JPH07185005A - バルーンカテーテル - Google Patents

バルーンカテーテル

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JPH07185005A
JPH07185005A JP5333643A JP33364393A JPH07185005A JP H07185005 A JPH07185005 A JP H07185005A JP 5333643 A JP5333643 A JP 5333643A JP 33364393 A JP33364393 A JP 33364393A JP H07185005 A JPH07185005 A JP H07185005A
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catheter
balloon
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catheter tube
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Tetsuo Toyokawa
哲生 豊川
Koichi Sakai
康一 酒井
Satoru Morikawa
哲 森川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シースを用いないで患者の血管内に挿入する
タイプのバルーンカテーテルにおいて、挿入作業性およ
び止血性に優れ、皮下出血の防止を図ることができるバ
ルーンカテーテルを提供すること。 【構成】 大動脈内に挿入されて、心機能の補助作用を
行うように膨張および収縮するバルーン部22と、バル
ーン部22内部にシャトルガスを導入および導出するよ
うに、バルーン部22の後端に接続されたカテーテル管
24と、カテーテル管24の後端が接続され、カテーテ
ル管24の内部にシャトルガスを導入および導出するシ
ャトルガス導入出口28が形成してある分岐部26とを
有するバルーンカテーテル。カテーテル管24の分岐部
側端部(大径部分24a)の外径が、その他の部分(小
径部分24b)のカテーテル管24の外径に対して、2
〜50%大きくしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば急性心不全等
の治療法である大動脈内バルーンポンピング法に用いる
バルーンカテーテルに係り、さらに詳しくは、シースを
用いないで患者の血管内に挿入するタイプのバルーンカ
テーテルにおいて、挿入作業性および止血性に優れ、皮
下出血の防止を図るバルーンカテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】大動脈内バルーンポンピング法(Intra
Aortic balloon pumping,以下、「IABP法」と略称す
る)とは、心不全等の心機能低下時の治療のため、合成
高分子材から成るバルーン部とカテーテル管とで構成さ
れるバルーンカテーテルを大動脈内に挿入し、心臓の拍
動に合わせてポンプ装置によりカテーテル管からバルー
ン部にシャトルガスを導入および導出し、バルーン部を
膨張・収縮させて心機能の補助を行う補助循環方法であ
る。
【0003】IABP法に用いられるバルーンカテーテルと
しては、特開昭63−206255号公報および特開昭
62−114565号公報に示すようなバルーンカテー
テルが知られている。このバルーンカテーテルを患者の
血管内に挿入する方法として、次に示す三つの方法が知
られている。
【0004】第1の方法は、図12に示すように、患者
の皮膚82から血管71内に、留置シース2を差込み、
この留置シース2を通して、バルーン部とカテーテル管
4とを有するバルーンカテーテル3を血管内に挿入する
方法である。カテーテル管4の後端側に装着された分岐
部6は、体外に固定され、そこからバルーン部を膨張お
よび収縮させるためのシャトルガスが導入および導出さ
れる。IABPの治療中には、留置シース2は、患者の
血管71内に差し込まれたままである。
【0005】なお、留置シース2の差込み前には、血管
71の挿入口85は、ダイレータにより押し広げられ
る。第2の方法は、図13(A),(B)に示すよう
に、分離除去型シース8と止血プラグ12とを用いた方
法である。この方法では、まず図13(A)に示すよう
に、分離除去型シース8を、患者の血管71の挿入口8
5から血管71内に差し込み、このシース8を通して、
