JPH0718893A - 二段式駐車装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 下段の駐車スペースの上に上段の車載パレッ
トを重ねた二段式駐車装置において、下段に車両を残し
たままで上段に車両を出し入れする。構成を簡単にし、
製造コストを下げる。 【構成】 片持ち支持された上段の車載パレット２０を
駆動機構３０により９０°旋回させながら下降させる。
下段の駐車スペースに収容されている車両との干渉を避
けるため、下降に際して上段の車載パレット２０を駆動
機構４０により車載パレット２０の旋回位置の側へ直線
移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、二段式の立体駐車装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】家庭やアパート等に使用される比較的小
規模の立体駐車装置として二段式のものがある。二段式
の駐車装置としては、上段の車載パレットのみを昇降式
とした簡易型と、上段の車載パレットの昇降に同期して
下段の車載パレットが昇降するピット型の２つが良く知
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、簡易型の二段
式駐車装置では、上段の車両を出し入れするときに、下
段の車両を一時的に退避させなければならないという不
都合がある。一方、ピット型の二段式駐車装置では、こ
のような不都合はないが、簡易型のものに比して構造が
複雑となり、しかもピットを掘削しなければならないた
め、設置費用が非常に高くなる。また、いずれの駐車装
置でも駐車スペースの両側に支柱が存在するため、車両
の出し入れが難しいという問題がある。

【０００４】なお、これらの問題点を解決するために、
吊り下げ籠を用いた二段式駐車装置が特開平４−２５８
４７１号公報により提案されているが、吊り下げ籠を２
つ用い、しかも各籠を回転させるため、構成が大掛かり
となり、経済性は良くない。また、駐車スペースの両側
に支柱が存在するため、車両の出し入れが難しいという
問題は依然残る。

【０００５】本発明の目的は、上段の車両を出し入れす
るときに下段の車両を退避させる必要がないのは勿論の
こと、車両の出し入れ操作が容易で、更に構成が簡単で
経済性にも優れた二段式駐車装置を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の二段式駐車装置
は、下段の駐車スペースの上方に重ねられる上段の車載
パレットと、下段の駐車スペースの片側に立設された支
柱を有し、該支柱に案内されて昇降し且つ上段の車載パ
レットを片持ち支持する可動部材が、その昇降に伴って
支柱の回りを正逆両方向に約９０°回転する第１の駆動
機構と、第１の駆動機構と同じ側に設けられ、その支柱
を下段の駐車スペースに沿って前後に駆動する第２の駆
動機構とを具備する。

【０００７】

【作用】第１の駆動機構において可動部材が下降すると
上段の車載パレットが下がる。上段の車載パレットが下
降すると、その下降に伴う可動部材の回転により上段の
車載パレットが第１の駆動機構の支柱の回りを約９０°
旋回する。このとき、上段の車載パレットが下段の駐車
スペースに収容されている車両と干渉するのを避けるた
めに、支柱が第２の駆動機構により上段の車載パレット
の旋回位置の側に直線駆動される。これにより、上段の
車載パレットは、下段の駐車スペースの後方に横を向い
て下降する。上段の車載パレットが上昇すると、その上
昇に伴って上段の車載パレットが逆方向に約９０°旋回
し、合わせて支柱が元の位置まで戻る。この一連の動作
により、下段の駐車スペースから車両を出さずに、上段
の車載パレットに車両を出し入れすることが可能とな
る。

【０００８】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。

【０００９】図１は本発明の二段式駐車装置の一例につ
いてその構成を示す側面図で、上段の車載パレットが格
納位置に保持された状態を示す。図２は図１のＡ−Ａ線
矢視図である。図３および図４は動作説明図で、図３は
上段の車載パレットが下降した状態の側面図、図４は図
３のＢ−Ｂ線矢視図である。

【００１０】本駐車装置は、図１に示すように、下段の
駐車スペースの上に重ねられる上段車載パレット２０を
具備する。下段の駐車スペースは入口を道路１０に向け
ている。本発明の説明では、道路１０から離れる方向を
前方、道路１０に近づく方向を後方と称す。

【００１１】上段の車載パレット２０は、下段の駐車ス
ペースの側方に設けた第１の駆動機構３０に片持ち支持
されている。

【００１２】第１の駆動機構３０は、鉛直に立設された
円筒状の支柱３１を有する。支柱３１は、下段の駐車ス
ペースの側縁に沿って設けたガイド３７に案内されて前
後に自由に移動し得る。

【００１３】支柱３１には、図３に示すように、その軸
方向および周方向に自由に移動し得る円筒状の可動部材
３２が外嵌されている。

【００１４】可動部材３２の中心位置には、そのほぼ全
長にわたってネジ桿３３が配設されている。ネジ桿３３
は支柱３１内に上方から挿入され、支柱３１の上端部に
取り付けたナット部材３４に螺合している。可動部材３
２の上面には、ネジ桿３３を正逆両方向に回転駆動する
モータ３５が取り付けられている。

【００１５】可動部材３２の外周面には、上段の車載パ
レット２０の一方の側面がアーム２１によって連結され
ている。また、可動部材３２の内面に達するスリット状
のカム溝３６が設けられている。カム溝３６は鉛直部３
６ａとその下方に連設された傾斜部３６ｂとからなる。
傾斜部３６ｂは９０°の範囲にわたって螺旋状に設けら
れている。そして、カム溝３６には、支柱３１の外周面
に突設されたピンが挿入されている。

