JP3222667B2 - 平版印刷用不感脂化処理液 - Google Patents
平版印刷用不感脂化処理液Info
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Description
理液に関するもので、詳しくは電子写真平版印刷用原
版、銀塩印刷版、PS版等の平版印刷に用いる不感脂化
処理液に関するものである。
により画像部を形成させた印刷用原版上に不感脂化処理
液を塗布して非画像部上に親水性層を形成させ親油性の
画像部へは油性インキを付着させて、画像部のインキを
紙に転写する印刷方法である。この印刷方法に使用する
印刷用原版の中で、酸化亜鉛などの光導電性粉体を接着
用樹脂中に分散した感光層を紙などの支持体上に塗布し
た電子写真平版印刷用原版は、帯電・露光・現像のプロ
セスからなる電子写真法により製版されて現像液中の親
油性トナー粒子を付着させ版面上に画像部を形成させ、
その後不感脂化処理液の塗布により処理液中の不感脂化
剤と表面層中の光導電性粉体とで親水性物質をつくらせ
ることにより原版の非画像部に親水化層を形成させる。
こうして親油性部分と親水性層とをもつ原版は印刷機に
供給され平版印刷に使われる。
けてシアン系物質と非シアン系物質が使われている。シ
アン系物質は、シアンイオンが無機コンプレックスとし
て分子内に存在するもので、フェロシアン塩やフェリシ
アン塩などが広く使用されている。これらは不感脂化力
が強く、印刷特性を総合的に満足させている。しかしな
がら、これらのシアン系物質は光や熱に対して不安定で
変色沈澱したり経時により不感脂化力の低下を生じてし
まうという問題があり、また、中性紙への印刷や速乾性
色インキによる印刷では印刷物への汚れやインキの乳化
などの現象が発生し易く実用上問題がある。
ったものもあるが有機酸であるフイチン酸やその塩など
が広く使われている。フイチン酸またはその塩は環境安
全性や作業性などに優れているが単独では不感脂化力が
弱いため印刷時の条件設定が難しく印刷物が汚れやすい
という問題がある。このようなフイチン酸の問題点を改
善するためにアミノカルボン酸の金属錯体などとの併用
(特公平2−39397号)や、ヘキサメタリン酸塩と
の併用(特公昭62−7597号)などが試みられてい
るが、いまだ十分満足する効果は得られていない。
に鑑みてなされたもので、良好な不感脂化力による優れ
た印刷性能を有し、かつ中性紙への印刷や速乾性色イン
キによる印刷においても印刷物への汚れ、インキの乳
化、ローラーストリップなどの現象が発生しない平版印
刷用不感脂化処理液を提供する事である。
塩を主成分とした平版印刷用不感脂化処理液において、
フイチン酸またはその塩と下記一般式にて示されるポリ
アミン誘導体を含有することを特徴とする平版印刷用不
感脂化処理液である。
6であり、nは3〜2000である。)
るポリアミン誘導体は、カチオン性が高く、その化学構
造は第4級アミノ基を含有するポリマーである。かかる
化合物は、フイチン酸またはその塩と反応することによ
って不感脂化能力が大幅に向上することができるという
顕著な作用効果を発揮するものである。本発明において
は、カチオン性の目安としてのコロイド当量値が、pH
3〜10の範囲において3以上であるポリアミン誘導体
が、フイチン酸またはその塩との反応性が良好でありよ
り優れた不感脂化性が得られることから好ましく用いら
れる。
ピクロルヒドリンの如きエポキシ環を有する化合物とア
ルキレンイミンとを共重合させることによって得られる
水溶性化合物である。本発明におけるポリアミン誘導体
は、低級アルキレン基を有するアルキレンイミンとエピ
クロルヒドリンとの共重合体、特に、前記一般式におい
てkおよびmが2〜3であって、XがClであることが
良好な水溶性が得られ、かつ、フイチン酸またはその塩
との反応性が良く優れた不感脂化特性が達成されること
から好適である。なお、分子量としては1000〜10
0万程度のものが用いられ、好ましくは5万〜100万
である。
は、別名イノシットヘキサリン酸エステルともよばれ、
従来一般に使用されているものが使用される。これら化
合物は酸性で金属と塩をつくるため不感脂化剤として利
用することができる。なお、フイチン酸塩としては、ア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等が挙げられ
る。また、フェロシアン塩は一般式M4 〔Fe(CN)
6 〕で表わされる化合物で、MはLi,Na,K,P
b,NH4 ,Csである。中でもMがNa,Kの場合が
不感脂化力にすぐれ安価であるので特に好ましい。本発
明の不感脂化処理液における上記各化合物の配合量は、
フェロシアン塩が5〜50g/リットル、フイチン酸ま
たはその塩が1〜10g/リットル、ポリアミン誘導体
が0.1〜5g/リットルである。
ポリアミン誘導体は、互いに結びついて水に不溶性の化
合物をつくることがあるため必要に応じて緩衝剤を添加
してもよい。使用する緩衝剤としては、例えば硫酸アン
モニウム、メタンスルホン酸またはその塩、エタンスル
ホン酸またはその塩、ベンゼンスルホン酸またはその
塩、トルエンスルホン酸またはその塩、キシレンスルホ
ン酸またはその塩などのスルホン酸化合物等が挙げられ
る。
分の如きpH調整剤、pH緩衝剤、潤滑剤、濡れ剤およ
び防腐剤の助剤を添加することができる。すなわち、p
H調整剤もしくはpH緩衝剤として無機酸、有機酸およ
びそれらの塩を単独もしくは混合して用いる。無機酸と
しては、燐酸、硫酸、塩酸、硝酸などがあり、有機酸と
してはギ酸、酢酸、酪酸、吉草酸、乳酸、酒石酸、プロ
ピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル
酸、マレイン酸、フタル酸、シトラコン酸、イタコン
酸、フマル酸、トリカルバリン酸、グリコール酸、プロ
ピオン酸、チオグリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、グ
ルコン酸、ピルビン酸、グリコール酸、サリチル酸、ア
