JPH06196426A - シリコン積層体の製造方法 - Google Patents

シリコン積層体の製造方法

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JPH06196426A
JPH06196426A JP5265990A JP26599093A JPH06196426A JP H06196426 A JPH06196426 A JP H06196426A JP 5265990 A JP5265990 A JP 5265990A JP 26599093 A JP26599093 A JP 26599093A JP H06196426 A JPH06196426 A JP H06196426A
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JP
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silicon
carbon
film
metal
plasma
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JP5265990A
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English (en)
Inventor
Fumitaka Tamura
文孝 田村
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Tonen General Sekiyu KK
Original Assignee
Tonen Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素系基材と多結晶シリコン膜との間のオー
ミック性接合の形成を可能にし、かつ、多結晶シリコン
膜における価電子制御も可能にするシリコン積層体の製
造方法を提供すること。 【構成】 高温プラズマ中にシリコン粒子を導入してこ
れを溶融させ、この溶融物を1400℃に加熱されかつ
Alの金属被膜が形成されたカーボンファイバー織布2
1上に供給してSiAlの合金層を形成すると共に、こ
の合金層上にp型ドーパントであるAlが熱拡散された
多結晶シリコン膜を形成しシリコン積層体を製造する。
そして、上記合金層の作用により炭素系基材と多結晶シ
リコン膜との間のオーミック性接合の形成が可能とな
り、かつ、製膜時又は製膜後における上記織布21の温
度を適宜設定して多結晶シリコン膜内のAlの拡散濃度
を調整することにより多結晶シリコン膜におけるp型の
価電子制御が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素系基材とこの基材
上に製膜された多結晶シリコン膜とでその主要部が構成
され、例えば、太陽電池の一部を構成するシリコン層と
裏面電極部材として一体的に適用可能なシリコン積層体
に係り、特に、上記炭素系基材と多結晶シリコン膜との
間のオーミック性接合の形成を可能にし、かつ、多結晶
シリコン膜における価電子制御も可能にするシリコン積
層体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炭素系基材を適用したこの種のシリコン
積層体の製造方法としては、例えば、特開昭55−73
450号公報に記載されたものが知られている。
【0003】すなわち、この製造方法は、融解槽に収容
された融体シリコン内に一連の穴を備えた網状構造のカ
ーボンファイバー織布等を浸漬し、上記穴内並びに表面
に融体シリコンを充填並びに被覆すると共に、この融体
を結晶化させてシリコン積層体を求める方法である。
【0004】ところで、この方法によりシリコン積層体
を製造する場合、上記融体シリコンを保持しかつ結晶化
させる一連の穴を備えた網状構造のカーボンファイバー
織布等を適用することが前提となるため、この製造方法
においてはその表面並びに内部構造が密状態にあるシー