バルーン部とカテーテル管4とを有するバルーンカテー
テル3を血管内に挿入する。次に、シース8をその長手
方向に沿って引き裂いて除去し、分岐部6の手前に軸方
向移動自在に装着された止血プラグ12を血管の挿入口
85方向に移動し、図13(B)に示すように、止血プ
ラグ12の先端で、挿入口85とカテーテル管4との隙
間を塞ぎ、出血を防ぐ。
【0006】なお、分離除去型シース8の差込み前に
は、血管71の挿入口85は、ダイレータにより押し広
げられる。第3の方法は、図14(A),(B)に示す
ように、ダイレータ16とガイドワイヤー14のみを用
いて、バルーン部とカテーテル管4とを有するバルーン
カテーテル3を血管内に挿入する方法である。この方法
では、図14(A)に示すように、事前に挿入したガイ
ドワイヤー14に沿って、患者の皮膚82から血管71
内にダイレータ16を挿入し、血管71の挿入口85を
押し広げた後、このダイレータ16だけを抜きとる。ガ
イドワイヤー14は血管71内に挿入したままにしてお
く。次に、図14(B)に示すように、ガイドワイヤー
14に沿って、バルーンカテーテル3を血管内に挿入す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した三つの方法
は、それぞれ長所および短所を有する。第1の方法で
は、バルーンカテーテル3の挿入作業性に優れている
が、IABP治療中に、留置シース2が患者の血管71
に差し込まれているので、血管71が細い場合には、下
流側への血流が阻害され患者への副作用を発生し易い。
【0008】第2の方法では、第1の方法の短所を改良
しており、IABP治療中における患者への副作用の危
険は少なくなるが、バルーンカテーテル3の挿入の際
に、分離除去型シース8を引き裂く必要があり、その際
には、血管からの出血があること、及び、止血プラグ1
2を差し込み、止めるなどの作業が煩雑である。
【0009】第3の方法では、第1の方法に用いる留置
シース2および第2の方法に用いる分離除去型シース8
を用いないので、患者の負担を著しく軽くすることがで
きる。しかしながら、この方法では、バルーンカテーテ
ル3を挿入した後で、血管の挿入口85からの出血を防
止するために、ダイレータ16の外径をカテーテル管4
の外径より小さくし、挿入口85の径を、カテーテル管
4の外径よりも小さくする。このため、カテーテル管4
の先端に装着されたバルーン部の挿入が難しい。即ち、
挿入時にバルーン部は、折り畳まれているが、挿入口8
5が狭いと、バルーン部が解けてしまい、挿入作業が困
難になることが多い。
【0010】また、ダイレータ16の外径をカテーテル
管4の外径と同程度にし、ダイレータ16により押し広
げる挿入口85の内径をカテーテル管4の外径と同程度
にすると、バルーンカテーテル3の挿入は容易になる
が、挿入口85から多少の血液が漏れ、皮下出血を引き
起こし、血腫による感染巣を作ったり、様々な副作用の
原因になるおそれがある。
【0011】上述したように、上記三つの方法は、それ
ぞれ長所および短所を有しているが、最近では、第3の
方法が注目されている。そこで、第3の方法に適したバ
ルーンカテーテルの開発が望まれている。本発明は、こ
のような実状に鑑みてなされ、シースを用いないで患者
の血管内に挿入するタイプのバルーンカテーテルにおい
て、挿入作業性および止血性に優れ、皮下出血の防止を
図ることができるバルーンカテーテルを提供することを
目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るバルーンカテーテルは、大動脈内に挿
入されて、心機能の補助作用を行うように膨張および収
縮するバルーン部と、前記バルーン部内部にシャトルガ
スを導入および導出するように、バルーン部の後端に接
続されたカテーテル管と、前記カテーテル管の後端が接
続され、カテーテル管の内部にシャトルガスを導入およ
び導出するシャトルガス導入出口が形成してある分岐部
とを有するバルーンカテーテルであって、前記カテーテ
ル管の分岐部側端部(大径部分)の外径を、その他の部
分(小径部分)のカテーテル管の外径に対して、2〜5
0%、好ましくは2〜20%大きくしてある。
【0013】外径を大きくしてあるカテーテル管の分岐
部側端部の長さ範囲が、分岐部とカテーテル管との接続
部から3cm以上で、カテーテル管の全長の1/2以下
の範囲にあることが好ましい。3cm以上としたのは、
一般に患者の皮膚の表面から血管の挿入口までの寸法が
