JPH07195080A - 殺菌水製造装置 - Google Patents

殺菌水製造装置

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JPH07195080A
JPH07195080A JP1398394A JP1398394A JPH07195080A JP H07195080 A JPH07195080 A JP H07195080A JP 1398394 A JP1398394 A JP 1398394A JP 1398394 A JP1398394 A JP 1398394A JP H07195080 A JPH07195080 A JP H07195080A
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water
electric conductivity
electrolytic cell
electrolytic
control unit
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JP1398394A
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Hiroshi Hori
博 堀
Minoru Tamura
稔 田村
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Corona Kogyo Corp
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Corona Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用環境が変わって流入する水が冷水から温
水になっても殺菌力のある水を排出する。 【構成】 殺菌水製造装置は水に通電する電解槽1と、
電解槽1の電源7と、電解槽1の水に電解物質を添加す
る供給ポンプ5と、水の電気導電率を検出する導電率セ
ンサと、供給ポンプ5の運転を制御するコントロールユ
ニット6と、水温を検出する温度センサ8とを備える。
コントロールユニット6は水温に対する電気導電率変化
関数を記憶している。コントロールユニット6は、入力
される温度センサ8の出力と電気導電率変化関数を演算
して、温度補正した状態で供給ポンプ5の運転を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電解物質を添加した水
に通電して殺菌水とする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】殺菌力を有する水を生成する装置とし
て、水に通電して酸性水とアルカリ水とに分離する装置
が開発されている。この装置の概略を図1の断面図に示
す。この装置は、水を酸性水とアルカリ水とに分離する
電解槽1を備えている。電解槽1は、内部に対向する電
極2がある。電極2の間はセパレータ3で区画される。
セパレータ3は、酸性水とアルカリ水とに分離された水
が混合するのを防止するもので、イオンを通過させて、
水を自由に通過させない微多孔膜である。
【0003】この装置は、電解槽1に流入される水に通
電すると、+電極2の近傍に塩素イオン等の−イオンが
集まって酸性水となり、−電極2の近傍にはナトリウム
やカルシウム等の+イオンが集まってアルカリ水とな
る。酸性水とアルカリ水のpHは、電極2間の電流の大
きさで変化する。電流を大きくすると、酸性水のpHは
小さく、アルカリ水のpHは大きくなる。すなわち、電
極2に大きな電流を流すと、強い酸性水とアルカリ水と
に分離できる。強い酸性水とアルカリ水は殺菌力が強
く、ほとんど瞬時に水を滅菌する。さらに、この装置
は、+電極2の近傍で殺菌力の強い残留塩素ができる。
+電極2が塩素イオンの−電荷をとって2Cl-→Cl2
に変化させるからである。
【0004】図1に示す装置は、水の酸性とアルカリ性
とを強くするために、供給ポンプ5で塩化ナトリウム等
の電解物質を添加して電解槽1に供給する。電解物質を
添加した水は電気抵抗が小さく、電極間の電流が増加し
て、酸性水のpHが低下し、アルカリ水のpHが大きく
なって強い酸性水とアルカリ水とに分離できる。強酸性
水と強アルカリ水は、殺菌力が強くなる。また、電極間
の電流を増加させると、塩素イオンからCl2となる量
が増加して残留塩素量が多くなって殺菌力が強くなる。
さらに、酸性水とアルカリ水の酸化還元電位が大きくな
る。酸化還元電位を大きくすることも、水の殺菌力を増
加させることに効果がある。また、電極間電流を増加す
ると、水に含まれる酸素や塩素が遊離されて、発生基の
酸素や塩素ができ、これらも殺菌力を増加させる。
