JPH0719223U - 空パレットマガジンを備えたラック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 自動倉庫で発生する空パレットを、必要に応
じて簡単に収納したり、又は、そこから出したりできる
ようにする。 【構成】 自動倉庫のラックＲ内の所定位置に空パレッ
トマガジン部Ｍを形成し、該空パレットマガジン部Ｍに
おいて、空のパレット４’を段積み状態で支持する支持
部Ｃと、この支持部Ｃへ空パレット４’を持ち上げる昇
降装置Ｂとを設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、空パレットや空バケットを複数保管して出し入れすることが可能な ラックに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の自動倉庫は垂直方向及び前後方向に碁盤の目状に棚を設けたラックを平 行に設置し、このラックとラックの間にスタッカクレーンを走行可能に配置して 、ラックの入口側に入・出庫ステーションを配置して、荷物の格納及び搬出を可 能としている。このラックに荷物を格納する場合には、パレット上あるいはバケ ット内に荷物を載せて、入庫ステーションに置き、このパレットごとスタッカク レーンのスライドフォークにより持ち上げて、格納する棚まで移動してスライド フォークを伸長して格納するように構成している。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような従来の自動倉庫において、入庫ステーションへ荷物のみを搬入した り、出庫ステーションから荷物のみを搬出する場合がある。荷物のみを入庫ステ ーションへ搬入した場合には、入庫ステーションで荷物を空パレット上に載せて やらなければならず、入庫ステーションへ空パレットを供給してやる必要がある 。逆に、荷物のみを出庫ステーションから搬出した場合には、出庫ステーション に空パレットが残るため、この空パレットを取り除く必要がある。よって、パレ ットの取扱が煩雑にならないように従来では自動倉庫と別に空パレットをストッ クしておくコンベアと一体となった空パレットマガジンを設けていたのである。 ところが、そのスペースが別に必要となり倉庫を狭めてしまい、配置によっては 搬送の邪魔となったりしていたのである。そこで、本考案はラック内に空パレッ トをストックできる空間を形成し、必要に応じて空パレットを出したり、収納し たりできるようにしようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の解決すべき課題は以上の如くであり、該課題を解決するために、複数 の空パレットを段積み状態で保管する手段と、この保管手段に対して空パレット を受け渡す手段とを設けたものである。

【０００５】

【作用】

このような手段を用いることによって、例えば出庫ステーションにおいて空パ レットが発生した場合には、スタッカクレーンによって出庫ステーションから空 パレットが取り出され、空パレットの受け渡し手段へ搬送される。受け渡し手段 へ搬送された空パレットは、受け渡し手段によって保管手段へ渡され、保管手段 によって既に保管されている空パレットとともに段積み状態で保管される。逆に 、例えば入庫ステーションで空パレットが必要な場合には、保管手段に保管され ている空パレットが受け渡し手段によって取り出され、スタッカクレーンへ渡さ れる。スタッカクレーンへ渡された空パレットは、スタッカクレーンによって入 庫ステーションへ搬送され、入庫ステーションへ供給される。

【０００６】

【実施例】

次に本考案の一実施例を図面に従って説明すると、図１は空パレットマガジン を備えたラックを有する自動倉庫の斜視図、図２はラックに設けた空パレットマ ガジン部の側面図、図３は同じく平面図である。

【０００７】 自動倉庫は図１に示すように、数段で後方へ数連の棚を並べたラックＲが平行 に配設されて、該ラックＲとラックＲの間のフロア上に走行レール１が敷設され 、該走行レール１と平行して天井にガイドレール２が配設されて、該走行レール １とガイドレール２の間をスタッカクレーンＳが前後に走行可能とし、前記ラッ クＲの入口側に入・出庫ステーションＡが配設され、荷物Ｗの受渡しができるよ うにしている。

【０００８】 スタッカクレーンＳは走行レール１上に載置した走行体８の前後にフロントマ スト５とリアマスト６を立設し、該フロントマスト５とリアマスト６の間で昇降 台７を昇降可能に配置し、該昇降台７上に左右に突出可能なスライドフォークを 配設し、該スライドフォークの伸縮と昇降台７の昇降によってパレット４上の荷 物Ｗを入・出庫ステーションＡ及びラックＲの棚との間で搬入・搬出可能として いる。

【０００９】 入・出庫ステーションＡには走行レール１の入口両側に枠状に構成したフレー ム３が配設され、該フレーム３の上部にはパレット４を載せるための載置部３ａ が形成され、一側のフレーム３を入庫ステーションとし、他側のフレーム３を出 庫ステーションとしている。

【００１０】 そして、本考案の要部である空パレットマガジン部ＭはラックＲの棚の代わり に任意位置に配設可能であるが、本実施例では、入・出庫ステーションＡとの間 で空パレット４’を取り出したり、ストックしたりするので、移動距離が短くな るように入口側のラックＲの下部に配設している。

