに新規に製造されたシリ
カ被膜、さらにそれらの製造方法を提供する。 【構成】 シリカゾルは、オルトケイ酸エチル50ml
と、エタノール10mlと、蒸留水20mlと、ニトロ
メタン5gとを混合し、系内に塩酸をpH2になるまで
加え、20℃で1時間混合攪拌し、静置熟成することに
より調製した。このゾルの粘度は極めてゆるやかに上昇
し、シリカゾル中のシリカ粒子の粒度は均一であった。
また、このシリカゾルを焼成することにより得たシリカ
粉体は、均一な一次粒子の凝集体であった。さらに、こ
のシリカゾルを用いて基材表面にディッピング法により
被膜形成して得たシリカ被膜は、均一な厚さを有してい
た。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリカゾル、シリカ被
膜及びシリカ粉体並びにそれらの製造方法に関する。
膜及びシリカ粉体並びにそれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、シリカ粉体は、ケイ酸ナトリウム
を稀硫酸等の酸溶液中に加えて加水分解し、ゾルを形成
させ、さらに熟成させてゲルを生成させ、乾燥すること
によって得られていた。
を稀硫酸等の酸溶液中に加えて加水分解し、ゾルを形成
させ、さらに熟成させてゲルを生成させ、乾燥すること
によって得られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような製造方法では、ゾルの熟成、粘度上昇が非常に速
いために、均一な粒度のシリカ粒子を得ることが困難で
あった。また、このため、シリカ粉体を得る際には、一
次粒子を均一な所望の粒度に制御することが困難なた
め、二次粒子の細孔径を制御することが困難であった。
従って、シリカ粒子が均一な所望の粒度であるシリカゾ
ルを形成し、かつ一次粒子が均一な所望の粒度で、二次
粒子の細孔径が均一なシリカ粉体を得る簡易な製造方法
が望まれていた。更に、新規なるシリカ被膜の製造が望
まれていた。
ような製造方法では、ゾルの熟成、粘度上昇が非常に速
いために、均一な粒度のシリカ粒子を得ることが困難で
あった。また、このため、シリカ粉体を得る際には、一
次粒子を均一な所望の粒度に制御することが困難なた
め、二次粒子の細孔径を制御することが困難であった。
従って、シリカ粒子が均一な所望の粒度であるシリカゾ
ルを形成し、かつ一次粒子が均一な所望の粒度で、二次
粒子の細孔径が均一なシリカ粉体を得る簡易な製造方法
が望まれていた。更に、新規なるシリカ被膜の製造が望
まれていた。
【0004】従って、本発明は上記課題を解消し、簡易
に得ることが可能な、シリカ粒子が均一な所望の粒度で
あるシリカゾル及び一次粒子が均一な所望の粒度である
シリカ粉体並びに新規に製造されたシリカ被膜、さらに
それらの製造方法を提供することを目的とする。
に得ることが可能な、シリカ粒子が均一な所望の粒度で
あるシリカゾル及び一次粒子が均一な所望の粒度である
シリカ粉体並びに新規に製造されたシリカ被膜、さらに
それらの製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の課題を解
決するため、本第1発明のシリカゾルの製造方法は、オ
ルトケイ酸アルキルと、アルコールと、水と、有機窒素
化合物とを、酸の存在下で混合攪拌することを特徴とす
る。
決するため、本第1発明のシリカゾルの製造方法は、オ
ルトケイ酸アルキルと、アルコールと、水と、有機窒素
化合物とを、酸の存在下で混合攪拌することを特徴とす
る。
【0006】本第2発明のシリカゾルは、オルトケイ酸
アルキルと、アルコールと、水と、有機窒素化合物と
を、酸の存在下で混合攪拌することによって得られるこ
とを特徴とする。本第3発明のシリカ被膜の製造方法
は、オルトケイ酸アルキルと、アルコールと、水と、有
機窒素化合物とを、酸の存在下で混合攪拌してシリカゾ
ルを形成させ、次いで該シリカゾルを基材表面に塗布後
乾燥することを特徴とする。
アルキルと、アルコールと、水と、有機窒素化合物と
を、酸の存在下で混合攪拌することによって得られるこ
とを特徴とする。本第3発明のシリカ被膜の製造方法
は、オルトケイ酸アルキルと、アルコールと、水と、有
機窒素化合物とを、酸の存在下で混合攪拌してシリカゾ
ルを形成させ、次いで該シリカゾルを基材表面に塗布後
乾燥することを特徴とする。
【0007】本第4発明のシリカ被膜は、オルトケイ酸
アルキルと、アルコールと、水と、有機窒素化合物と
を、酸の存在下で混合攪拌してシリカゾルを形成させ、
次いで該シリカゾルを基材表面に塗布後乾燥することよ
って形成されることを特徴とする。
アルキルと、アルコールと、水と、有機窒素化合物と
を、酸の存在下で混合攪拌してシリカゾルを形成させ、
次いで該シリカゾルを基材表面に塗布後乾燥することよ
って形成されることを特徴とする。
【0008】本第5発明のシリカ粉体の製造方法は、オ
ルトケイ酸アルキルと、アルコールと、水と、有機窒素
化合物とを、酸の存在下で混合攪拌してシリカゾルを得
る工程と、該シリカゾルを所定時間静置熟成させる工程
と、前記シリカゾル中のシリカ粒子が所定の粒度となっ
た時に乾燥させ、シリカ粉体とする工程とからなること
を特徴とする。
ルトケイ酸アルキルと、アルコールと、水と、有機窒素
化合物とを、酸の存在下で混合攪拌してシリカゾルを得
る工程と、該シリカゾルを所定時間静置熟成させる工程
と、前記シリカゾル中のシリカ粒子が所定の粒度となっ
た時に乾燥させ、シリカ粉体とする工程とからなること
を特徴とする。
【0009】本第6発明のシリカ粉体は、オルトケイ酸
アルキルと、アルコールと、水と、有機窒素化合物と
を、酸の存在下で混合攪拌してシリカゾルを得、該シリ
カゾルを所定時間静置熟成させ、前記シリカゾル中のシ
リカ粒子が所定の粒度となった時に乾燥させ、シリカ粉
体とすることによって得られることを特徴とする。
アルキルと、アルコールと、水と、有機窒素化合物と
