JPH06208960A - シリコン積層体の製造方法 - Google Patents

シリコン積層体の製造方法

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JPH06208960A
JPH06208960A JP5265985A JP26598593A JPH06208960A JP H06208960 A JPH06208960 A JP H06208960A JP 5265985 A JP5265985 A JP 5265985A JP 26598593 A JP26598593 A JP 26598593A JP H06208960 A JPH06208960 A JP H06208960A
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JP
Japan
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silicon
film
carbon
base material
plasma
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JP5265985A
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English (en)
Inventor
Fumitaka Tamura
文孝 田村
Yoshinori Okayasu
良宣 岡安
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 基材からの剥離が起り難く薄膜でしかもその
結晶粒径が大きい多結晶シリコン膜を短時間で形成可能
なシリコン積層体の製造方法を提供する。 【構成】 高温プラズマ中にシリコン粒子を導入してこ
れを溶融させこの溶融物を1500℃に加熱されたカー
ボンファイバー織布21上に供給してSiCの中間膜2
2を形成した後、織布の温度をシリコンの融点直下温度
(1400℃)に下げ中間膜上にシリコン粒子の溶融物
を製膜させて結晶粒径の大きい多結晶シリコン膜23を
形成しシリコン積層体20を製造する。中間膜の形成は
シリコンの融点より高い1500℃で行っているため反
応が促進されてSiCの中間膜を確実に形成でき、か
つ、中間膜形成後にシリコンの融点より低い1400℃
で多結晶シリコン膜23を製膜させているため製膜直後
のシリコン膜温度と上記織布温度との差が小さくなり、
その分、膜ストレスの低減が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素系基材とこの基材
上に製膜された多結晶シリコン膜とでその主要部が構成
され、例えば、太陽電池の一部を構成するシリコン層と
裏面電極部材として一体的に適用可能なシリコン積層体
に係り、特に、適用できるシリコン原料の選択範囲が広
く、かつ、上記基材からの剥離が起り難く薄膜でしかも
その結晶粒径が大きい多結晶シリコン膜を短時間で形成
可能なシリコン積層体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素系基材を適用したこの種のシリコン
積層体の製造方法としては、例えば、特開昭55−73
450号公報に記載されたものが知られている。
【0003】すなわち、この製造方法は、融解槽に収容
された融体シリコン内に一連の穴を備えた網状構造のカ
ーボンファイバー織布等を浸漬し、上記穴内並びに表面
に融体シリコンを充填並びに被覆すると共にこの融体を
結晶化させてシリコン積層体を求める方法で、製造され
たシリコン積層体は、例えば、図5に示された太陽電池
のシリコン層と裏面電極部材等として一体的に適用され
ている。
【0004】尚、図5中、aはp型シリコン層、bはn
型シリコン層、cはITO等の反射防止層、dは櫛歯状
電極、eはオーミック性接合層、fは裏面電極をそれぞ
れ示している。
【0005】ところで、この方法によりシリコン積層体
を製造する場合、上記融体シリコンを保持しかつ結晶化
させる一連の穴を備えた網状構造のカーボンファイバー
織布等を適用することが前提となるため、この製造方法
においてはその表面並びに内部構造が密状態にあるシー
ト状基材を適用することが困難な欠点があり、かつ、上
記カーボンファイバー織布等の基材が穴を備えている分
だけその電気抵抗が大きくなるため、組込まれた太陽電
池についてその光電変換効率の向上を図り難い欠点があ
