JPH07195573A - タイヤ表面へのヘアライン形成方法およびその方法によりヘアラインを形成した空気入りタイヤ - Google Patents
タイヤ表面へのヘアライン形成方法およびその方法によりヘアラインを形成した空気入りタイヤInfo
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- B60C2011/1245—Tread patterns characterised by the use of narrow slits or incisions, e.g. sipes with special arrangements in the tread pattern being arranged in crossing relation, e.g. sipe mesh
Abstract
れに対しても、トレッド表面に、多数の周方向微細ヘア
ラインを容易にかつ確実に形成する。 【構成】 タイヤのトレッド表面と、粒度が20〜320 番
の付傷粒子とを圧接させるとともに、そのタイヤと付傷
粒子との間に、0.1 〜200m/minの速度の、トレッド周方
向の相対変位を生じさせて、トレッド表面の全周に、ト
レッド周方向に延びる多数本の微細ヘアラインを、実質
上トレッド幅一杯に形成する。
Description
を転動するタイヤに、それのトレッド表面と氷雪路面と
の間の摩擦力の増加をもたらす周方向ヘアラインを形成
する方法および、その方法によりヘアラインを形成した
空気入りタイヤに関するものである。
技術としては、トレッドゴム中にクルミ殻、籾殻などの
粉末を混入させて、トレッド表面の表面粗さを高めるこ
と、トレッドゴムを発泡ゴムによって形成することなど
が広く一般に知られており、これらのタイヤでは、タイ
ヤの転動によって発生した融氷水をトレッド表面の凹部
内へ取込むことにより、そのトレッド表面の氷上摩擦力
を高めることが可能となる。
おいては、加硫金型の成形面と接触するトレッド表面は
一般に粗さが小さく、それらのタイヤに、所要の氷上摩
擦力を直ちに発生させることは困難であった。
タイヤを除く、他の一般タイヤにあっては、それが新品
時であると使用途中であるとを問わず、トレッド表面の
粗さが小さいために、トレッド表面と氷面との間の摩耗
力を十分に確保することは不可能であった。
場合に、トレッド表面に、それの周方向に延びるロング
スクラッチを設けることが有効であるとされており、実
際には、加硫金型の成形面に、ロングスクラッチ形成用
の突条を設け、それによって、加硫成形されるタイヤの
トレッド表面に、その周方向に延びる多数のロングスク
ラッチを形成する技術も提案されている。
術は、成形金型に形成した比較的厚肉の突条をもって、
タイヤのロングスクラッチを形成するものであるため、
付着した金型内の汚れを除去しにくい問題があり、しか
も、タイヤの加硫成形時にスクラッチを形成するもので
あることから、スノータイヤでもスタッドレスタイヤで
もない一般タイヤの使用中に、氷雪路を一時的に走行す
る必要が生じた場合などには、その提案技術では全く対
処することができないという問題があった。
問題点を解決することを課題として検討した結果なされ
たものであり、この発明の目的は、いかなる種類のタイ
ヤに対しても、新品タイヤであると否とを問わず、トレ
ッド表面に、所期した通りの寸法を有する多数のヘアラ
イン(かき傷)を、容易にかつ確実に形成することがで
き、また、汚れの除去に関する問題を生じるおそれのな
い、タイヤ表面へのヘアライン形成方法および、その方
法によりヘアラインを形成した空気入りタイヤを提供す
るにある。
へのヘアライン形成方法は、タイヤのトレッド表面と、
粒度が20〜320 番の付傷粒子とを、たとえばタイヤの押
付けによって圧接するとともに、そのタイヤと付傷粒子
との間に、それらの少なくとも一方の運動によって、0.
1 〜 200m/min の速度の、トレッド周方向の相対変位を
生じさせて、トレッド表面の全周に、トレッド周方向に
延びる多数本の微細ヘアラインを、実質上トレッド幅一
ぱいに形成するものである。
空気入りタイヤは、上述した方法に従って、トレッド表
面に、その周方向に延びる多数本の微細ヘアラインを設
けたところにおいて、各微細ヘアラインの深さを5μm
以上1.0mm 以下とするとともに、その幅を10μm 以上1.
