JPH07116244A - バルーンカテーテル - Google Patents
バルーンカテーテルInfo
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- JPH07116244A JPH07116244A JP5270767A JP27076793A JPH07116244A JP H07116244 A JPH07116244 A JP H07116244A JP 5270767 A JP5270767 A JP 5270767A JP 27076793 A JP27076793 A JP 27076793A JP H07116244 A JPH07116244 A JP H07116244A
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- balloon
- catheter
- inner tube
- catheter tube
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 患者の負担を増大させることなく、圧力流体
が通るカテーテル管内の流路抵抗を小さくし、応答性良
くバルーン部を膨張・収縮させ、しかもバルーン部およ
びカテーテル管のキンクを防止することが可能なバルー
ンカテーテルを提供すること。 【構成】 カテーテル管の内部に位置する内管の肉厚
を、前記バルーン部の内部に位置する内管の肉厚に比較
して、10〜95%薄くしてあるIABP用バルーンカ
テーテル。肉厚が薄く構成してある内管の薄肉部の長さ
範囲は、分岐部から、カテーテル管の全長の半分以上
で、バルーン部とカテーテル管との接続部の手前までの
範囲であることが好ましい。
が通るカテーテル管内の流路抵抗を小さくし、応答性良
くバルーン部を膨張・収縮させ、しかもバルーン部およ
びカテーテル管のキンクを防止することが可能なバルー
ンカテーテルを提供すること。 【構成】 カテーテル管の内部に位置する内管の肉厚
を、前記バルーン部の内部に位置する内管の肉厚に比較
して、10〜95%薄くしてあるIABP用バルーンカ
テーテル。肉厚が薄く構成してある内管の薄肉部の長さ
範囲は、分岐部から、カテーテル管の全長の半分以上
で、バルーン部とカテーテル管との接続部の手前までの
範囲であることが好ましい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば急性心不全等
の治療法である大動脈内バルーンポンピング法に用いる
バルーンカテーテルに係り、さらに詳しくは、圧力流体
が通るカテーテル管内の流路抵抗を小さくし、応答性良
くバルーン部を膨張・収縮させることが可能なバルーン
カテーテルに関する。
の治療法である大動脈内バルーンポンピング法に用いる
バルーンカテーテルに係り、さらに詳しくは、圧力流体
が通るカテーテル管内の流路抵抗を小さくし、応答性良
くバルーン部を膨張・収縮させることが可能なバルーン
カテーテルに関する。
【0002】
【従来の技術】大動脈内バルーンポンピング法(Intra
Aortic balloon pumping,以下、「IABP法」と略称す
る)とは、心不全等の心機能低下時の治療のため、合成
高分子材から成るバルーン部とカテーテル管とで構成さ
れるバルーンカテーテルを大動脈内に挿入し、心臓の拍
動に合わせてポンプ装置によりカテーテル管からバルー
ン部に圧力流体を導入または導出し、バルーン部を膨張
・収縮させて心機能の補助を行う補助循環方法である。
Aortic balloon pumping,以下、「IABP法」と略称す
る)とは、心不全等の心機能低下時の治療のため、合成
高分子材から成るバルーン部とカテーテル管とで構成さ
れるバルーンカテーテルを大動脈内に挿入し、心臓の拍
動に合わせてポンプ装置によりカテーテル管からバルー
ン部に圧力流体を導入または導出し、バルーン部を膨張
・収縮させて心機能の補助を行う補助循環方法である。
【0003】IABP法に用いられるバルーンカテーテルと
しては、特開昭63−206255号公報および特開昭
62−114565号公報に示すようなバルーンカテー
テルが知られている。このようなバルーンカテーテルに
おいて、心臓の拍動に合わせてバルーン部を膨張および
収縮するために、患者の心臓の拍動を検知する必要があ
る。患者の心臓の拍動を検知する手段として、患者の体
表面あるいは体内部に電極を装着し、心臓の拍動を電気
信号として検出する手段がある。
しては、特開昭63−206255号公報および特開昭
62−114565号公報に示すようなバルーンカテー
テルが知られている。このようなバルーンカテーテルに
おいて、心臓の拍動に合わせてバルーン部を膨張および
収縮するために、患者の心臓の拍動を検知する必要があ
る。患者の心臓の拍動を検知する手段として、患者の体
表面あるいは体内部に電極を装着し、心臓の拍動を電気
信号として検出する手段がある。
【0004】また、バルーンカテーテルを利用して患者
の血圧から心臓の拍動を検出する手段として、バルーン
部の先端チップ部に、血液連通孔を設け、その血液連通
孔と連通する内管を、バルーン部およびカテーテル管の
内部に軸方向に挿通させ、血圧側定口から血圧変動を測
定することにより、心臓の拍動を検出する方法がある。
この方法は、バルーン部が膨張および収縮する部分の血
圧変動を直接検出することから、心拍変動に応じてバル
ーン部を膨張および収縮させ、良好な補助効果が得られ
ているかどうかを観察するために極めて重要である。
の血圧から心臓の拍動を検出する手段として、バルーン
部の先端チップ部に、血液連通孔を設け、その血液連通
孔と連通する内管を、バルーン部およびカテーテル管の
内部に軸方向に挿通させ、血圧側定口から血圧変動を測
定することにより、心臓の拍動を検出する方法がある。
この方法は、バルーン部が膨張および収縮する部分の血
圧変動を直接検出することから、心拍変動に応じてバル
ーン部を膨張および収縮させ、良好な補助効果が得られ
ているかどうかを観察するために極めて重要である。
【0005】このようなタイプのバルーンカテーテルで
は、カテーテル管の体外側後端部に分岐部が接続してあ
る。この分岐部には、カテーテル管を通してバルーン部
内に圧力流体を導入または導出するための圧力流体導入
出口と、内管内に連通する血圧測定口とが形成してあ
る。圧力流体導入出口は、ポンプ装置に接続され、この
ポンプ装置により、流体圧がバルーン部内に導入または
導出されるようになっている。
は、カテーテル管の体外側後端部に分岐部が接続してあ
る。この分岐部には、カテーテル管を通してバルーン部
内に圧力流体を導入または導出するための圧力流体導入
出口と、内管内に連通する血圧測定口とが形成してあ
る。圧力流体導入出口は、ポンプ装置に接続され、この
ポンプ装置により、流体圧がバルーン部内に導入または
導出されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
構成のバルーンカテーテルでは、次に示すような問題点
を有している。すなわち、カテーテル管は、患者の動脈
血管内に挿入されることから、患者の負担、特に挿入部
位より更に末梢側の組織への血液の循環を考慮すれば、
その外径は小さいほど好ましい。ところが、カテーテル
管の外径が小さいと、その内部に形成される流体圧導通
路が小さくなり、流路抵抗が増大し、圧力流体により駆
動されるバルーン部の膨張・収縮のタイミング応答性が
悪くなり、心臓の補助作用を有効に発揮することができ
ないおそれがある。バルーン部の膨張・収縮の周期は、
例えば、心拍動が100拍/分とすると、0.6秒の周
期であり、この周期より短い時間にカテーテル管内部を
圧力流体が往復するので、流路抵抗は少ないほど好まし
い。
構成のバルーンカテーテルでは、次に示すような問題点
を有している。すなわち、カテーテル管は、患者の動脈
血管内に挿入されることから、患者の負担、特に挿入部
位より更に末梢側の組織への血液の循環を考慮すれば、
その外径は小さいほど好ましい。ところが、カテーテル
管の外径が小さいと、その内部に形成される流体圧導通
路が小さくなり、流路抵抗が増大し、圧力流体により駆
動されるバルーン部の膨張・収縮のタイミング応答性が
悪くなり、心臓の補助作用を有効に発揮することができ
ないおそれがある。バルーン部の膨張・収縮の周期は、
例えば、心拍動が100拍/分とすると、0.6秒の周
期であり、この周期より短い時間にカテーテル管内部を
圧力流体が往復するので、流路抵抗は少ないほど好まし
い。
【0007】また、カテーテル管の内部には、血圧変動
測定用内管が軸方向に挿通してあるので、圧力流体の流
路抵抗を低減する観点からは、この内管の外径もできる
だけ小さいことが好ましい。内管は、バルーン部先端で
取り入れた血液を後端側に流し、その血圧変動を測定す
るため、内管の内径を余りに小さくすることはできな