った。
【0006】このため、従来においては、通常、熱CV
D法やプラズマCVD法等の製膜手段により炭素系基材
面に多結晶シリコン膜を直接製膜させてシリコン積層体
を製造し、このシリコン積層体を上記太陽電池等に組込
む方法が採られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記製膜手段
を適用して製造された後者のシリコン積層体においても
以下のような問題点があった。
【0008】すなわち、炭素系基材面に対して熱CVD
法等の手段により多結晶シリコン膜を製膜した場合、上
記炭素系基材とシリコンの熱膨張係数の差異に起因して
製膜された多結晶シリコン膜にストレスが生じ易い欠点
があった。このため、多結晶シリコン膜の膜厚をある程
度の大きさに設定しないと膜内に欠陥やクラックが生じ
易くなる問題点があり、かつ、上記膜ストレスが原因と
なって炭素系基材から多結晶シリコン膜が剥がれ易いと
いった問題点があった。
【0009】また、多結晶シリコン膜の製膜法自体につ
いても、熱CVD法においてはこの方法に適用できるシ
リコン原料が分解され易いSiH4 、Si26等のシラ
ン化合物やSiH2Cl2 、SiHCl3 等のハロゲン
化珪素に限られ、SiF4 、SiCl4 、Si26
及び、SiH22 等の分解され難いハロゲン化珪素や
精製処理が不十分な金属級シリコン粒子(MG・Si)
等の適用が困難なためその材料選択範囲が狭い欠点があ
り、かつ、上記SiH4 等のシラン化合物はその発火性
が極めて高いためその取扱いに細心の注意を払わねばな
らない問題点があった。更に、上記SiH4 等のシラン
化合物を適用するにしてもその分解率はあまり高くな
く、従って、その分、基材への材料供給速度が遅くなる
ため多結晶シリコンの製膜に時間を要する問題点があっ
た。
【0010】他方、プラズマCVD法においても適用で
きる材料の選択範囲が狭い欠点があり、かつシリコン原
料の分解率が低いため上記熱CVD法と同様に多結晶シ
リコンの製膜に時間を要する問題点があった。また、プ
ラズマCVD法は低温条件下においてなされるため基材
に耐熱性が要求されない利点を有しているが、その反
面、製膜処理が低温でなされることから結晶粒径の大き
い多結晶シリコン膜が求め難い問題点があった。
【0011】このような技術的背景の下、本発明者等
は、カーボンファイバー等の炭素系基材と、この炭素系
基材の表面に形成された炭化シリコンより成る中間膜
と、この中間膜上に製膜された多結晶シリコン膜とでそ
の主要部が構成されるシリコン積層体を既に創案してい
る。
【0012】そして、このシリコン積層体によれば、化
学的並びに物理的に炭素とシリコンとの中間的性質を有
する炭化シリコンより成る中間膜が上記炭素系基材と多
結晶シリコン膜との間に介在されているため、炭素系基
材と多結晶シリコン膜との化学的親和性の向上が図れ、
かつ、多結晶シリコン製膜直後における膜ストレスの低
減が図れると共に、炭素系基材と多結晶シリコン膜との
間のオーミック性接合を形成することも可能にするもの
であった。
【0013】そこで、本発明の目的はこのようなシリコ
ン積層体を簡便にかつ経済的に大量生産可能な製造方法
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、炭素系基材と、この炭素系基材の表面に形成
された炭化シリコンより成る中間膜と、この中間膜上に
製膜された多結晶シリコン膜とで構成されるシリコン積
層体の製造方法を前提とし、シリコン原子が含まれるシ
リコン原料を高温プラズマ中に導入して上記原料を溶融
又は分解し、かつ、この溶融又は分解物を1500℃以
上に加熱された上記炭素系基材上に供給しそのシリコン
成分と基材の炭素成分とを加熱反応させてこの基材表面
に炭化シリコンより成る中間膜を形成した後、上記炭素
系基材の温度をシリコンの融点直下まで下げると共にこ
の温度条件下において中間膜上に上記シリコン原料の溶
融又は分解物を製膜させて多結晶シリコン膜を形成する
ことを特徴とするものである。
【0015】以下、請求項1に係る発明について図面を
参照して詳細に説明する。
【0016】まず、この製造方法に適用される装置とし
ては、図2に示すように数千〜一万度程度の高温プラズ
マを発生させる高温プラズマ発生部1と、この高温プラ
ズマ発生部1に隣接して設けられ上記炭素系基材2が配
置される反応室3とでその主要部が構成され、上記プラ
