JPH07196274A - エレベータのドア開閉点検装置 - Google Patents

エレベータのドア開閉点検装置

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JPH07196274A
JPH07196274A JP14594A JP14594A JPH07196274A JP H07196274 A JPH07196274 A JP H07196274A JP 14594 A JP14594 A JP 14594A JP 14594 A JP14594 A JP 14594A JP H07196274 A JPH07196274 A JP H07196274A
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time
door
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closing
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JP14594A
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Yuichi Hara
裕一 原
Ichiro Kawabe
一郎 河辺
Takaaki Oka
高明 岡
Kenji Kono
賢治 河野
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Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Building Systems Engineering and Service Co Ltd
Hitachi Building Systems Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 周囲温度が変化するときでも、ドア開閉動作
が異常かどうかを確実に、かつ精度良く点検できるエレ
ベータのドア開閉点検装置の提供。 【構成】 スイッチCLS、OLSが動作する時点間の
時間と他の時点間の時間とを計測する動作時間計測回路
61と、この動作時間計測回路61で得た計測値を平均
する平均値算出回路62と、前記の時間の初期値を記憶
する初期値記憶回路63と、前記のスイッチCLS、O
LSが動作する時点間の時間の初期値に対する計測値の
比率に基づいて他の時点間の時間の初期値を補正する初
期値補正回路64と、前記の他の時点間の時間の規定値
を記憶する規定値記憶回路65と、動作時間計測回路6
1で計測した他の時点間の時間の平均値を前記の補正し
た初期値と比較し、その差違が前記の規定値の範囲内に
あるかどうかを判定する比較判定回路66とを含んでい
る。 【効果】 ドア点検に要する時間や労力を少なくできる
とともに、ドアの異常発生の際、迅速な対応によりエレ
ベータ乗客へのサービスを向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベータのドア開閉
動作が異常かどうかを点検するエレベータのドア開閉点
検装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図3は一般的なエレベータの乗かごに備
えられるかごドアを乗場側から見た図、図4はエレベー
タの乗場に備えられる乗場ドアを乗かご側から見た図、
図5は図3のかごドアおよび図4の乗場ドアを開く際の
ドア開指令信号および各検出信号のタイミングチャー
ト、図6は図3のかごドアおよび図4の乗場ドアを閉じ
る際のドア閉指令信号および各検出信号のタイミングチ
ャート、図7は図3の乗かごに備えられるかごドアスイ
ッチの動作から全閉検出スイッチの動作までの時間とか
ごドアスイッチの投入位置との関係を示す図、図8は周
囲温度とかごドアスイッチの動作から全閉検出スイッチ
の動作までの時間などとの関係を示す図である。
【0003】図3に示す乗かご1は、出入口1aを開閉
するかごドア2を有する。このかごドア2は、ドアハン
ガ3を介してドアレール4より懸垂される状態でドアモ
ータ5により駆動され、出入口1aの閉じ端CEおよび
開き端OE間を往復動するようになっている。前記のド
アモータ5の駆動力は、プーリ6、駆動ロープ7、連結
金具8およびドアハンガ3などを介してかごドア2に伝
達される。前記のドアレール4の上部には全開検出スイ
ッチOLS、かごドアスイッチGS、および全閉検出ス
イッチCLSが固設され、ドアハンガ3よりカム体9、
10が突出している。前記のかごドア2が所定位置、例
えば閉じ端CEから10mm中央寄りの位置まで閉じる
とき、カム体10がかごドアスイッチGSに係合するこ
とにより、このかごドアスイッチGSが動作し、さら
に、かごドア2が閉じ端CEの近傍、例えば閉じ端CE
から3mm中央寄りの位置まで閉じるとき、カム体10
が全閉検出スイッチCLSに係合することにより、この
全閉検出スイッチCLSが動作した後、閉じ端CEで戸
当たりゴム11に突き当たることによりかごドア2が停
止する。同様に、かごドア2が開き端OEの近傍、例え
ば閉じ端OEから5mm中央寄りの位置まで開くとき、
カム体10が全開検出スイッチOLSに係合することに
より、この全開検出スイッチOLSが動作する。そし
て、かごドア2の上部には係合装置12が設けられ、か
ごドア2の下端にはかごシル13と係合するドアシュー
14が設けられている。
【0004】また、図4に示す乗場には、三方枠20に
よって出入口20aが形成されており、前記の係合装置
12を介してかごドア2と連動する乗場ドア21が出入