3〜5cmあるため、少なくとも3cm以上でないと、
カテーテル管の大径部分が血管の挿入口に差し込まれな
いそれがあるからである。また、IABP治療がなされ
る患者が小さい場合でも、カテーテル管の全長の約1/
2が血管内に差し込まれた状態で、バルーン部が正規位
置(心臓の近く)に位置することから、大径部分の長さ
は、カテーテル管の1/2以下であれば十分である。
【0014】
【作用】本発明に係るバルーンカテーテルを、患者の血
管内に挿入するには、まず、患者の皮膚から血管内にダ
イレータを挿入し、血管の挿入口を押し広げる。ダイレ
ータの外径は、カテーテル管の小径部分の外径と同程度
である。その後、このダイレータを通してガイドワイヤ
ーを血管内に挿入する。次に、ダイレータをガイドワイ
ヤーに沿って取り出し、代わりに、ガイドワイヤーに沿
って、バルーンカテーテルを血管内に挿入する。
【0015】その際に、血管の挿入口は、カテーテル管
の小径部分の外径と同程度なので、バルーン部は、ほど
けることなく、容易に挿入口から挿入することができ
る。さらに、バルーンカテーテルを血管内に挿入し、バ
ルーン部が血管内の正規位置(心臓の近く)に近づく
と、カテーテル管の大径部分が挿入口から血管内に挿入
される。そのため、血管の挿入口とカテーテル管との隙
間が塞がり、皮下出血のおそれがなくなる。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係るバルーンカテーテルを、
図面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。図1に示
すように、本発明の一実施例に係るバルーンカテーテル
20は、心臓の拍動に合わせて膨張および収縮するバル
ーン部22を有する。バルーン部22は、膜厚約100
〜150μm程度の薄膜で構成される。薄膜の材質は、
特に限定されないが、耐屈曲疲労特性に優れた材質であ
ることが好ましく、例えばポリウレタンなどにより構成
される。バルーン部22の外径および長さは、心機能の
補助効果に大きく影響するバルーン部22の内容積と、
動脈血管の内径などに応じて決定される。バルーン部2
2の内容積は、特に限定されないが、30〜50ccで
あり、バルーン部22の外径は、14〜16mmが好ま
しく、長さは、210〜270mmが好ましい。
【0017】このバルーン部22の先端部には、血液連
通孔23が形成してある先端チップ部25が熱融着ない
しは接着などの手段で取り付けてある。この先端チップ
部25の内周側には、内管30の先端部が熱融着ないし
は接着などの手段で取り付けてある。
【0018】バルーン部22の後端部には、金属製の接
続チューブ27の外周側で、カテーテル管24の先端部
が連結してある。このカテーテル管24の内部に形成さ
れたシャトルガス導通路29を通じて、バルーン部22
内に、シャトルガスが導入または導出され、バルーン部
22が膨張ないし収縮するようになっている。バルーン
部22とカテーテル管24との連結は、熱融着あるいは
紫外線硬化樹脂型接着剤による接着などにより行われ
る。
【0019】内管30は、バルーン部22およびカテー
テル管24の内部を軸方向に延在し、後述する分岐部2
6の血圧測定口32に連通するようになっており、その
内部には、バルーン部22の内部およびカテーテル管2
4内に形成されたシャトルガス導通路29とは連通しな
い血液導通路31が形成してある。先端チップ部25の
血液連通孔23は大動脈内に位置する。大動脈内の血圧
変動は、内管30があらかじめ生理含塩水等で液封され
ていることにより、分岐部26の血圧測定口32へ伝わ
り、そこから測定を行うようになっている。
【0020】バルーン部22内に位置する内管30は、
バルーンカテーテル20を動脈内に挿入する際に、収縮
したバルーン部22が巻かれて都合良く動脈内に差し込
まれる際のガイドワイヤー挿通管腔としても用いられ
る。内管30の外径は、特に限定されないが、1.0〜
2.0mmである。また、内管30の肉厚は約0.1〜
0.4mmである。この内管30は、たとえば、ポリウレ
タン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン等の合
成樹脂チューブ、あるいは金属スプリング補強チュー
ブ、ステンレス細管等で構成される。
【0021】カテーテル管24の後端部には、患者の体
外に設置される分岐部26が連結してある。分岐部26
は、カテーテル管24と別体に成形され、熱融着あるい
