JPH07190620A - 塗装焼付乾燥炉への熱供給方法 - Google Patents

塗装焼付乾燥炉への熱供給方法

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JPH07190620A
JPH07190620A JP33785193A JP33785193A JPH07190620A JP H07190620 A JPH07190620 A JP H07190620A JP 33785193 A JP33785193 A JP 33785193A JP 33785193 A JP33785193 A JP 33785193A JP H07190620 A JPH07190620 A JP H07190620A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 熱風循環式塗装焼付乾燥炉の立ち上げ時にお
いて、炉内に滞留している製品の熱変形を防止する。 【構成】 加熱部19から途中で分岐して塗装焼付乾燥
炉11へと至り焼付乾燥炉内の二箇所以上の部位に開口
35,36してなる加熱気体管路21を通じて加熱気体
を導入するにおいて、管路の分岐部22に変更自在な整
流板1を配し分岐管路21a,21bへの熱配分を可変
とする。分岐部22において、流れを整流板1で規制し
加熱気体の温度を制御する。炉の高温部に向う分岐管路
21aへの加熱部からの加熱気体の流れを整流板1によ
り一部遮り分岐管路の開口35から炉内への空気の吹出
しを抑制する。分岐管路21a上に設けられた送風ファ
ン23の出力を高めて分岐管路21aを通過する加熱気
体流量を増加させ、供給熱量の低下を補う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗装焼付乾燥炉への熱供
給方法に関し、詳しくは、塗装ラインを一時的に停止し
た場合における炉内での被塗物の熱変形の発生を防止す
る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車塗装工程において用いられ
る塗装焼付乾燥炉としては、熱源から発生する燃焼ガ
ス、または高温に加熱された空気が乾燥炉内で循環する
熱風循環方式(対流式)を、少なくともその一部に採用
したものが多い。この熱風循環方式は、被塗物の形状の
いかんにかかわらず平均して加熱することができ、量産
ラインには適したものである。
【0003】図5は、このような熱風循環方式の塗装焼
付乾燥炉の一例における熱供給系を模式的に示すもので
ある。図5に示す塗装焼付乾燥炉51は、その出入口に
おける熱風の外部への流出を小さくするために、炉の床
面52を出入口開口部の最大高さhよりも高くした山型
炉である。この炉51内は、その入口53側がヒートア
ップゾーン55と、出口54側がキープゾーン56とし
て区分されている。
【0004】この炉51への加熱空気の供給は、次のよ
うにして行なわれている。すなわち、ガスバーナー57
の燃焼により得られた燃焼ガスは、燃焼ガスライン58
を通して熱交換器59へと送り込まれ、この熱交換器5
9において、炉51から還流ダクト60を通って送られ
てきた還流空気を、前記燃焼ガスとの熱交換により加熱
して加熱空気となす。そして加熱空気が、加熱空気ダク
ト61を通じて炉51内へと送り込まれるものである。
この例においては、加熱空気ダクト61は、途中で2つ
に分岐して、炉51の入口側へ向いヒートアップゾーン
55において開口する第一ダクト部61aと、炉の出口
側に向いキープゾーン56において開口する第二ダクト
部61bとを有している。なお、加熱空気ダクト61に
おいて、この第一ダクト部61aと第二ダクト部61b
とに分岐する分岐部62よりも熱交換器59側の部分を
幹ダクト部61cと称することとする。第一ダクト部6
1aと第二ダクト部61bの途中には、それぞれ送風フ
