JPH07188636A - 不飽和ノルボルネン系樹脂部材の接着方法 - Google Patents

不飽和ノルボルネン系樹脂部材の接着方法

Info

Publication number
JPH07188636A
JPH07188636A JP26961493A JP26961493A JPH07188636A JP H07188636 A JPH07188636 A JP H07188636A JP 26961493 A JP26961493 A JP 26961493A JP 26961493 A JP26961493 A JP 26961493A JP H07188636 A JPH07188636 A JP H07188636A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive
norbornene
unsaturated
adherend
resin member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP26961493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3503645B2 (ja
Inventor
Yasutoshi Fukazawa
康俊 深沢
Keiichi Komuro
系一 小室
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP26961493A priority Critical patent/JP3503645B2/ja
Publication of JPH07188636A publication Critical patent/JPH07188636A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3503645B2 publication Critical patent/JP3503645B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 不飽和ポリエステル系接着剤を用いることに
より、安価でかつ接着性に優れた方法でノルボルネン系
樹脂部材と被着体とを接着する方法を提供する。 【構成】 重合性モノマー成分を含有しない不飽和ポリ
エステル系接着剤、あるいは、酢酸ビニルのような重合
性モノマー成分を含有し、スチレン系重合性モノマー成
分は含有しない不飽和ポリエステル系接着剤を用いてノ
ルボルネン系樹脂部材と被着体とを接着する。被着体に
は、例えば、FRP、ノルボルネン系樹脂部材などが用
いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不飽和ノルボルネン系
樹脂部材と被着体との接着方法に関し、更に詳しくは、
不飽和ポリエステル系樹脂接着剤を用いて不飽和ノルボ
ルネン系樹脂部材と被着体とを接着する接着方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ジシクロペンタジエン(DCP)、メチ
ルテトラシクロドデセン(MTD)等のノルボルネン系
モノマーをメタセシス触媒系の存在下で塊状重合するこ
とにより自動車部品や土木建築用部品等の成形品を得る
方法は周知である(例えば、特開昭63−241008
号等)。
【0003】この方法により得られた不飽和ノルボルネ
ン系樹脂成形品は、しばしば金属、ゴム、プラスチック
その他の部材と接着して用いられることがあるが、その
接着剤としては、不飽和ノルボルネン系樹脂との接着力
が他の接着剤に比較して高いことから、主に2液型エポ
キシ系接着剤が用いられている。
【0004】しかし、2液型エポキシ系接着剤は、主剤
と硬化剤を厳密に計量しないと接着強度がばらつく欠点
がある。
【0005】そのため、この2液型エポキシ系接着剤に
代わる接着剤として、安価で、主剤と硬化剤の混合比率
が厳密でなくてよい接着剤が求められている。
【0006】このような目的にかなう接着剤として、例
えば、繊維強化プラスチック(FRP)の接着作業現場
で、不飽和ポリエステル系接着剤が賞用されている。不
飽和ポリエステル系接着剤は、一般に、不飽和ポリエス
テル系樹脂プレポリマーとスチレン系モノマー成分とか
らなる主剤と硬化剤とから構成されており、主剤と硬化
剤との混合比率を2液型エポキシ樹脂のように厳密にし
なくても所期の接着強度が保たれるので取り扱いが容易
である。しかし、係る接着剤を用いて不飽和ノルボルネ
ン系樹脂部材と被着体とを接着しようとしても、充分な