を、酸の存在下で混合攪拌してシリカゾルを得、該シリ
カゾルを所定時間静置熟成させ、前記シリカゾル中のシ
リカ粒子が所定の粒度となった時に乾燥させ、シリカ粉
体とすることによって得られることを特徴とする。
【0010】以下に本発明の構成について詳述する。オ
ルトケイ酸アルキルのアルキル基としては、炭素数1〜
4のアルキル基が好ましく、この中で特にメチル基、エ
チル基が好ましい。炭素数が5以上のアルキル基では、
ゾルの調製時に粘度が上昇する傾向にあるため好ましく
ない。
ルトケイ酸アルキルのアルキル基としては、炭素数1〜
4のアルキル基が好ましく、この中で特にメチル基、エ
チル基が好ましい。炭素数が5以上のアルキル基では、
ゾルの調製時に粘度が上昇する傾向にあるため好ましく
ない。
【0011】アルコールとしては、メタノール、エタノ
ールが好ましい。また、アルコールの使用量は、オルト
ケイ酸アルキルに対する体積比が0.01〜1、特に
0.1〜0.5であることが好ましい。これよりも量が
多すぎると、シリカ濃度が低下しすぎ、また、これより
も量が少ないと、加水分解が起こり難い傾向にある。
ールが好ましい。また、アルコールの使用量は、オルト
ケイ酸アルキルに対する体積比が0.01〜1、特に
0.1〜0.5であることが好ましい。これよりも量が
多すぎると、シリカ濃度が低下しすぎ、また、これより
も量が少ないと、加水分解が起こり難い傾向にある。
【0012】使用する水の量は、特に制限されないが、
好ましくは、オルトケイ酸アルキルに対する体積比が、
0.5〜4である。0.5以上である方が、加水分解に
有利であり、また、4以上であっても、特に有利なこと
はなく、逆に嵩高く、かつ乾燥工程で無駄にエネルギー
を消費するからである。さらに、水の量が多すぎると、
加水分解反応やゲル化速度が速くなる。
好ましくは、オルトケイ酸アルキルに対する体積比が、
0.5〜4である。0.5以上である方が、加水分解に
有利であり、また、4以上であっても、特に有利なこと
はなく、逆に嵩高く、かつ乾燥工程で無駄にエネルギー
を消費するからである。さらに、水の量が多すぎると、
加水分解反応やゲル化速度が速くなる。
【0013】有機窒素化合物としては、炭素鎖中に窒素
を含むか、または、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ジ
アゾ基、アジド基及びニトロソ基等の窒素を含む置換基
を有する有機化合物、あるいは窒素を環に含む複素環式
化合物等が挙げられる。特に、ニトロメタン、ニトロエ
タン、ニトロベンゼン、ニトロプロパン等が好ましい。
有機窒素化合物の添加量は、オルトケイ酸アルキルに対
して2wt%〜30wt%、特に5wt%〜20wt%
であることが好ましい。添加量が下限より少ないと、ゾ
ルの粘度上昇を抑制する作用が減少する傾向にあり、上
限より多いとアルコールへの溶存性が低下し、粘度上昇
を抑制する作用をしないものが多くなるため好ましくな
い。さらに、経済的でない。
を含むか、または、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、ジ
アゾ基、アジド基及びニトロソ基等の窒素を含む置換基
を有する有機化合物、あるいは窒素を環に含む複素環式
化合物等が挙げられる。特に、ニトロメタン、ニトロエ
タン、ニトロベンゼン、ニトロプロパン等が好ましい。
有機窒素化合物の添加量は、オルトケイ酸アルキルに対
して2wt%〜30wt%、特に5wt%〜20wt%
であることが好ましい。添加量が下限より少ないと、ゾ
ルの粘度上昇を抑制する作用が減少する傾向にあり、上
限より多いとアルコールへの溶存性が低下し、粘度上昇
を抑制する作用をしないものが多くなるため好ましくな
い。さらに、経済的でない。
【0014】通常、不純物をゾル形成時に混合すると、
ゾルの熟成が促進されるが、本発明によれば、ゾル形成
時に有機窒素化合物を混合させることにより、ゾルの熟
成が抑制される。使用する酸は、塩酸、硫酸、硝酸等に
代表される無機酸、及び酢酸等に代表される有機酸を使
用することができる。このうち、特に塩酸が好ましい。
酸の使用量については、系内のpHが好ましくは1.0
〜3.0、特に2.0付近となるように設定するのが好
ましい。系内のpHが下限より低い、あるいは上限より
高いと、熟成が促進されるので、好ましくない。
ゾルの熟成が促進されるが、本発明によれば、ゾル形成
時に有機窒素化合物を混合させることにより、ゾルの熟
成が抑制される。使用する酸は、塩酸、硫酸、硝酸等に
代表される無機酸、及び酢酸等に代表される有機酸を使
用することができる。このうち、特に塩酸が好ましい。
酸の使用量については、系内のpHが好ましくは1.0
〜3.0、特に2.0付近となるように設定するのが好
ましい。系内のpHが下限より低い、あるいは上限より
高いと、熟成が促進されるので、好ましくない。
【0015】混合攪拌を行う際の条件は好ましくは5〜
70℃、より好ましくは15〜30℃で、好ましくは5
〜120分、より好ましくは20〜90分行う。この条
件範囲であることが、適正なシリカゾルを得るに有利で
ある。混合する順序は、いずれであってもよく、例え
ば、同時にすべてを混合してもよいし、または有機窒素
化合物が溶解可能な場合には、他の成分の混合後に有機
窒素化合物を混合してもよい。
70℃、より好ましくは15〜30℃で、好ましくは5
〜120分、より好ましくは20〜90分行う。この条
件範囲であることが、適正なシリカゾルを得るに有利で
ある。混合する順序は、いずれであってもよく、例え
ば、同時にすべてを混合してもよいし、または有機窒素
化合物が溶解可能な場合には、他の成分の混合後に有機
窒素化合物を混合してもよい。
【0016】このようにして得られるシリカゾルの生成
直後のB型粘度計での測定値は、様々であるが、通常、
1mPa・s〜10mPa・sである。例えば、体積比
で、オルトケイ酸エチル:エタノール:水(pH2.