い。更に、この内管は、バルーンカテーテルを患者体内
に挿入する時には、ガイドワイヤーを挿通するため、ガ
イドワイヤー径以上の内径が必要となる。また、この内
管は、バルーン部において、バルーン部が血流などによ
りキンク(折れ曲がり)することを防止する作用も有す
るため、ある程度以上の機械的強度を有する必要があ
る。従って、内管の肉厚を薄くして外径を小さくするこ
とは極めて難しい。
測定用内管が軸方向に挿通してあるので、圧力流体の流
路抵抗を低減する観点からは、この内管の外径もできる
だけ小さいことが好ましい。内管は、バルーン部先端で
取り入れた血液を後端側に流し、その血圧変動を測定す
るため、内管の内径を余りに小さくすることはできな
い。更に、この内管は、バルーンカテーテルを患者体内
に挿入する時には、ガイドワイヤーを挿通するため、ガ
イドワイヤー径以上の内径が必要となる。また、この内
管は、バルーン部において、バルーン部が血流などによ
りキンク(折れ曲がり)することを防止する作用も有す
るため、ある程度以上の機械的強度を有する必要があ
る。従って、内管の肉厚を薄くして外径を小さくするこ
とは極めて難しい。
【0008】そこで従来では、カテーテル管の外径は、
患者の負担を著しく増大させない範囲内で、カテーテル
管の外径をできるだけ大きく設定し、バルーン部の膨張
・収縮タイミング応答性をある程度犠牲にしていた。ま
た、従来のバルーンカテーテルでは、内管がカテーテル
管の内部で、径方向に自由に移動できるため、カテーテ
ル管が患者の動脈血管に沿って曲がりくねって血管内に
挿入される際に、内管が、カテーテル管内部を不規則に
曲がりくねって配置されることになる。その結果、バル
ーン部を膨張または収縮させるための圧力流体が、内管
の外壁とカテーテル管の内壁との隙間を通して流通する
際に、渦流を生じさせ、流体のエネルギー損失を増大さ
せ、ポンプ装置の効率を低下させると共に、膨張および
収縮のタイミングを遅らせるおそれがある。
患者の負担を著しく増大させない範囲内で、カテーテル
管の外径をできるだけ大きく設定し、バルーン部の膨張
・収縮タイミング応答性をある程度犠牲にしていた。ま
た、従来のバルーンカテーテルでは、内管がカテーテル
管の内部で、径方向に自由に移動できるため、カテーテ
ル管が患者の動脈血管に沿って曲がりくねって血管内に
挿入される際に、内管が、カテーテル管内部を不規則に
曲がりくねって配置されることになる。その結果、バル
ーン部を膨張または収縮させるための圧力流体が、内管
の外壁とカテーテル管の内壁との隙間を通して流通する
際に、渦流を生じさせ、流体のエネルギー損失を増大さ
せ、ポンプ装置の効率を低下させると共に、膨張および
収縮のタイミングを遅らせるおそれがある。
【0009】また、内管は、カテーテル管が体内血管蛇
行部で曲がりくねることによってたわみ、分岐部の内部
で、圧力流体導入出口が、カテーテル管の延在部分と交
わる近傍を狭塞させ、大きな流体抵抗の原因となるおそ
れもある。本発明は、このような実状に鑑みてなされ、
患者の負担を増大させることなく、圧力流体が通るカテ
ーテル管内の流路抵抗を小さくし、応答性良くバルーン
部を膨張・収縮させ、しかもバルーン部およびカテーテ
ル管のキンクを防止することが可能なバルーンカテーテ
ルを提供することを目的とする。
行部で曲がりくねることによってたわみ、分岐部の内部
で、圧力流体導入出口が、カテーテル管の延在部分と交
わる近傍を狭塞させ、大きな流体抵抗の原因となるおそ
れもある。本発明は、このような実状に鑑みてなされ、
患者の負担を増大させることなく、圧力流体が通るカテ
ーテル管内の流路抵抗を小さくし、応答性良くバルーン
部を膨張・収縮させ、しかもバルーン部およびカテーテ
ル管のキンクを防止することが可能なバルーンカテーテ
ルを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るバルーンカテーテルは、大動脈内に挿
入されて、心機能の補助作用を行うように膨張および収
縮するバルーン部と、前記バルーン部内部に圧力流体を
導入および導出するように、バルーン部の後端に接続さ
れたカテーテル管と、前記バルーン部の先端部に設けら
れた血液導通口に連通し、前記バルーン部およびカテー
テル管内部を軸方向に延在する内管と、前記カテーテル
管および内管の後端が接続され、カテーテル管の内部に
圧力流体を導入および導出する圧力流体導入出口と、内
管内に連通する血圧測定口とが形成してある分岐部とを
有するバルーンカテーテルであって、前記カテーテル管
の内部に位置する内管の肉厚を、前記バルーン部の内部
に位置する内管の肉厚に比較して、10〜95%薄くし
てある。
に、本発明に係るバルーンカテーテルは、大動脈内に挿
入されて、心機能の補助作用を行うように膨張および収
縮するバルーン部と、前記バルーン部内部に圧力流体を
導入および導出するように、バルーン部の後端に接続さ
れたカテーテル管と、前記バルーン部の先端部に設けら
れた血液導通口に連通し、前記バルーン部およびカテー
テル管内部を軸方向に延在する内管と、前記カテーテル
管および内管の後端が接続され、カテーテル管の内部に
圧力流体を導入および導出する圧力流体導入出口と、内
管内に連通する血圧測定口とが形成してある分岐部とを
有するバルーンカテーテルであって、前記カテーテル管
の内部に位置する内管の肉厚を、前記バルーン部の内部
に位置する内管の肉厚に比較して、10〜95%薄くし
てある。
【0011】前記肉厚が薄く構成してある内管の薄肉部
の長さ範囲は、分岐部から、カテーテル管の全長の半分
以上で、バルーン部とカテーテル管との接続部の手前ま
での範囲であることが好ましい。前記カテーテル管の内
壁に、前記内管の外周の少なくとも一部が固定してある
ことが好ましい。
の長さ範囲は、分岐部から、カテーテル管の全長の半分
以上で、バルーン部とカテーテル管との接続部の手前ま
での範囲であることが好ましい。前記カテーテル管の内
壁に、前記内管の外周の少なくとも一部が固定してある
ことが好ましい。
【0012】
【作用】血圧変動測定用の内管がバルーン部およびカテ
ーテル管の内部に挿通してあるタイプの従来のバルーン
カテーテルでは、内管の外径および肉厚は、バルーン部
が血流などでキンクせず、しかも血圧変動測定用として
十分に機能することを条件に決定された。しかも従来の
バルーンカテーテルに用いる内管の外径は、軸方向に一
定であった。
ーテル管の内部に挿通してあるタイプの従来のバルーン
カテーテルでは、内管の外径および肉厚は、バルーン部
が血流などでキンクせず、しかも血圧変動測定用として
十分に機能することを条件に決定された。しかも従来の
バルーンカテーテルに用いる内管の外径は、軸方向に一
定であった。
【0013】本発明者等は、バルーン部およびカテーテ
ル管の内部に、血圧変動測定用の内管が挿通してあるタ
イプのバルーンカテーテルについて鋭意検討した結果、
カテーテル管部分では、その内部に挿通された内管が、
カテーテル管のキンク防止としての機能を発揮する必要
がなく、カテーテル管自体がキンクを防止し、血流によ
り押戻されることを防止することができることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
ル管の内部に、血圧変動測定用の内管が挿通してあるタ
イプのバルーンカテーテルについて鋭意検討した結果、
カテーテル管部分では、その内部に挿通された内管が、
カテーテル管のキンク防止としての機能を発揮する必要
がなく、カテーテル管自体がキンクを防止し、血流によ
り押戻されることを防止することができることを見い出
し、本発明を完成するに至った。
【0014】本発明に係るバルーンカテーテルでは、バ
ルーン部の内部に位置する内管の外径および肉厚は、従
来のバルーンカテーテルと同様にして、バルーン部が血
流などでキンクせず、しかも血圧変動測定用として十分
に機能することを条件に決定される。ところが、カテー
テル管の内部では、内管の肉厚は、内管内部の血圧と、
内管外部を流れる圧力流体の圧力との差圧により、潰れ
ない程度の剛性を有するように決定される。
ルーン部の内部に位置する内管の外径および肉厚は、従
来のバルーンカテーテルと同様にして、バルーン部が血
流などでキンクせず、しかも血圧変動測定用として十分
に機能することを条件に決定される。ところが、カテー
テル管の内部では、内管の肉厚は、内管内部の血圧と、
内管外部を流れる圧力流体の圧力との差圧により、潰れ
ない程度の剛性を有するように決定される。
【0015】したがって、カテーテル管の内部に位置す
る内管の肉厚は、バルーン部の内部に位置する内管の肉
厚に比較して、10〜95%薄く構成することが可能に
なる。内管の内径が軸方向で一定であるとすれば、カテ
ーテル管の内部では、内管の外径を小さくすることがで
き、内管の外周とカテーテル管の内周との間に形成され