は接着などの手段で固着される。分岐部26には、カテ
ーテル管24内のシャトルガス導通路29およびバルー
ン部22内にシャトルガスを導入または導出するための
シャトルガス導入出口28が形成される第1通路47
と、内管30内に連通する血圧測定口32が形成される
第2通路45とが形成してある。
【0022】シャトルガス導入出口28は、たとえば図
6に示すポンプ装置10に接続され、このポンプ装置1
0により、シャトルガスがバルーン部22内に導入また
は導出されるようになっている。導入されるガスとして
は、特に限定されないが、ポンプ装置10の駆動に応じ
て素早くバルーン部が膨張または収縮するように、粘性
の小さいヘリウムガスなどが用いられる。また、ポンプ
装置10としては、特に限定されず、例えば特公平2−
39265号公報に示すような装置が用いられる。
【0023】図1に示す血圧測定口32は、例えば図6
に示す血圧変動測定装置11に接続され、バルーン部2
2先端の血液連通孔23から取り入れた動脈内の血圧変
動を測定可能になっている。この血圧測定装置11で測
定した血圧変動に基づき、心臓の拍動に応じてポンプ装
置10を制御し、1秒以下の短周期でバルーン部22を
膨張および収縮させるようになっている。
【0024】本実施例では、カテーテル管24の外径
は、軸方向に沿って同一ではなく、カテーテル管24の
分岐部側端部(大径部分24a)側の外径を、その他の
部分(小径部分24b)のカテーテル管24の外径に対
して、2〜50%、好ましくは2〜20%大きくしてあ
る。
【0025】カテーテル管24の小径部分24bの外径
は、従来のカテーテル管の外径と同程度であり、好まし
くは1.5〜4.4mmである。また、カテーテル管24
の小径部分24bの肉厚は、好ましくは、0.05〜
0.4mmである。カテーテル管24の全長は、好ましく
は300〜800mm程度である。カテーテル管24の肉
厚は、大径部分24aと小径部分24bとでほぼ同一で
あることが好ましい。ただし、カテーテル管24の製造
上などの理由から、多少肉厚が相違することは実用上問
題ない。
【0026】カテーテル管24の大径部分24aの長さ
Laは、分岐部26とカテーテル管24との接続部から
3cm以上で、カテーテル管24の全長の1/2以下の
範囲にあることが好ましい。カテーテル管24におい
て、大径部分24aと小径部分24bとの接続部24c
は、テーパ形状にすることが好ましい。皮膚82および
血管71への挿入がスムーズになるからである。
【0027】このように軸方向に外径が相違するカテー
テル管24を製造するには、たとえば図2(A)に示す
ように、まず大径部分24aの外径に相当する外径を有
する樹脂チューブを準備し、この一方の端部に熱をかけ
ながら引き抜き成形する。これにより、大径部分24a
と小径部分24bとを有するカテーテル管24を製造す
ることができる。大径部分24aと小径部分24bとの
接続部24cには、テーパ形状が自動的に形成される。
【0028】また、小径部分24bの外径に相当する外
径を有する樹脂チューブを準備し、その一方の端部を加
熱しながら、型で押し広げることにより、小径部分24
bと大径部分24aとを有するカテーテル管24を製造
することもできる。この場合も、大径部分24aと小径
部分24bとの接続部24cには、テーパ形状が自動的
に形成される。
【0029】これらの場合には、大径部分24aと小径
部分24bとを一体に成形することができる。また、そ
の他の手段として、図2(B)に示すように、小径チュ
ーブと大径チューブとを接着または融着などの手段で接
合することにより、大径部分124aと小径部分124
bとを有するカテーテル管124を製造することもでき
る。この場合には、大径部分124aと小径部分124
bとの接続部124cの外周に、テーパ加工を行うこと
が好ましい。
【0030】このようなカテーテル管24を構成する材
質としては、特に限定されないが、ポリウレタン、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド
等であることが好ましい。次に、本実施例のバルーンカ
テーテル20の挿入方法について説明する。
【0031】まず、図3に示すように、患者の皮膚82
の上から、穿刺針70を突き刺し、その先端を、血管7
1内に位置させる。次に、穿刺針70の内側に挿入して
あるスタイレット84を抜き出し、スタイレット84を
抜き出した穴から、ガイドワイヤー72(図4に図示)
