JPH07185006A - バルーンカテーテルおよびその製造方法 - Google Patents
バルーンカテーテルおよびその製造方法Info
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- JPH07185006A JPH07185006A JP5338034A JP33803493A JPH07185006A JP H07185006 A JPH07185006 A JP H07185006A JP 5338034 A JP5338034 A JP 5338034A JP 33803493 A JP33803493 A JP 33803493A JP H07185006 A JPH07185006 A JP H07185006A
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Abstract
しかも製造が容易なバルーンカテーテルおよびその製造
方法。 【構成】 大動脈内に挿入されて、心機能の補助作用を
行うように膨張および収縮するバルーン膜22と、前記
バルーン膜22内部にシャトルガスを導入および導出す
るように、バルーン膜22の後端に接続されたカテーテ
ル管24とを有するバルーンカテーテル。カテーテル管
24が、基体チューブ24aと、その外周に被着された
表層チューブ24bとで構成され、この表層チューブ2
4bの少なくとも一部が、バルーン膜22と一体に形成
してある。
Description
の治療法である大動脈内バルーンポンピング法に用いる
バルーンカテーテルおよびその製造方法に係り、さらに
詳しくは、患者の血管内へのスムーズな挿入が可能で、
しかも製造が容易なバルーンカテーテルおよびその製造
方法に関する。
内バルーンポンピング法(Intra Aortic balloon pumpi
ng,以下、「IABP法」と略称する)などに用いられる。
従来例に係るバルーンカテーテルを図9に示す。
は、心臓の拍動に合わせて膨張および収縮するバルーン
膜3を有する。このバルーン膜3の先端部には、血液連
通孔7が形成してある先端チップ部8が熱融着ないしは
接着などの手段で取り付けてある。
の先端部が熱融着ないしは接着してある。バルーン膜3
の後端部には、金属短チューブ9の外周でカテーテル管
4の先端部が接続してある(接続部15)。このカテー
テル管4を通じて、バルーン膜3内に、流体圧が導入ま
たは導出され、バルーン膜3が膨張ないし収縮するよう
になっている。バルーン膜3とカテーテル管4との連結
は、熱融着あるいは紫外線硬化樹脂などの接着剤による
接着により行われる。
管4の内部を軸方向に延在し、分岐部6の血圧測定口1
3に連通するようになっており、その内部は、バルーン
膜3内部とは連通しないようになっている。カテーテル
管4の後端部には、患者の体外に設置される分岐部6が
連結してある。分岐部6は、カテーテル管4の後端部に
対し、熱融着あるいは接着される。分岐部6には、カテ
ーテル管4およびバルーン膜3内に圧力流体を導入また
は導出するためのシャトルガス導入出口12と、内管5
内に連通する血圧測定口13とが形成してある。
血管内に挿入するには、内管5の外周にバルーン膜3を
巻き付け、バルーン膜3を収縮させた状態で、患者の血
管に形成された挿入口から、ガイドワイヤおよびシース
などにより案内しつつ患者の血管内に差し込む。
従来のバルーンカテーテルでは、患者の血管内に差し込
む際に、その外径がいちばん太くなるところは、金属短
チューブ9の外周側に位置するバルーン膜3とカテーテ
ル管4との接続部15である。この接続部15の外径が
太いと、バルーンカテーテルのスムーズな挿入が困難で
あり、患者に対する負担も大きい。しかも、この接続部
15には、段差があるため、血管内を挿入させる際に引
っかかりの原因となったり、血栓の原因になるおそれが
ある。
は、双方共にきわめて薄く、これら薄いもの同士を接着
または融着することは、きわめて困難な作業であった。
なお、接続部15の外径を小さくするために、金属短チ
ューブ9の外径を、カテーテル管4の内径以下にするこ
とも考えられるが、その場合には、カテーテル管4と金
属短チューブ9またはカテーテル管4とバルーン膜3と
の密着が不十分になるおそれがある。そこで、従来で
は、金属短チューブ9の外周に、カテーテル管4の先端
部およびバルーン膜3の後端部を拡開して密着させる必