ァン63,64が設置したある。なお、図5において、
符号65は燃焼用空気導入ライン、符号66は燃焼用空
気吸引ファン、符号67は燃焼ガス循環ファン、符号6
8は燃焼ガス排出ライン、符号69は燃焼ガス循環ライ
ン、符号70は還流空気外部導出ライン、符号71は排
気ファン、符号72は排気ライン、符号73,74は切
替ダンパをそれぞれ示すものである。
【0005】一般に塗装焼付乾燥炉、特に炉長の短い炉
においては、炉内に侵入した被塗物を比較的短時間で必
要温度まで昇温することが望ましく、炉51の入口53
側、すなわちヒートアップゾーン55は、炉の出口54
側、すなわちキープゾーン56よりも炉内温度を高めに
設定する必要がある。
【0006】従来、図5に示すように、1つの熱交換器
により加熱された加熱空気を分岐させ、ヒートアップゾ
ーン55およびキープゾーン56の双方に供給する場
合、熱交換器59において燃焼ガスを、第一ダクト部6
1a側(左側)から第二ダクト部61b側(右側)へと
流し、これにより還流ダクト60を通って送られてきた
還流空気を、熱交換器の左側を通過するものが右側を通
過するものよりも高温として加熱する。熱交換器59直
後の幹ダクト部61cにおいては、通過する加熱空気は
ダクトの左側が高温で右側が低温という状態をそのまま
維持して、分岐部62へと至るために、比較的高い温度
の加熱空気を第一ダクト部61aへと送込むことがで
き、ヒートアップゾーン55が上記したような所望の設
定温度に保持されている。
【0007】そして、塗装ブースにおいて表面に塗装を
施された樹脂製バンパ、自動車ボディ等の被塗物50
を、前記したような構成の塗装焼付乾燥炉51へと、コ
ンベア等の搬送手段によって一定速度で搬送し、塗膜の
焼付乾燥を行なうものである。
【0008】なお、従来、樹脂製バンパ等の自動車用樹
脂部品は、熱による変形を受けやすいものであるため、
自動車ボディとは別のラインにおいて、樹脂用塗料を用
い、比較的低温、例えば120℃程度の温度で焼付け乾
燥して、生産されていたが、最近では、樹脂部品の剛
性、耐熱性の向上により、鋼板用塗料の採用が可能とな
り、比較的高温、例えば140℃程度の温度で、焼付乾
燥させることも行なわれるようになってきている。この
ように鋼板用塗料を採用することにより、例えば、塗料
単価の低減、自動車ボディとの色合せの容易化、自動車
ボディと同時焼付乾燥による工程削減等の利点が生じる
ものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな塗装焼付乾燥炉を用いて、樹脂部品の表面に塗装さ
れた塗料の焼付乾燥を行なう場合、特に鋼板用塗料を用
いて比較的高温で焼付乾燥を行なう場合において、焼付
乾燥炉の立ち上げ時に、炉内に位置していた前記樹脂部
品の一部に熱溶融ないし熱変形が生じ問題となってい
る。
【0010】すなわち、塗装工程は、例えば、昼間勤務
体制および夜間勤務体制といった交替制で操業されてい
るが、この体制間は、一旦、ラインが停止され、塗装焼
付乾燥炉への熱供給も停止される。ラインを再始動する
際、焼付乾燥炉の炉内温度が設定温度よりも下がってい
るため、炉内温度を早期に設定温度に到達させるべく、
ガスバーナーの火力を増大し、還流空気を標準状態にお
けるよりも高温に加熱して、炉内に熱を送り込むが、従
来の熱供給系においては、前記したように第一ダクト部
61aへと高温側の加熱空気が送り込まれるものとされ
ているため、この立ち上げ時に、ヒートアップゾーンに
おけるこの第一ダクト部の吹出し口近傍においては、一
時的に設定温度よりも過度に高い温度の空気が流れ、ラ
イン停止時に該部位に位置していた樹脂部品に上記した
ような不具合が発生してしまうものであった。
【0011】このような不具合の発生は、炉内温度が設
定温度に安定するまでの間、炉内に被塗物を搬送しなく
