JPH07194086A - モーター - Google Patents

モーター

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Publication number
JPH07194086A
JPH07194086A JP5332875A JP33287593A JPH07194086A JP H07194086 A JPH07194086 A JP H07194086A JP 5332875 A JP5332875 A JP 5332875A JP 33287593 A JP33287593 A JP 33287593A JP H07194086 A JPH07194086 A JP H07194086A
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JP
Japan
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magnetic
stator
magnetic flux
rotor
magnetic pole
Prior art date
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Application number
JP5332875A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunsaku Nakauchi
俊作 中内
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Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd
Original Assignee
Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd filed Critical Kokusai Gijutsu Kaihatsu Co Ltd
Priority to JP5332875A priority Critical patent/JPH07194086A/ja
Publication of JPH07194086A publication Critical patent/JPH07194086A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小さい負荷を小電力で駆動することができる
と共に低回転でも高効率駆動でき、永久磁石を利用した
省電力型モーターを得る。 【構成】 同期モーター10の永久磁石16による磁束
は実線矢印40A〜40Dとなり、位相のずれた2相の
交流で励磁される励磁コイルにより生成される磁束は、
点線矢印42A〜42Dのように流れる。励磁コイル2
0による磁束は磁気抵抗の高い永久磁石16を通らずに
ローター12とステーター14A〜14Dの各々を通
る。また、ステーターの磁極とローター12の磁極26
との間の間隙では永久磁石による磁束と励磁コイル20
による磁束が重畳され、ステーターが有する磁極の一方
では永久磁石及び励磁コイル20の磁束が加算され、他
方の磁極では永久磁石及び励磁コイル20の磁束が減算
され、ローター12が所定方向(矢印R方向)に回転す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モーターにかかり、特
に小さい負荷を小電力で駆動可能でかつ低回転でも駆動
可能なモーターに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
モーターとして、小型直流モーターは、周知のように永
久磁石により生起された磁界中にコイルが巻かれた可動
鉄心を位置させて、コイルに電流を流すことによって生
起される磁界の作用により可動鉄心を回転させるもので
ある。この小型直流モーターは回転トルクが微小なため
に、略数千回転/分の高速回転時に回転トルク等の安定
した出力が得られるものである。従って、ギヤ等の減速
装置を用い所望の回転数にまで減速させることによって
所定回転数で回転される出力トルクを得ていた。このた
め、モーターは、略数百回転/分の低速回転で用いると
きであっても、モーターの直接の出力軸に所定ギヤ比に
よる減速装置を取り付けて最終的な出力軸が低速回転す
るように設定されている。
【0003】このように、所定回転数で回転させるとき
のモーターには減速装置が必要となり、一般的には効率
悪化を生じるので略50%以下の効率であった。このよ
うなモーターを携帯用の電気機器に用いたときには効率
が悪いために、必要以上に電力を消費し電池の寿命が短
