JPH07187641A - シリコン積層体の製造方法 - Google Patents

シリコン積層体の製造方法

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JPH07187641A
JPH07187641A JP5329483A JP32948393A JPH07187641A JP H07187641 A JPH07187641 A JP H07187641A JP 5329483 A JP5329483 A JP 5329483A JP 32948393 A JP32948393 A JP 32948393A JP H07187641 A JPH07187641 A JP H07187641A
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silicon
base material
substrate
film
plasma
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JP5329483A
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Naotake Kono
尚毅 河野
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Tonen General Sekiyu KK
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Tonen Corp
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面平坦で膜厚の均一性に優れしかも結晶性
良好な多結晶シリコン膜を具備するシリコン積層体の製
造方法を提供すること。 【構成】 高温プラズマ発生部1内に導入されたシリコ
ン粒子の溶融物をカーボンファイバー織布から成る基材
2上へ供給して多結晶シリコン膜を製膜するシリコン積
層体の製造方法であり、基材温度をシリコンの融点以上
にしかつ基材を高速で回転させながらシリコン粒子の溶
融物を供給すると共に基材の回転を継続させながら溶融
状態にあるシリコン融液を冷却処理することを特徴とす
る。この方法によれば製膜時のプロセス温度が高いため
多結晶シリコン膜の結晶性が改善され、かつ基材とシリ
コンとの濡れ性が若干悪くてもシリコン融液には基材回
転に伴う遠心力が作用するため表面平坦で膜厚の均一性
に優れた多結晶シリコン膜を製膜できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素系基材等耐熱性基
材とこの基材上に製膜された多結晶シリコン膜とでその
主要部が構成され、例えば、太陽電池等に適用可能なシ
リコン積層体の製造方法に係り、特に、製膜される多結
晶シリコン膜の結晶性を改善できるシリコン積層体の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のシリコン積層体の製造方法とし
ては、例えば、特開昭55−73450号公報に記載さ
れたものが知られている。
【0003】すなわち、この製造方法は、融解槽に収容
された融体シリコン内に一連の穴を備えた網状構造のカ
ーボンファイバー織布等を浸漬し、上記穴内並びに表面
に融体シリコンを充填並びに被覆すると共にこの融体を
結晶化させてシリコン積層体を求める方法である。
【0004】しかし、この方法によりシリコン積層体を
製造する場合、上記融体シリコンを保持しかつ結晶化さ
せる一連の穴を備えた網状構造のカーボンファイバー織
布等を適用することが前提となるため、この製造方法に
おいてはその表面並びに内部構造が密状態にあるシート
状基材を適用することが困難な欠点があった。
【0005】このため、従来においては、通常、熱CV
D法やプラズマCVD法等の製膜手段により耐熱性基材
上に多結晶シリコン膜を直接製膜させてシリコン積層体
を製造し、このシリコン積層体を上記太陽電池等に組込
む方法が採られている。
【0006】しかし、これ等の製造方法においても以下
のような欠点があった。