る圧力流体通路の断面積が大きくなる。たとえば、カテ
ーテル管の内径が、2.6mmであり、内管の内径が、
0.90mmであり、内管の外径が、1.50mmである従
来のバルーンカテーテルにおけるカテーテル管内圧力流
体の流路断面は、計算上1.128πmm2 である。これ
に対し、内管の肉厚を例えば従来の1/2とした本発明
のバルーンカテーテルにおけるカテーテル管内圧力流体
の流路断面は、計算上1.33πmm2 となる。この例で
は、本発明のバルーンカテーテルのカテーテル管内圧力
流体の流路断面が、15%以上大きくなる。
る内管の肉厚は、バルーン部の内部に位置する内管の肉
厚に比較して、10〜95%薄く構成することが可能に
なる。内管の内径が軸方向で一定であるとすれば、カテ
ーテル管の内部では、内管の外径を小さくすることがで
き、内管の外周とカテーテル管の内周との間に形成され
る圧力流体通路の断面積が大きくなる。たとえば、カテ
ーテル管の内径が、2.6mmであり、内管の内径が、
0.90mmであり、内管の外径が、1.50mmである従
来のバルーンカテーテルにおけるカテーテル管内圧力流
体の流路断面は、計算上1.128πmm2 である。これ
に対し、内管の肉厚を例えば従来の1/2とした本発明
のバルーンカテーテルにおけるカテーテル管内圧力流体
の流路断面は、計算上1.33πmm2 となる。この例で
は、本発明のバルーンカテーテルのカテーテル管内圧力
流体の流路断面が、15%以上大きくなる。
【0016】流路断面が15%以上大きくなることは、
流路抵抗が15%以上低減され、バルーン部の膨張およ
び収縮の応答性が15%以上向上することを意味し、心
機能の補助効果が著しく改善されることを意味する。し
かも、本発明に係るバルーンカテーテルでは、カテーテ
ル管の外径を従来に比較して大きくしないので、患者の
負担を増大させることがない。しかも、バルーン部内部
では、内管の外径および肉厚は、従来のバルーンカテー
テルの内管と同程度なので、バルーン部が血流などでキ
ンクするなどの事態を避けることができる。また、カテ
ーテル管部分では、カテーテル管自体がある程度の剛性
を有していることから、内管の強度が低下しても、カテ
ーテル管が血流などでキンクしたり押戻されたりするこ
とはない。なお、バルーンカテーテルのバルーン部は、
心臓近くの動脈血管内で膨張および収縮することにより
心機能の補助効果を達成することから、バルーン部また
はカテーテル管がキンクしたり、所定位置から押戻され
たりすることは、避けなければならない。
流路抵抗が15%以上低減され、バルーン部の膨張およ
び収縮の応答性が15%以上向上することを意味し、心
機能の補助効果が著しく改善されることを意味する。し
かも、本発明に係るバルーンカテーテルでは、カテーテ
ル管の外径を従来に比較して大きくしないので、患者の
負担を増大させることがない。しかも、バルーン部内部
では、内管の外径および肉厚は、従来のバルーンカテー
テルの内管と同程度なので、バルーン部が血流などでキ
ンクするなどの事態を避けることができる。また、カテ
ーテル管部分では、カテーテル管自体がある程度の剛性
を有していることから、内管の強度が低下しても、カテ
ーテル管が血流などでキンクしたり押戻されたりするこ
とはない。なお、バルーンカテーテルのバルーン部は、
心臓近くの動脈血管内で膨張および収縮することにより
心機能の補助効果を達成することから、バルーン部また
はカテーテル管がキンクしたり、所定位置から押戻され
たりすることは、避けなければならない。
【0017】カテーテル管内部では、従来に比較して、
内管の肉厚が薄くなり、内管がカテーテル管内部で蛇行
し易くなったり、圧力流体の往復により振動し易く成る
ことも考えられる。内管が振動すれば、圧力流体の流路
抵抗(振動ロス)となることから、これを防止すること
が必要である。しかしながら、本発明では、このような
課題は、内管をカテーテル管の内壁に固定することで防
止することができる。内管をカテーテル管の内壁に固定
するための手段としては、接着、融着または押し出し成
形などによる一体成形などの手段を例示することができ
る。
内管の肉厚が薄くなり、内管がカテーテル管内部で蛇行
し易くなったり、圧力流体の往復により振動し易く成る
ことも考えられる。内管が振動すれば、圧力流体の流路
抵抗(振動ロス)となることから、これを防止すること
が必要である。しかしながら、本発明では、このような
課題は、内管をカテーテル管の内壁に固定することで防
止することができる。内管をカテーテル管の内壁に固定
するための手段としては、接着、融着または押し出し成
形などによる一体成形などの手段を例示することができ
る。
【0018】
【実施例】以下、本発明に係るバルーンカテーテルを図
面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。図1は本発
明の一実施例に係るバルーンカテーテルの要部概略断面
図、図2は本実施例のバルーンカテーテルの使用状態を
示す概略図、図3(A),(B)はそれぞれ内管の薄肉
部分と厚肉部分との断面を示す概略図、図4は本発明の
その他の実施例に係るバルーンカテーテルに用いるカテ
ーテル管内部の要部断面斜視図、図5は本発明のその他
の実施例で用いる分岐部の拡大断面図、図6(A),
(B)はそれぞれ図5に示すViA−ViA線およびViB−ViB
線に沿う断面図、図7は図5に示す第1内管端部保持具
の側面図、図8(A),(B),(C)はそれぞれ図7
に示すViiiA−ViiiA線,ViiiB−ViiiB線,ViiiC−ViiiC
線に沿う断面図、図9は図5に示す第2内管端部保持具
の断面図である。
面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。図1は本発
明の一実施例に係るバルーンカテーテルの要部概略断面
図、図2は本実施例のバルーンカテーテルの使用状態を
示す概略図、図3(A),(B)はそれぞれ内管の薄肉
部分と厚肉部分との断面を示す概略図、図4は本発明の
その他の実施例に係るバルーンカテーテルに用いるカテ
ーテル管内部の要部断面斜視図、図5は本発明のその他
の実施例で用いる分岐部の拡大断面図、図6(A),
(B)はそれぞれ図5に示すViA−ViA線およびViB−ViB
線に沿う断面図、図7は図5に示す第1内管端部保持具
の側面図、図8(A),(B),(C)はそれぞれ図7
に示すViiiA−ViiiA線,ViiiB−ViiiB線,ViiiC−ViiiC
線に沿う断面図、図9は図5に示す第2内管端部保持具
の断面図である。
【0019】図1に示すように、本発明の一実施例に係
るバルーンカテーテル20は、心臓の拍動に合わせて膨
張および収縮するバルーン部22を有する。バルーン部
22は、膜厚約100〜150μm程度の薄膜で構成さ
れる。薄膜の材質は、特に限定されないが、耐屈曲疲労
特性に優れた材質であることが好ましく、例えばポリウ
レタンなどにより構成される。バルーン部22の外径お
よび長さは、心機能の補助効果に大きく影響するバルー
ン部22の内容積と、動脈血管の内径などに応じて決定
される。バルーン部22の内容積は、特に限定されない
が、30〜50ccであり、バルーン部22の外径は、
膨張時で、14〜16mmが好ましく、長さは、210
〜270mmが好ましい。
るバルーンカテーテル20は、心臓の拍動に合わせて膨
張および収縮するバルーン部22を有する。バルーン部
22は、膜厚約100〜150μm程度の薄膜で構成さ
れる。薄膜の材質は、特に限定されないが、耐屈曲疲労
特性に優れた材質であることが好ましく、例えばポリウ
レタンなどにより構成される。バルーン部22の外径お
よび長さは、心機能の補助効果に大きく影響するバルー
ン部22の内容積と、動脈血管の内径などに応じて決定
される。バルーン部22の内容積は、特に限定されない
が、30〜50ccであり、バルーン部22の外径は、
膨張時で、14〜16mmが好ましく、長さは、210
〜270mmが好ましい。
【0020】このバルーン部22の先端部には、血液連
通孔23が形成してある先端チップ部25が熱融着ない
しは接着などの手段で取り付けてある。この先端チップ
部25の内周側には、内管30の先端部が熱融着ないし
は接着などの手段で取り付けてある。
通孔23が形成してある先端チップ部25が熱融着ない
しは接着などの手段で取り付けてある。この先端チップ
部25の内周側には、内管30の先端部が熱融着ないし
は接着などの手段で取り付けてある。
【0021】バルーン部22の後端部には、金属製の造
影マーカー27の外周側で、カテーテル管24の先端部
が連結してある。このカテーテル管24の内部に形成さ
れた流体圧導通路29を通じて、バルーン部22内に、
流体圧が導入または導出され、バルーン部22が膨張な
いし収縮するようになっている。バルーン部22とカテ
ーテル管24との接続は、熱融着あるいは紫外線硬化樹