ト状基材を適用することが困難な欠点があった。
【0005】このため、従来においては、通常、熱CV
D法やプラズマCVD法等の製膜手段により炭素系基材
上に多結晶シリコン膜を直接製膜させてシリコン積層体
を製造し、このシリコン積層体を上記太陽電池等に組込
む方法が採られている。
【0006】しかし、これ等の製造方法においても以下
のような欠点があった。
【0007】まず、熱CVD法においては適用可能なシ
リコン原料が分解され易いSiH4、Si26 等のシラ
ン化合物や、SiH2Cl2 、SiHCl3 等のハロゲ
ン化珪素に限られ、SiF4 、SiCl4 、Si
26 、及び、SiH22 等の分解され難いハロゲン化
珪素や精製処理が不十分な金属級シリコン粒子(MG・
Si)等の適用が困難な欠点があった。また、SiH4
等のシラン化合物はその発火性が極めて高いためその取
扱いに細心の注意を払わねばならず、かつ、上記SiH
4 等のシラン化合物を適用するにしてもその分解率があ
まり高くないため、基材への材料供給速度が遅くなる
分、多結晶シリコンの製膜にかなりの時間を要する欠点
があった。
【0008】他方、プラズマCVD法においても適用で
きる材料の選択範囲が狭い欠点があり、かつシリコン原
料の分解率が低いため上記熱CVD法と同様に多結晶シ
リコンの製膜に時間を要する欠点があった。また、プラ
ズマCVD法は低温条件下においてなされるため基材に
耐熱性が要求されない利点を有しているが、その反面、
製膜処理が低温でなされることから結晶粒径の大きい多
結晶シリコン膜が求め難い欠点があった。
【0009】このような技術的背景の下、本発明者はプ
ラズマ溶射法によるシリコン積層体の製造方法を既に創
案している。
【0010】すなわち、この製造方法はシリコン原子が
含まれるシリコン原料を高温プラズマ中に導入してこの
原料を溶融又は分解し、この溶融又は分解物を炭素系基
材上に製膜させて多結晶シリコン膜を形成するものであ
る。
【0011】そして、この製造方法によれば、シリコン
原子が含まれるシリコン原料を高温プラズマ中に導入し
てこれを溶融又は分解しているため従来法では適用が困
難であった分解温度の高いシリコン原料や不純物の含ま
れる金属級シリコン粒子の適用が可能になると共に、シ
リコン原料の溶融又は分解速度が速まって上記基材上へ
の溶融又は分解物の供給速度も速まるため多結晶シリコ
ン膜の製膜速度の向上が図れ、かつ、プロセス全体が従
来より高温条件下でなされるため結晶粒径の大きい多結
晶シリコン膜を求めることが可能となる利点を有する方
法であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このプラズマ
溶射法により製造されたシリコン積層体においては、炭
素系基材と多結晶シリコン膜との間のオーミック性接合
の形成が困難で、かつ、多結晶シリコン膜の価電子制御
も困難な問題があり未だ改善の余地があった。
【0013】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、炭素系基材と多
結晶シリコン膜との間のオーミック性接合の形成を可能
にし、かつ、多結晶シリコン膜における価電子制御も可
能にするシリコン積層体の製造方法を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に係
る発明は、シリコン原子が含まれるシリコン原料を高温
プラズマ中に導入してこの原料を溶融又は分解し、か
つ、この溶融又は分解物を炭素系基材上に製膜させて多
結晶シリコン膜を形成するシリコン積層体の製造方法を
前提とし、上記炭素系基材の表面にAl、Ga及びIn
より選択された金属被膜を形成し、かつ、この金属被膜
が形成された炭素系基材に対して上記シリコン原料の溶
融又は分解物を供給し、そのシリコン成分と金属被膜の
金属成分とを加熱反応させて炭素系基材上にシリコンと
上記金属とで構成される合金層を形成すると共に、この
合金層上に上記金属成分の一部が熱拡散された多結晶シ
リコン膜を製膜することを特徴とするものである。