【0007】まず、熱CVD法においては適用可能なシ
リコン原料が分解され易いSiH4、Si26等のシラ
ン化合物や、SiH2Cl2 、SiHCl3等のハロゲン
化珪素に限られ、SiF4、SiCl4、Si26、及
び、SiH22等の分解され難いハロゲン化珪素の適用
が困難な欠点があった。また、SiH4 等のシラン化合
物はその発火性が極めて高いためその取扱いに細心の注
意を払わねばならず、かつ、上記SiH4 等のシラン化
合物を適用するにしてもその分解率はあまり高くなく、
その分、基材への材料供給速度が遅くなるため多結晶シ
リコンの製膜に時間を要する欠点があった。
【0008】他方、プラズマCVD法においても適用で
きる材料の選択範囲が狭い欠点があり、かつ、シリコン
原料の分解供給速度が低いため上記熱CVD法と同様に
多結晶シリコンの製膜に時間を要する欠点があった。ま
た、プラズマCVD法は低温条件下においてなされるた
め基材に耐熱性が要求されない利点を有しているが、そ
の反面、製膜処理が低温でなされることから結晶粒径の
大きい多結晶シリコン膜を得にくい欠点があった。
【0009】このような技術的背景の下、本出願人はプ
ラズマ溶射法によるシリコン積層体の製造方法を既に提
案している。
【0010】すなわち、この製造方法はシリコン原子が
含まれるシリコン原料を高温プラズマ中に導入してこの
シリコン原料を溶融又は分解し、この溶融又は分解物を
耐熱性基材上に供給して多結晶シリコン膜を製膜するも
のである。
【0011】このプラズマ溶射法によれば、シリコン原
料を高温プラズマ中に導入してこれを溶融又は分解して
いるため従来法では適用が困難であった分解温度の高い
シリコン原料や不純物の含まれる金属級シリコン粒子の
適用が可能となり、かつ、シリコン原料の溶融又は分解
速度が速まって上記耐熱性基材上への溶融又は分解物の
供給速度も速まるため多結晶シリコン膜の製膜速度の向
上が図れると共に、プロセス全体が従来より比較的高温
条件下でなされるため結晶粒径の比較的大きい多結晶シ
リコン膜を得ることが可能になる等の利点を有する方法
であった。
【0012】そして、このプラズマ溶射法を適用してシ
リコン積層体を製造する場合、従来においては上記耐熱
性基材をシリコンの融点直下温度(約1400℃)に加
熱すると共に、この加熱された耐熱性基材上にシリコン
原料の溶融又は分解物を供給してシリコン膜を製膜し、
かつ、このシリコン膜を徐冷して多結晶シリコン膜を得
る方法が採られていた。これは、製膜時における基材温
度をシリコンの融点よりかなり低い温度に設定すると、
シリコン原料の溶融又は分解物が上記基材に付着した際
に急冷されてこの溶融又は分解物にストレスが加わり易
く得られる多結晶シリコン膜の結晶性が低下する弊害が
あり、他方、上記基材温度をシリコンの融点より高い温
度に設定すると、エネルギー的にロスが多くなるため経
済性が低下するといった設定理由に基づいていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、地球
環境保護の観点からクリーンエネルギー源として光電変
換効率に優れた太陽電池の早期開発が社会的に望まれて
おり、これに対応して製造時における経済性が若干劣っ
ても光電変換効率の改善に寄与する結晶性に優れた多結
晶シリコン膜の開発が望まれている。
【0014】そこで、本発明者は基材として炭素系基材
を適用し、かつ、製膜時における基材温度をシリコンの
融点より高い温度に設定してプラズマ溶射法による多結
晶シリコン膜の製膜を試みた。これは、プロセス温度が
高くなることに伴い多結晶シリコン膜の結晶性が改善さ
れると予測されるからであった。
【0015】ところが、実際にはシリコン原料の融液は
炭素系基材上に一様に拡がらず島状に分布してしまい、
これが冷却されて表面に多数の凹凸を有する多結晶シリ
コン膜が得られるに過ぎなかった。
【0016】尚、このような現象は基材材料とシリコン
原料との濡れ性が良好でないために起こるもので、上記
シリコン原料に対し濡れ性が良好な基材材料を適用する
ことにより回避することは可能と思われる。
【0017】しかし、このプラズマ溶射法においてはプ
ロセス温度が高く、この方法に適用できる基材材料はシ