時間になるという欠点があった。
【0004】本発明は、上記事実を考慮して、小さい負
荷を小電力で駆動することができると共に低回転でも高
効率駆動でき、永久磁石を利用した省電力型モーターに
好適な、モーターを得ることが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のモーターは、各々磁極を生成するための所定
間隔を隔てて配置された1組の突起部を有する磁性体で
形成された複数の固定磁極と、複数の突出部が等間隔を
隔てて形成され、少なくとも1つの該突出部が前記突起
部の少なくとも1つと対応して向き合うように回転可能
に配置された磁性体で形成された回転手段と、前記固定
磁極の1組の突起部を通過する磁束の向きが同一方向と
なるように配設されると共に前記固定磁極の前記回転手
段と反対側の各々の部位に配設され、前記突起部と該突
起部に対応する突出部との間の間隙に磁束を通過させる
永久磁石と、前記複数の固定磁極の各々が配設された各
々の永久磁石の反対側に配設された継鉄と、前記固定磁
極の一方の突起部と該突起部に対応する突出部との間で
は前記磁束と加算される方向に通過する磁束を形成する
と共に、他方の突起部と該突起部に対応する突出部との
間では前記磁束と減算される方向に通過する磁束を形成
する複数の励磁コイルと、を備えている。
【0006】また、前記モーターは、回転手段の隣り合
う突出部の間隔をP、前記固定磁極の各々の1組の突起
部の間隔をP1 、隣り合う固定磁極について隣り合う突
起部の間隔をP2 、n,mを整数とするときに、以下の
関係を満たすようにすることが好ましい。
【0007】P1 =(n+0.5)P P2 =(m±0.25)P
【0008】
【作用】本発明のモーターは、各々磁極を生成するため
の所定間隔を隔てて配置された1組の突起部を有する磁
性体で形成された複数の固定磁極を備えている。この突
起部の少なくとも1つは、回転手段の少なくとも1つの
突出部と向き合うことができ、回転手段は、所定間隔を
隔てて複数の突出部が形成され、回転可能に配置されて
いる。回転手段は、磁性体で形成されている。永久磁石
は、固定磁極の1組の突起部を通過する磁束の向きが同
一方向となるように配設されると共に前記固定磁極の回
転手段と反対側の各々の部位に配設され、突起部と該突
起部に対応する突出部との間の間隙に磁束を通過させ
る。複数の固定磁極の各々が配設された各々の永久磁石
の反対側には継鉄が配設されている。従って、永久磁石
からの磁束は固定磁極を通過し回転手段へ至り、この回
転手段から他の固定磁極を介して永久磁石へ戻り、継鉄
を介して他の永久磁石へと至る、永久磁石の磁束による
磁路が形成される。複数の励磁コイルは、固定磁極の一
方の突起部と該突起部に対応する突出部との間では磁束
と加算される方向に通過する磁束を形成すると共に、他
方の突起部と該突起部に対応する突出部との間では磁束
と減算される方向に通過する磁束を形成する。
【0009】従って、励磁コイルによる磁束は磁気抵抗
の高い永久磁石を通らずに磁気抵抗の小さい軟磁性体等
で形成された回転手段(以下、ローターという)と固定
磁極(以下、ステーターという)を通る。ローターには
ステーターの突起部の磁極の幅に適応した幅の突起した
磁極が形成されている。また、ステーターの磁極とロー
ターの磁極との間の間隙には永久磁石による磁束と励磁
コイルによる磁束を重畳して通す。ステーターには、少
なくとも2つの突起部を構成する一対の磁極を持つ一組
のステーターを、複数組もっている。このステーターは
ローターの磁極と狭いギャップを置いて対向してロータ
ーの回転方向に分布する。例えば、永久磁石は、ステー
ターの突起部と反対側の底部に一つの極を付け他の極は
軟磁性体でできた継鉄を介して他の永久磁石の極と繋が
っている。従って、永久磁石の1つの極を出た磁束は、
このステーターの突起部を構成する二つの磁極に別れて
通り、ローターに至り、ローターから他のステーターの
突起部である磁極を通り他の永久磁石を介して継鉄を通
り他の極へ戻るような磁気回路を構成する。励磁コイル
による磁束もこの二つの磁極に別れて通る。ところが、
励磁コイルによる磁束は、ステーターからローターに至
り、ローターから同一のステーターの突起部である磁極
へ戻る磁気回路を構成し、永久磁石を通過するような磁
気回路を構成しない。従って、ステーターの一方の磁極
では永久磁石の磁束と励磁コイルによる磁束が加算さ
れ、他方の磁極ではこの二つの磁束が減算される。
【0010】周知のように、ステーターである固定磁極
と可動鉄心との間の間隙を通してその移動方向と直交す
るように磁束を通すと、可動鉄心は固定磁極に引き込ま