てもよいのであれば、もちろん防止できるものである
が、一般的に、塗装工程において、塗装ブースと焼付乾
燥炉における搬送手段が非独立式のため、体制間に焼付
乾燥炉における搬送手段のみを稼働させるといったこと
ができず、被塗物の炉内滞留は避けることのできないも
のであった。
【0012】従って本発明は、塗装焼付乾燥炉の立ち上
げ時における上述したような不具合の発生防止を図った
塗装焼付乾燥炉への熱供給方法を提供することを目的と
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、加熱部から途中で二以上に分岐して炉へと至り炉
内の二箇所以上の部位に開口してなる加熱気体管路を有
する塗装焼付乾燥炉における熱供給方法であって、前記
管路の分岐部に前記加熱部から各分岐管路への加熱気体
の流れを制御する変向自在な整流板を配し、塗装焼付乾
燥炉内温度が所定温度より低下した場合に、加熱部の出
力を高めて炉内温度を所定温度へと上昇させる際に、前
記分岐部において、焼付乾燥炉の高温部に向う第一の分
岐管路への加熱部からの加熱気体の流れを前記整流板に
よって一部遮り、焼付乾燥炉のより低温部に向う他の分
岐管路へと熱を多く配分して、前記第一の分岐管路を通
過する加熱気体の過度の温度上昇を抑制し、併せて前記
第一の分岐管路上に設けられた送風ファンの出力を高め
て、第一の分岐管路を通過する加熱気体流量を増加させ
ることを特徴とするものである。
【0014】
【作用】このように本発明によれば、熱供給系として、
一つの加熱部から途中で複数に分岐してそれぞれ焼付乾
燥炉の所定位置へと至り開口してなる加熱気体管路を有
する熱風循環式焼付乾燥炉において、この加熱気体管路
の分岐部に変向自在な整流板を配したものであるため
に、該整流板の角度を適当に変向し、加熱部側から流れ
てくる位置的に温度偏りのある加熱気体の流れを該整流
板に当てることで、加熱部から供給される気体を媒体と
した熱の各分岐管路への配分を適当に変更することがで
きるものである。このため例えば、標準操業時における
各分岐管路への熱配分と、例えば炉立上げ時のような加
熱部の出力をより増加した際における各分岐管路への熱
配分とを変えることができ、ほぼ同様の配分がなされる
ことにより生じていた問題、すなわち標準操業時に比較
的高い温度に保たれる炉部位、例えばヒートアップゾー
ンに、炉立上げ時に必要以上に高い温度の加熱気体が導
入され、炉内に停滞していた被塗物の熱変形ないし熱溶
解が生じるといったことがなくなる。
【0015】なお、このようにして、炉立上げ時に炉の
高温部へと向う第一の分岐管路への熱配分(加熱気体の
単位体積当りの熱量)を抑えたことで、この第一の分岐
管路を通過する加熱空気の流量が標準操業時と同程度の
ものであると、高温部において所定の設定温度へと上昇
させるために必要とされる熱量に満たないものとなった
り、上昇に長持間を要するものとなる虞れがあるが、本
発明においては、前記整流板の変向と併せて、前記第一
の分岐管路上に設けられた送風ファンの出力を高めて、
第一の分岐管路を通過する加熱気体流量を増加させるこ
とにより、熱配分量の低下を補い、短時間で所望の設定
温度へと上昇させることができるものとしている。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。図1は、本発明に係わる塗装焼付乾燥炉の一
例の構成を模式的に示すものである。図1に示す塗装焼
付乾燥炉11は、トンネル型熱風循環式焼付乾燥炉であ
って、その出入口における熱風の外部への流出を小さく
するために、炉の床面12を出入口開口部の最大高さh
よりも高くした山型炉であり、図5に示した従来例とし
ての焼付乾燥炉51と、後述するように加熱空気ダクト
内に整流板を有する以外はほぼ同様の構成を有するもの
である。なお、図1において各部位に付される符号に4