要があり、その作業が煩雑であると共に、接続部15の
外径が太く成ることは避けられなかった。
れ、患者の血管内へのスムーズな挿入が可能で、しかも
製造が容易なバルーンカテーテルおよびその製造方法を
提供することを目的とする。
に、本発明に係る第1の観点に係るバルーンカテーテル
は、大動脈内に挿入されて、心機能の補助作用を行うよ
うに膨張および収縮するバルーン膜と、前記バルーン膜
内部にシャトルガスを導入および導出するように、バル
ーン膜の後端に接続されたカテーテル管とを有するバル
ーンカテーテルであって、前記カテーテル管が、基体チ
ューブと、その外周に被着された表層チューブとで構成
され、この表層チューブが、前記バルーン膜と一体に形
成してある。
テルの製造方法は、バルーン膜を形成するための雄型の
後端部に、基体チューブの先端部を取り付ける工程と、
この基体チューブが取り付けられた雄型の外周および基
体チューブの外周に、合成樹脂溶液層を形成する工程
と、この合成樹脂溶液層を乾燥させ、基体チューブの外
周および雄型の外周に、それぞれ表層チューブとバルー
ン膜とを一体的に形成する工程と、バルーン膜の先端部
から、前記雄型を抜き取る工程とを有する。
テルの製造方法は、バルーン膜を形成するための雄型の
後端部に、カテーテル管となる基体チューブの先端部を
取り付ける工程と、この基体チューブが取り付けられた
雄型の外周と、基体チューブにおける前記雄型との取り
付け部分の外周に、合成樹脂溶液層を形成する工程と、
この合成樹脂溶液層を乾燥させ、前記雄型の外周および
基体チューブにおける前記雄型との取り付け部分外周
に、それぞれバルーン膜と接続部外周とを一体的に形成
する工程と、バルーン膜の先端部から、前記雄型を抜き
取る工程とを有する。
テルは、大動脈内に挿入されて、心機能の補助作用を行
うように膨張および収縮するバルーン膜と、前記バルー
ン膜内部にシャトルガスを導入および導出するように、
バルーン膜の後端に接続されたカテーテル管とを有する
バルーンカテーテルであって、前記カテーテル管が、基
体チューブと、その外周に被着された表層チューブとで
構成され、この基体チューブが、前記バルーン膜と一体
に形成してある。
テルの製造方法は、バルーン膜を形成するための雌型の
後端部に、表層チューブの先端部を取り付ける工程と、
この基体チューブが取り付けられた雌型の内周および表
層チューブの内周に、合成樹脂溶液層を形成する工程
と、この合成樹脂溶液層を乾燥させ、表層チューブの内
周および雌型の内周に、それぞれ基体チューブとバルー
ン膜とを一体的に形成する工程と、前記雌型をバルーン
膜の外周から取り外す工程とを有する。
では、バルーン膜とカテーテル管との接続部が、シーム
レス構造となり、接続部の外径は、カテーテル管の外径
と同一になる。したがって、本発明の第1の観点に係る
バルーンカテーテルでは、バルーン膜とカテーテル管と
の接続部の外径が太く成ることもなければ、段差が形成
されることもない。そのため、バルーンカテーテルの血
管内への挿入がきわめて容易かつスムーズになると共
に、血栓の原因となることもない。
テルの製造方法では、バルーン膜の製造時に、バルーン
膜とカテーテル管との接続を同時に行ってしまうので、
バルーン膜とカテーテル管とを接続するための接続工程
を別途行う必要がなくなり、製造が著しく容易になる。
カテーテルの製造方法でも、バルーン膜の製造時に、バ
ルーン膜とカテーテル管との接続を同時に行ってしまう
ので、バルーン膜とカテーテル管とを接続するための接
続工程を別途行う必要がなくなり、製造が著しく容易に
なる。本発明の第2の観点に係る製造方法では、バルー
ン膜とカテーテル管との接続を良好にするために、バル
ーン膜を構成する材質と、カテーテル管と成る基体チュ
ーブの材質が同一であることが好ましい。また、本発明
の第2の観点に係る製造方法では、バルーン膜の製造時
に、バルーン膜の後端部外周をテーパ状に形成すること
は容易であるので、バルーン膜とカテーテル管との接続
部外周には、段差のないテーパ面を形成することができ
る。
テルでは、バルーン膜とカテーテル管との接続部の外径
は、カテーテル管の外径と同一になる。したがって、バ
ルーンカテーテルの血管内への挿入がきわめて容易かつ
スムーズになる。本発明の第3の観点に係るバルーンカ
テーテルの製造方法では、バルーン膜の製造時に、バル
ーン膜とカテーテル管との接続を同時に行ってしまうの