ジピン酸、ヒドロアクリル酸、グリセリン酸、P−トル
エンスルホン酸などである。これらの塩としては、アル
カリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等がある。
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、グリセリン、アラビア
ガム、カルボキシメチルセルロース、アクリルポリマ
ー、メタノール、エタノール、イソおよびノルマルプロ
ピルアルコール、トリエタノールアミンなどを加える事
ができる。更に防腐剤としてサリチル酸、フェノール、
フェノールパラ安息香酸ブチル、デヒドロ酢酸ナトリウ
ム、4−イソチアゾロン−3−オン化合物等を加える事
ができる。加えて防錆剤としてEDTA、亜硝酸ナトリ
ウム、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム等を添加す
ることもできる。
をするが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。 実施例1〜5 表1の組成にて配合し、十分混合溶解した後、アンモニ
ア水溶液(50%)を加えてpHを4.0に調整して本
発明の不感脂化処理液を作製した。
モニア水溶液(50%)を約40部加えてpHを4.0
に調整して比較用の不感脂化処理液を作製した。
版印刷用原版を電子写真法で製版し、実施例1〜5およ
び比較例1〜4の不感脂化処理液を用いてリコー社製自
動エッチング装置でこの原版をエッチングしてオフセッ
ト印刷用刷版とした。また、エッチングに使用した不感
脂化処理液を水で5倍に希釈した湿し水を、リョービ社
製のシンフロー方式平版印刷機に供給し該印刷機にて印
刷を行った。この際、インキには速乾性色インキ(Fグ
ロス群青、大日本インキ化学工業社製)を使用し、印刷
用紙には中性紙(トモエリバー、巴川製紙所製)を使用
した。
い、3000枚目の印刷物の着肉性、解像力、地汚れ、
網点ツブレの確認と印刷機ローラーへの乳化、ローラー
ストリップの発生について観察しその結果を表3に示し
た。
る。 <着肉性> 印刷物のインキ転写部分のベタ部の濃度を
マクベス濃度計RD−914にて測定し、濃度1.0以
上を○、1.0以下を×とした。 <解像力> 印刷物の解像力テストチャートの再現性を
ルーペを用いて縦方向と横方向についてそれぞれ目視に
て評価し、解像力の数値(1mm当りの線の本数)にて
表わした。なお、数値は大きい程高い解像力を示すもの
である。 <地汚れ> 不感脂化特性として印刷物のインキ未転写
部分のインキによる汚れを目視にて評価した。 ○:汚れはない △:やや汚れがある ×:か
なり汚れがある <網点ツブレ> 印刷物の網点テストチャートの面積率
80%に相当する網点の再現性をルーペを用いて観察し
た。 ○:良好 ×:不良 <乳化> 印刷機のローラー部分での異常乳化の発生有
無を目視にて評価した。 ○:発生なし △:やや発生あり ×:か
なり発生あり <ローラーストリップ> 印刷機のローラー部分でのイ
ンキのストリップ現象を目視にて評価した。 ○:発生なし ×:発生あり
脂化処理液を用いた場合、3000枚の連続印刷でも良
好な着肉性を有し、印刷物に地汚れは無く、その他の印
刷特性も良好であることが確認された。また、印刷機に
乳化、ローラーストリップを生ずることもなかった。一
方、比較用の不感脂化処理液は、いずれも地汚れが悪
く、更に印刷機に乳化およびローラーストリップを生じ
てしまい満足する印刷特性は得られなかった。
良好な不感脂化力を有すると共に、印刷機に乳化やロー
ラーストリップを生じることもない優れた印刷特性を有
するものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 フェロシアン塩を主成分とした平版印刷
用不感脂化処理液において、フイチン酸またはその塩と
下記一般式にて示されるポリアミン誘導体を含有するこ
とを特徴とする平版印刷用不感脂化処理液。 【化1】 (式中、Xはハロゲン元素を表わし、kおよびmは2〜
6であり、nは3〜2000である。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30980093A JP3222667B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 平版印刷用不感脂化処理液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30980093A JP3222667B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 平版印刷用不感脂化処理液 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07137476A JPH07137476A (ja) | 1995-05-30 |
JP3222667B2 true JP3222667B2 (ja) | 2001-10-29 |
Family
ID=17997399
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30980093A Expired - Fee Related JP3222667B2 (ja) | 1993-11-16 | 1993-11-16 | 平版印刷用不感脂化処理液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3222667B2 (ja) |
-
1993
- 1993-11-16 JP JP30980093A patent/JP3222667B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07137476A (ja) | 1995-05-30 |
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