ズマ発生部1に導入されて溶融又は分解されたシリコン
原料を1500℃以上に加熱された炭素系基材2上へ供
給しそのシリコン成分と炭素系基材2の炭素成分とを加
熱反応させてこの炭素系基材2表面に炭素とシリコンに
対し中間的性質を有する炭化シリコン(SiC)の中間
膜を形成した後、上記炭素系基材2の温度をシリコンの
融点(1430℃)直下まで下げると共にこの温度条件
において中間膜上に上記シリコン原料の溶融又は分解物
を製膜させて多結晶シリコン膜を形成するものである。
【0017】尚、上記反応室3の下流側には排気系4が
設けられており、シリコン原料に含まれていた揮発成分
や炭素系基材2に製膜されなかったシリコン等を排出す
るように構成されている。また、図2中、5はシリコン
原料であるシリコン粒子6を収容する容器、7は上記炭
素系基材2を保持する基材ホルダー、8はこの基材ホル
ダー7内に設けられた加熱手段をそれぞれ示している。
【0018】ここで、上記高温プラズマを発生させる手
段としては、アークプラズマを用いる直流法、誘導プラ
ズマを用いる高周波法、並びに、アークプラズマと誘導
プラズマを併用する併用法があり本発明においてはいず
れの方法も適用できる。
【0019】すなわち、上記直流法においては図3に示
すようにDCプラズマトーチ16の電極部11と陰極部
12の間でアーク放電を発生させ、上記電極部11と陰
極部12のギャップ間を流れるアルゴンガス、水素ガス
等を分解させて高温プラズマを発生させる。そして、高
温プラズマが発生している部位へシリコン原料を導入
し、このシリコン原料を高温のアルゴンプラズマ、水素
プラズマ等により溶融、分解させると共にこの溶融又は
分解物を上記炭素系基材2側へ輸送させて多結晶シリコ
ン膜を形成するものである。他方、上記高周波法におい
ては図4に示すようにアルゴンガス、水素ガス等が供給
される石英管等管13の中央にRFプラズマコイル14
を巻回し、かつ、このRFプラズマコイル14により誘
導プラズマを発生させるもので上記直流法に較べ広がっ
たプラズマフレーム15が形成される。また、上記併用
法はこれ等直流法と高周波法とを組合わせた方法である
(図2参照)。
【0020】そして、直流又は高周波の投入電力、アル
ゴンガス、水素ガス等の流量、以下に述べるシリコン原
料の投入量並びにその種類等を適宜調整することにより
上記プラズマフレーム15の形状、シリコン原料の溶融
又は分解状態、この溶融又は分解物中に含まれるシリコ
ン成分の濃度並びにその流速等を制御することが可能に
なるため、これ等の条件を適宜選定することによりシリ
コン膜の製膜条件を調整することができ、従って、炭素
系基材上に炭化シリコン(SiC)の中間膜と多結晶シ
リコン膜とを選択的に形成することが可能となる。
【0021】尚、上記高温プラズマ発生部1内における
圧力条件は、この高温プラズマ発生部1内へのシリコン
原料の供給のし易さや製造装置の構成の簡略化等を考慮
して、通常、大気圧又は大気圧近傍(数百Torr)の
条件に設定されるが、これより低い条件、例えば数十T
orrに設定しても当然のことながらよい。そして、高
温プラズマ発生部1内の圧力条件をこのように低く設定
した場合、上記プラズマフレーム15(プラズマ空間)
が広がるためシリコン原料の溶融又は分解物を炭素系基
材2の広い領域へ供給することが可能となり、上記炭素
系基材2上に大面積でかつ膜質均一な多結晶シリコン膜
を形成できる利点を有している。但し、プラズマ空間が
広がることからその単位体積当りのエネルギー供給量が
低下するため、直流又は高周波の投入電力を増大させる
ことを要する。また、高温プラズマ発生部1内の圧力条
件を低く設定した場合、プラズマフレーム15が伸びて
炭素系基材2が過熱されることがある。このような場合
にはアルゴンガスや水素ガス等の流量を下げることによ
り上記過熱現象を簡単に回避することができる。
【0022】次に、この請求項1に係る発明において適
用できる炭素系基材としては、表面並びに内部構造が密
状態にあるグラファイト板や炭素−炭素複合材料(例え
ば、カーボンファイバーと炭化された樹脂成分とでその
主要部が構成されたもの等)、及び、密に編まれて表面
並びに内部構造が密状態にあるカーボンファイバー織布
等が挙げられ、更に、疎に編まれた網状構造のカーボン
ファイバー織布の適用も可能である。
【0023】一方、上記高温プラズマ中に導入されて多
結晶シリコン膜を形成するシリコン原料としては、分解
され易いSiH4 、Si26 等のシラン化合物、Si