れ、吸引力は、間隙の磁束密度の2乗に比例する。本発
明はこの原理を利用している。
【0011】本発明のように2つの突起部を有するステ
ーターの、一方の突起部では永久磁石の磁束と励磁コイ
ルの磁束が加算され他方の突起部では減算されるように
すれば、一方の磁極の吸引力が他方のそれを上回るよう
になり、ローターは一方の方向に吸引される。この吸引
力は次の式で示される。
【0012】 F=U・B0 ・t + U2 ・t・X/4σ 但し、U :励磁コイルの起磁力 B0 :永久磁石による磁束密度 t :磁極の厚さ X :ローターの位置で決定される量 σ :ギャップ
【0013】ここで、ローターの位置で決定される量X
について、ローターの振れる長さを±aとすると、X=
+aは引き始めのトルクを示し、X=−aは引き終わり
のトルクを示し、中央の位置ではX=0であり第2項は
0となり、第1項だけでトルク決定がなされる。上記の
式では、励磁コイルの起磁力Uによる磁束密度が永久磁
石による磁束密度B0 より十分小さい場合には、第2項
は無視できる。
【0014】本発明では、無通電時には永久磁石による
各磁極への磁束密度が略同じであるから、磁極の形で多
少の差はあるが、基本的にはトルクは働かずローターは
任意の位置にとまる、所謂無安定状態になる。
【0015】また、2つの突起部を有するステーターの
一組でローターを移動させることができるが、その移動
量は静的にはステーターの突起部の移動方向の幅で制限
される。このローターの移動時の慣性を利用してタイミ
ングよく励磁電流の方向を切り替えてやると、一方、方
向に長く回転できるが、安定性が悪く、振動状態になる
欠点を含んでいる。
【0016】この欠点は、2組以上のステーターをロー
ターの磁極に対して位相を変えて配置し、その間の励磁
のタイミングを取ることにより除去され、安定的に回転
させることができるようになる。
【0017】また、請求項2に記載したように、回転手
段の隣り合う突出部の間隔をP、固定磁極(ステータ
ー)の各々の1組の突起部の間隔をP1 、隣り合う固定
磁極(ステーター)について隣り合う突起部の間隔をP
2 、n,mを整数とするときに、 P1 =(n+0.5)P P2 =(m±0.25)Pの関係を満たすようにすれ
ば、90度の位相差を有する2相交流で安定的に回転さ
せることができる。この場合、ステーターの1組の突起
部の間隔P1 、隣り合うステーターの突起部の間隔P2
は各々1種類に限定されず、間隔の総数が間隔Pの整数
倍になればよい。
【0018】本発明では、2つのステーターに流す電流
をほぼ90度の位相差をもつ2相交流にし、それに対応
してステーターの間隔を定めることによって安定な回転
を得ることができる。すなわち、前記励磁コイルによっ
て生成される磁界が最大から最小になるような信号につ
いて90度位相が異なる2つの信号を生成する信号生成
手段と、前記励磁コイルの少なくとも1つに一方の信号
による電流を供給し、該励磁コイル以外の励磁コイルの
少なくとも1つに他方の信号による電流を供給する電流
供給手段と、を備えたモーター駆動装置を用意すればよ
い。
【0019】なお、ステーターの励磁電流の位相を入れ
替えることによって、回転方向を逆転することができ
る。また、組数を増やすことにより吸引力を向上させる
ことができる。さらに、ステーターとローターとの内外
の相対位置は逆転させてローターをステーターの内部に
置いたり、外部に置いたりすることができる。すなわ
ち、所謂アウターローター型とインナーローター型の2
つが可能である。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。第1実施例はアウターローター型のモー
ターに本発明を適用したものである。図1には、第1実
施例のアウターローター型の同期モーター10の回転軸
22と直交する断面を示した。
【0021】図1に示すように、同期モーター10は、
円筒状のローター12を有している。ローター12は、
回転軸22に沿う方向に所定幅の複数の溝を所定間隔で
形成することによる突出形状の複数の磁極26を有して
いる。本実施例では、ローター12の磁極26の間隔、
すなわち隣り合った2つの磁極26の中心から中心まで
の間隔(以下、ピッチpという)を等間隔に形成する。
また、1つの磁極26における最外周の回転方向の幅は
略0.5pにする。本実施例ではローター12は、円周
を13等分した長さに相当する間隔を磁極の1ピッチp
としている。なお、等分数は奇数である必要はない。1
8等分のように偶数でもよい。
【0022】ローター12の内部には、ステーター1
4、永久磁石16、継鉄18、励磁コイル20、及び回