【0015】このような技術的手段において上記炭素系
基材の表面にAl、Ga及びInより選択された金属被
膜を形成する手段としては、例えば、蒸着法、スパッタ
リング法等の製膜手段を例示できる。そして、この金属
被膜が形成された炭素系基材に対して上記シリコン原料
の溶融又は分解物を供給することにより、そのシリコン
成分と金属被膜の金属成分とが加熱反応してSiAl、
SiGaあるいはSiIn等の合金層が形成されると共
に、この合金層上に製膜された多結晶シリコン膜内に金
属成分の一部が熱拡散されることになる。
【0016】そして、この請求項1に係る製造方法にお
いては、製造されたシリコン積層体の炭素系基材と多結
晶シリコン膜との間に上記SiAl、SiGaあるいは
SiIn等の合金層が介在するため炭素系基材と多結晶
シリコン膜との間のオーミック性接合の形成が可能とな
り、かつ、上記合金層の電気抵抗が低いためシリコン積
層体における電気的特性の向上が図れる。
【0017】また、上記合金層上に製膜される多結晶シ
リコン膜内にはp型ドーパントであるAl、Ga又はI
nが熱拡散されているため、その拡散濃度を適宜調整す
ることにより多結晶シリコン膜におけるp型の価電子制
御も可能となる。
【0018】特に、上記炭素系基材表面に形成する金属
被膜の膜厚を調整したり、あるいは上記シリコン原料の
溶融又は分解物の製膜時若しくは製膜後における炭素系
基材の温度を調整することにより、上記多結晶シリコン
膜内におけるp型ドーパントのプロファイルを適宜制御
でき、この結果、多結晶シリコン膜に裏面電界(BS
F:Back Surface Field)層を形成することが可能とな
る。
【0019】請求項2〜3に係る発明はこのような技術
的理由に基づきなされている。
【0020】すなわち、請求項2〜3に係る発明は請求
項1に係るシリコン積層体の製造方法を前提とし、請求
項2に係る発明は上記金属被膜の膜厚を調整して多結晶
シリコン膜内における金属成分の拡散濃度を制御するこ
とを特徴とするものであり、また、請求項3に係る発明
は炭素系基材の温度を調整して多結晶シリコン膜内にお
ける金属成分の拡散濃度を制御することを特徴とするも
のである。
【0021】尚、上記金属被膜の膜厚を適宜調整すると
共に、シリコン原料の溶融又は分解物の製膜時若しくは
製膜後における炭素系基材の温度をも合わせて調整する
方法を採ってもよい。
【0022】ここで、上記シリコン原料の溶融又は分解
物の製膜時における炭素系基材の温度をシリコンの融点
直下に設定した場合、製膜直後の多結晶シリコン膜温度
と炭素系基材温度との差が小さくなるため製膜された多
結晶シリコンの膜ストレスの低減が図れる利点を有して
いる。
【0023】以下、請求項1〜3に係る発明について図
面を参照して詳細に説明する。
【0024】まず、この製造方法に適用される装置とし
ては、図2に示すように数千〜一万度程度の高温プラズ
マを発生させる高温プラズマ発生部1と、この高温プラ
ズマ発生部1に隣接して設けられ炭素系基材2が配置さ
れる反応室3とでその主要部が構成され、上記プラズマ
発生部1に導入されて溶融又は分解されたシリコン原料
を、例えば、シリコンの融点(1430℃)直下温度に
加熱されかつその表面にアルミニウム等の金属被膜が形
成された炭素系基材2上へ供給し、そのシリコン成分と
金属被膜の金属成分(この例ではAl)とを加熱反応さ
せてこの炭素系基材2表面にSiAlから成る合金層を
形成すると共に、この合金層上にp型ドーパントである
Alが熱拡散された多結晶シリコン膜を形成するもので
ある。
【0025】尚、上記反応室3の下流側には排気系4が
設けられており、シリコン原料に含まれていた揮発成分
や炭素系基材2に製膜されなかったシリコン等を排出す
るように構成されている。また、図2中、5はシリコン
原料であるシリコン粒子6を収容する容器、7は上記炭
素系基材2を保持する基材ホルダー、8はこの基材ホル
ダー7内に設けられた加熱手段をそれぞれ示している。
【0026】ここで、上記高温プラズマを発生させる手