2Cl2 、SiHCl3 等のハロゲン化珪素が適用で
きると共に、SiF4 、SiCl4 、Si26 、Si2
Cl6 、SiHxy 、及び、SiHxCly 等分解され
難いガス状又は液状のハロゲン化珪素が適用でき、更
に、精製処理が不十分でかつその粒径が約200μm以
下の金属級シリコン粒子(MG・Si,例えばSi純度
が99%のもの)並びに精製処理された太陽電池級シリ
コン粒子(SOG,例えばSi純度が99.9999%
のもの)等シリコン原子を含有する粉状体についてもこ
れ等シリコン粒子中に含まれる不純物が高温加熱処理に
より揮発成分となって除去され易いためその適用が可能
となる。
【0024】尚、金属級シリコン粒子を適用した場合、
この粒子内に含まれるB(ボロン)やC(炭素)等の軽
元素を除去するため酸素(O2)ガスや水蒸気(H2O)
等を上記高温プラズマ中に供給してもよいし、上記粒子
内に含まれるTi(チタン)やFe(鉄)等の重金属を
除去するため弗化カルシウム(CaF2 )等の弗化物を
上記高温プラズマ中に供給してもよい。また、シリコン
原料投入時における反応室内の圧力変動を防止して反応
室内の圧力を略一定に保持する圧力制御弁を設けてもよ
い。
【0025】そして、この様なシリコン原料を高温プラ
ズマ中に導入しその溶融又は分解物を1500℃以上に
加熱された炭素系基材上へ供給してその表面に炭素とシ
リコンに対し中間的性質を有する炭化シリコン(Si
C)を形成する。この場合、上記炭素系基材はシリコン
の融点より高い1500℃以上に加熱されているため、
シリコンと炭素との化学反応が促進されて上記炭化シリ
コンの中間膜を確実に形成できる利点を有している。
【0026】次に、上記中間膜を形成した後、炭素系基
材の温度をシリコンの融点直下まで下げると共にこの温
度条件下において中間膜上に上記シリコン原料の溶融又
は分解物を製膜させて多結晶シリコン膜を形成する。こ
の場合、炭素系基材の設定温度をシリコンの融点直下に
した状態で上記多結晶シリコン膜を製膜しているため、
製膜直後の多結晶シリコン膜温度と炭素系基材温度との
差が小さくなり、その分、上記多結晶シリコン膜の膜ス
トレスが低減すると共に、炭素とシリコンとの中間的性
質を有する炭化シリコンの中間膜が作用して更に膜スト
レスの低減が図れる。従って、その膜厚を薄く設定して
も製膜された多結晶シリコン膜に欠陥やクラック等が発
生し難くなると共に炭素系基材からの剥離も起こり難く
なる利点を有している。
【0027】ここで、炭素系基材の設定温度を調整する
には上記高温プラズマの出力を調整してこれを行っても
よいし、あるいは、基材ホルダー内に設けられた加熱手
段を調整して行ってもよくその方法は任意である。ま
た、上記高温プラズマの出力調整と基材ホルダー内に設
けられた加熱手段の調整とを併用して上記炭素系基材の
設定温度を制御してもよい。
【0028】次に、上記反応室3内に炭素系基材2を配
置する場合、プラズマ発生部1と配置された炭素系基材
2間距離が近過ぎるとプラズマ発生部1からのプラズマ
フレーム15により炭素系基材2が過熱されて破損する
ことがあり、反対に距離を開け過ぎるとシリコン膜の製
膜が困難になることがある。
【0029】従って、上記プラズマ発生部1内の圧力状
態、プラズマフレーム15の形状、シリコン原料の溶融
又は分解状態並びに溶融又は分解物の流速等の条件に対
応した適正距離を選定することが望ましい。
【0030】また、炭素系基材2を固定して配置した場
合、上記プラズマフレーム15により炭素系基材2が局
所的に過熱されて製膜されるシリコン膜の均一性が阻害
されることがある。このような場合には炭素系基材2を
保持する基材ホルダー7に移動機構を設け、この移動機
構により上記炭素系基材2を水平方向へ移動させて炭素
系基材2の局所的過熱を防止することが可能である。
【0031】尚、請求項1に係る製造方法により求めら
れたシリコン積層体の適用対象としては上記太陽電池に
限らず、例えば光センサ等が挙げられる。
【0032】
【作用】請求項1に係る発明によれば、シリコン原子が
含まれるシリコン原料を高温プラズマ中に導入してこの
原料を溶融又は分解し、かつ、この溶融又は分解物を1
500℃以上に加熱された上記炭素系基材上に供給しそ
のシリコン成分と基材の炭素成分とを加熱反応させてこ
の基材表面に炭化シリコンより成る中間膜を形成した
後、上記炭素系基材の温度をシリコンの融点直下まで下
げると共にこの温度条件下において中間膜上にシリコン