転軸22が収納されている。ローター12の内部の略中
心軸付近には、回転軸22が位置しており、この回転軸
22は四角柱状の継鉄18の中心の軸受に取付けられて
いる。継鉄18の各々の周平面18A、18B、18
C、18Dには略平行平面状の永久磁石16A、16
B、16C、16Dの一方の面が取り付けられている。
永久磁石16A、16Cは周平面18A、18C側がS
極となるように取付けられ、永久磁石16B、16Dは
周平面18B、18D側がN極となるように取付けられ
ている。永久磁石16A、16B、16C、16Dの他
方の面には、断面コ字状のステーター14A、14B、
14C、14Dの背面が取り付けられている。このよう
に、各永久磁石16A〜16Dに対応してステーター1
4A〜14Dが配設され、ローター12の内部には、複
数(本実施例では4個)のステーターが収納されること
になる。
【0023】ステーター14Aにおける断面コ字状の2
つの片は、各々磁極24A、24aとして機能させるた
めのものであり、各磁極24A、24aには、励磁コイ
ル20が巻き付けられている。同様に、ステーター14
Bは磁極24B、24bを有して磁極24B、24bに
励磁コイル20が巻き付けられ、ステーター14Cは磁
極24C、24cを有して磁極24C、24cに励磁コ
イル20が巻き付けられ、ステーター14Dは磁極24
D、24dを有して磁極24D、24dに励磁コイル2
0が巻き付けられている。これらの励磁コイル20は、
駆動回路30(図2)に接続されている。
【0024】ステーター(固定磁極)の形状は以下のよ
うにして定めている。先ず、ステーターが有する磁極の
間隔p1を、p1=(n+0. 5)pと定める。但し、
nは任意の整数である。次に1つのステーターの磁極と
隣り合った他のステーターの磁極とのピッチp2を、p
2=(m±0. 25 )pと定める。本実施例ではn=
1、m=1に設定している。すなわち、ピッチp1は
1. 5pであり、ピッチp2は1. 75pである。図1
では、1. 5pで4カ所1. 75pで4カ所、合計ピッ
チは13pになっている。つまり13極になっている。
1個のモーターでnとmは1種類に限る必要はなく、合
計ピッチが整数となればよい。例えばピッチp1を2.
5p×4、ピッチp2を1. 75p×2と2. 25p×
2としても良い。この場合、合計ピッチは18pとな
り、ローターは18等分、即ち18極となる。
【0025】なお、本実施例の同期モーター10は、上
記の極数に限定されずに、6極以上の任意の極数のロー
ターを形成することができる。このため、目的に応じて
極数を自由に選択して形成すればよい。
【0026】また、ステーターの個数も本実施例のよう
に4個に限定されずに2個以上の任意の数、例えば8個
でも9個でも良い。なお、このステーターの個数は、偶
数個に設定することが好ましい。これは、2相交流で駆
動するから一つの相で駆動されるステーターの個数を倍
数(好ましくは同じ)にした方が回転が滑らかであるた
めである。
【0027】図2に示したように、本実施例の同期モー
ター10を回転駆動させる駆動回路30は、第1位相電
流供給回路32、第2位相電流供給回路34、及びこれ
らに接続された信号発生回路36から構成されている。
第1位相電流供給回路32には、ステーター14Aの磁
極24A、24aに巻き付けられた励磁コイル20、及
びステーター14Cの磁極24C、24cに巻き付けら
れた励磁コイル20に接続されている。同様に、第2位
相電流供給回路34には、ステーター14Bの磁極24
B、24bに巻き付けられた励磁コイル20、及びステ
ーター14Dの磁極24D、24dに巻き付けられた励
磁コイル20が接続されている。
【0028】信号発生回路36では最大から最小まで増
減する正弦波形の信号を生成し、第1位相電流供給回路
32へ出力すると共に、90度異なる位相の信号を第2
位相電流供給回路34へ出力する。従って、図3(a)
に示した時系列的に増減する励磁電流がステーター14
A,14Cに対応する励磁コイル20に供給され、図3
(b)に示した時系列的に90度異なる位相で増減する
励磁電流がステーター14B,14Dに対応する励磁コ
イル20に供給される。
【0029】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例の同期モーター10は、ステーターは8極になり、ロ
ーターは13極になっている。ステーター14A〜14
Dは4個の固定磁極として機能し、各々のステーターは
2個の突起部である磁極を有し、永久磁石16を介して
継鉄18に繋がっている。このため、永久磁石16によ
る磁束は図1の実線矢印40A〜40Dのように通って
いる。