【0005】このように、電解物質を添加して電気の流
れやすい水とし、この水を電解槽に流入させて、電極間
の電流を増加させることは、水の殺菌力を強くすること
に効果がある。このことは、殺菌水製造装置にとって極
めて大切なことである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このようにして使用さ
れる殺菌水製造装置は、水に塩化ナトリウムを添加して
水の残留塩素濃度を40ppm±10ppmの範囲に制
御して充分に殺菌力のある水とすることができる。排出
する水の残留塩素濃度を40ppmとするためには、電
解槽に流入させる水の塩化ナトリウム濃度を約1000
ppmとする必要がある。電解槽の塩化ナトリウム濃度
が排出される水の残留塩素濃度を変化させるからであ
る。電解槽の塩化ナトリウム濃度を一定に制御するため
に、供給ポンプ5の運転をコントロールユニット6で制
御している。コントロールユニット6は、電解槽1の電
気導電率を測定し、電気導電率が所定値になるように供
給ポンプ5の運転を制御している。電気導電率で供給ポ
ンプ5の運転を制御するのは、塩化ナトリウム濃度が電
気導電率のパラメーターであるからである。
【0007】このようにして供給ポンプ5の運転を制御
する装置は、電解物質の添加量を制御して電解槽1の塩
化ナトリウム濃度を設定値に調整でき、電解槽1から排
出される残留塩素濃度を一定の範囲とすることができ
る。しかしながら、この装置を実際に使用すると、使用
環境によって排出される水の残留塩素濃度は大幅に変動
した。残留塩素濃度が変化すると、水の殺菌力が著しく
低下することがある。この種の装置は、主として医療関
係や食品関係に殺菌用の水として使用される。このた
め、排出される水が充分な殺菌力を有することが特に大
切である。にもかかわらず、従来の装置は、使用する環
境によって水の殺菌力が著しく低下した。最初、本発明
はその原因が究明できなかった。電解槽の電気導電率を
一定に制御して塩化ナトリウム濃度を正確に調整し、電
解槽の電流を定電流電源でもって一定に制御するにもか
かわらず、排出される水の殺菌力が大幅に変動したから
である。
【0008】その原因を究明するために、種々の実験を
繰り返した。電解槽の電気導電率を一定に制御して電極
電流を一定に制御しても、排出される水の残留塩素濃度
は大幅に変動した。さらに実験を繰り返した結果、その
原因は水の電気導電率が温度によっては大幅に変動する
ことにあることを究明した。水温に対する水の電気導電
率は図2に示すように大幅に変動し、温度が上昇するに
したがって、電気導電率は著しく大きくなる。この図は
塩化ナトリウム濃度が1000ppmである水の電気導
電率の変化を示している。
【0009】こまったことに、医療関係で殺菌水製造装
置を使用するとき温水を使用することがある。手の毛孔
を開いて充分に殺菌するためにである。たとえば40℃
に加熱された温水は、2750μS/cmと極めて高く
なる。15℃の水では1700μS/cmと著しく低下
する。水の電気導電率を測定して塩化ナトリウムの添加
量を制御する従来の装置は、水の温度が高くなって電気
導電率が高くなるとまちがって塩化ナトリウムの添加量
を少なくしてしまう。塩化ナトリウムを添加して電気導
電率が高くなったと判断するからである。したがって、
この装置は使用する環境が変わって水温が変化すると、
殺菌力が著しく変化してしまう欠点がある。
【0010】本発明はさらにこの欠点を解決することを
目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、
使用環境が変わってもつねに殺菌力のある水を排出でき
る殺菌水製造装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の殺菌水製造装置
は、前述の目的を達成するために下記の構成を備える。
殺菌水製造装置は、電解物質を添加した水に通電する電
極2を備える電解槽1と、この電解槽1の電極2に電圧
を印加する電源7と、電解槽1に流入される水に電解物
質を添加する供給ポンプ5と、供給ポンプ5で電解物質
を添加して水の電気導電率を検出する導電率センサと、
導電率センサの出力で供給ポンプ5の運転を制御して電
解槽1に流入される水に含まれる電解物質の濃度を設定
値に制御するコントロールユニット6と、電解槽1で通
電される水の水温を検出する温度センサ8とを備える。
【0012】さらに、コントロールユニット6は、水温
が変化しても電解槽1の電解物質濃度を一定に調整でき
るように、水温に対する電気導電率変化関数をメモリに
記憶している。コントロールユニット6は、入力される
温度センサ8の出力と電気導電率変化関数を演算して、
温度補正した状態で供給ポンプ5の運転を制御する。