脂などの接着剤による接着により行われる。
影マーカー27の外周側で、カテーテル管24の先端部
が連結してある。このカテーテル管24の内部に形成さ
れた流体圧導通路29を通じて、バルーン部22内に、
流体圧が導入または導出され、バルーン部22が膨張な
いし収縮するようになっている。バルーン部22とカテ
ーテル管24との接続は、熱融着あるいは紫外線硬化樹
脂などの接着剤による接着により行われる。
【0022】内管30は、バルーン部22およびカテー
テル管24の内部を軸方向に延在し、後述する分岐部2
6の血圧測定口32に連通するようになっており、その
内部には、バルーン部22の内部およびカテーテル管2
4内に形成された流体圧導通路29とは連通しない血液
導通路31が形成してある。内管30は、後述するよう
に、先端チップ部25の血液連通孔23で取り入れた血
圧を分岐部26の血圧測定口32へ送り、そこから血圧
変動の測定を行うようになっている。
テル管24の内部を軸方向に延在し、後述する分岐部2
6の血圧測定口32に連通するようになっており、その
内部には、バルーン部22の内部およびカテーテル管2
4内に形成された流体圧導通路29とは連通しない血液
導通路31が形成してある。内管30は、後述するよう
に、先端チップ部25の血液連通孔23で取り入れた血
圧を分岐部26の血圧測定口32へ送り、そこから血圧
変動の測定を行うようになっている。
【0023】バルーン部22内に位置する内管30は、
バルーンカテーテル20を動脈内に挿入する際に、収縮
したバルーン部22が巻かれ、バルーン部22を都合良
く動脈内に差し込むためのガイドワイヤー挿通管腔とし
ても用いられる。カテーテル管24は、特に限定されな
いが、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリアミド等で構成される。カテーテル
管24の内径および肉厚は、特に限定されないが、内径
は、好ましくは、1.5〜4.0mmであり、肉厚は、好
ましくは、0.05〜0.4mmである。カテーテル管2
4の長さは、好ましくは300〜800mm程度である。
バルーンカテーテル20を動脈内に挿入する際に、収縮
したバルーン部22が巻かれ、バルーン部22を都合良
く動脈内に差し込むためのガイドワイヤー挿通管腔とし
ても用いられる。カテーテル管24は、特に限定されな
いが、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリアミド等で構成される。カテーテル
管24の内径および肉厚は、特に限定されないが、内径
は、好ましくは、1.5〜4.0mmであり、肉厚は、好
ましくは、0.05〜0.4mmである。カテーテル管2
4の長さは、好ましくは300〜800mm程度である。
【0024】カテーテル管24の後端部には、患者の体
外に設置される分岐部26が連結してある。分岐部26
は、カテーテル管24と別体に成形され、熱融着あるい
は接着などの手段で固着される。分岐部26には、カテ
ーテル管24内の流体圧導通路29およびバルーン部2
2内に圧力流体を導入または導出するための圧力流体導
入出口28が形成される第1通路47と、内管30内に
連通する血圧測定口32が形成される第2通路45とが
形成してある。
外に設置される分岐部26が連結してある。分岐部26
は、カテーテル管24と別体に成形され、熱融着あるい
は接着などの手段で固着される。分岐部26には、カテ
ーテル管24内の流体圧導通路29およびバルーン部2
2内に圧力流体を導入または導出するための圧力流体導
入出口28が形成される第1通路47と、内管30内に
連通する血圧測定口32が形成される第2通路45とが
形成してある。
【0025】圧力流体導入出口28は、たとえば図2に
示すポンプ装置10に接続され、このポンプ装置10に
より、流体圧がバルーン部22内に導入または導出され
るようになっている。導入される流体としては、特に限
定されないが、ポンプ装置10の駆動に応じて素早くバ
ルーン部が膨張または収縮するように、粘性及び質量の
小さいヘリウムガスなどが用いられる。また、ポンプ装
置10としては、特に限定されず、例えば特公平2−3
9265号公報に示すような装置が用いられる。
示すポンプ装置10に接続され、このポンプ装置10に
より、流体圧がバルーン部22内に導入または導出され
るようになっている。導入される流体としては、特に限
定されないが、ポンプ装置10の駆動に応じて素早くバ
ルーン部が膨張または収縮するように、粘性及び質量の
小さいヘリウムガスなどが用いられる。また、ポンプ装
置10としては、特に限定されず、例えば特公平2−3
9265号公報に示すような装置が用いられる。
【0026】血圧測定口32は、図2に示す血圧変動測
定装置11に接続され、バルーン部22先端の血液連通
孔23から取り入れた動脈内の血液の血圧の変動を測定
可能になっている。この血圧測定装置11で測定した血
圧の変動に基づき、心臓の拍動に応じてポンプ装置10
を制御し、0.4〜1秒の短周期でバルーン部22を膨
張および収縮させるようになっている。
定装置11に接続され、バルーン部22先端の血液連通
孔23から取り入れた動脈内の血液の血圧の変動を測定
可能になっている。この血圧測定装置11で測定した血
圧の変動に基づき、心臓の拍動に応じてポンプ装置10
を制御し、0.4〜1秒の短周期でバルーン部22を膨
張および収縮させるようになっている。
【0027】本実施例では、内管30が、軸方向にその
肉厚が一定ではなく、カテーテル管24の内部の分岐部
側と、バルーン部側とで、その肉厚が相違する。すなわ
ち、本実施例の内管30は、薄肉部分30aと厚肉部分
30bとが一体的に接合してある構造を有し、薄肉部分
30aの後端部が、分岐部26の血圧測定口32に接続
してあり、厚肉部分30bの先端部がバルーン部22の
先端チップ部25に接続してある。
肉厚が一定ではなく、カテーテル管24の内部の分岐部
側と、バルーン部側とで、その肉厚が相違する。すなわ
ち、本実施例の内管30は、薄肉部分30aと厚肉部分
30bとが一体的に接合してある構造を有し、薄肉部分
30aの後端部が、分岐部26の血圧測定口32に接続
してあり、厚肉部分30bの先端部がバルーン部22の
先端チップ部25に接続してある。
【0028】薄肉部分30aと厚肉部分30bとの境界
部33は、分岐部26から、カテーテル管24の全長の
半分以上で、バルーン部22とカテーテル管24との接
続部(接続チューブ27)の手前までの範囲に位置する
ことが好ましい。言い替えれば、薄肉部分30aの長さ
Lは、カテーテル管24の全長の1/2以上であり、カ
テーテル管24の全長以下であることが好ましい。さら
に好ましくは、前記境界部33は、接続チューブ27の
手前位置近傍に位置することが好ましい。ただし、バル
ーン部22の内部に、その境界部33が位置すること
は、バルーン部22でキンクが発生するおそれがあるこ
とから好ましくない。
部33は、分岐部26から、カテーテル管24の全長の
半分以上で、バルーン部22とカテーテル管24との接
続部(接続チューブ27)の手前までの範囲に位置する
ことが好ましい。言い替えれば、薄肉部分30aの長さ
Lは、カテーテル管24の全長の1/2以上であり、カ
テーテル管24の全長以下であることが好ましい。さら
に好ましくは、前記境界部33は、接続チューブ27の
手前位置近傍に位置することが好ましい。ただし、バル
ーン部22の内部に、その境界部33が位置すること
は、バルーン部22でキンクが発生するおそれがあるこ
とから好ましくない。
【0029】図3(B)に示すように(図3(B)で
は、バルーン部に近いカテーテル管内部の断面を示して
いるが、内管30の断面は、バルーン部22の内部でも
同様である)、バルーン部22の内部に位置する内管3
0の厚肉部分30bの外径D1は、従来のバルーンカテ
ーテルで用いられている内管の外径と同等であり、具体
的には、1.0〜2.0mmである。また、厚肉部分30
bの肉厚t1 は0.1〜0.5mmである。この内管30
の厚肉部分30bの寸法は、バルーン部22が血流など
でキンクせず、しかも血圧変動測定用として十分に機能
することを条件に決定される。
は、バルーン部に近いカテーテル管内部の断面を示して
いるが、内管30の断面は、バルーン部22の内部でも
同様である)、バルーン部22の内部に位置する内管3
0の厚肉部分30bの外径D1は、従来のバルーンカテ
ーテルで用いられている内管の外径と同等であり、具体
的には、1.0〜2.0mmである。また、厚肉部分30
bの肉厚t1 は0.1〜0.5mmである。この内管30
の厚肉部分30bの寸法は、バルーン部22が血流など
でキンクせず、しかも血圧変動測定用として十分に機能
することを条件に決定される。
【0030】これに対し、図3(A)に示すように、薄
肉部分30aの肉厚t2 は、厚肉部分30bの肉厚t1
