JPH07185684A - プレス型 - Google Patents

プレス型

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JPH07185684A
JPH07185684A JP5332435A JP33243593A JPH07185684A JP H07185684 A JPH07185684 A JP H07185684A JP 5332435 A JP5332435 A JP 5332435A JP 33243593 A JP33243593 A JP 33243593A JP H07185684 A JPH07185684 A JP H07185684A
Authority
JP
Japan
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die
punch
product
knockout
urging
Prior art date
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Pending
Application number
JP5332435A
Other languages
English (en)
Inventor
Retsu Tanima
烈 谷間
Kazuo Morita
和男 森田
Takahisa Morita
隆久 森田
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Kojima Industries Corp
Original Assignee
Kojima Press Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kojima Press Industry Co Ltd filed Critical Kojima Press Industry Co Ltd
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  • Shaping Metal By Deep-Drawing, Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 絞り加工時に、製品におけるシワの発生をよ
り効果的に防止することが出来、しかも絞り加工の後、
製品を変形せしめることなく良好に取り出し得るプレス
型の構造を提供すること。 【構成】 側面の複数部位がポンチ12に接近する方向
において外方に傾斜する傾斜面44,44とされた払い
部材34を、第一の付勢手段40,40にて、該ポンチ
12に接近する方向に付勢された状態で、ダイス11の
ダイス穴14内をその軸方向に移動し得るように設ける
と共に、該払い部材34の傾斜面44,44に当接す
る、対応した傾斜面48,48を有する複数のスライド
部材46,46を、第二の付勢手段52,52により、
該払い部材34を押圧する方向に付勢された状態で、該
払い部材34の付勢方向に直交する方向にスライドし得
るように設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、所定の絞り加工を行なうプレス
型に係り、特に絞り加工時に、製品におけるシワの発生
をより効果的に防止することが出来、しかも絞り加工の
後、ダイス穴内に位置する製品を変形せしめることなく
良好に取り出し得るように改良されたプレス型の構造に
関するものである。
【0002】
【背景技術】一般に、絞り加工に用いられるプレス型
は、相対的に接近、離隔移動可能に配されたポンチとダ
イスとを含んで構成されており、かかるポンチとダイス
との相対的な接近移動に伴って、それらの間に配置せし
められる被加工物が、該ポンチにより該ダイスのダイス
穴内に押し込まれることによって、所定の絞り加工が行
なわれ得るようになっている。
【0003】このため、そのような絞り加工に用いられ
るプレス型、所謂絞り型にあっては、よく知られている
ように、得られる製品にシワが発生し易く、またかかる
製品が、その一部または全部においてダイスのダイス穴
内に押し込まれて位置せしめられた状態で、得られるこ
ととなる。
【0004】そこで、従来より、かかる絞り型において
は、所定の払い部材がダイスのダイス穴内に設けられて
おり、かかる払い部材によって、製品におけるシワの発