0mm 以下とし、また、微細ヘアライン相互の、トレッド
幅方向の間隔を20μm 以上1.0mm 以下としたものであ
る。
に事後的にヘアラインを形成するものであることから、
いかなる種類のタイヤであっても、新品時はもちろん、
使用途中においても所要に応じて、ヘアラインを容易か
つ確実に形成することができ、また、各ヘアラインの寸
法は、付傷粒子の粒度を選択することによって、常に所
期した通りのものとすることができる。従って、加硫金
型にロングスクラッチ形成用の突条を加工する場合に比
して、突条の掃除に関する問題が生じることはなく、ま
た、ヘアラインの幅をはるかに小ならしめて、トレッド
陸部の剛性低下、トレッド接地面積の減少などのおそれ
を十分に取除くことができる。
面に、その周方向に延在させて形成した微細ヘアライン
のそれぞれの寸法範囲を特定することにより、上述した
ように、トレッド陸部の剛性低下、トレッド接地面積の
減少などのおそれなしに、各ヘアライン内へ、タイヤの
転動によって発生した融氷水を十分に取込んで、トレッ
ド表面の氷上摩擦力を十分に高めることができる。しか
もここでは、微細ヘアライン相互の、トレッド幅方向の
間隔を20μm 以上1.0mm 以下とすることによって目的を
達し得る。その間隔が20μm 以下では狭ま過ぎて、加工
の面で必要な深さの確保が困難となり他方1.0mm を越え
ると隔氷水の取込みの量的な面で好ましくない。
1.0mm 以下とするのは、それが浅すぎると、十分な量の
融氷水を取込むことができず、深すぎると、陸部剛性の
低下が余儀なくされることとになり、また、ヘアライン
の幅を10μm 以上1.0mm 以下とするのは、それが狭すぎ
ると融氷水の円滑なる取込みが妨げられ、広すぎると、
トレッド陸部の接地面積および剛性ともに低下して、い
ずれも摩擦力の増加を担保し得なくなることによる。
明する。図1は、この発明方法の実施装置を例示する略
線斜視図であり、図中1はベースフレームを、2は、一
端部をベースフレームに枢支されて垂直面内で揺動可能
なアームを示す。このアーム2の他端部にはタイヤ装着
部3を設け、このタイヤ装着部3を、アーム2の中間部
に取付けた減速機付きのモータ4に、たとえばベルト5
によって駆動連結することにより、その装着部3を、所
要の方向へ所要速度で回転駆動可能ならしめる。
らすべく、そのアーム2の中間部に、ベースフレーム1
に取付けたシリンダ8を連結し、また、タイヤ装着部3
に取付けたタイヤ9の、後に詳述する付傷粒子への押付
け力の微調整をもたらすカウンターウエイト10を、アー
ム2の一端からその軸線方向へ突出させたロッド11に、
位置変更自在に装着する。従って、タイヤ装着部3への
タイヤ9の着脱は、シリンダ8によってアーム2を上向
き回動させた姿勢の下にて行うことができ、そこへ取付
けたタイヤ9の、付傷粒子への押付け力は、主には、シ
リンダ8の収縮力に基づいて選択することができ、そし
て微細には、ロッド11上でカウンターウエイト10を移動
させることによって適宜に調整することができる。
側に、タイヤ装着部3に取付けたタイヤ9の下方に位置
するサブベース13を設け、このサブベース上に、研磨材
14を配置する。ここにおける研磨材14は、布もしくは紙
上に、付傷粒子、たとえば、シリコンカーバイド、酸化
アルミナ、ジルコニア等の粒子の、粒度が20〜320 番、
より好ましくは30〜150 番の範囲のものを固着してな
り、長尺のこの研磨材14は、その一端を巻取側のリール
15a に、そして他端を繰出側のリール15b にそれぞれ巻
付けられて、付傷粒子の脱落、摩耗などにともなって、
タイヤ9との接触面を更新される。
未満とすると、ヘアラインの、トレッド幅方向における
間隔のばらつきが大きくなり、320 番を越えると、十分
な深さのヘアラインの形成が困難になる不都合がある。
また、上述した付傷粒子のうち、鋭利性の点からはシリ
コンカーバイド系を選択することが好適である。
タイヤ押付力による撓み変形を防止すべく、サブベース
上に、両リール間に位置して研磨材14の裏面に接触する
バックアップ部材16を配設する。
品タイヤもしくは使用途中のタイヤのトレッド表面に多
数の微細ヘアラインを形成する場合には、はじめに、シ
リンダ8の作用下でアーム2の他端部を上方へ揺動させ
て、タイヤ装着部3にタイヤ9を取付け、次いで、その
アーム2の他端部を図示のように下降させて、タイヤ9
を、シリンダ8の収縮力の作用下で、ときとしてはそれ
に加えて、カウンターウエイト10の位置の選択に基づい
て、所要の力で研磨材14、ひいては付傷粒子に押付け
る。この押付け状態の下では、タイヤ9のトレッド表面
17は、その全幅にわたって研磨材14に同時に接触する。
せることにより、ベルト5を介してタイヤ9を、0.1 〜
200m/minの周速で回転させて、そのタイヤ9のトレッド
表面17を付傷粒子に対してトレッド周方向に相対変位さ
せ、このことを、好ましくは、タイヤ9の1〜100 回転
にわたって継続する。なお、この場合、タイヤ周速が20
0m/minを越えるとトレッドゴムが溶融するおそれがあ
り、0.1m/min未満では、安定した回転数を得ることがで
きず均一なヘアラインを施しにくい。
全周に、トレッド周方向に延びる多数本の微細ヘアライ
ンが、実質上トレッド幅一杯に形成されることになる。
図2はこの状態を示すトレッド平面図である。
た後は、モータ4の停止に続くアーム2の上方揺動をも
たらして、タイヤ9をタイヤ装着部3から取り外し、さ
らには、研磨材14のタイヤ9への当接面を更新して次の
作業を待機する。
明したが、研磨材14として、コンベアベルトのようにエ
ンドレスに構成したものを用いることもでき、また、そ
れを砥石車、フラップホイールのように構成することも
できる。ところで、トレッド表面と付傷粒子との間の相
対変位は、タイヤ9の回転に代えて、もしくは加えて、
研磨材を移動させることによっても行うことができる。
に、その周方向に延在させて形成された多数本の微細ヘ
アラインについてみるに、各微細ヘアライン18は、5μ
m 以上1.0mm 以下、好ましくは10μm 以上1000μm 以下
の深さと、10μm 以上1.0mm以下、好ましくは50μm 以