0)=5:1:2の場合には、3mPa・sを示す。そ
して、シリカゾル形成時に有機窒素化合物を混合したこ
とにより、生成後の粘度は、120時間までは通常、3
mPa・s〜10mPa・sと極めてゆるやかに上昇す
る。このため、適当な熟成時にシリカゾルの熟成を抑制
することができるので、シリカ粒子が均一な適当な粒度
であるシリカゾルを得ることができる。従って、シリカ
粒子が均一な所望の粒度であるシリカゾルを製造するこ
とにより、後に形成するシリカ被膜またはシリカ粒子の
一次粒子を均一かつ所望の大きさにすることができる。
直後のB型粘度計での測定値は、様々であるが、通常、
1mPa・s〜10mPa・sである。例えば、体積比
で、オルトケイ酸エチル:エタノール:水(pH2.
0)=5:1:2の場合には、3mPa・sを示す。そ
して、シリカゾル形成時に有機窒素化合物を混合したこ
とにより、生成後の粘度は、120時間までは通常、3
mPa・s〜10mPa・sと極めてゆるやかに上昇す
る。このため、適当な熟成時にシリカゾルの熟成を抑制
することができるので、シリカ粒子が均一な適当な粒度
であるシリカゾルを得ることができる。従って、シリカ
粒子が均一な所望の粒度であるシリカゾルを製造するこ
とにより、後に形成するシリカ被膜またはシリカ粒子の
一次粒子を均一かつ所望の大きさにすることができる。
【0017】続いて、第3発明及び第4発明の構成につ
いて詳述する。使用する基材は、通常ステンレス、鉄
板、アルミニウム、銅などの金属及びガラス、石英など
の無機質のものが挙げられ、中でもステンレス、ガラス
及び石英が好ましい。また、耐熱性及び耐溶媒性を有す
る合成樹脂を基材とすることもできる。これらの基材の
形状は特に限定されないが、通常板状が好ましい。被膜
を施す基材は、予め、通常の方法によりその表面を洗浄
し脱脂しておくことが好ましい。
いて詳述する。使用する基材は、通常ステンレス、鉄
板、アルミニウム、銅などの金属及びガラス、石英など
の無機質のものが挙げられ、中でもステンレス、ガラス
及び石英が好ましい。また、耐熱性及び耐溶媒性を有す
る合成樹脂を基材とすることもできる。これらの基材の
形状は特に限定されないが、通常板状が好ましい。被膜
を施す基材は、予め、通常の方法によりその表面を洗浄
し脱脂しておくことが好ましい。
【0018】上記のようにして得られたシリカゾルを用
いて基材表面にシリカ被膜を形成する方法としては、特
に限定するものではないが、例えばディッピング法、ド
クターブレード法、スプレー又はローラーによる塗布等
が挙げられ、この中で特にディッピング法が好ましい。
いて基材表面にシリカ被膜を形成する方法としては、特
に限定するものではないが、例えばディッピング法、ド
クターブレード法、スプレー又はローラーによる塗布等
が挙げられ、この中で特にディッピング法が好ましい。
【0019】ディッピング法の概要は、まずシリカゾル
に基材を浸漬し、次いで引き上げ、最後に乾燥して被膜
を形成する。以下にディッピング法について説明する。 <浸漬、引き上げ工程>基材をシリカゾル中に浸漬する
場合、通常、基材はゾル溶液面に対してほぼ垂直に浸漬
し、またほぼ垂直に引き上げる。浸漬処理時の温度は、
通常、10〜50℃であり、浸漬時間は、通常、5〜3
0分である。浸漬時間が前記下限より短い場合、基板と
のなじみが悪くなる傾向にあり、一方、前記上限より長
くしても被膜を形成する上で特に効果はない。
に基材を浸漬し、次いで引き上げ、最後に乾燥して被膜
を形成する。以下にディッピング法について説明する。 <浸漬、引き上げ工程>基材をシリカゾル中に浸漬する
場合、通常、基材はゾル溶液面に対してほぼ垂直に浸漬
し、またほぼ垂直に引き上げる。浸漬処理時の温度は、
通常、10〜50℃であり、浸漬時間は、通常、5〜3
0分である。浸漬時間が前記下限より短い場合、基板と
のなじみが悪くなる傾向にあり、一方、前記上限より長
くしても被膜を形成する上で特に効果はない。
【0020】浸漬処理を終えた基材は、上記シリカゾル
より引き上げるが、この際の引き上げ速度は、液面に対
してほぼ垂直に好ましくは0.01〜100mm/se
c.、より好ましくは、0.1〜10mm/sec.で
ある。この引き上げ速度は、基材の表面に均一に付着し
たシリカゾルの成分をそのままの状態を保ちながら引き
上げる必要があるため、前記範囲内に設定するのが好ま
しい。また、この引き上げ速度は、形成する被膜の膜厚
に関与する重要な要因であるため、所定の膜厚に応じて
前記範囲内で引き上げ速度を選定する。 <乾燥工程>引き上げられた基材は、次いで1〜20℃
/min.、好ましくは3〜10℃/min.の昇温速
度で60〜300℃、好ましくは110〜200℃まで
昇温し乾燥することにより、シリカ被膜を基材表面上に
完全に定着させる。急激な加熱はシリカ被膜の形成に悪
影響を及ぼす可能性があるため、昇温速度がこの上限を
超えないように注意することが好ましい。また、加熱温
度が下限以上である方が、強度及び定着性の面から良好
なシリカ被膜を得ることができ、上限より高い場合に
は、膜と基材の膨張係数または収縮係数が異なるので剥
離の原因となる傾向にあり、好ましくない。なお、加熱
処理に要する時間は、加熱温度に到達後、通常、5〜1
20分である。
より引き上げるが、この際の引き上げ速度は、液面に対
してほぼ垂直に好ましくは0.01〜100mm/se
c.、より好ましくは、0.1〜10mm/sec.で
ある。この引き上げ速度は、基材の表面に均一に付着し
たシリカゾルの成分をそのままの状態を保ちながら引き
上げる必要があるため、前記範囲内に設定するのが好ま
しい。また、この引き上げ速度は、形成する被膜の膜厚
に関与する重要な要因であるため、所定の膜厚に応じて
前記範囲内で引き上げ速度を選定する。 <乾燥工程>引き上げられた基材は、次いで1〜20℃