【００１１】 この空パレットマガジン部Ｍの具体的構成は図２に示すように、支柱１１・１ １間に基台１２を配設して、該基台１２上に空パレット４’を持ち上げるための 受け渡し手段となる昇降装置Ｂが配設されている。該昇降装置ＢはＸ状にリンク １３・１４を枢結して、リンク１３・１４下部を基台１２に枢支し、上部を載置 台１５に枢支している。但し、リンク１３・１４の一側はレールに嵌合されて摺 動できるようにしている。そして、一方のリンク１４と基台１２の間にシリンダ ー１６が介装されて、該シリンダー１６を伸長することによってリンク１３・１ ４が広げられて、載置台１５を上昇することができる。

【００１２】 前記載置台１５上面両側には受体１５ａ・１５ａが左右方向に上方へ突設され 、該受体１５ａ・１５ａ上に空パレット４’が載置されるようにし、この空パレ ット４’と載置台１５と受体１５ａ・１５ａにて形成される空間にスタッカクレ ーンＳのスライドフォーク１７・１７が挿入できるようにしているのである。

【００１３】 前記昇降装置Ｂ上部には保管手段となる段積みのパレットの支持部Ｃが配設さ れており、図２、図３に示すように、支柱１１・１１間の左右方向に支持フレー ム２０・２０が横架され、該支持フレーム２０の両側に係止アーム２１・２１を 左右回動可能に軸２２に枢支して中央側（パレット側）へ突出し、前後二組で四 つの係止アーム２１を配置している。該係止アーム２１から外方向には回動アー ム２３を突設し、左右に配置した回動アーム２３・２３の先端は連結リンク２４ にて枢結され、一方の回動アーム２３の先端には更にシリンダー２５のロッドと 枢結し、該シリンダー２５の基部は支持フレーム２０に枢支している。従って、 前後のシリンダー２５・２５を同時に伸長することによって、係止アーム２１・ ２１が支持フレーム２０と平行位置まで回動され、空パレット４’のフォーク挿 入孔から抜けてラック側に収納される。２６は段積みパレットを昇降する時にズ レないようにするガイドである。

【００１４】 このような構成において、空パレットが生じて入・出庫ステーションＡにある 空パレット４’を空パレットマガジン部Ｍへ収納する場合には、スタッカクレー ンＳを入・出庫ステーションＡに位置させてスライドフォーク１７を伸長して、 パレット４の下側より持ち上げて、縮小して昇降台７上に載せて空パレットマガ ジン部Ｍへ移動し、スライドフォーク１７を伸長して載置台１５の受体１５ａ上 に載せて縮小する。

【００１５】 そして、昇降装置Ｂのシリンダー１６を伸長して、載置台１５上の空パレット ４’の上面が段積みパレットの下面に当接して少し持ち上げられるまで上昇させ 、支持部Ｃのシリンダー２５を伸長して係止アーム２１・２１・・・を収納し、 段積みパレットが一段分上昇するまで再びシリンダー１６を伸長して、シリンダ ー２５を縮小して係止アーム２１・２１・・・を突出させれば段積み状態に空パ レットを収納できる。

【００１６】 逆に、空パレットマガジン部Ｍから空パレットを取り出す場合には、シリンダ ー１６を伸長して昇降台１５を上昇させて段積みパレットの最下部のパレット下 面に当接させて、シリンダー２５を伸長して係止アーム２１・２１・・・を収納 し、段積みパレットを一段分下げて再び係止アーム２１・２１・・・を突出し、 下から二番目のパレットを支持し、シリンダー１６を縮小すると一枚の空パレッ ト４’を載置台１５に載せて、スタッカクレーンＳのスライドフォーク１７によ って取り出すことができる。但し、荷物Ｗをパレット４の代わりにバケットに収 納して格納することも可能であり、バケットを段積みして、一つずつ取り出した り、ストックしたりするように構成することもできる。なお、この段積み状態か らの取出構成及び昇降構成は前記構成に限定されるものではなく、例えば昇降装 置Ｂをなくし、スタッカクレーンＳで直接パレットを支持部Ｃに対して受け渡す ようにしてもよい。

【００１７】

【考案の効果】

本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、 ラックに空パレットマガジンが配設されるので、パレットをスタッカクレーンで 直接出し入れすることができ、取り出しも自動的に簡単に行えるようになり、従 来の空パレットマガジンへのコンベアやそのスペース等を省くことができ、自動 倉庫周辺をすっきりさせることができたのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】空パレットマガジンを備えたラックを有する自
動倉庫の斜視図である。

【図２】ラックに設けた空パレットマガジン部の側面図
である。

【図３】同じく平面図である。

【符号の説明】

Ｍ 空パレットマガジン部 Ｂ 昇降装置 Ｃ 支持部 Ｒ ラック Ｗ 荷物 Ｓ スタッカクレーン ４ パレット １５ 載置台 １７ スライドフォーク

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の空パレットを段積み状態で保管す
   る手段と、この保管手段に対して空パレットを受け渡す
   手段とを設けたことを特徴とする空パレットマガジンを
   備えたラック。