原料の溶融又は分解物を製膜させて多結晶シリコン膜を
形成している。
【0033】そして、シリコン原子が含まれるシリコン
原料を高温プラズマ中に導入してこれを溶融又は分解し
ているため従来法では適用困難であった分解温度の高い
シリコン原料や不純物の含まれる金属級シリコン粒子の
適用が可能になると共に、シリコン原料の溶融又は分解
速度が速まって上記炭素系基材上への溶融又は分解物の
供給速度も速まるため多結晶シリコン膜の製膜速度の向
上が図れ、かつ、プロセス全体が従来より高温条件下で
行われるため結晶粒径の大きい多結晶シリコン膜を求め
ることが可能となる。
【0034】また、上記中間膜の形成に際しては、シリ
コンの融点より高い1500℃以上に加熱された炭素系
基材に対しシリコン原料の溶融又は分解物を供給してこ
れを行っているため、シリコンと炭素との化学反応が促
進されて炭化シリコンから成る上記中間膜を確実に形成
させることが可能となる。
【0035】一方、上記中間膜上に多結晶シリコン膜を
形成するに際しては、炭素系基材の温度をシリコンの融
点直下に設定した状態で上記多結晶シリコン膜を製膜し
ているため、製膜直後の多結晶シリコン膜温度と炭素系
基材温度との差が小さくなり、その分、上記多結晶シリ
コン膜の膜ストレスが低減すると共に上記炭化シリコン
から成る中間膜も作用しこれ等相乗作用により上記膜ス
トレスを大幅に低減させることが可能となる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0037】[実施例1]まず、この実施例に係るシリ
コン積層体20は、図1に示すようにその全域に亘り小
孔を有していないシート状のカーボンファイバー織布2
1と、このカーボンファイバー織布21表面の全域に亘
り形成された炭化シリコンから成る中間膜22と、この
中間膜22上に製膜された多結晶シリコン膜23とでそ
の主要部が構成されている。
【0038】尚、上記カーボンファイバー織布21に
は、以下の表1にその特性が示されている株式会社有沢
製作所のカーボンファイバークロス(商品名 CFS
1140)が適用されている。
【0039】
【表1】 そして、このシリコン積層体20は以下に述べるような
方法にて製造されている。すなわち、図2に示すように
アークプラズマ並びに誘導プラズマを形成できる高温プ
ラズマ発生部1と、この高温プラズマ発生部1に隣接し
て設けられ内部に基材ホルダー7を備える反応室3とで
その主要部が構成される装置内に上記カーボンファイバ
ー織布21を配置し、かつ、反応室3内を〜10-3Torr
まで真空引きを行って反応室3内の空気等を排気した
後、プラズマ点火後の急加熱や局所的過熱を防ぐため点
火に先がけ上記基材ホルダー7に設けられカーボンファ
イバー織布21を水平方向へ移動操作する移動機構(図
示せず)を作動させた。
【0040】次に、プラズマ発生部1内へアルゴンガス
と水素ガスを導入すると共にプラズマ点火を行った。電
源は最初に直流を投入しその後に高周波を投入した。
尚、高温プラズマフレームの形状はアルゴンガス、水素
ガスの流量でかなり変化するが安定した状態を比較的容
易に得ることができた。また、この装置にはアルゴンガ
スと水素ガスの導入口並びにシリコン原料の導入口に圧
力制御弁が取付けられ、かつ、反応室3の下流側には排
気系4が設けられておりこれ等機構により反応室3内の
圧力は〜550Torrに保持されている。
【0041】そして、上記カーボンファイバー織布21
を高温プラズマと基材ホルダー7内に設けられた加熱手
段8により加熱してその表面温度が十分上昇しているこ
とを放射温度計を用いてモニターし、その表面温度が1
500℃になった時点でシリコン原料の導入口から定量
のシリコン粒子6を導入してこのシリコン粒子6を高温
プラズマ中にて溶融させかつこの溶融物をカーボンファ
イバー織布21上へ供給し、そのシリコン成分と織布2
1の炭素成分とを加熱反応させて炭化シリコン(Si
C)から成る中間膜22を形成した。
【0042】次に、上記加熱手段8の出力を下げてカー
ボンファイバー織布21の温度をシリコンの融点直下の
温度(1400℃)まで下げると共に、この温度条件下
において上記中間膜22上にシリコン粒子6の溶融物を
製膜させた。
【0043】そして、この製膜処理を2〜3分間行い、
かつ、シリコン粒子6の供給停止後も高周波を投入して
アルゴンの高温プラズマを継続させ5〜10分程度の冷