リコンの融点以上の温度に耐えられる程度の耐熱性が要
求されることから材料の選択範囲が狭いため、耐熱性の
要件を満たす数少ない材料群からシリコン原料に対して
濡れ性が良好な基材材料を選択することは容易でない問
題点を有していた。
【0018】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、シリコン原料と
基材材料との濡れ性をそれ程考慮せずに上記基材上に結
晶性良好な多結晶シリコン膜を一様に形成できるシリコ
ン積層体の製造方法を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、シリコン原子が含まれるシリコン原料を高温
プラズマ中に導入してこの原料を溶融又は分解し、この
溶融又は分解物を基材上に供給して多結晶シリコン膜を
製膜するシリコン積層体の製造方法を前提とし、上記基
材をシリコンの融点以上の温度に加熱し、かつ、基材の
製膜面に対し略垂直な軸を中心にして上記基材を高速で
回転させながらこの基材上にシリコン原料の溶融又は分
解物を供給すると共に、上記基材の回転を継続させなが
ら溶融状態にあるシリコン融液を冷却処理することを特
徴とするものである。
【0020】そして、この発明に係るシリコン積層体の
製造方法によれば、上記基材をシリコンの融点以上の温
度に加熱した状態でシリコン原料の溶融又は分解物を供
給しており、その製膜時におけるプロセス温度が従来法
より高く設定されている分、多結晶シリコン膜の結晶性
の改善を図ることが可能となる。
【0021】また、この製造方法においてはシリコンの
融点以上の温度に加熱された基材を高速で回転させなが
らこの基材上にシリコン原料の溶融又は分解物を供給し
ていることから、基材材料とシリコン原料との濡れ性の
悪さから上記基材上においてシリコン融液が瞬間的に島
状に分布したとしても各シリコン融液には基材回転に伴
う遠心力が作用しこれに伴い各シリコン融液は水平方向
へ延ばされるため基材と各シリコン融液との接触面積、
並びに、隣接する各シリコン融液同士の接触面積を飛躍
的に増大させることが可能となる。そして、基材の回転
を継続させて上記接触状態を保持させながら溶融状態に
あるシリコン融液を冷却処理しているため上記基材上に
多結晶シリコン膜を一様に形成することが可能となる。
【0022】更に、製膜時における基材の加熱温度によ
り決定されるシリコン融液の粘度と基材の回転速度によ
り多結晶シリコン膜の膜厚が制御されるため、基材の加
熱温度と回転速度を適宜調整することにより所望の膜厚
を有する多結晶シリコン膜を高い精度で得ることが可能
となる。
【0023】以下、請求項1に係る発明について図面を
参照して更に詳細に説明する。
【0024】まず、この製造方法に適用される装置は、
図1に示すように数千〜一万度程度の高温プラズマを発
生させる高温プラズマ発生部1と、この高温プラズマ発
生部1に隣接して設けられ耐熱性の基材2が配置される
反応室3とでその主要部が構成されている。また、上記
基材2を図示外の固定手段で保持する基材ホルダー7
は、図1に示すように耐熱性材料により形成された中空
体71にて構成されており、かつ、その内部には上記基
材2をシリコンの融点以上の温度に加熱する加熱手段8
が上記中空体71と非接触状態で配置されていると共
に、中空体71の底部側には基材ホルダー7を数千rp
m程度で回転させる回転軸72が取付けられている。
尚、上記反応室3の下流側には排気系4が設けられてお
りシリコン原料に含まれていた揮発成分や上記基材2に
製膜されなかったシリコン等を排出するように構成され
ている。また、図1中、5はシリコン原料であるシリコ
ン粒子6を収容する容器を示している。
【0025】ここで、上記高温プラズマを発生させる手
段としては、アークプラズマを用いる直流法、誘導プラ
ズマを用いる高周波法、並びに、アークプラズマと誘導
プラズマを併用する併用法があり本発明においてはいず
れの方法も適用できる。
【0026】すなわち、上記直流法においてはDCプラ
ズマトーチの電極部と陰極部の間でアーク放電を発生さ
せ、上記電極部と陰極部のギャップ間を流れるアルゴン
ガス、水素ガス等を分解させて高温プラズマを発生させ