生の防止が図られ得、また該ダイス穴内からの取出し
が、良好に行なわれ得るようになっている。
【0005】すなわち、例えば図3に示される絞り型5
6にあっては、ダイス11がポンチ12に対して接近、
離隔する方向に移動し得るように配置され、かかるダイ
ス11のダイス穴14内に、払い部材としてのノックア
ウト34が配されている。そして、このノックアウト3
4が、ポンチ12に対向して位置せしめられていると共
に、その対向面が該ポンチ12と対応する形状とされて
おり、更にその背面側に設けられた2つのコイルバネ4
0,40とガイドピン38,38とによって、該ポンチ
12に接近する方向に付勢された状態で、ダイス11の
ダイス穴14内をその軸方向に移動し得るように配置さ
れている。
【0006】かくして、かかる絞り型56においては、
コイルバネ40,40の付勢力により、ダイス11のポ
ンチ12に対する接近移動時に、被加工物32がポンチ
12とノックアウト34との間で挟持せしめられつつ、
被加工物32に対して所定の絞り加工が行なわれ得るよ
うになっていると共に、該ダイス11の該ポンチ12に
対する離隔移動時に、ノックアウト34が該ポンチ12
側に移動せしめられ得るようになっているのであり、そ
れによって、絞り加工時において、製品におけるシワの
発生が有効に防止され得るようになっていると共に、絞
り加工後において、該製品がノックアウト34によりダ
イス11のダイス穴14内から押し出されて、容易に取
り出され得るようになっているのである。
【0007】ところで、かくの如き構成とされた絞り型
56にあっては、より優れた防シワ効果を得る上におい
て、前記コイルバネ40,40として、より大きな付勢
力を有するものを用い、被加工物32が、ポンチ12と
ノックアウト34との間で、更に強固に挟圧されて、保
持せしめられ得るようにすることが望ましい。
【0008】しかしながら、そうすると、ダイス11が
ポンチ12に対して離隔する方向に相対的に移動せしめ
られる際に、かかるコイルバネ40,40の付勢力によ
って、ノックアウト34が大きな力でポンチ12側に移
動せしめられることとなり、それによって、図4に示さ
れている如く、製品54が、ダイス11のダイス穴14
から、より強い力でもって押し出され、その結果、ポン
チ12の側方において、ダイス11に接近する方向に付
勢された状態で配置され、被加工物32の端部をダイス
11との間で挟持するブランクホルダ28,28等とノ
ックアウト34との間に製品54が挟まれて、該製品5
4の形状が、変形してしまうといった恐れがあったので
ある。
【0009】このように、従来の絞り型においては、絞
り加工時における製品の防シワ効果の更なる向上と、絞
り加工後における該製品の良好な取り出し状態の確保と
を、同時に実現せしめることが極めて困難であったので
ある。
【0010】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、絞り加工時において、製品におけるシワの発生
をより効果的に防止することが出来、しかも絞り加工後
においては、ダイス穴内に位置する製品を何等変形せし
めることなく、良好に取り出し得るように改良されたプ
レス型の構造を提供することにある。
【0011】
【解決手段】そして、本発明にあっては、かくの如き課
題の解決のために、相対的に接近、離隔移動可能に配置
されて、所定の絞り加工を行なうダイス及びポンチと、
該ポンチと対向して且つ該ダイスのダイス穴内をその軸
方向に移動し得るように配された払い部材と、該払い部
材に対して該ポンチに接近する方向に付勢力を及ぼす第
一の付勢手段とを含み、かかる第一の付勢手段の付勢力
によって、該ポンチと該払い部材との間に被加工物を挟
持せしめつつ、該被加工物に対して前記絞り加工を行な
い得るようにすると共に、該ダイスと該ポンチとの離隔
移動時に該払い部材を該ポンチ側へ移動せしめて、該ダ
イスのダイス穴内に位置する絞り加工品を押し出して取
り出し得るように構成したプレス型において、該払い部
材の側面の複数部位を、前記第一の付勢手段の付勢方向
において外方に傾斜する傾斜面として構成する一方、か
かる払い部材の複数の傾斜面にそれぞれ当接する、対応
した傾斜面を有する前記付勢方向に直交する方向にスラ
イド可能とされた複数のスライド部材を設け、更に該複
数のスライド部材を前記払い部材に押圧する方向に該複
数のスライド部材に対してそれぞれ付勢力を及ぼす第二