口20aを開閉するようになっている。この乗場ドア2
1は、ドアハンガ22を介してドアレール23より懸垂
され、下端に乗場シル24と係合するドアシュー25が
設けられている。乗場ドア21は、前記のドアハンガ2
2に一端が取付けられるクローザばね26を介して自閉
力が付与され、図4に示す全閉位置で戸当たりゴム27
に突き当たることにより停止し、この状態で乗場ドアロ
ック装置28により施錠される。この乗場ドアロック装
置28は、ドアハンガ22に取付けられるブラケット2
8aと、このブラケット28aに設けられるフック体2
9およびローラ30と、ドアレール23に設けられる乗
場ドアロックスイッチDSなどとからなっている。
【0005】前記のフック体29は、支点Aを中心とし
て回動可能であり、前記の係合装置12およびローラ3
0の両方と係合可能な係合ローラ31を備え、このフッ
ク体29の一端が乗場ドアロックスイッチDSのロック
座32により係止される。なお、前記の全開検出スイッ
チOLS、かごドアスイッチGS、および全閉検出スイ
ッチCLSにより、かごドア2の位置を検出し、前記の
乗場ドアロックスイッチDSにより、乗場ドア21の位
置を検出するようになっている。
【0006】このようなエレベータのかごドア2および
乗場ドア21にあっては、全閉位置から開く際、図5に
示すドア開指令信号ZOPENが出力される時点t1
らドアモータ5がドア開き方向へ回転し、このドアモー
タ5の駆動力がプーリ6、駆動ロープ7、連結金具8お
よびドアハンガ3などを介してかごドア2に伝達され、
かごドア2が図3の左方向へ開き始める。次いで、かご
ドア2が閉じ端CEから3mm中央寄りの位置まで移動
した時点t2で、カム体10が全閉検出スイッチCLS
に係合する状態が解除されるので、この全閉検出スイッ
チCLSがオフする。さらに、かごドア2が閉じ端CE
から10mm中央寄りの位置まで開いた時点t3で、カ
ム体10がかごドアスイッチGSに係合する状態が解除
されるので、このかごドアスイッチGS全閉検出スイッ
チCLSがオフする。この全閉検出スイッチCLSのオ
フ位置の近辺で、かごドア2側の係合装置12が乗場ド
ア21側の係合ローラ31に係合することにより、フッ
ク体29が図4の時計方向に回動し、その結果、フック
体29の一端が乗場ドアロックスイッチDSのロック座
32により外れて施錠状態が解除され、時点t4で乗場
ドアロックスイッチDSがオフする。さらに、かごドア
2が開くとともに、フック体29の係合ローラ31がロ
ーラ30に係合することにより、乗場ドア21がクロー
ザばね26の自閉力に抗して図4の右方向へ移動して開
く。その後、かごドア2が開き端OEから5mm中央寄
りまで開いた時点t5で、カム体9が全開検出スイッチ
OLSに係合することにより、この全開検出スイッチO
LSが全開検出信号XOLSを出力し、これにより、前
記のドア開指令信号ZOPENの出力が停止された後、
かごドア2は、慣性力により開き端OEまで開いて時点
6で停止する。
【0007】次いで、全開位置から閉じる際、図6に示
すように、ドア閉指令信号ZCLOSEが出力される時
点t11で、ドアモータ5がドア閉じ方向へ回転するに伴
い、かごドア2が図3の右方向へ閉じ始めて開き端OE
から5mm中央寄りまで移動した時点t12で、カム体9
が全開検出スイッチOLSに係合する状態が解除される
ので、この全開検出スイッチOLSがオフする。一方、
乗場ドア21は、クローザばね26の自閉力により閉
じ、戸当りゴム27に突き当たることにより停止し、フ
ック体29の一端が乗場ドアロックスイッチDSのロッ
ク座32に係止され、乗場ドア21が施錠される時点t
13で、乗場ドアロックスイッチDSが乗場ドアロックス
イッチ信号XDSが出力する。次いで、かごドア2が閉
じ端CEから10mm中央寄りの位置まで開いた時点t
14で、カム体10がかごドアスイッチGSに係合するこ
とにより、このかごドアスイッチGSがかごドアスイッ
チ信号XGSを出力し、さらに、時点t15でかごドア2
が閉じ端CEから3mm中央寄りの位置まで閉じたと
き、カム体10が全閉検出スイッチCLSに係合するこ
とにより、この全閉検出スイッチCLSが全閉検出信号
XCLSを出力する。これにより、前記のドア閉指令信
号ZCLOSEの出力が停止された後、かごドア2は、
慣性力により閉じ端CEまで閉じて時点t16で戸当たり
ゴム11に突き当たることにより停止する。
【0008】このように構成されたかごドア2および乗
場ドア21では、次の原因によって開閉速度が変化する
ことがある。すなわち、 (1)スイッチOLS、GS、CLS、DSの投入位置
の変化。 長期間にわたってドア2、21の開閉動作を繰り返す
と、各構成部品を取付けるボルト類のゆるみなどによ
り、開閉動作中のドア2、21に対する前記のスイッチ
OLS、GS、CLS、DSの投入位置が狂うことがあ
る。
【0009】例えば前記のかごドアスイッチGSの投入
位置が変化する原因としては、かごドアスイッチGS本
体を固定するブラケットの取付ボルト(図示せず)のゆ
るみや作動ローラ(図示せず)の摩耗、かごドアスイッ
チGSを作動させるカム10の取付ビス(図示せず)の
ゆるみなどである。このような原因によって、かごドア
スイッチGSの投入位置が変化したとき、例えば図5に
示すように、全閉検出スイッチCLSのオフ動作からか
ごドアスイッチGSのオフ動作までの時間a2や、図6
に示すように、かごドアスイッチGSのオン動作から全
閉検出スイッチCLSのオン動作までの時間b2などが
変化する。そして、前記のかごドアスイッチGSが全閉
検出スイッチCLSに近づく方向へ2mm移動した場