で、バルーン膜とカテーテル管とを接続するための接続
工程を別途行う必要がなくなり、製造が著しく容易にな
る。
カテーテルの製造方法では、雌型に対する表層チューブ
の端部の取付を工夫することで、バルーン膜とカテーテ
ル管との接続部に形成されるおそれがある段差を解消す
ることができる。
図面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。図1は本
発明の一実施例に係るバルーンカテーテルの要部概略断
面図、図2は同実施例のバルーンカテーテルの使用状態
を示す概略図、図3〜5は同実施例に係るバルーンカテ
ーテルの製造過程を示す概略図、図6は本発明の他の実
施例に係るバルーンカテーテルの製造過程を示す概略
図、図7,8は本発明のさらにその他の実施例に係るバ
ルーンカテーテルの製造過程を示す概略図である。
るバルーンカテーテル20は、心臓の拍動に合わせて膨
張および収縮するバルーン膜22を有する。バルーン膜
22は、膜厚約100〜150μm程度の筒状膜であ
り、両端部の外径が、中央部よりも小さくなっている。
バルーン膜22の材質は、特に限定されないが、耐屈曲
疲労特性および抗血栓性に優れた材質であることが好ま
しく、たとえばポリウレタンなどにより構成される。バ
ルーン膜22の外径および長さは、心機能の補助効果に
大きく影響するバルーン膜22の内容積と、動脈血管の
内径などに応じて決定される。バルーン膜22の内容積
は、特に限定されないが、30〜50ccであり、バル
ーン膜22の外径は、14〜16mmが好ましく、軸方
向長さは、210〜270mmが好ましい。
通孔23が形成してある先端チップ部25が熱融着ない
しは接着などの手段で取り付けてある。この先端チップ
部25の内周側には、内管30の先端部が熱融着ないし
は接着などの手段で取り付けてある。
管24の先端部が接続してある。このカテーテル管24
を通じて、バルーン膜22内に、流体圧が導入または導
出され、バルーン膜22が膨張ないし収縮するようにな
っている。バルーン膜22とカテーテル管24との接続
部27の詳細については、後述する。
テル管24の内部を軸方向に延在し、後述する分岐部2
6の血圧測定口32に連通するようになっており、その
内部は、バルーン膜22内部とは連通しないようになっ
ている。カテーテル管24の後端部には、患者の体外に
設置される分岐部26が連結してある。分岐部26は、
カテーテル管24の後端部に対し、熱融着あるいは接着
などの手段で固着される。分岐部26には、カテーテル
管24およびバルーン膜22内に圧力流体を導入または
導出するための圧力流体導入出口28と、内管30内に
連通する血圧測定口32とが形成してある。
なポンプ装置10に接続され、このポンプ装置10によ
り、シャトルガスがバルーン膜22内に導入または導出
されるようになっている。導入されるシャトルガスとし
ては、特に限定されないが、ポンプ装置10の駆動に応
じて素早くバルーン膜が膨張または収縮するように、粘
性の小さいヘリウムガスなどが用いられる。また、ポン
プ装置10としては、特に限定されず、例えば特公平2
−39265号公報に示すような装置が用いられる。
置11に接続され、血液連通孔23から取り入れた動脈
内の血液の血圧の変動を測定可能になっている。この血
圧変動測定装置11で測定した血圧の変動に基づき、心
臓1の拍動を検出し、心臓1の拍動に応じて図2に示す
ポンプ装置10を制御し、バルーン膜22を膨張および
収縮させる。
テル管24が、基体チューブ24aと表層チューブ24
bとの二重管構造で構成される。基体チューブ24a
は、特に限定されず、従来のカテーテル管を構成する材
質のチューブを用いることができるが、好ましくは線弾
性係数で100Kg/mm2 以上の硬質合成樹脂チュー
ブで構成される。硬質合成樹脂チューブとしては、具体
的には、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂
(PFA,PTFE,ETFEなど)または二フッ化ポ
リビニル樹脂(PVDF)などで構成される。また、表
層チューブ24bは、抗血栓性材料で構成されることが
好ましく、具体的には、ポリウレタンで構成される。
とで構成されるカテーテル管24の内径および肉厚は、
特に限定されないが、内径は、好ましくは、1.5〜
4.0mmであり、肉厚は、好ましくは、0.05〜0.