【0013】
【作用】本発明の殺菌水製造装置は、排出される水の殺
菌力を設定値とするために電解物質の添加量を制御す
る。電解物質に、塩化ナトリウムのように水に溶解され
て塩素イオンを放出する塩素化合物を使用する場合、残
留塩素濃度を設定値に調整して殺菌力を一定にできる。
排水の残留塩素濃度は、電解槽1に流入させる水の電解
物質濃度で変化する。電解槽1の電解物質濃度を高くす
ると、排水の残留塩素濃度も高くなる。排水の残留塩素
濃度を一定にするためには、電解槽1に流入させる電解
物質の濃度を設定値に制御する。電解槽1の電解物質の
濃度は、コントロールユニット6が供給ポンプ5の運転
を制御して調整される。電解槽1の電解物質濃度が設定
値よりも低くなると、コントロールユニット6は供給ポ
ンプ5の運転を速くして電解物質供給量を多くする。反
対に、電解槽1の電解物質濃度が設定値よりも高くなる
と、供給ポンプ5の運転を遅くして、電解物質の供給量
を少なくする。電解槽1に供給される水の電解物質濃度
は、水の電気導電率によって変化する。電解物質濃度が
高くなると、水の電気導電率は高くなって電気が流れや
すくなる。水の電気導電率は導電率センサで検出され、
導電率センサは検出信号をコントロールユニット6に入
力する。導電率センサは特別に設けることもできるが、
電解槽1の電極2に印加する電圧と電流から計算するこ
とができる。水の電気導電率は、下記の式で計算できる
からである。 電気導電率=K×(電流÷電圧) ただし、この式においてKは電極面積、形状、電極間隔
によって決まる定数である。コントロールユニット6が
供給ポンプ5の運転を制御して、電解槽1の水の電気導
電率を一定に制御すると、電解槽1の電解物質濃度は一
定になる。
【0014】ただし、この状態にできるのは、水温が一
定のときに限られる。水温が変化すると水の電気導電率
が大きく変化するからである。水温が上昇すると、水は
電気が流れやすくなって電気導電率が高くなる。水温に
よる電気導電率の変化は、図2に示すように相当に大き
い。本発明の殺菌水製造装置は、水温が変化すると電気
導電率が変化する関数をコントロールユニット6のメモ
リに記憶させている。コントロールユニット6は、温度
センサ8から入力される水温信号を演算して、電気導電
率の制御値を補正する。温度が高くなると、電解物質濃
度が一定であっても水の電気導電率が高くなるので、電
気導電率の制御値を高く補正する。反対に温度が低下す
ると電気が流れ難くなるので、電気導電率の制御値を低
く補正する。
【0015】たとえば、水温が10℃から45℃になる
と水の電気導電率は2倍になる。したがって、45℃の
ときの電気導電率は、10℃のときの電気導電率の2倍
に補正する。本発明の殺菌水製造装置は、水温によって
電気導電率の制御値を補正するので、水温が変化しても
排水の殺菌力は変化しない。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想
を具体化するための殺菌水製造装置を例示するものであ
って、本発明の殺菌水製造装置は、構成部品の材質、形
状、構造、配置、使用方法等を下記のものに特定するも
のでない。本発明の殺菌水製造装置は、特許請求の範囲
を逸脱しない範囲で変更することができる。
【0017】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、「作用の欄」、および
「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付
記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、
実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0018】図3に示す殺菌水製造装置は、電解槽1
と、電源7と、供給ポンプ5と、導電率センサと、コン
トロールユニット6と、温度センサ8とを備える。
【0019】電解槽1は、水密構造のケーシングに、対
向して板状の電極2を配設している。電極2は、耐久性
を持たせるために、チタンの表面に白金の薄膜を積層し
たものである。電極2の間にセパレータ3を配設し、電
解槽1の内部をふたつのイオン水路10に区画してい
る。イオン水路10は酸性水路とアルカリ水路である。
イオン水路10を区画するセパレータ3は、イオンを通
過させて、水の自由な通過を阻止する微多孔膜である。
イオン水路10は+電極2側を酸性水路とし、−電極2
側をアルカリ水路とする。電極2は直流電源7に接続さ
れる。一方の電極2が電源7の+側に接続されるとき、
他方の電極2は電源7の−側に接続される。電極2は、
一定の周期で、+−を逆に接続する。電極2の表面に異