合、図7に示すように、かごドアスイッチGSの投入位
置が初期値よりマイナス側へ2mm移動したことから、
前記の時間b2は初期値(300ms)より20ms少
なくなる。このようにかごドアスイッチGSの投入位置
の変化量と前記の時間b2の変化量とは比例関係にあ
る。なお、他の時間a2についても同様である。
【0010】また、乗場ドアロックスイッチDSの投入
位置が変化する原因としては、ドアハンガ22に乗場ド
アロック装置28のブラケット28aを取付けるボルト
(図示せず)のゆるみによる乗場ドアロック装置28の
ブラケット28aやフック体29の位置ずれや、ドアハ
ンガ22にドアパネル21aを取付けるボルト(図示せ
ず)のゆるみによるドアハンガ22の位置ずれがある。
この場合には、フック体29と乗場ドアロックスイッチ
DSのロック座32との隙間も相対的に変化することか
ら、乗場ドア21の故障を生じることもある。
【0011】例えば、ドアハンガ22にブラケット28
aを取付けるボルトがゆるんでブラケット28aの位置
がずれ、前記の隙間寸法が0mmになった場合、乗場ド
ア21が開くときにフック体29が乗場ドアロックスイ
ッチDSのロック座32に引っ掛り、乗場ドア21およ
びかごドア2の両方が開かなくなる。一方、前記の隙間
寸法が大きすぎると、乗場ドア21が閉じるときにフッ
ク体29が乗場ドアロックスイッチDSのロック座32
に係止されず、乗場ドアロックスイッチDSがオンでき
なくなる。なお、一般に乗場ドア21の解錠および施錠
をスムーズで確実に行なうため、前記のフック体29と
乗場ドアロックスイッチDSのロック座32との隙間が
規定寸法に保たれるよう管理している。
【0012】また、前記のようにブラケット28aの位
置ずれに伴って、図3の係合装置12と図4の係合ロー
ラ31との相対的位置が変化するので、乗場ドアロック
スイッチDSが動作する時点t4、t13と、乗かご1側
のスイッチOLS、GS、CLSが動作する時点t2
3、t5、t12、t14、t15との時間が変化する。例え
ば、エレベータ据付時に、かごドア2および乗場ドア2
1が全閉状態で係合装置12と係合ローラ31との隙間
が11mmであるとき、かごドア2が閉じ端CEより1
1mm開くときに係合装置12が係合ローラ31に接触
し、フック体29が回動し始める。その後、ブラケット
28aが位置ずれして全閉状態で前記の隙間が13mm
になった場合、かごドア2が閉じ端CEより13mm開
くときに係合装置12が係合ローラ31に接触するよう
になる。
【0013】(2)ドア2、21の走行抵抗の変化。 かごシル13とガイドシュー14との接触状態、乗場シ
ル24とドアシュー25との接触状態や、駆動ロープ7
などの張力が変化したり、図示を省略したが開閉装置の
摩擦部分やベアリングの摩耗、減速機内のグリスの劣化
などによって走行抵抗が変化することから、ドア2、2
1の開閉速度が変わることがある。また、乗場ドア21
がねじれ変形した場合、ドアシュー25が乗場シル24
に押しつけられることから、これらのドアシュー25お
よび乗場シル24間の摩擦抵抗が大きくなる。あるい
は、ドアハンガ22のローラベアリング(図示せず)の
固澁や、ドアシュー25の摩耗により乗場ドア21の走
行抵抗が大きくなる場合も同様である。
【0014】このように乗場ドア21の走行抵抗が大き
くなった場合、かごドア2および乗場ドア21が開く
際、かごドア2が開き始める時点t1から乗場ドア21
が係合装置12を介してかごドア2と係合した時点、す
なわち乗場ドアロックスイッチDSがオフする時点t4
までかごドア2が通常通りの速度で開く。その後、前記
の時点t4からかごドア2が開き端OEで停止する時点
6まで、かごドア2および乗場ドア21の開く速度が
乗場ドア21の走行抵抗が大きくなったため通常より遅
くなる。また、かごドア2および乗場ドア21が閉じる
際、かごドア2はドアモータ5の駆動力により通常通り
の速度で閉じる一方、乗場ドア21はクローザばね26
の自閉力で閉じることから、前記のように乗場ドア21
の走行抵抗が大きくなった場合、乗場ドア21の閉じる
速度が遅くなる。その結果、かごドア2および乗場ドア
21が閉じ始める時点t11から乗場ドア21が閉じ端で
停止する時点、すなわち乗場ドアロックスイッチDSが
オンする時点t13までの時間(b1−b3)が通常より
大きくなる。特に、乗場ドア21の走行抵抗が過大とな
った場合、乗場ドア21が閉じる途中で停止してしま
い、乗場ドアロックスイッチDSがオンしないこともあ
る。
【0015】さらに、乗場シル24やドアレール23の
閉じ端付近にごみなどの異物がつまっている場合、乗場
ドア21が閉じる際に閉じ端付近で走行抵抗が大きくな
る。そのため、かごドア2は通常通りの速度で閉じる
が、乗場ドア21が少し遅れて閉じるため、乗場ドアロ
ックスイッチDSがオンする時点t13が遅れる。
【0016】(3)ドアモータ5の抵抗値などの変化。 ドアモータ5自体の劣化、ドアモータ5の速度を調整す
る抵抗(図示せず)の劣化による抵抗値の変化や断線に
よっても、ドア2、21の開閉速度や開閉に要する時間
が変わることがある。
【0017】以上、説明したようにドア2、21の開閉
速度が変化してドア開閉動作に不都合が生じた場合、乗
客に迷惑を及ぼすばかりでなく、人身事故を生じるとい
う懸念もある。そこで、かごドア2および乗場ドア21
の開閉動作が異常かどうかを定期的に判定するようにな
っている。
【0018】従来、例えば特願平4−111623号に
示されるように、かごドアスイッチ、全閉検出スイッ
チ、全開検出スイッチから出力される検出信号や、ドア