4mmである。また、基体チューブ24a単独の肉厚は、
0.03〜0.35mmである。
前記カテーテル管24の表層チューブ24bと、バルー
ン膜22とが、一体に形成してある。すなわち、バルー
ン膜22と表層チューブ24bとは、同一材質の膜で構
成され、しかも肉厚が同一で、シームレスである。この
ため、バルーン膜22とカテーテル管24との接続部2
7には、段差が形成されず、接続部27の外径は、カテ
ーテル管24の外径と同一である。
ル20では、バルーンカテーテル20の血管内への挿入
がきわめて容易かつスムーズになると共に、血栓の原因
となることもない。また、本実施例のバルーンカテーテ
ル20では、カテーテル管24が、二重管構造であり、
適度な剛性を有し、患者の血管内に挿入し易いと共に、
カテーテル管の先端に接続されるバルーン部22が、患
者の血管内所定位置に設置された後には、血流などで押
戻されることもない。
る表層チューブ24bが抗血栓性に優れた材質で構成さ
れるため、血栓が付着するおそれも少ない。次に、本実
施例に係るバルーンカテーテルの製造方法について説明
する。この実施例では、図3に示すように、線弾性係数
で100Kg/mm2 以上の硬質合成樹脂で構成される
基体チューブ24aを、まず準備する。
バルーン膜形成用の雄型34を装着する。雄型34は、
たとえばステンレス製棒材で構成され、得ようとするバ
ルーン膜の内周面形状に合致した外周面形状を有してい
る。次に、この雄型34と基体チューブ24aとの外周
に、たとえば浸漬法を用いて抗血栓性材料の合成樹脂溶
液層を形成する。すなわち、雄型34が先端に装着され
た基体チューブ24aを、図4に示すように、抗血栓性
材料の合成樹脂溶液36中に浸漬する。
THFなどの溶剤を用いたポリウレタン溶液を用いるこ
とが好ましい。この溶媒溶液36の粘度は、100〜1
0000cp、好ましくは1000〜5000cpに予
め調整される。雄型34が装着された基体チューブ24
aを合成樹脂溶液36中に浸漬させる回数および時間は
特に限定されず、所望の膜厚の溶液の薄膜層が雄型34
および基体チューブ24aの外周に形成されるまで行な
う。なお、本発明では、雄型34および基体チューブ2
4aの外周に合成樹脂溶液の薄膜層を形成するための手
段は、特に限定されず、浸漬法に限らず、スプレー法な
どを用いることができる。
された雄型34および基体チューブ24aを溶媒溶液3
6から取り出し、薄膜層を乾燥させて、薄膜に含まれる
溶媒を揮発させ、基体チューブ24aの外周および雄型
34の外周に、それぞれ表層チューブ24bとバルーン
膜22とを一体的に形成する。薄膜層の乾燥工程では、
たとえば、常温空気中での風乾を数分〜数時間、好まし
くは1時間程度行い、その後、80〜90℃の雰囲気温
度中で、3時間〜24時間、好ましくは、10〜14時
間の乾燥を行なう。
2の先端を一部切断し、そこから、雄型34を引き抜け
ば、バルーン膜22とカテーテル管24の表層チューブ
24bとが一体的に形成されたバルーンカテーテルを得
ることができる。実際には、バルーン膜22の先端に
は、図1に示す先端チップ部25が取り付けられ、必要
に応じて内管30が取付られる。なお、本発明では、必
ずしも図1に示す中空の内管30を取り付ける必要はな
く、中空の内管30を有さないバルーンカテーテルを構
成することも可能である。その場合には、先端チップ部
25の先端には、血液連通孔23が形成されない。
の製造時に、バルーン膜22とカテーテル管24との接
続を同時に行ってしまうので、バルーン膜22とカテー
テル管24とを接続するための接続工程を別途行う必要
がなくなり、製造が著しく容易になる。また、接続部2
7は、シームレスとなり、その外径は、カテーテル管2
4の外径と同一となる。
膜22から、雄型34の脱離を容易にするためには、次
に示す方法を採用することが好ましい。本実施例では、