0を加えた符号を付したものが、図5において対応する
部位を示すものである。
【0017】図1に示す塗装焼付乾燥炉11内は、その
入口13側がヒートアップゾーン15と、出口14側が
キープゾーン16として区分されており、この各ゾーン
への熱供給は、1つの加熱部において加熱された空気を
途中で分岐したダクトによって2つに分けて行なわれて
いる。
【0018】この熱供給系について簡単に説明すると、
塗装焼付乾燥炉11は、加熱源として炉外部に設置され
たガスバーナー17を備えており、このガスバーナー1
7のインテーク側には、途中に燃焼用空気吸引ファン2
6を備えた燃焼用空気導入ライン25および燃焼ガス循
環ライン29が接続されており、燃焼用空気を外部より
取込んで、あるいはこれと共に一旦燃焼させた燃焼ガス
を再度循環させて使用できるようになっている。一方ア
ウトレット側には燃焼ガスライン18が接続されてお
り、この燃焼ガスライン18は熱交換器19の加熱媒体
管路としてその内部へと配管され、熱交換器19内部を
経てその後方において燃焼ガス循環ファン27を有した
後、切替ダンパ34を備えた分岐部において前記燃焼ガ
ス循環ライン29と燃焼ガス排出ライン28とに分岐し
ている。また、炉11内各部に設けられた空気排出口3
7には、空気還流ダクト20が接続されており、この空
気還流ダクト20が前記熱交換器19まで延長され、熱
交換器19の被加熱媒体管路としてその内部を通過した
後、加熱空気ダクト21として再び炉11内部へと延長
されている。この加熱空気ダクト21は、途中で2つに
分岐しており、炉11の入口側へ向いヒートアップゾー
ン15において開口(加熱空気第一吹出口35)する第
一ダクト部21aと、炉の出口側に向いキープゾーン1
6において開口(加熱空気第二吹出口36)する第二ダ
クト部21bとを有している。なお、加熱空気ダクト2
1において、この第一ダクト部21aと第二ダクト部2
1bとに分岐する分岐部22よりも熱交換器19側の部
分を幹ダクト部21cと称することとする。また第一ダ
クト部21aと第二ダクト部21bの途中には、それぞ
れ送風ファン23,24が設置してあり、これらのファ
ンを作動させることによって、炉11→加熱部(熱交換
器19)→炉11という空気の循環流が形成されてい
る。また、本実施例においては、前記空気還流ダクト2
0の途中から分岐した還流空気外部導出ライン30を有
しており、必要に応じて、分岐部にある切替ダンパ33
を切替え、このライン30および前記燃焼ガス排出ライ
ン28に連通する排気ライン32上にある排気ファン3
1を作動させることで、還流空気を系外に排気できるよ
うになっている。
【0019】しかして、この加熱空気ダクト21の分岐
部22には、整流板1が配されている。この実施例にお
ける整流板1は、第一ダクト部21aの軸線、第二ダク
ト部21bの軸線および幹ダクト部21cの軸線の全て
に対して直交する直線上に回動軸2を有しており、図2
に示すようにこの回動軸は、ダクト21壁面を気密に貫
通してダクト外部に設けられた駆動装置3に接続されて
おり、回動軸を中心としてその板面を図中の矢印k方向
に変向可能とされている。しかしながら、本発明におい
て、この整流板は、幹ダクト部21cを通じて送られて
きて第一ダクト部21aと第二ダクト部21bとに分岐
する加熱空気の流れに対して、実質的に干渉しない状態
と十分に干渉し得る状態とを変向により形成できるもの
であれば、その大きさ、形状、変向方向等は、特に限定
されるものではない。
【0020】このような構成を有する熱供給系による塗
装焼付乾燥炉への熱供給は次のようにして行なわれる。
すなわち、ガスバーナー17の燃焼により得られた燃焼
ガスは、燃焼ガスライン18を通して熱交換器19へと
送り込まれ、この熱交換器19において、炉11から還
流ダクト20を通って送られてきた還流空気を、前記燃