【0030】また、励磁コイル20は、図3(a),
(b)に示した励磁電流が供給され、90度位相のずれ
た2相の交流で励磁される。すなわち、1つの相の励磁
電流は2つのステーター(ステーター14A及びステー
ター14C、すなわち、磁極24A及び磁極24a,磁
極24C及び磁極24c)に流れ、他の相の励磁電流は
他のステーター(ステーター14B及びステーター14
D、すなわち、磁極24B及び磁極24b,磁極24D
及び磁極24d)に流れる。正の励磁電流が供給された
励磁コイルにより生成される磁束は、ステーター14A
については点線矢印42Aのように(反時計方向に)流
れ、ステーター14Bについては点線矢印42Bのよう
に(反時計方向に)流れ、ステーター14Cについては
点線矢印42Cのように(時計方向に)流れ、ステータ
ー14Dについては点線矢印42Dのように(時計方向
に)流れる。但し、供給される励磁電流は交流であるか
ら、時間の経過とともに、大きさが変化すると共に点線
矢印の方向が転換する。
【0031】従って、励磁コイル20による磁束は磁気
抵抗の高い永久磁石16を通らずに磁気抵抗の小さい軟
磁性体等で形成されたローター12とステーター14A
〜14Dの各々を通る。また、ステーター14Aの磁極
24A、24aとローター12の磁極26との間の間隙
には永久磁石16による磁束と励磁コイル20による磁
束を重畳して通る。同様に、ステーター14Bの磁極2
4B、24bとローター12の磁極26との間の間隙、
ステーター14Cの磁極24C、24cとローター12
の磁極26との間の間隙、ステーター14Dの磁極24
D、24dとローター12の磁極26との間の間隙で
は、永久磁石16による磁束と励磁コイル20による磁
束が重畳される。
【0032】これによって、ステーターが有する磁極の
一方では永久磁石16の磁束と励磁コイル20の磁束が
加算され、他方の磁極では永久磁石16の磁束と励磁コ
イル20の磁束が減算される方向に流れる。このため加
算された一方の磁極の吸引力が減算された他方の磁極の
吸引力より大となり、所定方向(図1の矢印R方向)に
回転する。
【0033】すなわち、図1に示したローター12とス
テーター14A〜14Dの位置関係のときには、ステー
ター14A、14Cでは回転方向を決めることはでき
ず、ステーター14B、14Dにより回転方向が定まる
ことになる。すなわち、ステーター14A、14Cに対
するローター12の磁極26が均等に配分されているた
め、磁束が変化しても回転することがない。一方、ステ
ーター14B、14Dに対するローター12の磁極26
は、ステーターの内側または外側に略等しい間隔で位置
している。このため、磁束の変化によりステーター14
B、14Dの対応するローター12の磁極の一方を吸引
することになる。
【0034】詳細には、図3に示した時刻t1のときに
はステーター14A、14Cに属する励磁コイル20に
は最大励磁電流が供給されると共にステーター14B、
14Dに属する励磁コイル20には励磁電流が未供給で
ある。このため、図1のローター12とステーター14
A〜14Dの位置関係を維持する。時刻t1から時刻t
2までの時間には、ステーター14A、14Cに属する
励磁コイル20に供給される励磁電流が減少すると共
に、ステーター14B、14Dに属する励磁コイル20
に供給される励磁電流が増加する。従って、ステーター
14B、14Dに属する励磁コイル20により生起され
る磁束は、点線矢印42B、42Dの方向に増大する。
従って、ステーター14Bの磁極24Bとローター12
の磁極26との間の間隙では重畳されることにより磁束
が加算され、ステーター14Bの磁極24bとローター
12の磁極26との間の間隙では重畳されることにより
磁束が減算される。このため、磁極24Bとローター1
2の磁極26との間で増大する磁束によってローター1
2を時計方向(矢印R方向)に回転させる。同様に、ス
テーター14Dの磁極24dとローター12の磁極26
との間の間隙で重畳された磁束は増加し、ステーター1
4Dの磁極24Dとローター12の磁極26との間の間
隙で重畳された磁束は減少し、磁極24dとローター1
2の磁極26との間で増大する磁束によってローター1
2を時計方向(矢印R方向)に回転させる。
【0035】ローター12が回転し、時刻t2になった
ときには、各磁極は、磁極の幅の半分だけ移動したこと
になり、ステーター14B、14Dに属する励磁コイル
20には最大励磁電流が供給されると共にステーター1
4A、14Cに属する励磁コイル20には励磁電流が未
供給となる。従って、ステーター14A、14Cが回転
方向を決める役割を担うことになる。なお、このときス