雄型34が装着された基体チューブ24aを合成樹脂溶
液36中に浸漬させた後、薄膜層を乾燥させて、薄膜に
含まれる溶媒を揮発させ、皮膜を形成する。薄膜層の乾
燥は、薄膜に含まれる溶媒が5重量%未満となるように
十分に行なわれる。具体的には、まず、常温空気中での
風乾を数分〜数時間行い、その後、80〜90℃の雰囲
気温度中で、3時間〜24時間の乾燥を行なう。この乾
燥時間が余りに長いと、皮膜が劣化するおそれがあるこ
とから好ましくない。また、乾燥時間が余りに短いと、
薄膜中に、溶媒が特に雄型34の近傍に不均一に残存す
るなどの理由から、その後の剥離工程が良好に行えない
おそれがあるので好ましくない。
を外周に形成した雄型34を、皮膜を可塑化させる可塑
化溶液中に浸漬する。可塑化溶液は、皮膜を構成する熱
可塑性樹脂の種類に応じて決定され、皮膜が、例えばポ
リウレタン膜である場合には、エチルアルコールなどの
アルコール、THF(テトラヒドロフラン)、クロロホ
ルム、MEK(メチルエチルケトン)、IPA(イソプ
ロピルアルコール)から選ばれ、35〜45℃の温度に
加熱されることが好ましい。
時間浸漬される。その時間は、皮膜の厚さおよび溶液の
種類などに依存するが、1〜6時間程度が好ましい。こ
の時間が余りに短いと、皮膜への溶液の膨潤が不十分で
あり効果が少なく、余りに長過ぎても、膨潤が飽和状態
となり、浸漬させている意味がなくなる。可塑化溶液中
への浸漬により、皮膜に対して溶液が膨潤し、皮膜が可
塑化される。皮膜中の溶液の膨潤度は、9〜12重量%
であることが好ましい。このような膨潤度の範囲で、皮
膜中に溶液を膨潤させることで、皮膜の300%モジュ
ラス(Md)が100〜300Kg/cm2 となり、皮
膜(バルーン膜22)を破損することなく、雄型34か
ら離型することが容易になる。なお、300%Mdと
は、皮膜6の長さを4倍(100%で2倍、200%で
3倍)に引き延ばすために必要な引っ張り応力である。
および表層チューブ24bを製造するためには、可塑化
溶液は、8〜12重量%THF水溶液、40〜60重量
%エチルアルコール水溶液などを用いることができる。
これらの可塑化溶液を用いることで、皮膜中の溶液の膨
潤度を、9〜12重量%に設定することが可能になる。
膨潤度を9〜12重量%とするには、エチルアルコール
の濃度を40〜50重量%とすることが好ましい。
膜(バルーン膜22)が外周に装着された雄型34を取
り出し、雄型34の先端部に位置する皮膜の先端に傷を
付け、そこから、雄型34と皮膜との隙間に針を入れ、
そこから、潤滑剤を流し込む。潤滑剤としては、特に限
定されないが、揮発性の潤滑剤であることが好ましく、
フレオン、エチルアルコールなどのアルコール類、グリ
セリン水溶液などが用いられる。
と皮膜との隙間に流し込む必要はないが、潤滑剤を流し
込むことで、その後の離型工程が容易になる。離型工程
では、皮膜(バルーン膜22)を、雄型34の先端部側
から引き抜き、皮膜を雄型34から取り外す。その際
に、皮膜の引き抜き後端が、雄型34の中央部の大径部
分を通過し、引き延ばされることになるが、皮膜は可塑
化されているので、離型に際して、皮膜(バルーン膜2
2)が引き裂かれることはない。
の後、アニール用熱処理することが好ましい。アニール
用熱処理は、80〜90℃の温度で、2〜15時間行な
う。アニール用熱処理により、可塑化状態で引き抜かれ
た皮膜の歪が回復し、形状が回復することが本発明者ら
によって確認された。
について説明する。図6に示す実施例では、カテーテル
管24Aと成る基体チューブ24cを、抗血栓性に優れ
たウレタン樹脂チューブで構成する。そして、この基体
チューブ24cの先端を雄型34に取り付け、雄型34
と、基体チューブ24cにおける雄型34との取り付け
部分付近とを、抗血栓性材料の合成樹脂溶液36中に浸
漬させる。前記実施例と異なり、基体チューブ24cの