段としては、アークプラズマを用いる直流法、誘導プラ
ズマを用いる高周波法、並びに、アークプラズマと誘導
プラズマを併用する併用法があり本発明においてはいず
れの方法も適用できる。
【0027】すなわち、上記直流法においては図3に示
すようにDCプラズマトーチ16の電極部11と陰極部
12の間でアーク放電を発生させ、上記電極部11と陰
極部12のギャップ間を流れるアルゴンガス、水素ガス
等を分解させて高温プラズマを発生させる。そして、高
温プラズマが発生している部位へシリコン原料を導入
し、このシリコン原料を高温のアルゴンプラズマ、水素
プラズマ等により溶融、分解させると共にこの溶融又は
分解物を上記炭素系基材2側へ輸送させて多結晶シリコ
ン膜を形成するものである。他方、上記高周波法におい
ては図4に示すようにアルゴンガス、水素ガス等が供給
される石英管等管13の中央にRFプラズマコイル14
を巻回し、かつ、このRFプラズマコイル14により誘
導プラズマを発生させるもので上記直流法に較べ広がっ
たプラズマフレーム15が形成される。また、上記併用
法はこれ等直流法と高周波法とを組合わせた方法である
(図2参照)。
【0028】そして、直流又は高周波の投入電力、アル
ゴンガス、水素ガス等の流量、以下に述べるシリコン原
料の投入量並びにその種類等を適宜調整することにより
上記プラズマフレーム15の形状、シリコン原料の溶融
又は分解状態、この溶融又は分解物中に含まれるシリコ
ン成分の濃度並びにその流速等を制御することが可能に
なるため、これ等の条件を適宜選定することによりシリ
コン膜の製膜条件を調整することができる。
【0029】尚、上記高温プラズマ発生部1内における
圧力条件は、この高温プラズマ発生部1内へのシリコン
原料の供給のし易さや製造装置の構成の簡略化等を考慮
して、通常、大気圧又は大気圧近傍(数百Torr)の
条件に設定されるが、これより低い条件、例えば数十T
orrに設定しても当然のことながらよい。そして、高
温プラズマ発生部1内の圧力条件をこのように低く設定
した場合、上記プラズマフレーム15(プラズマ空間)
が広がるためシリコン原料の溶融又は分解物を炭素系基
材2の広い領域へ供給することが可能となり、上記炭素
系基材2上に大面積でかつ膜質均一な多結晶シリコン膜
を形成できる利点を有している。但し、プラズマ空間が
広がることからその単位体積当りのエネルギー供給量が
低下するため、直流又は高周波の投入電力を増大させる
ことを要する。また、高温プラズマ発生部1内の圧力条
件を低く設定した場合、プラズマフレーム15が伸びて
炭素系基材2が過熱されることがある。このような場合
にはアルゴンガスや水素ガス等の流量を下げることによ
り上記過熱現象を簡単に回避することができる。
【0030】次に、この請求項1〜3に係る発明におい
て適用できる炭素系基材としては、表面並びに内部構造
が密状態にあるグラファイト板や炭素−炭素複合材料
(例えばカーボンファイバーと炭化された樹脂成分とで
その主要部が構成されるもの等)、及び、密に編まれて
表面並びに内部構造が密状態にあるカーボンファイバー
織布等が挙げられ、更に、疎に編まれた網状構造のカー
ボンファイバー織布の適用も可能である。
【0031】一方、上記高温プラズマ中に導入されて多
結晶シリコン膜を形成するシリコン原料としては、分解
され易いSiH4 、Si26 等のシラン化合物、Si
2Cl2 、SiHCl3 等のハロゲン化珪素が適用で
きると共に、SiF4 、SiCl4 、Si26 、Si2
Cl6 、SiHxy 、及び、SiHxCly 等分解され
難いガス状又は液状のハロゲン化珪素が適用でき、更
に、精製処理が不十分でかつその粒径が約200μm以
下の金属級シリコン粒子(MG・Si,例えばSi純度
が99%のもの)並びに精製処理された太陽電池級シリ
コン粒子(SOG,例えばSi純度が99.9999%
のもの)等シリコン原子を含有する粉状体についてもこ
れ等シリコン粒子中に含まれる不純物が高温加熱処理に
より揮発成分となって除去され易いためその適用が可能