上500 μm 以下の幅とを有し、トレッド幅方向に隣接す
る微細ヘアラインの相互は、20μm 以上1.0mm 以下、好
ましくは20μm 以上300 μm 以下の間隔をおいて位置す
る。
よび、トレッド表面と付傷粒子との間の相対速度を変え
て微細ヘアラインを形成した場合における、トレッド表
面の氷上摩擦力の変化を調べたところ、表1に示す通り
となった。
に、この発明の方法によれば、加硫金型の成形面の掃除
に関する問題を生じることなく、新品タイヤであると、
使用途中にあるタイヤであるとを問わずトレッド表面に
多数の微細ヘアラインを容易にかつ確実に形成すること
ができ、また、発明タイヤによれば、ヘアラインそれ自
身の寸法およびヘアライン相互の間隔を特定することに
よって、すぐれた氷上摩擦力を発揮させることができ
る。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 タイヤのトレッド表面と、粒度が20〜32
0 番の付傷粒子とを圧接させるとともに、そのタイヤと
付傷粒子との間に、0.1 〜200m/minの速度の、トレッド
周方向の相対変位を生じさせて、トレッド表面の全周
に、トレッド周方向に延びる多数本の微細ヘアライン
を、実質上トレッド幅一杯に形成することを特徴とする
タイヤ表面へのヘアライン形成方法。 - 【請求項2】 トレッド表面に、その周方向に延びる多
数本の微細ヘアラインを設け、各微細ヘアラインの深さ
を5μm 以上1.0mm 以下とするとともに、その幅を10μ
m 以上1.0mm 以下とし、微細ヘアライン相互の、トレッ
ド幅方向の間隔を20μm 以上1.0mm 以下としたことを特
徴とするヘアラインを形成した空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33563793A JP3450398B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | タイヤ表面へのヘアライン形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33563793A JP3450398B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | タイヤ表面へのヘアライン形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07195573A true JPH07195573A (ja) | 1995-08-01 |
JP3450398B2 JP3450398B2 (ja) | 2003-09-22 |
Family
ID=18290830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33563793A Expired - Lifetime JP3450398B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | タイヤ表面へのヘアライン形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3450398B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1178431A (ja) * | 1997-09-05 | 1999-03-23 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | スタッドレスタイヤ |
WO2004005051A1 (ja) * | 2002-07-05 | 2004-01-15 | The Yokohama Rubber Co.,Ltd. | 氷雪路用空気入りタイヤ |
ITTO20120352A1 (it) * | 2012-04-20 | 2013-10-21 | Bridgestone Corp | Striscia di battistrada per un pneumatico e corrispondenti metodo ed impianto di produzione |
JP2018086423A (ja) * | 2005-02-18 | 2018-06-07 | アイロボット コーポレイション | 清掃ロボット |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33563793A patent/JP3450398B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH1178431A (ja) * | 1997-09-05 | 1999-03-23 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | スタッドレスタイヤ |
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US7438100B2 (en) | 2002-07-05 | 2008-10-21 | They Yokohama Rubber Co., Ltd. | Pneumatic tire for ice-bound or snow-covered road |
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ITTO20120352A1 (it) * | 2012-04-20 | 2013-10-21 | Bridgestone Corp | Striscia di battistrada per un pneumatico e corrispondenti metodo ed impianto di produzione |
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---|---|
JP3450398B2 (ja) | 2003-09-22 |
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