物が付着するのを防止するためである。
【0020】図3に示す電解槽1は、セパレータ3を使
用して、酸性水路とアルカリ水路とに区画し、酸性水と
アルカリ水とを別々に排出する。電解槽1の排出側には
切換弁A、Bを接続している。切換弁AとBは一方を開
いて他方を閉じる。切換弁AとBは、電極2の+−と一
緒に切り換えられる。電極2の+−を切り換えても、ア
ルカリ水と酸性水とを同じように排水するためである。
【0021】ただ、本発明の装置は、酸性水とアルカリ
水とを混合して排水することもできる。この装置は、電
解槽の上部に、酸性水とアルカリ水の混合部(図示せ
ず)を設ける。混合部はセパレータで区画されない部分
で、酸性水とアルカリ水とを混合して排水する。混合部
は必ずしも電解槽の一部に設ける必要はない。酸性水と
アルカリ水とを混合して1本のホースや配管等で排出す
ることもできる。
【0022】電解槽1の電極2に電力を供給する電源7
は、直流電源7である。出力電圧は、電極間に、例えば
10〜100Aの電流を流すことができる電圧に設定さ
れる。電源7は電極2に設定された一定の電流を流すこ
とができる定電流電源7である。排水の残留塩素濃度を
設定値とするために、電極2には設定された電流を流す
必要がある。電流が少ないと、塩素イオンから−電荷を
奪い取って残留塩素にできる量が少なくなるからであ
る。電極電流は電解槽1の電解物質濃度によって最適値
に調整される。電解物質濃度を高くするときに電極電流
を大きくする。水に多量の塩素イオンが含まれるとき
に、大電流を流して多量の塩素イオンを残留塩素とする
ためである。電源7には必ずしも定電流電源7を使用す
る必要はなく、たとえば、電解槽の電解物質濃度によっ
て電極電流を制御するようにしてもよい。
【0023】電源7は出力電圧を変えて電極電流を調整
する。出力電圧を高くすると電極電流は大きくなる。電
極電流を大きくすると、より多くの塩素イオンを残留塩
素とすることができる。ただ、電解物質濃度が低いとき
に電極電流をむやみに大きくすると、塩素イオンを残留
塩素にする効率が低下する。したがって、電極電流は電
解物質濃度が最適な値に調整される。電極電流は酸性水
とアルカリ水のpHも変化させる。電極電流を大きくす
ると、酸性水のpHは小さく、アルカリ水のpHは大き
くなって、より強い酸性とアルカリ性になる。
【0024】供給ポンプ5は、供給タンク4に蓄える電
解物質の溶解水を電解槽1に供給する。供給ポンプ5の
運転はコントロールユニット6に制御される。コントロ
ールユニット6は、導電率センサと温度センサ8の入力
とを演算して、供給ポンプ5の運転を制御する。導電率
センサは、電解槽1の電極2の電気抵抗を測定して、水
の電気導電率を検出する。図3に示す殺菌水製造装置
は、温度センサ8を電解物質を添加するよりも流入側に
連結している。ここに連結する温度センサ8は、電解物
質を添加した水が通過しない。このため、電解物質が付
着して測定精度を低下することがない。ただ、本発明の
装置は、温度センサが電解槽で電離する水温を検出すれ
ばよいので、電解槽よりも流入側に、電解槽の内部に、
あるいは電解槽の排出側に連結することもできる。
【0025】供給タンク4は、塩化ナトリウム等の電解
物質を水に溶解して蓄えるタンクである。供給タンク4
は、所定量の水と電解物質とを入れることができるよう
に、上に開閉できるフタ(図示せず)を有する。供給タ
ンク4には、好ましくは、電解物質を飽和状態に溶融し
て蓄える。飽和状態に電解物質を蓄えるには、水を入れ
た供給タンク4に、溶融量よりも多量の電解物質を供給
する。供給タンク4の水が少なくなると、補給し、電解
物質が水に溶解してなくなると供給する。供給タンク4
に、電解物質を飽和状態で溶解させておくと、供給ポン
プ5は供給タンク4から少量の電解物質溶解水を添加し
て、水の導電率を高く調整できる。
【0026】供給ポンプ5は、電解槽1に供給する水の
電解物質濃度を一定とするように、コントロールユニッ
ト6で運転が制御される。供給ポンプ5が、供給タンク
4から多量の電解物質溶解水を供給すると、電解槽1に
流入される水の電気導電率が高くなって電解物質濃度も
高くなる。反対に供給ポンプ5の流量を少なくすると、
電解槽1の水の導電率は低くなって電解物質濃度は低く
なる。
【0027】コントロールユニット6は、電解槽1に流
入する水の導電率を設定値とするように、供給ポンプ5
の運転を制御する。電解槽1に流入する水の電気導電率
を検出する導電率センサは、電解槽1の電極2電圧と電
極電流を検出して電気導電率を演算する。この構造の装
置は、電解槽1を導電率センサに併用する。導電率セン
サは、[電極電流÷電極電圧]を計算し、これに定数を
かけて水の電気導電率を演算する。定数は電極構造で決
まり、電極面積を大きくして電極間隔を狭くすると大き