を血管71内に挿入する。
【0032】次に、挿入したガイドワイヤー72に沿っ
て、穿刺針70を抜き出し、次に、図4に示すように、
ガイドワイヤー72に沿って、先端テーパ状のダイレー
タ74を血管71内に挿入し、挿入口85をさらに押し
広げる。このダイレータ74の外径は、カテーテル管2
4の小径部分24bの外径と同程度である。
【0033】次に、このダイレータ74をガイドワイヤ
ー72に沿って素早く取り出し、代わりに、ガイドワイ
ヤー72に沿って、図5に示すように、バルーンカテー
テル20を血管71内に挿入する。ダイレータ74を取
り出した後、バルーンカテーテル20を挿入するまでの
出血を防止するため、患者の皮膚を押圧する。
【0034】バルーンカテーテル20の挿入の際に、血
管71の挿入口85は、カテーテル管24の小径部分2
4bの外径と同程度なので、バルーン部は、解けること
なく、容易に挿入口85から挿入することができる。さ
らに、バルーンカテーテル20を血管71内に挿入し、
図6に示すように、バルーン部22が血管内の正規位置
(心臓1の近く)に近づくと、図5に示すように、カテ
ーテル管24の大径部分24aが挿入口85から血管7
1内に挿入される。そのため、血管71の挿入口85と
カテーテル管24との隙間が塞がり、皮下出血のおそれ
がなくなる。
【0035】最後に、ガイドワイヤ72を血管71から
抜取り、分岐部26を患者の皮膚に固定し、IABP法
を行う。図6に示すように、バルーン部22は、心臓1
に近い動脈血管内所定位置に位置させて、膨張収縮させ
ることにより、心機能の補助作用を行なうので、カテー
テル管24が血管71内で位置ズレしないようにするこ
とは重要である。
【0036】本実施例のバルーンカテーテル20を用い
れば、挿入作業性および止血性が向上すると共に、皮下
出血の防止を図ることができる。また、本実施例のバル
ーンカテーテル20では、カテーテル管24の分岐部側
端部に、大径部分24aが形成されるので、その大径部
分24aで、内管30の外周とカテーテル管24の内周
との間に形成されるシャトルガス導通路29の断面積が
大きくなる。
【0037】その結果、シャトルガス導通路29の流路
抵抗が4%以上低減され、バルーン部の膨張および収縮
の応答性が8%以上向上し、心機能の補助効果が著しく
改善される。なお、カテーテル管24のキンク(折れ)
や血流による押戻しを効果的に防止する観点からは、カ
テーテル管24を、基体チューブと表層チューブとの二
重管構造で構成することが好ましい。基体チューブは、
線弾性係数で100Kg/mm2 以上の硬質合成樹脂で
構成され、具体的には、ポリアミド、ポリイミド、フッ
素樹脂(PFA,PTFE,ETFEなど)または二フ
ッ化ポリビニル樹脂(PVDF)などで構成される。ま
た、表層チューブは、抗血栓性材料で構成され、具体的
には、ポリウレタンで構成される。
【0038】基体チューブと表層チューブとで構成され
るカテーテル管の内径および肉厚は、特に限定されない
が、内径は、好ましくは、1.5〜4.0mmであり、肉
厚は、好ましくは、0.05〜0.4mmである。また、
基体チューブ単独の肉厚は、0.03〜0.35mmであ
る。
【0039】基体チューブと表層チューブとで構成され
るカテーテル管は、たとえば二層チューブ押し出し成形
法により形成することができる。または、基体チューブ
と表層チューブとを別に成形しておき、後工程において
接着または熱接着することにより形成することができ
る。さらに、基体チューブの外周に成膜される表層チュ
ーブは、溶液浸漬法、スプレー法などで構成することも
できる。
【0040】このようにカテーテル管を二重管構造と
し、内側の基体チューブを、線弾性係数で100Kg/
mm2 以上の硬質合成樹脂で構成し、外側の表層チュー
ブを抗血栓性材料で構成した場合には、カテーテル管
は、適度な剛性を有し、患者の血管内に挿入し易いと共
に、カテーテル管の先端に接続されるバルーン部が、患
者の血管内所定位置に設置された後には、血流などで押
戻されることもない。
【0041】また、外側の表層チューブが抗血栓性に優
れた材質で構成されるため、血栓が付着するおそれも少
ない。次に、本発明のその他の実施例について説明す
る。本実施例のバルーンカテーテルに用いる分岐部42
では、図7に示すように、シャトルガス導入出口46が
形成された第1通路47をカテーテル管24の軸心方向
に沿ってストレート状に配置し、血圧測定口44が形成
される第2通路45を、第1通路47の軸心に対して所