却制御を行い膜厚1mm程度の多結晶シリコン膜23を形
成して上記シリコン積層体20を製造した。
【0044】尚、基材ホルダー7に設けられた移動機構
は上記中間膜22の形成前からシリコン膜の冷却制御中
も継続して作動させておりカーボンファイバー織布21
表面への入熱の均一化を図っている。
【0045】 (製 膜 条 件) 反応室内の圧力 〜550Torr DCプラズマ投入電力 5KW RFプラズマ投入電力 30KW アルゴンガス流量 60〜80リットル/min 水素ガス流量 2〜4リットル/min シリコン粒子の粒径 75〜150μm シリコン粒子の供給量 1g/min 高温プラズマ発生部と織布間距離 10〜20cm この様にして求められた多結晶シリコン膜23について
TEM観察を行ったところ、膜厚1mm程度でその結晶粒
径は100μm程度に達していることが確認でき、か
つ、その膜特性も均一になっていることが確認された。
【0046】[実施例2]反応室内の圧力を略60To
rrに設定し、かつ、DCプラズマ投入電力を10K
W、RFプラズマ投入電力を50KWに設定した点を除
き実施例1と略同一の条件でシリコン積層体を製造し
た。
【0047】そして、このシリコン積層体の多結晶シリ
コン膜についてTEM観察を行ったところ、実施例1に
係る多結晶シリコン膜と略同一の特性を有していること
が確認された。
【0048】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、炭素系基
材表面に炭化シリコンから成る中間膜を確実に形成でき
ると共に、この中間膜上にその結晶粒径が大きくかつ膜
ストレスが小さい多結晶シリコン膜を形成することが可
能となり、かつ、従来法では適用困難であった分解温度
が高いシリコン原料や不純物の含まれる金属級シリコン
粒子の適用も可能となり、更に、上記多結晶シリコン膜
の製膜速度の向上も図れる。
【0049】従って、多結晶シリコン膜が剥離し難いシ
リコン積層体を簡便にかつ経済的に大量生産できる効果
を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るシリコン積層体の概略断面図。
【図2】実施例の製法に適用された装置の構成概念図。
【図3】直流法による高温プラズマ発生部の模式図。
【図4】高周波法による高温プラズマ発生部の模式図。
【図5】従来の太陽電池の概略断面図。
【符号の説明】
1 高温プラズマ発生部 2 炭素系基材 3 反応室 7 基材ホルダー 8 加熱手段 20 シリコン積層体 21 カーボンファイバー織布 22 中間膜(SiC) 23 多結晶シリコン膜

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素系基材と、この炭素系基材の表面に形
    成された炭化シリコンより成る中間膜と、この中間膜上
    に製膜された多結晶シリコン膜とで構成されるシリコン
    積層体の製造方法において、 シリコン原子が含まれるシリコン原料を高温プラズマ中
    に導入して上記原料を溶融又は分解し、かつ、この溶融
    又は分解物を1500℃以上に加熱された上記炭素系基
    材上に供給しそのシリコン成分と基材の炭素成分とを加
    熱反応させてこの基材表面に炭化シリコンより成る中間
    膜を形成した後、上記炭素系基材の温度をシリコンの融
    点直下まで下げると共にこの温度条件下において中間膜
    上に上記シリコン原料の溶融又は分解物を製膜させて多
    結晶シリコン膜を形成することを特徴とするシリコン積
    層体の製造方法。
JP5265985A 1992-10-27 1993-10-25 シリコン積層体の製造方法 Pending JPH06208960A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015147365A1 (ko) * 2014-03-26 2015-10-01 실리콘밸리(주) 실리콘 적층을 이용한 디스플레이용 필름 및 그 제조방법

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WO2015147365A1 (ko) * 2014-03-26 2015-10-01 실리콘밸리(주) 실리콘 적층을 이용한 디스플레이용 필름 및 그 제조방법

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