くなる。この計算式で電解槽1の水の電気導電率を検出
し、電気導電率を設定値とするようにコントロールユニ
ット6が供給ポンプ5の運転を制御する。
【0028】電解槽1に流入する水の電気導電率が設定
値よりも低くなると、コントロールユニット6は供給ポ
ンプ5の回転数を速く調整する。供給ポンプ5の回転数
が速くなると、電解槽1に多量の電解物質溶解水が供給
されて、水の導電率は高くなる。反対に、電解槽1の水
の導電率が高くなると、コントロールユニット6は供給
ポンプ5の回転を遅くして、水の導電率を低く調整す
る。
【0029】さらにコントロールユニット6は、電気導
電率の設定値を水温で補正する。水温が変化すると電気
導電率が変化するからである。コントロールユニット6
は、水温に対する電気導電率変化関数をメモリに記憶し
ている。電気導電率変化関数は、水温が高くなると電気
導電率が高くなる関数である。図2は電解物質である塩
化ナトリウムを1000ppmとしたときの、温度に対
する電気導電率の変化を示している。この図に示すよう
に、電気導電率は温度が高くなると、ほぼ直線的に大き
くなる。コントロールユニット6は、設定する電解物質
の濃度に対する電気導電率の温度関数を記憶している。
たとえば、電解物質の濃度を1000ppmに設定する
とき、コントロールユニット6は温度センサ8の信号を
演算して、図2に示すグラフに補正する。温度センサ8
が温水温度を15℃と検出すると、コントロールユニッ
ト6は電気導電率の設定値を1700μS/cmとし、
水温が40℃に上昇すると電気導電率を2750μS/
cmに補正する。コントロールユニット6は検出する水
温によって、設定する電気導電率を演算して補正する。
【0030】図2に示すように、水の電気導電率は温度
(T)が高くなるとほぼ直線的に変化する。直線的に変
化する電気導電率(D)は下記の1次関数で記憶され
る。 D=aT+b この式においてaとbは常数で、電解物質濃度と電解物
質の種類によって決まる。コントロールユニット6は、
この式のaとbの値をメモリに記憶しており、温度が入
力されると、設定値である電気導電率を計算する。この
ように、電気導電率を直線に近似させると、コントロー
ルユニット6はメモリの記憶容量を小さくして、設定値
である電気導電率を計算できる。ただ、コントロールユ
ニット6は、全ての温度と電解物質濃度に対する電気導
電率を記憶し、記憶数値から設定値を演算できるのは言
うまでもない。
【0031】コントロールユニット6は、温度センサ8
と導電率センサの入力を演算して供給ポンプ5の運転を
制御し、電解槽1に流入される水の電解物質濃度を20
0〜3000ppmの範囲に制御する。水は、電解物質
濃度にほぼ比例して水の電気導電率が増加する。したが
って、コントロールユニット6は、水の温度と要求され
る電解物質濃度から電気導電率の設定値を演算し、この
設定値になるように供給ポンプ5の運転を制御する。
【0032】以上の実施例は電解物質に塩化ナトリウム
を使用する。塩化ナトリウムは水に溶解されると塩素イ
オンとナトリウムイオンに電離する。電離した水に通電
すると、塩素イオンは−電荷が奪われて残留塩素とな
る。残留塩素は殺菌力があるので殺菌水となる。塩化ナ
トリウムは安価で入手が簡単であるので、これを使用す
ると便利に使用できる。ただ、本発明の殺菌水製造装置
は使用する電解物質を塩化ナトリウムに特定しない。電
解物質には水に溶解して電離し、電離したイオンに通電
すると殺菌力が発生するすべてのもの、たとえば、塩化
カルシウムや塩化マグネシウム等のハロゲンの塩も使用
できる。
【0033】さらに図3に示す殺菌水製造装置は、供給
ポンプ5の排出側を逆止弁9を介して電解槽1に連結し
ている。逆止弁9の流入側は流量センサー11と、元弁
12と、減圧弁13と、フィルター14とを介して水道
水の配管に連結している。流量センサー11の流入側を
分岐して、給水弁15を介して供給タンク4に連結して
いる。給水弁15はコントロールユニット6に制御され
て、給水タンクに水レベルを一定に保持する。コントロ
ールユニット6は、給水タンクのレベルセンサー16の
信号で給水弁を開閉する。水道水は、フィルター14と
減圧弁13と元弁12と流量センサー11と逆止弁9を
通過して、電解槽1に流入される。元弁12もコントロ
ールユニット6に制御される。
【0034】図に示す装置は、アルカリ水をアルカリ水
タンク(図示せず)に、酸性水を酸性水タンク(図示せ
ず)に蓄え、必要なときに酸性水とアルカリ水とを使用
する。タンクの酸性水とアルカリ水のレベルが設定値よ
りも少なくなると、酸性タンクセンサーとアルカリタン
クセンサーが”低レベル”信号をコントロールユニット
6に出力し、コントロールユニット6は元弁12を開い