に対して10〜95%好ましくは60〜95%薄く、具
体的には、0.025〜0.45mmであることが好まし
い。内管30の内径は、血圧変動を測定する観点から
は、0.6mm以下に小さくすることはできず、内管3
0の軸方向に沿って同一であることが好ましい。そこ
で、内管30の薄肉部分30aの外径D2 は、厚肉部分
のそれに対して小さい0.625〜1.8mm程度にする
ことが好ましい。10%以下では、応答特性効果が乏し
く、95%以上では強度上問題を生ずることになるか
ら、この内管30の薄肉部分30aの厚みは、内管30
内部の血圧と、内管30外部を流れる圧力流体の圧力と
の差圧により、潰れない程度の剛性を有するように決定
される。
肉部分30aの肉厚t2 は、厚肉部分30bの肉厚t1
に対して10〜95%好ましくは60〜95%薄く、具
体的には、0.025〜0.45mmであることが好まし
い。内管30の内径は、血圧変動を測定する観点から
は、0.6mm以下に小さくすることはできず、内管3
0の軸方向に沿って同一であることが好ましい。そこ
で、内管30の薄肉部分30aの外径D2 は、厚肉部分
のそれに対して小さい0.625〜1.8mm程度にする
ことが好ましい。10%以下では、応答特性効果が乏し
く、95%以上では強度上問題を生ずることになるか
ら、この内管30の薄肉部分30aの厚みは、内管30
内部の血圧と、内管30外部を流れる圧力流体の圧力と
の差圧により、潰れない程度の剛性を有するように決定
される。
【0031】本実施例の内管30は、たとえば、ポリウ
レタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン等の
合成樹脂チューブ、あるいは金属スプリング補強チュー
ブ、ステンレス細管等で構成される。内管30を合成樹
脂チューブで構成する場合には、薄肉部分30aは、樹
脂チューブの一方の端部に熱をかけながら引き抜き成形
することなどにより形成することができる。この場合に
は、薄肉部分30aと厚肉部分30bとを一体に成形す
ることができる。また、薄肉チューブと厚肉チューブと
を接着または融着などの手段で接合してもよい。更に
は、薄肉チューブの一部に、シート又はチューブを被覆
して厚肉チューブ部を形成しても良い。
レタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン等の
合成樹脂チューブ、あるいは金属スプリング補強チュー
ブ、ステンレス細管等で構成される。内管30を合成樹
脂チューブで構成する場合には、薄肉部分30aは、樹
脂チューブの一方の端部に熱をかけながら引き抜き成形
することなどにより形成することができる。この場合に
は、薄肉部分30aと厚肉部分30bとを一体に成形す
ることができる。また、薄肉チューブと厚肉チューブと
を接着または融着などの手段で接合してもよい。更に
は、薄肉チューブの一部に、シート又はチューブを被覆
して厚肉チューブ部を形成しても良い。
【0032】内管30が金属製である場合には、薄肉部
分30aは、機械加工あるいはエッチング処理などの手
段で形成することができる。本実施例のバルーンカテー
テル20では、カテーテル管24の内部に位置する内管
30の肉厚t1 は、バルーン部の内部に位置する内管3
0の肉厚t2 に比較して、10〜95%好ましくは60
〜95%薄く構成することができるので、内管30の内
径が軸方向で一定であるとすれば、カテーテル管24の
内部では、内管30の外径を小さくすることができ、内
管30の外周とカテーテル管24の内周との間に形成さ
れる圧力流体導通路29の断面積が大きくなる。たとえ
ば、前記したごとくカテーテル管の内径が、2.6mmで
あり、内管の内径が、0.90mmであり、内管の外径
が、1.50mmである従来のバルーンカテーテルにおけ
るカテーテル管内圧力流体の流路断面は、計算上1.1
28πmm2 である。これに対し、例えば内管の肉厚を従
来の1/2とした本実施例のバルーンカテーテルにおけ
るカテーテル管内圧力流体の流路断面は、計算上1.3
3πmm2 となる。この例では、本実施例のバルーンカテ
ーテルのカテーテル管内圧力流体の流路断面が、15%
以上大きくなる。
分30aは、機械加工あるいはエッチング処理などの手
段で形成することができる。本実施例のバルーンカテー
テル20では、カテーテル管24の内部に位置する内管
30の肉厚t1 は、バルーン部の内部に位置する内管3
0の肉厚t2 に比較して、10〜95%好ましくは60
〜95%薄く構成することができるので、内管30の内
径が軸方向で一定であるとすれば、カテーテル管24の
内部では、内管30の外径を小さくすることができ、内
管30の外周とカテーテル管24の内周との間に形成さ
れる圧力流体導通路29の断面積が大きくなる。たとえ
ば、前記したごとくカテーテル管の内径が、2.6mmで
あり、内管の内径が、0.90mmであり、内管の外径
が、1.50mmである従来のバルーンカテーテルにおけ
るカテーテル管内圧力流体の流路断面は、計算上1.1
28πmm2 である。これに対し、例えば内管の肉厚を従
来の1/2とした本実施例のバルーンカテーテルにおけ
るカテーテル管内圧力流体の流路断面は、計算上1.3
3πmm2 となる。この例では、本実施例のバルーンカテ
ーテルのカテーテル管内圧力流体の流路断面が、15%
以上大きくなる。
【0033】流路断面が15%以上大きくなることは、
流路抵抗が15%以上低減され、バルーン部の膨張およ
び収縮の応答性が15%以上向上することを意味し、心
機能の補助効果が著しく改善されることを意味する。し
かも、本実施例に係るバルーンカテーテルでは、カテー
テル管24の外径を従来に比較して大きくしないので、
患者の負担を増大させることがない。しかも、バルーン
部22内部では、内管30の外径および肉厚は、従来の
バルーンカテーテルの内管と同程度なので、バルーン部
22が血流などでキンクするなどの事態を避けることが
できる。また、カテーテル管24部分では、カテーテル
管24自体がある程度の剛性を有していることから、内
管30の強度が低下しても、カテーテル管24が血流な
どでキンクしたり押戻されたりすることはない。
流路抵抗が15%以上低減され、バルーン部の膨張およ
び収縮の応答性が15%以上向上することを意味し、心
機能の補助効果が著しく改善されることを意味する。し
かも、本実施例に係るバルーンカテーテルでは、カテー
テル管24の外径を従来に比較して大きくしないので、
患者の負担を増大させることがない。しかも、バルーン
部22内部では、内管30の外径および肉厚は、従来の
バルーンカテーテルの内管と同程度なので、バルーン部
22が血流などでキンクするなどの事態を避けることが
できる。また、カテーテル管24部分では、カテーテル
管24自体がある程度の剛性を有していることから、内
管30の強度が低下しても、カテーテル管24が血流な
どでキンクしたり押戻されたりすることはない。
【0034】なお、カテーテル管24のキンクを効果的
に防止する観点からは、カテーテル管24を、基体チュ
ーブと表層チューブとの二重管構造で構成することが好
ましい。基体チューブは、線弾性係数で100Kg/m
m2 以上の硬質合成樹脂で構成され、具体的には、ポリ
アミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂(PFA,P
TFE,ETFEなど)または二フッ化ポリビニル樹脂
(PVDF)などで構成される。また、表層チューブ
は、抗血栓性材料で構成され、具体的には、ポリウレタ
ン又はポリイミド樹脂などで構成される。
に防止する観点からは、カテーテル管24を、基体チュ
ーブと表層チューブとの二重管構造で構成することが好
ましい。基体チューブは、線弾性係数で100Kg/m
m2 以上の硬質合成樹脂で構成され、具体的には、ポリ
アミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂(PFA,P
TFE,ETFEなど)または二フッ化ポリビニル樹脂
(PVDF)などで構成される。また、表層チューブ
は、抗血栓性材料で構成され、具体的には、ポリウレタ
ン又はポリイミド樹脂などで構成される。
【0035】基体チューブと表層チューブとで構成され
るカテーテル管の内径および肉厚は、特に限定されない
が、内径は、好ましくは、1.5〜4.0mmであり、肉
厚は、好ましくは、0.05〜0.4mmである。また、
基体チューブ単独の肉厚は、0.03〜0.35mmであ
る。
るカテーテル管の内径および肉厚は、特に限定されない
が、内径は、好ましくは、1.5〜4.0mmであり、肉
厚は、好ましくは、0.05〜0.4mmである。また、
基体チューブ単独の肉厚は、0.03〜0.35mmであ
る。
【0036】基体チューブと表層チューブとで構成され
るカテーテル管は、たとえば二層チューブ押し出し成形