となる。
【0032】尚、金属級シリコン粒子を適用した場合、
この粒子内に含まれるB(ボロン)やC(炭素)等の軽
元素を除去するため酸素(O2)ガスや水蒸気(H2O)
等を上記高温プラズマ中に供給してもよいし、上記粒子
内に含まれるTi(チタン)やFe(鉄)等の重金属を
除去するため弗化カルシウム(CaF2 )等の弗化物を
上記高温プラズマ中に供給してもよい。また、シリコン
原料投入時における反応室内の圧力変動を防止して反応
室内の圧力を略一定に保持する圧力制御弁を設けてもよ
い。
【0033】ここで、この製造方法においては、上述し
たようにシリコン原料の溶融又は分解物を製膜する際若
しくは製膜後における炭素系基材の温度を調整すること
により多結晶シリコン膜内におけるp型ドーパントのプ
ロファイルを適宜制御することができる。そして、上記
炭素系基材の温度を調整するには高温プラズマの出力を
調整してこれを行ってもよいし、あるいは、基材ホルダ
ー内に設けられた加熱手段を調整して行ってもよくその
方法は任意である。また、上記高温プラズマの出力調整
と基材ホルダー内に設けられた加熱手段の調整とを併用
して上記炭素系基材の設定温度を制御してもよい。
【0034】次に、上記反応室3内に金属被膜が形成さ
れた炭素系基材2を配置する場合、プラズマ発生部1と
配置された炭素系基材2間距離が近過ぎるとプラズマ発
生部1からのプラズマフレーム15により炭素系基材2
が過熱されて破損することがあり、反対に距離を開け過
ぎるとシリコン膜の製膜が困難になることがある。
【0035】従って、上記プラズマ発生部1内の圧力状
態、プラズマフレーム15の形状、シリコン原料の溶融
又は分解状態並びに溶融又は分解物の流速等の条件に対
応した適正距離を選定することが望ましい。
【0036】また、炭素系基材2を固定して配置した場
合、上記プラズマフレーム15により炭素系基材2が局
所的に過熱されて製膜されるシリコン膜の均一性が阻害
されることがあるため、炭素系基材2を保持する基材ホ
ルダー7に移動機構を設けこの移動機構により上記炭素
系基材2を水平方向へ移動させて炭素系基材2の局所的
過熱を防止することが望ましい。
【0037】尚、請求項1〜3に係る製造方法により求
められたシリコン積層体の適用対象としては上記太陽電
池に限らず、例えば光センサ等が挙げられる。
【0038】
【作用】請求項1〜3に係る発明によれば、炭素系基材
の表面にAl、Ga及びInより選択された金属被膜を
形成し、かつ、この金属被膜が形成された炭素系基材に
対してシリコン原料の溶融又は分解物を供給し、そのシ
リコン成分と金属被膜の金属成分とを加熱反応させて炭
素系基材上にシリコンと上記金属とで構成される合金層
を形成すると共に、この合金層上に上記金属成分の一部
が熱拡散された多結晶シリコン膜を製膜している。
【0039】そして、この方法により製造されたシリコ
ン積層体の炭素系基材と多結晶シリコン膜との間には上
記SiAl、SiGaあるいはSiIn等の合金層が介
在するため、炭素系基材と多結晶シリコン膜との間のオ
ーミック性接合の形成が可能となり、かつ、上記合金層
の電気抵抗が低いためシリコン積層体における電気的特
性の向上が図れる。
【0040】また、上記合金層上に製膜される多結晶シ
リコン膜内にはp型ドーパントであるAl、Ga又はI
nが熱拡散されているため、その拡散濃度を適宜調整す
ることにより多結晶シリコン膜におけるp型の価電子制
御も可能となる。
【0041】特に、上記炭素系基材表面に形成する金属
被膜の膜厚を調整したり、あるいは上記シリコン原料の
溶融又は分解物の製膜時若しくは製膜後における炭素系
基材の温度を調整することにより、上記多結晶シリコン
膜内におけるp型ドーパントのプロファイルを適宜制御
でき、この結果、多結晶シリコン膜に裏面電界(BS
F:Back Surface Field)層を形成することも可能とな
る。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0043】[実施例1]まず、この実施例に係るシリ