接着強度が得られないという欠点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な実状
に鑑みてなされたものであり、安価で、かつ接着性に優
れ、作業性よく不飽和ノルボルネン系樹脂部材(a)と
被着体(b)とを接着する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記目的を
達成するために鋭意検討の結果、従来の不飽和ポリエス
テル系樹脂接着剤の主剤成分に含まれるスチレン系重合
性モノマー成分が不飽和ノルボルネン軽樹脂部材の接着
性を損なう主因であることを見いだし、この知見に基づ
いて、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明によれば、メタセシス重合
触媒系の存在下に 塊状重合により成形された不飽和ノ
ルボルネン系樹脂成形品 (a)と被着体(b)とを接
着する方法であって、接着剤として、不飽和ポリエステ
ル系樹脂プレポリマーを含有し、スチレン系重合性モノ
マー成分を含有しない主剤と、硬化剤とから成る接着剤
を用いることを特徴とする接着方法が提供される。
【0010】以下、本発明に係る不飽和ノルボルネン系
樹脂成形品(a)と被着体(b)との接着方法につい
て、詳細に説明する。
【0011】(不飽和ポリエステル系樹脂接着剤)本発
明で使用する不飽和ポリエステル系樹脂接着剤とは、通
常用いられている主剤と硬化剤とから成る不飽和ポリエ
ステル系樹脂接着剤において、スチレン系重合性モノマ
ーを主剤中に含有していない不飽和ポリエステル系樹脂
接着剤をいう。
【0012】一般に、不飽和ポリエステル系樹脂接着剤
は、不飽和ポリエステル系プレポリマーを主成分とする
主剤と硬化剤とから成る。
【0013】主剤は、一般に、無水マレイン酸やフマ
ル酸等の不飽和多塩基酸、無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸等の飽和多塩基酸、プロピレングリ
コール、エチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール等のグリコール類、スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトル
エン、ジビニルベンゼン等の溶媒、架橋剤、粘度調節剤
を兼ねる重合性モノマー類、重合防止剤、促進剤、そ
の他の添加剤から構成されている。すなわち上記原料
、、を100〜200℃で数時間反応させ、分子
量数百〜数千のプレポリマーを含有する樹脂を得、これ
をに溶解し、を必要に応じて添加して成る組成物で
ある。
【0014】また、近年、主剤としてエポキシアクリレ
ート樹脂とも称されるビニルエステル系不飽和ポリエス
テル樹脂プレポリマーが開発されている(例えば、特開
平3−281514号)。
【0015】ビニルエステル系不飽和ポリエステル樹脂
プレポリマーとは、エポキシ基を分子中に少なくとも1
個以上有するエポキシ化合物とアクリル酸、メタクリル
酸等の不飽和モノカルボン酸とをアミン類等のエステル
化触媒の存在下に加熱反応してプレポリマーを含有する
樹脂を得、これを前記に溶解し、前記を必要に応じ
て添加して成るプレポリマーである。係るプレポリマー
を前記プレポリマーの代わりに主剤成分として用いるこ
ともできる。
【0016】硬化剤としては、一般にラジカル重合開始
剤として公知のラジカル重合開始剤を用いることができ
る。
【0017】具体的には、例えば、メチルエチルケトン
パーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド、ジクミ
ルパーオキシド等の有機過酸化物触媒が挙げられる。ま
た、これらに促進剤として、コバルトの有機酸塩、芳香
族3級アミンなどを組み合わせることもできる。
【0018】本発明においては、前記不飽和ポリエステ
ル系樹脂接着剤の主剤中に、前記に示される重合性モ
ノマーを含有しないか、または、としてスチレン系重
合性モノマーとは異なる重合性モノマーを用いた不飽和
ポリエステル系樹脂組成物を用いる。
【0019】このようなスチレン系重合性モノマーとは
異なる重合性モノマーとしては、具体的には、例えば、
酢酸ビニル、メチルメタクリレート、ジアリルフタレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート等の不飽
和エステルが挙げられる。このような重合性モノマ−も
できるだけ含有しない方が好ましいが、作業性等のため
に粘度を調整したりする必要があるので、必要に応じて
