JPH0412216Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、二段式立体駐車装置に関し、特に
階下の自動車を出し入れすることなく二階に自動
車を駐車できるようにした駐車装置に関する。

（従来の技術） 都市及びその近郊においては、地価の高騰に伴
い、土地の有効活用が要求され、例えば駐車装置
については二段式立体駐車装置が採用される傾向
にある。

従来、この種の二段式立体駐車装置には、昇
降可能な二階フレーム又は載置テーブルをその位
置のまま階下に降ろして自動車を載せ、再び二階
テーブル又は載置テーブルを上昇させるエレベー
タ形式が多く採用されている。

また、他の二段式立体駐車装置として、二階
フレーム又は載置テーブルを一旦前方に押し出し
た後、階下に降ろして自動車の積み降ろしを行う
ようにした形式も提案されている。

（考案が解決しようとする課題） しかるに、従来の二段式立体駐車装置では、
二階テーブル又は載置テーブルをそのまま昇降さ
せるエレベータ構造としているので、階下に自動
車を駐車させている場合には二階に自動車を駐車
し、二階の自動車を出庫させる際に、その都度階
下の自動車を出し入れする必要があつて、使い勝
手が悪いという問題があつた。

他方、従来の二段式立体駐車装置では、二階
フレーム又は載置テーブルを一旦前方に押し出す
ようにしているので、階下の自動車を出し入れす
る必要がないものの、構造が複雑で、建造コスト
が高くなり、立体駐車装置本来の目的、即ち高い
地価の駐車場を有効に活用して自動車１台当たり
の単価を下げようとする目的に沿わないという問
題があつた。

この考案は、かかる問題点に鑑み、階下の自動
車を出し入れする必要のない安価な二段式立体駐
車装置を提供することを課題とする。

そして本件考案者は、上述の課題を解決すべく
鋭意研究した結果、二階フレームを支持する支柱
を傾倒させるとともに、その二階フレームからス
ライドフレームを突出させ、該スライドフレーム
に自動車を搭載するテーブルを支持するようにす
ると、該テーブルを道路上に押し出すことがで
き、又テーブルを回転させて下方に傾斜させ、そ
の、前端縁を地面に接するようにすると、道路を
前進してきた自動車をそのままテーブルに搭載で
き、通常の車庫入れの場合における自動車の煩雑
なＬ字旋回動作が不要となり、使い勝手を著しく
向上させるができることに着目し、本考案を完成
したものである。

（課題を解決するための手段） そこで本考案に係る二段式立体駐車装置は、 「床面に起立傾倒自在に支持された少なくとも
４本の支柱と、 該支柱を自動車が二階位置に格納される起立位
置と自動車が出し入れされる傾倒位置との間で起
立傾倒させる支柱駆動機構と、 上記支柱に支持された二階フレームと、 該二階フレームに自動車が二階位置に格納され
る格納位置と自動車が出し入れされる道路上の前
方位置との間でスライド自在に装着されたスライ
ドフレームと、 該スライドフレームを格納位置と前方位置との
間でスライドさせるフレーム駆動機構と、 上記スライドフレーム上面に回転自在に装着さ
れ、自動車が搭載される回転テーブルと、 該回転テーブルを上記スライドフレームに対し
て略同方向をなす収納位置と道路進行方向に対し
て略同方向をなす回転位置との間で回転させるテ
ーブル駆動機構とを備えるようにした」ことを要
旨とする。

ここで支柱の傾倒動作は、二階フレームが地面
に着地するまで傾倒させ、地面に対して水平な二
階フレームからスライドフレームを突出させ、該
スライドフレームに対して回転テーブルをこれが
直交する位置まで略90度回転させるようにしても
よいが、支柱を二階フレームの前端側が下方に傾
斜しかつ二階フレームが自動車に接触しない中間
位置まで傾倒させ、傾斜した二階フレームからス
ライドフレームを前方に突出させて回転テーブル
を回転させ、回転テーブルの前端縁を地面に接触
させるようにすると、支柱の傾倒角度を小さくで
き、支柱の傾倒起立駆動が簡単となるので好まし
い。

かかる場合、二階フレームを左右と異なる高さ
に設定し、回転テーブルがその回転位置にて下方
に傾斜させ、角度90°以下の回転で回転テーブル
の前端縁が地面に接触するように構成するのが望
ましい。

（作用） 自動車を二階位置に駐車する場合、支柱を起立
位置から傾倒位置に傾倒させ、その二階フレーム
上でスライドフレームを格納位置から前方位置に
スライドさせると、スライドフレームを道路上に
突出させることができる。次にスライドフレーム
上で回転テーブルを収納位置から回転位置に向け
て回転させ、これを道路進行方向に沿わせて停止
させ、そこに自動車を前進させて搭載する。

このようにして回転テーブルに自動車が搭載さ
れると、回転テーブルを元の収納位置まで反転さ
せ、スライドフレームを格納位置まで後退させて
二階フレーム上に戻し、支柱を元の起立位置まで
起立させると、自動車が二階位置に持ち上げられ
て格納される。