の付勢手段を設けたことを、その特徴とするものであ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の代表的な実施例について、図面を参照し
つつ、詳細に説明することとする。
【0013】先ず、図1には、本発明に従う構造とされ
た、所定の絞り加工を行なうプレス型において、絞り加
工して得られた製品の取出し状態を具体的に説明する概
略図が示されている。かかる図からも明らかなように、
プレス型10は、ダイス11とポンチ12とを含んで構
成されている。そして、このプレス型10を構成するダ
イス11及びポンチ12は、従来と同様に、互いに上下
に配されていると共に、ダイス11のダイス穴14とポ
ンチ12とが対応するように位置せしめられている。
【0014】また、それらダイス11及びポンチ12に
あっては、ポンチ12がポンチホルダ16に取り付けら
れている一方、ダイス11は、ポンチ12側とは反対の
側において、ダイスホルダ18と対向し、且つ該ダイス
ホルダ18との間に所定の空間20が形成された状態
で、位置せしめられ、更にかかる状態において、連結プ
レート22を介して、該ダイスホルダ18に連結、固定
せしめられている。
【0015】そして、ポンチ12が取り付けられるポン
チホルダ16が、図示しない基台に位置固定的に取り付
けられ、またダイス11が連結せしめられるダイスホル
ダ18が、ホルダープレート24を介して、図示しない
所定の駆動装置により上下移動せしめられるラムに取り
付けられることによって、かかるラムの上下移動に伴っ
て、ダイス11が、ポンチ12に対して、離隔、接近す
る方向に移動され得るようになっているのであり、また
図示しないラムの下死点状態において、図2に示される
如く、ポンチ12がダイス11のダイス穴14内に挿
通、配置され得るようになっているのである。
【0016】なお、28,28はブランクホルダであっ
て、クッションピン30,30を介して、図示しないバ
ネによりダイス11に接近する方向に付勢せしめられて
おり、後述の如くして所定の絞り加工が実施される際
に、被加工物32を、ダイス11との間で挟持すること
によって、その位置ズレやシワの発生が防止され得るよ
うに為すものである。
【0017】ところで、図1からも明らかなように、か
かるプレス型10において、ダイス11のダイス穴14
内には、払い部材としてのノックアウト34が、ポンチ
12と対向して、配置されている。そして、このノック
アウト34は、全体として略偏平のブロック形状を呈し
ており、ポンチ12との対向面が、該ポンチ12に対応
する形状とされている。
【0018】一方、ダイスホルダ18及びホルダープレ
ート24において、ダイス11のダイス穴14に対応す
る部位、即ちノックアウト34との対向部位には、ホル
ダープレート24を貫通し、ダイスホルダ18にまで達
する深さを有する2つの凹所36,36が形成されてお
り、またそれら2つの凹所36,36内には、断面略T
字形状を呈するガイドピン38,38が、上下方向に移
動可能に収容されている。更に、このガイドピン38,
38にあっては、各脚部がダイスホルダ18を貫通し、
下方に延び出して、その先端部がそれぞれノックアウト
34に固定的に取り付けられていると共に、それら各脚
部に対して、それと略同一または所定寸法長い長さを有
する第一の付勢手段としてのコイルバネ40,40が、
ポンチ12に接近する方向に付勢力を及ぼし得るように
外挿せしめられている。
【0019】かくして、ノックアウト34が、コイルバ
ネ40,40によりポンチ12に接近する方向に付勢さ
れた状態で、ガイドピン38,38に案内されて、ダイ
ス11のダイス穴14内を上下方向、即ち該ダイス穴1
4内をその軸方向に移動し得るようになっているのであ
る。
【0020】なお、本実施例においては、ノックアウト
34の各ガイドピン38の取付部位に、各コイルバネ4
0の端部が収容され得る大きさをもった凹部42,42
がそれぞれ設けられており、それによって、限られたス
ペース内に、より長尺な、即ちより大きな付勢力を発揮
するコイルバネ40,40が配設せしめられ得るように
配慮されている。
【0021】そして、本実施例に係るプレス型10にあ
っては、特にポンチ12に対向して配置されたノックア
ウト34が、ポンチ12に接近するに従って拡幅する略
台形形状となる縦断面形状をもって構成されており、そ