開指令信号およびドア閉指令信号を入力することによ
り、各信号間の時間を測定して、初回の測定値を初期値
として記憶しておき、その後のドア開閉時に、各信号間
の時間を測定して、この測定値を前記の初期値と比較す
ることにより、その差違が規定値を越える場合、異常信
号を出力するエレベータのドア開閉点検装置が提案され
ている。このドア開閉点検装置では、かごドアスイッチ
や乗場ドアロックスイッチの投入位置が変化した場合に
も精度良く検出でき、ドアの異常要因を容易に見つける
ことができる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にドア
モータ5自体の温度変化や、ドアモータ5に供給される
電圧変動に伴ってモータトルクがかなり変化することか
らドア開閉時間が変化する。また、周囲温度の変動とド
アモータ5自体の温度変動に伴って、ドアモータ5の巻
線(すなわち銅線)の温度1°Cが変化するごとに抵抗
値が0.4%変動する。このため、周囲温度が低くドア
モータ5が冷状態の時と、周囲温度が高くドアモータ5
が熱状態の時とを比較すると、前記のドアモータ5の巻
線抵抗が約40%も変動することがあることから、周囲
温度の変化がドア開閉時間にかなりの影響を与える場合
がある。さらに、周囲温度や湿度の変化により、ドアシ
ュー14とかごシル13との接触状態やドアシュー25
と乗場シル24との接触状態が変化したり、駆動ロープ
7などのテンションが変化したり、あるいは、他の図示
しない摺動部分などの接触状態の摩擦抵抗が変化するこ
とから、例えば高温の夏季におけるドア開閉時間と低温
の冬期におけるドア開閉時間では約15%の変動があ
る。
【0020】そのため、全開検出スイッチOLSの動作
から全閉検出スイッチCLSの動作までの全領域のドア
開閉時間b1の計測値や、かごドアスイッチGSの動作
から全閉検出スイッチCLSの動作までの時間b2の計
測値などは、図8に示すように、周囲温度とほぼ比例関
係にあり、すなわち、周囲温度の低下に伴って小さくな
り、周囲温度の上昇に伴って大きくなる。例えば、全領
域のドア開閉時間b1の計測値が初期値よりも例えば約
10%増加した場合、前記の時間b2の計測値も初期値
から約10%増加して約330msとなる。
【0021】そして、上述した従来技術にあっては、例
えば11月にドア開閉動作の点検を開始し、全閉検出ス
イッチCLSのオフ動作からかごドアスイッチGSのオ
フ動作までの時間a2や、かごドアスイッチGSのオン
動作から全閉検出スイッチCLSのオン動作までの時間
b2をそれぞれ計測して初期値を300msと設定する
とともに、この初期値とその後の計測値との差違を規定
する規定値を20msと設定した場合、低温の1月、2
月に、前記の初期値とその後の計測値との差違は図8に
示すように規定値20msを越えることから、かごドア
スイッチGS自体の動作は正常であるにもかかわらず、
周囲温度の変化などに伴う影響のためドア開閉動作が異
常と誤って判定する。同様に、高温の7月〜9月にも前
記の初期値と計測値との差違は規定値20msを越える
ことから、かごドアスイッチGS自体の動作は正常であ
るにもかかわらず、周囲温度の変化などに伴う影響のた
めドア開閉動作が異常であると誤って判定する。したが
って、ドア開閉動作の点検結果に対する信頼性が乏しい
という問題がある。
【0022】なお、前記の周囲温度の変化による影響を
受けないようにするため、全開検出スイッチOLSの動
作と全閉検出スイッチCLSの動作との間の全領域のド
ア開閉時間a1、b1の変化を例えば3%までに限定
し、高温の夏季に初期値を求めた場合、夏季以外は異常
を検出できないという問題がある。
【0023】さらに、周囲温度を予測して季節ごとに規
定値を設定するという方法も考えられるが、前記の周囲
温度を予測する精度が低い場合が多いことから、異常検
出の精度が低下するという不具合がある。
【0024】さらに、かごドア2の近傍に温度センサを
設けて、この温度センサにより測定した温度に応じて規
定値を補正する方法も考えられるが、前記の温度センサ
をエレベータ据付後に追加する場合、乗かごから機械室
までの信号線を設ける必要があり、大きな費用がかかる
という不具合がある。
【0025】本発明はこのような従来技術における実情
に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、かごドア
や乗場ドアの開閉動作が異常かどうかを確実に判定する
ことのできるエレベータのドア開閉点検装置を提供する
ことにある。
【0026】また、その第2の目的は、かごドアや乗場
ドアの開閉動作を判定する際の精度を向上させることの
できるエレベータのドア開閉点検装置を提供することに
ある。
【0027】また、その第3の目的は、周囲温度が変化
する場合であっても、かごドアや乗場ドアの開閉動作が
異常かどうかを判定することのできるエレベータのドア
開閉点検装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】この第1の目的を達成す
るため、本発明の請求項1に記載の発明は、エレベータ
のドアの位置を検出する複数の検出スイッチを含むエレ
ベータに備えられ、前記ドアの開閉動作が異常かどうか
を点検するエレベータのドア開閉点検装置において、前
記検出スイッチのそれぞれが動作する時点間の時間を計
測する動作時間計測回路と、前記時間の初期値を記憶す
る初期値記憶回路と、前記初期値を補正する初期値補正
回路と、前記時間の計測値を前記補正した初期値と比較
する比較判定回路とを有する構成にしてある。
【0029】また、第2の目的を達成するため、本発明