コン積層体20は、図1に示すようにその全域に亘り小
孔を有していないシート状のカーボンファイバー織布2
1と、このカーボンファイバー織布21表面の全域に亘
り形成されたSiAlから成る合金層22と、この合金
層22上に製膜されかつp型ドーパントであるAlが混
入された多結晶シリコン膜23とでその主要部が構成さ
れている。
【0044】尚、上記カーボンファイバー織布21に
は、以下の表1にその特性が示されている株式会社有沢
製作所のカーボンファイバークロス(商品名 CFS
1140)が適用されている。
【0045】
【表1】 そして、このシリコン積層体20は以下に述べるような
方法にて製造されている。すなわち、図2に示すように
アークプラズマ並びに誘導プラズマを形成できる高温プ
ラズマ発生部1と、この高温プラズマ発生部1に隣接し
て設けられ内部に基材ホルダー7を備える反応室3とで
その主要部が構成される装置内に、薄膜のAlから成る
金属被膜が形成されたカーボンファイバー織布21を配
置し、かつ、反応室3内を〜10-3Torrまで真空引きを
行って反応室3内の空気等を排気した後、プラズマ点火
後の急加熱や局所的過熱を防ぐため点火に先がけ上記基
材ホルダー7に設けられカーボンファイバー織布21を
水平方向へ移動操作する移動機構(図示せず)を作動さ
せた。
【0046】次に、プラズマ発生部1内へアルゴンガス
と水素ガスを導入すると共にプラズマ点火を行った。電
源は最初に直流を投入しその後に高周波を投入した。
尚、高温プラズマフレームの形状はアルゴンガス、水素
ガスの流量でかなり変化するが安定した状態を比較的容
易に得ることができた。また、この装置にはアルゴンガ
スと水素ガス等のガス導入口並びにシリコン原料の導入
口に圧力制御弁が取付けられ、かつ、反応室3の下流側
には排気系4が設けられておりこれ等機構により反応室
3内の圧力は〜550Torrに保持されている。
【0047】そして、上記カーボンファイバー織布21
を高温プラズマと基材ホルダー7内に設けられた加熱手
段8により加熱してその表面温度が十分上昇しているこ
とを放射温度計を用いてモニターし、その表面温度が1
400℃になった時点でシリコン原料の導入口から定量
のシリコン粒子6を導入してこのシリコン粒子6を高温
プラズマ中にて溶融させ、かつ、この溶融物をAlから
成る金属被膜が形成された上記カーボンファイバー織布
21上へ供給しそのシリコン成分と金属被膜のAl成分
とを加熱反応させてSiAlから成る合金層22を形成
すると共に、この合金層22上にシリコン粒子6の溶融
物を製膜した。
【0048】そして、この製膜処理を2〜3分間行い、
かつ、シリコン粒子6の供給停止後も高周波を投入して
アルゴンの高温プラズマを継続させ5〜10分程度の冷
却制御を行いp型ドーパントであるAlが熱拡散された
膜厚1mm程度の多結晶シリコン膜23を形成して上記シ
リコン積層体20を製造した。
【0049】尚、基材ホルダー7に設けられた移動機構
は上記合金層22の形成前からシリコン膜の冷却制御中
も継続して作動させておりカーボンファイバー織布21
表面への入熱の均一化を図っている。
【0050】 ( 製 膜 条 件 ) 反応室内の圧力 〜550Torr DCプラズマ投入電力 5KW RFプラズマ投入電力 30KW アルゴンガス流量 60〜80リット
ル/min 水素ガス流量 2〜4リットル/
min シリコン粒子の粒径 75〜150μm シリコン粒子の供給量 1g/min 高温プラズマ発生部と織布間距離 10〜20cm この様にして求められた多結晶シリコン膜23について
TEM観察を行ったところ、膜厚1mm程度でその結晶粒
径は100μm程度に達していることが確認でき、か
つ、その膜特性も均一になっていることが確認された。
【0051】[実施例2]反応室内の圧力を略60To
rrに設定し、かつ、DCプラズマ投入電力を10K
W、RFプラズマ投入電力を50KWに設定した点を除
き実施例1と略同一の条件でシリコン積層体を製造し