る。そして、高温プラズマが発生している部位へシリコ
ン原料を導入し、このシリコン原料を高温のアルゴンプ
ラズマ、水素プラズマ等により溶融、分解させると共に
この溶融又は分解物を上記基材2側へ輸送させて多結晶
シリコン膜を形成するものである。
【0027】他方、上記高周波法においてはアルゴンガ
ス、水素ガス等が供給される石英管等管の中央にRFプ
ラズマコイルを巻回し、かつ、このRFプラズマコイル
により誘導プラズマを発生させるもので上記直流法に較
べ広がったプラズマフレームが形成される。また、上記
併用法はこれ等直流法と高周波法とを組合わせた方法で
ある(図1参照)。
【0028】そして、直流又は高周波の投入電力、アル
ゴンガス、水素ガス等の流量、以下に述べるシリコン原
料の投入量並びにその種類等を適宜調整することにより
上記プラズマフレームの形状、シリコン原料の溶融又は
分解状態、この溶融又は分解物中に含まれるシリコン成
分の濃度並びにその流速等を制御することが可能になる
ため、これ等の条件を適宜選定することによりシリコン
膜の製膜条件を調整することが可能となる。
【0029】尚、上記高温プラズマ発生部1内における
圧力条件は、この高温プラズマ発生部1内へのシリコン
原料の供給のし易さや製造装置の構成の簡略化等を考慮
して、通常、大気圧又は大気圧近傍(数百Torr)の
条件に設定されるが、これより低い条件、例えば数十T
orrに設定しても当然のことながらよい。そして、高
温プラズマ発生部1内の圧力条件をこのように低く設定
した場合、上記プラズマフレーム(プラズマ空間)が広
がるためシリコン原料の溶融又は分解物を耐熱性の基材
2の広い領域へ供給することが可能となり、上記基材2
上に大面積でかつ膜質均一な多結晶シリコン膜を形成で
きる利点を有している。但し、プラズマ空間が広がるこ
とからその単位体積当りのエネルギー供給量が低下する
ため、直流又は高周波の投入電力を増大させることを要
する。また、高温プラズマ発生部1内の圧力条件を低く
設定した場合、プラズマフレームが伸びて上記基材2が
過熱されることがある。このような場合にはアルゴンガ
スや水素ガス等の流量を下げることにより上記過熱現象
を簡単に回避することができる。
【0030】次に、この請求項1に係る発明において適
用できる基材としてはこの基材が高温プラズマに晒され
る関係上耐熱性を具備していることを要し、例えばアル
ミナのようなセラミックス基材や耐熱ステンレス鋼のよ
うな金属基材、及び、炭素系基材等が挙げられる。尚、
炭素系基材の具体例としては、表面並びに内部構造が密
状態にあるグラファイト板や炭素−炭素複合材料(例え
ば、カーボンファイバーと炭化された樹脂成分とでその
主要部が構成されたもの等)、及び、密に編まれて表面
並びに内部構造が密状態にあるカーボンファイバー織布
等が挙げられ、更に疎に編まれた網状構造のカーボンフ
ァイバー織布の適用も可能である。
【0031】一方、上記高温プラズマ中に導入されて多
結晶シリコン膜を形成するシリコン原料としては、分解
され易いSiH4 、Si26 等のシラン化合物、Si
2Cl2 、SiHCl3 等のハロゲン化珪素が適用で
きると共に、SiF4 、SiCl4 、Si26 、Si2
Cl6 、SiHxy 、及び、SiHxCly 等分解され
難いガス状又は液状のハロゲン化珪素が適用でき、更
に、精製処理が不十分でかつその粒径が約200μm以
下の金属級シリコン粒子(MG・Si,例えばSi純度
が99%のもの)並びに精製処理された太陽電池級シリ
コン粒子(SOG,例えばSi純度が99.9999%
のもの)等シリコン原子を含有する粉状体についてもこ
れ等シリコン粒子中に含まれる不純物が高温加熱処理に
より揮発成分となって除去され易いためその適用が可能
となる。
【0032】尚、金属級シリコン粒子を適用した場合、
この粒子内に含まれるB(ボロン)やC(炭素)等の軽
元素を除去するため酸素(O2)ガスや水蒸気(H2O)
等を上記高温プラズマ中に供給してもよいし、上記粒子
内に含まれるTi(チタン)やFe(鉄)等の重金属を
除去するため弗化カルシウム(CaF2 )等の弗化物を
上記高温プラズマ中に供給してもよい。また、シリコン