テーター14A、14Cに流れている励磁電流が、ステ
ーター14B、14Dに流れている励磁電流に対して9
0度進んでいるか、或いは遅れているかによって回転方
向が決まる。従って、2相のつなぎ方によって、正回転
と、逆回転を選択することができる。
【0036】このように、1つの励磁コイル20に流れ
る電流は交流であるから、励磁コイル20による生起さ
れる磁束は、永久磁石16による磁束に加算されたり、
減算されたりする。従って、ステーターの一つの磁極は
時系列的には、ローター12を引き込んだり、送り出し
たりすることになる。この回転方向と励磁コイル20へ
供給する励磁電流のタイミングを間違えなければ、本実
施例のモーターは同期モーターとして回転する。また、
本実施例では、2相交流を用いているので、回転の切り
替わりが滑らかになる。
【0037】ローター12の回転数はローター12が図
3に示す交流の供給電流に同期して回転するので、周波
数を電源周期にとれば、電源周波数によって定まること
になる。従って、励磁電流の周期を所定周期に設定すれ
ば、自由な回転数でローター12を回転させることがで
きる。このローター12には慣性があるので、高速度で
回転させたい場合は、低い周波数から徐々に周波数を上
げて行くのが好ましい。スタートのときの注意、或いは
同期外れに対する注意は一般の同期モーターに対するも
のと同様であり、急激な負荷変更や急激な回転数変更は
避ける必要がある。
【0038】なお、上記励磁コイル20へ供給する励磁
電流は上記のような2相交流に限定されずに、図3及び
図4に示したような矩形状に増減する励磁電流を供給す
るような2相の交流電流でもよい。
【0039】次に、第2実施例を説明する。第2実施例
は、インナーローター型のモーターに本発明を適用した
ものである。本実施例の同期モーター50は第1実施例
の同期モーター10と構成及び動作原理は同様であるた
め、同一部分は同一符号を付して詳細な説明は省略す
る。
【0040】図6に示したように、同期モーター50
は、円筒状の継鉄58を有している。継鉄58の内部に
は、ステーター54、永久磁石56A〜56D、ロータ
ー52、励磁コイル20、及び回転軸22が収納されて
いる。ローター52は、円柱形状に形成され、その中心
軸には回転軸22が取付けられている。ローター52
は、回転軸22に沿う方向に所定幅の複数の溝を円周方
向に等間隔で形成することによる突出形状の複数の磁極
66を有している。
【0041】継鉄58の内面には、略等間隔で4つの永
久磁石54A,54B,54C,54Dが取付けられて
いる。
【0042】永久磁石56A、56Cは内側がS極で外
側がN極となるように取付けられ、永久磁石56B、5
6Dは外側がS極で内側がN極となるように取付けられ
ている。永久磁石56A、56B、56C、56Dの内
面には、断面コ字状のステーター54A、54B、54
C、54Dの背面が取り付けられている。このように、
各永久磁石56A〜56Dに対応してステーター54A
〜54Dが配設され、中心部位には、ローター52が位
置することになる。
【0043】ステーター54Aにおける断面コ字状の2
つの片は、各々磁極64A、64aとして機能させるた
めのものであり、各磁極64A、64aには、励磁コイ
ル20が巻き付けられている。同様に、ステーター54
Bは磁極64B、64bを有して磁極64B、64bに
励磁コイル20が巻き付けられ、ステーター54Cは磁
極64C、64cを有して磁極64C、64cに励磁コ
イル20が巻き付けられ、ステーター54Dは磁極64
D、64dを有して磁極64D、64dに励磁コイル2
0が巻き付けられている。これらの励磁コイル20は、
駆動回路30(図2)に接続されている。ローター及び
ステーターの磁極形状の設定は、第1実施例と同様のた
め、説明を省略する。
【0044】次に、本実施例の作用を説明する。本実施
例の同期モーター50における各永久磁石による磁束は
図6の実線矢印41A〜41Dのように通っている。ま
た、励磁コイル20には励磁電流が供給され、90度位
相のずれた2相の交流で励磁される(図3参照)。すな
わち、1つの相の励磁電流はローター52を介して対峙
する2つのステーター(ステーター54A及びステータ
ー54C、すなわち、磁極64A及び磁極64a,磁極
64C及び磁極64c)に流れ、他の相の励磁電流は他
のステーター(ステーター54B及びステーター54
D、すなわち、磁極64B及び磁極64b,磁極64D
及び磁極64d)に流れる。正の励磁電流が供給された
励磁コイルにより生成される磁束は、ステーター54A
については点線矢印43Aのように(時計方向に)流
れ、ステーター54Bについては点線矢印43Bのよう