の請求項2に記載の発明は、前記動作時間計測回路によ
り計測した時間を平均する平均値算出回路と、前記時間
の平均値と初期値との差違を規定する規定値をあらかじ
め記憶する規定値記憶回路とを備え、前記比較判定回路
が、前記差違が前記規定値の範囲内にあるかどうかを判
定する構成にしてある。
【0030】また、第3の目的を達成するため、本発明
の請求項3に記載の発明は、前記動作時間計測回路が、
ドアの閉じ端の近傍および開き端の近傍にそれぞれ設け
られる1対の検出スイッチが動作する時点間の時間を計
測するとともに、前記閉じ端の近傍および開き端の近傍
の間に設けられる複数の検出スイッチが動作する時点間
の時間を計測し、初期値補正回路が、前記1対の検出ス
イッチが動作する時点間の時間の初期値に対する計測値
の比率に基づいて、前記複数の検出スイッチが動作する
時点間の時間の初期値を補正する構成にしてある。
【0031】
【作用】本発明の請求項1に記載の発明は、上記のよう
に構成したので、まず検出スイッチのそれぞれが動作す
る時点間の時間を動作時間計測回路により計測して、こ
の時間の初期値を初期値記憶回路により記憶しておき、
かごドアおよび乗場ドアの動作点検を行なう際、初期値
補正回路により前記の初期値を補正するともに、検出ス
イッチのそれぞれが動作する時点間の時間を前記の動作
時間計測回路により計測し、このときの時間の計測値を
前記の補正した初期値と比較判定回路により比較する。
これによって、前記の時間の初期値を補正することによ
り実情に適合する補正値を得ることができるので、この
補正値を用いてかごドアや乗場ドアの開閉動作が異常か
どうかを確実に判定することができる。
【0032】また、請求項2に記載の発明は、上記のよ
うに構成したので、乗客がエレベータを利用する際に計
測した計測値に外乱の影響がある場合でも、動作時間計
測回路により計測した検出スイッチの動作時点間の時間
を平均値算出回路により平均して初期値を設定しするこ
とにより、比較的良好な精度の初期値を得ることがで
き、その後、計測した時間を平均値算出回路により平均
することにより、比較的良好な精度の計測値を得ること
ができる。また、規定値記憶回路により前記の時間の規
定値をあらかじめ記憶しておき、この規定値を用いて比
較判定回路により判定することから、この判定精度を良
好なものとすることができる。したがって、比較的良好
な精度の計測値や補正した初期値を用いて、しかも高精
度で判定できることから、かごドアや乗場ドアの開閉動
作を判定する際の精度を向上させることができる。
【0033】また、請求項3に記載の発明は、上記のよ
うに、動作時間計測回路により、ドアの閉じ端の近傍お
よび開き端の近傍にそれぞれ設けられる1対の検出スイ
ッチが動作する時点間の時間を計測するとともに、前記
の閉じ端の近傍および開き端の近傍の間に設けられる複
数の検出スイッチが動作する時点間の時間を計測し、初
期値補正回路により、前記1対の検出スイッチが動作す
る時点間の時間の初期値と計測値との比率に基づいて、
前記の複数の検出スイッチが動作する時点間の時間の初
期値を補正することにより、周囲温度の変化に対応する
前記の時間の補正値を得て、前記の時間の計測値を補正
値と比較する。これにより、周囲温度が変化する場合に
であっても、かごドアや乗場ドアの開閉動作が異常かど
うかを判定することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明のエレベータのドア開閉点検装
置の実施例を図に基づいて説明する。図1は本発明のエ
レベータのドア開閉点検装置の請求項1、2、3に記載
の発明を含む一実施例を示すブロック図、図2は図1の
ドア開閉点検装置に備えられる比較判定回路により比較
判定を行なう際の処理内容を説明する図である。なお、
図1において前述した図3、図4に示すものと同等のも
のには同一符号を付してある。すなわち、1は乗かご、
5はドアモータ、CLSは全閉検出スイッチ、DSは乗
場ドアロックスイッチ、GSはかごドアスイッチ、OL
Sは全開検出スイッチである。
【0035】図1に示すエレベータは、乗かご1の走
行、停止およびドアモータ5の起動などの動作制御を行
なう運転制御装置40と、本実施例のドア開閉点検装置
41と、このドア開閉点検装置41に接続される端末装
置42とを含んでいる。
【0036】前記の運転制御装置40は、乗かご1の階
床位置を示す階床信号FLを発生する階床信号発生部5
1と、ドア開指令信号ZOPENを出力するドア開指令
信号発生部52と、ドア閉指令信号ZCLOSEを出力
するドア閉指令信号発生部53と、かごドアスイッチG
S、全閉検出スイッチCLS、全開検出スイッチOL
S、および乗場ドアロックスイッチDSからの検出信号
を入力する入力インターフェイス54と、外部との通信
を行なう通信インターフェイス55とを含んでいる。
【0037】そして本実施例のドア開閉点検装置41
は、前述した図5に示す時間a0〜a3および図6に示
す時間b0〜b3を計測する動作時間計測回路61と、
この動作時間計測回路61で規定回数、例えば10回に
わたって求めた時間a0〜a3、b0〜b3の計測値を
平均する平均値算出回路62と、この平均値算出回路6
2に接続され、前記の時間a0〜a3、b0〜b3の初
期値を記憶する初期値記憶回路63と、前記の初期値を
補正する初期値補正回路64と、前記の時間a0〜a
3、b0〜b3の規定値をあらかじめ記憶する規定値記
憶回路65と、ドア開閉動作の点検時に時間a0〜a
3、b0〜b3の平均値を補正した初期値と比較し、そ
の差違が前記の規定値の範囲内にあるかどうかを判定す