【００１６】上段の車載パレット２０は、上限時に下段
の駐車スペースの直上に重ねられる。このとき、ピンは
カム溝３６の最下部に位置し、ネジ桿３３はその大部分
が支柱３１の上方に進出した状態にある。この状態で、
ネジ桿３３が支柱３１内に挿入される方向に回転する
と、カム溝３６に挿入されたピンに案内されて、可動部
材３２が旋回し且つ下降する。

【００１７】すなわち、下降初期にカム溝３６の傾斜部
３６ｂ内をピンが相対的に上昇することにより、可動部
材３２は上段の車載パレット２０と共に支柱３１の回り
を反時計方向に９０°回転する。その後はカム溝３６の
鉛直部３６ａ内をピンが相対的に上昇することにより、
可動部材３２は直下に下降を続ける。これにより、上段
の車載パレット２０は支柱３１の後方に旋回して下降す
る。

【００１８】第１の駆動機構３０における支柱３１は、
支柱３１と同じ側に設けた第２の駆動機構４０により前
後に駆動される。第２の駆動機構４０は、ここではガイ
ド３７に取り付けたラックギア４１と、支柱３１に取り
付けたモータ４２により回転駆動されるピニオンギアと
の組み合わせとされている。そして、上段の車載パレッ
ト３０が下降を開始する前に、第２の駆動機構４０によ
り、支柱３１が後方へ駆動される。従って、上段の車載
パレット２０は下段の駐車スペースの後方、すなわち道
路１０上に駐車スペースと直角な向きで着地する。

【００１９】上段の車載パレット２０が上昇するとき
は、ネジ桿３３が逆方向に回転する。これにより、車載
パレット２０は先ず直上に上昇し、最後に支柱３１の回
りを時計方向に９０°旋回する。更にこの回転の後、第
２の駆動機構４０により支柱３１を前進させる。これに
より、上段の車載パレット２０は下段の駐車スペースの
直上の格納位置に戻る。

【００２０】次に、本駐車装置の使用法を説明する。

【００２１】上段の車載パレット２０を下段の駐車スペ
ースの直上の格納位置に上昇させておけば、上段の車載
パレット２０に干渉されることなく、下段の駐車スペー
スに車両を出し入れすることができる。しかも、駆動機
構３０，４０は下段の駐車スペースの片側にあり、その
反対側には支柱は勿論、他の障害物も一切存在しないの
で、下段の駐車スペースへの車両の出し入れは容易であ
る。

【００２２】上段の車載パレット２０に車両を出し入れ
するときは、第２の駆動機構４０により支柱３１が後方
へ移動した後、上段の車載パレット２０が下降を開始す
る。このとき、上段の車載パレット２０は直下に下がら
ず、支柱３１の回りを反時計方向に９０°旋回し、支柱
３１の後方に移動する。しかも支柱３１は上段の車載パ
レット２０の旋回位置の側、すなわち後方へ直線移動す
る。そのため、上段の車載パレット２０は下段の駐車ス
ペースの後方、すなわち道路１０上に着地する。従っ
て、下段の駐車スペースに収容されている車両に干渉さ
れることなく、上段の車載パレット２０に車両を出し入
れすることができる。

【００２３】また、上段の車載パレット２０は旋回によ
り道路１０上に平行に降ろされ、且つ、車載パレット２
０の旋回方向外側は開放されている。従って、車載パレ
ット２０への車両の出し入れも非常に容易である。

【００２４】

【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の二段式駐
車装置は、上段の車載パレットの前後動と旋回を伴う昇
降動作とにより、下段に車両を残したままで上段に車両
を出し入れすることができる。上段の車載パレットを片
持ち式とし、且つその車載パレットのみを回転させるの
で、構造が簡素で製造コストが安い。下段の駐車スペー
スも上段の車載パレットも片側が開放し、しかも上段の
車載パレットは下降時に約９０°旋回するので、車両の
出し入れが容易である。

【００２５】従って、便利で実用性の高い二段式駐車装
置が安価に提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の二段式駐車装置の一例についてその構
成を示す側面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線矢視図である。

【図３】上段の車載パレットが下降した状態を示す側面
図である。

【図４】図３のＢ−Ｂ線矢視図である。

【符号の説明】

１０ 道路 ２０ 上段の車載パレット ３０ 第１の駆動機構 ３１ 支柱 ３２ 可動部材 ３３ ネジ桿 ３４ ナット部材 ３５ モータ ３６ カム溝 ３７ ガイド ４０ 第２の駆動機構

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下段の駐車スペースの上方に重ねられる
   上段の車載パレットと、 下段の駐車スペースの片側に立設された支柱を有し、該
   支柱に案内されて昇降し且つ上段の車載パレットを片持
   ち支持する可動部材が、その昇降に伴って支柱の回りを
   正逆両方向に約９０°回転する第１の駆動機構と、 第１の駆動機構と同じ側に設けられ、その支柱を下段の
   駐車スペースに沿って前後に駆動する第２の駆動機構と
   を具備することを特徴とする二段式駐車装置。