れによって、かかるノックアウト34における、ポンチ
12への接近方向に直交する方向の両側に位置する2つ
の対向する側面が、該ポンチ12への接近方向において
外方に傾斜する傾斜面44,44とされている。
【0022】また、そのようなノックアウト34におけ
るポンチ12への接近方向の外方において、ダイス11
とダイスホルダ18との間に形成された前記空間20内
には、一対のスライドブロック46,46が、それらダ
イス11とダイスホルダ18とに対して摺動可能に配さ
れている。更に、このスライドブロック46,46は、
前記ノックアウト34の傾斜面44,44に当接して位
置せしめられており、その当接面48,48が該ノック
アウト34の傾斜面44,44に対応する傾斜面とされ
ている。
【0023】一方、ダイス11とダイスホルダ18とを
連結し、それらと共に前記空間20を形成する連結プレ
ート22,22には、断面略T字形状を呈するスライド
ピン50,50が、該連結プレート22,22の外側か
ら内側に向かって貫通して配置せしめられ、ダイス11
とダイスホルダ18との対向方向に直交する方向に沿っ
て、突出、引込み移動し得るように取り付けられてい
る。また、このスライドピン50,50にあっては、各
連結プレート22の内側、即ち前記空間20内に延び出
した各脚部の先端部が、スライドブロック46,46に
それぞれ固定されており、更にそれら各脚部に対して、
それと同一または所定寸法長い長さを有するコイルバネ
52,52が、その軸方向外方に付勢力を及ぼすように
外挿せしめられている。
【0024】これによって、スライドブロック46,4
6が、スライドピン50,50の突出、引込み移動に対
応して、ダイス11とダイスホルダ18との対向方向に
直交する方向、即ちポンチ12への接近方向に直交する
方向にスライド移動可能とされていると共に、ノックア
ウト34に対して、コイルバネ52,52により、該コ
イルバネ52,52の軸方向外方、即ちノックアウト3
4を押圧する方向に付勢力が及ぼされ得るようになって
いるのである。このことから明らかなように、本実施例
においては、スライドブロック46,46により複数の
スライド部材が、またコイルバネ52,52にて第二の
付勢手段が構成されているのである。
【0025】かくして、かくの如き構造とされたプレス
型10にあっては、図2に示される如く、ダイス11が
ポンチ12に対して接近移動せしめられて、ポンチ12
がダイス11のダイス穴14内に挿通されることによっ
て、被加工物32が、該ポンチ12とノックアウト34
との間で挟持せしめられることとなる。そして、ダイス
11がポンチ12に対して、更に接近移動せしめられる
に伴って、該被加工物32がダイス11のダイス穴14
内に押し込まれて、所定の形状に絞り込まれると共に、
ノックアウト34がポンチ12にて押し上げられて、コ
イルバネ40,40が徐々に収縮せしめられ、該ノック
アウト34が、ポンチ12の接近方向に対してより強く
付勢される。また、その際、スライドブロック46,4
6が、その当接面48,48において、該ノックアウト
34の傾斜面44,44に摺接させられて、互いに離隔
する方向にスライド移動せしめられる。それによって、
コイルバネ52,52が、かかるスライドブロック4
6,46のスライド量に応じて徐々に収縮されて、該ス
ライドブロック46,46に対して、ノックアウト34
を押圧する方向に、より大きな付勢力が及ぼされ、更に
それに応じて、スライドブロック46,46の当接面4
8,48からノックアウト34の傾斜面44,44に対
して、ノックアウト34をポンチ12に接近せしめる方
向に作用せしめられる、コイルバネ52,52に由来す
る作用力も高められることとなる。そして、その結果、
コイルバネ40,40とコイルバネ52,52とが協働
して作用して、ノックアウト34をポンチ12に接近す
る方向により一層強く付勢せしめることとなり、以て被
加工物32が、該ポンチ12とノックアウト34との間
でより強固に挟持せしめられつつ、所定の絞り加工が実
施され得ることとなるのである。
【0026】また、かかるプレス型10にあっては、そ
のような被加工物32に対する絞り加工の終了後におい
て、ダイス11が、ポンチ12から離隔する方向に移動
せしめられる際に、図1に示されるように、それらコイ
ルバネ40,40が伸長して、ノックアウト34がポン
チ12に接近する方向に移動せしめられ、それによっ