る比較判定回路66と、この比較判定回路66から出力
される点検データを記憶する記憶回路67とからなって
いる。
【0038】前記の動作時間計測回路61は、各階床で
ドア2、21を開く際、図5に示すように、まずドア開
指令信号ZOPENが出力される時点t1から全閉検出
信号XCLSがオフされる時点t2までの時間a0と、
この時点t2からかごドアスイッチ信号XGSがオフさ
れる時点t3までの時間a2と、前記の時点t2から乗場
ドアロックスイッチ信号XDSがオフされる時点t4
での時間a3と、前記の時点t2から全開検出信号XO
LSを出力する時点t5までの時間a1とを計測する。
同様に、前記の動作時間計測回路61は、各階床でドア
2、21を閉じる際、図6に示すように、まずドア閉指
令信号ZCLOSEが出力される時点t11から全開検出
信号XOLSがオフされる時点t12までの時間b0と、
この時点t12から全閉検出信号XCLSが出力される時
点t15までの時間b1と、乗場ドアロックスイッチ信号
XDSが出力される時点t13から前記の時点t15までの
時間b2と、かごドアスイッチ信号XGSが出力される
時点t14から前記の時点t15までの時間b3とを計測す
る。
【0039】この実施例では、まず各階床で前記の時間
a0〜a3、b0〜b3を動作時間計測回路61により
計測して、各階床ごとに10回ドア2、21が開閉した
とき、平均値算出回路62により前記の時間a0〜a
3、b0〜b3の計測値を平均し、初回の平均値を初期
値として初期値記憶回路63により記憶する。
【0040】その後、ドア開閉動作の点検時にも平均値
算出回路62により計測値を平均して記憶するととも
に、初期値補正回路64により、全閉検出スイッチCL
Sのオフ動作から全開検出スイッチOLSのオン動作ま
での時間a1の初期値に対する計測値の比率R1(時間
a1の計測値/時間a1の初期値)に基づいて、その間
の時間a0、a2、a3の初期値を補正し、方程式A0
=R1・a0、A2=R1・a2、A3=R1・a3に
基づいて補正値A0、A2、A3を得る。同様に、全開
検出スイッチOLSのオフ動作から全閉検出スイッチC
LSのオン動作までの時間b1の初期値と計測値との比
率R2(時間b1の計測値/時間b1の初期値)に基づ
いて、その間の時間b0、b2、b3の初期値を補正
し、方程式B0=R2・b0、B2=R2・b2、B3
=R2・b3に基づいて補正値B0、B2、B3を得
る。
【0041】例えば、図2に示すように11月にドア開
閉動作の点検を開始し、全領域のドア開閉時間a1の初
期値を3000msと設定し、全閉検出スイッチCLS
のオフ動作からかごドアスイッチGSのオフ動作までの
時間a2の初期値を300msとし、規制値を±20m
sとした場合、その後、周囲温度の変化によって、それ
ぞれの計測値は図2の実線で示すように推移する。そこ
で、前記の方程式A2=R1・a2により前記の時間a
2の補正値A2を算出し、この補正値A2から規制値2
0msを加減することにより上限線L1、および下限線
L2を得る。なお、他の時間a0、a3、b0、b2、
b3についても同様である。
【0042】次いで、比較判定回路66により、階床ご
とに平均した時間a2の計測値と前記の補正値A2とを
比較し、その差違が規定値記憶回路65に記憶される規
定値の上限線L1あるいは下限線L2を越えた場合、異
常検出コードを作成し、他のa0、a3、b0、b2、
b3についても同様に比較判定する。その際、比較判定
回路66により実施される点検項目は、前述した図3の
かごドア2の走行抵抗の変化、かごドアスイッチGSの
投入位置の変化、全閉検出スイッチCLSの投入位置の
変化、全開検出スイッチOLSの投入位置の変化、かご
ドア2の閉じ端CE付近や開き端OE付近のごみ詰ま
り、および前述した図4の乗場ドア21の走行抵抗の変
化、乗場ドア21の閉じ端付近の異物発生などである。
次に、これらの点検項目について説明する。すなわち、 (1)かごドアスイッチGSの投入位置の変化。 ドア開閉を行なった階床のそれぞれで、全領域のドア開
閉時間a1、b1の計測値が初期値(約3〜4秒)に対
してあまり変化せず、この変化の比率R1、R2が例え
ば30%未満であるとともに、かごドアスイッチGSの
動作時と全閉検出スイッチCLSの動作時との間の時間
a2、b2の計測値が初期値(約150〜350ms)
を補正した値A2、B2に対して例えば20ms以上変
化した場合、かごドアスイッチGSの投入位置が変化し
たと判定する。
【0043】(2)かごドア2の走行抵抗の変化。 ドア開閉を行なった階床のそれぞれで、全領域のドア開
閉時間a1、b1の計測値が初期値(約3〜4秒)に対
してかなり変化し、この変化の比率R1、R2が例えば
20%以上増加するとともに、全閉検出スイッチCLS
の動作時と乗場ドアロックスイッチDSの動作時との間
の時間a3、b3の計測値が補正値A3、B3から例え
ば20ms以上増加した場合、かごドア2の走行抵抗の
変化があったと判定する。
【0044】(3)乗場ドア21の閉じ端付近の異物の
つまり ドア開閉を行なった階床のそれぞれで、全領域のドア開
閉時間a1、b1の計測値が初期値(約3〜4秒)に対
してあまり変化せず、この変化の比率R1、R2が例え
ば30%未満であるとともに、乗場ドアロックスイッチ
DSの動作から全閉検出スイッチCLSの動作までの時
間b3の計測値が前記の補正値B3から例えば40ms
以上小さくなり、かつ、全閉検出スイッチCLSの動作
から乗場ドアロックスイッチDSの動作からまでの時間
a3の計測値が前記の補正値A3からあまり変化せず、
例えばその差異が20ms未満の場合、乗場ドア21の