適宜使用すればよい。
【0020】本発明に使用可能な接着剤の具体例として
は、ディゴラックAC605P(商品名、昭和高分子
製)、ネオポール8414(商品名、日本ユピカ製)、
ディックFG−800(商品名、大日本インキ製)など
が例示される。
【0021】(不飽和ノルボルネン系樹脂成形品
(a))本発明で用いる不飽和ノルボルネン系樹脂成形
品は、メタセシス触媒系の存在下にノルボルネン系モノ
マーを塊状開環重合して得られる樹脂成形品である。な
かでも、反応射出成形法(RIM法)により成形した成
形品は、耐熱性、寸法安定性、耐吸水性などに優れてお
り、しかも軽量であるという特徴を有している。
【0022】ノルボルネン系モノマーは、ノルボルネ
ン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、ト
リシクロペンタジエン等のノルボルネン環をもつもので
あればいずれでもよく、5−メチルノルボルネン、5−
ビニルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネン、メ
チルテトラシクロドデセン等の置換基を有するものでも
よいが、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン
等の三環体以上の多環ノルボルネン系モノマーを用いる
と、熱変形温度の高い重合体が得られる。また、生成す
る開環重合体を熱硬化型とするために、全モノマー中の
少なくとも10重量%、好ましくは30重量%以上の架
橋性モノマーを使用してもよい。
【0023】架橋性モノマーは、反応性の二重結合を2
個以上有する多環ノルボルネン系モノマーであり、その
具体例としてジシクロペンタジエン、トリシクロペンタ
ジエン、テトラシクロペンタジエンなどが例示される。
ノルボルネン系モノマーと架橋性モノマーが同一物であ
る場合には格別他の架橋性モノマーを用いる必要はな
い。
【0024】触媒系は、例えば、特開平4−33982
1号公報に記載されているようなノルボルネン系モノマ
ーの開環重合用触媒系として公知のタセシス触媒、共触
媒等が使用できる。
【0025】中でも、触媒としては、モリブデンやタン
グステン等の有機アンモニウム塩が好ましく、特に特開
昭59−51991号公報に記載されているような有機
アンモニウム塩が好ましい。
【0026】共触媒としては、アルミニウムまたは錫の
有機化合物、とりわけジエチルアルミニウムクロライ
ド、ジオクチルアルミニウムアイオダイド、エチルアル
ミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロ
ライド、n−プロポキシエチルアルミニウムクロライド
等のごとき有機アルミニウムハライドが挙げられる。
【0027】共触媒として有機アルミニウム化合物を用
いる場合には、活性調節剤として、例えば、アルコー
ル、ケトン、エーテル、エステル、ニトリル化合物を適
宜添加する。共触媒を含む反応原液には、共触媒に加え
て、クロロホルム、四塩化炭素、ヘキサクロロペンタジ
エン等のごときハロゲン化炭化水素を併用してもよい
(例えば、特開昭60−79035号公報)。更に、四
塩化錫、四塩化ケイ素、塩化マグネシウム、塩化ゲルマ
ニウム等のハロゲン化物を併用してもよい(例えば、特
開昭63−186730号公報)。
【0028】RIM成形においては、メタセシス触媒
は、ノルボルネン系モノマーの1モルに対し、通常、約
0.01〜50ミリモル、好ましくは0.1〜20ミリ
モルの範囲で用いられる。活性剤は、メタセシス触媒成
分に対して、好ましくは1〜10(モル比)の範囲で用
いられる。
【0029】また、同号公報に記載されているように、
ノルボルネン系ポリマーには、酸化防止剤、充填材、補
強材、顔料、着色剤、エラストマーなどの添加剤を添加
することができる。エラストマーを反応液に添加する
と、得られるポリマーに耐衝撃性が付与されるだけでは
なく、反応液の粘度を調節することができる。これらの
添加剤は、反応液に溶解ないしは分散させて配合した
り、金型内に配設したりする。
【0030】ノルボルネン系ポリマー成形品の好ましい
製造法では、一般に、ノルボルネン系モノマーを二液に
分けて別の容器に入れ、一方にはメタセシス触媒を、他
方には活性剤を添加し、二種類の安定な反応液を調製す
る。この二種類の反応液を混合し、次いで所定形状の金
型中に注入し、そこで塊状による開環重合を行なう。な
お、反応液は、通常、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気