原料投入時における反応室内の圧力変動を防止して反応
室内の圧力を略一定に保持する圧力制御弁を設けてもよ
い。
【0033】ここで、上記基材の設定温度を調整するに
は高温プラズマの出力を調整してこれを行ってもよい
し、あるいは、基材ホルダーの中空体内に非接触で配置
された加熱手段を調整して行ってもよくその方法は任意
である。また、高温プラズマの出力調整と上記基材ホル
ダーの中空体内に設けられた加熱手段の調整とを併用し
て基材の設定温度を制御してもよい。
【0034】次に、上記反応室3内に耐熱性の基材2を
配置する場合、プラズマ発生部1と配置された基材2間
距離が近過ぎるとプラズマ発生部1からのプラズマフレ
ームにより基材2が過熱されて破損することがあり、反
対に距離を開け過ぎるとシリコン膜の製膜が困難になる
ことがある。
【0035】従って、上記プラズマ発生部1内の圧力状
態、プラズマフレームの形状、シリコン原料の溶融又は
分解状態並びに溶融又は分解物の流速等の条件に対応し
た適正距離を選定することが望ましい。
【0036】尚、請求項1に係る製造方法により求めら
れたシリコン積層体の適用対象としては上記太陽電池に
限らず例えば光センサ等が挙げられる。
【0037】
【作用】請求項1に係る発明によれば、基材をシリコン
の融点以上の温度に加熱していてるため、製膜時におけ
るプロセス温度が従来法より高く設定されている分、多
結晶シリコン膜の結晶性の改善を図ることが可能とな
る。
【0038】また、シリコンの融点以上の温度に加熱さ
れた基材を高速で回転させながらこの基材上にシリコン
原料の溶融又は分解物を供給していることから、基材材
料とシリコン原料との濡れ性の悪さから上記基材上にお
いてシリコン融液が瞬間的に島状に分布したとしても各
シリコン融液には基材回転に伴う遠心力が作用しこれに
伴い各シリコン融液は水平方向へ延ばされるため基材と
各シリコン融液との接触面積、並びに、隣接する各シリ
コン融液同士の接触面積を飛躍的に増大させることが可
能となる。そして、基材の回転を継続させて上記接触状
態を保持させながら溶融状態にあるシリコン融液を冷却
処理しているため上記基材上に多結晶シリコン膜を平坦
状に形成することが可能となる。
【0039】更に、製膜時における基材の加熱温度によ
り決定されるシリコン融液の粘度と基材の回転速度によ
り多結晶シリコン膜の膜厚が制御されるため、基材の加
熱温度と回転速度を適宜調整することにより所望の膜厚
を有する多結晶シリコン膜を高い精度で得ることが可能
となる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0041】[実施例1]図1に示すようにアークプラ
ズマ並びに誘導プラズマを形成できる高温プラズマ発生
部1と、この高温プラズマ発生部1に隣接して設けられ
内部に基材ホルダー7を備える反応室3とでその主要部
が構成される装置内に基材2としてカーボンファイバー
織布を配置し、かつ、反応室3内を〜10-3Torrまで真
空引きを行って反応室3内の空気等を排気した後、上記
基材ホルダー7を2000rpmの条件で高速回転させ
た。
【0042】次に、プラズマ発生部1内へアルゴンガス
と水素ガスを導入すると共にプラズマ点火を行った。電
源は最初に直流を投入しその後に高周波を投入した。
尚、高温プラズマフレームの形状はアルゴンガス、水素
ガスの流量でかなり変化するが安定した状態を比較的容
易に得ることができた。また、この装置にはアルゴンガ
スと水素ガスの導入口並びにシリコン原料の導入口に圧
力制御弁が取付けられ、かつ、反応室3の下流側には排
気系4が設けられておりこれ等機構により反応室3内の
圧力は〜550Torrに保持されている。
【0043】そして、上記基材2を高温プラズマと基材
ホルダー7内に設けられた加熱手段8により加熱してそ
の表面温度が十分上昇していることを放射温度計を用い
てモニターし、その表面温度がシリコンの融点以上の温
度(1440℃)になった時点でシリコン原料の導入口
から定量のシリコン粒子6を導入しこのシリコン粒子6
を高温プラズマ中にて溶融させかつこの溶融物を上記基
材2上へ製膜した。
【0044】そして、上記基材ホルダー7の回転操作を