焼ガスとの熱交換により加熱して加熱空気とする。ここ
で、熱交換器19において燃焼ガスは、第一ダクト部2
1a側(左側)から第二ダクト部21b側(右側)へと
流れるように構成されているため、還流ダクト20を通
って送られてきた還流空気は、熱交換器の左側を通過す
るものが右側を通過するものよりも高温に加熱される。
熱交換器19直後の幹ダクト部21cにおいては、ここ
を通過する加熱空気はダクトの左側が高温で右側が低温
という状態をそのまま維持して、分岐部22へと至る。
【0021】標準操業状態においては、キープゾーン1
6よりも高めに設定されたヒートアップゾーン15の炉
内温度を維持するために、キープゾーン16へと連通す
る第二ダクト部21b側よりも、ヒートアップゾーン1
5へと連通する第一ダクト部21a側へと、より高い温
度(熱量)の加熱空気を送込む必要がある。このため、
上記したような温度分布に偏りのある状態で分岐部22
に至った加熱空気の流れを大きく乱すことなく分岐させ
るべく、整流板1を、分岐部22の管路形状に概略沿っ
た向き、例えば図3(a)または(b)に示すような向
き、に配向しておく。
【0022】一方、塗装ラインが一旦停止されたりし
て、炉内温度が設定温度よりも低下した場合、炉内温度
を所定温度へと上昇させるために、ガスバーナー17の
火力を増大し、還流空気を標準状態におけるよりも高温
に加熱するが、この場合においても標準操業状態と同様
に第二ダクト部21b側よりも第一ダクト部21a側へ
とより高い温度(熱量)の加熱空気を送込んでしまう
と、極度に高温の加熱空気がヒートアップゾーン15に
おいて開口する第一吹出口35より吹き出し、該部位に
滞留していた被塗物10が熱変形ないし熱溶融してしま
う虞れがある。このため、本実施例においては、分岐部
22において、上記したような温度分布に偏りのある状
態で分岐部22に至った加熱空気の流れに、整流板1の
板面を干渉させ、高温側(左側)の空気をより多く第二
ダクト部21b側へと導くべく、整流板1を、例えば図
3(c)に示すような第二ダクト部21b側へと傾斜し
た向きに配向しておく。
【0023】なお、このように整流板1を傾斜配置する
ことで、第一ダクト部21a側へ流れる加熱空気の温度
は、傾斜配置しない場合と比較して低下するため、炉内
温度昇温の際には、整流板の傾斜配置と併せて、第一ダ
クト部21a上にある送風ファン23の出力を向上さ
せ、第一ダクト部21aを通過する加熱空気の流量を増
加させる。すなわち、流量が同じであれば、該第一ダク
ト部21aが連通するヒートアップゾーン15における
炉内温度を設定温度まで上昇させるために、傾斜配置し
ない場合と比較して長持間を要することとなり、所定の
塗装焼付乾燥処理が十分になされ得ない虞れが生じるた
めである。
【0024】図4は、本発明の効果を確認するために行
なった実験において用いた塗装焼付乾燥炉の構成を模式
的に示すものである。この炉は、その有効長さ(A−A
´)が、約36m程度であり、A−A´間には被塗物と
しての樹脂製バンパを設置した台車7台が載ることがで
きるものとされている。この焼付乾燥炉11において、
第一ダクト部21aの開口(第一吹出口35)は、A−
A´間に7台の台車を載置した場合にA端側から2台目
と3台目の台車の位置する部位に存在する。また、本実
験においては、第一ダクト部21aの開口部近傍位置で
あるX点と、幹ダクト部21cの中間位置であるY点
(ダクト中央部)において、温度計測を行い、整流板配
置による効果を確認した。なお、標準操業時におけるヒ
ートアップゾーン15の設定温度は165℃であり、こ
の際のX点で測定された温度は155℃である。またこ
の際の加熱空気ダクト21を通過する加熱空気の総流量
(m3 /分)に対する第一ダクト部21aを通過する流
量の割合は約45.7%、第二ダクト部21bを通過す
る流量の割合は約54.3%であった。