外周全体には、表層チューブを形成しない。
造方法でも、バルーン膜の製造時に、バルーン膜とカテ
ーテル管との接続を同時に行ってしまうので、バルーン
膜とカテーテル管とを接続するための接続工程を別途行
う必要がなくなり、製造が著しく容易になる。本実施例
に係る製造方法では、バルーン膜22Aとカテーテル管
24Aとの接続を良好にするために、バルーン膜22A
を構成する材質と、カテーテル管24Aと成る基体チュ
ーブ24cの材質が同一であることが好ましい。バルー
ン膜22Aとカテーテル管24Aとの接続部27Aが短
いので、これらの接合を良好にするためには、両者が同
一材質であることが望ましい。
ーン膜22Aの製造時に、バルーン膜22Aの後端部外
周38をテーパ状に形成することは容易であるので、バ
ルーン膜22Aとカテーテル管24Aとの接続部27A
の外周には、段差のないテーパ面を形成することができ
る。
施例について説明する。図7,8に示す実施例では、ま
ず、表層チューブ24dを準備する。表層チューブ24
dは、抗血栓性に優れたウレタン樹脂チューブで構成す
ることが好ましい。次に、この表層チューブ24dの先
端に、図7に示すように、バルーン膜を形成するための
雌型40の後端部を取り付ける。次に、この表層チュー
ブ24dが取り付けられた雌型40の内周および表層チ
ューブ24dの内周に、合成樹脂溶液層42を形成す
る。合成樹脂溶液層42の形成は、前述したような浸漬
法により形成される。すなわち、表層チューブ24dが
取り付けられた雌型40を、バルーン膜形成溶液に浸漬
した後、これを取り出し、窒素ガスなどの不活性ガスを
雌型40および表層チューブ24d内に流しながら、内
部の溶液をたらし、雌型40および表層チューブ24d
の内部に、一定膜厚の合成樹脂溶液層42を形成する。
浸漬は、数回行っても良い。
せ、表層チューブ24dの内周および雌型40の内周
に、それぞれ図8に示す基体チューブ24eとバルーン
膜22Bとを一体的に形成し、雌型40をバルーン膜2
2Bの外周から分割して取り外す。
ン膜22Bの外周に形成されるので、雌型40の取り外
し工程が著しく容易である。また、本実施例では、バル
ーン膜22Bの製造時に、バルーン膜22Bとカテーテ
ル管24Bとの接続を同時に行ってしまうので、バルー
ン膜22Bとカテーテル管24Bとを接続するための接
続工程を別途行う必要がなくなり、製造が著しく容易に
なる。
の製造方法では、雌型40に対する表層チューブ24d
の端部の取付を工夫することで、バルーン膜22Bとカ
テーテル管24Bとの接続部27Bに形成されるおそれ
がある段差を解消することができる。
ンカテーテルでは、バルーン膜22Bとカテーテル管2
4Bとの接続部27Bの外径は、カテーテル管24Bの
外径と同一になる。したがって、バルーンカテーテルの
血管内への挿入がきわめて容易かつスムーズになる。
する。図3に示すように、ポリアミドから形成された基
本チューブ24aの先端にステンレス製の雄型を装着
し、これらを図4に示すように、ポリウレタンをTHF
(テトラヒドロフラン)溶剤に溶かした粘度3000c
psの溶液槽に室温で20秒間の浸潰を行い、その後、
相対湿度35%以下の室温で1分間乾燥を行った。これ
らを2回繰返し、前記雄型と基本体チューブの外周にバ
ルーン膜22と表層チューブ24bとを一体的に形成
し、その後、図5に示すように、バルーン膜の先端を切
断し、次いで、THFの10%水溶液中に室温で2時間
浸潰して可塑化を行い、前記切断部より雄型を引き抜
き、本発明に係るバルーンカテーテルを得た。
さが234mmで、その厚みが100μmであり、基本
チューブの厚みが150μm、表層チューブの厚みが2
0μmであり、カテーテル管の外周の径が3mmであっ
た。このバルーンカテーテルにおいて、バルーン部を折
り畳み、それを、10Fr(約3.3mmφ)の内径を