法により形成することができる。または、基体チューブ
と表層チューブとを別に成形しておき、後工程において
接着または熱接着することにより形成することができ
る。さらに、基体チューブの外周に成膜される表層チュ
ーブは、溶液浸漬法、スプレー法などで構成することも
できる。
るカテーテル管は、たとえば二層チューブ押し出し成形
法により形成することができる。または、基体チューブ
と表層チューブとを別に成形しておき、後工程において
接着または熱接着することにより形成することができ
る。さらに、基体チューブの外周に成膜される表層チュ
ーブは、溶液浸漬法、スプレー法などで構成することも
できる。
【0037】この実施例では、カテーテル管が二重管構
造を有しており、内側の基体チューブが、線弾性係数で
100Kg/mm2 以上の硬質合成樹脂で構成され、外
側の表層チューブが抗血栓性材料で構成される。そのた
め、カテーテル管は、適度な剛性を有し、患者の血管内
に挿入し易いと共に、カテーテル管の先端に接続される
バルーン部が、患者の血管内所定位置に設置された後に
は、血流などで押戻されることもない。
造を有しており、内側の基体チューブが、線弾性係数で
100Kg/mm2 以上の硬質合成樹脂で構成され、外
側の表層チューブが抗血栓性材料で構成される。そのた
め、カテーテル管は、適度な剛性を有し、患者の血管内
に挿入し易いと共に、カテーテル管の先端に接続される
バルーン部が、患者の血管内所定位置に設置された後に
は、血流などで押戻されることもない。
【0038】また、外側の表層チューブが抗血栓性に優
れた材質で構成されるため、血栓が付着するおそれも少
ない。次に、本発明のその他の実施例について説明す
る。本実施例では、図4に示すように、カテーテル管2
4内部を軸方向に延在する内管30が、接着、融着ない
しは一体成形などの手段で、カテーテル管24の内壁に
固定してある。内管30は、熱融着または接着等の手段
でカテーテル管24の内壁に固定したり、一体成形によ
り固定することもできる。固定する位置は、内管30が
直線状に延在するように、カテーテル管24の軸方向に
沿って周方向一定位置であることが好ましいが、場合に
よっては、内管30がカテーテル管24の内壁に沿って
なだらかな螺旋形状を描くような位置であっても良い。
れた材質で構成されるため、血栓が付着するおそれも少
ない。次に、本発明のその他の実施例について説明す
る。本実施例では、図4に示すように、カテーテル管2
4内部を軸方向に延在する内管30が、接着、融着ない
しは一体成形などの手段で、カテーテル管24の内壁に
固定してある。内管30は、熱融着または接着等の手段
でカテーテル管24の内壁に固定したり、一体成形によ
り固定することもできる。固定する位置は、内管30が
直線状に延在するように、カテーテル管24の軸方向に
沿って周方向一定位置であることが好ましいが、場合に
よっては、内管30がカテーテル管24の内壁に沿って
なだらかな螺旋形状を描くような位置であっても良い。
【0039】カテーテル管24の内壁に内管30を接着
ないし熱融着する場合には、カテーテル管24と内管3
0とは、同一材質であっても良いが、異なる材質であっ
ても良い。カテーテル管24ないしは内管30を構成す
る材質としては、特に限定されないが、ポリウレタン、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン等が用いられ
る。これらの管24,30は、それぞれ例えば押し出し
成形により成形され、後工程で接着ないし熱融着され
る。接着に際しては、例えば紫外線硬化樹脂などが用い
られる。
ないし熱融着する場合には、カテーテル管24と内管3
0とは、同一材質であっても良いが、異なる材質であっ
ても良い。カテーテル管24ないしは内管30を構成す
る材質としては、特に限定されないが、ポリウレタン、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ナイロン等が用いられ
る。これらの管24,30は、それぞれ例えば押し出し
成形により成形され、後工程で接着ないし熱融着され
る。接着に際しては、例えば紫外線硬化樹脂などが用い
られる。
【0040】カテーテル管24の内壁に内管30を一体
成形する場合には、当然のことながら、カテーテル官2
4と内管30とは同一材質で構成される。一体成形の手
段としては、例えば異形管押し出し成形法が用いられ
る。このような一体成形により、内管30とカテーテル
管24とを固定すれば、その接合部分の肉厚がカテーテ
ル管24の肉厚と同じとなり、さらにカテーテル管24
内の圧力流体の流路断面積を大きくすることができるの
で都合がよい。
成形する場合には、当然のことながら、カテーテル官2
4と内管30とは同一材質で構成される。一体成形の手
段としては、例えば異形管押し出し成形法が用いられ
る。このような一体成形により、内管30とカテーテル
管24とを固定すれば、その接合部分の肉厚がカテーテ
ル管24の肉厚と同じとなり、さらにカテーテル管24
内の圧力流体の流路断面積を大きくすることができるの
で都合がよい。
【0041】上述したような構成にすることで、カテー
テル管24が動脈血管に沿って曲がりくねったとして
も、内管30は、カテーテル管24の内壁の所定位置に
固定される。このため、従来のように内管がカテーテル
管内で曲がりくねることによる渦流の発生および流路抵
抗の増大を有効に防止できる。また、本実施例のバルー
ンカテーテルでは、バルーン部を膨張および収縮させる
ための圧力流体のエネルギー損失も小さい。
テル管24が動脈血管に沿って曲がりくねったとして
も、内管30は、カテーテル管24の内壁の所定位置に
固定される。このため、従来のように内管がカテーテル
管内で曲がりくねることによる渦流の発生および流路抵
抗の増大を有効に防止できる。また、本実施例のバルー
ンカテーテルでは、バルーン部を膨張および収縮させる
ための圧力流体のエネルギー損失も小さい。
【0042】図1,3に示す実施例では、カテーテル管
内部において、内管30の肉厚が従来に比較して薄くな
り、内管30がカテーテル管内部で蛇行し易くなった
り、圧力流体の往復により振動し易く成ることも考えら
れる。内管が振動すれば、圧力流体の流路抵抗(振動ロ
ス)となることから、これを防止することが必要であ
る。しかしながら、図4に示す本実施例では、このよう
な課題を有効に防止することができる。
内部において、内管30の肉厚が従来に比較して薄くな
り、内管30がカテーテル管内部で蛇行し易くなった
り、圧力流体の往復により振動し易く成ることも考えら
れる。内管が振動すれば、圧力流体の流路抵抗(振動ロ
ス)となることから、これを防止することが必要であ
る。しかしながら、図4に示す本実施例では、このよう
な課題を有効に防止することができる。
【0043】次に、本発明のさらにその他の実施例につ
いて説明する。図5に示すように、本実施例のバルーン
カテーテルに用いる分岐部42では、圧力流体導入出口
46が形成された第1通路47をカテーテル管24の軸
心方向に沿ってストレート状に配置し、血圧測定口44
が形成される第2通路45を、第1通路47の軸心に対
して所定の傾きを以て配置するように構成してある。
いて説明する。図5に示すように、本実施例のバルーン
カテーテルに用いる分岐部42では、圧力流体導入出口
46が形成された第1通路47をカテーテル管24の軸
心方向に沿ってストレート状に配置し、血圧測定口44
が形成される第2通路45を、第1通路47の軸心に対
して所定の傾きを以て配置するように構成してある。
【0044】しかも本実施例の分岐部42では、第2通
路45内に、内管30の端部を保持し、この内管30
を、カテーテル管24の内壁に接するように偏心させて
配置させるための第1内管端部保持具48と第2内管端
部保持具50とが装着してある。
路45内に、内管30の端部を保持し、この内管30
を、カテーテル管24の内壁に接するように偏心させて
配置させるための第1内管端部保持具48と第2内管端
部保持具50とが装着してある。
【0045】第1内管端部保持具48は、図7,8に示
すように、保持具本体52と、この保持具本体52に対
して軸方向に突出する一対の爪部54,56とを有す
る。保持具本体52には、内管30の端部が緩く挿通す
る遊挿孔58と、内管30の外周を本体52に接着する
ための接着挿入孔59とが形成してある。爪部54,5
6は、これらの間に、内管30の端部を挟み込むように
構成され、その基端部側では、図8(B)に示すよう
に、略半円形状を有するが、その先端側では、同図
(C)に示すように、内管30の両側を挟み込むよう
に、突起部54a,56aが形成された形状を有してい
る。
すように、保持具本体52と、この保持具本体52に対
して軸方向に突出する一対の爪部54,56とを有す
る。保持具本体52には、内管30の端部が緩く挿通す