に(時計方向に)流れ、ステーター54Cについては点
線矢印43Cのように(反時計方向に)流れ、ステータ
ー54Dについては点線矢印43Dのように(反時計方
向に)流れる。
【0045】従って、励磁コイル20による磁束は磁気
抵抗の高い永久磁石を通らずに磁気抵抗の小さい軟磁性
体等で形成されたローター52とステーター54A〜5
4Dの各々を通る。また、ステーター54Aの磁極64
A、64aとローター52の磁極66との間の間隙には
永久磁石による磁束と励磁コイル20による磁束を重畳
して通る。同様に、ステーター54Bの磁極64B、6
4bとローター52の磁極66との間の間隙、ステータ
ー54Cの磁極64C、64cとローター52の磁極6
6との間の間隙、ステーター54Dの磁極64D、64
dとローター52の磁極66との間の間隙では、永久磁
石による磁束と励磁コイル20による磁束が重畳され
る。また、継鉄によって磁路が形成されるので、隣接す
る永久磁石の磁束が結ばれることとなり、永久磁石の磁
束による磁気回路が完結する。
【0046】これによって、ステーターが有する磁極の
一方では永久磁石の磁束と励磁コイル20の磁束が加算
され、他方の磁極では永久磁石の磁束と励磁コイル20
の磁束が減算される方向に流れる。このため加算された
一方の磁極の吸引力が減算された他方の磁極の吸引力よ
り大となり、所定方向(図6の矢印r方向)に回転す
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、励
磁コイルによって生起される磁束が磁気抵抗が高い永久
磁石を通過することがない磁気回路を構成しているた
め、小電力でも高効率のモーターを得ることができ、低
回転数でも高能率のモーターを得ることができる、とい
う効果がある。
【0048】また、携帯用の電池で駆動される電気機器
に用いて好適なモーターとして、電池寿命を延ばすこと
ができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のアウターローター型の同期モータ
ーの内部構造を示す断面図である。
【図2】駆動装置の構成を示すブロック図である。
【図3】励磁電流の特性を示す線図である。
【図4】他の励磁電流の特性を示す線図である。
【図5】さらに他の励磁電流の特性を示す線図である。
【図6】第2実施例のインナーローター型の同期モータ
ーの内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10 アウターローター型の同期モーター(モータ) 12 ローター(回転手段) 14 ステーター(固定磁極) 16 永久磁石 18 継鉄 20 励磁コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各々磁極を生成するための所定間隔を隔
    てて配置された1組の突起部を有する磁性体で形成され
    た複数の固定磁極と、 複数の突出部が等間隔を隔てて形成され、少なくとも1
    つの該突出部が前記突起部の少なくとも1つと対応して
    向き合うように回転可能に配置された磁性体で形成され
    た回転手段と、 前記固定磁極の1組の突起部を通過する磁束の向きが同
    一方向となるように配設されると共に前記固定磁極の前
    記回転手段と反対側の各々の部位に配設され、前記突起
    部と該突起部に対応する突出部との間の間隙に磁束を通
    過させる永久磁石と、 前記複数の固定磁極の各々が配設された各々の永久磁石
    の反対側に配設された継鉄と、 前記固定磁極の一方の突起部と該突起部に対応する突出
    部との間では前記磁束と加算される方向に通過する磁束
    を形成すると共に、他方の突起部と該突起部に対応する
    突出部との間では前記磁束と減算される方向に通過する
    磁束を形成する複数の励磁コイルと、 を備えたモーター。
  2. 【請求項2】 回転手段の隣り合う突出部の間隔をP、
    前記固定磁極の各々の1組の突起部の間隔をP1 、隣り
    合う固定磁極について隣り合う突起部の間隔をP2
    n,mを整数とするときに、以下の関係を満たすことを
    特徴とする請求項1に記載のモーター。 P1 =(n+0.5)P P2 =(m±0.25)P
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014082806A (ja) * 2012-10-12 2014-05-08 Michiaki Hanai モータ

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