持つ長さ12cmのシース内に挿入し、その際の抵抗を
測定した。結果を下記の表1に示す。
り力の測定棒を取つけ、バルーン部がシース内に挿入さ
れる時の測定棒での引張り力の値を示し、バルーン部分
とシース内面との挿入性(摩擦による抵抗値)を示す。
抵抗値の値が高い程、摩擦力は増し、挿入性は悪くな
る。
厚みが150μmの表層チューブ24dの先端に雌型を
取付け、これらを、ポリウレタンをTHF溶剤で溶解し
た粘度3000cpsの溶液中に、実施例1と同様な条
件で浸潰し、その後乾燥した後雌型を分割して取り外
し、基体チューブとバルーン膜とを一体的に形成した。
なお基体チューブの厚みは150μm、その外周は3m
m径、バルーン膜の厚みは100μmで、その外径は1
5.4mm、その長さは234mm(テーパー部含む)
であった。
な条件で、その挿入性を調べた結果を上記表1に示す。比較例 比較例として、市販の図9に示す大動脈内バルーンカテ
ーテル(バルーン外径15.4mm、長さ234mm、
カテーテル管外径3mm)を用い、実施例1と同様な条
件で、その挿入性を調べた結果を上記表1に示す。
では、比較例に比較し、シースへの挿入抵抗が小さく、
挿入性が改善されたことが確認できた。なお、本発明
は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明
の範囲内で種々に改変することができる。
7には、従来例でみられる金属短チューブ9(図9参
照)が装着されていないが、この金属短チューブ9をカ
テーテル管24の先端側内周に予め装着してもよい。こ
の金属短チューブ9を取り付けるには、たとえば図3に
示す工程で、雄型34の後端部と基体チューブ24aの
先端部との間に、金属短チューブ9を取り付ければ良
い。
ば、バルーン膜とカテーテル管との接続部の外周が、カ
テーテル管の外周と略同一径になり、段差もなくすこと
ができ、バルーンカテーテルの血管への挿入性が向上す
ると共に、バルーンカテーテル挿入時の引っかかりや血
栓などを防止することができる。また、バルーン膜とカ
テーテル管との接続部を、バルーン膜の製造時に形成す
ることができるので、バルーンカテーテルの製造工程の
削減を図ることができる。
テルの要部概略断面図である。
態を示す概略図である。
造過程を示す概略図である。
造過程を示す概略図である。
る。
る。
ルーンカテーテルの製造過程を示す概略図である。
る。
要部断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 大動脈内に挿入されて、心機能の補助作
用を行うように膨張および収縮するバルーン膜と、 前記バルーン膜内部にシャトルガスを導入および導出す
るように、バルーン膜の後端に接続されたカテーテル管
とを有するバルーンカテーテルであって、 前記カテーテル管が、基体チューブと、その外周に被着
された表層チューブとで構成され、この表層チューブ
が、前記バルーン膜と一体に形成してあるバルーンカテ
ーテル。 - 【請求項2】 大動脈内に挿入されて、心機能の補助作
用を行うように膨張および収縮するバルーン膜と、前記
バルーン膜内部にシャトルガスを導入および導出するよ
うに、バルーン膜の後端に接続されたカテーテル管とを
有するバルーンカテーテルを製造する方法であって、 バルーン膜を形成するための雄型の後端部に、基体チュ
ーブの先端部を取り付ける工程と、 この基体チューブが取り付けられた雄型の外周および基
体チューブの外周に、合成樹脂溶液層を形成する工程
と、 この合成樹脂溶液層を乾燥させ、基体チューブの外周お
よび雄型の外周に、それぞれ表層チューブとバルーン膜
とを一体的に形成する工程と、 バルーン膜の先端部から、前記雄型を抜き取る工程とを
有するバルーンカテーテルの製造方法。 - 【請求項3】 大動脈内に挿入されて、心機能の補助作
用を行うように膨張および収縮するバルーン膜と、前記