閉じ端付近の異物がつまったと判定する。
【0045】(4)乗場ドア21の走行抵抗の変化。 ドア開閉を行なった階床のそれぞれで、全領域のドア開
閉時間a1、b1の計測値が初期値(約3〜4秒)に対
してかなり変化し、この変化の比率R1、R2が例えば
20%以上増加するとともに、全閉検出スイッチCLS
の動作時と乗場ドアロックスイッチDSの動作時との間
の時間a3、b3の計測値が初期値(約150〜200
ms)を補正した補正値A3、B3からあまり変化せ
ず、例えばこれらの差異が20ms未満の場合、乗場ド
ア21の走行抵抗が増加したと判定する。
【0046】(5)乗場ドアロックスイッチDSの投入
位置の変化。 ドア開閉を行なった階床のそれぞれで、全領域のドア開
閉時間a1、b1の計測値が初期値(約3〜4秒)に対
してあまり変化せず、この変化の比率R1、R2が例え
ば30%未満であるとともに、全閉検出スイッチCLS
の動作時と乗場ドアロックスイッチDSの動作時との間
の時間a3、b3の計測値が初期値(約100〜350
ms)を補正した値A3、B3に対して大きく変化し、
例えばこれらの差異が25ms以上増減した場合、乗場
ドアロックスイッチDSの投入位置がずれたと判定す
る。
【0047】同様に、全閉検出スイッチCLSの投入位
置の変化、全開検出スイッチOLSの投入位置の変化、
およびかごドア2の閉じ端CE付近や開き端OE付近の
ごみ詰まりが発生したかどうかを判定する際にも、ドア
開閉を行なった階床のそれぞれで、全領域のドア開閉時
間a1、b1の計測値を初期値と比較するとともに、他
の時間a0、a2、a3、b0、b2、b3の計測値を
補正値A0、A2、A3、B0、B2、B3とそれぞれ
比較するようになっている。
【0048】このようにして比較判定を行なった結果、
異常と判定した場合には、その検出日時、異常内容を示
す異常検出コード、異常が生じた階床名、初期値および
計測値などの点検データを記憶回路67に記憶する。次
いで、前記の点検データを記憶装置67から例えば月当
たり1〜4回出力して、この端末装置42を介して図示
しないエレベータ保守営業所などに送信する。そして、
このエレベータ保守営業所などから保守員が当該エレベ
ータに派遣される際、前記の検出データに基づいて異常
を生じた部位の点検を行なうようになっている。
【0049】このように構成した実施例では、スイッチ
CLS、DS、GS、OLSのそれぞれが動作する時点
間の時間a0〜a3、b0〜b3の各初期値を初期値記
憶回路63に記憶しておき、必要に応じて前記の初期値
を補正することにより実情に適合する補正値A0、A
2、A3、B0、B2、B3を得ることができ、したが
って、前記の補正値A0、A2、A3、B0、B2、B
3を用いてかごドア2や乗場ドア21の開閉動作が異常
かどうかを確実に判定することができる。
【0050】例えば、全閉検出スイッチCLSのオフ動
作からかごドアスイッチGSのオフ動作までの時間a2
が異常かどうかを判定する場合、この時間a2の計測値
は、図2の実線で示すように低温の1月、2月に大きく
なり当初の上限320msを越えるが、補正値A2の上
限線L1内にあることから正常であると判定できる。ま
た、時間a2の計測値は、図2の実線で示すように高温
の7月〜9月に小さくなり当初の下限280msを越え
るが、補正値A2の下限線L2内にあることから正常で
あると判定できる。
【0051】また、乗客がエレベータを利用する際に計
測した計測値に外乱の影響がある場合でも平均値算出回
路62により平均するので、比較的良好な精度の初期値
を得ることができる。また、規定値記憶回路65により
時間a0〜a3、b0〜b3の規定値をあらかじめ記憶
しておき、この規定値を用いて比較判定回路66により
判定を行なうので、この判定精度を良好なものとするこ
とができる。すなわち、比較的良好な精度の初期値を用
いて、しかも高精度で判定できることから、かごドア2
や乗場ドア21の開閉動作を判定する際の精度を向上さ
せることができる。
【0052】また、1対の検出スイッチCLS、OLS
が動作する時点間の時間a1、b1の初期値と計測値と
の比率R1、R2に基づいて、他の時間a0、a2、a
3、b0、b2、b3の初期値を補正することにより、
周囲温度の変化に対応する前記の時間の補正値A0、A
2、A3、B0、B2、B3を得て、前記の時間の計測
値を補正値A0、A2、A3、B0、B2、B3と比較
する。これにより、周囲温度が変化する場合であって
も、かごドア2や乗場ドア21の開閉動作が異常かどう
かを判定することができる。
【0053】また、かごドア2や乗場ドア21の開閉動
作の比較判定を行なう基準として、エレベータ設置後に
時間a0〜a3、b0〜b3を計測して初期値を用いる
ことから、エレベータ設置現場ごとに異なるドア開閉時
間に対応できるとともに、設置検査終了後の実際のエレ
ベータのドア開閉動作が異常かどうかを正確に判定でき
る。そして、各階床ごとに前記の初期値を設定すること
から、それぞれ異なる階床ごとにドア開閉動作が異常か
どうかを正確に判定できる。
【0054】また、比較判定回路66により、かごドア
2の走行抵抗の変化、かごドアスイッチGSの投入位置
の変化、全閉検出スイッチCLSの投入位置の変化、全
開検出スイッチOLSの投入位置の変化、かごドア2の
閉じ端CE付近や開き端OE付近のごみ詰まり、乗場ド
ア21の走行抵抗の変化、乗場ドア21の閉じ端付近の
異物発生などを項目ごとに点検し、その点検結果を記憶
回路67から端末装置42を介して出力することから、
ドア2、21の点検に要する時間や労力を少なくするこ
とができる。
【0055】なお、本実施例では各階床ごとにドア2、