下で貯蔵され、また操作される。
【0031】(被着体(b))本発明において使用する
被着体(b)は、通常の不飽和ポリエステル系樹脂接着
剤で接着できるものならば特に限定されない。
【0032】そのような被着体としては、例えば、布、
プラスチック、繊維強化プラスチック(FRP)、木
材、金属等が挙げられる。また、当然の事だが、被着体
(b)として、前記した不飽和ノルボルネン系樹脂部材
を用いても構わない。
【0033】本発明により種々の接着体が得られるが、
なかでもFRPを被着体(b)として用い、不飽和ノル
ボルネン系樹脂とFRPを複層に接着した接着体は、F
RPの耐衝撃性の不足と、ノルボルネン系樹脂の剛性の
不足を互いに相補い、また、作業工程においても、FR
Pのハンドレイアップ作業を大幅に削減する複合材料と
なるので好都合である。
【0034】なお、FRPとは、ガラスマットやガラス
クロスの存在下に不飽和ポリエステル、エポキシ、フェ
ノール等のプラスチックを硬化させたものである。
【0035】FRPの成形方法としては、ハンドレイア
ップ法、スプレーアップ法、フィラメントワインディン
グ法、連続成形法、遠心成形法、バッグ法、コールドプ
レス法、レジンインジェクション法、プルトルージョン
法、マッチドダイ法、バルクモールディングコンパウン
ド(BMC)法、シートモールディングコンパウンド
(SMC)法などが一般に公知の方法として挙げられる
が、いずれの方法でもガラス繊維等の繊維状強化材と樹
脂とを組み合わせた高剛性のプラスチック部材が作製さ
れる。
【0036】(成形品の接着前方法) 前処理 ノルボルネン系樹脂部材の前処理としては、通常、接着
直前に、脱脂、除塵のために、アルコール等の溶剤によ
る部材表面の洗浄を行う。
【0037】部材表面をサンディングペーパーやサンド
ブラストなどの研磨具で研磨することにより、接着性を
向上させることができるが、あまり粒度の荒い研磨具で
研磨すると、部材表面の組成に影響を及ぼすためか、か
えって接着力が低下する。このようなことから、JIS
−R6001に規定される粒度で、300番以上、好ま
しくは500番以上の研磨具を用いて軽く研磨するのが
好ましい。
【0038】また、上記の他、水洗、アルカリ洗浄など
の表面を清浄にする方法として公知の方法、帯電防止剤
の塗布等の防塵処理、あるいは酸化剤による表面処理、
コロナ放電や火炎による表面処理等の接着性を向上させ
るために公知の前処理方法を適宜選択することができ
る。
【0039】接着剤 本発明で使用する接着剤の不飽和ポリエステル樹脂組成
物(主剤)と硬化剤の混合比率は、主剤、硬化剤の種
類、所望の硬化時間等で異なるが、通常、主剤100部
に対して、硬化剤0.1〜10程度、好ましくは硬化剤
0.5〜5程度である。係る不飽和ポリエステル系樹脂
接着剤の場合は、2液型エポキシ系接着剤と異なり、主
剤と硬化剤の混合比率に若干のずれがあっても接着強度
がバラつくことはないので、エポキシ系の接着剤より厳
密性を必要としない計量で扱うことができ、作業性がよ
い。
【0040】必要に応じて、炭酸カルシウム、クレー、
水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、カーボンブラッ
ク、各種繊維、エラストマー等を充填剤、低収縮剤、研
磨性改良剤として添加しても構わない。
【0041】また、硬化を早めたいときには、適宜促進
剤を添加して使用することができる。促進剤としては、
鉛、コバルト、マンガン等のナフテン酸金属塩に例示さ
れるような一般に公知の促進剤を用いることができる。
【0042】接着法 ノルボルネン系樹脂部材(a)または被着体(b)の接
着面に硬化剤を所定量混合した前記接着剤を塗布する。
塗布方法は、刷毛塗り、スプレー、ロール塗り、ガンか
らの押しだし、アプリケーターによるノズルからの流出
塗布等一般的な方法を適宜用いればよい。
【0043】接着剤膜厚は、特に限定されるものではな
いが、一般には、1〜100ミクロン程度で用いられ、
なるべく均一な膜厚となるように塗布するのが接着強度
のばらつきを防止する上から好ましい。
【0044】ノルボルネン系樹脂部材と被着体との接着
は、接着剤が完全に硬化する前に行えばよいが、ノルボ
ルネン系樹脂部材に塗布した接着剤が指を押しつけても
指紋が残らない程度にまで接着剤が半硬化した状態でノ
ルボルネン系樹脂部材と被着体の接着面を互いに押し付
け、その状態で接着剤がが充分に硬化するまで放置する
のが好ましい。放置している間は、接着面に少なくとも
100g/cm2以上の負荷をかけておくことが好まし