【0025】ここでまず、分岐部22に整流板を配置し
ない構成(従来例)で、ヒートアップゾーン15内の雰
囲気温度が55℃である状態から、ガスヒーターの出力
を増大し、焼付乾燥炉を前記標準操業状態へと立ち上げ
た。この際の加熱空気ダクト21を通過する加熱空気の
総流量(m3 /分)に対する第一ダクト部21aおよび
第二ダクト部21bをそれぞれ通過する流量の割合は標
準操業時と同じものとした。この結果、立ち上げ操作時
にA−A´間に残されていた7台の台車のうち、A端側
から2台目と3台目に位置する台車上に載せられていた
樹脂バンパのサイド部(炉内でのバンパのサイド部と前
記第一吹出口35との水平距離は約20mm程度)が溶
解するという不具合が発生した。なお、この立上げ操作
時における、幹ダクト部のY点において測定された温度
の最大値は約200℃、平均値は約190℃であり、第
一ダクト部のX点において測定された温度の最大値は1
70℃、平均値は約165℃であった。また、ヒートア
ップゾーン15内の雰囲気温度を設定温度まで上昇させ
るのに約30分間を要した。
【0026】次に分岐部22に整流板を配置し、図3
(c)に示すように配向して(本発明例)、前記と同様
にヒートアップゾーン15内の雰囲気温度が55℃であ
る状態から、ガスヒーターの出力を増大し、焼付乾燥炉
を前記標準操業状態へと立ち上げた。この際の加熱空気
ダクト21を通過する加熱空気の総流量(m3 /分)に
対する第一ダクト部21aを通過する流量の割合は約6
8.5%、第二ダクト部21bをそれぞれ通過する流量
の割合は31.5%とした。その結果、この立上げ操作
時において炉内に残されていた各台車上に載せられてい
た樹脂バンパのいずれにも不具合は発生せず、かつ塗装
の焼付乾燥も良好に行なわれた。この立上げ操作時にお
ける、幹ダクト部のY点において測定された温度は、従
来例の場合と同様に最大値が約200℃、平均値が約1
90℃であったが、第一ダクト部のX点において測定さ
れた温度の最大値は165℃と従来例の場合ほどピーク
値が上昇していなかった。なお、X点において測定され
た温度の平均値は、従来例の場合とほぼ同様の値となっ
た。また、ヒートアップゾーン15内の雰囲気温度を設
定温度まで上昇させるのに要した時間は約15分間と短
縮された。
【0027】以上本発明を実施例により説明したが、本
発明は例示した実施例の構成に何ら限定されるものでは
ない。例えば、前記実施例においては、加熱空気ダクト
が途中で2つに分岐したものであったが、3ないしそれ
以上に分岐したような形状のものであっても同様に適用
でき、分岐部に変向自在な整流板を配することで1つの
加熱部から供給される熱の各分岐路への配分を制御する
ことができるものである。また、前記したように整流板
の大きさ、形状としても特に限定されず、平板状のもの
に限られるものではなく曲面板状などであってもよい。
さらに前記実施例においては、加熱部がガスバーナーと
熱交換器とによる間接加熱式のものであったが、加熱源
としてガスバーナー以外のものを採用することは可能で
あり、また直接加熱式のものであってもよい。また前記
実施例においては、焼付乾燥炉が山型炉であったが、も
ちろん平型炉であってもよい。さらに、焼付乾燥炉は、
上記したような1つの加熱部から複数の部位へ熱を供給
する熱風循環方式の加熱ブースをその一部に有するもの
であれば、例えば暗赤外線炉と熱風循環炉とを組合せた
ような構造のものなどであってもよい。
【0028】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、加熱
部から途中で二以上に分岐して炉へと至り炉内の二箇所
以上の部位に開口してなる加熱気体管路を通じて加熱気
体を塗装焼付乾燥炉に導入するにおいて、前記管路の分
岐部に前記加熱部から各分岐管路への加熱気体の流れを