21が10回開閉したとき、平均値算出回路62により
時間a0〜a3、b0〜b3の平均値を算出するように
したが、必要に応じて、前記の平均値を算出することな
く、1回のドア開閉動作ごとに計測値を初期値と比較す
るようにしてもよい。さらに、乗客がエレベータを利用
しない夜間などの時間帯では外乱がないので、1回のド
ア開閉動作ごとに比較判定を行なうとともに、乗客がエ
レベータを利用する日中などの時間帯では規定回数の平
均値を算出して比較判定を行なうこともできる。さら
に、前記の時間a0〜a3、b0〜b3の初期値を設定
する際、各階床ごとに10回の平均値を求めるようにし
たが、必要に応じて、各階床ごとに10回より多くの回
数の平均値を求めることにより、判定精度を高くするこ
ともできる。このとき、回数を多くすれば多くするほど
判定周期が長くなることから、その後の計測値を平均す
る際、応答性は低下する。
【0056】さらに、本実施例では時間a0〜a3、b
0〜b3の平均値と初期値との差違を規定する規定値を
それぞれ1種類ずつ設定したが、この規定値を何段階か
に分けて設定し、重大な異常があり点検や整備を迅速に
要する段階の規定値を越えた場合、端末装置42を介し
て即時、発報を行なうことにより、エレベータの開閉動
作の異常事態に迅速に対処するようにしてもよい。
【0057】
【発明の効果】本発明は以上のように構成したので、請
求項1に記載の発明では、かごドアや乗場ドアの開閉動
作が異常かどうかを確実に判定することができる。
【0058】また、請求項2に記載の発明では、かごド
アや乗場ドアの開閉動作を判定する際の精度を向上させ
ることができる。
【0059】また、請求項3に記載の発明では、周囲温
度が変化する場合であっても、かごドアや乗場ドアの開
閉動作が異常かどうかを判定することができる。
【0060】したがって、本発明によれば、ドア点検に
要する時間や労力を少なくすることができるとともに、
かごドアや乗場ドアの異常発生の際、迅速な対応により
エレベータの乗客に支障を与えることを少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエレベータのドア開閉点検装置の請求
項1、2、3に記載の発明を含む一実施例を示すブロッ
ク図である。
【図2】図1のドア開閉点検装置に備えられる比較判定
回路により比較判定を行なう際の処理内容を説明する図
である。
【図3】一般的なエレベータの乗かごに備えられるかご
ドアを乗場側から見た図である。
【図4】エレベータの乗場に備えられる乗場ドアを乗か
ご側から見た図である。
【図5】図3のかごドアおよび図4の乗場ドアを開く際
のドア開指令信号および各検出信号のタイミングチャー
トである。
【図6】図3のかごドアおよび図4の乗場ドアを閉じる
際のドア閉指令信号および各検出信号のタイミングチャ
ートである。
【図7】図4の乗かごに備えられるかごドアスイッチの
動作から全閉検出スイッチの動作までの時間とかごドア
スイッチの投入位置との関係を示す図である。
【図8】周囲温度とかごドアスイッチの動作から全閉検
出スイッチの動作までの時間などとの関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
2 かごドア 21 乗場ドア 41 ドア開閉点検装置 61 動作時間計測回路 62 平均値算出回路 63 初期値記憶回路 64 初期値補正回路 65 規定値記憶回路 66 比較判定回路 CLS 全閉検出スイッチ DS 乗場ドアロックスイッチ GS かごドアスイッチ OLS 全開検出スイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 賢治 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレベータのドアの位置を検出する複数
    の検出スイッチを含むエレベータに備えられ、前記ドア
    の開閉動作が異常かどうかを点検するエレベータのドア
    開閉点検装置において、 前記検出スイッチのそれぞれが動作する時点間の時間を
    計測する動作時間計測回路と、前記時間の初期値を記憶
    する初期値記憶回路と、前記初期値を補正する初期値補
    正回路と、前記時間の計測値を前記補正した初期値と比
    較する比較判定回路とを有することを特徴とするエレベ
    ータのドア開閉点検装置。
  2. 【請求項2】 動作時間計測回路により計測した時間を
    平均する平均値算出回路と、前記時間の平均値と初期値
    との差違を規定する規定値をあらかじめ記憶する規定値
    記憶回路とを備え、比較判定回路が、前記差違が前記規
    定値の範囲内にあるかどうかを判定するようにしたこと
    を特徴とする請求項1記載のエレベータのドア開閉点検
    装置。
  3. 【請求項3】 動作時間計測回路が、ドアの閉じ端の近
    傍および開き端の近傍にそれぞれ設けられる1対の検出
    スイッチが動作する時点間の時間を計測するとともに、
    前記閉じ端の近傍および開き端の近傍の間に設けられる
    複数の検出スイッチが動作する時点間の時間を計測し、
    初期値補正回路が、前記1対の検出スイッチが動作する
    時点間の時間の初期値に対する計測値の比率に基づい
    て、前記複数の検出スイッチが動作する時点間の時間の
    初期値を補正するようしたことを特徴とする請求項1記
    載のエレベータのドア開閉点検装置。
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