い。
【0045】被着体がFRPの場合には、FRPの製造
工程でノルボルネン系樹脂部材を接着させることもでき
る。すなわち、不飽和ポリエステル系接着剤をノルボル
ネン系樹脂に塗布し、接着剤を完全に硬化させる。一
方、FRPの接着面は、指を押し付けて指紋がわずかに
残る程度に半硬化させた状態で、前記した接着剤を塗布
したノルボルネン系樹脂部材の接着面と密着させる。F
RPの内部に繊維があるため、その表面が凹凸状となっ
ていることが多く、そのような面を接着面としたとき
は、被着体のFRPが半硬化の状態で接着を行う方が、
接着強度が強く、そのばらつきも少ない。係る態様で
は、FRPが半硬化状態なので、FRPがつぶれないよ
う加重を調製することが必要である。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、不飽和ノルボルネン系
樹脂部材(a)と被着体(b)とを接着するにあたり、
安価で、かつ接着性に優れ、作業性のよい接着方法が提
供される。
【0047】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
についてさらに具体的に説明するが、本発明は、これら
の実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の
例において、部および%は、特に断りのない限り重量基
準である。
【0048】(実施例1)反応原液として、次のA液と
B液を調整した。ジシクロペンタジエン(DCP)85
%とメチルテトラシクロドデセン(MTD)15%の混
合モノマー100部に、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SIS;日本ゼオン社製、商品名
クインタック3421)6.5部ポリブタジエン(B
R:日本ゼオン社製、商品名BR1220)1部を入れ
て混合した液を2つの容器に入れ、一方には、モノマー
成分1リットルに対して、ジエチルアルミニウムクロリ
ド(DEAC)を40ミリモル、n−プロパノール(P
A)を40ミリモル、四塩化ケイ素を20ミリモルにな
るようにそれぞれ添加した(B液)。
【0049】他方には、モノマー成分1リットルに対し
て、トリ(トリデシル)アンモニウムモリブデートを1
0ミリモル、さらにモノマー成分100部当たりフェノ
ール系酸化防止剤(エチルコーポレーション社製、商品
名エタノックス702)3部を添加した(A液)。上記
反応原液をパワーミキサーを装備したギアポンプ式の注
型機で1/1の混合比で吐出混合し、大きさ750mm
×750mm、厚み約3mmのノルボルネン系樹脂部材
を成形した。
【0050】金型の温度は、製品面のキャビ側を80
℃、非製品面のコア側を50℃にして成形した。製品面
側表面は凹凸がなく成形され、非製品面側は凹凸が多く
成形された。
【0051】ガラスマットで強化された不飽和ポリエス
テル樹脂板の接着側表面の一辺に、硬化剤としてメチル
エチルケトンパーオキサイドを主剤に対し1部添加混合
したスチレン系モノマーを含まない不飽和ポリエステル
系接着剤(商品名:ディゴラックAC605P、昭和高
分子株式会社製)を、12.5mmの幅で刷毛で塗布し
て接着面とした。前記ノルボルネン系樹脂部材の一辺と
接着剤を塗布したFRPの接着面を30mmの重ね代で
重ね合わせて、約1Kg/cm2の加重をかけて3日間
放置した。
【0052】3日後、加重をとり、接合面が中央になる
ように、丸鋸で25mmの幅に切削した。それぞれ10
0mmの長さで25mm幅の短冊状のノルボルネン系樹
脂板とFRP板が25mm×12.5mmの大きさの接
合面で中央部で接合している部材が作成できた。
【0053】JIS−K−6850に従い、該部材を1
00mmのスパン距離をあけて上下に固定し、次に、1
0mm/minの引っ張り速度で上下に引っ張り、接着
強度を測定した。結果を表1に挙げる。
【0054】
【表1】
【0055】(実施例2)接着剤の種類をディゴラック
AC605Pから、同じくスチレン系モノマーを含まな
い不飽和ポリエステル系接着剤(商品名:ディックFG
−800、大日本インキ株式会社製)にかえる以外は実
施例1と同様にして実験を行った。結果を表−1に示
す。
【0056】(実施例3)実施例1において使用した不
飽和ポリエステル系接着剤にかえて、ビニル系の不飽和
ポリエステル系接着剤(商品名ネオポール8414、日
本ユピカ製)で同様の実験を行った。結果を表1に示
す。
【0057】(比較例1)接着剤の種類をディゴラック
AC605Pから、スチレンを含有するオルソフタル酸