る遊挿孔58と、内管30の外周を本体52に接着する
ための接着挿入孔59とが形成してある。爪部54,5
6は、これらの間に、内管30の端部を挟み込むように
構成され、その基端部側では、図8(B)に示すよう
に、略半円形状を有するが、その先端側では、同図
(C)に示すように、内管30の両側を挟み込むよう
に、突起部54a,56aが形成された形状を有してい
る。
【0046】一方の下方側爪部56は、他方の上方側爪
部54よりも長く構成され、図5に示すように、この第
1内管端部保持具48が分岐部42の第2通路45内に
挿入された状態で、爪部54,56の先端により、第1
通路47が極力狭められないように構成してある。
部54よりも長く構成され、図5に示すように、この第
1内管端部保持具48が分岐部42の第2通路45内に
挿入された状態で、爪部54,56の先端により、第1
通路47が極力狭められないように構成してある。
【0047】これら爪部54,56により、内管30の
端部をフレキシブルに保持することができる。しかも、
これら爪部54,56は、図6(A)に示すように、内
管30の端部を弾力的に保持し、内管30が、図6
(B)に示すように、カテーテル管24内で、カテーテ
ル管24の内壁に接するように偏心させて配置させるよ
うな形状になっている。
端部をフレキシブルに保持することができる。しかも、
これら爪部54,56は、図6(A)に示すように、内
管30の端部を弾力的に保持し、内管30が、図6
(B)に示すように、カテーテル管24内で、カテーテ
ル管24の内壁に接するように偏心させて配置させるよ
うな形状になっている。
【0048】第1内管端部保持具48の後端側の第2通
路45内には、第2内管端部保持具50が装着される。
この第2内管端部保持具50には、図9に示すように、
内管30の端部がフレキシブルに挿入される端部固定孔
60と、内管30内に連通される血圧測定口44とが形
成してある。この第2内管端部保持具50は、その外周
に形成された係止用突起62により、分岐部42に係止
される。
路45内には、第2内管端部保持具50が装着される。
この第2内管端部保持具50には、図9に示すように、
内管30の端部がフレキシブルに挿入される端部固定孔
60と、内管30内に連通される血圧測定口44とが形
成してある。この第2内管端部保持具50は、その外周
に形成された係止用突起62により、分岐部42に係止
される。
【0049】内管30の端部を、第1,第2内管端部保
持具48,50で分岐部42の第2通路45内に固定す
るには、まず、内管30の端部を、分岐部42の第2通
路45を通し、その通路45から分岐部42外部に引き
出す。次に、第2通路45内に、第1内管端部保持具4
8を挿入し、爪部54,56間で内管30の端部を弾性
保持する。そして、内管30の端部を引っ張り、内管3
0が、図6(B)に示すように、カテーテル管24の内
壁に接するように、偏心させるように配置する。その
後、内管30の端部を適当な長さに切断し、内管30の
端部を第1内管端部保持具48に対して接着する。その
後、第2内管端部保持具50を第1通路45内に挿入
し、内管30の端部を、保持具50の端部固定孔60に
固定する。
持具48,50で分岐部42の第2通路45内に固定す
るには、まず、内管30の端部を、分岐部42の第2通
路45を通し、その通路45から分岐部42外部に引き
出す。次に、第2通路45内に、第1内管端部保持具4
8を挿入し、爪部54,56間で内管30の端部を弾性
保持する。そして、内管30の端部を引っ張り、内管3
0が、図6(B)に示すように、カテーテル管24の内
壁に接するように、偏心させるように配置する。その
後、内管30の端部を適当な長さに切断し、内管30の
端部を第1内管端部保持具48に対して接着する。その
後、第2内管端部保持具50を第1通路45内に挿入
し、内管30の端部を、保持具50の端部固定孔60に
固定する。
【0050】この実施例のバルーンカテーテルでは、分
岐部42に形成される圧力流体導入出口46に連通する
第1通路47をカテーテル管24の軸心方向に沿ってス
トレート状に配置したので、血圧測定口をカテーテル管
の軸心方向に沿ってストレート状に配置した従来例に比
較し、圧力流体の流路抵抗で、約2%の改善、応答性の
観点からは、さらに約4%の改善ができる。
岐部42に形成される圧力流体導入出口46に連通する
第1通路47をカテーテル管24の軸心方向に沿ってス
トレート状に配置したので、血圧測定口をカテーテル管
の軸心方向に沿ってストレート状に配置した従来例に比
較し、圧力流体の流路抵抗で、約2%の改善、応答性の
観点からは、さらに約4%の改善ができる。
【0051】また、本実施例では、分岐部42の第2通
路45に、第1内管端部保持具48が装着してあるの
で、内管30がカテーテル管24の内壁に接するように
偏心して配置される。その結果、カテーテル管24内に
形成された流体圧導通路29の流路抵抗が、従来に比較
し、約4%低減でき、応答性の観点からは、約8%低減
することができる。従来では、カテーテル管24が血管
に沿って蛇行する際に、カテーテル管24内で内管30
が相対的に蛇行し、流体圧導通路29の流路抵抗を増大
させていたが、本実施例では、内管30がカテーテル管
24の内壁に接するように偏心して配置されることか
ら、流体圧導通路29の流路抵抗が低減する。
路45に、第1内管端部保持具48が装着してあるの
で、内管30がカテーテル管24の内壁に接するように
偏心して配置される。その結果、カテーテル管24内に
形成された流体圧導通路29の流路抵抗が、従来に比較
し、約4%低減でき、応答性の観点からは、約8%低減
することができる。従来では、カテーテル管24が血管
に沿って蛇行する際に、カテーテル管24内で内管30
が相対的に蛇行し、流体圧導通路29の流路抵抗を増大
させていたが、本実施例では、内管30がカテーテル管
24の内壁に接するように偏心して配置されることか
ら、流体圧導通路29の流路抵抗が低減する。
【0052】次に、本発明を、さらに具体的な実施例に
ついて説明する。実施例1と比較例1 図1に示す内管30として、厚肉部分30bの外径が
1.5mmであり、肉厚が0.3mmであり、薄肉部分
30aの外径が1.1mmであり、肉厚が0.1mmで
あるポリアミド製細管を用いた。バルーン部22を構成
する薄膜としては、膜厚が0.1mmのポリウレタン膜
を用い、膨張時バルーン部の外径が15mmであり、バ
ルーン部の内容積が30ccであり、その軸方向長さが
230mmであった。内管30の全長は、830mmであ
り、薄肉部分30aの長さは、235mmであった。ま
た、カテーテル管24としては、長さ550mmのポリウ
レタン製のチューブを用い、その外径は3.0mm、肉厚
が0.25mmであった。
ついて説明する。実施例1と比較例1 図1に示す内管30として、厚肉部分30bの外径が
1.5mmであり、肉厚が0.3mmであり、薄肉部分
30aの外径が1.1mmであり、肉厚が0.1mmで
あるポリアミド製細管を用いた。バルーン部22を構成
する薄膜としては、膜厚が0.1mmのポリウレタン膜
を用い、膨張時バルーン部の外径が15mmであり、バ
ルーン部の内容積が30ccであり、その軸方向長さが
230mmであった。内管30の全長は、830mmであ
り、薄肉部分30aの長さは、235mmであった。ま
た、カテーテル管24としては、長さ550mmのポリウ
レタン製のチューブを用い、その外径は3.0mm、肉厚
が0.25mmであった。
【0053】分岐部42としては、図1に示す分岐部2
6を用いた。このバルーンカテーテルを、内径60mm、
長さ350mmであるアクリル製疑似血管内に通し、疑似
血管内の血圧と応答性(最大拍動数)との関係を調べ
た。結果を表1に示す。なお、表1中、最大拍動数と
は、バルーンが完全に開閉する最大の拍動数を示し、こ
の値が大きい程、応答性が良い。なお、比較のため、薄
肉部分がなく、内管全長にわたって厚肉部分30bと同
じ内外径のチューブを用いた以外は実施例1と同じバル
ーンカテーテルにより測定を行った(比較例1)。表1
中、背圧とは疑似血管に加えられる静圧をいう。
6を用いた。このバルーンカテーテルを、内径60mm、
長さ350mmであるアクリル製疑似血管内に通し、疑似
血管内の血圧と応答性(最大拍動数)との関係を調べ
た。結果を表1に示す。なお、表1中、最大拍動数と
は、バルーンが完全に開閉する最大の拍動数を示し、こ
の値が大きい程、応答性が良い。なお、比較のため、薄
肉部分がなく、内管全長にわたって厚肉部分30bと同
じ内外径のチューブを用いた以外は実施例1と同じバル
ーンカテーテルにより測定を行った(比較例1)。表1
中、背圧とは疑似血管に加えられる静圧をいう。
【0054】
【表1】
【0055】実施例2と比較例2 厚肉部分30bの外径が1.9mmであり、肉厚が0.