て、製品54がダイス11のダイス穴14内から押し出
されて、取り出されるようになっている。またその際、
ノックアウト34は、スライドブロック46,46にて
押圧された状態で、その傾斜面44,44がスライドブ
ロック46,46の当接面48,48に対して摺接せし
められることとなる。これにより、ノックアウト34が
ポンチに接近する方向に移動せしめられる際には、コイ
ルバネ40,40の付勢力にて、その傾斜面44,44
とスライドブロック46,46の当接面48,48との
間で大きな摩擦力が作用せしめられ、その結果、ノック
アウト34に対して及ぼされるコイルバネ40,40の
付勢力が有利に弱められ得ることとなるのである。
【0027】従って、本実施例に係るプレス型10にあ
っては、絞り加工時において、被加工物32が、従来に
比して、より強固に挟圧、保持され得、それによって、
製品54におけるシワの発生が有効に防止され得るよう
になっているのであり、しかも絞り加工後において、製
品54が、従来よりも弱い力で、ダイス11のダイス穴
14内から押し出され得て、ブランクホルダ28とノッ
クアウト34との間等に挟まれて、変形してしまうよう
なことが有利に阻止され得、以てダイス11のダイス穴
14内から、製品54が極めて良好に取り出され得るよ
うになっているのである。
【0028】また、上述の如く、かかるプレス型10に
おいては、ノックアウト34とポンチ12との間におけ
る被加工物32の挟持力を高めることによって、製品5
4におけるシワの発生が防止され得るようになっている
ことから、被加工物を、その端部において、ブランクホ
ルダ28とダイス11とにより挟持させなくとも、加工
時における位置ずれや製品におけるシワの発生が有効に
防止され得るのであり、それによって、製品として必要
とされない、加工後にトリミングされるフランジ状の部
位が存在しない製品が、有利に作製され得ることとな
り、以て製品の歩留りの向上が効果的に達成され得るの
である。
【0029】以上、本発明の代表的な実施例について詳
述してきたが、これは文字通りの例示であって、本発明
は、それら例示のものにのみ限定して解釈されるもので
はない。
【0030】例えば、前記実施例では、払い部材として
のノックアウト34において、ポンチ12への接近方向
に直交する方向の両側に位置する2つの対向する側面が
傾斜面44,44とされていたが、かかる払い部材に形
成される傾斜面は、該払い部材の側面の複数部位に設け
られるものであれば、その数や形成部位が、何等これに
限定されるものではない。
【0031】また、そのような払い部材に設けられる傾
斜面は、第一の付勢手段の付勢方向において外方に傾斜
するものであれば、その傾斜角度等が特に限定されるも
ではないが、スライド部材による該払い部材に対する所
定の押圧力を確保しつつ、該払い部材の傾斜面を該スラ
イド部材の傾斜面に対してスムーズに摺動せしめる上
で、かかる傾斜角度を一般に0°より大きく45°以
下、好ましくは10°程度とすることが望ましい。
【0032】さらに、前記実施例では、一対のスライド
ブロック46,46によりスライド部材が構成されてい
たが、かかるスライド部材は、その形状や設置個数が何
等これに限定されるものではなく、払い部材の形状や傾
斜面の形成個数等に応じて、適宜に変更され得るもので
ある。
【0033】更にまた、かかるスライド部材の配設形態
も、前記実施例における如きものに決して限定されるも
のではなく、第一の付勢手段に直交する方向にスライド
可能とされるものであれば、如何なる配設構造も採用さ
れ得るのである。
【0034】更にまた、前記実施例では、第一の付勢手
段及び第二の付勢手段として、コイルバネ40,40及
びコイルバネ52,52が設けられていたが、それらコ
イルバネ以外に、板バネや空気バネ等のバネ部材、更に
は他の公知の各種の付勢部材乃至は機構が、かかる付勢
手段として用いられ得るものであり、また払い部材に対
してポンチに接近する方向に付勢力を及ぼし、スライド
部材に対して払い部材に押圧する方向に付勢力を及ぼす
ものであれば、その配置形態も、何等限定されるもので
はない。
【0035】加えて、前記実施例では、ダイス11がポ
ンチ12に対して接近、離隔移動せしめられるプレス型
に対して、本発明を適用したものの具体例を示したが、
本発明は、その他、ポンチがダイスに対して接近、離隔
移動せしめられるように構成されたプレス型に対しても
