JPH071854A - 平版印刷用不感脂化処理液 - Google Patents

平版印刷用不感脂化処理液

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JPH071854A
JPH071854A JP16838293A JP16838293A JPH071854A JP H071854 A JPH071854 A JP H071854A JP 16838293 A JP16838293 A JP 16838293A JP 16838293 A JP16838293 A JP 16838293A JP H071854 A JPH071854 A JP H071854A
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JP
Japan
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acid
printing
salt
desensitizing
chitin
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JP16838293A
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English (en)
Inventor
Takeshi Takizawa
剛 滝沢
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Tomoegawa Co Ltd
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Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 公害問題がなく、優れた印刷性能を有する平
版印刷用不感脂化処理液を提供する。 【構成】 フィチン酸またはその塩を主成分とした平版
印刷用不感脂化処理液において、キチンおよびその誘導
体から選択された少なくとも一種の化合物を含有するこ
とを特徴とする。キチン誘導体としては、キトサン、ア
セチルキチン、ニトロキチン等が使用できる。 【効果】 環境汚染の問題がなく、しかも印刷特性の優
れた印刷物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版印刷用不感脂化処
理液に関し、特に、電子写真オフセットマスター、銀塩
印刷版、PS版等の平版印刷に用いる不感脂化処理液に
関する。
【0002】
【従来の技術】平版印刷、すなわちオフセット印刷は、
製版により画像部を形成させた印刷用原版上に、不感脂
化処理液を塗布して非画像部上に親水性層を形成させ、
親油性の画像部に油性インキを付着させて、画像部のイ
ンキを紙に転写する印刷方法である。この印刷方法に使
用する印刷用原版の中で、酸化亜鉛等の光導電性粉体を
接着用樹脂中に分散した感光層を紙等の支持体上に形成
した電子写真平版印刷用原版の場合、先ず、帯電→露光
→現像のプロセスからなる電子写真法により製版され
る。次に、現像液中の親油性粉体を付着させて、版面上
に画像部を形成させ、その後不感脂化処理液の塗布によ
り、処理液中の不感脂化剤と表面層中の光導電性粉体と
の間で親水性物質を形成させることによって、原版の非
画像部に親水性層を形成させる。この様にして作製され
た親油性部と親水性層とを持つ原版は、それを印刷機に
供給して平版印刷に使用される。
【0003】従来、不感脂化処理液の主成分は、大別し
てシアン系物質と非シアン系物質が使用されている。シ
アン系物質は、シアンイオンが無機コンプレックスとし
て分子内に存在するもので、フェロシアン塩やフェリシ
アン塩等が広く使用されている。これらのシアン系物質
は、不感脂化力が強く、印刷特性を総合的に満足させて
いる。
【0004】しかしながら、上記のシアン系物質は、光
や熱に対して不安定であり、変色沈澱したり経時により
不感脂化力の低下を起こしてしまうこと、またそれ自体
は安定で人体に無害であるが、紫外線や放射線の照射等
の様々な環境条件によって分解し、有害なシアンイオン
単体が遊離して公害を及ぼす恐れがある。また、中性紙
への印刷や速乾性色インキによる印刷では、印刷物の汚
れやインキの乳化等の現象が発生しやすく、実用化しに
くいという問題がある。一方、非シアン系物質として
は、無機塩を使用したものも知られているが、有機酸の