定の傾きを以て配置するように構成してある。
【0042】しかも本実施例の分岐部42では、第2通
路45内に、内管30の端部を保持し、この内管30
を、カテーテル管24の内壁に接するように偏心させて
配置させるための第1内管端部保持具48と第2内管端
部保持具50とが装着してある。
【0043】第1内管端部保持具48は、図7〜9に示
すように、保持具本体52と、この保持具本体52に対
して軸方向に突出する一対の爪部54,56とを有す
る。保持具本体52には、内管30の端部が緩く挿通す
る遊挿孔58と、内管30の外周を本体52に接着する
ための接着挿入孔59とが形成してある。爪部54,5
6は、これらの間に内管30の端部を挟み込むように構
成され、その基端部側では、図10(B)に示すよう
に、略半円形状を有するが、その先端側では、同図
(C)に示すように、内管30の両側を挟み込むよう
に、突起部54a,56aが形成された形状を有してい
る。
【0044】一方の下方側爪部56は、他方の上方側爪
部54よりも長く構成され、図7に示すように、この第
1内管端部保持具48が分岐部42の第2通路45内に
挿入された状態で、爪部54,56の先端により、第1
通路47が極力狭められないように構成してある。
【0045】これら爪部54,56により、内管30の
端部をフレキシブルに保持することができる。しかも、
これら爪部54,56は、図8(A)に示すように、内
管30の端部を弾力的に保持し、内管30が、図8
(B)に示すように、カテーテル管24内で、カテーテ
ル管24の内壁に接するように偏心させて配置させるよ
うになっている。
【0046】第1内管端部保持具48の後端側の第2通
路45内には、第2内管端部保持具50が装着される。
この第2内管端部保持具50には、図11に示すよう
に、内管30の端部がフレキシブルに挿入される端部固
定孔60と、内管30内に連通される血圧測定口44と
が形成してある。この第2内管端部保持具50は、その
外周に形成された係止用突起62により、分岐部42に
係止される。
【0047】内管30の端部を、第1,第2内管端部保
持具48,50で分岐部42の第2通路45内に固定す
るには、まず、内管30の端部を、分岐部42の第2通
路45を通し、その通路45から分岐部42外部に引き
出す。次に、第2通路45内に、第1内管端部保持具4
8を挿入し、爪部54,56間で内管30の端部を弾性
保持する。そして、内管30の端部を引っ張り、内管3
0が、図8(B)に示すように、カテーテル管24の内
壁に接するように、偏心させるように配置する。その
後、内管30の端部を適当な長さに切断し、内管30の
端部を第1内管端部保持具48に対して接着する。その
後、第2内管端部保持具50を第1通路45内に挿入
し、内管30の端部を、保持具50の端部固定孔60に
固定する。
【0048】この実施例のバルーンカテーテルでは、分
岐部42に形成されるシャトルガス導入出口46に連通
する第1通路47をカテーテル管24の軸心方向に沿っ
てストレート状に配置したので、血圧測定口をカテーテ
ル管の軸心方向に沿ってストレート状に配置した従来例
に比較し、シャトルガスの流路抵抗で、2%の改善、応
答性の観点からは、さらに4%の改善ができる。
【0049】また、本実施例では、分岐部42の第2通
路45に、第1内管端部保持具48が装着してあるの
で、内管30がカテーテル管24の内壁に接するように
偏心して配置される。その結果、カテーテル管24内に
形成されたシャトルガス導通路29の流路抵抗が、従来
に比較し、4%低減でき、応答性の観点からは、8%改
善することができる。従来では、カテーテル管24が血
管に沿って蛇行する際に、カテーテル管24内で内管3
0が相対的に蛇行し、シャトルガス導通路29の流路抵
抗を増大させていたが、本実施例では、内管30がカテ
ーテル管24の内壁に接するように偏心して配置される
ことから、シャトルガス導通路29の流路抵抗が低減す
る。
【0050】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。たとえば、本発明では、内管30の用途
は、血圧測定のみに限定されず、その他の用途に用いる
ようにしても良い。また、図7〜11に示す実施例で
は、第1内管端部保持具48と第2内管端部保持具50
とは、別体に成形したが、これらを一体に成形すること
も可能である。また、分岐部42、第1内管端部保持具
48および第2内管端部保持具50の具体形状および構