有利に適用され得ることは、勿論である。
【0036】その他、一々列挙はしないが、本発明が、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもないところである。
【0037】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従うプレス型にあっては、払い部材が第一の付勢手段
によりポンチに接近する方向に付勢せしめられているこ
とに加えて、該払い部材に複数の側面部位に設けられた
傾斜面に当接する、対応した傾斜面を有するスライド部
材が、第二の付勢手段により、該払い部材を押圧する方
向に付勢せしめられていることから、ダイスがポンチに
接近移動せしめられる際に、それら第一及び第二の付勢
手段が協働して作用して、払い部材をポンチに接近する
方向により強く付勢せしめ得るようになっている一方、
かかる状態から、ダイスがポンチから離隔移動せしめら
れる際に、第一の付勢手段により、払い部材に対して、
ポンチに接近する方向に作用せしめられる付勢力を、か
かる第二の付勢手段に由来するスライド部材に対する払
い部材への押圧力によって弱めることが可能となってお
り、以て絞り加工時に被加工物がより強固に保持され得
て、製品におけるシワの発生がより効果的に防止され得
るようになっている共に、絞り加工後において、ダイス
穴内から製品を押し出す力が弱められ得て、製品が取り
出される際、払い部材と他部材との間に挟まれて変形し
てしまうようなこと等が有利に阻止され得て、製品がダ
イス穴内から良好に取り出され得ることとなるのであ
る。
【0038】また、かかるプレス型にあっては、払い部
材とポンチとの間における被加工物の挟持力の向上によ
って、シワの発生の防止が有利に実現されていることか
ら、従来の如く、シワの発生の防止のために、被加工物
の外周部を全周にわたって挟持するような必要が全くな
く、それ故に、絞り加工後に、製品とはならない、最終
的にトリミングされるようなフランジ状の部位が形成さ
れるようなことが有効に回避され得、以て製品の歩留り
が効果的に向上され得るといった利点をも、有している
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うプレス型の一例における製品取出
し状態を示す縦断面説明図である。
【図2】図1に示されるプレス型における所定の絞り加
工操作の完了時の状態を示す縦断面説明図である。
【図3】従来のプレス型における図2に対応する図であ
る。
【図4】図3に示されるプレス型における製品取り出し
状態を示す縦断面説明図である。
【符号の説明】
10 プレス型 11 ダイス 12 ポンチ 32 被加工物 34 ノックアウト 40,52 コイルバネ 44 傾斜面 46 スライドブロック 48 当接面 54 製品

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対的に接近、離隔移動可能に配置され
    て、所定の絞り加工を行なうダイス及びポンチと、該ポ
    ンチと対向して且つ該ダイスのダイス穴内をその軸方向
    に移動し得るように配された払い部材と、該払い部材に
    対して該ポンチに接近する方向に付勢力を及ぼす第一の
    付勢手段とを含み、かかる第一の付勢手段の付勢力によ
    って、該ポンチと該払い部材との間に被加工物を挟持せ
    しめつつ、該被加工物に対して前記絞り加工を行ない得
    るようにすると共に、該ダイスと該ポンチとの離隔移動
    時に該払い部材を該ポンチ側へ移動せしめて、該ダイス
    のダイス穴内に位置する絞り加工品を押し出して取り出
    し得るように構成したプレス型において、 該払い部材の側面の複数部位を、前記第一の付勢手段の
    付勢方向において外方に傾斜する傾斜面として構成する
    一方、かかる払い部材の複数の傾斜面にそれぞれ当接す
    る、対応した傾斜面を有する前記付勢方向に直交する方
    向にスライド可能とされた複数のスライド部材を設け、
    更に該複数のスライド部材を前記払い部材に押圧する方
    向に該複数のスライド部材に対してそれぞれ付勢力を及
    ぼす第二の付勢手段を設けたことを特徴とするプレス
    型。
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