フィチン酸やその塩等が広く使用されている。フィチン
酸またはその塩は環境安全性や作業性等に優れている
が、単独では不感脂化力が弱いため印刷時の条件設定が
難しく、印刷物が汚れやすいという問題がある。
【0005】前記したフィチン酸の問題点を改善するた
めに、アミノカルボン酸の金属錯体等との併用(特公平
2−39397号公報)や、ヘキサメタリン酸塩との併
用(特公昭62−7597号公報)等が試みられている
が、未だ十分満足できるものは得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記の問題点を解決することを目的としてなさ
れたものである。すなわち、本発明の目的は、良好な不
感脂化力による優れた印刷性能を有し、かつ公害上の問
題をも改善した平版印刷用不感脂化処理液を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、かに、えび等の
甲殻類の殻の構成成分であるキチンあるいはその誘導体
のキトサンを平版印刷用不感脂化処理液の成分に添加す
ることが有効なことを知見し、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち本発明は、フィチン酸またはその
塩を主成分とした平版印刷用不感脂化処理液において、
キチンおよびその誘導体から選択された少なくとも一種
の化合物を含有することを特徴とする平版印刷用不感脂
化処理液を要旨としている。
【0009】本発明の構成と作用を説明する。本発明の
不感脂化処理液において、主成分として使用するフィチ
ン酸およびその塩は、従来一般に使用されていたもので
あって、別名イノシットヘキサリン酸エステルと呼ばれ
る化合物である。これら化合物は、酸性で金属と反応し
て塩を作るため、不感脂化剤として利用することができ
る。
【0010】本発明の不感脂化処理液には、キチンおよ
びその誘導体から選択された少なくとも一種の化合物が
配合される。本発明に使用するキチンおよびその誘導体
は、アミノ糖の多糖類である。すなわち、キチンは、N
−アセチル−β−D−グルコサミンがβ−1,4で結合
した直鎖の高分子化合物であり、その誘導体であるキト
サンは、キチンのN−脱アセチル化物である。また、他
のキチン誘導体としては、例えば、アセチルキチン、ニ
トロキチン等の化合物があげられる。
【0011】通常キチンおよびその誘導体から選択され
た化合物は、水に不溶であるため、それらを本発明の不
感脂化処理液に使用する際には、酸を併用して水に溶解
させる。キチンおよびその誘導体を水に溶解するために
併用する酸としては、塩酸等の無機酸、酢酸、乳酸等の
有機酸があげられる。
【0012】本発明の不感脂化処理液を作製する場合、
キチンまたはその誘導体の水溶液にフィチン酸をそのま
ま混ぜると、直ちに水に不溶性の沈殿物を形成してしま
うため、あらかじめ、キチンまたはその誘導体の水溶
液、またはフィチン酸を含む水溶液のいずれか一方に緩
衝剤を存在させる必要がある。使用する緩衝剤として
は、例えば次のものがある。硫酸アンモニウム、メタン
スルホン酸またはその塩、エタンスルホン酸またはその
塩、ベンゼンスルホン酸またはその塩、トルエンスルホ
ン酸またはその塩、キシレンスルホン酸またはその塩等
のスルホン酸化合物。
【0013】本発明の不感脂化処理液に使用する上記化
合物の添加量は、フィチン酸またはその塩が1〜200
g/リットルであり、キチンまたはその誘導体が0.1
〜50g/リットル、より好ましくは0.5〜5.0g
/リットルである。
【0014】また、本発明の不感脂化処理液、または、
それを水で数倍に希釈して得た湿し水には、上記成分を
補助する物質として、湿潤剤および濡れ剤、pH調製
剤、または防腐剤等を追加添加することができる。湿潤
剤および濡れ剤としては、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、グリセリン、アラビアガム、カルボキシ
メチルセルロース、アクリルポリマー等が使用できる。
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、マロン酸、リ
ンゴ酸、タンニン酸、酒石酸、グリコール酸、リン酸、
硝酸、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アン
モニアとその水溶液等を使用することができる。防腐剤