た。
【0052】そして、このシリコン積層体の多結晶シリ
コン膜についてTEM観察を行ったところ、実施例1に
係る多結晶シリコン膜と略同一の特性を有していること
が確認された。
【0053】
【発明の効果】請求項1〜3に係る発明によれば、製造
されたシリコン積層体の炭素系基材と多結晶シリコン膜
との間には、SiAl、SiGaあるいはSiIn等の
合金層が介在するため炭素系基材と多結晶シリコン膜と
の間のオーミック性接合の形成が可能となり、かつ、上
記合金層の電気抵抗が低いためシリコン積層体における
電気的特性の向上が図れる。
【0054】また、上記合金層上に製膜される多結晶シ
リコン膜内にはp型ドーパントであるAl、Ga又はI
nが熱拡散されているためその拡散濃度を適宜調整する
ことにより多結晶シリコン膜におけるp型の価電子制御
も可能となる。
【0055】特に、上記炭素系基材表面に形成する金属
被膜の膜厚を調整したりあるいは上記シリコン原料の溶
融又は分解物の製膜時若しくは製膜後における炭素系基
材の温度を調整することにより、上記多結晶シリコン膜
内におけるp型ドーパントのプロファイルを適宜制御で
き、この結果多結晶シリコン膜に裏面電界(BSF)層
を形成することも可能となる。
【0056】従って、BSF型太陽電池等にそのまま適
用されしかも電気的特性に優れたシリコン積層体を簡便
にかつ経済的に大量生産できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るシリコン積層体の概略断面図。
【図2】実施例の製法に適用された装置の構成概念図。
【図3】直流法による高温プラズマ発生部の模式図。
【図4】高周波法による高温プラズマ発生部の模式図。
【符号の説明】
1 高温プラズマ発生部 2 炭素系基材 3 反応室 7 基材ホルダー 8 加熱手段 20 シリコン積層体 21 カーボンファイバー織布 22 合金層 23 多結晶シリコン膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン原子が含まれるシリコン原料を高
    温プラズマ中に導入してこの原料を溶融又は分解し、か
    つ、この溶融又は分解物を炭素系基材上に製膜させて多
    結晶シリコン膜を形成するシリコン積層体の製造方法に
    おいて、 上記炭素系基材の表面にAl、Ga及びInより選択さ
    れた金属被膜を形成し、かつ、この金属被膜が形成され
    た炭素系基材に対して上記シリコン原料の溶融又は分解
    物を供給し、そのシリコン成分と金属被膜の金属成分と
    を加熱反応させて炭素系基材上にシリコンと上記金属と
    で構成される合金層を形成すると共に、この合金層上に
    上記金属成分の一部が熱拡散された多結晶シリコン膜を
    製膜することを特徴とするシリコン積層体の製造方法。
  2. 【請求項2】上記金属被膜の膜厚を調整して多結晶シリ
    コン膜内における金属成分の拡散濃度を制御することを
    特徴とする請求項1記載のシリコン積層体の製造方法。
  3. 【請求項3】上記炭素系基材の温度を調整して多結晶シ
    リコン膜内における金属成分の拡散濃度を制御すること
    を特徴とする請求項1記載のシリコン積層体の製造方
    法。
JP5265990A 1992-10-27 1993-10-25 シリコン積層体の製造方法 Pending JPH06196426A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4877331A (en) * 1987-10-08 1989-10-31 Eduard Kusters Maschinenfabrik Gmbh & Co. Kg Apparatus for measuring the temperature of the surface of a rotating roll

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