JPH0719275Y2 - 食品加熱容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、直接加熱食品と間接加熱食品を組み合わせて
同時に調理することができる食品加熱容器に関するもの
である。

［従来の技術］ 従来、冷凍食品をアルミ箔製鍋型容器内に入れ、これを
コンロ等の直火で加熱して解凍調理後に食べることがで
きるようにしたものが公知である。

［従来技術の課題］ このような従来例として代表的なものに、冷凍うどん
（なべやきうどん・そば）がある。これは、うどんと一
緒に具も入っており、解凍加熱時にはすべてが一緒に同
一条件で加熱されてしまうようになっている。この結
果、あるものにおいては加熱過渡、あるものにおいては
加熱不足の問題があり、必ずしもおいしく食べられない
という欠点がある。

又、例えば冷凍うどんと米飯或いは冷凍グラタンと冷凍
オードブル等のように多品目であって、同一容器内にお
いて一緒に加熱することができないものにあっては、夫
々別個の容器にて包装し、加熱も別々に行わなければな
らないという不便がある。又、直火解凍食品としゅうま
い、中華まんじゅうの如き蒸し（間接）加熱食品につい
ては、前記と同じように一緒に加熱することが出来ない
ばかりでなく、蒸す食品の場合には別に蒸し器が必要と
なり不便である。このようなことから、従来は冷凍食品
において直接加熱と間接加熱食品のように加熱条件が著
しく異なるものが一緒に販売されている例はない。

本考案に係る食品加熱容器は、多品目であって加熱条件
の異なる冷凍食品等を、一緒に（同時に）調理すること
ができるように工夫した点に特徴がある。

［課題を解決するための手段］ 本考案の構成は次のとおりである。

内部を深く形成したアルミ箔製の直火加熱容器と、 前記直火加熱容器上に底部を嵌合して重ねて置くことが
できると共に底部中央から上方に向けて貫通している蒸
気筒を形成したアルミ箔製の間接加熱容器と、 前記間接加熱容器の口を覆うことができると共に前記間
接加熱容器の蒸気筒の上端より少し離れた位置に天板が
位置し、この天板は蒸気筒に対向する部分が一番低く、
周囲に向かって昇り勾配になるように形成したアルミ箔
製の蓋と、 から成る食品加熱容器。

［作用］ 上記容器において、直火加熱に適する食品は直火加熱容
器内に入れ、間接加熱に適するものは間接加熱容器内に
入れて蓋をかぶせ、これをコンロに直接のせて加熱を行
う。このようにすると、先ず下段の直火加熱容器内のも
のが直接加熱されて温度上昇し、この温度上昇にともな
って間接加熱容器内のものが温度上昇する。又、直火加
熱容器内で発生した蒸気は蒸気筒内を経由して上昇し、
この上昇過程で間接加熱容器内のものを中央から加熱す
る。上昇した蒸気は、蓋の天板の内面において凝縮し、
この凝縮して水滴となった蒸気は蓋の天板の中央が低く
なっているため、この中央の低くなった部分に集合し、
水滴となって蒸気筒を経由して下段の直火加熱容器内に
滴下する。

［実施例］ 第１図は上記本考案に係る食品加熱容器の分解斜視図で
ある。符号の１は直接加熱食品を入れるためのアルミ箔
製の直火加熱容器、２は直火加熱容器１の上に底部を少
し嵌合して重ねることができ、中央に蒸気筒３を貫通し
て形成したアルミ箔製の間接加熱容器であって、この中
には間接加熱食品が入れられる。

４は上記間接加熱容器２の口上にかぶせるアルミ箔製の
蓋であって、この蓋４の天板４′の内面は、蒸気筒３に
対向する中央部分が一番低くなるように形成されてい
る。

第２図は直火加熱容器１と間接加熱容器２を重ね合わ
せ、直火加熱容器１内には直接加熱食品５を入れ、間接
加熱容器２内には間接加熱食品６を入れ、コンロ７にか
けて加熱している状態を示すもので、加熱が始まると、
先ず直火加熱容器１内の直接加熱食品５が加熱される。
そして、この加熱により間接加熱容器２内の間接加熱食
品６が間接加熱される。又、直火加熱容器１内に発生し
た蒸気は蒸気筒３内を経由して上昇して行く過程におい
て間接加熱食品６の中央部を加熱し、蓋４の天板４′の
内面に当たって凝縮し、傾斜に沿って一番低い中央部分
に集合し、ここから滴下する。滴下した水滴は、蒸気筒
３から直火加熱容器１内に戻る。このようにして、２種
類の加熱条件の異なる食品が一度に調理される。

因に、直火加熱容器１内に入れる直接加熱食品５と、間
接加熱容器２内に入れる間接加熱食品６の例を以下記
す。

○直火の加熱容器内 ＜洋風＞シチュー、各種スープ、リゾット、ポタージュ ＜和風＞豚汁、雑煮、おしるこ、おかゆ、うどん、雑
炊、鍋物 ＜中華、エスニック＞中華フープ、中華がゆ ○間接加熱容器内 ＜洋風＞ピラフ、スパゲティ、パターライス、蒸しパ
ン、スチームケーキ、ミニハンバーグ、ロールキャベ
ツ、ミートボール、ホットサラダ、ウインナー ＜和風＞茶わんむし、小田巻むし、もち菓子だんご、お
むすび、おこわ ＜中華、エスニック＞餃子、シュウマイ、春巻、中華ま
んじゅう、中華おこわ（ちまき他）、中国カステラ ［考案の効果］ 本考案は以上のように、直火加熱容器内と間接加熱容器
内にそれぞれ加熱条件の異なるものを入れ、同時に加熱
するようにした。この結果、次の如き効果を奏する。

a.それぞれの食品について適切な加熱が行われるため、
おいしく食べられる。

b.直火により一度に多品目の加熱ができるので便利であ
ると共に燃料の節約にもなる。

c.間接加熱容器を直火加熱容器上に重ねるため、蒸気筒
を経由して蒸気の対流がスムーズとなり、間接加熱容器
内の加熱が迅速に行われる。

d.蓋の内面においてその中央が低くなるように形成した
ので、水滴は蒸気筒内に滴下し、間接加熱容器内には滴
下しないので、間接加熱容器内の食品が水っぽくならな
い。

e.容器は、鍋としての機能以外に、そのまま食器として
も使用できるので便利である。

f.あらかじめ直火加熱容器と間接加熱容器内にそれぞれ
冷凍食品等を入れて組み合わせ、全体を一緒に包装する
ことにより、流通に便利である。

【図面の簡単な説明】 第１図は本考案に係る容器の分解斜視図。第２図は加熱
調理状態の説明図である。 １……直火加熱容器 ２……間接加熱容器 ３……蒸気筒 ４……蓋 ４′……天板 ５……直接加熱食品 ６……間接加熱食品 ７……コンロ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 中村 洋子 東京都世田谷区尾山台１―13―15―202

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部を深く形成したアルミ箔製の直火加熱
   容器と、 前記直火加熱容器上に底部を嵌合して重ねて置くことが
   できると共に底部中央から上方に向けて貫通している蒸
   気筒を形成したアルミ箔製の間接加熱容器と、 前記間接加熱容器の口を覆うことができると共に前記間
   接加熱容器の蒸気筒の上端より少し離れた位置に天板が
   位置し、この天板は蒸気筒に対向する部分が一番低く、
   周囲に向かって昇り勾配になるように形成したアルミ箔
   製の蓋と、 から成る食品加熱容器。