としては、サリチル酸、フェノール、フェノールパラ安
息香酸ブチル、デヒドロ酢酸ナトリウム、EDTA等を
使用することができる。
【0015】キチンは無脊椎生物の外骨格等に存在し、
フィチン酸は植物体から抽出したものであるため両物質
とも環境への悪影響が少ない。したがって、本発明の不
感脂化処理液は、環境に対して安全性が優れている。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明するが、
これらにより本発明が限定されるものではない。なお、
実施例および比較例の「部」は、特に指定しない限り
「重量部」を表すものとする。 実施例1 フィチン酸 150.0部 p−トルエンスルホン酸 100.0部 キトサン 1.0部 酢酸 6.0部 水 1000.0部 アンモニア水溶液 適量部 上記の配合割合で各成分を十分混合溶解し、得られた処
理液のpHをアンモニア水溶液で4.0に調整して、本
発明の平版印刷用不感脂化処理液を得た。
【0017】実施例2〜9 表1に示す配合割合で各成分を十分混合溶解し、得られ
た処理液のpHをアンモニア水溶液で4.0に調整し
て、本発明の平版印刷用不感脂化処理液を得た。
【0018】
【表1】
【0019】比較例1〜3 表2に示す配合割合で各成分を十分混合溶解し、比較用
の平版印刷用不感脂化処理液を得た。
【0020】
【表2】
【0021】市販の酸化亜鉛・樹脂分散系を用いた電子
写真感光材料平版を、電子写真法で製版し、これを前記
の不感脂化処理液を充填しておいたリコー社製自動エッ
チング装置によりエッチングして、オフセット用刷版と
した。エッチングに使用した不感脂化処理液を水で5倍
に希釈した湿し水を、リョービ社製のシンフロー方式平
版印刷機に供給し、この印刷機で印刷を行なった。イン
キにはDIC社製の速乾性色インキ(Fグロス群青)を
使用し、印刷用紙には巴川製紙社製の中性紙を使用し
た。
【0022】印刷試験は次のようにして行った。すなわ
ち、3000枚の連続印刷で、印刷物への地汚れ、網点
つぶれ、水負けの確認と、印刷機ローラーへの乳化、ロ
ーラーストリップの発生について観察した。その結果を
表3に示す。
【0023】
【表3】 なお、印刷試験の評価結果は次の通りである。 〈地汚れ〉 印刷物のインキ未転写部分の
インキによる汚れ 〇:汚れはない ×:汚れがある 〈網点つぶれ〉 印刷による原稿の網点の再現
性 〇:良好 ×:不良 〈水負け〉 インキ転写部分のインキ転写
不良 〇:転写良好 ×:転写不良 〈乳化〉 印刷機のローラー部分での異
常乳化 〇:発生なし ×:発生あり 〈ローラーストリップ〉 印刷機のローラー部分でのイ
ンキのストリップ現象 〇:発生なし ×:発生あり
【0024】表3から明らかなように、本発明の不感脂
化処理液を用いて印刷した場合、3000枚の連続印刷
でも印刷物に地汚れはなく、その他の印刷特性も良好で
あることが確認された。また、印刷機に乳化、ローラー
ストリップを生ずることもなかった。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の平版印刷
用不感脂化処理液は、非シアン系であるため環境汚染の
問題がなく、しかも印刷特性の優れた印刷物を得ること
ができるという効果が奏され、産業上きわめて有用であ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィチン酸またはその塩を主成分とした
    平版印刷用不感脂化処理液において、キチンおよびその
    誘導体から選択された少なくとも一種の化合物を含有す
    ることを特徴とする平版印刷用不感脂化処理液。
  2. 【請求項2】 キチンの誘導体がキトサンである請求項
    1記載の平版印刷用不感脂化処理液。
  3. 【請求項3】 緩衝剤として硫酸アンモニウム、メタン
    スルホン酸またはその塩、エタンスルホン酸またはその
    塩、ベンゼンスルホン酸またはその塩、トルエンスルホ
    ン酸またはその塩、キシレンスルホン酸またはその塩の
    いずれか1種以上を含む請求項1または2記載の平版印
    刷用不感脂化処理液。
JP16838293A 1993-06-16 1993-06-16 平版印刷用不感脂化処理液 Withdrawn JPH071854A (ja)

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