制御する変向自在な整流板を配したため、この整流板の
向きを状況に応じて変えることで、各分岐管路への熱配
分を変化させることができる。このため、例えば、鋼板
用塗料を用いて樹脂部品に塗装し比較的高温で焼付け乾
燥を行う塗装ラインにおいて、炉の立上げ時に通常操業
時におけるよりも供給熱量(総量)を増大しなければな
らない状況にあっても、各分岐管路への熱配分を適当に
変化させることで、炉の高温部へと向う第一の分岐管路
より過度に温度の高い加熱気体を吹き出させるといった
不具合が防止され、炉内に滞留していた樹脂部品の熱変
形、熱溶融といった問題が解消され、良好な焼付乾燥処
理が行なえるものとなる。さらにこの整流板の変向操作
と併せて、前記第一の分岐管路上に設けられた送風ファ
ンの出力を高めて、第一の分岐管路を通過する加熱気体
流量を増加させるために、前記したような熱配分の低下
により、炉の高温部において設定温度への上昇が不可能
となるあるいは長持間を要するといった不具合を生じる
ことなく、短時間で設定温度へと上昇させることができ
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる塗装焼付乾燥炉の一実施例に
おける熱供給系の構成を示す模式図、
【図2】 本発明の一実施例における整流板の配置を示
す一部破断斜視図、
【図3】 (a)〜(c)はそれぞれ整流板の変向方向
を示す模式図、
【図4】 実験において用いた焼付乾燥炉の構成を示す
模式図、
【図5】 従来の塗装焼付乾燥炉の一例における熱供給
系の構成を示す模式図。
【符号の説明】
1…整流板、 2…回動軸、
3…駆動装置、11…塗装焼付乾燥炉、 12…
炉床面、 13…炉入口、14…炉出口、
15…ヒートアップゾーン、16…キープゾ
ーン、 17…ガスバーナー、18…燃焼ガスラ
イン、 19…熱交換器、 20…還流ダク
ト、21…加熱空気ダクト、 21a…第一ダクト
部、21b…第二ダクト部、 21c…幹ダクト
部、 22…分岐部、23,24…送風ファン、
25…燃焼用空気導入ライン、26…燃焼用空気吸引フ
ァン、27…燃焼ガス循環ファン、28…燃焼ガス排出
ライン、 29…燃焼ガス循環ライン、30…還流空気
外部導出ライン、 31…排気フ
ァン、32…排気ライン、 33,34…切替
ダンパ、35…加熱空気第一吹出口、 36…加熱空気
第二吹出口、37…空気排出口。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱部から途中で二以上に分岐して炉へと
    至り炉内の二箇所以上の部位に開口してなる加熱気体管
    路を有する塗装焼付乾燥炉における熱供給方法であっ
    て、 前記管路の分岐部に前記加熱部から各分岐管路への加熱
    気体の流れを制御する変向自在な整流板を配し、 塗装焼付乾燥炉内温度が所定温度より低下した場合に、
    加熱部の出力を高めて炉内温度を所定温度へと上昇させ
    る際に、 前記分岐部において、焼付乾燥炉の高温部に向う第一の
    分岐管路への加熱部からの加熱気体の流れを前記整流板
    によって一部遮り、焼付乾燥炉のより低温部に向う他の
    分岐管路へと熱を多く配分して、前記第一の分岐管路を
    通過する加熱気体の過度の温度上昇を抑制し、併せて前
    記第一の分岐管路上に設けられた送風ファンの出力を高
    めて、第一の分岐管路を通過する加熱気体流量を増加さ
    せることを特徴とする塗装焼付乾燥炉への熱供給方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101368932B1 (ko) * 2012-02-07 2014-03-03 주식회사 세운티.엔.에스 단열재 제조용 건조장치

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