バルーン膜内部にシャトルガスを導入および導出するよ
うに、バルーン膜の後端に接続されたカテーテル管とを
有するバルーンカテーテルを製造する方法であって、 バルーン膜を形成するための雄型の後端部に、カテーテ
ル管となる基体チューブの先端部を取り付ける工程と、 この基体チューブが取り付けられた雄型の外周と、基体
チューブにおける前記雄型との取り付け部分の外周に、
合成樹脂溶液層を形成する工程と、 この合成樹脂溶液層を乾燥させ、前記雄型の外周および
基体チューブにおける前記雄型との取り付け部分外周
に、それぞれバルーン膜と接続部外周とを一体的に形成
する工程と、 バルーン膜の先端部から、前記雄型を抜き取る工程とを
有するバルーンカテーテルの製造方法。 - 【請求項4】 大動脈内に挿入されて、心機能の補助作
用を行うように膨張および収縮するバルーン膜と、 前記バルーン膜内部にシャトルガスを導入および導出す
るように、バルーン膜の後端に接続されたカテーテル管
とを有するバルーンカテーテルであって、 前記カテーテル管が、基体チューブと、その外周に被着
された表層チューブとで構成され、この基体チューブ
が、前記バルーン膜と一体に形成してあるバルーンカテ
ーテル。 - 【請求項5】 大動脈内に挿入されて、心機能の補助作
用を行うように膨張および収縮するバルーン膜と、前記
バルーン膜内部にシャトルガスを導入および導出するよ
うに、バルーン膜の後端に接続されたカテーテル管とを
有するバルーンカテーテルを製造する方法であって、 バルーン膜を形成するための雌型の後端部に、表層チュ
ーブの先端部を取り付ける工程と、 この基体チューブが取り付けられた雌型の内周および表
層チューブの内周に、合成樹脂溶液層を形成する工程
と、 この合成樹脂溶液層を乾燥させ、表層チューブの内周お
よび雌型の内周に、それぞれ基体チューブとバルーン膜
とを一体的に形成する工程と、 前記雌型をバルーン膜の外周から取り外す工程とを有す
るバルーンカテーテルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33803493A JP3424300B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | バルーンカテーテルおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33803493A JP3424300B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | バルーンカテーテルおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07185006A true JPH07185006A (ja) | 1995-07-25 |
JP3424300B2 JP3424300B2 (ja) | 2003-07-07 |
Family
ID=18314314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33803493A Expired - Fee Related JP3424300B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | バルーンカテーテルおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3424300B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP33803493A patent/JP3424300B2/ja not_active Expired - Fee Related
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