て電解槽1に水道水を流入する。こときに、電極2にも
所定の電圧を加えて流入する水に通電する。したがっ
て、電解槽1から酸性水とアルカリ水とが排出されたタ
ンクに蓄えられる。タンクの酸性水とアルカリ水のレベ
ルが設定値まで上昇すると、元弁を閉じるととともに、
電解槽1の電極2の電圧を0Vとする。
【0035】以上のように、酸性水とアルカリ水とをタ
ンクに蓄える装置は、能力の小さい装置を使用して、一
時に多量の酸性水とアルカリ水とを使用できる特長があ
る。連続的に酸性水とアルカリ水とを製造して、一時に
使用できるからである。
【0036】
【発明の効果】本発明の殺菌水製造装置は種々の環境に
使用されて優れた殺菌力のある水を排水できる。とく
に、常温と加熱された温水を流入させて、優れた殺菌力
の水を排水できる。それは本発明の殺菌水製造装置が、
水温に対する電気導電率の変化関数をコントロールユニ
ットに記憶し、電解槽に流入される水温を温度センサで
検出し、水温によって最適な電気導電率をコントロール
ユニットに演算させ、演算結果で供給ポンプの運転を制
御しているからである。
【0037】したがって、本発明の殺菌水製造装置は、
常温の水道水は言うにおよばず、手術するときに手を洗
う温水にも有効に利用できる。さらに、食品工場におい
ても、冷水から温水まで全ての温度範囲に水に使用し
て、優れた殺菌力のある水として使用できる特長があ
る。とくに、本発明の殺菌水製造装置は、冬期と夏期に
おいて使用する水温が相当に変化しても、優れた殺菌力
の水を排出できる特長がある。とくに、細菌の繁殖が活
発になる夏期において殺菌力が低下することがなく、年
間を通じて優れた殺菌力の水を排出できる特長がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の殺菌水製造装置の一例を示すブロック線
【図2】1000ppmの塩化ナトリウムを溶解した水
の電気導電率が温度で変化する様子を示すグラフ
【図3】本発明の一実施例にかかる殺菌水製造装置の一
例を示す回路図
【符号の説明】
1…電解槽 2…電極 3…セパレータ 4…供給タンク 5…供給ポンプ 6…コントロールユニット 7…電源 8…温度センサ 9…逆止弁 10…イオン水路 11…流量センサー 12…元弁 13…減圧弁 14…フィルター 15…給水弁 16…レベルセンサー

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解物質を添加した水に通電する電極を
    備える電解槽(1)と、この電解槽(1)の電極(2)に電圧を
    印加する電源(7)と、電解槽(1)に流入される水に電解物
    質を添加する供給ポンプ(5)と、供給ポンプ(5)で電解物
    質を添加して水の電気導電率を検出する導電率センサ
    と、導電率センサの出力で供給ポンプ(5)の運転を制御
    して電解槽(1)に流入される水に含まれる電解物質の濃
    度を設定値に制御するコントロールユニット(6)と、電
    解槽(1)で通電される水の水温を検出する温度センサ(8)
    とを備え、前記のコントロールユニット(6)は水温に対
    する電気導電率変化関数を記憶しており、コントロール
    ユニット(6)が入力される温度センサ(8)の出力を電気導
    電率変化関数で補正して供給ポンプ(5)の運転を制御し
    て温度変化による電解物質濃度の変動を防止するように
    構成された殺菌水製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007061766A (ja) * 2005-09-01 2007-03-15 Hoshizaki Electric Co Ltd 電解水生成装置
JP2008167963A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Sanyo Electric Co Ltd 空気除菌装置
KR20180126684A (ko) * 2017-05-18 2018-11-28 탁효성 식품이나 의료용 기기의 살균장치 및 살균장치의 이용방법

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JP2008167963A (ja) * 2007-01-12 2008-07-24 Sanyo Electric Co Ltd 空気除菌装置
KR20180126684A (ko) * 2017-05-18 2018-11-28 탁효성 식품이나 의료용 기기의 살균장치 및 살균장치의 이용방법

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