継続させながらシリコンの製膜処理を2〜3分間行い、
かつ、シリコン粒子6の供給停止後も上記基材ホルダー
7の回転操作を継続させると共に高周波を投入して高温
プラズマを継続させ5〜10分程度の徐冷制御を行って
膜厚1mm程度の多結晶シリコン膜を形成しシリコン積
層体を製造した。
【0045】 (製 膜 条 件) 反応室内の圧力 〜550Torr DCプラズマ投入電力 5KW RFプラズマ投入電力 30KW アルゴンガス流量 60〜80リットル/min 水素ガス流量 2〜4リットル/min シリコン粒子の粒径 75〜150μm シリコン粒子の供給量 1g/min 高温プラズマ発生部と織布間距離 10〜20cm この様にして得られた多結晶シリコン膜についてTEM
観察を行ったところ、膜厚1mm程度でその結晶粒径は
0.5mm〜1mm程度に達していることが確認でき、
かつ、その表面も平坦状になっていることが確認され
た。
【0046】[比較例]上述した実施例1に係るプラズ
マ溶射装置において基材ホルダー7を回転させずに多結
晶シリコン膜を製膜した点を除き実施例1と略同一の条
件でシリコン積層体を製造した。
【0047】しかし、得られた多結晶シリコン膜は基材
上に島状に分散されて形成され表面に多数の凹凸を有す
るものであった。
【0048】[実施例2]反応室内の圧力を略60To
rrに設定し、かつ、DCプラズマ投入電力を10K
W、RFプラズマ投入電力を50KWに設定した点を除
き実施例1と略同一の条件でシリコン積層体を製造し
た。
【0049】そして、このシリコン積層体の多結晶シリ
コン膜についてTEM観察を行ったところ、実施例1に
係る多結晶シリコン膜と略同一の特性を有していること
が確認された。
【0050】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、シリコン
の融点以上の温度に加熱された基材上にシリコン原料の
溶融又は分解物を供給しているため、製膜時におけるプ
ロセス温度が従来法より高く設定されている分、多結晶
シリコン膜の結晶性の改善が図れる。また、シリコン原
料の供給段階からシリコン融液の冷却処理中において上
記基材を高速で回転させており基材材料とシリコン原料
との濡れ性の悪さから上記基材上においてシリコン融液
が瞬間的に島状に分布したとしても各シリコン融液には
基材回転に伴う遠心力が作用するため、上記基材上に多
結晶シリコン膜を平坦状に形成することが可能となる。
更に、製膜時における基材の加熱温度により決定される
シリコン融液の粘度と基材の回転速度により多結晶シリ
コン膜の膜厚が制御されるため、基材の加熱温度と回転
速度を適宜調整することにより所望の膜厚を有する多結
晶シリコン膜を高い精度で得ることが可能となる。
【0051】従って、表面平坦で膜厚の均一性に優れし
かも結晶性良好な多結晶シリコン膜を具備するシリコン
積層体を簡便に製造できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の製法に適用された装置の構成概念図。
【符号の説明】
1 高温プラズマ発生部 2 基材 3 反応室 7 基材ホルダー 8 加熱手段

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン原子が含まれるシリコン原料を高
    温プラズマ中に導入してこの原料を溶融又は分解し、こ
    の溶融又は分解物を基材上に供給して多結晶シリコン膜
    を製膜するシリコン積層体の製造方法において、 上記基材をシリコンの融点以上の温度に加熱し、かつ、
    基材の製膜面に対し略垂直な軸を中心にして上記基材を
    高速で回転させながらこの基材上にシリコン原料の溶融
    又は分解物を供給すると共に、上記基材の回転を継続さ
    せながら溶融状態にあるシリコン融液を冷却処理するこ
    とを特徴とするシリコン積層体の製造方法。
JP5329483A 1993-12-27 1993-12-27 シリコン積層体の製造方法 Pending JPH07187641A (ja)

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