5mmであり、薄肉部分30aの外径が0.96mmで
あり、肉厚が0.03mmであるポリアミド製内管を用
いた以外は実施例1と同様にして疑似血管内の血圧と応
答性との関係を調べた。結果を表2に示す。
5mmであり、薄肉部分30aの外径が0.96mmで
あり、肉厚が0.03mmであるポリアミド製内管を用
いた以外は実施例1と同様にして疑似血管内の血圧と応
答性との関係を調べた。結果を表2に示す。
【0056】また、比較のため、薄肉部分がなく、内管
全長にわたって実施例2の厚肉部分の外径および肉厚を
有する内管を持つバルーンカテーテル(比較例2)につ
いて、実施例2と同様な測定を行った。結果を表2に示
す。
全長にわたって実施例2の厚肉部分の外径および肉厚を
有する内管を持つバルーンカテーテル(比較例2)につ
いて、実施例2と同様な測定を行った。結果を表2に示
す。
【0057】
【表2】
【0058】実施例3と比較例3 厚肉部分30bの外径が1.9mmであり、肉厚が0.
5mmであり、薄肉部分30aの外径が1.8mmであ
り、肉厚が0.45mmであるポリアミド製内管を用い
た以外は実施例1と同様にして疑似血管内の血圧と応答
性との関係を調べた。結果を表3に示す。
5mmであり、薄肉部分30aの外径が1.8mmであ
り、肉厚が0.45mmであるポリアミド製内管を用い
た以外は実施例1と同様にして疑似血管内の血圧と応答
性との関係を調べた。結果を表3に示す。
【0059】また、比較のため、薄肉部分がなく、内管
全長にわたって実施例3の厚肉部分の外径および肉厚を
有する内管を持つバルーンカテーテル(比較例3)につ
いて、実施例3と同様な測定を行った。結果を表3に示
す。
全長にわたって実施例3の厚肉部分の外径および肉厚を
有する内管を持つバルーンカテーテル(比較例3)につ
いて、実施例3と同様な測定を行った。結果を表3に示
す。
【0060】
【表3】
【0061】実施例4,5と比較例4 薄肉部30aの形成範囲が分枝部分からカテーテル管2
4の全長の約半分の長さ(約275mm)であり、その
他は実施例1と同様な内管を有するバルーンカテーテル
を準備した(実施例4)。また、その内管をカテーテル
管の内壁にエポキシ樹脂を用いて接着したバルーンカテ
ーテルを準備した(実施例5)。これら実施例4および
5のバルーンカテーテルを用いて、実施例1と同様に、
疑似血管内の血圧と応答性との関係を調べた。
4の全長の約半分の長さ(約275mm)であり、その
他は実施例1と同様な内管を有するバルーンカテーテル
を準備した(実施例4)。また、その内管をカテーテル
管の内壁にエポキシ樹脂を用いて接着したバルーンカテ
ーテルを準備した(実施例5)。これら実施例4および
5のバルーンカテーテルを用いて、実施例1と同様に、
疑似血管内の血圧と応答性との関係を調べた。
【0062】結果を表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。たとえば、内管の断面形状は円管としてい
るが、内径が確保されれば良く、又、肉厚を薄肉部30
aで均一にしているが、外径断面を減らせれば、均一で
ある必要はない。また、本発明では、内管30の用途
は、血圧測定のみに限定されず、その他の用途に用いる
ようにしても良い。また、図5〜9に示す実施例では、
第1内管端部保持具48と第2内管端部保持具50と
は、別体に成形したが、これらを一体に成形することも
可能である。また、分岐部42、第1内管端部保持具4
8および第2内管端部保持具50の具体形状および構造
は、本発明の範囲内での種々に改変することができる。
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。たとえば、内管の断面形状は円管としてい
るが、内径が確保されれば良く、又、肉厚を薄肉部30
aで均一にしているが、外径断面を減らせれば、均一で
ある必要はない。また、本発明では、内管30の用途
は、血圧測定のみに限定されず、その他の用途に用いる
ようにしても良い。また、図5〜9に示す実施例では、
第1内管端部保持具48と第2内管端部保持具50と
は、別体に成形したが、これらを一体に成形することも
可能である。また、分岐部42、第1内管端部保持具4
8および第2内管端部保持具50の具体形状および構造
は、本発明の範囲内での種々に改変することができる。
【0065】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、患者の負担を増大させることなく、圧力流体が通る
カテーテル管内の流路抵抗を小さくし、応答性良くバル
ーン部を膨張・収縮させ、しかもバルーン部およびカテ
ーテル管のキンクや血流による押戻しなどを有効に防止
することができる。
ば、患者の負担を増大させることなく、圧力流体が通る
カテーテル管内の流路抵抗を小さくし、応答性良くバル
ーン部を膨張・収縮させ、しかもバルーン部およびカテ
ーテル管のキンクや血流による押戻しなどを有効に防止
することができる。
【図1】図1は本発明の一実施例に係るバルーンカテー
テルの要部概略断面図である。
テルの要部概略断面図である。
【図2】図2は本実施例のバルーンカテーテルの使用状
態を示す概略図である。
態を示す概略図である。
【図3】図3(A),(B)はそれぞれ内管の薄肉部分
と厚肉部分との断面を示す概略図である。
と厚肉部分との断面を示す概略図である。
【図4】図4は本発明のその他の実施例に係るバルーン
カテーテルに用いるカテーテル管内部の要部断面斜視図
である。
カテーテルに用いるカテーテル管内部の要部断面斜視図
である。
【図5】図5は本発明のその他の実施例で用いる分岐部
の拡大断面図である。
の拡大断面図である。
【図6】図6(A),(B)はそれぞれ図5に示すViA
−ViA線およびViB−ViB線に沿う断面図である。
−ViA線およびViB−ViB線に沿う断面図である。
【図7】図7は図5に示す第1内管端部保持具の側面図
である。
である。
【図8】図8(A),(B),(C)はそれぞれ図7に
示すViiiA−ViiiA線,ViiiB−ViiiB線,ViiiC−ViiiC線
に沿う断面図である。
示すViiiA−ViiiA線,ViiiB−ViiiB線,ViiiC−ViiiC線
に沿う断面図である。
【図9】図9は図5に示す第2内管端部保持具の断面図
である。
である。
20… バルーンカテーテル 22… バルーン部 23… 血液導入口 24… カテーテル管 25… 先端チップ部 26,42… 分岐部 28,46… 圧力流体導入出口 29… 流体圧導通路 30… 内管 30a… 薄肉部分 30b… 厚肉部分 31… 血液導通路 32,44… 血圧測定口 45… 第2通路 47… 第1通路 48… 第1内管端部保持具 50… 第2内管端部保持具 54,56… 爪部
Claims (3)
- 【請求項1】 大動脈内に挿入されて、心機能の補助作
用を行うように膨張および収縮するバルーン部と、 前記バルーン部内部に圧力流体を導入および導出するよ
うに、バルーン部の後端に接続されたカテーテル管と、 前記バルーン部の先端部に設けられた血液導通口に連通
し、前記バルーン部およびカテーテル管内部を軸方向に
延在する内管と、 前記カテーテル管および内管の後端が接続され、カテー
テル管の内部に圧力流体を導入および導出する圧力流体
導入出口と、内管内に連通する血圧測定口とが形成して
ある分岐部とを有するバルーンカテーテルであって、 前記カテーテル管の内部に位置する内管の肉厚を、前記
バルーン部の内部に位置する内管の肉厚に比較して、1
0〜95%薄くしてあるバルーンカテーテル。 - 【請求項2】 前記肉厚が薄く構成してある内管の薄肉
部の長さ範囲は、分岐部から、カテーテル管の全長の半
分以上で、バルーン部とカテーテル管との接続部の手前
までの範囲である請求項1に記載のバルーンカテーテ
ル。 - 【請求項3】 前記カテーテル管の内壁に、前記内管の
外周の少なくとも一部が固定してある請求項1または2
に記載のバルーンカテーテル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5270767A JPH07116244A (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | バルーンカテーテル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5270767A JPH07116244A (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | バルーンカテーテル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07116244A true JPH07116244A (ja) | 1995-05-09 |
Family
ID=17490718
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5270767A Pending JPH07116244A (ja) | 1993-10-28 | 1993-10-28 | バルーンカテーテル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07116244A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN118697527A (zh) * | 2024-08-30 | 2024-09-27 | 北京久事神康医疗科技有限公司 | 一种变径微导管及系统 |
-
1993
- 1993-10-28 JP JP5270767A patent/JPH07116244A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN118697527A (zh) * | 2024-08-30 | 2024-09-27 | 北京久事神康医疗科技有限公司 | 一种变径微导管及系统 |
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