造は、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0051】さらに、内管30は、カテーテル管24の
内壁に、接着、融着または押し出し成形による一体成形
などの手段で、固定することもできる。このように、内
管30をカテーテル管24の内壁に固定することで、カ
テーテル管24が動脈血管に沿って曲がりくねったとし
ても、内管30は、カテーテル管24の内壁の所定位置
に固定される。このため、従来のように内管がカテーテ
ル管内で曲がりくねることによる渦流の発生および流路
抵抗の増大を有効に防止できる。また、本実施例のバル
ーンカテーテルでは、バルーン部を膨張および収縮させ
るためのシャトルガスのエネルギー損失も小さい。その
結果、バルーン部の膨張および収縮の応答性を改善する
ことができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、シースを用いないで患者の血管内にバルーンカテー
テルを挿入するので、バルーンカテーテルの挿入に要す
る部品点数が少なく、その挿入作業が単純になり、挿入
作業性が向上する。また、カテーテル管の分岐部側端部
に大径部分を有するので、この大径部分が、血管の挿入
口を塞ぎ、止血性が良好になると共に、皮下出血の防止
を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施例に係るバルーンカテー
テルの要部概略断面図である。
【図2】図2(A),(B)は図1に示すカテーテル管
の製造方法を示す要部断面図である。
【図3】図3は図1に示すバルーンカテーテルの挿入方
法を示す要部断面図である。
【図4】図4は図1に示すバルーンカテーテルの挿入方
法を示す要部断面図である。
【図5】図5は図1に示すバルーンカテーテルの挿入方
法を示す要部断面図である。
【図6】図6は本実施例のバルーンカテーテルの使用状
態を示す概略図である。
【図7】図7は本発明のその他の実施例で用いる分岐部
の拡大断面図である。
【図8】図8(A),(B)はそれぞれ図7に示すViii
A−ViiiA線およびViiiB−ViiiB線に沿う断面図である。
【図9】図9は図7に示す第1内管端部保持具の側面図
である。
【図10】図10(A),(B),(C)はそれぞれ図
9に示すXA−XA線,XB−XB線,XC−XC線に沿う断面図で
ある。
【図11】図11は図7に示す第2内管端部保持具の断
面図である。
【図12】図12はバルーンカテーテルの挿入方法の一
例を示す概略図である。
【図13】図13(A),(B)はバルーンカテーテル
の挿入方法の他の一例を示す概略図である。
【図14】図14(A),(B)はバルーンカテーテル
の挿入方法のその他の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
20… バルーンカテーテル 22… バルーン部 23… 血液導入口 24… カテーテル管 24a… 大径部分 24b… 小径部分 25… 先端チップ部 26,42… 分岐部 28,46… シャトルガス導入出口 29… シャトルガス導通路 30… 内管 31… 血液導通路 32,44… 血圧測定口 45… 第2通路 47… 第1通路 48… 第1内管端部保持具 50… 第2内管端部保持具 54,56… 爪部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大動脈内に挿入されて、心機能の補助作
    用を行うように膨張および収縮するバルーン部と、 前記バルーン部内部にシャトルガスを導入および導出す
    るように、バルーン部の後端に接続されたカテーテル管
    と、 前記カテーテル管の後端が接続され、カテーテル管の内
    部にシャトルガスを導入および導出するシャトルガス導
    入出口が形成してある分岐部とを有するバルーンカテー
    テルであって、 前記カテーテル管の分岐部側端部の外径を、その他の部
    分のカテーテル管の外径に対して、2〜50%大きくし
    てあるバルーンカテーテル。
  2. 【請求項2】 外径を大きくしてあるカテーテル管の分
    岐部側端部の長さ範囲が、分岐部とカテーテル管との接
    続部から3cm以上で、カテーテル管の全長の1/2以
    下の範囲にある請求項1に記載のバルーンカテーテル。
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