このように本考案においては、支柱、二階フレ
ーム、スライドフレーム、回転テーブル及びそれ
らの駆動機構によつて構成していることから、従
来の前方押出し形式の立体駐車装置に比して構造
が簡単であり、製造コストもそれほど高くなるこ
とはない。

（実施例） 以下、本考案を図面に示す具体例に基づいて詳
細に説明する。

第１図は本考案の一実施例による二段式立体駐
車装置の平面図、第２図はその前方からみた正面
図、第３図は側面図である。

図において、基礎フレームＦ上の所定箇所には
支柱１が基礎ボルトＡによつて傾動自在に枢着さ
れ、又基礎フレームＦには入口側支柱１近傍に大
径ギア１２が固定設置され、該大径ギア１２には
小径ピニオンギア１１が噛合され、該小径ピニオ
ンギア１１は入口側支柱１に支承され、上記小径
ピニオンギア１が駆動モータＭ１によつて回転駆
動されることによつて少なくとも入口側支柱１が
起立傾倒駆動されるようになつており、こうして
支柱１を自動車が二階位置に格納される起立位置
と自動車が出し入れされる傾倒位置との間で起立
傾倒させる支柱駆動機構が構成されている。

また、上記支柱１の先端には二階フレーム２が
支持され、支柱１の傾倒・起立動作によつて前方
道路位置から二階位置に移動固定可能に設けられ
ている。

上記二階フレーム２にはスライドフレーム３が
スライド可能に装着されている。即ち、二階フレ
ーム２の両側部には第４図に示すように、断面コ
字形状のガイドレール２１が配設され、スライド
フレーム３の両側にはローラ３１が回転自在に取
付けられ、該ローラ３１はガイドレール２１内に
噛合案内されるようになつており、こうして二階
フレーム２にはスライドフレーム３が支持されて
いる。

また、第１図及び第５図に示すように、スライ
ドフレーム３の両側にはその長手方向に沿つて引
張ネジ３２が配設され、該両引張ネジ３２は各々
内ネジ付チエーンスプロケツト３５に螺合され、
該両スプロケツト３５はチエーン３４によつて相
互に連結され、モータ３８によつて回転されて進
退するように設けられ、こうしてスライドフレー
ム３を自動車が二階位置に格納される格納位置と
自動車が出し入れされる道路上の前方位置との間
でスライドさせるフレーム駆動機構が構成されて
いる。

また、上記スライドフレーム３には回転テーブ
ル４が支承され、該回転テーブル４は面に沿つて
60°程度回転されるようになつている。即ち、第
１図及び第６図に示すように、スライドフレーム
３及び回転テーブル４の略中心部には回転盤３
６，４１が回転軸４２によつて回転自在に取付け
られ、上側回転盤４１の外周にはチエーン４３が
固設され、該チエーン４３にはチエーンホイル４
４が噛合され、該チエーンホイル４４は駆動モー
タ４５によつて回転駆動されるようになつてお
り、こうして回転テーブル４をスライドフレーム
３に対して略同方向をなす収納位置と道路進行方
向に対して略同方向をなす回転位置との間で回転
させるテーブル駆動機構が構成されている。

また、上記回転テーブル４にはその前方に蝶番
４７によつて折曲可能な台形状誘導板４６が取付
けられ、又二階フレーム２上のスライドフレーム
３が左右で異なる高さに支持され、回転テーブル
４が回転方向に下方傾斜するように設定されてい
る。即ち、第３図に示すように、二階フレーム２
を前後方向に20°傾斜した状態まで傾倒させる場
合、二階フレーム２に左右方向に略10°内外の傾
斜角度を持たせると、上記60°内外回転した回転
テーブル４の先端誘導板４６が地面と接触され
る。

次に二段式立体駐車装置の操作方法について説
明する。

基礎フレームＦに固定設置された大径ギア１２
と噛合する小径ピニオンギア１１を駆動モータＭ
１によつて回転駆動させると、支柱１が第３図に
実線で示す起立位置１から傾倒し始め、第３図に
一点鎖線で示す傾倒位置２までくると最大傾倒と
なつて停止され、二階フレーム２は前端側が下方
に傾斜しかつ自動車と干渉しない中間位置に保持
される。

この二階フレーム２の中間位置において、モー
タ３８によつて左右の内ネジ付チエーンスプロケ
ツト３５が回転されると、スライドフレーム３が
傾斜した二階フレーム２から前方への突出して道
路上に延び、次いでチエーンホイル４４が駆動モ
ータ４５によつて回転駆動されると、該チエーン
ホイル４４の回転がチエーン４３を経て上側回転
盤４１に伝達されてこれが回転し、回転テーブル
４はスライドフレーム３に対して略60°の角度を
なす回転位置まで回転され、その状態において前
端縁の台形状誘導板４６が蝶番４７によつて下方
に折曲げられて地面に接触する。

そこで自動車を第１図の矢印方向から回転テー
ブル４上に移動させ、サイドブレーキを引いて停
止させた後、上述したと反対の動作を行うと、回
転テーブル４が自動車を搭載したままスライドフ
レーム３と略平行な元の収納位置まで反転し、そ
の状態でスライドフレーム３が後退され、最後に
二階フレーム２が支柱１の起立とともに後方に上
昇され、自動車が二階位置に持ち上げられて格納
される。

また、二階位置に格納した自動車を出庫させる
場合、上記と同じ動作を行つて回転テーブル４の
台形状誘導板４６を道路に接触させ、自動車を後
進させればよい。

以上のような本実施例の二段式立体駐車装置で
は、二階フレーム２を支持する支柱１を傾倒させ
るとともに、その二階フレーム２からスライドフ
レーム３を突出させ、該スライドフレーム３に自
動車を搭載するテーブル４を支持して道路上に押
し出せるようにしたので、テーブル４をエレベー
タ式に昇降させる必要がなく、階下の自動車を出
し入れすることなく自動車を二階位置に格納し又
は二階位置から出庫させることができ、しかもか
かる二段式立体駐車装置を安価に製造できる。

また、本実施例の二段式立体駐車装置では、テ
ーブル４を回転させて下方に傾斜させ、その前端
縁を地面に接するようにしたので、道路を前進し
てきた自動車をそのままテーブル４に搭載でき、
通常の車庫入れの場合における自動車の煩雑なＬ
字旋回動作が不要となり、使い勝手を著しく向上
できる。

さらに、本実施例の二段式立体駐車装置では、
スライドテーブル３を利用するようにしたので、
支柱１を二階フレーム２が前端側が下方に傾斜し
かつ自動車に接触しない中間位置まで傾倒させれ
ばよく、支柱１の傾倒角度を小さくでき、支柱１
の傾倒起立駆動を簡単化できる。しかも、回転テ
ーブル４が回転方向に下方傾斜するように二階フ
レーム２を形成しているので、回転テーブル４の
地面に対する傾斜角度を抑えることができ、自動
車の搬入が容易となる。

（考案の効果） 以上のように、本考案に係る二段式立体駐車装
置によれば、少なくとも４本の支柱を床面に起立
傾倒自在に支持し、支柱駆動機構によつて支柱を
自動車が二階位置に格納される起立位置と自動車
が出し入れされる傾倒位置との間で起立傾倒させ
る一方、支柱に二階フレームを支持してこれにス
ライドフレームを装着し、フレーム駆動機構によ
つてスライドフレームを自動車が二階位置に格納
される格納位置と自動車が出し入れされる道路上
の前方位置との間でスライドさせ、又自動車が搭
載される回転テーブルをスライドフレーム上面に
回転自在に装着し、テーブル駆動機構によつて回
転テーブルをスライドフレームに対して略同方向
をなす収納位置と道路進行方向に対して略同方向
をなす回転位置との間で回転させるようにしたの
で、階下の自動車を出し入れすることなく二階に
自動車を出し入れでき、しかも駐車装置を安価に
製造できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る二段式立体駐車装置の平
面図、第２図はその前方からみた正面図、第３図
は側面図で、第４図は二階フレームに対するスラ
イドフレームの取付け状態を示す要部断面図、第
５図はスライドフレームの駆動機構を示す要部断
面図、第６図はスライドテーブルに対する回転テ
ーブルの回転機構を示す要部断面図である。 １……支柱、２……二階フレーム、３……スラ
イドフレーム、４……回転テーブル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 床面に起立傾倒自在に支持された少なくとも
   ４本の支柱１と、 該支柱１を自動車が二階位置に格納される起
   立位置と自動車が出し入れされる傾倒位置との
   間で起立傾倒させる支柱駆動機構と、 上記支柱１に支持された二階フレーム２と、 該二階フレーム２に自動車が二階位置に格納
   される格納位置と自動車が出し入れされる道路
   上の前方位置との間でスライド自在に装着され
   たスライドフレーム３と、 該スライドフレーム３を格納位置と前方位置
   との間でスライドさせるフレーム駆動機構と、 上記スライドフレーム３上面に回転自在に装
   着され、自動車が搭載される回転テーブル４
   と、 該回転テーブル４を上記スライドフレーム３
   に対して略同方向をなす収納位置と道路進行方
   向に対して略同方向をなし自動車が出し入れさ
   れる回転位置との間で回転させるテーブル駆動
   機構とを備えたことを特徴とする二段式立体駐
   車装置。 上記支柱１の傾倒位置が、上記支柱１が地面
   に接する位置に設定されていることを特徴とす
   る実用新案登録請求の範囲第１項記載の二段式
   立体駐車装置。 上記支柱１の傾倒位置が、上記二階フレーム
   ２の前端側が下方に傾斜しかつ該二階フレーム
   ２が階下の自動車に接触しない中間位置に設定
   されていることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の二段式立体駐車装置。 上記二階フレーム２が左右で異なる高さに設
   定され、上記回転テーブル４の前端側がその回
   転位置において下方傾斜することを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第３項記載の二段式立
   体駐車装置。