系の不飽和ポリエステル(品番4183、日本ユピカ株
式会社製)にかえる以外は実施例1と同様にして実験を
行った。結果を表−1に示す。
【0058】それぞれ10回測定を繰り返したところ、
接着強度はそれぞれ約44Kg/cm2、約42Kg/
cm2、約38Kg/cm2、約0Kg/cm2で、スチ
レンを含有していない接着剤はいずれもスチレンを含有
している接着剤接着層よりも高い接着強度を示した。
【0059】(実施例4)硬化剤としてメチルエチルケ
トンパーオキサイドを主剤に対し1部添加混合した不飽
和ポリエステル系接着剤(商品名:ディゴラックAC6
05P、昭和高分子株式会社製)を、前記ノルボルネン
系樹脂部材の製品面側の一辺に12.5mmの幅で刷毛
で塗布して接着面とした。接着剤が完全に硬化するまで
室温で放置した。
【0060】大きさ750mm×750mmのガラスマ
ットと、硬化剤としてメチルエチルケトンパーオキサイ
ドを1部添加した不飽和ポリエステル樹脂(品番451
6、イソフタル酸系)100部とをハンドレイアップで
積層する作業を10回繰り返した。
【0061】FRP成形品の表面を指で押し、指紋が残
る程度に半硬化した状態の時に、接着剤を塗布した前記
ノルボルネン系樹脂部材の接着面を、該FRP成形品の
半硬化面の1辺に、30mmの重ね代で重ね、約1Kg
/cm2の加重をかけて3日間放置した。
【0062】3日後、加重をとり、接合面が中央になる
ように、丸鋸で25mmの幅に切削した。それぞれ10
0mmの長さで25mm幅の短冊状のノルボルネン系樹
脂板とFRP板が25mm×12.5mmの大きさの接
合面で中央部で接合している部材が作成できた。
【0063】JIS−K−6850に従い、該部材を1
00mmのスパン距離をあけて上下に固定し、次に、1
0mm/minの引っ張り速度で上下に引っ張り、接着
強度を測定した。結果を表1に挙げる。
【0064】10回測定を繰り返したところ、接着強度
は約46Kg/cm2で、この接着方法でも、スチレン
を含有していない接着剤は高い接着強度を示した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタセシス重合触媒系の存在下に 塊状
    重合により成形された不飽和ノルボルネン系樹脂部材
    (a)と被着体(b)とを接着する方法であって、接着
    剤として、不飽和ポリエステル系樹脂プレポリマーを含
    有し、スチレン系重合性モノマー成分を含有しない主剤
    と、硬化剤とから成る不飽和ポリエステル系樹脂接着剤
    を用いることを特徴とする接着方法。
  2. 【請求項2】 被着体(b)が繊維強化不飽和ポリエス
    テル系樹脂部材である請求項1記載の接着方法。
JP26961493A 1993-09-30 1993-09-30 不飽和ノルボルネン系樹脂部材の接着方法 Expired - Fee Related JP3503645B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26961493A JP3503645B2 (ja) 1993-09-30 1993-09-30 不飽和ノルボルネン系樹脂部材の接着方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26961493A JP3503645B2 (ja) 1993-09-30 1993-09-30 不飽和ノルボルネン系樹脂部材の接着方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07188636A true JPH07188636A (ja) 1995-07-25
JP3503645B2 JP3503645B2 (ja) 2004-03-08

Family

ID=17474809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26961493A Expired - Fee Related JP3503645B2 (ja) 1993-09-30 1993-09-30 不飽和ノルボルネン系樹脂部材の接着方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3503645B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003327923A (ja) * 2002-05-10 2003-11-19 Kitagawa Ind Co Ltd 板材の接着方法
JPWO2019082683A1 (ja) * 2017-10-24 2019-11-14 Dic株式会社 ラミネート装置
WO2020241180A1 (ja) * 2019-05-28 2020-12-03 Dic株式会社 成形材料、シートモールディングコンパウンド、及び成形品

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003327923A (ja) * 2002-05-10 2003-11-19 Kitagawa Ind Co Ltd 板材の接着方法
JPWO2019082683A1 (ja) * 2017-10-24 2019-11-14 Dic株式会社 ラミネート装置
WO2020241180A1 (ja) * 2019-05-28 2020-12-03 Dic株式会社 成形材料、シートモールディングコンパウンド、及び成形品
JPWO2020241180A1 (ja) * 2019-05-28 2021-11-18 Dic株式会社 成形材料、シートモールディングコンパウンド、及び成形品

Also Published As

Publication number Publication date
JP3503645B2 (ja) 2004-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1391289B1 (en) Low shrink low density laminate formulation
JPH02501998A (ja) 損傷した複合体物品の修理方法
CN1968787A (zh) 具有复合粘结层的经涂敷的磨料制品、及其制造和使用方法
US5549969A (en) Enhanced surface for glass fiber reinforced plastics
US5415894A (en) Enhanced surface appearance of glass fiber reinforced plastics
JP3503645B2 (ja) 不飽和ノルボルネン系樹脂部材の接着方法
CN1010292B (zh) 片状成型料及其面层
US20060281838A1 (en) Non-provisional patent application
US20080090060A1 (en) Low shrink low density laminate formulation
JPH10180758A (ja) 加飾成形用シート及び加飾成形品の製造方法
JP2001227174A (ja) 積層構造体
US20150151522A1 (en) Method for improving adhesion of polyurethane adhesive to polyester based laminate without surface preparation
JP2001071345A (ja) インモールドコーティング方法
JP2002067229A (ja) 複合成形体およびその製造方法
GB2040185A (en) Primer system for FRP bonding
JPH02212544A (ja) 含浸用樹脂組成物、プリプレグの製造方法及び積層板の製造方法
JPH10202680A (ja) 加飾成形用シート及び加飾成形品の製造方法
JP2000280385A (ja) 繊維強化樹脂積層材および成形品の製造方法
JPH0586322A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品
JPS58134171A (ja) 繊維強化プラスチツクス接合用接着剤
JP4753333B2 (ja) 繊維強化多孔質硬化物の製造方法
JPH0598047A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品
WO2023012185A1 (en) Composite material layer and manufacture of sandwich panels
JPH08127110A (ja) 加飾成形品用シート及び加飾成形品の製造方法
JPH0584759A (ja) 型内被覆成形用熱硬化性樹脂組成物及び被覆成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Effective date: 20031202

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees