JPH07187910A - 薬剤徐放多層体 - Google Patents

薬剤徐放多層体

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JPH07187910A
JPH07187910A JP33157893A JP33157893A JPH07187910A JP H07187910 A JPH07187910 A JP H07187910A JP 33157893 A JP33157893 A JP 33157893A JP 33157893 A JP33157893 A JP 33157893A JP H07187910 A JPH07187910 A JP H07187910A
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JP
Japan
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active substance
layer
sustained release
drug
porous body
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JP33157893A
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English (en)
Inventor
Masa Sakurai
雅 桜井
Tatsuhiro Nagamatsu
龍弘 永松
Tomomi Sato
友美 佐藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】熱可塑性樹脂100重量部と充填剤50〜40
0重量部よりなる樹脂組成物を一軸または二軸に1.1
〜10倍に延伸して得られる多孔質体フィルムまたはシ
ートに活性物質を含有してなる活性物質含有多孔質体層
の表裏両面に該活性物質が透過できないバリヤー層を貼
合した多層体であって、活性物質をバリヤー層で被覆さ
れていない活性物質含有多孔質体層の露出した側面から
徐放させる薬剤徐放多層体。 【効果】本発明の薬剤徐放多層体は、活性物質の徐放期
間を長期化でき、そのディメンジョンを調節することに
より徐放期間の長さを設計できる。また本発明の薬剤徐
放多層体は、揮発性の高い活性物質を徐放化するのに特
に好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薬剤徐放多層体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、ろ紙や粘着層に活性物質を含
有保持せしめた薬剤徐放体が知られているが、これら従
来の徐放体は、徐放開始の初期の短時間に活性物質の大
量の放出がおこり、一定量の活性物質を長期に渡って徐
放させるにはかならずしも十分なものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、活性物
質を長期間にわたって放出する徐放体を見出すべく検討
を続けてきた。その結果、熱可塑性樹脂と充填剤よりな
る樹脂組成物を一軸または二軸に1.1〜10倍に延伸
して得られる多孔質体フィルムまたはシートに活性物質
を含有せしめてなる活性物質含有多孔質体層の表裏両面
に活性物質を透過させないバリヤー層を貼合し、バリヤ
ー層で覆われていない活性物質含有多孔質体の露出した
側面からの活性物質を放出させることによって活性物質
の徐放が長期間にわたって持続することを見出し本発明
に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、熱可
塑性樹脂100重量部と充填剤50〜400重量部より
なる樹脂組成物を一軸または二軸に1.1〜10倍に延
伸して得られる多孔質体フィルムまたはシートに活性物
質を含有してなる活性物質含有多孔質体層の表裏両面
に、該活性物質が透過できないバリヤー層を貼合した多
層体であって、活性物質をバリヤー層で被覆されていな
い活性物質含有多孔質体層の露出した側面から徐放する
ことを特徴とする薬剤徐放多層体を提供するものであ
る。
【0005】本発明において用いられる多孔質体は、熱
可塑性樹脂100重量部と充填剤50〜400重量部、
あるいは必要により分散剤を含むものよりなる樹脂組成
物を通常、10〜140℃好ましくは20〜140℃の
温度で、一軸または二軸方向に1.1〜10倍延伸する
ことにより得られるものである。
【0006】本発明で用いられる熱可塑性樹脂として
は、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン等のα−オレフィンホ
モポリマーまたは線状低密度ポリエチレン、炭素数3〜
18のα−オレフィン類から選ばれた少なくとも一種の
α−オレフィンとエチレンとの共重合体、プロピレンと
エチレンおよび/またはブテン−1との共重合体、さら
にエチレンと酢酸ビニルおよび/またはアクリル酸エス
テル・メタアクリル酸類などエチレン性不飽和結合を有
する有機カルボン酸誘導体との共重合体などのポリオレ
フィン系樹脂が例示される。
【0007】また本発明で用いられる充填剤としては、
例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリ
ウムなどの炭酸塩、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム
などの硫酸塩、リン酸マグネシウム、リン酸カルシウ
ム、などのリン酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウムなどの水酸化物、アルミナ、シリカ、酸化マグ
ネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタンなど
の酸化物、塩化亜鉛、塩化鉄、塩化ナトリウムなどの塩
化物、アルミニウム粉、ゼオライト、シラス、白土、珪
藻土、タルク、カーボンブラック、火山灰などの無機充
填剤や木粉、パルプ粉などのセルロース系粉末、ナイロ
ン粉末、ポリカーボネート粉末、ポリプロピレン粉末、
ポリ−4−メチルペンテン−1粉末などの合成樹脂粉
末、でん粉などの有機充填剤を挙げることができ、これ
らは単独または組合わせて使用される。
【0008】本発明の薬剤徐放多層体に用いる多孔質体
の原料となる樹脂組成物には、熱可塑性樹脂100重量
部に対して50〜400重量部の充填剤が使用される。
このとき充填剤の量が50重量部未満の場合は延伸後に
高い気孔率を発現することが難しくなり、また、400
重量部を超える場合は、加工性が悪化するため好ましく
ない。特に、加工安定性の面から、充填剤は70〜20
0重量部が好ましい。本発明の薬剤徐放多層体は、活性
物質含有多孔質体層の側面から薬剤を放出させるため、
多孔質体層の厚みによって放出速度を種々変えることが
できる。多孔質体層の厚みは特に限定されないが、多孔
質層があまりに薄すぎると活性物質の放出が遅すぎて必
要な効力が得られず、また、多孔質層があまりに厚すぎ
ると活性物質を長期間放出することができなくなるた
め、好ましい厚みは30μm〜10mm程度である。
【0009】本発明の活性物質含有多孔質体層は、例え
ば上記の方法で得られた多孔質体を活性物質またはその
溶液中に浸漬するか、あるいは活性物質またはその溶液
を多孔質体層上に注加もしくは滴下するなどの方法によ
り活性物質またはその溶液と多孔質体層とを接触せしめ
ることによって、活性物質を多孔質体層の孔の中に含有
保持せしめ、活性物質含有多孔質体層を得ることができ
る。活性物質含有多孔質体層は、活性物質を多孔質体層
に含有しているものであればよく特にその製法は限定さ
れない。
【0010】本発明で用いられる活性物質はとくに限定
されず、活性物質の有する上記圧相当の量で、生物活性
あるいは物理的、化学的作用を奏するものであればよ
く、例えば防虫剤、防黴剤、忌避剤、殺菌剤、芳香剤、
防錆剤、植物から得られた精油等の種々の活性を有する
化合物またはその製剤品まで含めたものが例示され、そ
の具体例の一部を次に示す。防虫剤としては、エンペン
トリン等の揮発性の比較的高い活性物質が例示される。
防黴剤としては、デヒドロ酢酸、4−イソプロピル−m
−クレゾール、イソチオシアン酸アリル等が例示され
る。殺菌剤としては、クレゾール、レゾルシン、ヒノキ
チオール等が例示される。植物の精油としては、ヒノキ
精油、ヒバ精油、月桃精油あるいは揮発性の高いカラシ
抽出油、ワサビ抽出油等も例示される。これらの活性物
質は1種単独または2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0011】本発明の薬剤徐放多層体に使用されるバリ
ヤー層は、活性物質が透過できないものであればよく、
特に限定されない。バリヤー層としては、例えばポリエ
ステル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリメタクリル
酸メチル等の樹脂フィルムまたはシートや、アルミニウ
ム箔等の金属箔、アルミニウム等の金属を蒸着した紙、
アルミニウム等の金属を蒸着した樹脂フィルム等が挙げ
られる。活性物質を含有した多孔質体層の表裏両面にバ
リヤー層を設ける方法としては、例えば多孔質層とバリ
ヤー層を接着剤や粘着剤で接着するかあるいは熱圧着す
る方法等により貼合する方法が挙げられる。
【0012】本発明の薬剤徐放体の例を図1と図2に示
す。特にそのディメンジョンに関しては、図2に示すよ
うに、薬剤徐放多層体が例えば直方体状の場合、バリヤ
ー層で覆われた表裏両面の表面積の和をSb(c
2 )、表面または裏面のバリヤー層の周囲長さをL
(cm)、バリヤー層を除いた多孔質体層の厚み及び側
面における露出面積をそれぞれD(cm)及びSa(c
2 )とするとき、D/L≦0.1および、Sa/Sb
≦1であるように薬剤徐放多層体のディメンジョンを定
めるのが好ましい。
【0013】
【発明の効果】本発明の薬剤徐放多層体は、活性物質の
徐放期間を長期化でき、そのディメンジョンを調節する
ことにより徐放期間の長さを設計できる。また本発明の
薬剤徐放多層体は、揮発性の高い活性物質を徐放化する
のに特に好適である。
【0014】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。 実施例1 線状低密度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品
名:スミカセンL FA201−0)100重量部と炭
酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名:ホワ
イトンSSB(赤))120重量部を混練、押出しによ
りシート成形した後、一軸方向に延伸することにより厚
さ700μmの多孔質体を得た。得られた多孔質体を、
イソチオシアン酸アリル(ミドリ十字(株)製、商品
名:ワサオーロ)の液中に浸漬し、60分後に取り出し
て多孔質体の表面に付着しているイソチオシアン酸アリ
ルを拭き取った後、粘着剤を20μmの厚みで塗布した
ポリエステルフィルム(厚さ50μm)を両面に貼り付
け、5cm×5cmの大きさに裁断し、側面のみ露出す
るようにした。得られた薬剤徐放多層体を室温下で吊り
下げ、重量変化により揮散したイソチオシアン酸アリル
の量を測定したところ、第2図に示す様に、非常に長期
間イソチオシアン酸アリルの放出が持続していた。
【0015】比較例1 5cm×5cm角、厚さ0.07cmの濾紙(東洋ろ紙
(株)製、No.526 ペーパークロマト用ろ紙) に180mg
のイソチオシアン酸アリル(ミドリ十字(株)製、商品
名:ワサオーロ)を浸漬により含浸せしめ、得られた徐
放体を実施例1と同一の条件下で揮散したイソチオシア
ン酸アリルの量を測定したところ、第3図に示す様に、
非常に短時間でイソチオシアン酸アリルが放出されてし
まった。
【0016】
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は薬剤徐放多層体の横断面図を表す。
(B)は薬剤徐放多層体の斜視図を表す。
【図2】実施例1の薬剤徐放多層体のイソチオシアン酸
アリルの徐放経過を表すグラフを示す。
【図3】比較例1の薬剤徐放多層体のイソチオシアン酸
アリルの徐放経過を表すグラフを示す。
【符号の説明】
1は活性物質を含有する多孔質体層を示し、2はバリヤ
ー層を示す。矢印は活性物質がバリヤー層に覆われてい
ない露出した側面から放出されるところを模式的に図示
するものである。Sb/2は表面または裏面の面積を表
し、Dはバリヤー層を除く活性物質含有多孔質体層の厚
さを表し、S1/2およびS2/2 は活性物質含有多孔質体
層のバリヤー層で覆われていない二つの側面の面積をそ
れぞれ表し、側面全体の面積Saは、Sa =S1+S2
表せる。L1/2 およびL2/2 は表面または裏面の一辺の
長さをそれぞれ表し、表面または裏面の周囲の長さL
は、L=L1+L2と表せる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂100重量部と充填剤50〜
    400重量部よりなる樹脂組成物を一軸または二軸に
    1.1〜10倍に延伸して得られる多孔質体フィルムま
    たはシートに活性物質を含有してなる活性物質含有多孔
    質体層の表裏両面に、該活性物質が透過できないバリヤ
    ー層を貼合した多層体であって、活性物質をバリヤー層
    で被覆されていない活性物質含有多孔質体層の露出した
    側面から徐放することを特徴とする薬剤徐放多層体。
  2. 【請求項2】表裏両面の面積の和をSb(cm2 )、表
    面または裏面の周囲長さをL(cm)、バリヤー層を除
    いた活性物質含有多孔質体層の厚み及び露出した側面の
    面積をそれぞれD(cm)及びSa(cm2 )とすると
    き、D/L≦0.1であり、Sa/Sb≦1であること
    を特徴とする請求項1記載の薬剤徐放多層体。
JP33157893A 1993-12-27 1993-12-27 薬剤徐放多層体 Pending JPH07187910A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012111707A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Sumika Life Tech Co Ltd 防虫シート
CN103781351A (zh) * 2011-11-16 2014-05-07 大日本除虫菊株式会社 含挥发性药剂的结构体
JP2020151859A (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 リンテック株式会社 揮発性薬剤含有フィルム
JP2020151860A (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 リンテック株式会社 揮発性薬剤含有フィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012111707A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Sumika Life Tech Co Ltd 防虫シート
CN103781351A (zh) * 2011-11-16 2014-05-07 大日本除虫菊株式会社 含挥发性药剂的结构体
JP2020151859A (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 リンテック株式会社 揮発性薬剤含有フィルム
JP2020151860A (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 リンテック株式会社 揮発性薬剤含有フィルム

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