/min.、好ましくは3〜10℃/min.の昇温速
度で60〜300℃、好ましくは110〜200℃まで
昇温し乾燥することにより、シリカ被膜を基材表面上に
完全に定着させる。急激な加熱はシリカ被膜の形成に悪
影響を及ぼす可能性があるため、昇温速度がこの上限を
超えないように注意することが好ましい。また、加熱温
度が下限以上である方が、強度及び定着性の面から良好
なシリカ被膜を得ることができ、上限より高い場合に
は、膜と基材の膨張係数または収縮係数が異なるので剥
離の原因となる傾向にあり、好ましくない。なお、加熱
処理に要する時間は、加熱温度に到達後、通常、5〜1
20分である。
【0021】このようにして基材表面上にシリカ被膜が
形成されるが、この被膜の膜厚は上記の条件の範囲を適
宜選定することにより、通常0.1〜2.0μmで調節
することが可能である。この際、上記のように、シリカ
ゾル形成時に有機窒素化合物を混合し、ゾルの粘度上昇
の速度を抑制しているので、ゾルのシリカ粒子を所望の
粒度で基材に適用し、均一な所望の厚さの被膜を形成す
ることができる。また、シリカ被膜の膜厚を厚くするた
めに、上記した基材の浸漬処理、引き上げ、及び加熱処
理の一連の操作を繰り返し実施しても差し支えない。
形成されるが、この被膜の膜厚は上記の条件の範囲を適
宜選定することにより、通常0.1〜2.0μmで調節
することが可能である。この際、上記のように、シリカ
ゾル形成時に有機窒素化合物を混合し、ゾルの粘度上昇
の速度を抑制しているので、ゾルのシリカ粒子を所望の
粒度で基材に適用し、均一な所望の厚さの被膜を形成す
ることができる。また、シリカ被膜の膜厚を厚くするた
めに、上記した基材の浸漬処理、引き上げ、及び加熱処
理の一連の操作を繰り返し実施しても差し支えない。
【0022】更に、第5発明及び第6発明の構成につい
て詳述する。上記のようにして得られたシリカゾルを好
ましくは25時間〜1000時間静置熟成させることに
より、所定の粒度に成長させる。25時間よりも熟成時
間が少ないとポリメリゼーションが適度に進まず、ま
た、1000時間よりも長すぎると、ポリメリゼーショ
ンが過度に進む傾向にあるため、好ましくない。この
際、上記のように、有機窒素化合物が混合されているの
で、ゾルの熟成がゆるやかである。このため、所定の均
一な粒度にてゾルのシリカ粒子の熟成を抑制させること
ができる。
て詳述する。上記のようにして得られたシリカゾルを好
ましくは25時間〜1000時間静置熟成させることに
より、所定の粒度に成長させる。25時間よりも熟成時
間が少ないとポリメリゼーションが適度に進まず、ま
た、1000時間よりも長すぎると、ポリメリゼーショ
ンが過度に進む傾向にあるため、好ましくない。この
際、上記のように、有機窒素化合物が混合されているの
で、ゾルの熟成がゆるやかである。このため、所定の均
一な粒度にてゾルのシリカ粒子の熟成を抑制させること
ができる。
【0023】次いで、熟成させたシリカゾルを、好まし
くは1〜20℃/min.、より好ましくは3〜10℃
/min.の昇温速度で好ましくは60〜300℃、よ
り好ましくは110〜200℃まで昇温し乾燥すること
により、シリカ粉体を形成させる。急激な加熱はシリカ
粉体の形成に悪影響を及ぼす可能性があるため、昇温速
度がこの上限を超えないように注意することが好まし
い。また、加熱温度が下限以上である方が、乾燥、定着
に有利であり、良好なシリカ粉体を得ることができ、上
限よりも高い場合には、シリカ表面のシラノール基の一
部が脱水現象により蒸発し、物性や化学的性質が変化す
るので好ましくない。なお、加熱処理に要する時間は、
加熱温度に到達後、通常、0.5〜24時間である。
くは1〜20℃/min.、より好ましくは3〜10℃
/min.の昇温速度で好ましくは60〜300℃、よ
り好ましくは110〜200℃まで昇温し乾燥すること
により、シリカ粉体を形成させる。急激な加熱はシリカ
粉体の形成に悪影響を及ぼす可能性があるため、昇温速
度がこの上限を超えないように注意することが好まし
い。また、加熱温度が下限以上である方が、乾燥、定着
に有利であり、良好なシリカ粉体を得ることができ、上
限よりも高い場合には、シリカ表面のシラノール基の一
部が脱水現象により蒸発し、物性や化学的性質が変化す
るので好ましくない。なお、加熱処理に要する時間は、
加熱温度に到達後、通常、0.5〜24時間である。
【0024】このようにしてシリカ粉体が形成される
が、この粉体の粒子径は上記の条件の範囲を適宜選定す
ることにより、通常0.01〜5000μmの範囲で調
節することができる。この際、本発明によれば、上記の
ように、所望の均一な粒度にゾルのシリカ粒子の熟成を
抑えることができるので、一次粒子が均一なシリカ粉体
を得ることができる。この結果、二次粒子の細孔径を均
一に制御することができる。
が、この粉体の粒子径は上記の条件の範囲を適宜選定す
ることにより、通常0.01〜5000μmの範囲で調
節することができる。この際、本発明によれば、上記の
ように、所望の均一な粒度にゾルのシリカ粒子の熟成を
抑えることができるので、一次粒子が均一なシリカ粉体
を得ることができる。この結果、二次粒子の細孔径を均
一に制御することができる。
【0025】
【実施例】以下に本発明の構成及び作用を一層明確にす
るために、好適な実施例について説明する。 [実施例1] (第1、第2発明のシリカゾルとその製造方法の実施
例)オルトケイ酸テトラエチル50mlと、エタノール
10mlと、蒸留水20mlと、ニトロメタン5gとを
混合し、この系内に塩酸をpH2になるまで加えた後、
20℃で30分間混合攪拌し、静置熟成することによ
り、透明なゾルを得た。このゾルの20℃における静置
熟成中の粘度の経時変化を図1に示す。図1から、ゾル
の粘度が立ち上がるのが150時間以後と極めてゆるや
かであることがわかる。
るために、好適な実施例について説明する。 [実施例1] (第1、第2発明のシリカゾルとその製造方法の実施
例)オルトケイ酸テトラエチル50mlと、エタノール
10mlと、蒸留水20mlと、ニトロメタン5gとを
混合し、この系内に塩酸をpH2になるまで加えた後、
20℃で30分間混合攪拌し、静置熟成することによ
り、透明なゾルを得た。このゾルの20℃における静置
熟成中の粘度の経時変化を図1に示す。図1から、ゾル
の粘度が立ち上がるのが150時間以後と極めてゆるや
かであることがわかる。
【0026】また、それぞれ25時間、50時間及び1
20時間熟成させたシリカゾル中のシリカ粒子の粒度を
被膜FTIR測定によるSiOSiに帰属されるスペク
トルの半値幅より求めたところ、ピークが鋭く、シリカ
粒子が均一であることが示された。さらに、小角X線散
乱で上記シリカゾル中のシリカ粒子の粒度を測定したと
ころ、同様に均一であることが示された。 (第3、4発明のシリカ被膜とその製造方法の実施例)
上記方法によりそれぞれ25時間、50時間及び120
時間静置熟成させたシリカゾルを用いて、それらシリカ
ゾル中に、それぞれ予め洗浄処理したSUS304ステ
ンレス板(30mm×20mm×0.5mm)をほぼ垂
直に全部浸漬し、20℃で30分間保持した後、0.5
mm/sec.の速度でステンレス板をほぼ垂直に引き
上げ、次いでこれを5℃/min.の昇温速度で170
℃まで昇温し、同温度で30分間加熱処理することによ
り、シリカ被膜が形成されたステンレス板を得た。この
ときの膜厚は、それぞれ約0.8μm、約0.8μm及
び約1.0μmの均一なものであった。即ち、シリカ被
膜が形成されたステンレス板をエポキシ樹脂に包まい
し、切断後、EPMAで切断面のSiのKαの面分析を
行った。その結果、±0.1μm程度の均一な膜であっ
た。従って、ゾルの熟成時間、即ちゾルの所定の粘度を
選択することによって、所定の均一な厚さのシリカ被膜
が得られることがわかった。 (第5、6発明のシリカ粉体とその製造方法の実施例)
上記方法によりそれぞれ25時間、50時間及び120
時間静置熟成させたシリカゾルを、5℃/minの速度
で170℃まで昇温し、この温度で2時間焼成すること
により、シリカ粉体を得た。
20時間熟成させたシリカゾル中のシリカ粒子の粒度を
被膜FTIR測定によるSiOSiに帰属されるスペク
トルの半値幅より求めたところ、ピークが鋭く、シリカ
粒子が均一であることが示された。さらに、小角X線散
乱で上記シリカゾル中のシリカ粒子の粒度を測定したと
ころ、同様に均一であることが示された。 (第3、4発明のシリカ被膜とその製造方法の実施例)
上記方法によりそれぞれ25時間、50時間及び120
時間静置熟成させたシリカゾルを用いて、それらシリカ
ゾル中に、それぞれ予め洗浄処理したSUS304ステ
ンレス板(30mm×20mm×0.5mm)をほぼ垂
直に全部浸漬し、20℃で30分間保持した後、0.5
mm/sec.の速度でステンレス板をほぼ垂直に引き
上げ、次いでこれを5℃/min.の昇温速度で170
℃まで昇温し、同温度で30分間加熱処理することによ
り、シリカ被膜が形成されたステンレス板を得た。この
ときの膜厚は、それぞれ約0.8μm、約0.8μm及
び約1.0μmの均一なものであった。即ち、シリカ被
膜が形成されたステンレス板をエポキシ樹脂に包まい
し、切断後、EPMAで切断面のSiのKαの面分析を
行った。その結果、±0.1μm程度の均一な膜であっ
た。従って、ゾルの熟成時間、即ちゾルの所定の粘度を
選択することによって、所定の均一な厚さのシリカ被膜
が得られることがわかった。 (第5、6発明のシリカ粉体とその製造方法の実施例)
上記方法によりそれぞれ25時間、50時間及び120
時間静置熟成させたシリカゾルを、5℃/minの速度
で170℃まで昇温し、この温度で2時間焼成すること
により、シリカ粉体を得た。
【0027】得られたシリカ粉体を電子顕微鏡写真で観
察したところ、均一な一次粒子の凝集体が認められた。
また、この凝集体の細孔径は均一であった。 [実施例2] (第1、2発明のシリカゾルとその製造方法の実施例)
ニトロメタン5gをニトロエタン6.15gにした以外
は、実施例1のシリカゾルの調製と同様にして、シリカ
ゾルを得た。このゾルの20℃における静置熟成中の粘
度の経時変化を図1に示す。図1から、ゾルの粘度の立
ち上がりが150時間以後と極めてゆるやかであること
がわかる。
察したところ、均一な一次粒子の凝集体が認められた。
また、この凝集体の細孔径は均一であった。 [実施例2] (第1、2発明のシリカゾルとその製造方法の実施例)
ニトロメタン5gをニトロエタン6.15gにした以外
は、実施例1のシリカゾルの調製と同様にして、シリカ
ゾルを得た。このゾルの20℃における静置熟成中の粘
度の経時変化を図1に示す。図1から、ゾルの粘度の立
ち上がりが150時間以後と極めてゆるやかであること
がわかる。
【0028】また、それぞれ25時間、50時間及び1
20時間熟成させたシリカゾル中のシリカ粒子の粒度を
被膜FTIR測定によるSiOSiに帰属されるスペク
トルの半値幅より求めたところ、ピークが鋭く、シリカ
粒子が均一であることが示された。さらに、小角X線散
乱で上記シリカゾル中のシリカ粒子の粒度を測定したと
ころ、同様に均一であることが示された。 (第3、4発明のシリカ被膜とその製造方法の実施例)
実施例2のシリカゾルを用いた以外は、実施例1のシリ
カ被膜の調製と同様にして、シリカ被膜を得た。このと
きの膜厚は、それぞれ約0.8μm、約0.9μm及び
約1.1μmの均一なものであった。従って、ゾルの熟
成時間、即ちゾルの所定の粘度を選択することによっ
て、所定の均一な厚さのシリカ被膜が得られることがわ
かった。 (第5、6発明のシリカ粉体とその製造方法の実施例)
実施例2のシリカゾルを用いた以外は、実施例1のシリ
カ粉体の調整と同様にして、シリカ粉体を得た。
20時間熟成させたシリカゾル中のシリカ粒子の粒度を
被膜FTIR測定によるSiOSiに帰属されるスペク
トルの半値幅より求めたところ、ピークが鋭く、シリカ
粒子が均一であることが示された。さらに、小角X線散
乱で上記シリカゾル中のシリカ粒子の粒度を測定したと
ころ、同様に均一であることが示された。 (第3、4発明のシリカ被膜とその製造方法の実施例)
実施例2のシリカゾルを用いた以外は、実施例1のシリ
カ被膜の調製と同様にして、シリカ被膜を得た。このと
きの膜厚は、それぞれ約0.8μm、約0.9μm及び
約1.1μmの均一なものであった。従って、ゾルの熟
成時間、即ちゾルの所定の粘度を選択することによっ
て、所定の均一な厚さのシリカ被膜が得られることがわ
かった。 (第5、6発明のシリカ粉体とその製造方法の実施例)
実施例2のシリカゾルを用いた以外は、実施例1のシリ
カ粉体の調整と同様にして、シリカ粉体を得た。
【0029】得られたシリカ粉体を電子顕微鏡写真で観
察したところ、均一な一次粒子の凝集体が認められた。
また、この凝集体の細孔径は均一であった。 [実施例3] (第1、2発明のシリカゾルとその製造方法の実施例)
ニトロメタン5gを1ーニトロプロパン7.30gにし
た以外は、実施例1のシリカゾルの調製と同様にして、
シリカゾルを得た。このゾルの20℃における静置熟成
中の粘度の経時変化を図1に示す。図1から、ゾルの粘
度の立ち上がりが120時間以後と極めてゆるやかであ
ることがわかる。
察したところ、均一な一次粒子の凝集体が認められた。
また、この凝集体の細孔径は均一であった。 [実施例3] (第1、2発明のシリカゾルとその製造方法の実施例)
ニトロメタン5gを1ーニトロプロパン7.30gにし
た以外は、実施例1のシリカゾルの調製と同様にして、
シリカゾルを得た。このゾルの20℃における静置熟成
中の粘度の経時変化を図1に示す。図1から、ゾルの粘
度の立ち上がりが120時間以後と極めてゆるやかであ
ることがわかる。
【0030】また、それぞれ25時間、50時間及び1
20時間熟成させたシリカゾル中のシリカ粒子の粒度を
被膜FTIR測定によるSiOSiに帰属されるスペク
トルの半値幅より求めたところ、ピークが鋭く、シリカ
粒子が均一であることが示された。さらに、小角X線散
乱で上記シリカゾル中のシリカ粒子の粒度を測定したと
ころ、同様に均一であることが示された。 (第3、4発明のシリカ被膜とその製造方法の実施例)
実施例3のシリカゾルを用いた以外は、実施例1のシリ
カ被膜の調製と同様にして、シリカ被膜を得た。このと
きの膜厚は、それぞれ約0.8μm、約0.9μm及び
約1.1μmの均一なものであった。従って、ゾルの熟
成時間、即ちゾルの所定の粘度を選択することによっ
て、所定の均一な厚さのシリカ被膜が得られることがわ
かった。 (第5、6発明のシリカ粉体とその製造方法の実施例)
実施例3のシリカゾルを用いた以外は、実施例1のシリ
カ粉体の調整と同様にして、シリカ粉体を得た。
20時間熟成させたシリカゾル中のシリカ粒子の粒度を
被膜FTIR測定によるSiOSiに帰属されるスペク
トルの半値幅より求めたところ、ピークが鋭く、シリカ
粒子が均一であることが示された。さらに、小角X線散
乱で上記シリカゾル中のシリカ粒子の粒度を測定したと
ころ、同様に均一であることが示された。 (第3、4発明のシリカ被膜とその製造方法の実施例)
実施例3のシリカゾルを用いた以外は、実施例1のシリ
カ被膜の調製と同様にして、シリカ被膜を得た。このと
きの膜厚は、それぞれ約0.8μm、約0.9μm及び
約1.1μmの均一なものであった。従って、ゾルの熟
成時間、即ちゾルの所定の粘度を選択することによっ
て、所定の均一な厚さのシリカ被膜が得られることがわ
かった。 (第5、6発明のシリカ粉体とその製造方法の実施例)
実施例3のシリカゾルを用いた以外は、実施例1のシリ
カ粉体の調整と同様にして、シリカ粉体を得た。
【0031】得られたシリカ粉体を電子顕微鏡写真で観
察したところ、均一な一次粒子の凝集体が認められた。
また、この凝集体の細孔径は均一であった。 [比較例1] (シリカゾルの調製)オルトケイ酸エチル50mlと、
エタノール10mlと、蒸留水20mlとを混合し、こ
の系内に塩酸をpH2になるまで加えた後、20℃で3
0分間混合攪拌し、静置熟成することにより、透明なゾ
ルを得た。このゾルの20℃における静置熟成中の粘度
の経時変化を図1に示す。図1から、ゾルの粘度の立ち
上がりが100時間以後と比較的速いことがわかる。 (シリカ被膜の形成)上記方法によりそれぞれ25時
間、50時間及び120時間静置熟成させたシリカゾル
を用いて、実施例1のシリカ被膜の形成と同様の条件に
より、シリカ被膜が形成されたステンレス板を得た。こ
のときの膜厚はそれぞれ、約1.0μm、約1.2μm
及び約2μmであった。しかし、ゾルの粘度上昇が非常
に速いために被膜が目的とするものよりも厚くなり、ま
た亀裂、欠落が生じ、均一な被膜を得ることができなか
った。 (シリカ粉体の形成)上記方法によりそれぞれ25時
間、50時間及び120時間静置熟成させたシリカゾル
を用いて、実施例1のシリカ粉体の形成と同様の条件に
より、シリカ粉体を得た。
察したところ、均一な一次粒子の凝集体が認められた。
また、この凝集体の細孔径は均一であった。 [比較例1] (シリカゾルの調製)オルトケイ酸エチル50mlと、
エタノール10mlと、蒸留水20mlとを混合し、こ
の系内に塩酸をpH2になるまで加えた後、20℃で3
0分間混合攪拌し、静置熟成することにより、透明なゾ
ルを得た。このゾルの20℃における静置熟成中の粘度
の経時変化を図1に示す。図1から、ゾルの粘度の立ち
上がりが100時間以後と比較的速いことがわかる。 (シリカ被膜の形成)上記方法によりそれぞれ25時
間、50時間及び120時間静置熟成させたシリカゾル
を用いて、実施例1のシリカ被膜の形成と同様の条件に
より、シリカ被膜が形成されたステンレス板を得た。こ
のときの膜厚はそれぞれ、約1.0μm、約1.2μm
及び約2μmであった。しかし、ゾルの粘度上昇が非常
に速いために被膜が目的とするものよりも厚くなり、ま
た亀裂、欠落が生じ、均一な被膜を得ることができなか
った。 (シリカ粉体の形成)上記方法によりそれぞれ25時
間、50時間及び120時間静置熟成させたシリカゾル
を用いて、実施例1のシリカ粉体の形成と同様の条件に
より、シリカ粉体を得た。
【0032】得られたシリカ粉体を電子顕微鏡写真で観
察したところ、一次粒子の凝集体がきわめて不均一であ
り、細孔径も不均一であった。尚、上記各実施例では、
各成分を同時に混合しているが、ニトロメタン、ニトロ
エタンまたはニトロベンゼン等の有機窒素化合物を他の
成分の混合後に混合してもよい。この場合には、シリカ
コロイド粒子をある程度まで成長させて、その粒子の大
きさに所定時間保持することが可能となる。
察したところ、一次粒子の凝集体がきわめて不均一であ
り、細孔径も不均一であった。尚、上記各実施例では、
各成分を同時に混合しているが、ニトロメタン、ニトロ
エタンまたはニトロベンゼン等の有機窒素化合物を他の
成分の混合後に混合してもよい。この場合には、シリカ
コロイド粒子をある程度まで成長させて、その粒子の大
きさに所定時間保持することが可能となる。
【0033】また、上記各実施例では、有機窒素化合物
を1種のみ混合しているが、2種以上組み合わせて混合
してもよい。以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこうした実施例により何等限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種
々の態様で実施できることはいうまでもない。
を1種のみ混合しているが、2種以上組み合わせて混合
してもよい。以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明はこうした実施例により何等限定されるもの
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種
々の態様で実施できることはいうまでもない。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の第1〜6
発明によれば、簡易にシリカ粒子が所望の均一な粒度で
あるシリカゲルと、一次粒子が均一な所望の粒度である
シリカ粒子を得ることができる。また、新規に所望の均
一な厚さのシリカ被膜を製造することができる。
発明によれば、簡易にシリカ粒子が所望の均一な粒度で
あるシリカゲルと、一次粒子が均一な所望の粒度である
シリカ粒子を得ることができる。また、新規に所望の均
一な厚さのシリカ被膜を製造することができる。
【図1】 上記各実施例及び比較例のシリカゾルの粘度
の経時変化を示すグラフ図である。
の経時変化を示すグラフ図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 オルトケイ酸アルキルと、アルコール
と、水と、有機窒素化合物とを、酸の存在下で混合攪拌
することを特徴とするシリカゾルの製造方法。 - 【請求項2】 オルトケイ酸アルキルと、アルコール
と、水と、有機窒素化合物とを、酸の存在下で混合攪拌
することによって得られることを特徴とするシリカゾ
ル。 - 【請求項3】 オルトケイ酸アルキルと、アルコール
と、水と、有機窒素化合物とを、酸の存在下で混合攪拌
してシリカゾルを形成させ、次いで該シリカゾルを基材
表面に塗布後乾燥することを特徴とするシリカ被膜の製
造方法。 - 【請求項4】 オルトケイ酸アルキルと、アルコール
と、水と、有機窒素化合物とを、酸の存在下で混合攪拌
してシリカゾルを形成させ、次いで該シリカゾルを基材
表面に塗布後乾燥することよって形成されることを特徴
とするシリカ被膜。 - 【請求項5】 オルトケイ酸アルキルと、アルコール
と、水と、有機窒素化合物とを、酸の存在下で混合攪拌
してシリカゾルを得る工程と、該シリカゾルを所定時間
静置熟成させる工程と、前記シリカゾル中のシリカ粒子
が所定の粒度となった時に乾燥させ、シリカ粉体とする
工程とからなることを特徴とするシリカ粉体の製造方
法。 - 【請求項6】 オルトケイ酸アルキルと、アルコール
と、水と、有機窒素化合物とを、酸の存在下で混合攪拌
してシリカゾルを得、該シリカゾルを所定時間静置熟成
させ、前記シリカゾル中のシリカ粒子が所定の粒度とな
った時に乾燥させ、シリカ粉体とすることによって得ら
れることを特徴とするシリカ粉体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33814793A JP3658416B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | シリカゾル、シリカ被膜及びシリカ粉体並びにそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33814793A JP3658416B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | シリカゾル、シリカ被膜及びシリカ粉体並びにそれらの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07196309A true JPH07196309A (ja) | 1995-08-01 |
JP3658416B2 JP3658416B2 (ja) | 2005-06-08 |
Family
ID=18315357
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33814793A Expired - Fee Related JP3658416B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | シリカゾル、シリカ被膜及びシリカ粉体並びにそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3658416B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011104170A1 (en) | 2010-02-24 | 2011-09-01 | Evonik Degussa Gmbh | Thermally and mechanically stable precious metal-loaded catalysts |
CN115627459A (zh) * | 2022-09-30 | 2023-01-20 | 西安特种设备检验检测院 | 一种碳素钢表面生长SiO2涂层的方法 |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33814793A patent/JP3658416B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011104170A1 (en) | 2010-02-24 | 2011-09-01 | Evonik Degussa Gmbh | Thermally and mechanically stable precious metal-loaded catalysts |
CN115627459A (zh) * | 2022-09-30 | 2023-01-20 | 西安特种设备检验检测院 | 一种碳素钢表面生长SiO2涂层的方法 |
CN115627459B (zh) * | 2022-09-30 | 2024-05-14 | 西安特种设备检验检测院 | 一种碳素钢表面生长SiO2涂层的方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3658416B2 (ja) | 2005-06-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4397666A (en) | Method of producing glass from metal alkoxide solution | |
JPH06510237A (ja) | コロイドシリカおよびフィルム形成性ポリマーの安定な混合物 | |
JPH07196309A (ja) | シリカゾル、シリカ被膜及びシリカ粉体並びにそれらの製造方法 | |
Kato | Preparation of SiO2 films from Si (OC2H5) 4-C2H5OH-H2O solutions without catalysts | |
JP3360846B2 (ja) | 疎水性シリカ形成用シリカゾル並びに疎水性シリカ被膜及び疎水性シリカ粉体 | |
JP3517207B2 (ja) | ゾル・ゲル法を利用した高純度シリカガラスの製造方法 | |
JPS6256321A (ja) | 透明性の優れたアルミナゾルの製造方法 | |
JPS59149958A (ja) | 絶縁被覆形成方法 | |
JPS59131538A (ja) | 石英ガラスの製造法 | |
JPH054839A (ja) | ゾルゲル法による薄膜の作製方法 | |
JPH1180352A (ja) | 貯蔵安定性の改良された耐熱性コ−ティング組成物およびポリイミド膜 | |
JP2504148B2 (ja) | シリカガラスの製造法 | |
JPH09263951A (ja) | 低鉄損一方向性珪素鋼板の製造方法 | |
JPH01119526A (ja) | シリカガラスの製造法 | |
JPH01119528A (ja) | シリカガラスの製造法 | |
JPH07216552A (ja) | アルミナ前駆体溶液、当該溶液を用いたアルミナ薄膜の形成方法及びアルミナ薄膜形成体 | |
JPS6319461B2 (ja) | ||
JPH02239112A (ja) | 金属基材上へのシリカ被膜の形成法 | |
JPS63288921A (ja) | シリカガラスの製造法 | |
JP3254473B2 (ja) | シリカ・ベースのガラス状膜の製造方法及びこれに用いるコーティング剤 | |
JPH0827422A (ja) | シリカ系被膜形成用組成物 | |
JPS63288920A (ja) | ケイ酸塩ガラスの製造法 | |
JPS59536B2 (ja) | 改良されたシリカゾル塗料 | |
JP2004315568A (ja) | 2液型無機系バインダー組成物およびそれを用いた無機系コーティング被膜形成用組成物 | |
JPH07286136A (ja) | シリカ系被膜形成用組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20050222 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Effective date: 20050314 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 3 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080318 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110318 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |